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【長編文章】鬼子SSスレ2【巨大AA】

1 :創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 00:10:11 ID:64G3XkVu
       ノヽ、   ノヽ、
       ) y (   )  (
      )ヽ|/(  )  (              
      ) ( ( ヘ/////へ丶、  
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          m
         Σ°)<鬼子の話を書こうじゃないか!
            7
           < \三3

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30 :創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 18:49:59 ID:5foSoAtP
彼女は何処にでも、何時でもそこにいる。
今日は何処かの地方都市の、その郊外の小さな公園のブランコにいる。近くの砂場では4-5人の子供達が砂遊びに夢中で、ママたちも他愛のない井戸端会議に花を咲かせる。
秋晴れの空は蒼く透き通り、秋風が時々に落ち葉を舞わせる。そんな何処にでもある、日常の平和な風景。

彼女は鬼だ。人の心に棲みつく鬼達と闘う。
時々、自問する。何故?自分はどうして鬼に生まれたのだろう?
優しいけれど無頓着な旦那さんに文句を言い、元気で騒々しい子供に手を焼きながら、公園のママ達のように集う。なんでもないけれど、そんな暮らしが出来ない。少し手を伸ばせば届きそうなのに、僅かな違いなのに。
彼女が闘う相手はなんだろう?人の心に棲みつく鬼達とは?何度か問いかけたが、誰も答えてくれない、虚しく響いた問いかけ。

砂場で子供の鳴き声が響いた。他愛のない、おもちゃの取り合い。ママたちも全く気がつかない程度の、何時もの公園の一コマ。秋風が公園に舞い込んで着物の袖を揺らし、立て掛けてあった薙刀の柄に少し触れた。フワッとそのまま流れ落ち、彼女の腕の下に戻った。
その時に子供の泣き声に気がついたママが、近寄ってきて子供を少しだけ叱った「お友達のお人形さんを勝手に取っては駄目でしょう。それはお空を飛ぶ鳥さんなの。あなたみたいに砂に埋めたらモグラさんになってしまうわよ」
叱られた子供は少しだけ不満顔だったが、向のお友達にお人形を突き返した。顔をクシャクシャにして泣いていた子供は、涙目になりながらニッコリと頷いた。

夕日が木漏れ日となって公園を照らし始めた。
三々五々、帰宅する人々の流れが早足で通り過ぎて、もう少しでこの公園も閑散とするだろう、何時もの平和で変化の無い日常。ふと気がつけば遠くでカラスが鳴いている。そろそろ帰ろうと思う。
彼女は強い。少し泣き虫だけれど。
「純真な子供」なんて言葉は彼女の前では空虚だ。彼女が闘う鬼達は誰の心にも棲みついている。いくら闘っても無くすことは出来ないけれど。

こんどあの病院に行ってみよう。ずいぶんと入院している少年の元へ。

31 :創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 18:54:30 ID:5foSoAtP
>>30
彼女は何処にでも、何時でもそこにいる。
今日は大きな病院の、小児科の病室にいる。
大きく開け放たれた窓では、秋風がレースのカーテンを揺らしている。

彼女は随分と長く入院している少年のそば、窓際に置かれたベッドの片隅に
腰掛けている。
2人で小さな公園を見下ろして、遊んでい子供たちを眺めていた。

その時、ノック音と共にドアが空いて、あの医院長(少年は鬼瓦と渾名を付
けた)が入ってきた。この病院を支配する独裁的な男。少年の大好きな若い
研修医を、影で虐めているのを知っている。昨夜も廊下の片隅で怒られていた。
誰も何も言えないことをいい事に、カルテで頭をコヅキながら
「そんなことも知らなくて責任を取れるのか!?今週中にあの医学書を読んでこい!」
医院長は意地悪く一週間後に聴く。
「あの件はどうなった?」
しどろもどろのの研修医に向かって
「第3章の第2項、150ページに書いてあるだろう?お前は読んだのか?」
また怒られる。その夜は部屋の片隅で涙ぐんていたのを知っている。

鬼瓦はギョロっとした目で睨みながら、
「今日はちゃんと食事を取ったのか?夜は時間を守って寝ないと駄目だぞ」
いつも子供扱いをして、命令口調でしか話さない。だから、病院中がコイツを嫌って
いて、お医者さんも、看護師さんも、お手伝いさんも皆で、コイツがいなくなれば
良いと願っているんだ。それが僕の担当医だなんて!

少年の嘆きとは裏腹に、この病院は地方での一番人気と、治療実績を誇っていた。
実力のある医者が集まり、患者に対する治療とケアで、他の追従を全く許さない。
少年の両親も、最後の望みを託して、無理に転院させたのだ。医院長は独裁的な
男だったが、目的はシンプルで、たった一つだけである。
「患者さんに最善の治療を施す」
その為であれば全てが二の次となる。医院長は自分が院内で嫌われていることを
知っていた。昔からの慣習や当たり前の常識を、抗議の声にも関わらず全て無視
した。それでも従わない古参の人間も、強権を発動させて辞めさせたが心が傷んだ
誰にも理解されない男。
深夜遅くに帰宅すると、少年の病気に関する論文を、片っ端から読みあさる。
何か新しい治療方法は無いのか?研究は進んでいないのか?
自分でなくても良い、どこかに優秀な専門医がいれば、招聘することも厭わない。

少年はあらゆる事を憎んでいた。眼下に公園が見える病院に転院させた両親。
鬼瓦のような医院長。そして不自由な体に生まれた自分自身。
午後の風が少し強く吹き込んで、彼女の長い黒髪が舞い上がり、立て掛けてあった
薙刀にさらりと触れた。そのまま流れ落ちて、何事もなかったように元へ。
ふと少年は気がついた。そう言えば少しだけ元気になったかも知れない。一日
に一度だけれど、公園を散歩して外の空気を吸えるようになったこと。泣きだった
両親の顔が、心の底から嬉しそうな顔をしたこと。研修医が同期会に行ったら、
他を圧倒する実力が付いていたと喜んでいたこと。

こんどはあの小学校へ行ってみよう。一人暮らしのおばあちゃんの元へ

32 :創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 18:59:08 ID:5foSoAtP
>>31
おばあちゃんは急いでいた。
只ひたすらに走る。他から見れば小走りしているとしか見えないが、一言を
伝えるため彼女の元へ全力で急いでいた。
「助けておくれ!」

出会ったのは、田舎の小さな学校だった。おばあちゃんの散歩コースで、何時も
座って一休みするベンチに、先日から先客さんがいるのだ。
「こんな寂しい所で、娘さんが何をなさっているね?」そんなことから会話が
始まった。それから毎日出会って少しだけ会話をすることが、おばあちゃんの
楽しみになっていった。
「それで娘さんは何をなさっているのかね?」
「鬼なんです。私・・・」
「鬼さんなのかね、それはまあご苦労なこってぇ」
別れ際に振り返ると小さな手を振ってくれる。
こんど自宅で、わんこそばでも振舞ってあげるかねぇ。おばあちゃんの小さな日常。

そんな日々が急速に悪化していた。
僅かな誤解が、小さな無理解が、ありえない不運が重なって、人々の憎悪が
炎のように燃え広がる。まるで枯れた山肌を蹂躙するように焼き尽くす。
おばあちゃんは知っていた。同じことの繰り返しであることを。夫を失い、
息子を失い、隣人を失った、あの日が目前に迫っていることに。

鬼さんは約束してくれた。
「何か困ったことがあったら、いつでも相談してくださいね」
他に頼むなんて出来なかった。自分は無力だと思う。それどころか、誰にも出来ない
ことを、あの娘にお願いすることに心が傷んだ。彼女が解決出来る保証など何処にも
ないが、おばあちゃんは一つだけ確信している。
彼女は強い。
巨大な力を持っているとか、そんな次元の話ではなくて、多くの悲しみを知っているが
故の強さ。

息が切れて転んだ。視界が地面まで落ちたが、そのことにしばらく気がつかな
かった。少し体が痛いけれど、路端の草を掴んで立ち上がる。片足を引きずりながら
急ぐが、殆ど歩いているのと変わらない。やっとベンチに座っている彼女が見えて
きた。おばあちゃんの只ならぬ様子で、彼女は全てを悟って立ち上がると、その姿が
全く変わっていた。
目が赤く染まり、着物の袖が乱舞する。それまでの優しい、穏やかな表情で
はない。普通の人であれば恐怖の余り、気絶をしているかも知れない。

「ドン!」
轟音を残して飛び去る。おばあちゃんは、その小さくなる背中に願う。
「人の心に棲む鬼達を退治しておくれ!」


33 :創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 19:03:28 ID:5foSoAtP
>>32

彼女は飛ぶ。
国境を目指して猛スピードで、山々をの間を抜け谷を縫いながら、後ろに白い
飛行機雲を引きながら飛ぶ。1kmほど隣。同じように飛んでいる人が山陰から
見えたり見えなかったり。人?違う。擬人化したヒワイドリが、彼女と平行に
飛んでいた。こちらの視線に気がつくと、緊張感の無い顔で笑いかけられた。
スケベで乳の話しかしない。彼女は胸の話をされると少々困るのだ。
それでも知っている。彼が乳の話をするときは、彼女も消化しきれない、少し
イライラした時。彼が乳の話をすると何故か周りも落ち着いて、一件落着する
ことが殆どだ。

ヒワイドリが、少し体をこちらに向けて、上空を指さしている。
仰ぎ見ると、はるかに高い所に一筋の飛行機雲。多分、旅客機が飛ぶような高度
だろうから、動きが遅く見えるが自分たちよりも先行して、同じ速度で飛んでるが、
少し右寄りに進路を変更している。ヤイカガシ?
何時もパ○ツを狙っているとんでもないやつ。少し臭いのも気になるが、何故か
離れずに付きまとう。それでもこんな時は、あの大きな目だけは、頼もしいと思う。
先導してくれるのならと、彼女も同じように進路を変更。

眼下の集落を飛び去るときに気がつく。人々から憎悪が流れだし、黒い霧のように
集まり、国境へと向かっていることを。大河が一滴の水滴から始まるように、少し
ずつ集まって小川になり、支流となり、大河となって流れていく憎しみの濁流。
「人の心に棲む鬼達」
目を背けたい現実。彼女の頬に一筋の涙が零れたその時、背後邪悪な気配を感じて
身構る。胸に手が伸びて触られた・・・いつの間にかヤイカガシがすぐ隣を飛んで
おり、人差し指を立てながら追い越していく。何か言ったが聞こえない。そのまま
前に。文句の一つも言ってやろうと、口を開いた次の瞬間
「ドンッ!」
強烈な爆発音と共に、辺りは真っ白になり吹き飛ばされた。地面に叩きつけられそうに
なったが、寸前で高度を取り戻して振り返ると、ヤイカガシが猛烈な闘いに入っていた。
彼女はその場を急速に離れて先を急ぐが、苦笑いをするしかない。
「一つ借り」

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