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生まれる家庭を間違えた

1 :夢見る名無しさん:2010/03/04(木) 14:22:21 0
どうしても言いたい。
でも誰にも言えない。
だからここに書かせてくれ。
文才ないし、遅筆だけど、こういう人がいるんだなって思ってくれたら幸い。
因みに予め言っておくけどオチはないから。
今、俺高校2年(もうすぐ3年)で、物語の起承転結の「承」の部分が今なんだと思う。
それでもよければ読んでくれ。
ちょっと相談も兼ねてるんだ。

2 :夢見る名無しさん:2010/03/04(木) 14:23:13 0
俺は普通の家庭に生まれた。
すぐ怒るし神経質なくせ、俺達のことをきちんと考えてくれていた背が高い父親。
怒りすぎて俺を殴ろうとしてきた俺を庇おうと守ってくれた小柄な母親。
2つ下のくせに俺のことを呼び捨てにする生意気な妹。
末っ子だからかどこか甘えん坊なところがあった弟。
どこにでもいる5人家族。
何もわからない、ただ親や先生から怒られるのが怖かった時の俺。
多分、このときが一番幸せだったと思う。
そんときゃここまで『面倒くさい家』になるなんて全く思ってなかったから。

3 :夢見る名無しさん:2010/03/04(木) 14:25:36 0
俺は近所のとある小学校に入った。
まだこの時は4人家族。つまり弟はまだ生まれていなかった。この時から既に妹は俺を呼び捨てにしてたが。
でも正直、この学校で過ごした重いでは殆どない。
なぜなら俺は小学校3年の頃から別の学校に転校したからだ。
転校する前は死ぬほど転校するのが嫌だった。
転校するっつっても隣の小学校に変わるだけだったんだけど。
歩いて普通に行ける距離だけど、当時の俺は嫌だった。
泣くほど嫌だった。大泣きして転校した。

4 :夢見る名無しさん:2010/03/04(木) 14:27:34 0
ごめん早速、変換ミスした。
分かるとは思うけど重いで→思い出、な。


転校してからは前の涙は何だったと思うくらいクラスに溶け込みつつあった。
その転校先は1クラス20人くらいで1学年2クラスの小さい学校だった。
でも、小さくてもとてもいい学校だったと今でも思う。
校長がとても優しい人で校長室はよく様々な学年の生徒が集まっていた。
その校長は余程の子供好きらしく、やってきた生徒を邪険に扱うこともなく一緒に折り紙やらお絵描きやら工作の類をしてくれた。
小3の俺もよく行った。

5 :夢見る名無しさん:2010/03/04(木) 14:29:47 0
小学校6年。最高学年。
小学校で最高学年といってもガキのことに変わりないんだけど、当時の俺は少しでも誇らしく思ってた。
俺の一番書きたいことは小学校で毎年恒例の学習発表会だ。
俺達の劇は『ピーターパン』に決まった。
まさか、この劇が今の俺に繋がるなんて絶対思ってなかったよ。
役を決めるにあたってオーディションをやった。
覚えたセリフを壇上で言って先生が判断するってやり方だった。
当時の俺はそのルールを知らなかった。なんでかは知らない。多分、話聞いてなかったか忘れてたんだと思う。
けど、当時の俺は極度の目立ちたがりだった。厨二病がこの時から発症してたんだろうね。
だから俺は主人公のピーターパン役に立候補した。他にも立候補者はいた。
ルールを知らない俺は周りに責められながらも壇上で半泣きで台本を読みながらやった。
落ちた。当然だよね。
受かるわけない。ルールガン無視なんだから。
俺は他にもいくつか受けたが、全部落ちた。
そりゃそーだ。セリフその場で暗記しても、今やっつけでやったってバレバレなんだから。
家で練習してないって全員わかる。
俺はモブの名前なしキャラになった。
悔しかった。明らかに自己責任なのに悔しかった。
この悔しさが今の俺を作っている。


まだプロローグなんだよね、プロローグがかなり長くなりそう。

6 :夢見る名無しさん:2010/03/04(木) 14:30:39 0
小学校を卒業し、中学に入った。
だが俺はまさに小学生気分だった。
勉強なんてしてないし、しようとも思わなかった。
「周りからイジめられてる」なんて大嘘吹いて1ヶ月不登校という名のサボりをしたこともあったっけ。
周りは俺のこと心配してくれてたのにバカだよね俺は。

7 :スレ主 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:38:23 0
あ、トリップつけんの忘れてた。
ごめん、2chあんまり詳しくないからさ。
とりあえずこのトリップでいこうと思う。

でも、そんな俺でも全力で頑張ったことがあった。それは部活。
俺は小学校のあのオーディションのことが忘れられなかった。
絶対、見返してやるって誓った。
俺は演劇部に入った。

8 :スレ主 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:39:24 0
その演劇部は女子の3年が4人いるだけという少数の部活だった。
そこに俺が入った。いや、俺達が入った。
当然、俺以外にも新入部員はいた。
1人は唯一の男子部員だった男。見ただけでオタクだなって思ったし実際、そうだった。
唯一の男子部員でタメだったから一番仲がよかった。
あとはこれまたオタクっぽい2人の女子。(この時はまだ腐女子という言葉を知らなかった)
「演劇部はオタクが多い」という定義を知らなかった俺は、正直焦った。
オタクアニメなんか全く興味なかったから。
なんせ俺が見ていたアニメっていったら当時、全盛期を迎えていたワンピースとナルトくらいだった。
所謂、『深夜アニメ』なんて存在も知らなかった。

9 :スレ主 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:40:43 0
この8人体制での初めての活動日。
そして俺にとってはじめての練習の日。
それを楽しみにして俺は部室の扉を開いた。
すると見知った顔が2人いた。
小学校時代のクラスメイトで、当時から仲がよかった2人の女子。
意外な参入だったが、同時に頼もしいとも思った。
なぜならこの2人、小学校時代はメインキャラであるウエンディとティンカーベルを演じた2人。
つまり他にも立候補者がいた中でオーディションを受かった2人だったからである。

10 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:41:43 0
この新入部員組6名は中学時代のメインの登場人物の一部になるから、名前をつけておく。
俺は玉木、もう1人の男子部員が木田、腐女子Aを藤川、腐女子Bを後藤、元ウエンディを小川、元ティンカーベルを島村でいいかな。

11 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:42:53 0
1年が過ぎた。
3年の4人は卒業した。
俺達6人は新入部員を待ちわびた。
入った新入部員は4人。
新1年の女子2名、俺らとタメの男子2名。
新1年Aを高井、Bを田崎、タメ男子の片割れを中田としておく。もう片方はたいしたこともせず2年の最後に辞めてったからいいや。

12 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:43:51 0
高井はいたって普通の女子中学生といったところか。
当時の俺はちょっと可愛いって思ってたかな。
田崎は悪いが太ってた。んでもってドがつくほどの天然。
脳障害なんじゃないかって思ったくらい。
中田は明らかにオタクなんだが、なんと現役の劇団員。
同じく男勢の俺や木田よりも数段演技が上手く、みんなのまとめ役。
皆からの信頼、実力、性格。
俺が欲しいものを全て持っていた中田は同学年でありながら俺の憧れと嫉妬の的だった。
この時も小学生の頃から変わらず「主人公」に憧れを持ってた。
上級生もいなくなったしチャンスって思った。
この時の俺は顔がオタクだってすぐわかる木田より、主人公向きの顔だって思ってた。
さすが厨二まっさかり。
その矢先に中田が入ってきた。
中田は当然のように主人公枠をしっかり持っていった。

13 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:47:03 0
それでも俺達は仲がよかった。
皆いい奴でとても楽しかった。
上級生がいなくなったからか、練習中に小川や島村が恋愛相談で練習にならなくなることもあった。
そうなったら俺が適当に話を合わせて、木田が練習しねえのかと怒り出し、中田がまぁまぁとなだめて、1年2人は傍観してる感じだった。

14 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:48:27 0
でも、俺はこの部活の風景が大好きだった。
まだ17年しか生きてないけど、この17年の中では一番楽しかったと思う。
少なくとも今の高校生活よりははるかに楽しかった。

15 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:51:59 0
やっとプロローグが終わったってところかな。
無駄に長くてスマン。

2年のとき、父親が単身赴任で引っ越した。
俺は北海道に住んでいるんだが、父親の行き先は川崎・・・だったかな。
まあとにかく海を渡る必要があったから父親とはそれから顔を合わせられなくなった。
まだ物心ついて間もない弟が泣いて、妹は弟を慰め、俺はかっこつけたくて無表情を装った。
やっぱり厨二だな俺。

16 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:54:04 0
でも別にそこまでこたえたわけじゃなかった。
単に面と向かって会えなくなっただけだし、電話すればいつでも出てくれるから。
だから別にクラスメイトともこの件について話すことはなかった。
あっても「ああ、単身赴任」って言ってしまえば終わったし俺も話すことに抵抗は全くなかった。

17 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:56:31 0
それからしばらく何もない日々が続いた。
たまに父親が帰ってきて皆で旅行に行ったりした。
すごく楽しくて、でも厨二な俺はそれを悟られないようにしていた。
そんで半年くらい経ったころだっけ、よく覚えてないけど・・・
母親が新しい子供を産むと俺達兄弟に話した。

18 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 14:59:11 0
当然、俺達兄弟は父親との子供だと思い、大いに喜んだ。
母親が病院に入院しなければならなかったので、しばらくの間祖母に夕食を世話になったり、自分達で作ったりした。
辛いと何度も思ったけれど、兄弟3人で家事を全て賄う生活は意外に楽しく、この程度で子供が産まれるなら喜んで!って思ってた。

19 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 15:02:06 0
暫くして母親が病院から帰ってきた。
もちろん、その腕には生まれてまだそこまで時間が経ってない赤ちゃんが抱かれていた。
赤ちゃんの顔がかわいい。
久々に食べる母親の料理も美味しく、そして嬉しかった。
俺や妹が作るよりはるかに美味しい。

20 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 15:10:00 0
とある日。俺の部屋で家族全員で雑談状態になった。
赤ちゃんを寝かせているため、近くで話すと起きてしまう可能性がある。
俺の部屋は赤ちゃんを寝かせている居間から最も遠かったからというのが理由である。(といっても目で居間が見える程度の距離だったけど)
突然、居間でゴトンと何かが落ちる音がした。
寝ていた赤ちゃんが泣きだした。
何かぶつかったのでは?と焦ったりもしたが、キッチンの鍋が落ちてその音で起きただけだった。
母親が赤ちゃんを寝かせに行った。
それをきっかけに雑談をお開きにして各自、自分の部屋に戻った。
ふと母親が座っていた椅子のそばを見ると母親の携帯電話があった。
俺は時間を確かめるために携帯を開いた。
本当はそれで終わらせるつもりだった。
でも当時、まだ携帯を持っていなかった俺は好奇心で色々いじった。
そして・・・メール画面を開いた。
受信BOXに通常のBOXとは別にタイトルに花の絵文字がついただけのBOXがあった。
俺はそのBOXが気になって開いた。
すると出てきたのだ。


母親が俺が見たことない名前の男と交わした大量のメールが。

21 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 15:14:13 0
俺はそのBOXの中のメールの中から最新の10通くらいを読んだ。
内容は
「エロメやめてよ(怒り顔の絵文字)
「今夜会いにいくね〜♪」
などなど30すぎたオバサンがやるメールとは思えないものばかりだった。
そして当時、彼女いない歴=年齢だった俺でもわかった。
これはいわゆるラブメールというやつであると。

22 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 15:17:57 0
親、帰ってきたからいったんこの辺でやめる。
夜になったらまた始めるよ。・・・見てくれる人いるかどうかもわからないけどw

23 :夢見る名無しさん:2010/03/04(木) 15:26:14 O
昼間から読んでるひま人なんているわけないだろ

24 :夢見る名無しさん:2010/03/04(木) 17:16:48 0
そうだそうだ
読んでるわけないからプロローグなんだったんだとは思わないしな

25 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 18:09:23 0
>>23>>24
ありがとう。
そこまで長くはしない(というかできない)からよければ最後まで付き合ってくれ。
とりあえず親がでかけたから再開。
いつ帰って来るかわからないから突然止まる可能性もあるからそこは勘弁して。


俺は母親に絶望した。
そして俺は思った。
父親が旅立ったのは単身赴任だったわけじゃない。
母親の浮気が見つかって俺達兄弟に見つからないように離婚したんだ、と。
ショックだった。
そして続けて思い出したのは・・・生まれたばかりの赤ちゃんである。
ここまでくればさすがに誰でもわかると思う。
あの子の父親は・・・俺たちの父親じゃない・・・ってね。

26 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 18:13:41 0
それからの俺は母親に対して棘のある言葉で会話することが多くなった。
完全にあてつけさ。
極力、会話はしないようにしてた。
赤ちゃんに対してもあまり触れたくなかった。
母親は一緒だから本当に兄弟なんだけど、父親が違うってだけで何か嫌な感じがあった。
でも何日か経ったらいい加減イライラが収まらなくなった。
そこで俺は・・・部活の時、木田ら同学年の6人(もう一人は省く)に相談した。

27 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 18:26:00 0
最初は皆どう反応してやればいいかわからなかったみたい。
一瞬、空気が止まった。
でもその後すぐに口を開いた奴がいた。小川だった。
「玉木はさ、その赤ちゃんのこと嫌い?」
「嫌いじゃないけど・・・なんか抵抗がある」
「ふーん・・・じゃあさ、お母さんのこと心から嫌いって思える?」
小川のこの質問に俺はすぐには答えられなかった。
浮気して離婚した最低の女だ、とは思う。
でも。それでも俺を産んで、俺をここまで育てて、助けてくれた母親だ。
幼少時代に完全にブチ切れた父親から俺を庇って怪我したこともあった。
だから答えられなかった。
そんな俺に対して小川ではなく重い沈黙が嫌いな木田が口を開いた
「だったらよぉ・・・別に気にしなければいいだろ?
その子はお前の兄弟だし、母ちゃんはあくまで母ちゃんだ」
「そうだよ、家族じゃない」
島田もついてきた。
2人が口を開くと、勢いがついたのか藤川が
「玉木には関係がないでしょ?」
後藤が
「大丈夫だって!」
そして・・・今までさんざん嫉妬し続けてきた中田が
「まあ・・・それでも何かあったらまた相談すりゃいいじゃん。
俺達、仲間だろ?」
中田はこういうこっ恥ずかしいセリフも平気で言える奴だった。
6人のその言葉を聞いて俺はガチで泣いた。
いい仲間を持ってよかったって思った。
中田に対しては本当にすまないと思った。
今まで散々嫉妬し続けてきた俺に対してここまで仲間意識を持ってくれたなんて。
本当に泣いた。でも泣き顔を見られたくなくて。
トイレに行って一人すすり泣いた。
部活とは関係ないクラスの奴とバッタリ会って笑われた。

28 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 18:29:35 0
俺は特に気にしないことにした。
それからは母親とも赤ちゃんとも以前と同じように接することができるようになった。
あいつらには本当に感謝している。
・・・でも、さ。やっぱ厨二病まっさかりはやばいね。
母親とくだらないことでケンカした。
いや、くだらないっていうか俺が散々好き勝手やってそれに母親が注意してきたから逆切れした。
今思えばなんであんな開き直り方したんだろってくらい。
それで興奮してきた俺は言ってしまった。
「何で俺が浮気した最低な女の言うことなんか聞かなきゃならないんだよ!」
こんなこと言わなければ、真実なんて知らずに済んだのにね。

29 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 18:35:43 0
ごめん、また中断。
PC使えるようにになったらまた始めるよ。

30 :夢見る名無しさん:2010/03/04(木) 21:19:23 O
待つ

31 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 21:49:26 0
再開。
できれば今日中に終わらせたい。


母親は一瞬、黙った。
「携帯、見たの?」
俺は黙って頷いた。
「・・・そう」
母親はたまたまそばにあった椅子に腰掛けた。
「あのね・・・私とお父さんはとっくに離婚してるの」
「・・・知ってる」
「ううん、多分誤解してると思う」
「?」
「私とその人が出会ったのはお父さんと離婚する前。
離婚してからその人と出会ってメールするようになったの」
俺は驚いた。
以前の俺の推測は的外れだった。
じゃあ何で?
「あんたたちが寝てから・・・夜に何度もお父さんと喧嘩したの。
お父さんは仕事で忙しいし、開業するための勉強もあるから(父親は開業医を志していた)疲れてたみたい。
私も仕事で色々やってて疲れてた。
だから何度も喧嘩して・・・私もお父さんも相手を傷つけている自覚はあったからお互いのために離婚したの」
今度は驚くよりも落ち込んだ。
2人がそこまで追い詰められているのに・・・俺はたかが数メートル離れた先でスヤスヤ安眠してたのである。
こんなに近くにいたのに、俺は気づいてやることもできず、何も出来なかった。
何よりもそれが辛かった。

32 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 21:54:27 0
勘違い、離婚の真実、何も出来なかった自分への後悔。
全てが同時に押し寄せてきて何も言えなかった。
母親もしばらく黙っていたが、口を開いた。
「・・・父親は違うけど、あの子のこと嫌い?」
奇遇にも小川と同じ質問をしてきた。
俺は首を横に振った。
あの子には何の罪もないし、あの子は俺の兄弟だから。
「そっか・・・ごめんね?」
「・・・別にいい」
この喧嘩の原因は俺にあるけど、俺は謝らなかった。謝れなかった。そんな小さいことを謝るほど余裕はなかった。

33 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 21:57:35 0
でも、俺は意外と早く立ち直れた。
小川達の支えがあったのが大きい。
家で嫌なことがあっても部活に来ればバカみたいに笑える。
そして、俺は一度バカ笑いできれば辛いことは割りとどうでもよくなる性質だったから。

でも、その楽しい部活にも終わりが当然来る。

更に1年が経った。
俺達は・・・卒業した。

34 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 22:06:10 0
新しく生まれた赤ちゃんも少し言葉が喋れるようにまでなっていた。
俺を含んだ部活仲間7人の進学先だけど。
小川は親の都合で引っ越した。
行き先は北海道内だけど、広すぎるこの土地はそんな頻繁に会えない。
メルアドだけ交換しておいた。
藤川は前々から志望していた夜間の学校に入ったらしい。
たまに連絡すると昼間は割と暇だとか。
後藤は俺とあまり成績は変わらなかった。
俺が進学した高校に近い高校に進学した。
バスで一緒になることもあるけど、会話は殆どない。学校変わればそんなもんか。
そして木田と島村と中田は俺達が住んでいる場所からそこそこ近いとこに入った。
俺もそこがよかったのだが、成績が足りなさすぎて無理だった。
木田と中田と後藤は高校でも演劇部を続けている。
木田と中田は発表会で会うことも多いのだが、後藤が通う学校はなぜか発表会に参加してないので会ってない。
俺はというと成績が悪く、平気でサボったツケが回ってきた。
猛勉強して何とか公立高校の中では最下層の学校にギリギリ入れた。

35 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 22:13:02 0
俺は高校でも演劇部に加入した。
だが、高校の演劇部はあまり楽しくなかった。
理由は簡単。練習が適当なのである。
部員同士の喧嘩で役者がその日来ないなんてことよくあった。
ひどい時は俺と部長でひたすら待ちぼうけ。
メインキャストの副部長と部員が喧嘩して両方とも来ない。
マジでキレそうになった。
部長も急なバイトが入ってどうしても来れない日がたまにあった。
最悪は俺が一人でひたすら他の部員を待っているという状態。
やっと集まったとしても練習量が足りないからセリフが暗記できてない。
主役でもないのになぜかセリフが一番多かった俺は家で必死に覚えたが、こいつらは間違いなくそれをしていない。

中学の時は全然違った。
集まらなければ後で文句を言われ、セリフが抜ければ入るまで猛特訓。
大会が近くなると放課後に夜遅くまで近くの公園で自主練習、土日は学校での部活があろうがなかろうが公園に集まって朝から晩まで練習した。
マジで疲れたし、大変だったけど、だからこそ劇が終わった後のあの高揚感はたまらないのだ。
でも・・・俺が入った高校演劇部はそれとは真逆のやる気がないところだった。

36 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 22:19:37 0
劇を終えたが全然嬉しくなかった。
寧ろやっと終わったか、って感じ。
それからは先輩達が受験やら就活やらで大変になったから目だった練習も発表もなかった。
この高校の演劇部は3年6名、2年2名、1年2名というアンバランスな人数構成だったからこれは仕方なかった。

次の年、俺は前部長からの指名で部長になった。
理由は簡単、消去法である。
2年の先輩、片方は生徒会に入っており生徒会長の筆頭候補だったため、部活にあまり出れなくなることが予測できた。
もう片方は前部長の妹なのだが、演劇部員とは思えないほどコミュニケーション能力がない。
大会直前にしか来ないし、声は小さいし(裏方だから必要ないのだけど)、自分の仕事がないと思えば勝手に帰るし。
そんで1年の俺じゃないほうは書道部を兼任している。
しかも、前副部長と喧嘩してメインキャストのくせに3週間くらい来なかった奴だから信用がない。
俺は最大のチャンスと思い、喜んで引き受けた。
なぜならこの頃の俺、いや今でも俺は「真の主人公」を追い求めていたから。
そして部長という座には「真の主人公」への近道がありそうだったから。

37 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 22:25:18 0
俺は高2になった。そして部長になった。
これから先、部活をよりよくするために色々していこう!
そう思ってた。でも現実はそれ所じゃなかった。
なんと新2年の片割れ(急1年で書道部兼任の奴)が部活を辞めた。
演技力も力もあって最高の相棒になると思ってたのに。
新3年の2人はやはり殆ど来ない。正確に言えば片方は来れない、片方は来ない。
幸いにも1年の加入が多く7名の加入があった。
しかし、その中の2人も活動中に辞めていった。
だから実質、新2年の俺と新1年5人でやらなければならない。
しかもその5人、そろいもそろって演劇未経験者。
まだ自分が人をまとめるのが下手ということを理解してなかった俺は、必死こいてまとめようとした。
でも俺をナメきっている奴もいるから、全然まとまらなかった。
中学時代と違って、何でも相談できる相手などこの高校では夢のまた夢の存在であった。

38 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 22:30:07 0
俺は次の劇で初めての主人公を演じることになった。
経験者が俺しかいないから当然といえば当然なのだが、嬉しかった。
飛び跳ねるくらい嬉しかった。
なぜなら俺は小学校6年のあのオーディションの時から主人公を目指す志は変わってなかったから。
でも・・・いざやってみると全然うまくいかない。
長年、ギャグ担当を演じてきたのが致命的だったか、普通に動いてるつもりでもギャグに見えるらしい。
来れる時はきてくれる3年の先輩(生徒会長の方)がそう何度も言った。
指摘されたところは直しているのだがやはりどこか変らしい。
家に帰ってからも毎日動きの練習は欠かさなかった。
窓ガラスに映る自分の姿を見ながら練習した。
でも、自分の中では普通に演技してるつもりだから、おかしいところが見つからない。
俺は必死こいたつもりだったが、効果は殆どなかった。

39 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 22:38:22 0
劇は終わった。
俺は成功した感じなど全くなかった。
あれから何度も試行錯誤したが、どうしてもギャグに見えるらしい。
それだけならまだしも、ギャグのつもりで演じたら全く受けなかった。
普通にやってる所で受けられた。
観客は笑う所と思って笑ってるのだろうけど、俺は辛かった。
俺は悟った。「主人公」など俺には向かない。
所詮、俺は「主人公」をより引き立てるための「脇役」にしかなれないのだと。
たかが劇?確かにそうかもしれない。
俺が主人公の話は今も続いてるから。
でも、全てをかっこよく解決する「真の主人公」にはなれない。

そう。

『努力では解決できないこと』に俺はぶち当たった。
これを上手に解決するのが俺が目指す「真の主人公」だ。
漫画やアニメの主人公達は何かを失いながらも、必ず最後に勝利する。
ギャルゲだって、女の子とのフラグを立てて、他の女の子の思いを無碍にしながらも、たった一人の女の子と愛を育んでいく・・・
そしてその中には必ず壁がある。
強敵にせよ、恋路の邪魔にせよ。
でもそれを必ず突破する。
真の主人公とはそういうものだ。

俺の場合、戦闘でもなく、恋愛でもなく、家族にその壁の原因があった。

40 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 22:40:55 0
発表会が終わってからしばらく経った。
これは今から役1ヶ月前の話だ。
末の子は保育園に行っており、弟も小学校へ行っていた。
家には俺と母親と妹の3人しかいない。
そんな中、母親は俺を呼び出した。

41 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 22:44:48 0
「あのね・・・お父さん、同僚の人と再婚するんだって」
父親の再婚。
本当なら祝ってあげるべきだろう。
しかし、目の前には元々その父親の妻だった母親がいる。
それに個人的に祝う気にはなれなかった。
再婚、つまりそれが意味するのは。
父親が顔も名前も知らないどこかの誰かと結婚するということ。
俺は考えることが一気に思いついた。

42 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 22:56:49 0
まず真っ先に思いついたのは末の子だ。
末の子は俺や妹、弟とは父親が違う。
父親は何度かこっちに足を運んでいて、その末の子とも面識があるから隠し子云々ってのはない。
でも、『仮に父親と再婚相手に子供ができたら?』
父親が同じである以上、俺や妹、弟とは兄弟の関係が生まれるだろう。
だけど、末の子は違う。
末の子が呼んでいる「お父さん」は2人いる。
俺達兄弟と一緒の俺達の父親と・・・末の子の本当の産みの父親。
そして父親と再婚相手に子供ができれば。
俺や妹、弟は父親の血があるから兄弟だろう。
でも末の子は関係ない。
もしかしたら生涯、お互いにそのことを知らないかもしれない。
もし、その2名が未来にどこかで出会って恋人となったらどうすつもりなのだろう。
血縁関係はないから結婚は可能だろうけど、相当複雑な話になるのは間違いない。
第二に俺達の戸籍。
今、俺達は父方の名字である玉木を名乗っている。
恐らく父方の実家の方針から言って再婚相手が名字を変え、その再婚相手も玉木になるだろう。
つまり、俺は顔も名前も知らない、しかも父親の再婚相手という息子としては抵抗がある相手と同じ名字を名乗らなければならない。
赤の他人と家族にならなければならない。
絶対、嫌だ。
他にはお金の話。
うちは父親が単身赴任という名の離婚をしてから経済状況がかなり悪化している。
そりゃそうだ。母子家庭で4人兄弟。
ありえないって構成じゃないけど、生活が辛い構成なのは間違いない。
母への負担がとても大きい。
今までは父親もちょこちょことお金を入れてくれた。
だが、それは独身でそれなりに余裕があったから。
もし家族を持ってしまえば自分で稼いだお金はそちらに周ることが多いと思う。
つまり俺達の収入源が激減する可能性があった。

そして・・・息子としての俺。
絶対に避けたいことがあった。

43 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 23:04:06 0
再婚相手に会いたくない。
父親はあくまで俺の父親であるが、その再婚相手は母親ではない。
その再婚相手に会うのは強い抵抗があった。
正月等で父方の実家で会う可能性もある。
もし仮にそいつが好意でお年玉を用意してくれても、俺はそいつから絶対に受け取らない。受け取りたくない。
俺はその再婚相手に対して悪態をつかない自信はなかった。
いや、悪態をつく自信があった。の方が正しいか。


金はない、家族関係が複雑、しかもそれ以上の悩み。
家庭に対して不満が爆発した。
ブチ切れた俺は母親や何の罪もない妹に対して言い放ったのだ。

「こんな面倒くさい家に生まれなきゃよかったよ・・・
生まれる家庭を間違えた」
怒りを隠そうと静かに言った。
母親や妹を傷つけたのはわかってる。
でも、それが俺の今の思っていることそのままだった。

44 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 23:09:10 0
俺が仮に「真の主人公」なら、こんな問題クリアしているだろう。
しかし、俺はそんな神がかり的な能力などない。
所詮、あれは物語の中での話、もしくは相当ラッキーな奴じゃなきゃできない芸当なんだ。
ピカチュウとライチュウが戦えばライチュウが勝つし、強力な魚人が何十人も揃ったアーロン海賊団とたった5人の麦わら海賊団じゃあアーロンが勝つのさ。
俺が小学校6年の頃から追い続けてきた「真の主人公」。
所詮はまやかしにすぎなかった。
俺は自分の無力をこれまでになかったほどに痛感した。

45 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 23:11:10 0
そして今の俺に繋がるって所かな。
戸籍は変えることにしたよ。
そのことはもう両親には話した。
けど、問題は相変わらず山積み。
具体的にネット上じゃ書けないようなこともあったりするからね。
なあ、俺、これでよかったのかな?
戸籍を変えたって俺が得するかしないかだけなんだよ。
他の問題は一切解決できてないんだよ。
こんな選択でも・・・よかったのかな?

46 :◆wAwk20E9AY :2010/03/04(木) 23:19:07 O
他人に決めて貰った訳じゃなく、自分で決めた道の方が納得出来たんじゃないか?
 
どれが正解でどれが不正解かなんて、わかんないと思う。
 
要はその答えを選んだ過程と、その答えを選んだ事によって自分自身納得いったのかだけだと思う。
 
自分で考えて選んだ道なら、自信持って胸張って進んだらイーんじゃない?



47 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 23:33:54 0
>>46
確かにこれは自分で決めたこと。他の誰の指示も受けてない。
でも、納得いったのかと言われるとそうじゃない。
それ言い出したらキリがないのかもしれないけど。

48 :◆wAwk20E9AY :2010/03/04(木) 23:48:41 O
人生の岐路で納得して進めてる人は多くは居ないと思う。
 
皆、道を踏み出した瞬間から自問自答し続けてんじゃないかな?
 


49 :玉木 ◆xIFcz1fY3tzD :2010/03/04(木) 23:56:47 0
>>49
・・・そりゃそうだよね。
自分のことでいっぱいいっぱいで他人もそうやってるのを忘れてた。
じゃあこれからどう転ぶかはわからないけど、とりあえず自分が決めた道を踏みしめて歩いてくよ。
わざわざしっかりレスをくれて本当にありがとう。

そしてこのスレを読んだ皆さんへ。
一日かけてお騒がせして本当に申し訳ない。
今日はもう寝るよ。
こんなスレにしっかりレスをくれた皆さんはもちろん、ただチラっと読んだだけの人にも本当に申し訳ないです。
この一日、楽しかったよ。ありがとう。

50 :◆wAwk20E9AY :2010/03/05(金) 00:02:31 O
皆、上には上が居るとか言うけど、人それぞれの感性があるからさ(^^)
 
人のペースに合わせる必要は無いから、自分なりの最高の答えに辿り着けると良いね(^^)
 
お休みノシ

51 :夢見る名無しさん:2010/03/17(水) 16:18:04 0
:;

52 :夢見る名無しさん:2010/03/19(金) 10:16:52 0


53 :夢見る名無しさん:2010/04/15(木) 07:19:36 0


54 :夢見る名無しさん:2010/05/07(金) 08:32:29 0
なんつーか、エールを送りたい fight

55 :みのる:2010/06/05(土) 11:14:21 O
このスレどうすりゃいいんだ

56 :みのる:2010/06/12(土) 19:51:55 O
さっき中東系ぽい若者がコンビニでキッチンペーパーと堅あげポテトを買ってた

57 :夢見る名無しさん:2010/07/04(日) 00:45:21 0
dq6主人公嫁候補リスト
エリザ 地方富豪の娘 身分的にクリア
ユリナ 雪女 嫁より愛人、駆け落ち候補
ターニア(現実世界) 妹分 現実ベースの主人公ならあったかもしれないが
主人公が知ってるターニアとは微妙に別人。
主人公が知ってるターニアとは二度と会えないだけに傷が深くなるだけの可能性あり。


58 :夢見る名無しさん:2010/07/14(水) 04:19:00 0
bom

59 :夢見る名無しさん:2010/10/02(土) 20:39:26 O


60 :夢見る名無しさん:2010/10/22(金) 14:38:57 O
tk

61 :夢見る名無しさん:2010/11/21(日) 02:24:17 0


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