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【蔑称ではない】鬼子SSスレ【萌なのだ】

1 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 00:07:53 ID:RyQCVavX
SSはここに書いてくれ。

「俺の中の鬼子はこんな…」
思ってても言わないでね。

鬼子との約束だよ!

2 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 00:09:14 ID:RyQCVavX
私の名前は日本鬼子(ひのもとおにこ)。
大きな山の古い今は使われていないお寺にすんでいます。

神様は引っ越したみたいなので、代わりに私が貰いました。

般若のお面は母上の形見。

お寺から見る景色はいい景色。

あれ?子供が遊びに来たみたいです

3 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 00:12:23 ID:RyQCVavX
子供「カブトムシー♪カブトムシー♪」

鬼子「こんなところに一人で来たら、危ないよ…?」

子供「お姉ちゃんだれー?」

鬼子「うーん…誰なんだろね、あはは」

子供「よく見たらお姉ちゃん…頭になにかあるね」

鬼子「これ?」サッ

子供「つ、角だ!!鬼!?うっ…うわぁあああああ!!」

鬼子「えっ…いやっ…」

4 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 00:17:08 ID:RyQCVavX
子供「ひぃいい!!僕食べてもマズいよぉぉ!!」

鬼子「た、食べない食べない…!」

子供「ひぃいい!!助けてえええ!!!」ダダッ

逃げちゃった…。うーん、やっぱり村の人って鬼は怖いみたい。でも私は人を食べるなんてことしたことありません。私だけでなく…。

鬼子「カブトムシがいそうな所連れてってあげようとしたのに…」

虫は何故か平気なんです

5 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 00:21:47 ID:RyQCVavX
山の中なのでさほど苦しくない夜を迎えました。

鬼子「ふぅ…」

鬼はこの界隈では私一人だけみたいです。母上は病気で…。

父上は未だに場所がわからない。

それでも私は毎日楽しいです。
美味しいご飯が食べられるから。

6 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 00:25:22 ID:RyQCVavX
目が醒めると、小鳥のさえずりが聞こえました。

外に出ると、小鳥が屋根に一列にとまっていました。

鬼子「はーい、今日のご飯だよー」

小鳥たちに餌をやっていると、食材があと少しだと気付きました。
そろそろ町に買い出しに行かないと…!

7 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 00:33:07 ID:RyQCVavX
町はいいです。人がいっぱいいて、とても楽しそうです。

お面の角度をどうにかしたら、角をごまかすこともできます。

「よぉ!お嬢ちゃん!ウチの魚は新鮮だよぉ!どうだい?」

鬼子「え」

「さぁさ、どれがいいんだい?」

鬼子「いや…私…他の…」

「こいつはどうだい?まけとくよ?」

鬼子「あっあの……」

「遠慮することないぜ!!早く決めちまいなぁ」

鬼子「じゃ…じゃ、その…右の奴で…」

「まいどありぃ!」

8 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 00:34:43 ID:RyQCVavX
リレーの方がいいかな?

9 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 12:37:58 ID:qrNx4R8T
>>1乙であります!! 
 
リレーじゃないほうがいいかも? 
VIPだったらリレーもありかな 
っとリレーの定義がイマイチ分かってない俺が回答 
 


10 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:04:10 ID:qrNx4R8T
書いたとこまで投下 
 
スレ初期で書き始めたから現設定は破綻してます、スルーでお願い 
みんなの言いたい事はすでに言ったことにしといてくれ  
SS初めて書いたんでと自我の維持のために予防線張らさせてもらうわ 
 


11 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:05:23 ID:qrNx4R8T
小日本「大そうじがたいへんです」 
 
小日本「うんしょ・・・」 
 
小日本「冬支度もこれくらいでいいかな」 
 
小日本「・・・お手洗いっと」 
 
ガラガラ 
 
小日本「ひゃあ!」 
 
小日本「西洋さま!?何してるのですかぁ!!」 
 
西洋「ふふ・・・wトイレでする事なんて5つくらいしかないじゃないの?」 
 
小日本「5つもあるんですか!?・・・じゃなくてなんでいるんですか!?」 
 
西洋「決まってるじゃない?キュートなロリ鬼ちゃんに逢いにきたのよ」ギュ 
 
小日本「手を洗ってください〜〜〜〜〜!!」

12 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:06:26 ID:qrNx4R8T
西洋「ここに何かしに来たんじゃないのかしら?w見ててあげるわよ」 
 
小日本「早くでてくださいよ!」 
 
西洋「あら失礼wほんとに色々とイジリがいのある子ね。ウフフ」ガラガラ 
 
小日本「なんであんなにいじわるするんでしょ・・・」グス 
 
小日本「てゆーか下着が脱ぎっぱなしなのはなぜなのでしょうか・・・」 
 
-------------- 
居間 
 
西洋「寒くなってきわね・・・」 
 
西洋(あ〜ジャパニーズ暖炉あったかいわ)ヌクヌク 
  
西洋(Oh・・・パンツ忘れたわ・・・but後10秒で届くわ。10・・・9・・・)  
 
小日本「西洋さま!!」ガラッ
  
西洋「はやい!w」 

13 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:07:49 ID:qrNx4R8T
小日本「お召し物忘れてましたよ!!」 
 
西洋「オ〜ゥソーリーwどんな匂いでしたか?」 
 
小日本「嗅ぎませんよ!」 
 
西洋「全然?w」 
 
小日本「全然です!」 
 
西洋「ん〜・・・。こんなに濃密で淫らな香りがするというのに」スーハースーハー 
 
鬼子「おまえは人の家で何をしてるのよ」ゴス 
 
西洋「アウ!」
 
小日本「あ、お帰りなさい」エーン 
 
鬼子「ただいま。またいじめられたの」 
 
西洋「NONO!スキンシップ!大事な交流ね!」 
 
鬼子「半裸で下着嗅ぎながら交流ね・・・」カチャ 
 
西洋「イエス!異文化理解!世界の輪!百合の国!」 
 
鬼子「ないわ!!」ブン 
 
西洋「シラハドリ!!」パン ザクッ 
 
西洋「アウチ」 

14 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:09:03 ID:qrNx4R8T
鬼子「小日本、鹿を獲ってきた。蔵に入れておいてくれ」 
 
小日本「はい!」 
 
小日本「今年の冬はだいぶ余裕ができましたね」 
 
鬼子「去年は働かない舶来色魔が一冬居座ってたからな」 
 
西洋「・・・」 
 
小日本「あはは、では行ってきます。夕飯とお風呂のしたくもすませてますので」 
 
鬼子「ああ、こいつを縛って汗を流してくるよ」 
 
西洋「ひどい!鬼!」 
 
鬼子「ああ・・・鬼さ」グルグル 
  
西洋「Oh!痛い痛い縄が食いこんd・・・新しいなにかに目覚めちゃう!」ジュン 
 
鬼子「やめんか!」パチン 
 
西洋「アヒン」ビクンビクン

15 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:10:28 ID:qrNx4R8T
------------------
 
ああ・・・この世は不公平だ 生まれながらに結末が決まっている 
 
権力者達め・・・俺達を塵同然家畜の様に扱う権力者達め・・・ 
 
恨めしい・・・  苦しい・・・  村を返せ・・・  畑を返せ・・・ 
 
ああ・・・いい物食いやがって恨めしい・・・  まともな肉・・・ 汚れた肉・・・ 汚れた水・・・ 
 
全てが妬ましい・・・ 
 
------------------ 

16 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:12:23 ID:qrNx4R8T
----------------
小日本「ご飯したくできましたよ〜」 
 
西洋「ジャパニーズ鍋!LOVE!」 
 
鬼子「お前のはない」 
 
西洋「」 
 
小日本「あはは・・・」 
 
西洋「そんなここ二日何も食べてなくて・・・」ウルウル 
 
鬼子「町まで行って精を吸ってくればいいだろう?」 
 
西洋「NO!男なんて死ぬ寸前まで触りたくないわ!・・・ハッ!鬼子の精をちょっと分けてw」チュッチュッ 
 
鬼子「よるな」ズム 
  
西洋「のおおおおおおおおおおおおお!!目がああああああああああ!!」 
 
小日本「いいではないですか、西洋さまのおぜんも用意してますし」 
 
鬼子「だめだ、甘やかすと居座る。また去年みたいに雪の中買出しに行きたくない」 
 
小日本「去年の3倍の食料は西洋さまの分も入っているのでは?」 
 
鬼子「そ・・・それは・・・あれだ緊急時の時の為だ!」 
   
小日本「あははw今がその時ですねw」 
 
鬼子「勝手にしろ!///」

西洋「鬼子がデレた瞬間なのに前が見えない」シクシク 
 

17 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:15:19 ID:qrNx4R8T
------------  
玄関 

鬼子「今日は塩を手に入れてくる」 
 
小日本「くんせいに使いますしね、ひとつ向こうの町までいくのですか?」 
 
鬼子「ああ・・・あいつは?」 
  
小日本「西洋さまはまだお休みです」 
 
鬼子「変わらんやつだな、これをやろう」 
 
小日本「これは・・・危ないですよ・・・」 
 
鬼子「護身用だ、妙な事したら迷わず刺していいからな」
  
小日本「いえだいじょうぶでしょう・・・たぶん」 
 
鬼子「まぁ念のためにだ。後で客もくるから適当にもてなしてくれ」 
 
小日本「お客さま?どなたでしょうか?」 
 
鬼子「ハハ、西洋が苦手なやつだよ」 
 
小日本「ふふ、にぎやかになりますねー」 
 


西洋「ん・・・アッ・・・鬼子のおっぱいビンタ激しい・・・ウヘヘzzzz」 
 

18 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:17:08 ID:qrNx4R8T
----------- 
台所 
 
小日本「お昼とらないでくるでしょうからしたくしてましょう」 
 
小日本「〜♪」トントン 
 
小日本「〜〜♪」グツグツ 
 
小日本「こんなものでしょうか」 
 
西洋「グッモ〜ニン!」ギュ 
 
小日本「ひゃあ!!」 
 
西洋「家庭的なのはいいけど、ワタシの国では裸にエプロンが正装なのよ?」クンクン 
 
小日本「匂わないでください///お料理の途中は危ないですよぉ!」 
 
西洋「あら、お料理の後ならいいのかしら?ワタシが小日本をお料理する番なの?」クンクン  
 
小日本「もおおおおおお///違います!!」

西洋「」 
 
小日本「・・・?西洋さん?」
 
幽霊「・・・色魔を排除。・・・さし当たっての問題は解決」 
 
小日本「あwいらっしゃいませ!」 
 
幽霊「・・・いらっしゃった。護衛」

19 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:18:44 ID:qrNx4R8T
-------------------
峠 
 
鬼子(そろそろ幽霊が着いた頃だろう)スタスタ 
 
鬼子(しかし、妙だな・・・山から生き物の気配が少ない)スタスタ 
 
鬼子(気味悪いから早く抜けるか)スタスタスタスタ  
 
ザワザワ 
 
鬼子「っ!」
 
妖魔「コオオォォォ」 

鬼子「なにか用か?」ギロ 
 
鬼子「妖魔の類か、言葉はわからないのか?」 
 
妖魔「ゥウウルルゥ」 
 
鬼子「随分と妬んでいるようだな・・・。今楽にしてやろう」

20 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:21:07 ID:qrNx4R8T
鬼子の存在に気圧されていた妖魔が黄色い瞳を見開く  
 
妖魔「アヴォ!!」 
 
鬼子を目がけて一直線、右腕を振りかぶり力任せに振り下ろすが  
 
鬼子「んっ!」ドジュン 
 
すでに長刀が妖魔の頭部を破壊した後、 
 
鬼子(長柄に直線で向かってくるか・・・) 
 
鬼子は嘆息と共に妖魔から発せられていた強い恨み、妬みの情にいささか疑念を感じていた  
 
鬼子(知性の低い妖魔があんなにも強い嫉妬心を持つものだろうか・・・) 
   
些細な事だと自分に言い聞かせ、歩みを続けた

21 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:26:07 ID:qrNx4R8T
------------------
山の麓 

鬼子(山を抜けたはいいが、角隠れてるよな?) 
 
鬼子(面は・・・。いいか奇人扱いは慣れた) 
 
------------------ 
町 塩屋露店 
 
鬼子「すまないが塩を二ついただけないか?」 
 
塩屋「二袋、20元だよ」 
 
鬼子「いや樽で貰いたい、冬の支度があるんでな」 
 
塩屋「え?あんたじゃ運べないだろ、誰かくるのか?」 
  
鬼子「ハハ無理だな、町の外までは転がして行く。外に荷車があるしな」 
 
塩屋「そうかい、樽は丈夫だが気をつけてな」
 
塩屋「餓死予定のやつが溢れてるからな、襲われんように」 
 
鬼子「そうか、忠告感謝する。では」ゴロゴロゴロゴロ 
  
 
 
塩屋「まぁあんな気味悪りぃ面つけてりゃ寄ってこんか・・・」

22 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:27:17 ID:qrNx4R8T
--------- 
町中 
 
「遭難・・・」  「帰ってこない・・・」   「また警官が畑を・・・」 
  「そうなんです・・・ハイ」  「仕事がねぇよ!!」  「全部日本のガ・・・」 
 「ひどい話だね・・・」  「山に化け物・・・」  「わが国の領・・・」 
 
 
鬼子(人の恨み、妬みの情が流れ込んでくる・・・。)ゴロゴロゴロゴロ 
 
鬼子(町はやっぱ苦手だ・・・。)ゴロゴロゴロ 
  
--------- 
町外れの山道 
 
鬼子(もう誰も見てないな?)キョロキョロ
 
鬼子(樽転がして山越えは無理だわ)ヒョイ 
  
鬼子(面が樽にあたる・・・)ゴッゴッ

23 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 13:29:09 ID:qrNx4R8T
------------ 
山中 
 
・・・ 
 
男「何者かわからんのか?」 
 
鬼子「ん?」ササ 
 
少女「少なくとも一撃で葬るくらいの力量を持った者としか」 
 
男「むぅ、出来立てとはいえ人の身で抗うには・・・」 
 
鬼子(なんだ?さっきのか?出来立て?) 
 
少女「ええ、怪異的な何かでしょう。歴史に名を連ねる豪傑の如き一撃を放つ・・・ね」 
 
男「まぁ失敗したと上には伝えておこう、後始末をしておけ!先に戻る」 
 
鬼子(おお!?こっちきた!)コソコソ 
 
鬼子(燃やしてるのか、さっきの妖魔を)

24 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:32:14 ID:qrNx4R8T
後始末とやらが終わったのか少女が町へ降りて行く。 
 
危機感…。思わず手を面にかける。 
 
影が歩いているのではないかと思う程、希薄な存在感。 
 
だが愛らしい顔立ちとは裏腹に、見たものは不吉な予感に見舞われる、見なければ良かったという印象を。 
 
自分は強い、いざとなったらどうにでもなると思っている鬼子ですら 
 
冷たい感覚を振りまく相手に、出来ることならこちらに気づかずに去ってくれと願っていた。 
 
鬼子(行ったか・・・樽抱えたまんまじゃ厄介だな) 
 
鬼子(さっさと帰ろう)ヒョイ 
 
樽を両手に担いで駆け足で山を登る鬼子の背中を、冷たい少女が見下ろしていた。 
 
中華「・・・」 

25 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:34:33 ID:qrNx4R8T
----------- 
庭 
 
小日本「そろそろ鬼子さまが帰ってきますよ」 
 
幽霊「そう・・・把握」 
 
小日本「お風呂たいてきますね、幽霊さま入りますか?」 
 
幽霊「いや、遠慮。・・・一番風呂は一番働いた者の権利」 
  
小日本「では鬼子さまの着替え用意してきます」 
 
幽霊(家事全てを遂行。色魔の面倒。だが自分が一番とは思わない、謙虚) 
 
鬼子「おお幽霊!よく来たな」 
 
幽霊「お邪魔してた、待機」 
 
鬼子「え?西洋は?」 
 
幽霊「寝ている、私が気ぜt」 
 
鬼子「まだあいつ寝ているのか!おい!!西洋!!!」ガラガラ
  
幽霊「・・・早計」 
 
           オイ!ナンデダイドコロデネテンダ!!>

26 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:36:55 ID:qrNx4R8T
-------------
居間 
 
鬼子「だいたい他人の家で一日中寝てるやつがあるか」 
 
西洋「ちゃんと朝起きたわよ?起きて小日本を愛でてたら、時を越えて鬼子が目の前にいたのよ」 
 
鬼子「寝てたんだろうが!!後箸で人を指すな!」 
 
小日本「アハハ・・・」チラ 
 
幽霊「・・・」モグモグ 
  
西洋「幽霊?あなた何かしたでしょ?」 
 
幽霊「さぁ・・・不可解な現象」モグモグ 
 
西洋「前と一緒で一日中寝てたのになんか疲れてるわ、呪いとかじゃないでしょうね?」 
 
幽霊「心配無用、魂・・・に直接、衝撃、揺さぶって昏倒」モグモグ 
 
西洋「やっぱあなたじゃない!!」 
 
小日本「西洋さまお料理が冷めてしまいますよ?」 
 
西洋「ほんとあなたイライラするわ」ズズー  

27 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:39:15 ID:qrNx4R8T
鬼子「あ、そうだ。今日買い物から帰る途中にだな」 
  
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx 
 
小日本「おケガはなかったのですか?」 
 
鬼子「ああそれは問題ない」 
 
西洋「一緒にその女もやってくればよかったのに」 
 
鬼子「いや無理だろ、面被ろうかと思ったぞ」 
 
幽霊「中成で戦えば有利、だが塩樽は破壊、塩かき集める作業」 
 
鬼子「考えただけで嫌だなそれ、嫌な事いうのは西洋だけにしてくれ」 
 
西洋「幽霊って性格悪いわよねー?鬼子ちゃん(はぁと」 
 
幽霊「性癖が悪いよりは、圧勝」 
 
西洋「百合を侮辱したわね!」 
 
小日本(それだけじゃないでしょうに・・・)

28 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:40:32 ID:qrNx4R8T
----------
鬼子と小日本の寝室 
 
小日本「明かり消してよいですか?」 
 
鬼子「ああ、いつでもいいぞー」 
 
小日本「おやすみなさい鬼子さま」 
 
鬼子「ああ、おやすみ」 
 
 
鬼子(山中の妖魔…人と似た嫉妬の情…出来立て…) 
 
鬼子(寝よう…) 

29 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:41:54 ID:qrNx4R8T
-------------
------- 
 
髯の男「でていけ!鬼め!」 
 
細身の男「バケモノめ殺してやる!」  
 
鬼子「やめて!」 
 
老婆「こっちにもいるよ!!」 
 
小日本「おにこさま」 
 
鬼子「走って小日本!」 
 
小日本「うぅ…ヒック…」 
 
鬼子「泣くのは後!早く!」 

「侵略者め!帰れ!」 「殺せ!」  
  「非道な民族め」   
      「・・・・・・!!」

30 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:42:54 ID:qrNx4R8T
鬼子「っっ!」ガバ 
 
悪意ある気配を感じ飛び起きる鬼子 
 
鬼子「小日本!!起きろ」バシバシ 
 
気配を探るべく屋内…屋外に神経を巡らせる 
 
小日本「ハッ、ハイ!」 
 
鬼子「外か」ガラガラ 
 
床の間から刀と長刀を掴み庭へ走る。 
 
小日本は自分が何をすれば一番いいのか、寝起きの頭を回転させていた。 
 
鼓動は速いのに考えがまとまらない。 
 
鬼子から譲り受けた小刀を持つ手も震える。 
 
幽霊「大丈夫、護衛」ポン 
 
小日本「わ!…びっくりさせないでくださいよぉ」ジワ  
 
いつからいたのか後ろに幽霊が立っていた。 
 
後ろは壁なのだが…自称幽霊は伊達ではないということだろうか 

31 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 13:48:02 ID:qrNx4R8T
----------------
庭 
 
庭にでた鬼子がまず目にしたものは塀を乗り越えてくる妖魔達だった 
 
鬼子(塀を登る知恵はあるか…、数は…6匹か) 
 
鬼子(生成でも妬みを感じるな、やはり人の成れ果てか) 
 
先手必勝!一番に降りてきた妖魔に長刀を投げつける。 
 
鬼の力で投擲されたそれは、あっさりと妖魔を貫通し、塀に突き刺さる。 
 
胸に穴を開けて倒れる妖魔を確認し、長刀の回収に刀を抜き走る。 
 
二匹目…!塀にそって長刀に走ってくる。 
 
鬼子「昨日に比べて知恵が回るな!」ブン  
 
刀を二匹目に投げつけるが妖魔にあっさり避けられ、音を立てて落ちた。 
 
刀を拾う妖魔。 

鬼子「残念だが、夢のせいで寝覚めが悪いんだ、好機は与えんよ」

32 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 13:58:47 ID:u9XvRj9+
ここで規制っ…!!

無念のリタイヤっ……!!

33 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 15:40:11 ID:C6383QuF
----------------
庭 
 
庭にでた鬼子がまず目にしたものは塀を乗り越えてくる妖魔達だった 
 
鬼子(塀を登る知恵はあるか…、数は…6匹か) 
 
鬼子(生成でも妬みを感じるな、やはり人の成れ果てか) 
 
先手必勝!一番に降りてきた妖魔に長刀を投げつける。 
 
鬼の力で投擲されたそれは、あっさりと妖魔を貫通し、塀に突き刺さる。 
 
胸に穴を開けて倒れる妖魔を確認し、長刀の回収に刀を抜き走る。 
 
二匹目…!塀にそって長刀に走ってくる。 
 
鬼子「昨日に比べて知恵が回るな!」ブン  
 
刀を二匹目に投げつけるが妖魔にあっさり避けられ、音を立てて落ちた。 
 
刀を拾う妖魔。 

鬼子「残念だが、夢のせいで寝覚めが悪いんだ、好機は与えんよ」 
 
すでに長刀を回収した鬼子に首を刎ねられていた。

34 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 15:42:46 ID:C6383QuF
刀を回収し、長刀を構える。 
 
屋内に入ったのが2匹見えた。 
 
鬼子(幽霊が中にいるから小日本は大丈夫だろう) 
 
風呂に入り飯を食い、睡眠を取り壁をすり抜け、不可思議な攻撃を繰り出す不思議の塊に任せれば問題ないだろう。 
 
そんな幽霊は聞いたことがないと追求しても、頑として自分は幽霊だと言って聞かない。 
 
鬼子(西洋は…寝てるかな)ハハ 
 
呆れ笑いを浮かべ3匹目を両断する。 
 
実力差が判断できる知恵もあるのだろう4匹目が来た道を戻っている。 
 
妖魔「ギイィィ!!」 
 
ごぉうっっという音を立てて炎に包まれる妖魔。 
 
萌えながらのたうち回るその様を見下ろす冷たい少女。 
 
中華「随分と知的な鬼がいたものね」

35 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 15:45:40 ID:C6383QuF
鬼子「お前はっ!!」サッ 
 
今回は頭にかけてある面をすぐに被る。 
 
中成。生成よりも一段と鬼としての本質、般若の面に蓄積された嫉妬の情念を現す。 
 
面を受け継いだ当初は嫉妬の情に飲み込まれそうになり、持つことさえ嫌で堪らなかった。 
 
だがこの少女を前にしてそんな事も言っていられない。 
 
呪詛の様な妬みが直接脳内に響き渡る中、鬼子は問う。 
 
鬼子「まともに会話ができそうだな?」 
 
面で篭った声に答える少女 
 
中華「始めまして、古来よりこの国を見ている者、中華と申します」 
 
鬼子「率直に聞こう、なんの用だ」 
 
中華「用はないわ」 
 
鬼子「用もないのに妖魔をけし掛けるのか!」 
 
意図の読めない相手と脳に響く恨み言のせいでつい声を荒げる。

36 :鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUF :2010/10/23(土) 15:47:26 ID:C6383QuF


37 :創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 18:04:14 ID:RyQCVavX
乙です

38 :創る名無しに見る名無し:2010/10/24(日) 01:17:30 ID:N0RNdJGT
乙です

39 :創る名無しに見る名無し:2010/10/24(日) 23:51:15 ID:1dtcbJhx
乙です

盛り上がってないなあSSスレ


40 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 00:01:39 ID:YwkNVAOo
宣伝が足りないからか?もっかい張ってこよう

41 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 00:41:58 ID:dF9fOsd8
1レスで終わる単発もここに書いていいのか?

42 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 00:56:10 ID:YwkNVAOo
>>41
まってたー!良いよー。書いてってー!
何しろ人がいないからorz

43 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 01:31:34 ID:cnGrx31j
今のところ鬼子の設定を決める、だけで止まっちゃってるからね。
むしろ周辺の設定は決めるなって本スレで言われちゃってるから
語るに語れないし。

44 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 01:42:24 ID:YCws0dAV
んー、あれは鬼子自身の大まかな設定が決まる前に周辺語るなってだけで、別にもう語ってもいいと思うけど。


45 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 02:01:06 ID:VLvEWqy/
言葉足りなくてゴメン
議論中に他の事議論すると流れがgdgdになるからだよ
ここは議論の場ではない!
さぁ…こっち側に来いよ…

46 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 04:01:13 ID:YwkNVAOo
鬼子!鬼子!鬼子!鬼子ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!鬼子鬼子鬼子ぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!日ノ本鬼子たんの黒色ロングストレートの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
vip1スレ目の鬼子たんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
創作発表でも1スレ目が1000まで決まって良かったね鬼子たん!あぁあああああ!かわいい!鬼子たん!かわいい!あっああぁああ!
創作発表で2スレ目も無事立ってされて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!創作発表なんて現実じゃない!!!!あ…vipも創作発表もよく考えたら…
鬼 子 ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!山奥住まいぃいいいい!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵の鬼子ちゃんが僕を見てる?
表紙絵の鬼子ちゃんが僕を見てるぞ!鬼子ちゃんが僕を見てるぞ!挿絵の鬼子ちゃんが僕を見てるぞ!!
創作発表の鬼子ちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕には鬼子ちゃんがいる!!やったよ小日本ちゃん!!ひとりでできるもん!!!
あ、創作発表での鬼子ちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあ西洋鬼子ぉぉお!!中、中華支那子ぉ!!東洋鬼子ぉぉおおおおおお!!!台巴子ぉぉおおお!!
ううっうぅうう!!俺の想いよ鬼子へ届け!!山奥住まいの鬼子へ届け!

47 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 04:02:01 ID:cnGrx31j
小日本「・・・・・・・・・・・・」

鬼子「なに?」

小日本「いいね」

鬼子「何が?」

小日本「鬼子はいいよね」

鬼子「だから何が?」

小日本「色々決まっていって」

鬼子「だから何がよ?意味がわからないわよ」


48 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 04:03:26 ID:cnGrx31j
小日本「設定とか見た目とか」

鬼子「開始早々からメタ視点!?」

小日本「私の設定とかないし。誰も書こうとかしないし」

鬼子「ほら、小日本ちゃん?今はほら、色々と始まったばっかりで混乱しちゃうから」

小日本「どうせこんな企画途中で潰れて私の絵を書く絵師とか出てこないんだ」

鬼子「なんかキャラを借りた作者の愚痴になってきた!?」

小日本「大体日本人は基本ロリコンなんだから、もっと私の設定を詰めなさいよ!別スレたてなさいよ!」

鬼子「言論の自由ってすばらしい」

小日本「鬼子ちゃーん、買い物いこー」

鬼子「すばらしい話題転換ね。小日本が日本人を貶すとかちょっとシュールだったけど」

おわり!フン!

49 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 04:23:43 ID:riy4A15y
鬼子ぉぉぉおおおぉぉぉ
もっとだ!もっと書いてくれ!

50 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 04:27:40 ID:VLvEWqy/
>>46
絶対誰かやると思ったwwww

>>47
日本乙子
決定までの流れは理解出来たから鬼子以降は早いと思うんだぜ

51 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 11:10:41 ID:Cj67y8nq
小説を投下するならナカグロやめろ

52 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 17:12:42 ID:lbl6ITeY
支援に一本書き始めたんだけど、さっき長女設定だったことに気づいたorz
倭子・鬼子・小日本の順に年長の三姉妹なんだが、このまま書き続けていいだろうか?

53 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 17:59:13 ID:U2DvGmsj
>>52
姉妹設定ってまだそこまで固まってないことね?だからいいんじゃない?
というか個人的にお姉さまはいて欲しいというだなぁ(ry

54 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 18:07:25 ID:ZKO+MpB4
ことしのコミケを鬼子で荒らしてほしいと思うのは俺だけか・・・?

55 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 19:15:14 ID:YCws0dAV
魔子「ねえ、鬼子の住んでるとこってどんなとこ?」
鬼子「ん? なぁんにもない、山の奥だよ。特にこれといった特徴は無いかなあ」
魔子「へぇー。寂しくないの?」
鬼子「え、そんなことはないよ。お友達がたくさんいるから」
魔子「友達?」
鬼子「うん、だけど夜はみんな凶暴になっちゃうのが玉に瑕かなあ」
魔子「なになに、どんな子たちなの? クマとかオオカミとか?」
鬼子「クマやオオカミもいるけど、夜凶暴になっちゃうのは……あれ? あの子達ってなんて種類はなんなんだろう? たぶんミミズ、なのかな。
   ……とにかくその子たちは夜になるとヌルヌルヌメヌメして凶暴になっちゃうんだ。だから遊びに来る時は昼間のうちに来てね!」
魔子「え、でもミミズでしょ? 私、ミミズに負けるほど弱く無いわよ?」
鬼子「何言ってるの! ものすごくおっきくて、クマのダイゴロウくんも痔になるほど苛められたって言ってたんだよ!
   夜のあの子達はとんでもなく強いんだからね! 馬鹿にしちゃ駄目だよ」
魔子「え、痔? ダイゴロウくん? ……もしかして、一部の女の子たちに人気あったりする?」
鬼子「あれ? よくわかったね? うん、何人かあの子達にメロメロの女の子がいるよ」





魔子(Oh……tentacle……)

56 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 19:17:31 ID:d8EWsXDr
色んな人が色んな設定が書いて行って、
刺さったのが残るって感じで良いのでは? 


57 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 19:20:40 ID:riy4A15y
>>55
Oh...tentacle....じゃ、ねーよwwwww
久々にSS投下されたと思ったら・・・











・・・ウッ!

58 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 19:28:59 ID:EXAWP2uC
百合SSを書いてもよろしいか

59 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 19:42:39 ID:1cW7XPou
かまわん、やれ

60 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 19:55:23 ID:EXAWP2uC
おk
現行スレに貼ったのに付け加えた奴だけど

鬼子「……」
魔子「ん?どうしたの鬼子?」
鬼子「いや…魔子ちゃんの服って露出度高いなあ、って思って」
魔子「え?何?着たいの?」
鬼子「え…や、そうゆうんじゃなくって…」
魔子「ふふふ…じゃあ今からウチに来なさいよ」
鬼子「え?い、いいよ…」
魔子「いいからいいから♪」グイッ
鬼子「ちょ、ちょっとお!」

〜魔子の家にて〜
魔子「うふふふ〜、次はこれを履いてみましょうかぁ〜♪」
鬼子「やっ…そんな恥ずかしいの履けないよう…って、きゃあぁっ!」
魔子「ほらほら、そんな色気のないの早く脱いじゃいなさい…あら、これもこれで可愛いわね…」
鬼子「ひゃんっ…だめえぇっ!!」

61 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 20:31:01 ID:7F0hifRp
今書いてる鬼子は天涯孤独設定なんだが…orz

薙刀・年十六くらい
っていうのしか設定守ってないけどいいかね?

62 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 20:45:20 ID:dF9fOsd8
>>62
いいんでない?
色々な鬼子がいてもさ

63 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 20:46:50 ID:YCws0dAV
>>61
まるで構わない


64 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 20:56:40 ID:dF9fOsd8
ごめん>>62>>61へだ
何やってんだ俺

65 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 22:36:28 ID:dF9fOsd8
鬼子「うう〜、寒い」
魔子「そうかしら?」
鬼子「魔子ちゃん、よくそんな服で寒くないねー。胸元とか特に」
魔子「胸元はあなたと違って豊かだから、その分寒くないのよ♪」
鬼子「……ギリッ」
魔子「すいませんでしたごめんなさい」

66 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 23:50:34 ID:7F0hifRp
SS書きオワタ\(^o^)/
連投してもいいかね?
※多数の矛盾がある記述だけど気にしないでくれorz

67 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 23:55:47 ID:NumyfPhK
>>66
おう、全力で来いよ

68 :創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 23:59:37 ID:7F0hifRp
>>67おk
0時5分から俺無双するわ

69 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:04:48 ID:dF9fOsd8
期待
百合は受けないのだろうか…

70 :名も無き鬼の子:2010/10/26(火) 00:05:52 ID:yt55kTwq
時は平安魑魅魍魎が溢れかえる現世の地獄・京都

黒き雲に覆われたそこに日の光が当たることはない

人々は物怪と目をあわせぬよう俯いたまま足早に帰路につき、
物怪に憑かれた者は光の灯らない目をして大路を闊歩している

その夢も希望も奪い去られた死と絶望の町に一刃の薙刀が舞う…

肉を切り裂く音と水が飛び散る音が町に木霊する

「これで今日五十匹目…」

齢十六、七の女、頭の横に般若の面をつけ、手には血に濡れた薙刀を持ち、美しい衣に身を包んでいる

容貌は整っているが、双眼には憂いと冷たさを湛えている
顔は面の様で笑い顔など見せたこともない

彼女に名前は必要ない

親は物心ついた時にはもういなかった
知り合いなどいない、友人などもってのほか

人知れず物怪と戦う彼女の頭には二本の角

そう、彼女は人々に疎まれる存在…鬼の子なのだから

71 :名も無き鬼の子 五月蝿い隣人:2010/10/26(火) 00:07:20 ID:yt55kTwq
「しかしここらにも物怪が入ってくるとは…そろそろ塒の変え時か」

彼女の今の仮住まいは人間の家である
元の主人は物怪に喰われてしまったのだろう、空き家になっていたのをしばし拝借していたのだ

「ここは村外れだから人間どもに見つかりずらいし、
喰い物にも困らないしで随分住み心地がよかったのだが、致し方ない」

あくまで人目につかない場所へと、鬼の子は今日の塒を探す…



一刻程の後…
「この家でいいだろう」

鬼の子が新しい塒に足を踏み入れる
障子は破れ畳は腐り釜には蜘蛛の巣がかかっている

他に家財がない様子を見るに大方盗人でも入ったのだろう
家主がどうなったかは大黒柱の黒い染みが物語っている

(まっ、私には関係ないがな)
思いつつ鬼の子は畳の上に寝転がる
(少し寝よう…さすがに殺し疲れた…)



微睡み始めた矢先に何者かの悲鳴、距離にして約三百丈
(この声は…幼子か?
まぁ所詮は人の子一人の命、私には関係ない…)
そう思い再び微睡みの中に堕ちようとする

するのだが、その間も幼子の悲鳴は続く
心の中で悪態をつきながら立ち上がり壁にかけてあった薙刀の柄に手をかける……

72 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:07:46 ID:nZFlT6Rl
何という伝奇アクション
これは期待

73 :名も無き鬼の子 陽光との邂逅:2010/10/26(火) 00:10:30 ID:yt55kTwq
少女は駆けていた
薄い赤色の衣の裾を膝までたくしあげ、襲い来る物怪から己を一寸でも遠くへ追いやろうと路地を右往左往し
民家を横切り助けを求めて喉が張り裂けんばかりに叫んでいた
喉は枯れ足は擦りきれ血が滲んでいたが構わず走り声を張り上げ続けた

しかし救いの手はさしのべられない

後ろからは物怪が大小併せて廿、卅ほど迫ってくる
幼子の足の速さなどたかが知れているが物怪は敢えて幼子が諦めず走り続ける速さを保っている
幼子が苦しむ姿を見て楽しんでいるのだ

しかしそれもこれまで

幼子が力尽きて足を滑らせたのを機にその子を喰らわんと口を開けて子に迫る


(南無…阿弥陀仏…)
涙ながらに念じた幼子の目の前に光る雷

しかし後に続くはずの雷鳴が一向だに聞こえてこない

「全く、うるさい餓鬼だな」女の声


その声に呼応するかのように、
此の時まで雲一色だった空が裂け、一筋の陽光をその女に降り注いだ
黒光りする長い髪、整った容貌、冷たい目、美しい衣、頭の横につけられた般若の面、血塗られた薙刀、そして二本の角

鬼の子が、そこに立っていた

幼子が雷だと思っていたのは鬼の子が腕に抱えている薙刀の刃

「どうした物怪、私は早く眠りたい、お前達が来ないなら私から行くぞ」
言うが速いか少女を蹴り飛ばし薙刀を片手に鬼の子は物怪のもとに駆け寄り最初の一振りで五匹の物怪を殺める
その隙に懐に入ってきた物怪の首を虫を払うように吹き飛ばす
背後に回って襲いかかる物もいたが肘鉄で心の臓を粉々にする
薙刀を両の手で持ち振りかざして十匹を斬り殺す

幼子が立ち上がった時には全てが終わり、残されたのは肉塊と大量の血とその中に佇む女


74 :名も無き鬼の子 血と肉と涙と:2010/10/26(火) 00:12:21 ID:yt55kTwq
「お前、喰われたりしてないのか」鬼の子は真にどうでもよさそうな口調で言った

「…はい」涙ぐんだ目を手でかきながら幼子が答える

「そうか…人間どもは魑魅どもに喰われた所から腐っていくからな
お前は幸運だったんだろう」
「あの……ぉ…」
「なんだ、用事がないなら私は塒に帰って寝たいのだが」
「ぉ、お礼を、お礼をさせてください!」幼子は未だ震える体でそう言った

鬼の子は一瞬口を開けたまま棒立ちになったが
「お礼なら今後物怪どもに襲われようと大声をだすな」
「そうじゃ……なくて……」
「私にとってはそれが一番大事だ、というか人間に礼を受けても嬉しくもなんともない」いいつつ物怪の血溜まりの中を立ち去ろうとする鬼の子

「せめて…せめて名前だけで「名前はない」

鬼の子の冷たい言葉に肩を震わせ唇を噛み涙を堪える幼子

(人間の餓鬼はこんなに面倒くさいのか…)溜め息を付き、頭に乗った般若の面をもてあそんでいると、一つ妙案を思い付いた

「そうだな、ならお礼は私にお前が名前を寄越す、これでいいだろ?」
鬼の子にしてみればなんてことのない提案に顔を綻ばす幼子
(全く、名前一つですぐ機嫌を治すとは…
人間は単純だな…お、今度は唸ってる。私の名前なんて何でもいいから早く決めてくれ)
体が重くなっているのを感じて早急な答えが欲しい鬼の子は幼子に半分睨みを利かせる

それに終始気づかなかった幼子の顔が再び綻ぶ
(決まったみたいだな…ようやく解放されるか)
目も虚ろになりはじめ、体が鉛のようになっている…




「聞かせろよ、お前が作った、私の、なま…」
最後まで言う前に狭まる視界、重くなる体…鬼の子の意識は暗い深淵の中へと堕ちていった…

75 :名も無き鬼の子 鬼の名:2010/10/26(火) 00:15:05 ID:yt55kTwq
「……こ…ちゃん……お…こ…お姉…ゃん……鬼子お姉ちゃん!」

声に導かれるように鬼の子は目を覚ました

まず目に入ったのが幼子
鬼の子を真上から覗きこんでいる
次に見えたのが茅葺き屋根、所々穴が空いている

「此処は?」鬼の子がしわがれた声で聞く

「あたしの家です
もう長くあたし以外に人が出入りしたことがないからぼろぼろだけど
お体の具合はどう?
鬼子お姉ちゃん体からいっぱい血が出てたから一時はどうなるかと思いました」

「あぁ…体を無理に遣ったからね…」言いながら起き上がる鬼の子

「寝てなきゃダメですよ!
すごい量の血だったんですよ!」
「私は鬼の子だ
心の臓が無くなるか首を跳ばされたりしない限りは死なない」いいつつ衣に手を伸ばす

衣には血糊がこびりついている…はずなのだが目立たないほど血の色は薄くなっている

「ここ二日間ほど物怪も現れなかったので着物のお洗濯をしておきました」
「そうか…」
自分の体を見回すと腹回りに薄い赤色のさらしが巻いてある
(どこかでこの色を見たことがあるような…たしかこの餓鬼の…)

幼子をよく見るとこの前見たときより服の裾が五寸ほど短くなっている
色合いもさらしと違わない

(こいつは全く…)思いつつ鬼の子は今までに味わったことのないくすぐったさの様なものを感じながら、目覚めたときから疑問に感じたことを口に出した

「鬼子、というのが私の名前か?」
「はい!日本鬼子!あなたのお名前です!」幼子は目を輝かせながら言った

「あたしを助けてくださった時、太陽の光の本に立っていた姿がきらびやかでしたので、日本」
「で、鬼の子だから鬼子…と?」
「はい!」

つく溜め息をさえ失った鬼の子は衣に身を包み戸に手をかける

76 :名も無き鬼の子 幼子の願い:2010/10/26(火) 00:16:42 ID:yt55kTwq
「もう行ってしまうんですか?」
「もう用事はないからな、世話になった」
「あと一日「必要ない」裾を指が白くなるほど強く握って泣きそうになるのを耐えながら幼子が呟く
「お礼」
「ん?」
「看病したお礼」
「なっ、(なんという厚かましさ、此れが人間か!)」
「看病したお礼に…また遊びに来てください」
「あっ」鬼の子の息が詰まった
(あっ、あくまで恩返しだからな、仕方ない、うん仕方なくだ)

「…考えておこう」

それだけいって鬼の子は戸外へと飛び出した

(日本鬼子……か)

目には優しさと暖かさを、口元に笑みを称えながら…。

77 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:19:17 ID:yt55kTwq
連投終了
本スレやSSスレの元気付けてくれたみんなに感謝するわ

78 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:20:31 ID:vG1nJFQe
小日本 ○○(こひもと なんとか 例:撫子・紅葉)はちょっと気弱な普通の女子○学生
しかし実家の倉で偶然見つけた呪いの般若面を頭にかぶって二拝四拍一拝(出雲式)すると
護国少女・日本鬼子に変身するのだ!
昨今の国際情勢で不安の増大した日本国民の心に巣食う邪悪な鬼を退治するため
大神さん(柴犬っぽい何か)、ヤタくん(ひよこっぽい何か)と共に今日も拍手を打つぞ!
般若面(CV:若本or小杉十郎太)はマスコット扱いで喋るが毒舌で小日本はいつも涙目

ライバルの西洋魔子は英国系大財閥のゴスロリお嬢様留学生で同級生だがお互い正体を知らない
お供は黒いインパネスを着て片眼鏡をかけた渋い老執事(実は超強い悪魔)
魔子の目的は国際貿易の円滑化のために国家間のパワーバランスを是正すること
そのためにまず日本国内の不安要素を取り除いて政治と円相場の安定を図るべく鬼を狩る
なので鬼子とは一応の目的の一致を見ているため直接争うことはないが何かと対抗はしてくる
鬼子のピンチを最初はニヤニヤ見ているが本気でヤバくなるとつい手助けしてしまうテンプレ的ツンデレ

中華支那子は近所で評判の本格中華料理店「大熊猫飯店」の一人娘で例によって同級生で同上
なまじ家が繁盛しているため自分の祖国(中国)に少しずれた優越感を抱いている
常に中国の美点を称えて周囲を目下に見た発言をするが優れたものは劣ったもの、弱いものを
守らねばならないという責任感の裏返しでもある
理不尽な暴力や差別に対する嫌悪感は恐らく3人のうちで最も強いが、やはり頂点に立つべきは
自分(中国)であるという中華思想からは逃れられていない
店の看板娘なので夕飯時にはチャイナ服○学生という大きなお友達の憧れを体現しつつお手伝い

ちなみに変身前は当然ながら全員幼児体型だが、その中にも微妙ながら
支那>日本>西洋という差が存在しており、西洋の秘かなコンプレックスとなっている
何の差かは秘密
変身後は支那>>肉まんいくつ入れてんだという壁>>西洋>人種の壁>日本となる

という設定で誰かSS書いてくれんものか
俺は文才がないからここまでだ

79 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:35:34 ID:yt55kTwq
書いてみて思ったけど戦闘描写って難しいのな
インデックスとか戦闘描写ばっかで楽そうだなwwとか思ってたわ
鎌池和馬先生すいませんでしたorz

>>69百合むちゃくちゃすきですお(^ω^)
ただふたなりになるとまだレベル高い希ガス

>>72結果的によく分からないものになっちまったぜww
次書く機会があったらフルボッコ物でも書いてみるわ

ただフルボッコにできる敵キャラがいないww
どうせ戦闘するならスプラッタくらいやりたいから西洋鬼子とかでやると(ry

80 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:42:56 ID:tSq7zubG
鬼子「ふぁあ…今日も色々疲れたなぁ…そろそろお家帰ろ…」

ポンッ

鬼子「っ」

「ダーレだ」

鬼子「……」タラ-…

鬼子「魔…子さん…」

魔子「イェス!あったりぃ!!」

鬼子「遠路遥々ご苦労様といいたいんですけど、連絡くらいくれても」

魔子「アポ無し訪問に意味があるんじゃないのさっ」

鬼子「と…とりあえずもう家すぐそこなんで…」

魔子「お、さんきゅっ」

81 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:45:56 ID:tSq7zubG
魔子「え…と、この国じゃ靴脱ぐんだっけ?」

鬼子「あぁ、はい」

魔子「ふぅ…去年も来たけど変わんないねー、ここもアンタも」

鬼子「あはは…」

魔子「成長の様子が見られないしぃ」プニッ

鬼子「ちょっ…ちょっとくらいしてますよソコは!」

魔子「ホントにぃ?」ニヤニヤ

鬼子「ホン…多分してますよ…多分…」

82 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:47:51 ID:ob/afJsD
>>79乙です!
なんという第一話っぽさ。

確かにまだ敵キャラや鬼子の能力とかが模索中だから
バトル物は難しいのかも。


83 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:49:03 ID:tSq7zubG
鬼子「もうすぐ夕飯の支度できますんで待っててくださいねー」

魔子「なんか手伝うことあるー?」

鬼子「いえいえ、一応お客なので余計なことしないでくださいねー」

魔子「アンタサラッと棘のあること言うわよねぇ」

鬼子「うー…ん、じゃ、薪割りしてもらえます?夕飯出来たら呼びますので」

魔子「はいよー」

84 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:51:37 ID:tSq7zubG
魔子「薪かぁ…こんなもん羽で切り刻めるんだけど…まぁいいか」

魔子「よっ」
スパパパパパッッ

魔子「ふぅ…薪って案外固いのね、羽痛くなっちゃった」


鬼子「出来ましたよー」

魔子「はいはーい、今行くー」

85 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 00:55:27 ID:tSq7zubG
魔子「うんっ相変わらずの美味さだ」

鬼子「どっ…どうも…///」

魔子「あたしゃ無理だわー、目玉焼きくらいかねー作れるの。なんだっけ?ソイソース?私のとこにゃないからさー」

鬼子「お醤油でしたら、よかったら、差し上げましょうか?」

魔子「あぁ気持ちはありがたいけど遠慮しとく。多分コーヒーと間違えるから」
魔子「さてと、ご馳走様っと…」

鬼子「あ、お風呂入ります?薪も十分割ってもらったみたいなんで」

魔子「おう、悪いね」

86 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:01:10 ID:tSq7zubG
鬼子「ふーっふーっ湯加減どうですかー?」

魔子「いい感じー」

魔子「でもなんか申し訳ないなぁ…」

魔子「そうだ、一緒に入れば暖かいでしょ!」

鬼子「えっ」

魔子「ほれ、入った入った」

鬼子「いや…あの…」

魔子「えぇいまどろっこしい!」

鬼子「あっ…ちょ!脱がさな…!!」

87 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:03:10 ID:tSq7zubG
ガタンッ!

魔子「!?」

鬼子「!」

ヒュ〜ドロドロ…

魔子「な…なに…?」

鬼子「もう…また来たみたい…」

魔子「何が?」

鬼子「幽霊ちゃんです」

魔子「ghost!?」

88 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:09:29 ID:tSq7zubG
幽霊「こんばんわ」

鬼子「こんばんわ、今日は何の用ですか?」

幽霊「いやぁ、最近怖がらせる人がめっきり減っちゃってさ」

鬼子「昨日も聞きました」

幽霊「聞くところによると、山に鬼がいて誰も近づかないとか…アンタだよね?」

鬼子「だから、私だって好き好んで怖がらせてる訳じゃ…」

幽霊「天然で怖がらせるっていうさりげない自慢でしょ!!それー!」

鬼子「えっ…えぇっ?」

幽霊「あー頭来た!勝負よ!決闘よ!デュエルよ!」

魔子「なんだなんだ」

鬼子「魔子さん服着てから出てきてください」

89 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:13:29 ID:tSq7zubG
鬼子「まったく…私だってあんまり喧嘩なんてしたくないのにー…」

鬼子「…今日だけですよ?」

鬼子「破っ」パンッパンッ

魔子(手ェ叩いてなにやってんのあの子)

鬼子「やっ」 ボッ

戦鬼子「さて…さったと終わらせてもらうぞ…」

幽霊「えっ、さっきと雰囲気…てか姿が…うぇえ!?」

90 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:16:23 ID:tSq7zubG
戦鬼子「般若、薙刀」

般若「え?ごぶっ」

戦鬼子「歯が手に当たってる、人が手突っ込んでる時に喋るな」

般若「ゴベベベッ」
ジュボ

戦鬼子「さ、どっからでも来い」スラ…

般若「げほ…げほっ…」

91 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:19:31 ID:tSq7zubG
幽霊「そ、そんなのただの虚仮脅しよ!ポルターガイストの前には無力なんだから!」

ビュンビュン

魔子「わわっ岩飛ばすとか…加減しらないんだから…!!」

戦鬼子「遅い」ヒュン

幽霊「えっ」

幽霊(斬られ…!!)

ピタッ

戦鬼子「お前の負けだ」

幽霊「うっ…」

92 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:28:50 ID:tSq7zubG

魔子「なるほどねー」

鬼子「はい…」

魔子「前にシナ子になんだっけ?おにぎりを盗まれたとかで、さっきのあんな感じになったことあったかな」

幽霊「お、おにぎりで…」

鬼子「食べ物を粗末にする人は許せませんっ!」

魔子「まぁ、どうでもいいとして、自分で変身できるようになったんだ、へぇー…」

鬼子「はい、近々妹がこっちに来るので、姉としてですね…」

魔子「ほほう、ところで幽霊ちゃん」

幽霊「な…なによっ」

魔子「アンタ散々暴れちゃってさぁ…私にまで岩飛ばしてさぁ…」

幽霊「あ…あんたがあんなところに、しかもぜ、全裸で…!」

魔子「反省の色無しかー」

魔子「おーにこ、ちょっとこの子借りてくねっ」グイッ

幽霊「は、はなせー!」ズルズル

魔子「ダーメ、悪い子にはお仕置きしないとネ」グイグイ

「はなせったらー!」ズルズル

「オーッホッホッ!!」グイグイ

鬼子「…あーあ…あの子も開発されちゃうのかぁ…」

鬼子「小日本も開発されなきゃいいんだけど…………」

おわり

93 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:34:30 ID:hiDhSlbQ
小日本「・・・・・・・・・・・・」
鬼子  「なに?」
小日本「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
鬼子  「小日本ちゃん何か言ってよ」
小日本「ナカグロサイコー!」
鬼子  「今日もメタSSなのね…」
小日本「何が『ショーセツトーカスルナラナカグロヤメロブヒー!』だ!」
鬼子  「最後の鳴き声言ってないし、そもそも小日本ちゃんの使ったナカグロって環境依存文字と言って…」
小日本「ウルチャイウルチャイウルチャーイ!!!」
鬼子  「ツンデレキャラ日本代表!?」
小日本「ワタシの名前は小日本中黒ですから、ナカグロ使うのはとーぜんざーますのよ!オホホ!」
鬼子  「設定ないのをいいことに勝手に設定作ってる!」
小日本「そもそも環境依存文字とかって全世界がワタシの環境に合わせればいいだけの話であってワタシが
     世界に合わせる義理はない!」
鬼子  「セカイ系ってこういう人のこと言うんだ…」
小日本「大体、本スレでやっとワタシの可愛い可愛いイラストが投下されたってのに、あの周りの反応何?」
鬼子  「可愛いって言われていたじゃない」
小日本「もっとレスがあるべきでしょ!ねずみさんと同じくらいちっちゃい小日本ちゃん萌え萌えーブヒー!
     とか100レスくらい無いとおかしいでしょ!」
鬼子  「その鳴き声好きね。でもちっちゃい小日本ちゃんは確かに可愛かったよね」
小日本「ちっちゃいっていうなー!」
鬼子  「他人がいうとダメなんだ!?」
小日本「それに何?鬼子ったら又、いっぱいいっぱいイラスト投下されてたじゃないのよ、何?あの量?
     尋常じゃないわよ、常人じゃないわよ!」
鬼子  「うまいこと言いつつ絵師を傷つけた!」

94 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:35:16 ID:hiDhSlbQ
小日本「それに何よ、SSの方でも何かかっこいいバトル物?的な?かっこいいね、よかったね、シリアス鬼子だね」
鬼子  「嬉しいです…」
小日本「んでんで、ワタシの設定が投下されたと思ったら何?これ?ワタシが変身して鬼子になる?ハー?
     あんたバカー?ワタシがなんでこんなド貧乳女に変身しないといけないのよ!」
鬼子  「一応Cカップ設定なんですけど…」
小日本「ワタシ、155cmで100-50-100だから」
鬼子  「無設定の有効活用化!?ちなみに何カップ?」
小日本「……E…くらい?」
鬼子  「ハト胸選手権優勝!?」
小日本「鬼子ちゃーん、お食事にしよー」
鬼子  「相変わらずの話題転換ね。それ言えば話終わらせられる体にするわけね」

おわり!フン!

95 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:38:48 ID:f6ICsB+c
SSが増えたー。書き手さん乙ですー

鬼子VSメカ鬼子とか浮かんできた。ゴジラじゃないのにー

96 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 02:59:20 ID:h0EF5w9Z
性格とか口調なんか何でもいいから投下していこうぜ
後で議論する際のネタにもなるし

ナカグロって・・・・←これなんだな…初めて知ったよ
微グロみたいなグロい描写の事かと思った
ちょっと賢くなったぜ
便利だから使うけどな

97 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 03:17:12 ID:yt55kTwq
>>96ナカグロってそれか
使いまくってますたorz

98 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 04:38:35 ID:fNO/BAbq
>>55の続き? どうにもまだキャラが見えないから書きづらい。

魔子「ねぇ、あなたってなんでいつもお面持ってるの?」
鬼子「えっ」
魔子「えっ」
鬼子「……普通持ち歩きませんか?」
魔子「いやいや、持ち歩かないわよ」
鬼子「え、じゃあどうやってヒーローごっことかやるんですか?」
魔子「え、そんな子供みたいな遊びしてるの?」
鬼子「ヒーローごっこ馬鹿にするとクマのダイゴロウくんが怒りますよ」
魔子「……所詮クマでしょ?」
鬼子「……その言葉は真に遺憾です。訂正してください」
魔子「ご、ごめんなさい」
鬼子「とはいえ、まあ確かに所詮クマなんですけどね。ミミズさんにも負けちゃうし」
魔子「…………」


ヒーローごっこ
ダイゴロウくん「ウガァァァ!(ふははは覚悟しろ般若仮面!)」バゴス
鬼子「グエーッ!」

99 : ◆xBDQYgw7Bg :2010/10/26(火) 05:30:34 ID:oECtKDoT
天涯孤独ツンデレ武士っ娘設定で投下してよかですか?
小日本ちゃんごめんね

100 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 05:36:36 ID:fNO/BAbq
>>99
かまわん、やれ

101 :日本鬼子むかしばなし1/4 ◆xBDQYgw7Bg :2010/10/26(火) 05:40:50 ID:oECtKDoT
 鬼子という、齢十六、七と思しき娘ごがいた。ひとりでお山に棲んでいる。お山を下りれば里があり、沢山の里びと達が賑やかに暮らしているというのに、鬼子はひとりきりなのだ。
 時折里に出ては、お山では手に入らぬ食べ物を蓄えたり、戯れに人と交わったり、下賎なあやかしを気まぐれにとっちめたりするのであるが、どうにも思うようにゆかぬのであった。

 「おお!これは何という魚じゃ」
 別嬪さんよ、晩飯にどうだい。声をかけられ立ち止まった鬼子は興味津々、灰青色の魚を指差した。
 「なんでぇ嬢ちゃん、娘が鱒も知らねえってんじゃ、おっかあが嘆くでよ」
 「……母上はもうおらぬ。余計な世話じゃっ……」
 「そいつぁ悪かったな。そうだ、こっちの雑魚は小さくて売りもんにならねえんだ。持ってきな!」
 途端にしょげて小さな唇を尖らせた鬼子に同情したのか、男は脇のざるを示しとりなす。
 盗まず堂々と貰えること、何より人の気遣いや好意を受けたことが嬉しく、こそばゆい。鬼子の気分は一気に高揚した。
 「よ、良いのかっ!?」
 「はっは、機嫌が直った、か…っ…!」
 「ん、どうした。早うこちらの籠に入れ…」
 「おま、おまえそそそその目、目がっあ、あかあかあかっ!赤くっ!」
 俄かに慌てふためく男に鬼子ははっとした。
 里では人になりすます為、豊かに艶めく黒髪と般若の面で角を隠し、妖気を抑え赤い眼と鋭い爪を隠している。
 しかし気が立ったり奮ったりすると、自ずと妖気が溢れ止めようもない。鬼子はまだ若かった。


102 :日本鬼子むかしばなし2/4 ◆xBDQYgw7Bg :2010/10/26(火) 05:42:13 ID:oECtKDoT
 「鬼が出たあああ食われるうう!!」
 「むっ、無礼な!誰が貴様なぞ食うものか!……あ、待たぬか。こちらは大事な売り物であろうっ?」
 「ぎゃああああ!!」
 捕らえられると思い込んだ男は一目散に駆け出した。鬼子は忘れ物を渡してやろうと追った。が、その光景に畏れおののき里びと達が逃げ惑い、次々と門戸が閉まり、辺りががらんとしたのに気づくと、鬼子は立ち止まった。
 「なんじゃ……」
 俯きすんと鼻をすすると、ざるが落ち散らばった雑魚を背負った籠に入れ、男の魚籠を見遣る。
 「これではまるで、奪い取ったようではないか!」
 誰にともなくそう言うと、鬼子はむくれ――極めて不満げに――男の去った方へ足を向け、彼の家らしき平屋の軒先に魚籠を置いた。
 「鬼の話を聴きもせず逃げるとは、人は卑怯者じゃのう!」
 という捨て台詞と共に。

 とぼとぼと歩を進める先に、幼子が賑やかに戯れる神社の境内が在った。
 羨ましげに遠目に眺めていた鬼子は、ただ賑やかというのとも様子が異なるのを察した。
 「やめてよう……」
 「おれらが先に遊んでたんだぞっ」
 「おれは先一昨日から今日此処で遊ぶと決めとったんだ」
 「そんなん狡いや!」
 まだ五つ六つの幼子と、やや年嵩の一人が諍いを起こしていた。子供にも縄張り争いはあるようだ。鬼子は溜息をつきそっと離れかけた、が。
 「……!あれは、あやかし!」
 鬼子に背を向ける位置に来た年嵩の男児を睨む。
 後ろ頭にべとりと張り付いている小さな異形はしかし、本人にも他の子供にも視えてはいないらしい。
 実体を持たぬ低級妖怪だ。故に人に取り憑き、その心の弱きを啜り妖気を蓄え、やがて宿主に成り代わる。


103 :日本鬼子むかしばなし3/4 ◆xBDQYgw7Bg :2010/10/26(火) 05:44:37 ID:oECtKDoT
 「童子を狙うとは誇りの欠片もない下衆め。放っておいては危険じゃの……」
 鬼子は背負った薙刀を抜き、それを縛っていた襷で素早く袖を処理すると、えいやあと踏み出す。
 その場の支配者は幼子達からいじめっこの男児へ、そしてあっという間に鬼子へと移った。
 どうやら鬼に目を付けられていないと踏んだ幼子達は、わっと蜘蛛の子を散らしたように逃げてゆく。
 だが、的となった男児はすっかり怯えへたり込んでしまった。無理もない。立派な角を生やし斜めに被った般若、文字通り鬼気迫る赤眼に獲物を携え、己に向かって鬼が突進してくるのだから……。
 「きええい!」
 「うひいぃ……っ!!」
 引き攣った声を漏らし頭のてっぺんを抱えうずくまった男児が、――いや、男児に取り付いた妖怪が――素早く体勢を変え起き上がる、鬼子は咄嗟に回り込み、妖怪が男児の体を仰向けに倒す前に、しゅぱんと一閃――。
 仕留めたのは、姑息にも宿主を盾にせんと企んだあやかしだけ。男児にはかすり傷一つ無い。
 鬼子はふうっと息を吐き、努めて妖気を鎮めた。角が元の短さに戻った感覚がある。
 はて童子はと振り返り覗き込む。前に流れた真っ直ぐな長い髪を耳にかけた。
 「おぬし。邪を祓うて、すうっとしたじゃろう?もう大丈夫…」
 優しく微笑み手を差し延べると、べそをかく男児はしかし尻でずり下がった。わななく脚で辛うじて立ち上がり鳥居まで後退ると、突如身を翻す。
 「ひ、ひ、ひ、ひやああああ…っ…」
 鬼子はその背中がよたよたと遠ざかるのを、ただただ、じっと見送った。
 その時間は永遠のように長かった。

 あれだけ騒がしかった境内が、今は驚くほど閑かだ。
 「憂さ晴らしに具合が良かっただけじゃ。別に構わぬ……礼が欲しかった訳ではないわ。慣れておる故。べ、別に…ひぐっ」
 強がりも此処まで。とうとうしゃくり上げて、あの男児のように泣き出してしまった。


104 :日本鬼子むかしばなし4/4 ◆xBDQYgw7Bg :2010/10/26(火) 05:46:00 ID:oECtKDoT
 寂しかった。
 もどかしく、哀しかった。
 「また、うまくいかなんだ……」
 本当はいつも友を求めているのだ。だが如何せん要領が悪く、失敗ばかり。
 本当は心優しき鬼子のことを理解してくれる里びとは、現れそうにもない。
 こうして少しずつ、鬼子の素直な心は捻くれ、傷付かぬよう固い殻を纏うようになってゆく。
 けへけへけへ。
 座り込み、終には薙刀も投げ出し両手で顔を覆ってしまった鬼子は、微かな声を聞き顔を上げた。
 「ん?あのあやかしの仲間、か…なな何じゃこれは!」
 きゅうん。
 座る鬼子の視線、その僅か下。厳めしい般若面が小首を傾げゆらゆら揺れ、実に庇護欲をそそる愛らしい声を漏らした。
 「犬……ああ、そうか。立ち回った折に面を落としたか」
 それをくわえたりつついて戯れる内に、たまさか被ってしまえたのだろう。
 「ぷっ……おおすまぬ、笑うつもりは、ふ、ふふふっ」
 大泣きして、笑って。鬼子の無防備な様子に安心したか、その似合わぬ顔を赤べこのように揺らす四本足は、そろそろと近付いてきた。
 「温かいのう」
 撫でた毛並みも涙の跡を舐める舌も、鬼子には好ましかった。孤独にひりひり痛む心を癒してくれた。
 「おぬしもひとりか?お山で暮らす気はあるかのう?……そうじゃ、我が供となるが良いぞ!」
 きゅわっ。
 「これ。返事か欠伸かはっきりせい!ふふふ」
 鬼子は嬉しげに笑った。友ではないがお供が出来た。もう、ひとりではない。

 但し残念ながら、前述したように鬼子は要領がすこぶる悪い。
 この出会いもまた、「お山の鬼が奇っ怪な妖怪を仲間にし使役し始めた」と噂になり、更に里びと達から畏れられる元となるのであるが……。
 それはまた別のはなし。

105 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 06:17:43 ID:NGloYQUt
鬼っ子カワイソス
馬鹿だったり可愛いのもいいけど切ないのも良いな

106 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 06:29:43 ID:8r+HURAg
折角深夜なので、人目もはばからず、チラシの裏で電波妄想投下……させてくださいな

あくまでもスターシステムの一環、パラレルワールドの一つの可能性としてみて下さい

新しく誕生したキャラクター、鬼子ちゃん
彼女をどうやったら魅力的な女性キャラクターとして育ててあげられるか、考えてみました

まず、もし、彼女が活躍するストーリーを作るとするなら、一般的な少年漫画やライトノベルに多く使われている、
 ・勧善懲悪
 ・厨二能力バトル
 ・ボーイミーツガール
 なんかの形式が、鬼子の「つよさ」「はかなさ」を強調できるし、感情移入しやすくていいんじゃないだろかと考えた
 そのうえで、以下に書いてあるのがぼくのかんがえたさいきょうの鬼子ちゃんすとーりー(ありがちなのは気にしない)

ちなみに、「」は、一般名詞の強調のためのカギカッコで、『』は、この世界観独自の用語を表すためのニジュウカギカッコとして使い分けてます

 ・テーマは、人の差別心 人間なんてどこの国の奴でも大体一緒 あと鬼子ちゃん最強かわいい
 ・舞台は現代日本
 ・この世界での鬼子は女子中高生 と見せかけて、単独で『鬼』退治を出来る唯一の(ここ重要)存在 実態は人と『真の鬼』のハーフ

 ・敵役は、『鬼』と呼ばれているけれど、本来は、人の嫉妬心や差別心が実体化した、幽霊みたいな鬼型クリーチャー
 ・『鬼』は、なぜか20年ほど前から、ひっそりと出るようになった(ラスボスのフラグ) 一回出現すると、自衛隊でも出てこない限り倒せないくらい強くて、無差別殺人とか平気でする
 ・鬼子の父親は、日本ではあらかた淘汰されてしまった最後の、「本物の妖怪の」一員で、鬼子が幼いころに、『鬼』から人間を守って亡くなる 優しい青おに?のイメージ 
 ・鬼子の父のような『真の鬼』は、世間を騒がせる『鬼』とは別物なのだが、悲しいことに一般人は同じものだと思ってる

 ・↑鬼子が戦う動機 『真の鬼』への誤解を解きたいから戦ってるけど、ツンデレなのでなかなか打ち明けてくれない
 ・ちなみに戦闘開始前には女子高生鬼子ちゃんから半分鬼の鬼子ちゃん(公式イラストのイメージ)への変身シーンがあります

 ・ヒロイン鬼子を魅力的に見せるには、↑みたいな鬼子の視点は出来るだけ謎にしといて、ワトソン的な近くの観測者の目線を借りるのがいいと思う
 
 ・ということで、主人公は一般的な青(少?)年だが、鬼子を理解してあげられる唯一の(ここ重要)近しい人間
 ・基本的なキャラクターは、努力家ではあるものの、性格がへたれなよくある「俺ら」が感情移入しやすい雰囲気のフツメン
 ・でも、ここはあえて、主人公は、日本語が堪能な中国人留学生という役割にする 名前はまだない

 ・初期状態は、田舎から出て来た鼻の高いエリート 本当はアメリカに留学しようとしたけど、定員漏れとかで日本に行くしかなかった的な、意図しないアクシデントで留学先が日本に決まった
 ・なぜなら、普通の中国人よりちょっと強めに中華思想を受け入れている家庭環境で育ったので、少し日本を馬鹿にしていた所があったから
 ・いざ日本に来てみると、折角友達になった日本人はぼんやり大学生ばかりで、ちょっと前までGDP世界二位の座を奪えずにいたことを不名誉に思い、ますますバカにする
 ・そんな態度だからだんだんボッチになり、心ない右翼のおっちゃん(感情移入しにくいタイプのおっちゃんが望ましい)に中国人だからと理不尽な言葉を吐かれるなどして、さらに傷つく
 ・その結果、なんかの不幸が引き金になって、『鬼』を産んでしまう (理不尽に差別を受ける心の痛みを知る的なイベント)

 ・鬼子ちゃん登場 うざくない程度に説教かます 『鬼』と一緒に、主人公のすさんだ心も切る 読者スッキリ

 ・その後、主人公改心 あんなに馬鹿にしてた日本人の友達が意外と努力家だった事を知ったり、近所のおばちゃんに優しくしてもらったりでホロっとくる
 ・実家の家族に、「日本も悪くない」的な手紙を書いて第一話終了

 ・第二話くらいで、主人公再び『鬼』に出くわし、オロオロしてピンチになったところを鬼子ちゃんに助けられる
 ・その後鬼子と少し話し、見た目こそファンタジーな雰囲気とは言え、彼女も理不尽な差別と戦っていることを何となく察する
 ・で、なぜか『鬼』退治の資料探しとかに付き合わされて、友達になる(ラブ展開は自重してもいいし、しなくてもいいし)
 ・コンビ結成、みたいな

 ・最後は20年前から『鬼』を実体化させてた90年代風カルト教団のボスをたおして大団円

何が言いたいかというと、誰か形にしてくださいおね(ry

107 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 07:03:02 ID:fNO/BAbq
>>106
自分で書いちゃいなよ

108 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 13:09:02 ID:XFb9Ghbo
ガラッ!
鬼子「鹿退治よっ!」
倭子&小日本「」
鬼子「さあ早く!」
小日本「え?ひぃゃぁぅ! 痛いです! 耳を引っ張らないでくださいー あああ、ああああー!」
倭子「こらこら、いきなり帰ってきて鹿退治って言われても何のことかわからないでしょう? まず説明をお願いするわ」
鬼子「ご、ごめんお姉」
倭子「それで?」
鬼子「えーと、そう!里の人が困ってたから助けようと思って」
倭子「人助け?」
鬼子「そうそう!近頃鹿の被害が後を絶たないんだって」
倭子「・・・鹿は人に害を与えるような危険思考の持ち主だったかしら?」
鬼子「鹿キックで入院とかじゃなくて、食べちゃうのが迷惑って聞こえた!」
小日本「確かに鹿さんは農作物の芽や、人さんが育てている木の皮を食べちゃったりしますね はうー」サスサス
倭子「ああ」
鬼子「そう!それで、近ごろ鹿がものすごい増えてるんだって!だから数を減らしに」
小日本「だ、だめです! 私たちは人さんの道理から外れた存在、個々別々に影響のあることならまだしも食物連鎖に関わるようなことに手を出すなんてどうなることフグゥ・・・!!?」
倭子「まぁまぁシャオ(小)ちゃん落ち着いて? [退治]と表現しているんだからぁ、無差別に○してしまって解決なんてことはなさそうよ?」
小日本「フッ・・・フグフグゥ!」ジタバタ
鬼子「そうだぜ。 無差別に○すなんてことは猟師でもできる! そんなんじゃおもしろくないから片っ端から懲らしめてやるのさっ!」
倭子「(数が増えてしまったところを懲らしめてどうするのかしら?)」
倭子「シャオちゃんはどう思う?」
小日本「プハッ! え、えーと、、近年鹿さんの数が増えてきたのは積雪量が減って越冬できる個体が増えたからと言われています。
    自然現象が原因で生息数が増えて、餌場を求めているところを懲らしめても、それは鹿さんが困るだけで何の解決ももたらさない気がします・・・です。」
鬼子「」
小日本「あの・・・グー(鬼)姉ぇ? 怒らnフグッ!?」
倭子「(言葉で説明させるのもめんどうだから、一度やらせてあげればどうかしら?)」
小日本「(だめそうだったら止めるということですか? お姉さまが)」
倭子「(そうそう。 誰が止めるかはTPOでね)」ニコッ
小日本「」
倭子「いいわね、グーちゃんをリーダーにして一度やってみましょう」
鬼子「ほんとっ!? じゃあ準備してくるから二人もしといてくれよな!」ピュー


自分の文才に絶望した。会話のみで進めるなんてこと今までしたことなかったことに気づいたww
倭子→長女、あらあらうふふ 鬼子→次女、アホの子、キレるとサイキョ 小日本→末っ子、解説ロリキャラ
こんな設定でドタバタさせたかった。

109 :えせ関西弁鬼子:2010/10/26(火) 19:59:54 ID:NGloYQUt
日本鬼子は女子高生である!
今日も制服ばっかりの学校に朱紅葉柄の超ミニ着物と編み上げニーブーツで登校するのだった!
で、最初の舞台は生徒指導室。
ニーブーツを脱いだ日本鬼子が、硬くて冷たい床に正座して俯いている。
長くて艶のあるみどりの黒髪がさらりと垂れて眼を隠し、その表情は伺えない。
日本鬼子を見下ろすように仁王立ちした生徒指導の稲垣教諭通称ガキさんがドスを効かせた声をかけた。
「ゴルァ!日本ぉ、貴様何回いったらわかるんだぁ!」
「うーん……貴方のために歌うのがこんなに辛いなんて……zZZ」
謎の寝言をほざく日本の首がかくっと前に傾いだ。
「何の夢見てんだ……」
ガキさんはガイルみたいな軍人苅りの頭に青筋を浮かべて、
担当クラスのかったい学生名簿の角で日本のつむじを打ち据えた。
「あっー!!いったぁ…何すんのやガキさん!あたま悪なるやんか!」
頬を膨らませる日本鬼子。
その目は上目使いで睫毛が長く、馬鹿なガキなら騙せる魅惑に満ちていた。
自分の可愛さを理解して武器にするあざとさ。
「ああん?日本ぉ!ブリッ子やめんかぁ!お前は元から馬鹿なんだよゴルァ!!」
でもこっちのガキさんには通じなかった。
ガキさんは日本鬼子のコスプレ和装の袖を掴みあげた。
「んだこの服はぁ?制服着てこいっつってんだよ!!そんで、真剣の薙刀を学校に持ってくるな!!」
日本鬼子はにっこり笑って、
「ほんなら次ゃ長巻きにしますよって。もうゆるしてぇなガキさん、そろそろ頃合いやねん」
ガキさんは怪訝な顔。
「得物持ってくんなって言ってんだよ!頃合いって、なんか大事な用事があるのか」
「そや、歴史の授業が二限目にあんねん。あたし、歴史好きやん?」
「知らんわ、お前の好きな科目なんか。もういい、反省文五枚書いてこい。今週中に親呼ぶからな」
「あいあいさー。ガキさん、またなー」
日本鬼子はニーブーツを肩に引っ掛けて、そのまま廊下をぺたぺた走っていった。
「まったくどうしよもないな。日本みたいな奴を歴女と言うのだろうか。……ん?薙刀どこいった?」
ちゃっかり薙刀も担いで。


110 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 20:08:34 ID:yt55kTwq
>>109乙の閃!
これまた新しい鬼子ですな

111 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 21:33:40 ID:tWDged+C
支那子「竹島は鬼子のでいいけど、釣魚島は私がもらってあげるんだから、ありがたく差し出しなさい!」

鬼子「…ふぇえ!?だ、ダメですよぅ」



棒子「独島は俺たちがもらうニダ!尖閣諸島?鬼子のにしといてやるニダ!」

鬼子「…そんなぁ、無理ですよぅ」



魔子「多数決したらいいじゃない?えーっと、尖閣諸島は鬼子2票、支那子1票ね。竹島は鬼子2票、棒子1票ね☆」

支那子、棒子「な、なんだってーー!!」

鬼子「ありがとです。鬼子、支那ちゃんも棒子ちゃんも本当はいい人だってわかってましたもの、本当にうれしい」
鬼子の目に涙が光る。

そして背景では支那子と棒子が責任の擦り付け合いをいつまでもしているのでした、とさ。

112 :創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 23:17:46 ID:T+1sSLrf
>>111
島の問題はどうなのかなとも思ったけどオチが良かったwGJ!

113 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 00:11:33 ID:REBbw/WR
魔子「ねぇ、そのお面ってさー」

鬼子「これがどうかしたの?」

魔子「勝手に動いたりすんの?」

鬼子「しっしないよ!怖いこと言わないでよ…もう…」

魔子「いや、でもさっき口開いてたのに今は…」

鬼子「いやぁあああああ!!!」

114 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 00:28:41 ID:4pTMAaVd
絵スレで性格とか決めてる人がいるけど
それにとらわれず自由に書くって方向でおk?

115 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 00:32:06 ID:huDDFZNY
>>114
性格:おとなしいがキレると怖い
だけだから、そこから膨らませればいいんじゃね

116 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 00:38:31 ID:REBbw/WR
口調が定まってないな、どうしたものか

117 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 00:45:55 ID:4pTMAaVd
>>115書いてるうちにクールになってますた/(^o^)\ナンテコッタイ

…一人の心に一人の鬼子(笑)

118 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 01:58:20 ID:it3uQDId
――人のいない山奥の小屋。

魔子「(ジロジロ)」

鬼子「・・・・・・?」

魔子「・・・うーん・・・」

鬼子「魔子さん?私、何か顔についてますか・・・?」

魔子「ちっちゃいわね」

鬼子「!?」

魔子「・・・うん・・・、やっぱちっちゃいわ」

鬼子「な、なにがですか!」

魔子「何が・・・?ってそりゃ、角に決まってるでしょ、角」

鬼子「え?あ・・・あぅ・・・角の話でしたか・・・」

魔子「ふふふ、・・・もしかして胸の話だとでも勘違いしたの?意外と色欲鬼ね、貴女♪」

鬼子「ち、ちがいますちがいますっ!//」

魔子「そんなに気にする必要ないじゃない・・・・・・丁度良い大きさなのですしねぇ♪」

鬼子「ひゃっ、ちょっ、ゃめ・・・やめてくださ、いぃっ!」

119 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 02:01:05 ID:it3uQDId
魔子「とまあ冗談は置いといて、角」

鬼子「はぁ・・・はぁ・・・もう、いったいなんですかっ・・・」

魔子「貴女、わざと短くしてるでしょ?」

鬼子「・・・・・・・・・・・・。」

魔子「全く・・・鬼のプライドである角を短くしてどうするのよ・・・そんなに山の下の者達と仲良くしたい?」

鬼子「私は・・・みんなと仲良くしたいです。魔子さんとも、山の下の方々とも。・・・駄目でしょうか」

魔子「あらそう。・・・駄目なんてことはないわ。でも、ここには貴女の角を見て怯える者はいないわ?だから――」

魔子「――せめて私達がいる時だけは自らを誇り、鬼として対等で喋りなさいな。それに貴女の角は、綺麗だしね」

鬼子「・・・はい。魔子さん、ありがとうございます」

魔子「いえいえ。それで?意外と胸が大きかったりCぐらいあったりする話だったかしら?」

鬼子「ち、ちょっと魔子さん!ちがいますよ、もう・・・//」


初SSです
鬼子は礼儀正しい感じ、魔子は色々と知ってるお姉さん風?
鬼子と魔子の初めての真面目な話という感じで脳内補完お願いします

120 :鬼の人:2010/10/27(水) 02:07:24 ID:KH51X2Y9
 『鬼の里 小噺』


 鬼と女とは、人に見えぬぞよき

            虫めづる姫君
 


 異能の力を宿して以来、その少女は人との触れ合いを断ちきり、山に籠った。
 怖かったのだ。自己を失い人を傷つけてしまうのではないかと言う危惧が叫んだのだ。
 そして畏れたのだ。到底力及ばぬはずの異形に自らが変異してしまったことに。
 角が生えた。歯も伸びた。眼が紅く染まった。一殴りで獣を昏睡させられるようになった。変わらなかったのは、白磁の肌と容姿だった。だが救いにもならなかった。
 元より少女に身よりの者など存在せず、山に逃げ込むことを後押しする要因となった。
 少女は今日も今日とて、建物と言うにはおこがましい掘立小屋で目を覚ますと、漏れこむ日光に“黒い”瞳を瞬かせると、ほう、と息を吐き、すぅ、と吸い込み朝を楽しんだ。
 季節は初夏に差し掛かろうと言うところ、彼女が住む山中はどこか涼しげで、緑黄に土色の息づく美しき大自然。まず、布団代わりの布切れを体に抱くと、寝まきと言うよりボロ布のような服をいそいそと脱ぎ始める。
 恥じらおうにも、山中で人気そのものが無いのだから、必要が無い。
 上を脱げば、年頃の娘の絹肌が露わになるか。均整のとれた胴の中央は左右共に内側に曲がり、肌を押し上げる筋肉の線が陽の光と相成って、色の移り変わりを描き出している。
 視線を上に追うなら、人体の支えに持ちあげられている程良い大きさの双丘が見えてくるだろう。春夏だった。白磁、象牙、雲、曇りなき肌は腕の付け根から持ちあがっていて、触れれば弾かれるような若さが光っていた。
 見よ、肢体を。鶴のような首、そこから経由する鎖骨の先に彫像のような細腕。爪は計算された楕円。
 そして脚は、余りに自然に落ち込んだ臍から下の部分から繋がり、見る者を圧倒する曲線美があった。男なら生唾を呑み凝視するだろうか。
 白磁に鴉の濡羽色の髪が流れる。
 腰まで届かんと言う長さ。手入れをしても居ないはずというのに、流水が如く艶やかに屈託なく笑っていた。身じろぐ度に全てが集合体であるようにふわり、さらり、と音を立てるようだった。
 そして目は夜空を煮詰めた色で、脇差で斬り込みをいれたように輪郭があり、まつ毛が長い。
 彼女の頭の先から伸びるは、本人の主観で醜いと思っている二本の角。
 少女の名を、日本鬼子といった。
 鬼子は、手早く服を脱ぎ捨てると、己が鬼になる前の財産であった和服に手を伸ばした。紅葉が咲き誇る、見事な服を時間をかけずに着てしまう。
 右左の重ねを間違えぬように注意を払いつつ、帯をしっかりと巻くと、おもむろに部屋に立てかけてあった金棒を取って、空いている方の手でそれを頭に被せた。
 それは醜悪な表情を浮かべて睨みを利かせる鬼の仮面であった。
 鬼子は、仮面を頭の横に斜に乗せると、金棒を重力を無視したように細腕で肩に担ぎ、小屋の扉を開けて出て行った。
 小屋の周囲は習慣としている草むしりや掃除のお陰で掃き清められており、丁寧に踏まれて作られた獣道に砂利を撒いて補強した道が伸びていた。
 近くには小川。そして深き森。
 人里から離れたこの地に、彼女は経った一人で毎日を送っているのだった。
 否、少々うるさい子供と、妙な色の髪の毛をした何でも違う国からやってきたという変わり物が度々訪れて来ることがあるから、完全にはそうとは言えぬか。
 どちらにしろ、今はたった一人だった。
 なぜか甲虫やら蝶々やらに好かれるが、この際その話は割愛する。
 朝飯代わりに小川で唇を濡らし、手の甲で口元を拭うと、天を眺める。青かった。雲があった。鳥が飛び去った。風が吹き、黒髪を揺らし、紅葉模様の和服をはためかせた。
 鬼子は和らいだ表情を見せたのもつかの間、目じりに力を結ぶと、金棒片手に歩き始めた。
 そして駆けだすや、瞳の色が“赤”に変貌した。

 「人里を狙うなんて、許さない」

 呟いた言葉は震えていた。
 鬼子は、今となっては同類とも言える物の怪の類の気配を辿り、人里の方角に近付けないよう追い払うべく地面を蹴り飛ばした。

 ※ ※ ※ ※


121 :鬼の人:2010/10/27(水) 02:08:11 ID:KH51X2Y9

 「……どうぞ」
 「Halo、鬼子ー」

 昼過ぎに戸を叩いたのは、金髪に同じ長髪をした一人の女だった。
 鬼子は決して教養があるほうでもなかったし、読み書きが十分にできるほうでもなかったが、少なくとも「へろう(本人にはそう聞こえている)」なんて言葉を使っている人間を見たことが無かった。
 戸と言うより板を開ける。青目に金髪。見たことも無い黒いひらひらとした服。堂々たる凹凸が目に飛び込んでくる。
 着物を着る関係上体の線が分かりにくい鬼子と違い、その相手はどう考えても意図的に胸を見せたがっているようで、服の胸元が開いている。
 文明の衝突と言うべきなのか、初対面の時に鬼子は「この人は身を売って生活しているのだろうか」と考えたほどだった。
 もちろん鬼子だって動きやすいようにと着物の脚の部分を短くしてしまっているが、必要に迫られたからそうして居るだけで普段はそうではない。
 金髪の女の名を、西洋魔子、といった。
 それは本名なのかと怪訝な目で尋ねたことがあるが、曖昧に答えをはぐらかされた。
 日本が何かを言う前に、西洋が腕を使い豊満な胸の内に誘った。身長差から、丁度頭から胸に導かれる格好となった。
 よしよしと言わんばかりに魔子は鬼子の頭を撫でる。

 「なにをしているのですか………」
 「スキンシップよ? 知らないの?」
 「すきんしっぷ?」
 「そうそう。仲良くなる為には、私の国では抱擁をせよとのことなの」
 「本当………なのですか?」
 「ええ。とあるクニでは頬を合わせたりするそうよ。知らないけど」

 どうにも掴みにくい人だな、と鬼子は思いつつ、胸の大きさに改めて驚愕するのであった。
 位置関係的に、魔子の頬が緩みっぱなしなのにはこれっぽっちも気がつけなかったが。
 悲しいかな、一介の町娘に過ぎなかった鬼子にはその手の知識が紙切れほどになかったのだ。


122 :鬼の人:2010/10/27(水) 02:09:35 ID:KH51X2Y9
創発の意地を見せてやんよってことで書いた。
絵のクオリティーに勝てないなら小説を投稿してやるのだウハハハハ  ごめんなさい。

123 :鬼の人:2010/10/27(水) 02:13:08 ID:KH51X2Y9
ちなみに薙刀は次回登場予定です。ご期待ください。
鬼子と魔子はとにかくサブキャラをどうしていいかわからないのでアイディア求む。

124 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 02:15:17 ID:NWtH6P0k
>>121
何処からともなくマスターチーフが乗り込んで来そうですね

125 :鬼の人:2010/10/27(水) 02:18:06 ID:KH51X2Y9
凄まじい勢いで誤字してるわー
ライフルで殴って下さい

126 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 07:19:32 ID:ywL+GmL3
創作の人ですか
お邪魔してます


127 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 11:05:17 ID:+HxlKwIT
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1287999247/

128 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 12:20:03 ID:D1j/hSCr
「鬼子姉様お昼寝で御座いますか?」
居間でまどろむ鬼子を少女が不思議そうに覗き込んだ
昨今曇りがちの天気のように、鬼子は少し怪訝な面持ちと何かを払うような仕草で呟く

鬼子「偏西風のせいで急に寒うなっての、こう薄着ではさすがに敵わん」
「では膝掛けなどお持ちいたしましょう」
鬼子「東洋、どこぞにカシミアのショールがあろう、それを持て」

東洋と呼ばれたその少女は足を止め、ショートボブの淡い色の髪を翻し
鬼子に向かい直すとこう言い放った
東洋「東洋鬼、とフルネームでお呼び下さいませ、お姉様。さもなくば・・・」
鬼子「おお恐や、恐や」

我が子を愛でるように微笑む鬼子、オレンジのショールと笑顔の東洋鬼
ああ、秋あらねどもちはやぶる

129 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 15:21:43 ID:Ove+30sO
木竹米栄(キタケヨネサカ鬼畜米英ではない)とかってキャラもアリなのかなぁ。

130 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 19:04:46 ID:REBbw/WR
木竹餅栄きたけもちさかはどうだ

131 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 19:16:28 ID:it3uQDId
しかし鬼子のキャラはどうなるのかねぇ
大人しいけど切れると怖いが基本設定だけど、
姉御系鬼子も悪くないからなぁ

132 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 19:28:50 ID:Iq0lAF98
結局見た目から連想される性格に落ち着くよ
絵が決まれば自然に固まる

133 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 20:13:16 ID:4pTMAaVd
一回目の選考まであと四時間切ったか
それまでにSS書き上げたいけど難しそうだな
鬼子一人なら三人称視点で書けるから楽だけど登場人物が
二人以上になると言葉の掛け合いが単調になって難しいわorz

134 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 23:27:31 ID:DIXnM2TF
鬼子「……ジー」
魔子「ん?どしたの?」
鬼子「え?い、いや、何でも…」
魔子「…アタシの胸、見てたでしょ?」
鬼子「ッ!…つい、うらやましくて…」
魔子「ちょうどいい大きさで、アタシは好きなんだけどなー」
鬼子「でも、もう少しくらいは欲しいな…」
魔子「そういえば、揉むと大きくなるって話を聞いたことあるわね…
    そうだ、二人で揉み合いしたら、両方大きくなってお互い得するんじゃない?」
鬼子「えっ、でも、恥ずかしいよ…」
魔子「いいからいいから♪今からアタシの家に来なさいよ。
    …大きく、なりたいんでしょ?」
鬼子「…うん。がんばる」

魔子(フフフ…計画通り。楽しい夜になりそうだわ…)

135 :創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 23:46:39 ID:4pTMAaVd
あともうちょいで書ききるけど連投する関係上
今日付けで終わらないから本スレに顔出してSSは明日うpするわ

すごく負けた気がするorz

136 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 00:17:57 ID:CiZXe1vL
@鬼武者のような姉御口調鬼子
A奥ゆかしい敬語鬼子
B突っ込み担当タメ鬼子
C感情の乏しい無口鬼子
Dヤンクールなデレ無し鬼子
E幼馴染なツンデレ鬼子

137 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 00:34:26 ID:Bben6N00
公式決まったら↑の鬼子さんも取り消しにせにゃイカンのかなぁ

138 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 00:48:46 ID:Bben6N00
まーどっちにしろ絵でしか盛り上がらないし勝手でいいか

139 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 00:49:58 ID:udhqhsv+
大丈夫!おれはお前らのSS好きだぞ!絵だけじゃない!

140 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 01:01:58 ID:W1z8cShl
SS執筆中。
明日当たりに書きあがりそうな感じ。っても大した出来じゃあないですが。

141 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 01:09:42 ID:Bben6N00
よっし鬼の里も明日というか今日の予定

142 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 01:22:19 ID:Bben6N00
むこうは完全にVIPノリだがこっちは創作ノリだな

143 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 02:14:56 ID:Bben6N00
とりあえずスレ建てちゃおうとか、VIPってみんなこんな感じなの? すごいな。違う意味で
流されるスレがあんのよ。過疎に加速をつけさせるつもりか

144 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 02:16:14 ID:/Nu9NUHy


145 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 02:17:18 ID:udhqhsv+
まあVIPは思いつきでスレたてて遊ぶところだから・・・板の90%は糞スレだしな・・・
方向性が違う・・・

146 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 02:21:46 ID:Bben6N00
とりあえず建てようぜって奴なんとかしてくれよ
避難所に建てろよ。何のための避難所なんだよ

147 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 02:25:52 ID:udhqhsv+
もうそれとなく諭したけど聞いてるかどうかはしらんなあ。
人が集まるってことはそれだけ荒れるってことだからなぁ・・・
言い方は悪いが、荒れないように誘導するしか無い。

148 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 02:27:40 ID:Bben6N00
そのうちあれだろ?
vipにあるような訳のわからんスレばっか建てて愉快なことにしてくれるんだろ?
愉しみにまってるよ^^

149 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 02:32:03 ID:udhqhsv+
煽るなら別のとこでやってな。VIPスレがここに立つわけがない

150 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 02:36:41 ID:Bben6N00
煽ってるように聞こえるなら素晴らしいな
マジで怖い。過疎板に大勢流れ込んできて占領されるんじゃないかと。
既に書き込み量的にほぼ食われてるし

151 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 02:47:27 ID:Bben6N00
まぁだから書くんだけどね

152 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 12:53:58 ID:AI94XXUH
ここは変なのが沸いてなくて安心した
ゆっくりなんか書いてこよう

153 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 14:48:24 ID:00mOTzra
ss書いたんで連投したいんだけど平気かな?
レスなきゃ55分から勝手にあげるけど

154 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 14:49:21 ID:udhqhsv+
無問題

155 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 14:49:59 ID:00mOTzra
ちなみに>>77の続きらしきものってことで

156 :薄汚き少女:2010/10/28(木) 14:55:30 ID:00mOTzra
吹き荒ぶ風とほの暗き大地を、人間を喰らう魑魅魍魎が闊歩する

ここは現世の地獄・京の都

そのあれた京の都の外れに一軒の申し訳程度に茅葺きを蒔いた襤褸の家がある


家中の畳の上に鬼の子が一人
齢は十六、七と言ったところであろうか
墨を流したように美しく長い黒髪に切れ長の目
頭の横に般若の面をつけており、端整なその顔には憂いがみてとれる

もともと鬼の子に家、などという場所はない
いついかなる時も住み心地の良く、人目に付きにくい空き家を仮の住みかとし、
住みづらくなったら次の空き家を探す

幸いこの家は人目につきにくく、住み心地も悪くない

鬼の子の憂いの原因は己の目の前で飯を炊く一人の少女

齢五、六程であろう、首と肩の付け根辺りで不恰好に切り揃えられた枯葉色の髪、
羽織っている薄い赤色の服の裾はこれまた不恰好に短くなっている



157 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 14:56:24 ID:wVT1IPaN


158 :薄汚き少女 都での暮らし:2010/10/28(木) 14:58:34 ID:00mOTzra
せわしなく飯炊き処を裸足で歩く幼子が鬼の子に問う

「鬼子お姉ちゃん、粟には魚がいい?それとも鳥がいい?」
「どちらでもいい、なんなら餓鬼を肴に酒を飲んでもいいんだぞ」鬼の子、日本
鬼子は憮然とした面持ちのまま告げる

鬼に睨まれれば大の大人でも持っている物一切合切を放り投げ一目散に逃げ去る
しかしこの幼子は睨み付ける鬼の子に恐れるどころか笑みを返している

敬語は難しいから嫌だ、と鬼に対して砕けた口で話す少女

(やりづらい…餓鬼一人に何をてこずっているのだ…)

「夕御飯ができたよ」幼子は端の欠けた盆に粟と魚、それに野菜の浸し物を
二人分装って危なげな歩みでゆうげを持ってくる

鬼の子はもちろん、幼子も一切の職を持っていない
それでここまで多くの品数を揃えているのだ

(あらかた、餓鬼が市から盗んでくるのだろうな)
幼子が朝早く一人で外に出掛けていくのを何度か鬼の子は見ていた

なにぶんこの混沌の地で一番に優先すべき事柄は生きることだ

聞くと幼子の両親は幼子が歩けるようになった時に病気で死んだらしい
身寄りもなく、天涯孤独の小さな身ではここでは到底生きていけないのだ

喰い物を盗むのは言ってみれば生きるための知恵、と言えるだろう


159 :薄汚き少女 鬼の子の嘆息:2010/10/28(木) 15:01:00 ID:00mOTzra
そんなことを考えつつ粟を手で掴む鬼の子

「鬼子お姉ちゃん!お行儀悪いよ!」すかさず幼子の怒声
軽く舌打ちしつつ不慣れな箸を手にもつ鬼の子

ちなみにこの幼子に名はない
人に名を与えておきながら己に名乗る名がないのはたいそう滑稽であるが
鬼の子は幼子を『餓鬼』と呼ぶので支障はない

「ごちそうさま」鬼の子は空になった碗に向かって渋々手をあわせる
これをしないと幼子は彼女を解放しないのだ
「はい、お粗末様でした」満足そうな笑みを浮かべる幼子

碗を片付ける幼子を尻目に鬼の子は壁に立て掛けてあった薙刀とここ数日の間に

人の死骸から手に入れた小太刀を持ち、立て付けの悪い戸に手をかける

「またどこか行くの?」
「ああ、ここに四六時中いると気が狂いそうになる」
鬼の子の皮肉にも笑顔で居続ける幼子

(全く面倒だ…)戸外に出ながら彼女はまた一つ溜め息…


『看病したお礼に…また遊びに来てください』

この言葉を鬼の子は心中で呪い続けた
この言葉を律儀にも遵守した彼女にあれよあれよと理由をつけて
己の家に居座らせている幼子のしたたかさには舌をまく

160 :薄汚き少女 :2010/10/28(木) 15:06:52 ID:00mOTzra
珍しく満月が都を照らす夜に、鬼の子の向かう先は瘴気の立ち込める路地

瘴気の中を蠢く物怪の数はおよそ四十

元々この界隈は物怪の数が多かったが最近さらにその数を増しつつある

そこで腹ごなしがてらこうして奴等を斬り伏せているのだ

「この粘つくような空気…なんと心地よいことか!」
叫ぶ鬼の子の存在に気付き警戒を強める物怪

「平時よりちと数は多いが、お前らごときに私が喰えるかな?」
鬼の子は不敵に笑うと肩にかけた薙刀を諸手上段に掲げる

爪先に力を込めて都の大地に深々と足跡を遺しながら鬼子は
眼前の敵へと駆け寄る
ふっと息を吐きながら最前列の物怪の体を竹を割るが如く両断する

突進した勢いを殺さずに両断した姿勢から突き上げるように物怪の腹の辺りへと
薙刀を差し込む

警戒していたとはいえあまりの速業に虚を突かれる物怪
その隙をつき、鬼の子は足を振り上げて物怪の首をはるか遠くへと蹴り飛ばす

休むことなく、ひたすら前にいる障害を削り取る

幹竹、袈裟斬り、横薙、右切り上げ、逆風、左切り上げ、左薙、逆袈裟、刺突…
物怪の体をたたき切る鬼の子

数にして廿程の物怪を斬り伏せて息をつく鬼の子へと、
四方八方から物怪が襲い来るが、襲うべき対象である鬼の子の姿は忽然と消える

不意に月の明かりが翳る
物怪たちが空を仰ぎ見るとそこには

蝶より軽く、鳥より高く、広い空を我が物の様に舞う美しい一人の鬼の子がいた

物怪の最後尾に舞い降りた彼女は左の手で横薙ぎに薙刀を振るい十程の物怪を斬
り伏せる

腕が伸びきった所に余りの一匹が襲い来るが腰から小太刀を抜き、
それの目玉に突き入れ、そのまま頭を叩き斬る

「成る程、これはこれで使いやすい」刃に付いた血を拭いながら呟く

「さて、一掃し終えた所でそろそろ帰ると…」
その時感じた違和感

最初にいた物怪の数と斬った物怪が食い違っていた
何匹か足りない…

奴らに逃げるという発想ができるわけがない
やつらは低能の怨霊なのだから

あるとすれば更なる負の感情の対象を見つけたか…

自然と張り付くような汗が鬼の子の頬を伝う
胸に鉛を入れたかの如く重く感じる体に鞭を入れて幼子のいる家へと駆ける…。


161 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 15:08:07 ID:udhqhsv+
 

162 :薄汚き少女 なれの果て:2010/10/28(木) 15:12:05 ID:00mOTzra
幼子の待つ家の建つ道に戻ると、そこには五匹程の物怪と襤褸きれらしきものが
家の前に転がっている

物怪は気色悪い動きで襤褸きれをつついている

その襤褸きれはなにか、など一目見るだけでわかる

首と肩の付け根辺りで不恰好に切り揃えられた髪、薄い赤色の服の裾はこれまた不恰好に短くなっている

襤褸きれは、変わり果てた幼子であった

幼子の回りには青菜などの野菜が転がり、物怪に踏み潰されている
大方、夜半に盗みを働いたのだろう


あの物怪達は都に住む人間が幼子に感じていた憤り
それを感じ取って負の根元であるその子を喰おうとしているのだ

と冷静に目の前の出来事に判断を下す

同じ釜の飯を喰った仲の人間が襤褸きれにされたにも関わらず
余りにも冷静な判断であった

鬼の子の顔は何も映していない

ただ……


ただ無表情に、こいつらの肉片をひとかけらも遺さず粉々にしてやろうと
憎悪で真赤に染まる目に水の粒を湛えて奴らに迫る

音もなくただ薙刀で奴らの首をはねる
とんだ首を十に斬り百に斬り千に斬り万に斬り粉微塵になっても斬りつける
胴体は全て踏み潰し、物怪がそこにいたことなどを感じさせないほど粉々にする

真赤に染まる目
服につく赤黒い返り血

鬼の子はひたすら薙刀を振るった、その顔には何も湛えず…


残ったものは鬼の子と襤褸きれと化した幼子
喰われる一歩手前であったがゆえ、その息は弱々しく
心の臓も時々思い出したように動くだけであった


(これは助からない…)鬼の子は直感した(人間は脆いものだな…本当に脆い…)


(今、楽にしてやろう…)
小太刀の柄に手をかけ、鬼の子は呟く

「恨んでくれて、構わない」
鉄のむせかえるような臭いがあたりに立ち込める

163 :薄汚き少女 温かき掌と苦き笑み:2010/10/28(木) 15:21:21 ID:00mOTzra
幼子は光の中目を開けた
頭が酷く痛む、体は重く言うことを聞きそうにない

「起きたか」静かな声が聞こえる
そちらに目を向けると鬼の子が足を組み、壁に体を預けて座っていた

「鬼子…お姉ちゃん?」嗄れた声で鬼の子の名を呼ぶ幼子
「あたし、生きてたんだ…」しっかりとした木で造られた天井に目を戻しながら
呟く

「あぁ」疲れたように鬼の子は呟く
「…ちなみにここは古くなった神社だ
今は寺が主流らしいからな、八百万の神の力も微弱で私の体にも負担はそうない」

鬼の子は幼子に目を向け、告げる
「お前、自分の頭を触ってみろ」
幼子は自分の呼び方が『餓鬼』から『お前』に変わっていることに疑問を持ちな
がらも自分の頭に触れる

額のあたりに何か小さな固い突起がある

「お前は…鬼になったんだ」鬼の子は静かに告げる

「お前は物怪に襲われ文字通り虫の息であった
その死にかけたお前の口の中に私の血を半分くらい飲ませた

鬼の血は治癒力が高いのはお前も知っているだろう
だから人としての体を失えばお前は生き長らえることができると思ったんだ」
自分の腕を指で切る仕草をしながら説明する

「…恨んでくれて、構わない…」頭を床につく鬼の子


痛む体を押しつつ布団から這い出た幼子は鬼の子の手を力強く握る

「お姉ちゃん、ありがとう」幼子の笑顔の無垢な笑顔は鬼の子を明るく照らし、
眩しそうに鬼の子は目を細める
「しかし、私はお前が一生人間から蔑まれるようにしてしまった張本人だぞ?」
幼子のためとはいえ鬼にしてしまったことへの後悔に顔をゆがめる鬼の子
「そこまで言うんだったら…お姉ちゃん、一つお願いをしていいかな?」
「なんだ?」


164 :薄汚き少女 温かき掌と苦き笑み:2010/10/28(木) 15:22:44 ID:00mOTzra
「あたしに…あたしに名前をください!」

「………………は?」予想だにしていなかった回答が続いたせいか言葉を失う鬼の子

「あたしがお姉ちゃんの名前を決めたみたいに、お姉ちゃんがあたしの名前を決
めて」
自責の念に駆られている鬼の子になお温かい笑顔を向ける幼子

「…やってみよう…」
顎に手をあてがえて考える鬼の子とそれを輝く目で見つめる幼子


「よし、分かった」瞬巡ののち力強く頷く鬼の子
「今日からお前の名は日本小だ」
言い放った鬼の子に対し、今度は幼子が言葉を失う

「お姉ちゃん、それお姉ちゃんの名前に小さいってつけたじゃ…」
「お前が私の名に日本をつけたのだろう?
ということはその名前には自信があってのことのはずだそれにお前は小さいからな
これで小さいをつければ決まりだろう?」
「いや、お姉ちゃん「なんだ?私につけた名前が実は
どうでも良くて自分の名前はもっとたいそうにして欲しかったのか?」
「そうじゃないけ「なら問題ないはずださぁ話は終わりだ!」
幼子・日本小を無理矢理寝かしつける日本鬼子

文句を垂れていた小の胸もすぐに規則的に上下し始める
小が眠ったのを見定めてから己も瞼をおろす鬼子

(笑顔が小さな太陽のように見えたから、なんて下らないことは口が裂けても言えまい)

口の端をつり上げながら苦笑する日本鬼子自身もまた、深い眠りに堕ちていった

165 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 15:26:55 ID:00mOTzra
スレ汚しサーセンww誤字脱字もひどいかも知れんが許してくれorz
正式な鬼子の絵が決まるのを楽しみにしてるお
本スレとSSスレの励ましてくれた人たちに感謝

166 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 16:38:57 ID:4jcFZNlI
おつこ

167 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 17:01:10 ID:/v2z1IGj
>>165
投稿乙
面白かったよん

168 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 17:45:35 ID:/+cScV3x
『っていうか、あんたいったい何なのよ』

「…?小日本ちゃん、何か言った?」
「何もいってないでちよ?」

『ここだ、ここ』

「…わー!おねえたまの頭の般若のお面がしゃべったでちー!」
「わー!可愛いー!」
「おねえたま、可愛いはないでち。はんにゃでちよ。というか、お面がしゃべるなんてありえないでち」
『だまれロリ娘』
「なんでっちってー!このお面、なまいきでち!」
「まぁまぁ」

『で…何なのよあんた』
(お面のくせにしゃべるあんたこそなんなんでちか)
「何って、日本鬼子(ひのもとおにこ)です」
『何でもかんでも擬人化すればいいってもんじゃないでしょうが』
「そ、そんなこと私に言われましても…」
『かわいこぶんな。鬼の癖に。あれだろう。どうせ夜中になると血の滴る生肝を探して町をさ迷うんだろう』
「はうぅ…そんなことはしません。ホルモンは好きですけど」
『この娘、まだ言うか。いい加減に諦めて語尾を「だっちゃ」にしろ』
「わけがわかりません!」

(すごくしゅーるな光景でちな)

−こうして、世界平和を目指す鬼娘とお面の旅は始まった−


…という妄想。皆さんガチでくるので、ネタでいってみた。
お面がしゃべってもいいじゃないと思ったら、すでに絵師さんの設定であった。

・日本鬼子

ちょっぴり天然な鬼娘。争いごとは嫌いだけど、怒るとものすっごく怖い。
ミニの着物は実は恥ずかしい。好きな物は可愛いものとよく焼いたホルモン。
可愛いのセンスは独特。

・小日本ちゃん

一尺三寸のちび鬼娘。日本鬼子の妹分。
お姉さま大好き。般若ちゃんは嫌い。

・般若ちゃん

リアル般若の面。なので見た目はめっちゃ怖い。
日本鬼子ちゃんの頭に生息。小日本ちゃんとは犬猿の仲。
常識人(?)の突っ込み役。お面だけど喋るのはスルーで。

奇妙な三人が織り成す痛快世直し時代劇…始まらない。

169 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 17:53:07 ID:evI1BV2h
いっそうのこと、『鬼石曼子』(鬼島津)と日本鬼子をかけ合せれば・・・

歴女の協力が得られるかも♪

170 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 17:57:06 ID:y8rEuwql
ぱぱっと頭の中で思いついたものだけど、少しだけ書いてっていいかな・・・?
鬼子ちゃんちゅっちゅしたいよぉ・・・

171 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 17:58:43 ID:Ru8tG4k8
>>170
おう、自由にちゅっちゅしていいぞ

172 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 17:58:44 ID:gZ2utEhZ
>>170
おk



173 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 18:14:43 ID:VVFdrbYf
鬼子ちゃんの話に男が出たら怒る?

174 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 18:17:23 ID:gZ2utEhZ
>>173
現状で怒る理由がないなぁ
メインキャラクターの鬼子、サブでまだよく決まってない小日本、支那子、魔子以外は名前すら出たり消えたりレベルだし
それより政治色があったほうがまずいと思う

175 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 18:23:12 ID:cuegJJMX
>>173別にいんじゃないかな?結局は俺とちゅっt(ry

176 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 18:23:58 ID:gZ2utEhZ
>>174
自己レス訂正
小日本すらまだサブになるか決まってなかった

>24 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2010/10/28(木) 16:26:53 ID:2i4/m1yO [3/6]
>>>19
>@小日本はまだ早い・鬼子だけまず考えろ派と、
>A小日本だけ公式のサブキャラにしたい派、
>B妄想が尽きるまでキャラを増やしたい派 がいる。
>
>即急に流れを作らないと収拾がつかなくなる恐れがあるよな。

の@が今の現状だって

177 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 18:35:50 ID:VVFdrbYf
>>176
元凶の人が来てから相談って話じゃなかったっけ?
まあ多分@の流れになるんだろうけど。正式に決まるまではこっちもある程度自由な妄想でいいのだろうか
とりあえず男キャラを出しても、問題なさそうかな……

178 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 18:39:17 ID:xboQ1OKG
男「」ならいける

179 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 18:48:57 ID:evI1BV2h
(。・`ω´・。)「高麗棒子」まだ?

180 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 18:52:33 ID:gZ2utEhZ
>>179
wikiをみてください

181 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 19:00:00 ID:VVFdrbYf
>>178
ラッキースケベな男は? 地の文ありの

182 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 19:15:17 ID:/v2z1IGj
>>179
それは日本ではなく、隣の国の人が自分達でやる事で、今回の趣旨とは無関係です。
第一、それを日本がやったら火病られて非常にウザいです。

日本鬼子って萌えキャラ作って中国人を萌え豚にしようぜ まとめ@wiki
ttp://www16.atwiki.jp/hinomotooniko/

183 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 19:18:55 ID:evI1BV2h
>>182
それもそうだね。
係わり合いになると、法則発動だし・・・
わたしゃ、馬鹿なレスをしたモンだよorz

184 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 19:27:29 ID:xboQ1OKG
いいのよ

185 :170:2010/10/28(木) 19:31:01 ID:y8rEuwql
>>171-172
ひゃっはー!ちゅっちゅするぞおおおおおおおお!
どうしようかなー、えーとここはこうしてこう始まって
ああ、小日本ちゃんぺろぺろしようかな・・・ぺろぺろ・・・
あ、小日本ちゃんとマイ鬼子ちゃんキャラ被ってるな・・・少し性格弄るか・・・ここをこうしてああして・・・ぺろぺろ

小日本ちゃん変なキャラになっちゃった・・・
ととと投下するね><

186 :170:2010/10/28(木) 19:32:58 ID:y8rEuwql
 

 深い深いまどろみの中、木々がさぁーっとざわめき、鬼子はこれが夢なんだと知覚した。
 ああ、またこの夢か、と。
 彼女が葉の匂いを感じると、ややあって別の女性がささやいた。

 『鬼子、これからあなたは一人で生きなければなりません』

 その言葉の意味がわかると、既に鬼子の体は幼き頃へと戻っていた。鬼子が言う。

 『でも、お母様。わたしはまだ弱く、妖怪の一人もつかまえれません』
 『いいえ、あなたはとても強い子。それはわたしが一番よく知っています』
 『ですが――』
 『考えるのです、あなたが、何故わたしから生まれたのかを……。なぜ、あなたが妖怪と戦わなければならないのかを』
 『わかりません、お母様。わたしは――』

 短く目を閉じ、思い出した母との記憶は、暖かいものばかりでは無かった。母と共に幾多の妖怪、鬼、物の怪と戦い、命が散り行くのをその目で見てきた彼女には、それが酷く残酷なことに見えた。
母は、決して情けをかけることはなかった。振り上げた刃を振り下ろすのに、ためらったことなど、一度も。

 『何故?』

 鬼子はこれが理解できない。『誰かを守れる力』、それさえあれば良いと考えるのが、彼女だからだろう。
 母が言う。

 『考えるのです。鬼子、わたしの子――。なぜ、あなたが、『わたしから』生まれたのかを……』


187 :170:2010/10/28(木) 19:34:00 ID:y8rEuwql
  


    おにのこ鬼子






188 :170:2010/10/28(木) 19:35:58 ID:y8rEuwql

 かはっと息を吐き、藁と枯れ枝でできた見慣れた天井を見上げると、ややあって彼女は「やっぱり」とつぶやいた。
 十月も終わりそうなこの時期には想像できないほど冷たい風がそっと彼女の白い頬をなで、ぶるっと身を振るわせた。
 ふと外を見ると、まだ完全に日が落ちきっていない。
 少し早起きしてしまった、というのが鬼子の最初の感想である。
 木の葉のベッドからのそのそと起き上がり、つっかえ棒で支えられていた木の窓をぱたんと下ろす。すると

 「おはよう、鬼子さん」

 年端も行かぬ少女の声に、鬼子ははっと振り返り、ほんの一瞬己の反応の鈍さを呪ったが、すぐにそれは杞憂だと気づかされた。
 子ネズミほどの大きさしかない一人の少女が、鬼子のその様子にくすくすと小さな笑みをこぼし、じっと見据えた。

 「さ、今日も行きましょう!」

 屈託の無い笑みでそういう彼女に、鬼子はわずかな後悔の念を感じずにはいられない。
 ――あれは、数日前のことだ。小妖怪たちが集まり、何かを新しいおもちゃを見つけた様子でわいわいと、これから始まるであろう夜の宴の準備を始めているところを彼女は見かけた。
だがそれは良い。格の低い妖怪たちが数をそろえようと、せいぜい夜道で人を驚かすことで精一杯なのだから、それは鬼子の知るところでは無いというのが彼女の考えだからだ。
だが、いつもと少し違ったのは、彼らの視線の先にいたものが、傷つき倒れた『人』であったこと、そしてそれが、見たことも無いほどに小さかったことだろう。
 正しく言えば、助けた、というよりも興味を持った、と言った方が正しい。結局それが運のツキだったわけだが……。

 「さ、どうしたんです? あなたは選ばれたんです、今日も世のため人のため、正義をなすのです!」

 鬼の子に何を言うか、とも感じる彼女だが、小さな少女が『母の知り合い』だと言った以上、『……はい、わかりました』と答えてしまうのも彼女ゆえか。

 「うむうむ。では不肖ながらこの小日本、全力でサポートいたしますゆえ!」

 満足そうにうなずくと、小日本という変わった名の小さな少女が、ひょいと鬼子の肩に飛び乗った。

 「さあ、いざ!」


189 :170:2010/10/28(木) 19:39:06 ID:y8rEuwql

 概ね、この日本には大きく分けて三つの種族がひしめいている。まず一つは人間だ。
かれらはこちら側には足を踏み入れることができない、いわゆる弱者だというものもいるが、鬼子は違うと感じていた。
彼らの存在は妖怪たちにとって滑稽であったが、同時に生きがいの一つでもあるのだ。
先ほどの小妖怪などは、人を驚かす、いたずらをするために日夜不毛な努力を続けているのだから、彼らに人を馬鹿にできる道理などは無い。
 二つ目が、我々妖怪と呼ばれるものだ。といってもそれは広義の意味であり、厳密に言えば鬼子は妖怪では無く鬼である。
あえていうなら、妖怪類鬼種、と言うべきか。その中でも鬼子は稀な存在であり、きわめて人に近い姿をしているので、ひょっとしたら何分の一か人の血も混ざっているのかもしれない。
 三つ目が、神と呼ばれるものたちだ。人の言う神と、妖怪の言う神とは大きな食い違いがある。
それは、神は絶対では無いということだ。人は『境界』を越えてこちら側に踏み込むことができないから、神、妖怪に恐れを感じ、時に崇拝してきたが、妖怪にとっては違う。
彼ら神は、『こちら側』にいる、一つの種族でしかなかった。更に言えば、人間の信仰が無ければ生きることのできない神は、妖怪にとっては恰好の的でしかない。
とはいえ、神は不要かといえばそうではない。人の信仰によって力を増し、それぞれに宿る神はその地を実りある大地へと変えてきたのだから。
だが、ひとたび妖怪に襲われれば、弱き神々に身を守る術はない。そして妖怪に襲われた結果、神々は悪しき存在となり、人の世に明確な脅威をもたらすのだ。
外のとある国では、堕天だとか言うらしいが、鬼子にはよくわからなかった。
 そして、そうさせないために鬼子――というか小日本がいるらしい。

 「あの、それはわかりましたが、今日はどこへ行くんでしょうか……」

 おずおずと鬼子が言うと、小日本はどこぞのお笑い芸人のように大げさな身振りでしまったとばかりに自分の頭を軽くはたき、「おっと、そうでした」と罰が悪そうに笑みをこぼす。

 「今日は静岡まで飛びます!」
 「えっ……」
 「お茶が美味しいところですが、その奥の奥、山の奥に祭られている、稲荷神の一つです! さあっ!」

 と言われても、鬼子には便利な移動妖怪やらそういったものはなく、毎回徒歩や自転車、電車を使うのだが、それがまた一苦労なのだ。
基本的に彼ら鬼や妖怪は、夜に活動し昼は寝ているものなのだが、最近に人間は夜でも活動しているし、
下手に動いて正体がばれれば、すぐさまどこぞのテレビ番組が霊能力者などを連れ、嬉々として襲ってくるだろう。
姿は消せても、彼女のような高位の種族は完全に実体を無くすことはできず、物理的に――これは鬼子の力不足も原因なのだが――触れられてしまう。
そして彼女の住む東京から自転車で静岡は遠すぎるし、新幹線ではお金がかかりすぎる。バスは一度地獄のような経験をしたため選択肢から除外している。

 「移動手段は高速バスの券を買っておきました! 清水ライナーで行きます!」

 ………………。

 「あの、わたし、今日具合が悪いかなーって……」
 「あっはっは、ご冗談を! あの人の一人娘が病になどかかるはずがございません!」
 「……はあ」

 基本的に押しに弱いのは、出会って数日の少女に見抜かれているらしい。
 仕方ないかな、と息をつき、鬼子は枯れ枝の家を後にするのだった。


190 :170:2010/10/28(木) 19:40:52 ID:y8rEuwql
  _
  \ヽ, ,、
   `''|/ノ
    .|
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\`ヽ、|
 \, V
    `L,,_
    |ヽ、)                ,、
   .|                   ヽYノ
   /                     r''ヽ、.|
  /        ,.. -──- .、    `ー-ヽ|ヮ
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  |    / , ‐'"´       ``''‐、  \  |
  |   / /             \ ヽ |
  ヽ,  y'   /` ‐ 、    ,.. -'ヘ   ヽ. }ノ
   ヽ,'     /   /`,ゝ' ´     ヽ   Y.
.    i    ,'     { {        ヽ   `、
    l    ,イ─- 、.._ ヽ ,, _,.. -─:}   !
.    |  r‐i| ー=ェェ:ゝ ,.∠ィェェ=ー' |r 、.  l
   |  {ト」l|.      : | "    ``: |!トリ  |
.  │  ヽ、|      ;.」_      |'ソ    !
.  │     ヽ     r──ッ    /ノ    |
    |      lヽ    ̄ ̄     / イ    │
.    !    丶ヾヽ    ~   , ' ノ │   !
    ト.    ミ.ゝ ヽ.____./  /  l   /
    ヽ  ヽ           イ ,' / , '       ┼ヽ  -|r‐、. レ |
     \.             ノレ'/         d⌒) ./| _ノ  __ノ

191 :170:2010/10/28(木) 19:41:53 ID:y8rEuwql
ちょうしこいてすいまえんでした;;

192 :170:2010/10/28(木) 19:53:27 ID:y8rEuwql
簡単な脳内設定は

鬼子:武器持ってるなら戦うよなーってことで、いわゆる少年漫画なノリというか、妖怪バトルというかそういうのを考えました。
    性格は最初から、やまとなでしこ、おしとやかで凛としててみたいのを考えたんですが、寝起きだったせいかただのぐーたら娘に・・・
    ただ、基本はなし方は敬語だとちゅっちゅしたいなーとか思ってました。男のことを殿方とか言われると俺のライトセイバーがチョモランマ。

小日本:最初は普通の口調だったんですが、キャラ鬼子とかぶるなーとか思ってたら変なキャラになりました。
     血縁とかそういうのは無いですが、役どころでは鬼〜の大先輩の太郎さんと目玉の親父みたいな感じにしたいなーと思って肩にのったりしてもらいました。

最初の女の人は鬼子ちゃんのお母さんですが、もやかかってて顔見えない感じです、アダルト鬼子ちゃんみたいなのを出せば、色っぽい鬼子ちゃんも可愛い鬼子ちゃんもちゅっちゅできるという
妄想の産物です、ぺろぺろ

193 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 20:09:00 ID:kWyqIwBt
武器は自衛隊の風刺で持ってても全然使わないんだと妄想

194 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 20:15:58 ID:evI1BV2h
4-412様推薦のNo.083に投票したいが、どこにも無い・・・

195 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 20:21:17 ID:udhqhsv+
83番ちゃんとあるよー
Ctrl+Fで探してみるよろし

196 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 20:57:20 ID:gZ2utEhZ
>>191
あれ?いくらリロードしても続きが出てこないんだけど

197 :創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 23:45:38 ID:y1otQ7ap
>194
順位で上下がかわるようだ

198 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 00:04:41 ID:y2YczWOk
富める者が更に富む感じの表示システムだ

199 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 00:44:21 ID:5L60+is7
SSスレあったのか……。
存在知らずに別の場所にうpしてしまった。
転載でもいいよね?


200 :199:2010/10/29(金) 00:45:34 ID:5L60+is7
すらりと伸びた手足。
黒い濡れ髪。
整った顔立ち。
切れ長の目。
爛々と燃えるように赤い瞳と額より伸びた一対の角がなければ、絶世の美人として後世に語り継がれたかもしれぬ。
この娘は鬼であった。
人の心を喰らう物の怪は数居るが、この鬼の好物は“怒り”
仲睦まじい夫婦を引き裂き、玉のような赤子を踏み潰し、手塩にかけた家畜を食い散らかす。蹂躙された者どもの憎悪こそ、この上ない甘露。
無論、人もただ手をこまねいていたわけではない。あの手この手と退治するための策を弄していた。
そしてついに、その労力が報われるときが来たのだ。
「おのれ人間め……!」
息も絶え絶えな鬼。その怒りに満ちた視線の先に居たのは、ただ一人の男。
岩を砕く怪力も、鉄を切り裂く爪も、目にも留まらぬ俊敏さも、この男には通じなかった。全て不可解な力で返され、いとも簡単にねじ伏せられてしまったのだ。
「何より腹立たしいのは、地べたに這いつくばる我が身の不甲斐なさよ。ああ熱い。怒りで身が焼けるようだ。地獄の業火とはこのようなものか!」
集落を襲い、多くの人々を苦しめてきた退治すべき鬼。
それを見下ろしながら、男が感じていたのは“安堵”でも“優越感”でもなかった。
この娘は人々の怒りより生まれ、怒りを喰らい育ち、怒りに身を焦がしながら死ぬ。
それは、あまりにも哀れすぎるのではないか。
「娘よ」
自惚れかもしれぬ。
「そなたは生きよ」
この場で成敗しておくべきだったと、後悔する日がくるやもしれぬ。
「この世は捨てたものではない。それを教えて進ぜよう」


201 :199:2010/10/29(金) 00:46:55 ID:5L60+is7
==========

鬼子(きし)神社。
ある地方都市に建てられた、それなりに歴史のある神社だ。
小山の上の森にある神社は喧騒から切り離され、街中であることを忘れさせる。
しかし、爽やかな朝の日差しの中、どんよりとした空気を纏った少年がいた。
名は日本武(ひのもとたける)この神社の神主の息子である。
「なんでせっかくの休みに一人で掃除なんだよ……」
「ごめんなさい……」
障子の影から申し訳なさそうな顔を見せる少女。
歳はタケルと同じか少し上。透き通るような白い肌。腰まである艶やかな黒髪。柔らかい物腰。違和感なく着こなしている純白の着物。大和撫子とはこの娘のためにある言葉なのではないか。そう思わせるほどの美少女であった。
だが、多くの人は次の瞬間に悲鳴を上げ逃げ惑うだろう。
「こんなじゃなければ私がお掃除ぐらいするのに……」
裾から覗く白魚のような指は──うっすらと透け、境内を掃く少年の姿が見えていた。
そう、彼女は幽霊なのだ。
 
それから数十分。
あと少しで掃き終わるというタイミングで来客があった。
「空気読めよ……」
「無茶言わないでくださいよぅ」
 
客は二十代ぐらいの女性。最近よく悪いことが起きるのでお払いして欲しいとのこと。
しかし、肝心の神主が不在。事前の予約を勧め、今日はお引取り願うことにした。
とぼとぼと女性が鳥居を潜ったところで、タケルは背後に控える少女に尋ねた。
「見えたか?」
「はい」
お祓いに来る人はそれなりに居るが、大抵はただの思い込み。
だが、時々いるのだ、本当に憑かれている人が。
「父さんたちは明日まで帰ってこないし、俺たちだけでやるしかないか」
しばらく放っておいても大丈夫なものなのか、急を要するものなのか、それがわからない以上今すぐ祓うしかない。
しかし、少女の方は躊躇している。
「でも……」
「俺が未熟者だってのはわかってるよ」
「い、いえ、そんなつもりでは……!」
その場で土下座し、思いつくありとあらゆる謝罪の言葉を並べ立てはじめた。本人は必死なのだろうが、正直ウザイ。
生まれてきてごめんなさいとまで言い出したので、いいかげん話を進めることにした。
「お前がやるんだ、鬼子(おにこ)」
「え?」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔が、信じられないと言いたげな表情をしている。
「で、でも、それには封印を解かないと……」
「わかってる」
「鬼ですよ! 角が生えてて力が強くで残虐ですよ!?」
「自画自賛か」
「めめめ、滅相もない!」
また床を髪で磨く作業が始まった。いい加減にして欲しい。
「お前が鬼になるところなんて何度も見てるだろうが」
「それはそうなんですけど……ひやぁ!」
少女はお尻を押さえて飛び上がった。
「なにするんですか〜」
「何って、怒ると変身するんだろ?」
タケルの手には御札が一枚。低級霊の捕縛用なので、痛い程度でダメージはない。
「それ、そら、そいや」
「熱っ! ちょっ、やーん!」
本人は大真面目なのだが、傍目にはいたいけな少女を弄っているようにしか見えない。
「ああもう、これじゃ駄目だ。別の方法が浮かぶまで休憩だ休憩」
「それでお願いします……」

202 :199:2010/10/29(金) 00:47:38 ID:5L60+is7
タケルは台所で早めのおやつをとることにした。頭脳労働には甘いものが一番。
今日は饅頭だ。控えめの甘さにほどよい皮の厚さ。ベストバランスと言えよう。時々申し訳程度の薄い皮が張り付いているだけのものがあるが、あんなものは饅頭ではない、餡子玉だ。
「本当に美味いな。できればこんなときに食べたくなかった……」
肝心の怒らせる方法についてはさっぱり浮かばない。
感情は喜怒哀楽の四つで構成されているが、鬼子はそのうちの“怒り”が欠落しほとんど残っていない。
おまけに小心者で荒事が苦手。こちらが悪くても謝ってしまう。
強力な物の怪を狩るときは毎回封印が解かれているため、確実に怒らせる方法はあるのだろう。ただし、それを知るのは両親のみ。
強気に迫れば鬼子から聞き出せそうだが、怒ることに強い罪悪感を持つ彼女は自ら原因に関する記憶を封じてしまうのだ。
「悪口言っても駄目だろうなぁ」
幼少時、何度も泣かせたことがある。
「大切にしてる物に当たるって方法もあるけど、あいつ私物ないし」
強いて言うなら彼女が祭られている本堂か。しかし流石にそこに悪戯する度胸はない。
「困った……」
饅頭三つ目、最後のひとつを咥えたところで──境内に鬼子の悲鳴が響き渡った。
「ど、どうした」
「それ私へのお供えじゃないですかー!」
「そうだったか? テーブルに置いてあったから」
鬼子は箱を奪い取り、空であることを確認するとがっくり膝をついた。
「酷い……楽しみにしてたのに……」
ぷるぷると怒りに体を震わせ──怒り?
「いや、まさかこんなことで……」
「牙ァァァァァ!」
「うぉっ!」
雄叫びと共に着物の裾に火がついた。
瞬く間に炎は全身を包み込む。
「馬鹿! 火事にする気か!」
慌てて消火器を噴射。
なんとか火は消し止められ、消化剤と煙の漂う中、ゆらりと鬼子が立ち上がった。
大丈夫かと声をかけようとして──タケルは逆に強大な妖気と殺気を叩きつけられた。
「うわやば……破ァッ!」
手のひらに念を込め、間一髪。見えない壁がナイフのような爪を弾き返した。
「おま、法術なかったら死んでたぞ!」
「口を慎め外道が! この恨み、晴らさでおくべきか!」
「饅頭でキレるなよ! だけどまあ……結果オーライか?」
雪のように真っ白だった肌は、熱に浮かされ紅潮。
吸い込まれそうな黒い瞳は、ギラギラ輝く血のような赤に。
死に装束のような着物は真紅に染まり、鎧が肩や胸を、般若の面が顔半分を覆った。
そして何より、額に生えた一対の角。
彼女は鬼の名にふさわしい姿へ変貌していた。
「さっさと片付けるか。鬼子、さっきの人を連れ戻してくるから待ってろ」
「半人前の指図は受けぬ」
いつの間にか得物の薙刀を用意し、玄関から出ようとしている。
「ちょっと待て、今のお前は実体がある。霊感ない人にも見えるんだぞ!」
「知るか」
その一言を最後に、鬼子の姿は掻き消えた。
「やばい……」


203 :199:2010/10/29(金) 00:49:16 ID:5L60+is7
このところ身の回りで不可解なことが起きていた。
誰も居ないのに声が聞こえたり、気がついたら知らない場所で呆けていたり。
しかしここまで酷いのは想定外だった。
「我の名は日本鬼子! うつし世に蘇りし鬼にして、怒りの化身なり!」
「な、なな……」
決め台詞と共にポーズをとる鬼子を前に、腰を抜かして尻餅をつく物の怪付き。
近道しようと狭い路地を歩いていたら、突然角を生やして薙刀を持った改造和服コスプレ女が降って来たのだ。無理もない。
「た、助け……」
この場から逃げ出そうとして──
『おっと、そうはいきませんよ』
女性は、意識を失った。
 
先ほどまで怯えていた女性は、不敵な笑みを浮かべると鬼子に歩み寄った。
『まさか本当にあなたが祭られていたとは……長生きはしてみるものですな、鬼子殿。いや、本来の名でお呼びした方が──』
「五月蝿い黙れ!」
薙刀一閃。刀身は女性の体をすり抜け、物の怪のみを真っ二つに切り裂いた。
『ちょ……まだ何も……』
仕事終了。
これにて一件落着──といきたいところだが、そうは問屋が卸さない。
「おまわりさーん!」
正気を取り戻した女性は泣きながら大通りに走る。
「ええい足りぬ! これでは怒りが収まらぬ!」
鬼子は殺る気満々で薙刀を振り回す。
ああ、このまま警官隊との大捕り物が始まってしまうのか。
「そこまでだー!」
妖気を辿りなんとか追いついたタケル。鬼子の前に飛び出すと、手にした箱を開けた。
そこに並ぶは色取りどりの饅頭たち。つぶ餡こし餡ウグイス餡、さらには芋餡やかぼちゃ餡まで。
「饅頭……」
「そうだ、饅頭だ」
「たくさん……」
「たくさんある、全部お前のだ」
「全部? 本当に?」
「本当だ」
からんと薙刀が倒れる。
鬼子は霊体に戻っていた。


204 :199:2010/10/29(金) 00:50:24 ID:5L60+is7
ヒノモト家の居間。満面の笑みを浮かべた鬼子は饅頭にかぶりついていた。
実体がない今の姿だが、お供えされたものだけは触れるらしい。
「おひとついかがですか?」
いつもなら遠慮しないところだが、今回ばかりはきっぱり断った。
「お前は好きなものを後に残すタイプだからな。下手に選んで怒られたら困る」
鬼子はクスリと笑った。
「タケルさん酷いですぅ。私が饅頭食べられたぐらいで怒ると思ってるんですか?」
「……やれやれ」
多少のゴタゴタはあったが、ヒノモト家は平穏を取り戻した。
ただひとつ、来月の小遣いまで残り五百三十二円でどうやりくりすればいいのか……。
タケルは頭を抱えた。


205 :199:2010/10/29(金) 00:55:56 ID:5L60+is7
以上です。

普段は中国人のイメージする鬼(幽霊)で、変身後は日本人のイメージする鬼にしてみました。
饅頭で怒ったのは、暴力や罵倒には遺憾の意で済ますけど食べ物関係にだけはキレるという日本人コピペネタから。


206 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 00:59:44 ID:Ed1yzFYE
>>190
>>205
乙です。どっちも楽しませてもらいました

続きいつかなー

207 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 01:46:36 ID:k3Ys/rsk
SSに中国人の男性を出そうと思うんだけど、どんな名前がいいのかさっぱり見当もつかないんだ
助けておくれ
普通にありそうで、悪い響きじゃない名前がいい

208 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 01:57:33 ID:nBXmnG5w
http://homepage2.nifty.com/ryurinsya/frlonglinshe_3.htm

好きなの選べ

209 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 01:59:08 ID:0tn2vqXD
>>207
ttp://huaihua.blog5.fc2.com/blog-entry-637.html
ttp://homepage2.nifty.com/ryurinsya/renminyilan.htm
この辺が参考になるかも。
わりと同姓同名が多いらしいな。

210 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 02:09:40 ID:k3Ys/rsk
ありがたや
検討させていただくよ

211 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 03:32:24 ID:GVeab/al
寝落ちからおはよう。とりあえず書けたので寝なおす前に置いておきますね。
時代背景とかの細かなツッコミはなしでお願いしますw

212 :おにを狩る娘 1/4:2010/10/29(金) 03:33:09 ID:GVeab/al
 秋深まり、紅や黄色に色づく木々を薄絹が覆い隠すように、しとしとと霧雨が降る。
 そんな風景を山腹にある神社の、住居を兼ねた社務所の縁側に腰掛けながら、霧雨にしっとりと濡れるのも気
にならないといった様子で、その少女はぼんやりと眺めていた。
 少女がぶらぶらと脚を揺らす度、山の色付く紅葉をそのままあしらった様な見事な柄の着物の裾も、落ち葉が
風に吹かれるようにぶらぶら揺れる。
 少女は小さく「ふぅ……」と息を吐くと、鴉の濡れ羽色と言う表現がぴたりと似合う美しい黒髪を靡かせなが
ら、ころりとその場に寝転がった。
 その拍子に床にばらりと髪が広がり、少女の頭からひょこりと生えた二本の角を、僅かに覆い隠す。
 少女はそれを鬱陶しそうに、寝転がったまま軽く手で整えると、もう一度「ふぅ……」と小さく息を吐く。そ
してその艶に濡れた愛らしい唇から、ぽつりと小さく音が漏れる。

「…………ひま」

 ここ、鬼ヶ瀬神社は今日も平和だった。



……
………


「……っくしゅん」

 自分のくしゃみで目が覚めた。どうやら少し眠ってしまっていたらしい、と、少々ぼんやりする頭で考えなが
ら、むくりと起き上がる。
 もう神無月も終わりに近く、霧雨といえど流石に濡れっぱなしは寒かったらしい。
 小さくぶるりと身を震わせた少女は、それでもやはり暇である事には変わりなく、さてどうしようかと思った
ところで、どこかで小さく「くぅ……」と鳴った。
 空を見やる。
 曇天で覆い隠されているものの、太陽は既に頂点。お昼時だ。
 お腹も空いたしとりあえずご飯にしよう。何を食べようかな、と考え出したところで、そう言えば昨日魚屋の
政さんから秋刀魚を頂いていたのを思い出した。
 うん、秋刀魚。秋刀魚を焼こう。さんま、さんま。
 政さんは色々と良くしてくれるのだけれど、少々色目が多いのが玉に瑕。ごめんなさい、政さん。貴方はわた
しの好みじゃないんです。でも秋刀魚はありがとう。
 そんな事を考えながら台所へ向かう少女。
 秋刀魚よし。七輪よし。大根よし。醤油……あれ、醤油が無い。
 頭を抱える。なんてこと、醤油が切れているなんて。どうしよう。どうしようもこうしようもないですよね。
 そう一人ごち、お昼は少々我慢して里に醤油を買いに行く事にした少女。
 社務所を出て、鎮守の森を背に、くるりくるりと白地に赤目の蛇の目傘を回しながら、長い長い階段を里に向
かって降りて行く。
 カロコカラコロ。下駄が鳴る。

「……あ、般若ちゃん忘れた」

213 :おにを狩る娘 2/4:2010/10/29(金) 03:34:43 ID:GVeab/al
「あー、おにこだー!」

 そんな事を叫びながら、だーっと駆けてきた女の子が少女に抱きついた。
 子どもは可愛いから好きだ。決して美味しいからではない。食べないよ、鬼だけど。
 そんな若干不穏当な考えを浮かべながら、少女は自分に抱きつく女の子の頭を撫でる。
 少女の名前は日本鬼子。その名が示す通り、鬼である。
 鬼ではあるが、決して悪い鬼ではない。それは自他共に認める事であり、寧ろ鬼なのに怖がられてすら居なか
ったりするのだが。
 そう、例えば有る時こんな事があった。
 この里に越してきたらしい、新しく見る男の子が、やはり初見の人間は少しは怖がるのだろう、鬼子の角を見
てびくりと震えた。
 それを見た鬼子は、ふと天啓の如く閃いた言葉を口にする。

「ぷるぷる、わたし、こわいおにじゃないよー?」

 それを聴いた男の子は、一瞬きょとんとした後、鬼子の顔と胸元を見比べて、こう言った。

「ぷるぷるするほど無いくせに」

 その瞬間、確かに世界は凍ったのだ。そしてその後は阿鼻叫喚である。主に鬼子が。

「わ、わたしだってあるんです! 着やせするから小さく見えるだけだもん!」
「だったら見せてみろよー。ほんとはないくせにー」
「いいですよ! そんなに言うなら見てみなさいよ! 脱げばいいんでしょう脱げば!!」

 先程まで自分の角を見てびくりと震えていた子どもの言葉に、逆に涙目になりながら叫ぶ鬼子は、あわやその
場で着物を脱ぎ出そうとした所を、すんでの所で八百屋のおかみさんに抑えられて防がれた。
 それに対して周囲で様子を伺っていた男共は一斉に「ちっ」と舌打ちし、当の鬼子は我に帰ったあと、真っ赤
になって逃げ出したのだとか。
 ……そんな昔……うん、昔よ、昔。昔なんだから……の事を、女の子の頭を撫でながら不意に思い出した鬼子
は、そんな自分にちょっと哀しくなりながら女の子に語りかける。

「こんにちは、ゆきちゃん。遊んでるの?」
「……ううん、おつかいー…………あ、おつかいのとちゅうだった!」

 鬼子に撫でられまったりしていた女の子は、ぱっと離れてにぱーっと笑い、「じゃーねーおにこー!」と叫び
ながら駆けていく。
 そんな様子を苦笑しながら眺めた鬼子は、自分も買い物の途中だった事を思い出して足を進める。
 さんさんさんま、さんまを焼こう♪さん……あ、さんま出しっぱなしだ。大丈夫だろうか。大丈夫だよね。大
丈夫なはず。だってあそこは神社。神域だもの。わたしの秋刀魚を狙う不埒なやからは現れまい。この間野良猫
の姿を見たような気がしないでもないけれど。きっとご祭神の月読命も守ってくれるはず。守ってください。わ
たしの秋刀魚を。
 神様に祈るには失礼なお願いを心の中で想いながら足を進める鬼子だったが、不意にすれ違った男性の“匂い”
に思わず足を止める。
 ずくずくと、両の角がうずく。
 一瞬目を伏せ、再び上げた鬼子の瞳は、深い黒から鮮やかな紅へと変わっていた。

「あの人……ずいぶん『隠鬼(おに)』が溜まってる……」

 はぁ、と小さく息を吐く。仕方が無い、秋刀魚はもう少しお預けだ。

214 :>>109の鬼子再臨:2010/10/29(金) 03:35:23 ID:PvIOPicI
日本鬼子は女子高生である!
今日も制服シカトのコスプレ和装で登校するのだった!
「まんふぅあ……まんはー?んああ、発音わからん」
黒くて綺麗なサラツヤロング、緋色紅葉の小袖に高下駄。
トーストをくわえた女子と衝突しそうな朝の慌ただしさをぶち壊す異彩を放ちながら、日本鬼子は歩いていた。
登校中の学生達が日本鬼子に振り返る。
二度見する。
遠巻きに写メる。
そう、鬼子はややもすれば不思議ちゃんだが、腐っても美少女なのだ!
控え目にいっても可愛いのだ!
男子学生達が日本鬼子を話しの肴にひそひそ話始める。
「お、おい、あれ何、てか誰。可愛くねぇか」
「撮影?グラビア?」
「ばっか、アレは日本鬼子ちゃんじゃねーか」
「あー、あそこの学校の!」
ひそひそひそひそ。
それでもしかし、日本鬼子は馬耳東風。
彼女は手に持った本を熱心に読みながら。
「むつかしいなぁ。まん、まん……」
その呟きを聞いてまた男子学生のひそひそが増す。
いや、これはもうあの擬音でしか表せまい。
ざわ……ざわ……。
男子学生達がざわめいた。
「い、いま鬼子ちゃんが、マンマンがなんとかって……」
「あ、ああ……俺も聞いた。確かにマンマンと……」
「い、いやそんなはずは……!何故あんな可愛い子の口から、マンマンだなんて卑猥げな言葉が!ありえない!」
「いやしかし、器量が良いと言うことは、それを使う機会にも恵まれているはず」
「な……!そんな馬鹿な!」
馬鹿はてめぇらだ、とは誰も言ってあげない。
男子学生なんてこんなもんだ。
そして例によって例の如く鬼子が呟き、男子学生達がざわめく。
「やっぱむつかしいなぁ。ぴんいんでも調べよ」
ざわざわざわざわ。
「……聞いたかよ」
「ああ、マンマンが難しくて、ピンインがどうとか」
「ピンインてなんだ。まさかPinをinするのか?!」
「……いや、瓶inだったのかもしれない」
「瓶をin……だと……?」
「お、俺、もう立って歩けねぇよ。二重の意味でたって歩けねぇよ」
馬鹿だ。こいつら馬鹿だ。
そいつらは遅刻し、鬼子は生徒指導室にしょっぴかれました。
鬼子が中国語の勉強しながら歩いてたら、勘違いした学生が勝手に興奮した。
という話。
終わり

215 :おにを狩る娘 3/4:2010/10/29(金) 03:36:19 ID:GVeab/al
 人間(ひと)とは、心に光と闇を持つ生き物である。
 心の闇、それは陰気と呼ばれ、それは溜まれば溜まる程に黒く深く強くなる。
 溜まり、積もり、凝り固まった陰気は隠気となり、隠鬼(おに)となり、心を侵し、やがて身体を異形と化す。
 そう、人とは誰しも、心に鬼を飼っているのだ。

「こっち……かな?」

 男の『隠鬼』の残滓を辿り、いつしか鬼子は狭く入り組んだ路地を歩いていた。
 かろころからころ。彼女の履く下駄の音が小さく響く。
 そして一つの曲がり角を曲がった時に、小さく「きゃっ」と悲鳴を聴いた。
 ──瞬間、駆け出す鬼子。
 三歩を一歩で駆け、十歩を二歩で踏破する。
 跳躍。かんっと乾いた音を立てて壁を蹴り、速度を落とさず角を曲がる。
 見えた。
 男は誰かを壁に押し付け、下卑た笑みを浮かべている。それは果たして、如何な意味の笑みなのか。その視線
は随分下だ。押し付けられた人物は男の陰になり、その姿は見えない。それに嫌な予感を覚えた鬼子は、更に速
度を上げる。
 かんっ。
 下駄が鳴り、男が鬼子に気がついた。
 彼女が下駄を履く理由にコレがある。相手の注意を、自分に向ける。
 更に一歩。押し付けられた人物の姿が見えた。

「──っ!」

 一気に男へ肉薄する。
 加速の全てを一撃に乗せ、男の脇腹へと肘撃を見舞う。
 加速状態からの急停止に、彼女の纏う紅葉がばさりとがたなびいて、同時に轟音を立て、向こうの壁にナニカ
が激突する音が響き渡った。
 それに構わず、壁に押し付けられていた“女の子”を抱きしめる。
 よかった、怪我は無い。乱暴された様子もない。気は……失っているけれども。

「……ゆきちゃん、もうちょっとだけ待っててね」

 鬼子は女の子を静かに寝かせると、今しがた吹き飛ばしたモノへと向き直る。
 それはすでに起き上がり、ひたりと彼女を見据えていた。まるで、先の肘撃も、壁に叩き付けられた事実もな
かったと言わんばかりに平然と。

「……くひっ」

 引きつるような笑い声を上げ、“男だったもの”の口が耳まで裂ける。
 ケタケタと笑いながら、こきんごきんとその背が伸びる。まるで不恰好な、出来損ないの人形のように。
 鬼子はそんな様子を紅い瞳で見据えながら、右手をすっと左の袖の中へ入れた。そして引き抜いたその手に握
られているのは棒状の何か。
 そのままスルスルと、まるで手品のように着物の左袖から棒状のそれを引き抜いていく。そして現れたのは、
彼女の身長以上ある一振りの薙刀。
 握り心地を確かめる様に、ひゅんっと一振り。そしてぴたりと、『隠鬼』に侵食され、異形と成り果てたモノ
へと構える。

「──すぐ、楽にしてあげます」

 ぽつりとそう言ったのと同時に、鬼子が側頭部にかぶる般若の面が淡く光を発し出す。そしてそれに呼応する
かの様に鬼子の角がずずっと伸び、髪の色素が薄れていく。闇のごとき深い黒から、雪のごとき白へ。
 そして周囲を満たしていく、濃密な気配──鬼子が発する“鬼気”だ。
 只人であれば、まともに向けられれば動く事すら叶わぬであろう“鬼気”を向けられた異形は、その長い手足
をしならせて跳躍する。
 鬼子の倍はありそうな身長。にもかかわらず細い身体と、同じく補足長い節くれ立った手足。
 まるで昆虫のナナフシのようだ、と鬼子は相手の動きに注視する傍ら思った。

216 :おにを狩る娘 4/4:2010/10/29(金) 03:37:34 ID:GVeab/al
 このまま受けに回っては、ゆきちゃんを巻き込んでしまう。そう判断した鬼子は相手に合わせるように跳躍。
それに対してナナフシはその手を大きく振りかぶり、鬼子に向かって振り下ろす。その瞬間、その手には刃の
様な鋭利な鉤爪が伸びているのが鬼子の視界に写った。
 交差する鬼子の薙刀とナナフシの鉤爪は、まるで金属の鈍器を打ち合わせた様な音を立て、反発する勢いに
互いに後ろに弾かれる。
 ズドンっと、まるで巨石が落ちるような、その見た目に似合わぬ音を立てて背中から落ちたナナフシ。それ
に対し、空中で軽やかに反転し、舞うように地に下りる鬼子。
 相手は変異したててで上手く動けない様だ。攻めるなら今しかないと判断し、彼女の履いた下駄が、かんっ
と地に打ちつけられる音を立てると同時、消えたと思う程の速度でナナフシへ向けて駆ける鬼子。
 彼女のその判断は、最良にして最善の一手であった。
 身体を起こそうともがくナナフシは、鬼子の急激な加速に反応しきれず、その長い手を闇雲に振り回すのみ。
 鬼子はそれをくぐり、かわし、いなした所でナナフシの眼前へ迫る。

「……おやすみなさい」

 ──一閃。
 ナナフシはその場に崩れるように倒れ付し、その直後、その身体を黒い靄が包み込む。
 そして次の瞬間、その黒い靄は鬼子のかぶる般若の面へと吸い込まれ、それと同時に彼女の髪の色は元の闇色
へと戻っていった。
 後には元の男が倒れるのみ。首筋に手を当て、脈を診る。
 うん、生きてる。
 ほっと息を吐いた鬼子は、男を壁によしかかる様に移動させると、今だ気を失ったままのゆきを抱えてその場
を後にした。

 鬼子は、鬼の一族の中でも特異な力を持つ存在であった。
 彼女の異能。それは『心の隠鬼を感じる力』。
 その力を自覚したその瞬間、鬼子は『般若』と『薙刀』に選ばれた。
 その二つが何であるのか、一体どのような経歴をもつのか。それらの事は、鬼の里にも既に伝えられていない。
 けれど、彼女は知識ではなく、魂で感じている。感じて、しまっている。
 ──その異能も、薙刀も、全ては人間の『隠鬼』を狩るためにあり、般若はその『隠鬼』を喰らうためにある。
 『隠鬼』を喰らい続けた般若が一体どのようになるのか──それは鬼子にも解らないのだけれど。



……
………


 気を失っていたゆきを、彼女の家まで送り届けた後、鬼子は神社へ続く道を歩いていた。
 ちょっと出ただけなのにこの有様。今日は厄日だ、休みたい。
 そんなことを考えながら歩く彼女が、醤油を買い忘れていたことに気付くのはもう少し後。
 はっと気付いて醤油を買いに、中ほどまで登った長い長い階段を戻った彼女が──ご祭神に文句を言うのは、
更にもうちょっと後である。

217 :211:2010/10/29(金) 03:40:20 ID:GVeab/al
以上で終わり。
お目汚し失礼しました。

いつかスレの絵師が挿絵を書いてくれると信じて……!




冗談、です。

218 :>>109の鬼子再臨:2010/10/29(金) 03:41:26 ID:PvIOPicI
<今日のおさらい>
漫画→マンファ
ピンインは1958年に制定された中国語の漢字の読みをローマ字で表したもの。
これでマンマン聞こえて来ても誤解しなくて済むよ!

219 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 03:42:49 ID:PvIOPicI
あっー!
ゴメン混ざった

220 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 03:57:24 ID:vkodIxom
某Flash改変

鬼子母神「ねえ貴方たち〜夕食ができたわよ。」

パパ修羅「今日は何だい?」

鬼子母神「今日はカレーよ」

日本鬼子「わーい、カレーだ!嬉しいなー♪」

小日本「わーいーわーい♪」

鈴鹿御前「カレーぐらいで騒がないの」

鬼子母神「あなたも人のこと言えないわよ」

パパ修羅「終了」

日本鬼子「再開」

小日本「再開しないで!そんなことよりお肉が欲しいな〜」

鬼子母神「ジャガイモあげるわ」

鈴鹿御前「間違えてますよお母様」

日本鬼子「タマネギあげるよ!」

パパ修羅「よしよし、じゃあパパのをあげよう」

小日本「パパありがと〜♪」

日本鬼子「玉ねぎあげるよ!」

鬼子母神「玉ねぎ嫌いだからって、人の皿にいれないの!」

日本鬼子「玉ねぎあげるよ!」

鈴鹿御前「いい加減にして!!」

鬼子母神「そんなことしても誰も食べてくれないわよ」

幽霊「こんばんわ。卒塔婆の販売に参りました」

鬼子母神「結構です」

パパ修羅「そういう時は『要りません』と言うべきだな」

日本鬼子「じゃあ玉ねぎあげるよ!」

小日本「そこまでしなくても(笑)」

221 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 09:31:23 ID:v2Pq2y4o
http://find.2ch.net/?STR=%A5%EA%A5%C1%A5%E3%A1%BC%A5%C9%A1%A6%A5%B3%A5%B7%A5%DF%A5%BA&COUNT=10&TYPE=TITLE&BBS=ALL
さあて、ここにも似非右翼ことサヨク工作員リチャードコシミズとそのパシリ、小吹伸一=ハングル板の荒らしどぜうが来てるな。独立党の奴等は逃さんぞ。

222 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 10:41:28 ID:mD1Pk44s
倭奴(わやっこ)もよろしく^^

223 : ◆L62I.UGyuw :2010/10/29(金) 11:53:24 ID:Rk8HCrMh
創発板で祭りなんて初めてではなかろうか。
単発SSでもOKっぽいので参加させていただきます。

224 :鬼子綺譚 ◆L62I.UGyuw :2010/10/29(金) 11:54:26 ID:Rk8HCrMh
ああそれ、その壜だ、そいつを取ってくれ。
よし飲むぞ。ほらほら遠慮するな。今日はいい日なんだから。

ん? 今日は何でそんなに上機嫌なのかって?
何だよ、俺が不機嫌だったら俺の部屋で酒盛りなんか出来ないんだからいいだろうが。
気味が悪い? 余計なお世話だ。

おっと、テレビは消さないでくれ。
この後に見る番組があるんだ。
次は通販番組だって? いいんだよ、それで。

で、何だったか。ああ、機嫌がいい理由か。
話してもいいんだが、少し長い話になるぞ。
そうか。じゃあまだ時間もあるし話すとするか。酒でも飲みながら。

戦争の話だ。全世界を巻き込んだ大戦さ。俺も一兵卒として参加していた、な。
ああ待て、言いたいことは分かるが、まぁ最後まで聴けって。

思い返すのも馬鹿馬鹿しくなるような理由で、あのときこの国は全世界に対して喧嘩を売った。

最初は案外調子が良かったんだが、途中から負けが込んで来て、この国にはどんどん余裕がなくなって来た。
で、開戦から半年くらい経った頃、とうとう俺も兵隊として動員されることになった。
正直嫌だったよ。御国のために命を捧げます、なんて欠片も思ってなかったからな、俺は。
勝ち目なんてないだろうとも思ってたさ。
だが、だからといって一部の連中みたいに反戦を叫んで徹底抗議するほどの気力もなかった。
だからまあ、素直に受け入れて、大陸に送られる船の中で、せいぜい死なないように巧く立ち回ろうと企んでたんだ。

結果から言えば巧く立ち回るなんて無理だった。
そりゃそうさ。ちょっと訓練を受けただけのにわか兵士にとって、死ぬか死なないかなんぞ単なる運だからな。
しかも俺の送られた戦線はよりにもよって激戦区だった。どうにもならんさ。

とはいえ隊長が優秀だったのか、俺の所属部隊は結構善戦してた。善戦してたんだが、ま、やっぱりそこは運ってヤツか。
大陸のそこそこ奥地まで侵攻して、一進一退の攻防を繰り返して、仲間の脳ミソが潰れたババロアに変わるのにも慣れたある日、俺達の部隊は現地のゲリラ部隊に奇襲されて潰走する羽目になった。
それで、転進――逃走中に俺は部隊から逸れちまってな。しかも悪いことに、奇襲を受けたときに右脚を撃たれてたのよ。
敵地のド真ん中で、独り立ち往生。ま、普通は死ぬしかないわな。敵に投降しても死ぬまで拷問されるのがオチだ。
あ? ジュネーブ条約? んなもん馬鹿正直に守るヤツはいねえよ。
敵さんからすりゃ、俺は気の良い親友を気の良かった死体に変えちまったクソ悪魔なんだからな。

でも俺は死ぬのは嫌だった。身勝手な言い分だが、あんだけ人をブチ殺しておいても、まだ死にたくはなかったんだよ。
だから脚を引き摺って必死に逃げた。見つかり難いように山の中を延々とな。
だが結局、数日で動けなくなって、木の陰に座り込んじまった。限界だった。
どうだろ、解るかね。動こうと思っても本当に指一本動かせないのさ。

観念して目を瞑ったよ。死にたくはなかったが、流石にどうにもならん。
んで、しばらくしたらすう、と意識が遠のいて行ってな。ああ、こいつが死か、と。


225 :鬼子綺譚 ◆L62I.UGyuw :2010/10/29(金) 11:55:19 ID:Rk8HCrMh
そして目を覚ますと、俺は布団の中にいた。

やっぱり夢だったのかって? いや違う。
おい、ここからだよ、話は。いいから聴け。

まず視界に入ったのは板葺きの屋根だった。
豪くだるかったんだが、何とか上半身を起こして周りを見渡して――混乱した。
全く見覚えのない場所だったからさ。
床には畳。脚の先には障子戸。あと上に神棚っぽいもんがあったな。
一言で言えば、そこは純和風の簡素な部屋だった。
俺は紺の襦袢を着ていた。

訳が分からなかったが、とりあえず起きようと思った。
途端、右脚に鋭い痛みが走って思わず呻いた。
布団を剥がして見てみると、右脚には包帯が巻いてあった。
そこでようやく今までのことを思い出した。

「あ、起きたんですね。大丈夫ですか?」

鈴を転がすような声が聞こえた。
顔を上げると、半分開いた障子から、可愛らしい少女が遠慮がちに顔を出していた。
少女と言っても年の頃は十七か十八くらいか。
切れ長の目に白磁のような肌。
藍色の着物に散った紅葉模様と、腰まで届く艶やかな黒髪が印象的だったな。
でもまあ、一番の特徴は彼女の頭から生えた二本の角だ。

そう、お前も今思った通り、昔話の『鬼』みたいな感じだ。
だが、取って食われるんじゃないかとか、そういうことは全然思わなかった。
何つーかこう、見惚れちまってな。間抜け面晒してその娘の顔を眺めてたんだ。

「あの……大丈夫ですか?」

俺の様子が変だったからだろう、彼女は心配そうな顔で近付いてきた。
俺は何とか、大丈夫ですとだけ返した。
たちまち彼女は破顔した。

「ああ、良かった。あ、お腹空いてますよね。ちょっと待ってて貰えますか?」

その笑顔は天上の甘露だった。
こいつはまさしく運命だと直感したね。
俗っぽい言い方をすりゃあ一目惚れってヤツだ。
何? ロリコン? 煩えな、知るか。


226 :鬼子綺譚 ◆L62I.UGyuw :2010/10/29(金) 11:56:15 ID:Rk8HCrMh
それでまあ、お粥を頂きながら色々と話をした。
彼女は、ひのもとおにこ、と名乗った。日本鬼子。
『ひのもと』はこの国の名前と同じ漢字、『おに』は桃太郎の悪役、『こ』は子供の子、な。
変な名前? まぁ俺もそう思ったが、そこは惚れた弱みで、美しい名前ですねと。
この、気持ち悪いって言うな、てめえ。

倒れてた俺を見付けたのは、鬼子が飼ってる犬だったそうだ。
犬っつっても何かこう、狼みたいなヤツでな。狩りに使うんだ。
この村では犬を使えるのが一人前の証だとか、そんなことを鬼子は言ってた。

俺はどうやら丸四日近く寝てたらしい。その間、鬼子は俺の世話をしてくれてた訳だ。
そういえば俺の服はと訊いたら、何を思い出したのか鬼子が顔を真っ赤して俯いてな。うん、可愛かった。
何だよ、その呆れた顔をやめろ。

角に関しては、触れちゃいけない気がして何も言わなかった。

で、だ。
その村が普通じゃねえってのはすぐに判ったよ。何せ村人は皆、頭の上に角を生やしていたんだからな。
考えてみりゃ、大陸の奥地に日本語が通じる和風の集落があることだっておかしい。
でも驚いたのは最初だけだ。人間何でも慣れるもんで、三日も経たない内に特に気にならなくなってた。
村人は皆気さくでいい人達だったしな。ああ、本当にいい村だったよ。帰りたくなくなるくらいに。

一週間くらいで普通に歩ける程度には脚が良くなった。
それで、家で出来る手伝いくらいはしようと鬼子に申し出た。
薪割りとか、料理とか、あと犬の世話とかな。

鬼子は止めたが、タダ飯食らってるだけじゃ申し訳ないからさ。
あとは、まぁ、その、ちょっとはいい格好しようとかそんな下心もあった訳だが。
いいんだよ、細かいことは。

鬼子も最後には折れてくれた。仕方ありませんね、なんて溜息を吐いて。
その仕草も素敵だったな。

ああ、鬼子は本当に魅力的だった。
何で『魅』という文字の中には『鬼』が入っているのか、その理由が解ったよ。

は? いや、手は出さなかった。
鬼子を眺めてるだけで満足だったんだよ。幸せだったんだよ。
ヘタレ? 黙れこの野郎。

そんなこんなで、朝が来て、昼が来て、夜が来て、また朝が来て。緩々と時間が流れていった。
何があった訳じゃないが、楽しかったな。


227 :鬼子綺譚 ◆L62I.UGyuw :2010/10/29(金) 11:57:22 ID:Rk8HCrMh
それでまあ、どのくらい経ったのか正確には数えちゃいなかったが、多分拾われてから一ヶ月ちょっとかね。
今後のことを真面目に考えたのさ。
脚も治ったし、さてどうするか、とな。

俺としてはその村でそのまま暮らしたかった。
だがな、戦時中で、しかもそこは敵の領土な訳だ。良く考えりゃ、俺の存在が敵にバレたら色々とヤバい。
その村が訳ありなのは明らかだしな。

悩んだが、命の恩人に迷惑は掛けられん。ましてや惚れた女を悲しませるなんてのは言語道断だ。
そんな訳で、夜中にこっそり村を脱け出すことにした。
とにかく味方の前線まで辿り着けば何とかなると思ってな。

夜、月明かりを頼りに忍び足で廊下に出ると、そこに鬼子がいた。
口から心臓が飛び出すかと思ったな、あのときは。

「行くんですか?」

鬼子は哀しい眼で俺を見た。
責めるでもなく、憤るでもなく、ただただ哀しい眼だった。
二つの角が月光に煌いていた。着物の紅葉が血のように紅かった。
初めて――そのとき初めて、少しだけ恐怖を感じた。
同時に、身を焦がすような愛おしさも。

いつか必ず戻る。
俺は何とか言葉を絞り出した。

「いえ……忘れて下さい。きっと、その方がいいんです」

忘れないよ。
小さくそれだけ告げて、後は振り返らず村を出た。

そしてひたすら川に沿って山を降りた。
二時間か三時間か歩いたところで、麓の街の光が見えた。

呆然としたね。
山の麓にあったのは、よく知った街並みだった。
何処って、今俺達のいるこの街さ。

そんなはずはないって? そうだよな、俺もそう考えた。
でも山を降りてみたら、確かにこの街だったのさ。
しかも戦争のせの字も見当たらない平和な街並みだ。

一直線にこのアパートに帰った。
ドアの郵便受けに突っ込まれてた新聞は三日分だった。
最新の新聞の日付は2007年9月5日。今から約三年前。戦争とは無縁の時代だ。


228 :鬼子綺譚 ◆L62I.UGyuw :2010/10/29(金) 11:58:19 ID:Rk8HCrMh
タイムスリップ。それ以外に説明のしようはないだろうよ。
時間だけじゃなく空間も跳び越えたみたいだがな。
そういや、元々ここに住んでたはずの俺は何処へ行ったんだろうな。
同じ人間は同じ時代に複数存在出来ないってのがSFなんかじゃよくある設定だが。
まぁどうでもいいか。

ちなみに俺の降りて来た山には何度も行ってみたが、結局あの村は見つからなかった。そうだろうとは思ってたさ。
『マヨヒガ』だとか『桃源郷』だとかの隠れ里伝説でも、いざ探しに向かうと見つからないのはお約束だわな。
だがな、俺は諦めた訳じゃあない。つまりだ、



もう一度同じことをすれば、また鬼子に逢えるかもしれない。



何だよおい。そんな幽霊でも見るような目をするなよ。

ああ、そうそう。俺の機嫌がいい理由だったな。
テレビを見ろ。
開戦時刻は2010年10月30日。記憶が正しければ日付の変わった直後。
そろそろだ。



怪しい健康器具の通販番組がブツリと中断される。
化粧の整わないニュースキャスターが蒼い顔で席に着く。
開戦を伝える緊急特番が始まる。

229 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 11:59:51 ID:Rk8HCrMh
以上です。
絵が書けないのが悔やまれる。

230 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 12:33:09 ID:mtaOZU7O
>>229

面白かった。
でも語り手の所属する国がいまいち掴めなかった。日本って設定?

231 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 12:43:06 ID:Rk8HCrMh
>>230
日本です。
「日本という名前の国」くらいのつもりではありますが。

232 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:43:29 ID:qar+EYsw
「おいケン、今週のレポートは出来てるのか?」
窓の無い広いオフィス、ボスの催促が響く。
「あ、はい。……今サーバに上げました」
ボスの席に行き、ファイル名を伝える。
「ふむ、今日は何やら手こずってたようだ……が?」
「…………」
数十人の部員が忙しく働き騒然としてるフロアで、俺とボスの周囲だけ時間が止まった。
「……なあケン」
「イエス、ボス?」
開いたファイルを見て絶句するボス。それに対し、分かってるという意味を込めた返答。
「ふむぅ……俺が日々の忙しさに未だ壊れてないとするなら、ここには、日本に新たな
擬人化キャラが誕生した、と書かれてる様に見えるんだが?」
「貴方は未だ壊れていませんよ、ボス」
つまり、壊れるのはこれからだろうから。
「しかし何故、反日デモでの常套句に対するアンチテーゼが擬人化なんだ?」
それは俺もそう思った。最初は。
「しかも、作成にあたって、かなりの人数が手弁当で参加している、と……」
読み進めるボス。その表情が徐々に愉快なものに変わる。
「なんと言う事だ、金楯を作動させた上で尚、中国のネット民に影響を与えてるのか」
参照で貼っておいた、中国の某掲示板の書き込み(英訳)を見て笑うボス。
「ハハッ、おい見ろよケン、こいつなんか早くも負けを認めてるぞ?」
愉快そうに笑う。
「何故こういう展開になるんだ? いや面白いが」

233 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:44:14 ID:qar+EYsw
そう、これはある程度共有出来る文化を持った者同士でないと、通じないアイロニー。
「ふむ、つまりあれだ、ONIという単語が日本と中国では別の意味を持っている、という
事を逆手に取った、って事なんだな?」
「はい、私もそういう理解をしております」
レポートも、同じ意味合いで締めたしな。
「しかし、今回の件は発見が早かったな。どうやったんだ?」
ネット上から、軍事や兵器に関するワードを検索し報告するプログラム/ロボット。それ
が『薙刀』という単語に反応・報告によって得た情報だ。実は先週の末から知ってたが。
その旨をボスに伝える。
「ふむ、キミの自作ソフトが大活躍した、というワケだな」
ボスの笑顔が徐々に薄くなる。
「そして今週の勤務の殆どは、そのヒマ人達のやり取りを閲覧する事に費やされた、と」
「イ、イエス、ボス」
「おおぅ、ケン。この国防省は、国民からの税金で運営されているんだぞ?」
そして素の表情から落胆方向へと変化していく。
「無論キミの給料もだ」
「イ、イエス、ボス」
そう返事するしかない。
「……ふむ、まあいい。来週はAPECの終了を受けて、当東アジア地域戦略部も忙しくなる
ぞ。今日はもう帰って良し」
「イ、イエス、ボス」
結局、最後の方はコレしか言ってなかったような気がする。……まあ、こうなるとは思ってたが。
そして中国担当達の恨めしそうな顔を横目に、帰宅の準備をした。

234 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:45:05 ID:qar+EYsw
出勤途中で込み合う対向車線を横目に、快適に車を走らせる。
途中で食事を済ませ、自分の部屋の有るアパートメントに帰り着く。車を地下の駐車場に止める。
部屋に入りシャワーを済ませ、ステレオに火を入れクラシックをかける。
部屋に満ちる穏やかな旋律。先ずは田園の風景から。
そしてPCを立ち上げ、仕事の都合上全く見れない国内のニュースに目を通す。
相変わらずグダグダな政治の話と、煮詰まって退屈な野球の話ばかりだ。
辟易し、もっと興味のあるものに切り替える。
「投票が締め切られるのか」
仕事で追いかけていた、日本の或るサイトと某掲示板。そこでは、件の擬人化キャラの最
終案が今まさに決定しようとしていた。
「しかし分からない……」
俺は学生時代に八年間日本へ留学した経験があり、それなりの日本通と言われている(事
実、わが国の国防省でも日本の情報収集担当になっている)しその自負もあったのだが、
それにしても最近の日本の変わり様には舌を巻くばかりだ。
「何故こんな露出の少ない服装の案がトップなんだ?」
MOEという感覚も、理解はしていたつもりだった。それは少女が偶に放つ、年に似合わない
色気の事だと。しかしこの擬人化案の中では、そんなテンプレ的なモノには人気が無い。
「しかも、最初からある程度デザインが決まっている」
まるで事前に申し合わせていたかのように。そうでなければ、6日間/140点の案が、ごく
初期のものを含め、ここまで似通ったものになるはずが無い。
今現在トップの案も、最初の頃に出されたものだ。
「それなのに、何故こんなまわりくどい事を。まるで祭りのように」
もうここまで2位との差が開けば、さっさと決めてしまえば良いものを、と思ったところ
で、不意に『祭り』と『祝福』という言葉がイコールで繋がった。
意味は無い、ほんの思いつきなのだが、それがこの騒ぎの本質を顕してる様な気がした。
「そうか、『祭り上げる』のか」
敢えて票差を付ける事によって、トップの案に重みをつける。その重みがキャラクタの厚
みに代えられるとしたら? そしてそれが神による祝福と同義なら?
「なるほど……」
日本人は基本的に無宗教だ。しかし宗教的な発想を全くしないわけではない。
方向が真逆なのだ。俺たちが神から何かの恵みを期待する時、日本人たちは神に何かをし
ようとする。彼らにとって神とは、俺たちの認識とは別のものなのだから。
「同じ単語でも別の意味を持つのか」
今回の一件に共通するフレーズ。この段差は、軍事戦略にも有効な事は今日のレポートに
も書いた事だ。そう俺自身が!

235 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:46:04 ID:qar+EYsw
「来週、ボスに相談すべきだろうな。いや今すぐにでも?」
と思ったところで鳴る携帯電話。……必要な時に限って余計な電話が入る、まったく。
「ケンか? 休んでるところスマンな」
意外にもボスからだった。彼ももうすぐ帰宅の時間だろうに緊迫した口調。嫌な予感。
「イントラが例のアレでトラフィックだ。悪いがすぐに来てくれ」
例のアレ。省内ネットにトラフィックをもたらすものと言えば、最近猛威を振るっている
中国由来のサイバーテロ。擬人化案が決まりそうな時に。
「分かりました、すぐ参ります」
電話を切ると、クラシックが魔王の襲来の場面に切り替わっていた。

車を飛ばし仕事場に着く。フロアでは部員たちがてんやわんやの大騒ぎだった。
「ケン、こっちだ!」
ボスに呼ばれ、サーバーマシンの前へと行く。
「これは……酷い」
席に着きつつ、素直な感想が漏れる。
「なんとかなりそうか?」
質問には答えず、先ずは即効性のある(と思われる)対応データを打ち込んでいく。
このサイバーテロの特徴は、予め送り込んでいた一件無害なデータを時間で結束させ、そ
れに稼動命令を出すプログラムを送り込む事により稼動するというもの。
それは、仕込んだサーバを中心にしたPC端末間の通信を無効化させる。我々はこれを
中国に因んで『虎』と呼んでいた。
「今日の虎はしつこいです。最悪サーバを止めるしかないかも」
「そんな、なんとかならんのか!?」
途中でサーバを止めると、後の復旧が大変な事になる。それはゴメンだが、このままでは
サーバが物理的に(異常に発生した熱により)破壊される危険性すらあった為、苦肉の判断だ。
「中国人民達に言って下さい!」
全く、連中は今回、一体何人を動員して来てるんだ? こりゃ100や200じゃないだろう。
「ファッキン!」
毒づくボスの向こう、部員たちのPCからも湯気の様なもの(いや、現実には異常な不要
輻射による磁界のレンズ効果なのだろうが)が立ち上り始めていた。
「ボ、ボス、あれ……!」
「ん? ア、アレは何だ……?」

236 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:47:03 ID:qar+EYsw
PCから立ち上っていた揺らぎが集まり、全長5mほどの動物のような形になっていた。
それは金色の毛を持つ、そう『虎』だ!
それがフロアの中を縦横無尽に走り回り、PCやその他の電気製品に火花を起こさせる。
しかも、他の部員たちには(恐らく光の角度の都合なのか)それが見えてない様だった。
「ケン! あれも虎だ!!」
立ち向かおうとするが、角度が変わると見えなくなるのか、すごすごと元の位置に戻るボス。
「ボス、実は自宅で考えてみたんですが」
慌しくキーボードを叩きながらも、ボスに話しかける。
「なんだ?」
「この度の日本での擬人化の件、アレは特別な意味が有るんじゃないかと」
「なっ、そんな事今は関係ないだろう?」
今までの擬人化と言えば、最初にモノが有る状態だった。今回の様に言葉とか概念を擬人
化するケースは稀だった筈。しかもこんな大規模で。
「関係、無くはないですよ」
この部署のPC環境は、あまり大っぴらに出来ないハッキングを含めて、日本を中心とし
た東アジアのネットが模された状態になっている。だから、日本のネットも今現在、かな
りのトラフィック状態になっている筈だ。……それなら。
「一縷の望みを託してみます」
初音ミクも東方も、ベースになるデザインが最初にあった。それから二次創作が爆発的に
増えていった。しかし今回の擬人化は、先ずベースから作り出そうとしている。
それはまるで神を創造する様に、いや、自身が神になるのだろうか? まあ兎も角。
「ちょうど時間の様ですから」
それは件の擬人化案の投票が締め切られる時間。時計を確認。何とか間に合ったか。
サーバに無理矢理突っ込んだブラウザを立ち上げ、投票会場になっているサイトへ接続。
そこでは丁度トップが決定した瞬間だった。あのスタンダードな着物の娘が。
「ここに集まってる人間に応援を頼みます」

237 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:48:06 ID:qar+EYsw
擬人化の絵を中国へばら撒けば、ある程度沈静化させることも可能かも。
逆に言えば、もうそんな事くらいしか頼れるものが無い状態だった。
「な、なるほど……そんな事が」
ボスが、出来るのか? と発音しようとした瞬間に、サーバから湯気の様な揺らぎが立ち
上り、その中に黒髪ロング+赤い着物の少女が現れた!
「でっ!?」
あれは、たった今決まった擬人化案のトップの娘!
その娘は、暴れている虎に狙いを定めると一気に飛び掛り、持っていた薙刀で四等分にし
てしまった!
「きっ?」
「!!」
途端に正常な状態に戻る、PCやサーバ。
事情の分からない部員たちは、皆一様にキョトンとしている。
「…………」
机の上に立ち、虎が消えた事確認した後、僅かに振り返ってこちらを見る娘。
「なっ!」
消えてしまった。
「ア、アルカイックスマイル……」
ボスが搾り出すように。それは東洋の神秘。俺たちが未だに理解出来ない謎の感情。
その、よくよく見ないと分からないほどの薄い笑みを残して、その娘も消えた。
「……なあ、ケン」
「は、はい」
「あれが、『日本鬼子』っていうものなのか?」
「イ、イエス、ボス」
そう言うのが精一杯だった……

238 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:49:54 ID:qar+EYsw
長文・駄文にて大変失礼しました!

239 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:51:05 ID:nBXmnG5w
ト、トウカ、オツww

240 :創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:51:24 ID:Ed1yzFYE
>>238
乙!
たのしかたよ!

241 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 00:32:12 ID:j5++JixX
ボスwwwww

242 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 00:40:20 ID:G4wb1daV
乙www
こっちはまったりしてていいな

243 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 01:12:03 ID:I7y2v8i2
いやいやSSっつったら鬼子がでてきていろいろするのかと思ったが 
こういう捉え方もあるのか、すばらしい発想だ 
男の語りや国防省のドタバタ…感銘を受けたってやつだ

244 :こにぽん!こにぽん!:2010/10/30(土) 01:29:10 ID:j5++JixX
 背筋がぞくりとする冷気を感じ、不意に目を覚ました。寒さのせいか、寝起きだというのに妙に意識がはっきりとしている。
 ベッドの上においてある目覚ましを見ると、セットした時間より20分程早く起きてしまったらしい。なんとなく勿体無さを感じる。
 
二度寝をしようと再びベッドに転がり、毛布をぎゅうと体に巻きつけた。数分をその体勢―はたから見れば巨大な蓑虫―で過ごすものの、一度はっきりと覚醒した意識のままでは、もう一度あの至福の時間に戻ることはできなさそうだった。

 そして何より寝付けない理由の最大の要因は
「寒い……」
 そう、非常に寒いのである。まだ初秋であるはずなのに、室内で呟いた俺の吐く息には白いものが混じっている。とても毛布一枚では耐え切れそうにも無い。

 この寒さのせいで、寝起きだというのにこんなにも意識がはっきりとしているのだろう。普段の俺の寝起きは、非常に悪いのだ。目覚ましが鳴ってからも一時間は寝続けている、という具合に。そのせいで遅刻の常習犯になっていたのはまた別の話。

「こんな寒さが続くようじゃ、毛布一枚だときついよなぁ。布団を出すしかないか。……くぁあ」
 二度寝ができないのなら仕方ない。あの心地よさを味わえないのは非常に残念であるが、諦めてベッドから起き上がり、一つ伸びをしてみた。
 
体中の骨が、小枝を折った時のような軽快な音を上げる。たまには早起きもいいものだと前向きに考えてみよう。
 それに、起きなかったら起きなかったで、ここ最近同居を始めた奴らに無理矢理叩き起こされるのだ。その時の苦痛を考えれば、今日は自分で起きられて良かったと思う。

 さっさと顔でも洗って温かいコーヒーでも飲むかと、ドアに向かって一歩を踏み出した時だった。ドアノブがゆっくり回され、微かな軋みを上げてドアが開いていく。
「……にい様、まだ寝てる?」

245 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 01:31:46 ID:j5++JixX
開いたドアの隙間からひょっこりと顔を出して、遠慮がちに声をかけてきたのは、見た目は歳のころ10歳前後の小柄な女の子。
 くりくりとした大きな瞳で俺の部屋をざっと見渡し、ドアの脇に立っていたこちらの姿を見止め、いつもより早起きな俺に驚いたのか、その瞳がますますまん丸になった。

「あれ、にい様がもう起きてる! まだ目覚ましも鳴ってないのに! なんでなんで〜?! すごーい!!」

 俺が早起きしていることはそんなにも驚愕する事態なのだろうか。

 少女は驚きの喚声を上げつつ、勢いよく室内に飛び跳ねながら駆け込んでくる。桃色に花びらを散らした柄の着物の袖が軽やかに舞う。襟足が首筋まで伸びているショートボブの髪の毛がふわふわと優しく跳ねて目に楽しい。そして

「おぐぅ!!」

 ……駆けた勢いのまま俺のみぞおちに見事な頭突きを決めてきやがった。当然息がつまって言葉を発することができない。あまりの衝撃に膝を着きそうになったが、かろうじて堪えた。
 こんな小さな少女の頭突きでダウンしたなど、末代までの笑いものになっちまう。だが呼吸まではどうにもならない。

「くはっ……こひゅー……ひゅー…………おぇっ…………」
「あれ? にい様どうしてそんなに苦しそうなの? お腹痛い?」

 喘ぐ俺に抱きつきながら、少女が心配そうに声をかけてきた。
 お前の馬鹿力のせいで苦しいんですよ、とは流石に言えず、手のひらを相手に向けてちょっと待てのジェスチャー。必死に呼吸を整えた。

少女は相変わらず俺に頭突きをかました時の姿勢のまま、こちらの腰に手を回してひしとしがみついている。心なしか今度は横腹の筋肉が悲鳴を上げている気がする。

 抱きつきながら俺を見上げてくる瞳は、純粋無垢な子供のそれ。悪気など毛ほども無いのだろう。それはわかる。
 こちらとしても、小さな女の子に兄と慕われることに悪い気はしないが、それでも痛いのは勘弁願いたい。なので、相手を傷つけないように優しく声をかけてやった。

「離せやこらお前の馬鹿力で苦しいんだよ離れろ」
「え……にい……さ、ま……?」

 まずい間違えた! つい理性が本能に負けて本音を出してしまった! ああほら、びっくりして固まってるじゃないか。早く言いなおさないと。

246 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 01:34:07 ID:j5++JixX
「すまん今のは冗談だ。だから泣くな……痛い痛い絞めないで絞めないで何か出るから! お腹圧迫されて中身が出そうになるから!」
「ば……馬鹿って……にい様が馬鹿って……今言ったぁ……」
「言ってないぞ言ってない! 言ったとしたらそれはきっと小日本が馬鹿みたいに可愛いって言ったんだよだから離して! 何かが搾り出されちゃうから!!」

「嘘だぁ! 言ったもん! それにまた約束破った! こにぽんって呼ぶ約束だよにい様! こ〜に〜ぽ〜ん〜!!」
「わかったこにぽん! こにぽん苦しいからちょっと力抜いてお願い! ほんと無理だから……!」
「こには馬鹿じゃないよね? にい様から離れなくてもいいよね?」
「こにぽんが馬鹿なわけないだろ! 才女だよ才女! そして離れなくていいからせめてもっと優しくぅ……!」
 
あまりの苦しさに呼吸が止まりそうになる。いや実際今止まったかも。だって息吸えないし。こにぽんの馬鹿力のせいで肺から空気が全て搾り出された。このままでは本気で窒息死しかねない。

 こんな時はどうすればいいんだったか。長い付き合いではないが、それでもそれなりに学んだことはあるのだ。必死に記憶を手繰り、そういえばと、あることを思い出す。

 こにぽんが拗ねた時や怒った時、この子の姉はよく頭を優しく撫でてやっていたっけ。
 その光景が脳裏に浮かんだ瞬間、俺は迷うことなく自分の手のひらをこにぽんの頭にぽんと乗せ、そのまま前後に優しくさすってやった。

「ふあ……? ん……」

 突然俺に頭を撫でられたこにぽんは一時は戸惑いの声を上げたものの、俺が頭を撫で続けると、その声は徐々に気持ちよさそうな甘える声へと変化を遂げていった。

「んう〜。……くふふ、くすぐったいよにい様……」
「そうか。とりあえずは落ち着いてくれたようで何よりだ」

 主に俺の命に関わる面で。

247 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 01:35:35 ID:j5++JixX
どうやら今のやり方で正解だったらしい。こにぽんは先ほどの馬鹿力が嘘のように、今はほんのささやかな、それこそ只触れるだけの力具合で俺の懐に身を預けている。

「撫でられるの好き〜。にい様は上手だね!」
「そうか? ならもうちょっと撫でてやろう」
「うん! えへぇ〜」

 気持ちよさそうににこにこと笑いかけられては、こちらとしても頭から手を離すのが名残惜しくなってしまう。リクエストにお答えして、もう少しだけ撫で続けることにした。
 こにぽんの髪の毛は、子供特有(なのだろうか? 他の子の髪の毛なんか、触ったことが無いからわからない)の柔らかな感触で、押さえつけてもその弾力ですぐに膨らみを取り戻す。

 なんだか長毛種の猫か犬をあやしているみたいな気になってくる。こにぽんが気持ちよさそうに微かな笑い声をあげるので尚更に。
 暫く少女の頭の感触を楽しんでいると、不意に俺の手のひらがこにぽんの額のある部分に触れてしまい、その拍子に彼女が小さく驚きの声を上げた。
 慌てて謝る。

「ああ、悪い悪い。痛かったか?」
「ううん、痛くはなかったけど……。急にさわられちゃったからびっくりした。敏感なところだから」
「そうだったな。今度から気をつけるよ。ごめんな」
「うん。角はとっても大事なところだから、簡単に触らせちゃ駄目って姉さまも言ってたもん。だから触るときはちゃんと言ってね、にい様」

 許可を取れば触っていいのか? そんな簡単なもんでもないような……。まあ、まだ小さいからきちんとは理解していないのかも知れない。
 俺なんか、こにぽんの姉から『触ったらへし折る』とまで言われたのに。何を? とは勿論聞いていない。というか聞きたくない。

 改めてこにぽんの額に目をやる。そこには、ほんの数センチではあるが、確かな突起物―一本の角―が、前髪を掻き分けて突き出していた。
 そう。この少女、本名を小日本と名乗る小さな少女は、額に一本の角を持つ鬼の子供なのだ。

248 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 01:37:29 ID:j5++JixX
昔はどこにでもいたというのだが、現代社会ではその姿を見ることは珍しくなってしまった、正真正銘鬼の娘。
 だからこその馬鹿力。鬼特有の能力で、身体能力が只の人間とは比べようもなく高いのだ。でなければ、俺が只の少女に絞め殺されかけるなんて有り得ない。
 普通の子に抱きつかれたところで、はははこやつめ、で軽くあしらえてしまう。
 
因みに、にい様と呼ばれてはいるが、俺は鬼ではない。只の、それこそどこにでもいる一般的な十代男子だ。同居している年上の男ということで、にい様と呼ばれているにすぎない。

 まあこにぽんは兄が欲しかったと言っていたので、本当の妹のようによく懐いてくれている。
 小日本という名なのにこにぽんと俺が呼んでいるのは、そう呼ばないと彼女が怒るからだ。でないと先ほどのような地獄を見る破目になる。迂闊だった。

 こにぽんは○○歳という歳のわりに背が小さいことを気にしていて、自分の名にある『小』の一文字が気に入らないらしい。
 では何故こにぽんはいいのかと尋ねたら、響きが可愛いからと、打てば響くと言わんばかりの即答だった。やはり子供だ。

 ああ、当然というのもなんだが、こにぽんの姉も正真正銘鬼の娘。歳は俺と同じで十六歳。だが、こにぽんと違い額の角は二本ある。
 何故本数が違うのかと、出会ってから数日経ってようやく尋ねてみたことがある。恥ずかしながら、俺は鬼の人について全くの無知だったのだ。

 教えられたことによると、鬼の角は十五の歳までは一本なのだが、十五歳になってから幾日かが過ぎると、一本角は抜け落ちてしまうそうだ。その後間もなく、新たに二本の角が額から生えてくる。

 要は人間の乳歯と永久歯みたいなものらしい。大人になった証ってやつか。だから子供のこにぽんは一本で、姉の彼女は二本なのだ。やはり俺達人間とは大分違うのだなと、その話を聞いたとき思ったものだ。
 閑話休題。

249 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 01:38:41 ID:j5++JixX
姉と言えば、ふと気付いたことを未だ俺に抱きついたままのこにぽんに尋ねてみた。

「なあこにぽん。なんでこんなに早くから俺の部屋に来たんだ? 姉ちゃんと寝てたんじゃないのか」
「うん。でもねえ様は先に起きちゃってて。こにが起きたらお部屋に居なかったから、にい様のところに遊びに来たの」
「遊びにって……。俺がまだ寝てたらどうするつもりだったんだ」
「え〜? そしたらいつもにい様を起こすみたいに、お腹の上にどーんってしようと思ってたよ」

 それはやめてっていつも言ってるのに……。
 今朝は自分で起きられたから、最近恒例のこにぽんフライングボディアタックを喰らわなくて済んだが、俺の不用意な一言で地獄の鯖折をかまされたので、結局痛いのは同じだった。
 もしかしたら、こにぽんに新たな必殺技を授けてしまったのかもしれない。恐ろしいことだ。

「で? 姉ちゃんはこんなに早く起きて何してんだ?」
「わかんない! 多分ご飯作ってるんじゃないかな?」

 そうかもしれない。毎朝の朝食は彼女が作ってくれているので、こにぽんの予想は恐らく当たっているだろう。
 その時、丁度目覚ましがけたたましい騒音で起床時間を告げた。
 その音を合図にこにぽんは俺の懐を離れ、ベッドに駆け寄り目覚ましを止める。何がそんなに嬉しかったのか、そのまま顔だけを俺のほうに向けて、にこやかに微笑みかけてくる。

「ありがとうこにぽん」
「どういたしまして! えへへ!」

250 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 01:41:12 ID:j5++JixX
とりあえず礼を言ったら、胸を張って無邪気に破顔する。その笑顔につられ、思わずこちらも頬が緩んだ。今の笑顔だけで、さっきまでの痛みなんて吹き飛んでしまう。

「じゃあ、下に行って朝飯の準備でも手伝おうか」
「うん! ねえ様のお手伝いする〜」

 俺の提案に大きく頷きを返し、こにぽんは先に立って部屋を出る。着物の裾を翻し軽やかに駆けていく少女の後を追って、俺も部屋を後にした。
 初秋だというのに、少女が纏う桃色の着物からそよぐ風に春の息吹を感じた。
 
廊下に立って、思い出したかのように身震いを一つ。そういえば、寒さのあまり目を覚ましたんだったけ。

 とりあえずは顔を洗ってから、予定通りコーヒーの一杯でも飲もう。俺がコーヒーを飲んでいると、鬼の子二人はとても嫌そうな顔をする。

 炒った豆から抽出した黒い水など、視界にも入れたくないのだそうだ。

 そんな二人の表情を眺めながら飲むコーヒーーもまたいいものだ。俺は密かにほくそ笑んで、階下へ降りようと階段へ一歩を踏み出した。

251 : ◆e1uSVm8EAw :2010/10/30(土) 01:42:33 ID:j5++JixX
終わり! こにぽんも色々決まるといいなあ
鬼子ちゃんデザイン待ちだけど、待ちきれなくて書いてしまいそう
まとめ人さん絵師さんお疲れ様です!

252 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる:2010/10/30(土) 12:03:45 ID:pUAMd/p+
中国の横暴は、とどまるところを知らない。
平和ボケしている場合ではない。日本のあちこちで行動が起こり始めた。
ネットでの呼びかけ、デモ……。
日本の最大の武器、それは『萌え』なのかも知れない。
そして生まれた、萌えキャラ『日本鬼子』。

その日本鬼子を主人公にしたリレー小説を、みんなで書きましょう。

【規約】
・他スレの話題を持ち込んでくる奴など、荒らしはスルーしましょう。
・主役はあくまで『日本鬼子』です。他の漫画のキャラを出すのは構いませんが、ほどほどに。
実在の人物はなるべく控えめに。
 自分の考えたオリジナルキャラで小説を作りたい方や エロ、グロ、スカトロネタで小説を作りたい方は
それに相応しいスレへ行くのがよろしいかと。
・長文は控えてください。
・リレー小説なので流れを読んでしっかり話を繋げてください。自己中な急展開、
政治についての蘊蓄語りは迷惑です。
荒らされることがあっても弱音を吐かずにがんばりましょう。

関連スレ、サイト
【荒しは】萌キャラ『日本鬼子』制作 8【スルー】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1288406807/l50

【萌】日本鬼子でエロパロ【中国】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1288334632/l50

日本鬼子って萌えキャラ作って中国人を萌え萌えにしてやろうぜ まとめ@wiki
http://www16.atwiki.jp/hinomotooniko/


253 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 12:03:56 ID:59rrOuk0
>>251
乙!
男うらやましいわ

254 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる 1:2010/10/30(土) 12:09:30 ID:pUAMd/p+
西暦2010年、中国。
目ざましい経済発展を続ける一方で、貧富の差の拡大に加え、少数民族の迫害、公害、汚職、
さらには近隣諸国への侵略と、ありとあらゆる矛盾と暴虐がはびこっていた。
民衆の不満はたまる一方であり、その不満をそらすため、日本を悪として糾弾する官製デモ、
いわゆる政府のやらせデモでガス抜きをしてごまかしていた。
それでも政府に逆らう者は、力で抑え込む恐怖政治で取り締まっていた。

尖閣諸島、中国では釣魚島と呼ばれる島々。
日本、台湾、そして中国が領有権を主張していた。
この諸島の近海で、日本の海上保安庁の船に、中国の漁船が衝突すると言う事件が起こった。
漁船の船長は逮捕され、勾留された。
中国は逮捕の名のもとに日本人の人質を取り、さらには経済制裁を仕掛け、船長を釈放させた。
この外交戦は、中国の勝利に終わったかに見えた。
だが、それで幕引きとはならなかった。
本当の戦いが、これから始まる……。



振り返れば日本鬼子がいる




255 :リレー小説:2010/10/30(土) 12:32:18 ID:mh2c6zX8
全世界の皆「鬼子かわええ」



256 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 12:35:03 ID:eEAnnlgy
鬼子は誓った。
全世界を萌え散らせてみせると。

257 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる 1:2010/10/30(土) 12:49:56 ID:pUAMd/p+
ある日、中国、四川省のある街で……
「打倒小日本!」
「保持釣魚島!」
官製デモは続いていた。
「!? 誰だっ! てめえ!」
デモ隊の一人の男が叫んだ。
目の前には、見知らぬ女が立っていた。

258 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる 1:2010/10/30(土) 12:55:59 ID:pUAMd/p+
黒く長い髪、それほど高くはない痩躯の身体、 切れ長の黒い瞳、それだけならば驚かない。
だが、デモ隊は驚愕した。
頭から生えた二本の角、紅葉柄の和服、腰に下げた刀らしきもの、そして連れている犬。
その犬はただの犬ではない。放つオーラでわかる。
「奴は……まさか!?」

259 :リレー2:2010/10/30(土) 12:56:01 ID:mh2c6zX8
鬼子「…」

人々「悔しいっ…でも萌えちゃうっ…」



260 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 12:58:56 ID:+9uSmpTF
鬼子さん、流石である

261 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる 1:2010/10/30(土) 13:27:43 ID:pUAMd/p+
「あいつ、日本人だ! やっちまえ!!」
群衆は女に向かって走り出した。
警備に当たっていた警察は見て見ぬ振りだ。日本人ならば殺してもおとがめなし。
警察は日本人に対する無法を許すどころか高見の見物で楽しんでいた。
だが。
「ぎゃあああああああああ!!」
次の瞬間、何十という死体の山が転がっていた。
ある者は首がない。ある者は胴体をまっ二つ。
刀を構えた女は返り血を浴びながらも、息一つ切らせていない。
直ちに、武装警察の隊員が銃を発砲した。
機関銃の一斉射撃で女は蜂の巣……にならなかった。
傷一つ負っていない。服に汚れが付いた程度で、身体は綺麗そのものだった。
「ば、化け物!?」

262 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:29:13 ID:+9uSmpTF
鬼子「私の歌をきけぇ!」

すかさず鬼子は三味線を取りだすと謳った。
ラブ&ピース。
歌で世界を平和にするというトンデモないことを、武装警察の前でやりはじめたのである。

263 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:33:35 ID:mh2c6zX8
「音楽担当はアタシなんだからーー!!」
小日本が勢いよく平たいステージに踊り出…


笛を吹き初めた。

鬼子「い、今ギターやってて…だからさ…」

小日本「ギターの音くらい笛で出せるよっ!」

すると笛からは…まぎれもないギターの音が!!

彼女はまさにそう、某笛使い漫画の主人公と化したのだ!

264 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:34:08 ID:+9uSmpTF
ってかさぁ、ID:pUAMd/p+さんはなにをやりたいわけ?
趣旨から離れすぎ
中国憎しなのはわかったから萌え散れ

265 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:35:05 ID:+9uSmpTF
>>263
高性能な尺八ですね、わかります

266 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる 1:2010/10/30(土) 13:36:00 ID:pUAMd/p+
武装警察は驚いたが、機関銃の射撃を続けた。
しかし、全弾撃ち尽くしても全く通用しない。
「おのれ、日本鬼子! ……戦車を出せ! 轢き殺せ!!」
隊長が命令した。

267 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:37:49 ID:+9uSmpTF
ところが戦車は痛戦車になっており、アニソンを流しながら隊列を組み鬼子の後ろについたのだった

268 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる 1:2010/10/30(土) 13:39:56 ID:pUAMd/p+
「あっ! 戦車隊が裏切った!」
群衆がどよめいた。
戦車砲は武装警察の本隊を向いている。
「悪く思うなよ、日本は嫌いだけどアニメは好きなんでねぇ」

269 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:41:28 ID:+9uSmpTF
次の瞬間、戦車は擬人化して幼女になってしまったのである
恐るべし、鬼子

【完】

270 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:41:29 ID:mh2c6zX8
兵士の一人が叫んだ

「萌に国境はない!」

271 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:44:42 ID:AXqqPtUe
設定(wikiから転載)


↓最初、鬼子ちゃんちゅっちゅ ◆wgtXDfHaPLUFが出した大まかな設定
・黒髪ロングストレート 乳は現状各自 見た目年齢は16〜18くらい  
・平時:ほのぼのアホ可愛いぷに娘 戦闘緊迫:切れ長の目角もちょい立派
・装備・装飾:自由だけど例として 刀、金棒、槍、長刀、般若の面、着物、神道衣、紅葉色の着物 
・すぐ泣いちゃう 炒った豆ぶつけられても泣いちゃう  
・嫌いな食べ物は基本無し、わんこそば好き 多少一般に縁の無い食材でもうまけりゃ食う  
・刺青あり 桜や鬼など ぷに娘時見られると恥ずかしくて泣いちゃう 
・弱点:炒った豆  
・ちょっとツン入ってて髪長くて、綺麗めでちょっと泣き虫でいじわるだけど根は優しい寂しがりやの女の子 
・般若の面(面に意思があったり 生成>中成>本成段階あり 各段階で肉体変化、気性変化、能力変化等    
・二つの人格、人格変換時に肉体変化も 肉体変化だけでボインなぷに人格とかもアリだと思います!     
・ペット?使い魔?:猿、犬 
・敵:人の心を巣食う鬼と戦う 
・山奥住まい、角と武装で人から恐れられる、誤解を解こうと追いかけ更に(ry


↓後にまとめられた基本設定
・名前・日本 鬼子
・帽子:鬼(般若?)の面をしている
・髪の色:黒
・髪型:ロング
・身長:中くらい
・体重:軽め
・目の色:普段は黒だけど怒ると赤 
・角の本数:二本
・バスト・ウエスト・ヒップ:華奢だけど一応Cカップ
・服装:(基本)紅葉柄の和服
・目の形:切れ長
・年齢:16〜18
・性別:女
・好きなもの:わんこそば
・嫌いなもの:炒った豆
・性格:大人しいけどキレると怖い
・得意な事:人の心に住まう鬼を退治する
・好きな国:日本 
・武器:薙刀
・使い魔:犬
・入墨は自由


↓取り巻くキャラ(仮) 
仲悪い幽霊ちゃん、いじめる赤鬼、慰める青鬼、 
西洋鬼子(サキュバスの様な百合属性、生きるために嫌々精も吸う)

272 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:46:05 ID:+9uSmpTF
そのころインターネットでは、鬼子とはなんぞやと思った中国人が検索結果に仰天していた
「そうか萌えキャラのファンの集いなのか」
反日デモはいつのまにかヲタク集団扱いなった。

273 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる 1:2010/10/30(土) 13:48:51 ID:pUAMd/p+
一斉に戦車の砲撃が始まった。
壮絶な無差別砲撃で、民間人、武装警察を問わず、次々と倒れる。
あちこちで火の手が上がった。
女=鬼子は恐ろしく感情のこもっていない目で、遠巻きに惨状を眺めていた。
戦車隊の反乱が起こった武装警察は、鎮圧すべく援軍を人民解放軍に要請した。

274 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 13:53:25 ID:+9uSmpTF
リレー小説(笑)

275 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 14:21:53 ID:AXqqPtUe
参考キャラ画像探して本スレの画像URL漁ってたらwikiの方がよくまとめられていたのでござるの巻

まとめwiki
ttp://www16.atwiki.jp/hinomotooniko/

そろそろ本気だす


276 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 14:28:15 ID:AXqqPtUe
AAもあったのでURLだけぺたこぺたこ

ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1288342322/811-813
ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1288342322/836
ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1288342322/837

277 :鬼子、受難の日:2010/10/30(土) 16:14:53 ID:fO96GI3P
 私は日本鬼子。
 烏の濡れ羽色と評判の母譲りの髪と少し控えめな胸、鬼の誇りの立派な二本角、頭に被ったちょっとおっかない般若面がチャームポイントの普通の女子高生、のはずだったんだけど……

 「どぉしてこんなことになってるのよぉぉぉぉぉぉぉーーーー!!!」


☆☆☆


 その日、私が学校に着くと新しい転校生の噂で教室内はもちきりだった。
 女子高、それも私立学校の2年次。10月という中途半端な時期の転校だなんて何か特別な事情があるんだろう。
 お話好きの小鳥達にはかっこうの餌といったところ。
 ぴーちくぱーちく。うるさいったらありゃしない。
 こっちは昨夜遅くまで糞ババの修行に付き合わされていたっていうのに。
 私は今、祖母とともに住んでいる。名を小日本と言い、その名の通り見た目は子供かと見紛うほどに幼い。
 10か11かと、知らぬ人が見たら思ってしまうほど、どこからどうみても幼女な老女である。
 皺ひとつない肌、光沢を失わぬ黒髪。若々しいほどに若々しすぎるほどの声。
 まさにザ・幼女。
 しかし、それに騙されてはいけない。彼女は我が家に先祖代々伝わる日ノ本流薙刀術の当代当主である。
 そんじょそこらの男共が束になってもかなわないほどのべらぼうな強さを誇る鬼ババなのだ。
 子供のころから次代の跡継ぎとして日々修行を積まされている私だが、未だに敵わない。
 そろそろ齢80にも届こうかという老人のくせに、なかなかどうして衰えを見せない婆だ。
 昨日も、普通の女子高生に薙刀は不要という私を引きずって、一日中道場に缶詰。
 おかげでせっかくの日曜日が丸つぶれ。珍しく誘われた別クラスの人とのショッピングも断ることになってしまった。
 昔からこんなことをやっているせいで、私には一人も友達がいない。
 ……悔しくなんかない、寂しくなんかないもんっ!
 いつか、いつかあの鬼をぶちのめして、修行漬けから抜け出し、友達いっぱい作るんだっ!!



278 :鬼子、受難の日:2010/10/30(土) 16:15:43 ID:fO96GI3P
 と、そんなことを考えているうちにHRが始まった。
 今日も誰にも話しかけられなかった……
 やっぱり自分から話しかけにいかないといけないのかしら。
 でも、なんて言って話に混じったらいいかわからないし……
 夏休み明けに勇気を出して声をかけてはみたものの、全く続かなったのよね。
 あれはもはやトラウマものだわ。
 夏休みに行った刀剣博物館で観た童子切安綱の美しさ。その感動を誰かに伝えたかっただけなのに。
 精一杯の笑顔で「刀っていいよね!」って。
 あの危ない人を見るかのようなクラスメイトの顔が忘れられない。
 家にいつの間にか住み着いている鶏が人になったかのようなヤツ、自称心に住まう鬼にその時の再現をしてみたら、「刀、いいよ……」ニヤリ、と身の毛もよだつ笑み付きで返された。
 もちろん、ぶちのめしてやった。
 その後、凹んだけど。
 大体、あの鶏冠野郎いつまで家にいるつもりだって、あら?

 「―――さん。―――本さん!―――日本さん!」
 「っは、はいっ!!!」
 「もう、朝から何ボウッとしているんですか。転校生の子、あなたの隣の席だから面倒見てあげてくださいね。」
 「へ?あ、はい。」
 
 ああ、やっちゃった。先生の話、一言も聞いてなかったわ。
 これでまた変な子ってみんなに思われちゃう。転校生にもみっともないとこ見られちゃったな。
 自己紹介が終わったのだろう。先生の隣に立っていた転校生がこちらに歩いてくる。
 初めての友達になれるかもしれないってちょっと期待していたんだけど、
 名前すら聞き逃していたなんて思われたら無理だよねぇ。ぐすん。
 
 「西洋魔子。これからよろしくね。」

 にっこり笑って名乗る彼女を見て、美少女ってこの世にいるんだな、そう私は思った。
 
 「?どうしたの?」

 首を傾げて問う姿すら美しい。

 「え、いやっ、なんでもない。私は日本鬼子、こちらこそよろしく。」

 慌てて名乗りを返す。ここでじっくりと彼女の顔を見ることになるんだけど。
 窓から入る日光を受けて輝かんばかりの金髪、くりっとした透き通るような碧眼、すらりと整った鼻筋に、立派な羊角。
 西洋魔子さんは10人いれば10人とも綺麗、かわいい、と言ってしまうようなそんな美少女だった。




279 :鬼子、受難の日:2010/10/30(土) 16:16:39 ID:fO96GI3P
☆☆☆


 「まさに理想の女の子ってそう思っていたのにっ!」
 「あら、本当?うれしいわ鬼子。」

 にこり、と子供のように邪気を感じさせない笑顔。
 が、その裏でがっちりと私の腕に組み付いて離さない力はまさに悪魔級。

 「だから西洋さん。私には、」
 「魔子。」
 「いやね、西洋」
 「魔、子。」

 くっ。かわいらしい顔をしてなんて強引な。

 「……魔子。」
 「はい、鬼子。」
 「いい加減、腕を離してくれない?」
 「い、や。」

 そう、授業が全て終わって、下校途中の今。彼女は私と腕を組んで離さない。
 転校初日、何かと不便だろうと世話を焼きまくったせいかわからないが。
 昼休み、この超絶美少女西洋魔子ちゃんはあろうことか、食事の時間に爆弾発言をかましやがったのだ。
 「私、あなたのこと好きになっちゃったかも。」と。
 頬を染めて上目使い。恋する乙女の顔だった。

 認めたくはないが、クラスの中でも一際浮いている私である。
 その私に向かって、こともあろうにこの悪魔っ娘は言いやがったのだ。
 好き、と。
 水を打ったように静まりかえる教室。
 いや、そこかしこでひそひそとささやく声が聞こえる。
 百合?マジで?ああ、でも日本さんだし?等々。
 なぜか、私を百合っ娘にして、雛鳥たちが新たな餌に食らいつく。
 そして、「お幸せにね?」「応援してるからね?」などとなぜか疑問形でみな口々に言う。
 否定しようとしてもあまりの事態に頭と口が追い付かず、私が茫然としている間に、魔子がありがとーなんて暢気な声で応じていた。

 「私は友達が欲しかったのに……なんで百合っ娘が……」
 「あら?友達より恋人の方が素敵だと思わよ。」
 「その恋人が男ならね。」
 「うふふ、その認識がいつまで持つかしら。」

 ひぃっ。
 今の顔怖っ。獲物を見つけた猟師の、それも狩る顔だったわ。
 ガチすぎる。
 ああ、もうほんとに。


 「どぉしてこんなことになってるのよぉぉぉぉぉぉぉーーーー!!!」


 (完)

 ロリババァは正義。

280 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 17:20:25 ID:tYvSztCG
やっとおいついた
みんな描写が映像みたいにうつるわ、おもしろいww

でもリレーssって一人でたんたんと進めていくんだな、
はじめて知ったぜwwww

281 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 18:20:42 ID:+7FdfuOL
リレー小説には触れないようにしよう
そのうち諦める

282 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 18:40:08 ID:U0DwMrGz
ニュースから来た一見さんなんですが、
性別年齢容姿も萌えであれば、一切空白なんですよね。
萌えの男性キャラという変わり種も見たいです。

283 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 18:54:55 ID:G4wb1daV
なんだよここにも沸いたのか

284 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 19:15:46 ID:hR0tesCB
>>282
俺も見たい、が、やったらダメな雰囲気
ショタとか男の娘な鬼子とか描いてみたい、が、やったらダメな雰囲気

どうせ鬼子♀が鬼子♂に犯されるのとかが量産されるんだぜ、それにカプ厨がうぜえ
って言う層は嫌がりそう

285 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる:2010/10/30(土) 20:03:19 ID:pUAMd/p+
だが、人民解放軍は「お前らで何とかしろ」とけんもほろろだった。
警察と軍はどこの国でも犬猿の仲なもの。偉い同士、いばりん坊同士、嫌われ者同士。
同族嫌悪でいがみ合うのだ。
敗れた武装警察は全滅状態だった。
街はあっという間に無法地帯と化していった。略奪、破壊、性暴行。ありとあらゆる悪がまかり通った。
普通の警察=公安でも手のつけようがなかった。

大殺戮の後、鬼子はいずこへともなく姿を消した。
報道管制が敷かれ、徹底的に報道がシャットアウトされた。
ネットの書き込みは次々に削除された。
だが、「次はこの街に現れる」「北京か上海が全滅させられる」という恐怖は、中国全土をあっと言う間におおっていった。

286 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 21:44:07 ID:32UJwY/0
男性化はそのうち801板のお姉さま方が勝手にやるでしょう。
わざわざここでやる必要もない。


287 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 22:15:57 ID:J/vgaqCu
島根県。出雲市在住の男子高校生はその夜、妙なモノを見た。
自分以外に誰もいない、夜の海水浴場。たまに非行少年、あるいは少女がうろついているときは諦めるが、
気分が沈んだ時にはここで腰を下ろして、ぼんやりと海を眺めるのが少年の趣味だった。
雨でも雪でもここには来るつもりだったが、幸い今日は良い天気だった。月光に照らされた水面は、絶えず波音と共に揺れている。
と――
「……?」
大した意味などないが、手庇を作っていた。不自然な飛沫が、遥か遠くに確認できたのだ。
それが近付くにつれて、心地よい波の音に雑音が混じり始める。
海水浴客――11月も目前の真夜中に? ありえない。なら酒に酔った者が遊び半分に海に入って、死に物狂いで浜を目指して泳いでいるのだろうか。
仮にそうだとしても、助ける気にも嘲笑する気にもならない。何しろ今日は、想いを寄せていた女子に彼氏がいたことが発覚した日なのだ。
別のクラスの同級生。去年同じクラスだったその男子の顔が頭から離れない。冷たい海風に体温と、堂々巡りを続けている思考を奪い去って欲しい。
何にせよ、この時間は誰にも邪魔されたくない。
頭の醒めた部分が、海から接近してくる物体を観察する。妙なシルエットだ。犬のようだ。 背中に何か乗せており、毛並みは白い。にしても巨大だ。
狼と表現した方が的確かもしれない。
何分経っただろう。浜辺に打ち上げられるようにして、犬は久村海水浴場に巨躯を横たえた。
その上に跨っていた人間――紅葉柄の着物を着た若い女は、長いストレートの黒髪を揺らしながら砂浜に降り立ち、犬の頭を撫で始めた。
「お疲れ様。日狗」
舌を出してダレているペットの名前らしき単語を女は口にしたが、聞き取れなかった。日本ではまず使わないような音が混じっている。リーゴウ、だろうか。
怪物じみた大きさの犬から、和装の少女に視線を移す。紐を通した般若の面を首に掛けている。手には薙刀。祭りの会場にいたら、さして違和感はないかもしれない。
遠泳を続けてきた犬を労う少女の面は、美人と呼んで差し支えないだろう。細い曲線を描く左右の眉の上あたりに、腫れもののような膨らみが二つあるのが玉に傷だ。
逃げるわけでも近づくわけでもなく、少年はその一人と一匹を眺めていた。女の額の出来物は、角のようにも見えるな、と思ったところで、女と視線がぶつかった。
「あ……」
間の抜けた声に聞こえた。隠れていたわけでもないのに、彼女はこちらに気付かなかったらしい。冷たい海を渡り終え、周囲に気を配る余裕がなかったのかもしれない。
「つかぬことを伺いますが、ここはどこでしょうか」
か細い声だ。夜の闇と同じほど黒い少女の瞳を見返しながら、少年は答えた。
「久村海岸だけど」
「日本ですか?」
格好と同じく、質問の内容もぶっ飛んでいる。あまり関わり合いにならない方がいい人種かもしれない。
「そうだよ。ちなみに久村海岸は島根県出雲市内にある海水浴場」
「島根……」
安堵したように溜息をついた女が、巨大な犬に声を掛ける。
「よかった日狗、私たち、ちゃんと日本に着いたみたい」
「どこから来たんだよ、あんたら」
投げやりな声で問う。
「私たちですか? 中国です」
「おいおい……冗談にしても――」
言葉を継ごうとしたところで、女が深々と頭を下げる。

288 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 22:18:59 ID:J/vgaqCu
「申し遅れました。私、日本鬼子と申します。中国から参りました」
「ヒノモトオニコさん。あんた何しに来たんだよ」
「何をしに……」
虚空を見つめてしばし黙考した後、鬼子と名乗った女は言う。
「日中関係をより良くするため、でしょうか。親善大使とか、交歓留学生とか、そんな感じかもしれません」
また漠然とした目的で訪日したものだ。
「その割には物騒な物を持ってるけど」
月の光で煌めいている薙刀の白刃を見ながら、少年は言った。
「あ、誤解しないで下さい。これはですね――」
バトントワリングのようにして薙刀を回転させながら鬼子は続けた。それまでと打って変わった、冷たい声音で。
「人の悪しき心――鬼を倒すための道具です」
「……へえ」
浜辺から腰を上げ、ジーンズの尻に付いた砂を叩いて落としながら、少年は唇の端を持ち上げた。
ひどく暗い、それでいて愉快な気分になってきていた。
薄い雲が月に掛かり、闇が濃くなる。
「じゃあ俺が、この国であんたがあった鬼の第一号――になるのかな」
「残念ながら」
鬼子の傍らの犬が、獰猛な唸り声を発している。
「私一人で大丈夫。だからあなたは休んでて」
視線をこちらに固定したまま、少女は犬に語りかけた。
薙刀の切っ先をこちらに向けた鬼子が、地を蹴って突進してくる。
十メートル以上開いていた距離を、一瞬で詰めてきた。大した瞬発力だが、初撃の突きを避けるのは容易かった。頭の位置をずらすだけでいい。
続けて首を刎ねる為に放たれた横薙ぎはかなり鋭かった。突きは様子見で、本命はこちららしい。油断した。舌打ちしつつ、後ろに跳躍してやり過ごす。
が、足がわずかに遅れた。更に速度の増した、鬼子の三度目の斬撃はそれを見逃さない。着地した時には、既に左足は身体から切断されていた。
「あらら」
右足一本でさらに距離を取りながら、少年は呟いた。
出血も痛みもない。砂上に置き去りにされた自分の左足は、深紅の光の粒子になって散っていった。
少女の着物の柄と同じ、紅葉の色にひどく似た色だ。
悪夢だ。なぜこんな目に遭っているのだろう。あの女は俺のことを鬼と言っていた。いや、自分で名乗ったのか? 
数秒前の会話すら思い出せない。思考がほとんど停止している。
「他人を妬む気持ちに取り憑かれても、いいことなんてありませんよ」
気付けば鬼子の瞳には、鮮やかな赤い色が差し込んでいた。どちらが鬼なのか、判ったものではない。
「ああ、そうか」
そう言われて、少年はようやく自覚する。俺はあの男を憎んでいたのか。
胸を衝かれたような衝撃があった。鬼子の先に広がる海へ漂わせていた視線を、自分の身体に向ける。
胸の中心には、薙刀の刃が根元まで突き刺さっている。
「おい。これって投げて使ったりするもんなのか?」
「生憎と我流なので、詳しいことは……」
鋭くなった目付きを一瞬で元に戻した鬼子は、語尾を濁した。瞳の色も黒に戻っている。
「くそ……今なら誰と喧嘩しても勝てそうな気分だったのにな。やたら身体が軽かったし」
刃の刺さった胸の中心から、緋色の輝きが零れ始める。
「辛いことも多いと思いますけど、頑張って下さいね」
「他人事だと思って、適当に励ましやがって……」
「すいません」
律儀に頭を下げている。
「まあいいや。――有難う。少しだけ気が楽になった」
「じゃあ、心おきなく萌え散って下さい」
少女の控えめな笑顔を最後に、視界が赤一色に染まっていった。

うとうとしていたのだろうか。喉の痛みで目を覚ます。鼻が詰まっているし、頭も痛い。間違いなく風邪だ。
間抜けだ、と思いつつ、得をした気分にもなっていた。とても良い夢を見ていた気がする。
内容はほとんど思い出せない。
ただ――
白い獣を駆る、和服の美しい少女が登場することだけは鮮明に憶えていた。

289 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 22:20:30 ID:J/vgaqCu
オワタ
しかし人の心に巣くう鬼って良くわからんな

290 :リレー2:2010/10/30(土) 22:39:30 ID:tYvSztCG
そして僕は神になった



291 :創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 23:09:44 ID:vzaNxw1/
「体長15フィートの虎? それも電脳世界から飛び出してきたと?」
「キミは部門長としてよくやってるとは思うが、少し疲れてるのではないかね?」
「今回のサイバーテロは、担当者によってうまく対処出来た。それで良いじゃないか」
…………
……

「なあ、ケン」
「はい」
「例の『日本鬼子』は、その後どうなってる?」
「え、あぁ……今はその、男性化を進めている模様です」
「な……!」
「更に言うと、ショタや男の娘化も模索しているようです」
「…sho ta…?」
「あぁ、ショタっていうのはですね……」

 【メガネ好青年説明中】

「何故そんな事を? あのミステリアスな美少女を、どうしてそういう風に変えたがるのか?」
「分かりません」
「一歩譲って容姿や衣服をモディファイするのは認めよう。いや寧ろ積極的に行う事を期待したい」
「だが性別変更はダメだ! ましてやその……あぁクソッ、日本人は全員ペドフィリアかっ!!」
「いや、あの」
「それと未だ説明を受けてないが、その男の娘(Man's daughter)ってのも、どうせクソッタレなものなんだろ?」
「いいえ、ボス。それは正しくは、男性な娘(Male's daughter)と言いまして……」
「どっちでいいわ、そんなもん! その名称からして既に怪しさ大爆発じゃないか!」
「あーもういい、聞きたくない! 俺はもう何も聞きたくないぞ!!」
(仕事と家族以外の事で、こんなに熱く語るボスを見るのは初めてだ)
「……で、キャラクタ案の最終投票が明日行われる予定になってまして」
「なに、それは本当か? ……いやどうせ真っ当な女性じゃないんだろ?」
「いいえ、ボス。こちらは本流の話なので、女性です」
(ツノは付いてるけど、説明がメンドクサイから流しとこう)
「なんと、そうか! 俺はまた会えるんだな、あの娘に! それも更にグレードアップした状態の!」
「ええ、但しグレードアップは投票の数日後と思われますが」
「おうっ、そのくらい待つさ。……ケン、業務の合間で良いから、そのサイトの監視をしておくように!」
「イ、イエス、ボス」
(い、言えない……その他のは兎も角、男の娘はちょっと良いかな、と思ったなんて口が裂けても……!)

292 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる :2010/10/30(土) 23:26:04 ID:pUAMd/p+
警察でもどうしようもない日本鬼子が、明日にも襲ってくるかも知れない。
いつ終わるとも知れぬ極限の恐怖は、やがて、徐々に無気力さと快楽至上主義を蔓延させていった。
一月を待たずして、欲望と悪徳にまみれた中国の化けの皮ははがれ落ちていった。
他人の物を平気で盗む者、つまらないイザコザから人を殺す者、女と見れば暴力で犯す者、
自分の娘や息子と相姦する者。それが伝えられ、世界中が恐怖した。
必死に正そうとする者の声は、ほとんどの者に届かなかった。
そうして人々は、偽りの繁栄、偽りの豊かさを、自らの手で破壊していったのだ。
繁栄や豊かさは全て、見かけ倒しの偽りだったということにも気づかぬまま……。
永遠とさえ思われてきた、中国の繁栄は幕を閉じ、堕落と荒廃の日々がとって変わった。
中国を覆ったこの悲劇は、しかしほんの前触れに過ぎなかったのだ。

293 :鬼子、受難の文化祭:2010/10/31(日) 00:15:14 ID:4nLkwx1L

 「ん〜。」
 「$%&∀煤レ★☆!!!!」
 「んちゅっ、あむ、ちゅる、はむん。」
 「¥&%$3#☆煤ヘ∠!!!!!」

 私、日本鬼子。
 頭に被った般若面がちょっと自慢のただの普通の女子高生。のはずだったんだけど。
 今、私は同級生の金髪碧眼、超絶美少女西洋魔子ちゃんから、だだ甘濃厚べろちゅーをされている。
 正直、頭がついていけてない。フリーズしている私の口内をこれでもか、と魔子が蹂躙し尽している。
 あ、私冷静だ、とか、初めてなのに、とか、気持ちいいかも?、とか色んなことがぐるぐる渦巻いて、声なき叫びを上げるのが精一杯。
 でもとりあえず、これだけは言っておこうと思う。
 ……私はノーマルだっ!


☆☆☆



 あの悪夢の日から一週間、未だに私は魔子に付きまとわれている。
 昼食時に放たれた魔弾のごとき魔子の告白は、すでに学校中に知れ渡っている。
 おかげで私は同級生からだけでなく、下級生、上級生からも変な意味で目立つようになってしまった。
 私は女の子が好きではない。あ、いや、人間的に、とか友達的にも好きではない、というのではなく。
 ただ、そう、恋愛対象とか性的欲求の対象として、私は同性を見ることができないのだ。
 だというのに、件の転校生、10人いれば10人が綺麗、かわいいと言うようなそんな美少女、西洋魔子は、私を恋愛対象として見ているのだ。

 父親の仕事の都合で海外からやってきた彼女。どうやら向こうでも女子高のようなところにいたらしく、幼い頃から女の子に囲まれて育ったせいか、好きになるのも常に女の子であったという。
 そんなバカな、と思ったものの、本人からそうなのだ、と言われてしまえば納得せざるを得ないわけで。
 とはいえ、だからといって私が彼女の気持ちに応える義務などどこにもない。
 確かに、彼女はかわいい。それはもう私のような平凡な日本人なんかとは比べものにならないぐらいのかわいさだ。
 緩やかにウェーブした金髪はふわふわの砂糖菓子のようで、涼やかな蒼穹を思わせる瞳は吸い込まれそうなほどに碧く、
 整った高い鼻筋、桜色の綺麗な唇、彼女を構成するパーツというパーツが全て完璧なほどに美しく、
 神がそうあるべくして配置したといわんばかりの黄金律で配されていた。
 
 だが。だがしかし。だが、しかし、である。
 私にその気はない。
 私は百合ではない。男が大好き―というと語弊ありまくりだが―の、本当に普通の女の子なのである。
 だから、私は彼女に言ったのだ。
 女の子とは無理だから、と。
 が、魔子はめげなかった。めげなかったというよりしつこかった。そして怖かった。
 こう、口の片端を釣り上げて、笑っているのに笑っていない目で言ったのだ。

 「大丈夫。私が教えてあげるから。」

 鳥肌が立って、体が震えた。
 いったい何を教える気だ、なんて当然の疑問が涌いたけれど、終ぞ聞くことはできなかった。
 本当に、その時の魔子は怖かった。

 そのときからだ。今日まで一週間の魔子の攻勢が始まったのは。
 登下校はもちろんのこと、移動教室の時でさえ、彼女は私と腕を組んで歩き、食事時にはあ〜んして、なんて男が夢見る―『月刊 大和撫子』の恋愛指南コーナーに書いてあった―
 シチュエーションを平然と行い、常に恋人同士であろうと私に接してきた。
 魔子ほど可愛い女の子に懐かれて悪い気はしないが、それはそれ、である。
 隙あらば私の唇他を狙う、割と不埒な心の持ち主だということが分かったものの、女の子に対して乱暴なこともできず、いつも押されっぱなしだった。
 それでも最後の一線はなんとか突破させはしなかったのだけれど。


294 :鬼子、受難の文化祭:2010/10/31(日) 00:16:25 ID:4nLkwx1L
 そうして毎日のように彼女との恋?の攻防戦を繰り返して週末を迎え、ひとまず落ち着けると思った昨日の日曜日。
 なんと魔子は我家に押しかけて来るという荒業までやってのけた。
 あの時の祖母―厳しい鬼ババ、見た目幼女―の顔はめったに見られない困惑顔でざまぁ、なんて思ったものの、ざまぁな目に合ってるのは自分だと気づいて一人落ち込んだものだ。
 あと、日本家居候の自称心に住まう鬼という鶏冠野郎が何やら興奮して盛っていたような気もしたが、得意の薙刀で摩り下ろしてやったので、きっと気のせいだろうと思うことにした。
 早く家から出て行かないかな、アレ。


 そんなこんなで一週間、ひとまず魔子の攻撃を潜り抜け、今日の最終授業まで生き抜いた。
 今は来月の文化祭でやるクラスの出し物を決定するLHRの時間である。

 「とまぁ、こんなわけで各クラス、何かしらやらないといけないわけですが、誰か――」
 「はいっ!委員長!!」

 勢いよく挙手をしながら立ち上がった魔子が、声を上げて司会をしているクラス委員長の言葉を遮った。
  
 「ま、魔子さん?」

 突然のことにうろたえる委員長。そりゃそうだ。ちらりと横を見やると、何やら気合いの入った魔子の顔が見える。

 「私に案があります!」
 「えっと、何かな?」

 何を言う気だ、このおバカ。嫌な予感がビンビンにやってきた。
 と恐々としていたのだが。

 「演劇がいいと思います。演目は『白雪姫』で。」

 至極まともなことを言った。
 おや?私の勘も当てにならない、のか?

 「お姫様は鬼子!そして王子様役はもちろん、私!!」

 ぶふっと、変な音が口から転び出た。
 

 ……嘘だと言ってよ、委員長。


295 :鬼子、受難の文化祭:2010/10/31(日) 00:18:02 ID:4nLkwx1L
 「え、ちょっと、魔子!」
 「なぁに?」

 笑顔で小首を傾げる。くそっ、可愛いな。じゃなくて!

 「あ、あんた何変なこと言ってるのよ!?」
 
 そう。私が白雪姫だなんて無茶振りもいいとこだ!!

 「え〜?魔子、変なことなんて言ってないよぉ〜?」

 こ、この悪魔っ娘め。いつもは使わないぶりっ子口調なんぞで惚けおってからにっ。
 ええい、私にヒロインなんてできるわけないでしょ!クラスのみんなだって呆れてるに決まってる!!と言おうとしたら。
 
 「はーい。私、さんせー。」
 「私もー。」
 「いいじゃん、面白そー。」
 「定番だけど、それだけにやりがいがあるわね。」
 「いよっ、熱いね、お二人さん!」

 なんて、クラスメイトに後ろから撃たれるような仕打ちを受けてしまい。
 え?え?、と私が混乱している間に。

 「それじゃ、賛成多数ということで、文化祭の出し物は演劇、『白雪姫』、日本さんがお姫様役、魔子さんが王子様役ってことで決定しますね。」

 と委員長が〆に入り。

 「は〜い!」

 まるで小学生のように元気な答えが29人分返ってきて。
 私が、ヒロイン役に、決まってしまったのだ。
 
 ……嘘だと言ってよ、委員長。


296 :鬼子、受難の文化祭:2010/10/31(日) 00:20:42 ID:4nLkwx1L
☆☆☆



 耐えに耐えて、文化祭本番。
 恥ずかしながらも一生懸命に練習し、クラスのみんなとの距離も大分近づいてきた、なんて舞い上がっていたのがいけなかったのだろうか。
 ラスト、王子様の口づけで目覚めるシーンで、魔子がこんな暴挙に出るなんて。
 真っ白になった頭で思う。

 「ぷはぁ。」

 苦しい、という私の心を呼んだかのようなタイミングで魔子が離れる。
 ツゥっと。
 白銀の糸が私と魔子の唇を結ぶ。
 目の前で行われた過激な演技に、舞台前の観衆が静まり返った。劇の間中、たまにあったひそやかな笑い声さえ聞こえない。
 なにやら、鶏冠野郎が鼻息荒くパイプイスを前後にガッチャンガッチャン揺らしているような気がするが、きっと気のせいだろうと思いたい。 
 後で覚えてろ。

 「ほら、まだ劇は終わってないよ。」

 囁く魔子の声に促され、もはや一かけらの気力も残っていない私は、言われるままに残りの演技をやり遂げた。
 王子と姫が手と手を取り合ってお互いに見詰め合う。
 七人の小人が二人の周りに集まって、めでたいめでたいと喜びのダンスを踊る。
 姫と王子、二人が愛を囁きあって。 
 そして幕。
 
 体育館を揺るがす轟雷のような拍手の中、にこにこ顔で手を振り礼をする魔子とは裏腹に、抜け殻となった私の瞳からは意思の光が消え失せ、言われるままに動くことしかできなかった。
 それ以降、その日の記憶はない。
 


 翌朝、目覚めるとそこは家の中で、縁側の雨戸を開けると庭に鶏冠野郎が首だけ出して埋まっていたのが見えた。


 (完)


 鬼子のキャラがブレた。女の子を書くのは難しい。
 そして、削除ミスも一つ。
 最初の>嘘だと〜は削って読んでください。
 そして、百合百合女子高生モノしか妄想できなかった俺の貧困な妄想力を許してください。

297 :創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 00:27:55 ID:SCHgy3RI
>>296


298 :創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 00:31:46 ID:1p39SPod
>>296すごく…百合です…
こう…ドキドキしますた…

299 :創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 02:39:43 ID:pKZmsxRt
リレーの奴はここの連中はこういう事やってるぞとか言って批判させたいのか? 
 
創作としてただの無双物、十分な火力を持つ鬼子を軍がほっておくはずがない 
日本人として認識されてるならば、軍が政府を介して日本弾圧に踏み切る展開など、もっと想像力を見せろ 
後もうちょっと設定など掘り下げてがんばってくれ 
次回作に期待 
 


300 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる :2010/10/31(日) 05:41:21 ID:w6Wg3Xsz
謎の化け物、『日本鬼子』の出現はすでに中国共産党上層部の知るところであった。
いつものように日本を悪にして、団結させるか。
いっそ日本に宣戦布告、侵攻するか。
だが、宣戦した途端、奴が現れて全滅させられるかも知れない。
軍はすでに恐怖のあまり崩壊状態、とてもまともに戦える状態ではない。
刺し違えさせるつもりで、尻を叩いて無理矢理戦わせるか?
しかし、あの四川省の事件のように、クーデターが起きて同士討ちになるかも知れない。
もしかしたら自分たちに銃口が向くかも知れないのでそれはできない。
国連に泣きついたが、「内政干渉なので国連軍は出せません」と鼻で笑われた。
世界中から嫌われているのはわかっていたが、力で黙らせてきた。
そのツケが今になってのしかかってきた。
日本とアメリカ、そして反中諸国は、奴の出現をむしろ喜んでいる。
戦わずして勝利を手に入れた。中国の横暴から世界を救った英雄として、鬼子を讃えている。
このままでは待っているのは破滅だ。さっさと外国へ逃げるか?
しかし逃げた先で逮捕され、処刑されるのは目に見えている。
最後の手段、禁じ手……核兵器を使うか?
もめにもめた。

301 :創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 17:47:57 ID:lzxb7Q4z
本スレに書いたらスレチと呼ばれて来ました。
こっちでもスレチだと思いますが、
鬼子たん応援歌詞ということで、短歌連ねた感じのものを作ってみました。


日ノ本の 影に染まれる 紅葉着の
立つ背は澤の 流るる様(サマ)よ

天伝ふ(アマヅタフ) 東の果ての かの島の
光に編まれて 生まれたりけり

恋ひの素 人の心を 種にして
いざ萌えにしが 西の果てまで

大和なる 誰(タレ)にも負けぬ もみじ葉(ハ)の
萌え散るものぞ うるはしからん

雑言(ザフゴン)も 罵り言葉も 悪口も
白たつ海(ワタ)の 日差しのやうに

荒波に 呑まるは無かれ
平安の 光ぞ渡る 己(オノ)が心の

地鳴にも 騒ぐは無かれ
一輪の 花は勝らん 千の戦に


(現代語訳)
日の出の光に染まっている紅葉色の着物を着た少女の背中はまるで小川のせせらぎのようだ。

少女は東の最果てにあるこの島の光に編まれて(=ネットを暗示)生まれたんだよ。

恋の素や人の心を種にして、さあこの思い(の芽)を萌え出そう、西の果てまで。

大和にある誰にも負けない志で、紅葉の葉(=日本鬼子タン)のような紅い火が燃えるように萌え散る俺たちマジで美しいだろJK。

デタラメな言いがかりを付けられたって、貶されたって、悪く言われたって、そんなものは太陽の日差しを跳ね返す大海原のように寛大でいよう。

荒波に呑まれちゃいけない。平和を世界に放とう、僕らの心にあるその気持ちを。

地鳴りにも騒いじゃはいけない。一輪の花は千の戦いにも勝るのだから。



これだけです、はい……。

302 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる :2010/10/31(日) 18:13:55 ID:w6Wg3Xsz
ネットに、鬼子を讃える歌が書かれた。
場所は変わり、日本で、日本鬼子の名は既に誰も知らぬ者がいないほどとなっていた。
マスコミは中国の圧力を恐れて報道しなかった。しかし、日を追うごとにマスコミへの風当たりは激しくなっていった。
一日中、テレビ局に鳴り響く抗議の電話。
届けられる抗議や嫌がらせの手紙。
「弱虫」「もうやめちまえ」「お前ら中国人か」。
マスコミは逃げるようにスルーを続けた。
だが、耐え切れなくなった者もいた。
禁を破ってテレビの歌番組でアイドルグループ、AKB48の一人が叫んだ。
「日本鬼子、がんばってー!!」
また一人が叫んだ。
「お願い、悪い中国をやっつけて!!」
そして、次々にメンバーが叫んだ。
「あなたのことをみんな応援してる!」
「負けないで!」
「あなたは私たちの味方だよね!」

303 :創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 18:25:55 ID:woD5i1t8
「てんてんてまりよ、てんてまり」
不気味なほどに赤く赤く、染まった空。四方を囲む山々からは鳥たちのざわめき。
ふと、後ろを振り返ると、てまりをつく少女の姿が在った。
 少女はうすくうすくほほ笑む。研ぎ澄まされた刃のように……。


って、感じのプロローグとかどうかな

304 :創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 20:24:38 ID:1mvub0TM
鬼子は一生懸命かっこつけようとしてるけど決まりきらないって感じが個人的なツボ
性格的なイメージは聖剣の刀鍛冶のセシリー

305 :創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 22:32:23 ID:qNES3Uqw
>>304
色々な絵を見てみたが、総じて俺が感じたキャラクターとしては、空の境界の両儀式を原型とし、
その上で寂しさを人知れず背負い、孤独の中で生きる事を決意した儚げな少女だな。

306 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/01(月) 00:04:35 ID:UNcEsBfF
>>291
「頼んだぞ」
そう言って隣のブースに戻るボス。愛用のリボルバーを取り、弾丸を詰め替える。
此処は街外れの射撃場。仕事柄、月に100発以上の射撃訓練が義務付けられている。今日は
そのノルマを果たしに来ていた。
「虎めっ!!」
短い間隔で2度火を噴くボスのハンドキャノン。40ヤードほど先に有る標的が、その面
積を一段と縮小した。
俺も射撃に戻る。
ベレッタM93R。ガスポート付きのロングバレル、手に馴染む別注のウッドグリップ。
装弾は済ませてある。先ず横の台上に置き、ゴーグルとイヤーマフを直してから、素早く
銃を取り上げ引き金を引く!
3点バーストによる銃声とマズルフラッシュ。
発射された9mmパラベラム弾は、とりあえず全て標的の円の中に納まった。
隣のブースから、ヒュウーというボスの口笛が聞こえる。
(使う羽目にならなければ良いが)
「調子良さそうだな、ケン!」
「ボスこそ!」
俺は知っている。あの時ボスが一旦自分のデスクに戻り、引き出しからサブマシンガンを
出していたのを。
「それ、もういっちょ!」
再びボスの銃声。その2発のうちの一発が、標的の支持棒を粉砕してしまった。
そして、まるで人が倒れる様に崩れ落ちる標的。
「どうだっ!」
……そして、虎を見失って、危うくオフィスを破壊するところだった事に気付き、愕然と
していた様子も。
ベレッタを両手で保持し、標的の支持棒を狙ってみる。
銃声とマズルフラッシュ。肩に来る反動。
銃弾は全て標的を外した。
「甘いな!」
そう、銃撃では倒せない。そんな敵だ。
「これからですよ!」
強がって見せる。当面はあのサイバーテロは来ないだろう。なにしろ詳細不明の対抗策に
よって撃退されたワケだからな、向こうさんにしてみれば。
しかし、ずっと来ない保証にはならない。次に来た時に、俺たちはどうやって対抗するべ
きなのだろうか?
「こうやるんだ!」
ボスの声。直後に轟音。しかし新しく立った標的に、その銃弾はかすりもしなかった。
「マグレをあてにするのは良くないですよ?」
この前の事もそうだ。彼女がまた俺たちを救ってくれるという保証は無いのだから。
「うるさいぞ!」
射撃場でうるさいも無いだろう。
「準備完了。行きます!」
ベレッタを単射モードに切り替え、銃把にフォールディングストックを付けた。
単発の軽い音。しかしマズルフラッシュはそれなりだ。
そして排出された薬莢が床に落ち動きを止めた時には、標的が斜め後ろに倒れていた。
「どうです!」
「その射撃体勢が、必ずとれるものならな!」
ボスも気付いてる。しかしだからこそ、その態勢作りを考えなければならない。
その後、ノルマをクリアするまで射撃訓練を続けた。

307 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/01(月) 00:05:18 ID:vV0pmElW
「ASEAN首脳会議は終了したようですね」
射撃訓練が終了。目と耳(それと硝煙で鼻)がやられた状態では車の運転は難しい。
元に戻るまで二人して銃の掃除。合間にボスに話しかける。
「うむ。結果の詳細は出張者が報告してくれるだろう」
「出張者……ああ、マネージャですね」
ばらされたベレッタ。隅に残った火薬のカスを、ブラシとウエスで丁寧に拭き取る。その
細かな作業が、彼の少し神経質そうな横顔を思い起こさせた。
「クリスか。今頃はトランジットで東京かな」
クリストファー・エクルストン、確か35歳。因みに彼の事をマネージャと呼ばずに、
クリスと愛称で呼ぶのはボスだけだ。
「意外とカブキチョーでお楽しみの最中だったりしてな」
「あのマネージャがですか? まさか――」

「まさか誤植ではないだろうね?」
何度も確認した航空機のチケット。ハノイ−羽田、ビジネスクラス。
羽田には、確か国際線は発着しなかった筈だが。
「新滑走路の運用開始に伴って、本日より発着を始めました。良い空の旅を」
ハノイ空港のカウンターレディ。他の客から同じ質問を何度も受けたのだろう、至って事
務的に返答された。
「ビジネス?」
「……サイトシーイング」
イミグレーション(入国審査)。査証により某国政府の人間である事は分かるから、観光
と答えた事に違和感を覚えたのか、担当官の表情が少し曇ったが、すんなりと通された。
その後の税関検査も、大した荷物は持っていなかった為に問題無く通過。
「これは広くなったな」
日本国内の移動で数回使った事があるこの空港。今までは必要なところにスペースが無い
不便な造りだったのだが、今日の此処はその記憶を綺麗に払拭するものとなっていた。
「まるでショッピングモールだな」
最上階のフロアにはプラネタリウムまで有った。
そこで乗り換えまでの時間潰しをするのも一手と思ったが、今日は何故か空港の外に出て
みたくなった。
特に用事があるわけではない。行きたい場所があるわけでもない。
敢えて言うなら、誰かに誘われている様な、会うべき人間が其処で待っている様な。
「不合理だな」
呟いて、カードでモノレールに乗る。これでとりあえず以前使った都内のホテルまでは行
けるのだろう。この妙な考えに囚われた中年男の体を運んでくれるだろう。
「これは変わってないのか」
モノレールの車内。不思議な椅子の配置と物静かな乗客たちが作る不思議なテンション。
併走している道路の車でさえ、なにか型に嵌められた様な窮屈さを演出している様だ。
「……降りるか」
今までは嫌いでなかった、こんな日本の風景。整然として合理的な人波と街並み。
それが今日はどうだ?
もっと広い場所へ行きたくなり、目の前の埋立地へ行く列車に乗る事にした。
「どこへ連れて行かれるのか……」
緩やかに変わっていく周囲の風景。不思議な球体を抱いたビル。遠くに船の形の建物も。
建物の間隔や道路の幅は広く、自宅周辺のそれを髣髴とさせた。
「あとは桜だな」
ひとりごちる。そう、それが川の近くに有れば完璧だ。
「桜ならここですよ」
国際展示場と書かれたホームに着いたところで、背後からそう言われた。
「……?」

308 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/01(月) 00:06:04 ID:vV0pmElW
が、振り返った私を、乗客の誰一人として見ようとはしていなかった。
ふむ、恥ずかしがるのが日本人の特徴だったか。
しかし好意を無駄にするのも気が引け、その駅で降りる事にした。

桜など無かった。
降りた駅。遠くに大きな陸橋と、更にその向こうにおかしな形をした建物があった。
あれが国際展示場というものか。ケンが言っていたな、トウキョウには年に二度、とてつ
もなく人が集まる祭りがあると。あれがその会場なのか?
この前の道を数万人が埋め尽くすらしいが、まさかな。別の場所だろう。
でなければキ○ガイじみている。
想像して何か妙な疲れを感じ、近くのベンチに腰を下ろした。
「ふっ……」
季節が季節だ。桜などあるはずが無い。
空は曇天、行きかう人もまばらで吹く風も冷たい。
覗き込んだ駅の構内にある時刻表によると、次の列車まで少し時間があるようだった。
そこで時間潰しにと、バッグからネットブックを出して起動させる。
ふむ、ネットに繋がるようだ。
そして飛び込んでくる十数通のメール。
ボスからのものも有る。『虎の実体化』。刺激的なタイトルは、しかし中身を単純明快に
表したものだった。
「まさかそんな事が……」
結果として、ケンの対処によってサイバーテロは押さえ込んだ形で纏められた様だ。
しかしあのボスが、こんな作り話をわざわざメールにしたためる筈が無い。
また、話自体が異様な為、それが逆に話の信憑性を高める結果ともなっていた。
「接続と同時に現れた、ええっと、ヒノモトオニコ?」
どうやらその電脳美少女が、虎をデリートしたらしい。
文面からして、どうもボスは彼女にぞっこんの様だが、私にはあのボスがそんなものに
入れ込む様の方が、よほど異様な事に思えた。
「とりあえず、そのサイトに繋いでみるか」
接続はあっけなく済んだ。
中国語は出来るが日本語は不得手だ。とりあえず意味の分かる漢字を拾い読みする。
「ふむ、上位による決選投票か」
これでキャラクタの代表案が決まるようだ。サイトはそれなりに盛り上がってる雰囲気。
しかし、これは只のファンサイトではないか? これで電脳な実在を作り出せるのか?
「有り得ない」
ネットブックを閉じる。時間の無駄だ。桜も無い。
再度時刻表を確認するべく顔を上げると、そこに桜が。
「有る、のか」
正確には、桜の絵がプリントされたキモノだ。
それを身長が4フィート余り(いや、そのハイソールな履物を除くと4フィートを割りそ
うな)の少女が、引きずるようにして着ている。
「初めまして、わたし、こひのもと、だよっ!」
10歳くらいの見た目に似合った快活な声で、そう自己紹介する。
「あ、私は、クリストファー・エクルストン、です」
勢いに押され、素で返答してしまった。
「くすりふぁと? えっと、言いづらいかも」
「では、クリス、で良いよ。お嬢さん」
私をクリスと呼んでくれるのは、ボスともう一人。しかし彼女の場合は、過去形にしなけ
ればならないだろうか。
「クリス。呼びやすい! じゃあわたしも、こにぽんって呼んで」
こひのもと、から、こにぽん、か。あまり呼び易くなった様な気がしない……?

309 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/01(月) 00:07:06 ID:vV0pmElW
「オーケイ、ではコニーと呼ばせてくれ」
「うん、いいよ!」
「ではコニー、キミは私に何の用事だい?」
「うん。えっとね、クリスを結びに来たの!」
ムスビ? 繋ぐという意味か? 今ひとつ意味が通じない。
と思ったところで、この子が流暢に英語を操っている事に気が付いた。
「そ、そうか……コニーは賢いな」
「えーっ、なんでバカにするのー?」
見た目が明らかに東洋人(それも典型的な日本の美少女)から、流れるようなキングダム
イングリッシュを聞かされれば、誰でもうろたえる。聞き手が英国人なら尚更だ。
「バカにするなんてとんでもない」
そう言いながら彼女の頭を撫ぜてしまう。これは殆ど父性の発露だと言い訳しておこう。
いや、私には子供はいないのだが。
「あー、もー」
と言いながら満更でもない様子が、一段と可愛らしい。
「では行こうか」
立ち上がり、彼女の前に手を差し出す。「お手をどうぞ」と。
「えっと、どこへ?」
「キミが居た所へ」
駅の構内に張ってあったポスター。展示場の催し物。マザーマシンの展示会だったか。
派手な衣装に流暢な英語。この子は、多分そこからやって来たコンパニオンなのだろう。
東洋人は若く見えるとはいえ、こんな明らかにElementary schoolに通う様な子を働かせる
というのは如何なものかと、責任者に一言言ってやる気になったのだ。
「さあ、行こう」
「えっと、うん。その間にクリスを結んじゃうね」
ああ、そうか。ムスブというのは、会場へ赴かせて商談をさせる、という意味なんだな。
それなら話が通る。そしてこんな子を働かせる大人を懲らしめる必要が有る事も。
「いや、私は結ばれないよ」
冷たい風の中、大きな陸橋に向かって歩き出す。左手にはコニーの右手。
その柔らかさと暖かさに、結ばれていた頃があった事を思い出す。そう、4年前までは。
「だから、それをもう一度結ぶの!」
ぎょっとしてコニーを見る。
彼女は、桜の花のような穏やかさをこちらに向けていた。そしてそれは、桜の花の下で優
しく微笑んでいた彼女を、出会った頃の元嫁の姿を思い起こさせた。
「そんな……事が……?」
「出来るよ! だってクリスもあの人も、まだ諦めていないんだもの!」

いきなり本質を突かれた気分だった――

310 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/01(月) 00:09:58 ID:vV0pmElW
スレ汚し本当にすみませんでした! 今日はもう寝ます。

311 :創る名無しに見る名無し:2010/11/01(月) 00:33:32 ID:DthxXxbs
>>310
おもしろかった。続き待ってるね。


312 :創る名無しに見る名無し:2010/11/01(月) 00:43:49 ID:LH1xdwoh
>>310
乙!

313 :創る名無しに見る名無し:2010/11/01(月) 14:04:37 ID:/GvLOc+J
18禁描写有りのSSはこちらへ

注)
公式とは関係ありませぬ


【萌】日本鬼子でエロパロ【中国】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1288334632/




314 :創る名無しに見る名無し:2010/11/01(月) 20:22:46 ID:N3mtCsh8
日本鬼子企画に鬱屈した思いを抱えている奴がいたらきてね
一緒に考えよう
日本鬼子ちゃんのエロ画像ください
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1288524195/

315 :創る名無しに見る名無し:2010/11/01(月) 21:40:14 ID:qG6jk1xx
邪鬼の肉を切り裂いて〜
とかってこのスレで書いて平気?
18禁にならない程度のグロならおk?
日常の萌える仕草とか書くの苦手だから燃えに走るしかないorz

316 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/01(月) 23:41:10 ID:tQ1yVTDj
>>309
  「あの、初めまして。私はサラ・キャリーと言います」
  「桜が綺麗ですね」
  「英国から帰化されたのですか? 私もカナダ系の人間なので、その、あの」
陸橋の近くまで来ていた。変わらずにコニーと手を繋いだまま。
目には殺風景な景色が映っている筈なのに、何故か昔の風景が眼前に展開されていた。
これはまさか、コニーの仕業なのか?
  「うふっ、変な人ですね。私は消えたりしませんよ?」
  「お仕事、大変そうですね。応援してます」
  「え、そんな、こんな高価なもの……」
  「大丈夫、貴方は優しい人ですから。周りの人が気付いてないだけです、きっと」
コニーから伝わる、春の日の桜の様な優しさ。それが呼び起こす。
優しいサラ。桜の下で出会ってから、何かと理由をつけては会っていた。
彼女と居たかった。桜が散った後でも、それと同じ優しさに包まれる事を知ってたから。
  「いつも貴方の応援をしていたい、もっと近くで」
  「その場合は、苗字を合わせるものでしょう?」
  「今日から私は、サラ・エクルストンです」
しかし、その後は……
「やめてくれ、コニー!」
思わず叫んでいた。コニーに引きずられるようにして登った、陸橋の上で。
「クリス……」
先ほどよりも、その存在感が薄くなったコニーが見上げてくる。心配そうに。
それに違和感は無かった。彼女は真っ当な人間ではない。
無神論者の私だが、未だ人間が認識出来ない事象と言うものは沢山有ると言う事くらいは
充分知っているから。
例えば、コニーが桜の木の精霊みたいなものだとしても。そして――
「此処の桜は如何でしたか?」
陸橋の向こうから登ってきた和服美少女の頭に、小さなホーン(角)が二本有っても。
「貴女が電車の中で……?」
問いかけに答えず、近づいてくる少女。不思議な既視感を纏いつつ。
「切っちゃダメ!」
手を離したコニーが、哀しげに少女に訴える。
そこでピンときた。彼女はボスがメールに書いていた電脳美少女なのだと。
と思い至ったところで、3ヤード程まで近づいた少女が胸の辺りで両手を重ねる。
そして静かに目を閉じ、軽く俯いた。

  「夕食の準備が生き甲斐なの」
  「お仕事、あまりご無理をなさらないように」
  「いえ、旅行はまた今度にでも」
  「また出張ですか?」
  「やはり、子供が出来ないのが」
ああ、サラ。それでも赤ん坊用の服を編んでいたな。
  「私にも寂しいと思う時はあります!」
  「それは私のプライベートでしょ?」
  「お仕事の方が楽しそうですしね」
  「あの人は別に……」
あれだけの器量良しだ。男の影がちらついても不思議は無い。
  「急用でなければ連絡は不要です」
  「もう、私たちは」
  「お元気で」
そう、そうして私たちは別れた……心に深い傷を残して。
それからは、ただ仕事に打ち込んだ。そうしないと、いつまでも済んだ事を気に病むだけ
で、事が前に進まなかったから。

317 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/01(月) 23:42:07 ID:tQ1yVTDj
「彼女に対して、貴方はどう考えていたのでしょうか?」
「えっ?」
何を言ってる、この娘は? 私はただどうしようもなく……

  「専業主婦ってのは楽で良いな、くそっ」
  「仕事なんだから仕方ないだろう?」
  「子供が出来ないのはサラの所為。俺は被害者だ」
  「カネは入れてるのに、何が不満だ!?」
  「そのカネで男と遊んでるのか?」
  「会話すら拒否かよ。俺はなんて可哀相なんだ!」
  「別れた。珍しい話じゃない。寧ろ世間的には箔が付く」
  「仕事が辛い。しかしこれは全部サラの所為だ!」
  「頑張る俺格好良い! サラは悔しがるがいい!」
  「一人は寂しい。が、サラと居るくらいなら」
  「サラ! 俺は見返してやる! くそっ!!」

…………
気がつけば、膝をついていた。
「貴方は、別れた相手を未だに精神的な支柱にしているのです」
右を向いて呟くように。それで頭部の左側にあるデビルのマスクがこちら側を向く。それ
は怒りの形相だ。
「何故ならそれは魂が脆弱だから。それが生み出した悪い心だから」
そうだ、その通り。何の異議も無い。
「もうやめて! クリスが、クリスの心がイタいよ泣いてるよ!」
いや、コニー、良いんだ。これが私なんだ。そうやって同情される方が余計に痛い。
「そして私は、そんな悪心を散らします」
ハッとして見上げると、少女は虚空からロングソード(薙刀)を取り出した。
「貴方に未だ、萌えの心が有るのなら――」
反射的に飛び退いた、ソードが届く範囲の外へと。
そして上着の懐へ突っ込まれる右手。仕事場に置きっ放しの拳銃を掴む為に……
しかし果たして、右手は愛用のSIG SAUER P250を掴み出した!
何故? 確かに丸腰だった筈。まさか地球の裏側から持ち主の危機を感じ、瞬間移動をし
たとでも? バカな!
が、訓練で体に染み付いた動きは止まらない。セイーフティを外しながら1弾目を装填、
遊底が戻る金属音。
その動きのままに腰を落とし、両手で眼前の少女に照準する。
距離にして5ヤード。必殺の間合いだ。
そのまま撃った。
銃声、マズルフラッシュ、排出され重そうに飛んでいく薬莢。
ん、重そう?
良くは分からないが、何故か弾丸が薬莢から離れていない状態で出されたように見えた。
ではこの両肩に伝わる衝撃はなんだ?
しかし.357SIG弾は確実に少女の胸に命中した――のだが、手ごたえが無い!
「悪心を萌え散らしませい!!」
ソードを振りかぶる少女、キモノの裾や袖の端から模様のメイプルリーフが飛び舞散る。
距離は詰まっていないのに、上段から真っ二つにされると直感した。
その時、手中のSIGが頭上へと飛び上がった。
持ち主の命を、体を張って守らんとするかの様に!
しかし次の瞬間、両腕が頭上に伸ばされ隙だらけ私の腹が横薙ぎにされていた。
また同時に、青白い光の剣戟が頭上のSIGをすり抜け、私の体を両断していた。
つまり彼女は、同時にニつの攻撃を行ったのである。

318 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/01(月) 23:43:39 ID:tQ1yVTDj
  「もうハロウィンの季節だね、寒くないかい?」
  「ううん、平気よ。それより見てほら、あの仮装した子可愛いね」
  「ああ、ありゃ愉快だ。あんな子がうちにやってきたら大変だろうな」
  「家中のお菓子を攫われそうね」
  「そりゃ困るな」
  「あら何故? あなたあまりお菓子は食べないじゃない」
  「え、そりゃつまり、サラに食べて欲しいからさ」
  「ええ? 太らないように気をつけてるのに」
  「サラはもう少し太った方が魅力的だよ。それに」
  「それに?」
  「食べてる時の幸せそうなサラの顔を見るのが幸せだからさ」
  「もう、バカ!」

曇り空だった。大の字になって寝ている陸橋の上の地面は冷たかった。
しかし心は温かい。
彼女たちは居なくなった。倒れる瞬間に見た、少女の薄い笑みを残して。
今はその不思議な雰囲気が無くなっている事からも、それは明らかだった。
ああ、あの雰囲気が有ったから、SIGも此処へ飛んでこれたのかも。今は、彼女たちと
同じタイミングで消えてしまって此処には無いが。
しかし、あの娘の攻撃で傷ついていないだろうか? まさか両断とか?
いやそれは、体はおろか服すら傷一つ無いわが身を見れば、杞憂と分かる。
帰ったら、精々手入れを良くしてやろう。
「あ、あのぉ、あーゆーおーけい?」
通りがかった、OLらしき女性に覗き込まれる。
「eh……あ、だいじょぶです」
立ち上がり、問題無い事をアピールする。女性は曖昧な笑顔を残して去った。
そう、これは非常に単純な話だったのだ。
頼るのではなく、拗ねるのでもなく、ただ愛すれば良いのだと。
そうだ、この優しく吹っ切れた感じ。これが萌え散る、という事なのかもしれない。
思い立ち、道端に投げられていたバッグの元に行って、ネットブックを引っ張り出す。
善は急げ、だ。
メーラーを立ち上げ、サラにメールを送ろう。さて、何から書こうか?
いや、ここは単純に行くべきだろう。元々私に文才は無い。
だがしかし、指先が震えているのは、あくまでも気温が低いからだ。
と、誰に言ってるのか分からない言い訳を一人ごちつつ、本文を完成させる。
返事は、まあどうでも良い。何かしら返ってくれば御の字だろう。
と開き直って、SIGの引き金よりも重く感じる送信ボタンを押した。
ピンポン
メーラーのアンサーバック? ではなく、メールの受信音だった。
送信者は、サラだ!
まさか迷惑メールの設定が? いや、どうもそうでは無さそうだ。
先ほどよりも一段と振幅を増した震える指で、メールを開く。
内容は、寒くなった事、ハロウィンの季節だという事、中間選挙ももうすぐだという事、
桜のキモノを着た謎の幼女が現れ、こんこんと諭された夢を見たという事。
そして、出来れば会いたい、と言う事。
そんな私以上に文才の無い者が書いた長文を、実は読む必要は無かったのかもしれない。
何故なら、送信者の名前がこうなっていたのだから。

  From Sarah Eccleston

319 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/01(月) 23:44:27 ID:tQ1yVTDj
――その後、クリスのSIGは、色々有って一部で『萌えの妖銃』と呼ばれ恐れられた。
ってのはまた別のお話、と言う事で。

自分なりに『萌え散らされる』というのはどういう状態を言うのか? というのを表現し
てみたつもりですが、これだけの文字を重ねても、どうにも上手く行きませんでした。
そういうワケで、スレ汚しの長文・駄文、誠に申し訳ありませんでした。

320 :創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 01:01:50 ID:dcy9/oOt
>>319
乙でした。

321 :創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 02:44:13 ID:gqGLHaoG
オリキャラが主人公っぽいんだがそれでも投下してもよろしいか?
まぁこんな時間なんで投下は今日の夜にでも

322 :創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 12:58:44 ID:qDD9DC0S
鬼子が主人公だぞ!!

なんていうと思ったのかい?
>>321さぁおいで

323 :創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 14:02:01 ID:QjhYivbO
きれいにまとめてるなー 
おもしろい

324 :創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 18:31:25 ID:Ou1X22np
このスレって原住民しかいなそう

325 :創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 19:49:40 ID:7BZgYZHg
>>322
ではお言葉に甘えて

人が少ないのはしょうがない。鬼子は現段階じゃ
イラストメインだしなー

メモ帳からのそのままコピペなんでみにくいかもです
次からはじめさしていただきます。

326 :鬼子と華と:2010/11/02(火) 19:51:57 ID:7BZgYZHg
般若の面を掲げ持ち 紅葉の海を舞い踊る

魂斬る薙刀携えて 真っ赤な眼が笑ってる

そーれそれ 鬼子がくるぞ

悪鬼を求めて 鬼子がくるぞ

心に鬼を飼う者たちは 地の中 火の中 隠れてる

そーれそれ 鬼子がくるぞ

餓鬼を求めて 鬼子がくるぞ





打ち捨てられた廃屋や未開そうな洞窟とはいつの世も、子供の冒険心を擽るものだ。
宝がなくったって、そこを仲間と制覇することが醍醐味なのだろう。
そう、仲間がいる場合は。

「ほら、いけよ」

ドン、と不意に背中を押され首が痛い。思わず、中村華は振り返って手の主を睨みつけるがあまり効果はないようだった。
華の後ろに立つ壁にでかい少女は不敵に笑い、さらに彼女の背後に控える他の少女たちに視線で示し合わせる。
無言でうなずく少女たちからは侮蔑の視線を投げかけられて、華はもっと瞳に力を入れて少女たちを睨み返した。

「ふん、なまいきー」

壁少女がわざとらしくそう言うと、その口から覗く歯列矯正器具がぎらぎらと光って華を威嚇した。

「…あそこの中に入ったら、もう私に構わないって約束、ちゃんと覚えてるよね?」

負けじと華が食らいつく。だが、そんな抵抗も少女たちにとっては他愛無い余興でしかないようだ。知れず、少女たちから忍び笑いが起こる。

「違うでしょー?中に入るだけだったら誰でも出来るし。ちゃんと“アレ”、とってこないと駄目だかんね」

小学校高学年にしては小柄な華を上から見下ろしながら、壁少女はいやらしく言った。
華は折れてしまいそうになる心を叱咤して、視線の暴力を続ける少女たちを一人一人睨み返してから、最初の一歩を踏み出した。
昨日降った雨で濡れている枯れ葉はまるで華の侵入を阻害しているように絡んでくる。
ここら辺に住んでいる子供なら誰でも知っている、“幽霊神社”。観音開きの入り口はすでに雨風で壊れていて、自由に出入りが可能だ。だが、室内から漂ってくる異様な雰囲気から、今だかつてその最深部まで入った子供はいないという。
最深部の扉手前には綺麗な石の欠片が落ちているらしく、それを持ち帰ってくると近所で英雄になれるのだ。
入口に立つと、室内の湿った空気が頬を撫でる。思わず震えそうになる足にしっかりと力を力を入れるため、華は腐って倒壊した扉をドスドス音を立てて乗り越えた。

327 :鬼子と華と:2010/11/02(火) 19:53:57 ID:7BZgYZHg
ちょっとだけ背後を振り返ると、嫌味な少女たちは華の姿が見えなくなるまで絶対に視線は外さないと決めているらしい。
華の中にむくむくと反発心が蘇り、うまい具合に恐怖心を追い越してくれた。
中に完全に入ると、そこは外界と遮断されているような感覚に陥るくらい静かだった。
少し中に入っただけなのに、外の音がものすごく遠くに感じる。
華はパーカーのポケットから小さい懐中電灯を出し、スイッチを入れた。奥までは照らせないが、ないよりはマシだろう。
倒れた戸や柱で足元が危険なので、どうしても足元重視に意識がいってしまう。こうすると、一番奥の方に意識が回らず余計怖い。
華は慎重に進みながら、時折奥の方へ電灯の光を当てて心の中に湧きあがる恐怖と闘っていた。

ぽちゃん

ばっ、と顔をあげ周りに光りを巡らせるも音の在り処はわからない。頭のどこかでは、昨日の雨のこと、雨漏りの可能性を考えるのだが大部分は恐怖であふれかえって、パンクしそうだった。

ぽちゃん

心なしか、音が近づいているように感じる。
華はもう泣きだしそうだった。辛うじて、あの少女たちのことを思い描いて踏みとどまる。そう、今ひき返したら意味がない。
泣いたら、駄目だ。泣いてしまえば、逃げることしか考えられなくなる。
華の脳内はしちゃかめっちゃかだったが、元より芯の強い気質が奥へ進む最後の拠り所となっていた。
やがて、小さな懐中電灯の光りが壁を映した。
あまりの恐怖でものすごく長い距離を歩いた気がしたが、建物自体がそんなに大きくないので気のせいであろう。
華は足元を照らして目を凝らした。すると、懐中電灯の光を返してくる石が落ちている。

「これだ!」

しゃがんで拾ってみると、小さくてわかりにくいが紅い色の石の欠片のようだ。いくつも落ちているが、どれも小さすぎる。
なんとか妥協できる大きさのものがないかと探していると、背後から空気の流れを感じた。
華の肩まで伸びた髪を軽く揺らす程度だが、外から入ってくる風ではないことを華は理解する。
妙に生温かいのだ。
誰かの吐息を至近距離で吹きかけられているような、纏わりつく不快感。
そして、何とも言えない臭いが華が来た道から漂ってくる。
緊張と恐怖で息をすることすら困難だった。
これはあの子たちのイタズラ?それとも本当にただの風?いや…でもこれは…。

ぁぁ…。

何かのうめき声がした。
華は泣きそうになる口を必死で押さえて、ゆっくりと立ち上がった。周りに何者かがずりずり這いまわる音がする。“それ”は明らかに華のことを探しているようだ。懐中電灯の光には音の主は反応しない。音か匂いで探しているのだろうか。
華はなんとか“それ”から逃げることを考えた。恐怖でパニックになりそうな頭を冷静に保とうと、自分の腕を軽くつねる。
ここは神社のどん詰まり。でも入口の方へ移動すれば確実に気付かれてしまう。
そこで華は思い出した。ここの奥にはまだもう一つ奥があるのだ。まだ誰も入ったことがない扉の中。
どうにか物音立てずに中に入れれば、この危機から逃れられるかもしれない。
華はゆっくりゆっくり動いて、懐中電灯の光を前方の壁を照らした。光りを移動させていくと取っ手らしきものがあった。
そろそろと手を伸ばして、取っ手に触れてみるとひんやりと冷たいが今は意識を冷静にしてくれる。
背後のうめき声はまだ続いていた。相変わらず、華の場所を特定しようと動きまわっているようだった。
華は慎重に扉に近づいて、取っ手を持つ手に力を入れる。

328 :鬼子と華と:2010/11/02(火) 19:55:38 ID:7BZgYZHg

ガタンッ

扉が思わぬ音を立てて開いたのだ。華は力任せに扉を押し開くと涙を流しながら中へ駆け込む。よりひんやりした空気が華を包むと同時に、背後の暗闇からすごい勢いで何かが伸び華の体を掴んだ。
“それ”は逃れようともがく華の腰から発展途上の胸の上に這いあがってきた!

「っぃ!」

息をつめた華の顔の横に、また何かが伸びくる。それは生臭い息を吐き、華の耳元で囁くのだ。

「……ぃち、乳の、話をし、しようじゃない、かぁ」

「ぃや、いやあああああああぁあぁああああっ!!!」

華の絶叫が木霊した途端、扉の奥から空気を引き裂いて何かが飛び出してきた。それは真っすぐに華の右肩辺り、“それ”がいるところを一瞬で通って行く。

「っ!」

華が一拍遅れて体を左へ捩じると、すぐ後ろで断末魔の叫びがあがった。華を掴んでいたものから力が抜けて、背後の暗闇に戻っていく。華はバランスを崩して倒れかかると、すぐに腕を引かれて誰かに支えられた。
ぽふん、と柔らかい感触に顔や肩が包まれる。それはどこか良い匂いがして温かい。恐怖で全身が小刻みに震える華を守るように何者かの腕が肩を優しく摩ってくれた。
思わず力を抜くと、より強い力で華の体を支えてくれる。朦朧とした意識の中、必然的に顔に当たる柔らかいものに押し付けられるが、気持ちいい感触なので華はそのまま身を任せることにした。

「悪しき心の化身め…!いたいけな少女を狙うとは、許せない」

頭上で凛とした声が上がった。

「この日本鬼子(ひのもとおにこ)、鬼の血を継ぐ者として貴様の魂、刈り尽くす!」

背後で薄気味悪いデュフフフフフ…という笑い声が響いたとき、華は意識を手放すことにした。





額にひんやりした感触を受けて、深い眠りから引き揚げられる。瞼を震わせるとひんやりしたものが優しく瞼の上を撫でて行った。

「ん……?」

ゆっくり目を開けると、意識を手放す前の暗闇ではなくそこは明るい世界だった。
乾いた風が吹き、近くで枯れ葉がカサカサ音を立てている。

「よかった、目が覚めたみたいじゃな」

鈴の音のような声とはこんな耳に優しい声なのだろうと、華はとっさに心に思い描く。起き上って視線を彷徨わせると、華の傍らに着物を着た女性が座っていた。
見た感じ、華よりは4、5歳上のように見える女性だ。美しい紅葉の文様が入った橙色の着物を着崩れせず、完璧に着こなしている。
腰近くまで伸びた艶やかな黒髪、その頭に掛けられた般若の面とちょこんと突き出した角のようなもの。
ぼんやりした思考の中で、昔、お婆ちゃんに教えてもらった悪しき化身を魂狩りの薙刀で刈る、清き鬼の娘の話を思い出していた。

「ど、どうした…?まさか、どこか痛むのか?」

心配そうに寄せられた眉は形良く、言葉を紡ぐたび肉感的に動く唇は紅をひいてないのに可愛らしい桜色。
華はそんな人から逸脱した美しさを持つその女性をまじまじとみて、やはり、と内心納得する。

「もしかして、あなたは…鬼子、さん?」


329 :鬼子と華と:2010/11/02(火) 19:58:26 ID:7BZgYZHg
「!?」

控えめに窺うと、女性はびっくりした顔のまま固まってしまった。ちょっと心配になって、華は起き上りじっとその瞳を覗きこんだ。

「でも黒い目だぁ、お婆ちゃんは鬼子さんは紅い目っていってたのに」

「そ、そなたは私を知っておるのか?」

「あなたが本当に鬼子さんならね。…お婆ちゃんが教えてくれたの」

「ふむ…そなたの名とお婆様の名を聞いてよいか」

そっと、華の肩に手を置いて今度は鬼子が華の瞳を覗く。鬼子の目は黒曜石のように透き通っており、まるで宝石だと、華は思った。

「私は、中村華。お婆ちゃんは中村タミだよ」

「中村タミ!やはり、そうか」

華のくりっとした目をじっと見つめ、肩まで伸び毛先の方があちこちに跳ねた髪を優しく手で梳きながら鬼子は嬉しそうに笑う。同性の華でもときめいてしまうほど、可憐な頬笑みだ。

「タミによく似ている…。タミも生意気そうな鼻をしていたわ」

最後にツンと鼻を突かれて、華も思わず笑ってしまった。

「でも、なぜあそこにいたのじゃ?」

「…そ、それは…えっと…」

華はイジメにあっていることを言っていいか、少し迷うが、鬼子の澄んだ瞳と意識を失う前に感じたあの温もりを思い出して話すことにした。
他の大人、親や先生には一言も言ったことがなかったのだけれど、鬼子の前では素直な自分でいられる不思議な感覚に華はこそばゆさを感じた。

「そうか…今の時代も、タミも時代もかわらんのぅ」

「えっ?そうなの?」

「そうじゃ、タミと私が出会ったときもタミは村の子にいじめられていての。夜、あの神社の中に閉じ込められていたとき偶然私の封印を解いたんじゃ」

いや偶然ではないかも、と鬼子は少し遠くを見据えながら言った。昔を思い出すような、でも少し痛そうに眉間に皺を刻んでいる。
思わず、華は手を伸ばして眉間に触れた。

「華?」

「綺麗な顔なのに…」

ふっ、笑った鬼子が華の手をとって、こつんと額同士をくっつけ合った。
普段、他人にそんなことをされれば嫌な気持ちになるはずなのに、鬼子にされても全然嫌な気持ちにならない。むしろ、ずっとこうしてひっついていたいとさえ思う。
華はそっと離れていく鬼子にちょっぴり残念に思いながら、顔を離した。


330 :鬼子と華と:2010/11/02(火) 20:00:38 ID:7BZgYZHg

「華、あの扉の封印はそう易々と解けることはない」

「?」

「この地に悪しき者共の災厄が起ころうとしているんじゃ。そして、それを振り払うためにお主が選ばれた。…タミに続き、その血族の華、とはこれも因果かもしれんの」

「え、サイヤク…って?あ、あたし、そんなことできないよっ」

「お主は私を現世に繋ぎとめておくための楔のようなものじゃ。お主は何もしないでもよいが…一つ問題がある」

真剣に言われ、華は思わず居住まいを正した。朽ちた鳥居の上に腰掛けている鬼子はどう説明しようか考えあぐねているようだった。

「先ほどの悪鬼、あれは誰を狙っていたかの?」

「さっきの気持ち悪いの?…あたし、かな」

「そうじゃ、それは偶然ではない。私は華がいなければ、この世界に存在できないのじゃ。華が死んでしまえば、私は楔を失い消えてしまう。
つまり、悪鬼どもは戦って私を消すよりも力のない華を狙ったほうが楽というわけじゃ」

「そんなぁ!」

「じゃから、私は全力で華を守ろう」

穏やかにそう宣言され、華は対応に困ってしまう。今まで誰かに邪魔者扱いされることはあっても、こんなことを言われるのは初めてだから。
華は自然と赤くなる頬を両手で隠した。
鬼子は頭上に翳した手をゆっくり翻すと、何もない空間から魂刈りの薙刀を取り出し、華の前に膝まづいた。

「この薙刀にかけて、私は華を守る。華を傷つける者は許さない」

「ぅ…うーん、そ、それじゃあなんかちょっと趣旨が違うような…?」

「良いではないか!さぁ、これから忙しくなるぞ華。いじめっ子なんか相手にしている暇はないと思え!」

「ええ!?」

小さい華の頭をくしゃくしゃとして、鬼子は華の不安を吹き飛ばすように溌剌とそう言った。
にこにことしている鬼子をみていると、なんだが心が軽くなってくる気がして、華もしれず口元が綻んでしまう。
さりげなく鬼子の意外と小さい手をぎゅっと掴んで、二人は山を下りて行った。




つ、つづ…かない…?



331 :創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 20:05:15 ID:efjzGXHb
鬼子と華と乙でした
他の派生スレじゃ鬼子=日本になりかけてる中
オリジナルな世界観でじんわりダークな雰囲気がかっこよかった
鬼子と華的な世界観で鬼子展開していったら面白そうだな

332 :鬼子と華と:2010/11/02(火) 20:08:38 ID:7BZgYZHg
お粗末さまでした。

約4時間で書いた熟考も何もない設定で申し訳ないです。
幼女とちょっぴり大人な鬼子さんを書きたかった、
んだけど文才ないのは辛い…。
軽く流し読みして頂ければ幸いです。

もう少しオリ設定なんか練ってみたいと思います。

誤字脱字、文章が長々していて読みにくい等あるかと思いますが、
勝手がわからずすみません。
ではスペースありがとうございました。

333 :創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 20:10:53 ID:x5HlTfum
>>330
乙です。続きを楽しみにしてます。

334 :創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 20:25:47 ID:/bxpHLgc
乙!楽しませていただきました!

335 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 00:11:16 ID:4a6VAYn6
>>331
>>333
>>334
ID変わっちゃったけど、鬼子と華と、の作者です。
反応くれて嬉しいです。
続きを書くとしても、またここに投下してもいいんかな?
他の方の投下にお邪魔じゃなければ、また読んでもらいたいので。

336 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 00:20:06 ID:zCWCknUS
流れを読まずにとりとめのない妄想を投稿

武器とかもってるし凛とした雰囲気の画像が多いから『萌え』をテーマとしても
シャナみたいなバトル系のがやりやすそうだ・・・・・・

主人公はごく普通のなんのとりえもない高校生男子(主人公補正はある)
謎の組織や悪い妖怪に狙われる主人公を護るために鬼子が戦う学園ファンタジー
鬼子は妖怪と人間のハーフで、普段は主人公と同じ高校に通う美少女だが
戦闘時には妖怪モードに変身して超つよくなる。ポロリもある。

人間モード:黒髪ロングのおっとりとした清楚なドジっ娘常時デレデレ
妖怪モード:性格が変化。ツンデレ(4:6)

般若モード:怒りに我を忘れ力にのみこまれ暴走した鬼子
      最終回あたりで主人公の捨て身の呼びかけでもとにもどったりする
      二期ではその力を使いこなしてパワーアップ


主人公「鬼子っ! おれがわからないのか! もうやめてくれ!」

鬼子「グオオオオオオォォォォォォオォオオォォォォン・・・・・・」

 ズシーン・・・・・・ズシーン・・・・・・

主人公「くそ・・・・・・おれは何て無力なんだ・・・・・・っ!」

ライバル「あまったれるんじゃねえ!」バキィ!

主人公「グハっ・・・・・・なにしやがる!」

ライバル「いま一番苦しんでるのは鬼子ちゃんだ! それなのに・・・・・・
 お前はこんなところでなにチンタラしてやがるっ・・・・・・くっ・・・・・・」ドサッ

主人公「ライバル・・・・・・おまえ・・・・・・」

ライバル「はやく行ってやれよ・・・・・・鬼子ちゃんは、お前が来るのを
 ・・・・・・待ってるはずだぜ・・・・・・おれじゃなく、お前を、な」

主人公「・・・・・・すまねえ、行ってくる!」ダッ

ライバル「ああ・・・・・・あれ、あいつ、あんなに足速かったっけな・・・・・・
 もう霞んでで見えやがる・・・・・・ぜ。しかし今回はちいとばかり無理しち
 まったなぁ・・・・・・・・・・・・後は頼んだぜ、主人公」ガクッ


337 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 01:20:41 ID:dwadLOA7
デュフフフフ、で不覚にも

338 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 11:40:15 ID:B0/VjyTt
>>336ライバル死亡フラグたちすぎww

339 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/03(水) 15:35:12 ID:VqKOAC2b
>>335
出来れば早いほうが良いかもしれません。
スレ乱立問題が避難所で議論されており、このまま過疎が続くと、
最悪、スレが削除されてしまうかも知れない状態です。

杞憂とは思いますが、スレが賑わってるに越した事は無いので。
私も、拙文ながら出来るだけ投下するつもりです。

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1288642664/

149 :名無しさん@避難中:2010/11/03(水) 14:38:05 ID:9smlqlpk0
お早うございます。ちょっと早めにまとめ投下ですー

【まとめ】避難所1-6
★[1]二次利用について >>61 >>137 >>138
[2]商用利用・二次創作の項目について>>66>>69
[3]フィギュアについて]>>31>>33>>38>>40>>53
[4]代表イラストNo15を使ったガジェット問題 >>140 >>141
[5]代表鬼子・サブキャラの認識 >>48-50
[6]wikiの管理?について >>46
[7]スレルールの統一問題 >>144-146

[8]スレ乱立問題→数日中に削除or再利用 >>98>>104>>106>>112>>115 >>132

[決]>>118 歌詞の人の「紅葉着の日本鬼子」の歌詞は提供します。歌詞はお自由に。
  ※ガイドラインに沿って使用しましょう。※曲は音楽の人の物です。
[案/本スレ]こにぽん >>123 >>125

何かありましたらご指摘ください。

340 :「鬼子と華と」の人:2010/11/03(水) 18:22:38 ID:wWFiynJU
>>339
了解しました。
もうすぐ続きが書きあがるので、また夜にでも投下したいと思ってます。
お互い鬼子ちゃんを盛り上げていくため、このスレを守る(?)ため
頑張りましょうね^^

341 :「鬼子と華と」の人:2010/11/03(水) 19:28:51 ID:wWFiynJU
続きが書きあがりましたので投下します。
今回は結構長いのですが、最後までお付き合いいただけると
嬉しいです。
では次から始めさせてもらいます。

342 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 19:30:57 ID:wWFiynJU
鬼子と華と2 〜鬼子と華と『いじめっ子』〜




いつまで経ってもあのいけすかない中村華は“幽霊神社”から出てこなかった。
だんだんと日も傾いてきたし、もう秋も深まった季節柄。長袖の服を着ていても、この時間帯になれば鳥肌も立つというものだ。
いじめっ子リーダー、雨宮里香は思わず自分の体を抱きしめながら、後ろの少女たちに振り返った。

「…里香ちゃん、もう帰ろうよー」

そう云い出したのは城崎亜子。このいじめっ子の中で一番薄着のようで、ショートカットの髪型がより寒そうだ。
里香は他の少女たちに視線をやるが、皆、もうここで待つのがつまらないらしく早く帰りたそうに里香を目で窺ってくる。

「う…そう、だね。べ、別にあんな奴が戻ってくるまで律儀に待たなくたっていいんだし」

このメンバーの中で一番背が大きく、それを気にしている里香は癖で猫背にしていた背をもっと丸めて抱いた腕を擦った。
里香の決定に安堵した少女たちは我先に山の緩やかな斜面を下りていく。里香もそれにならおうと一歩踏み出したとき、神社の方で何か声が聞こえた気がした。
首だけ振り返ってみると、神社の暗い入口の奥から何やら小さいものが飛び出して行った。
それをよく見ようと身を乗り出しかける里香。だがそれはすぐそばにいた亜子によって阻まれてしまう。

「里香ちゃん?もーあたし限界!早く下りよ?」

服を掴まれて、里香は、それもそうか、と考え直しそのまま斜面を下りていく。
少し先を行く亜子に早く追いつこう、そう頭の中で考えていて里香は気がつかなった。
里香の影の中に神社から飛び出してきた悪鬼の欠片がその身を溶け込ませたことに。







「ただいまー」

華の声は家の中に響くが、それに応えてくれた声は一つもなかった。
山を下り、すぐ脇の国道に沿って歩くと山間に守られるようにしてある大きな街にでる。ここは日出町。
他の街までのアクセスが少しし難いが、その分街の中に大きな商店街、学校、病院があるおかげで住民はさして不便はない。
ただ大きな山が街の両サイドにあるおかげで新たな土地開発は大変難しいらしい。
鬼子が封印されていた“幽霊神社”はこの双子山の片方、赤山にある。

「…ふむ、華。家人はおらぬのか?」

「うん、お母さんは看護師してるんだけど今日は夜勤だからお家にいないの」

鬼子が見た限り、他の隣接している一軒家より華の家は少しばかり大きかった。小さいながらも庭もあり、玄関先には鉢植えがたくさん置かれていた。
華は履いていたスニーカーを脱ぐと家に上がった。鬼子もそれにならい、履物を脱ぐ。

「リビングはこっちだよ」

華に促されて、部屋に入ると鬼子は思わずきょろきょろと無遠慮に辺りを見回す。
見たこともない大きな、それでいて四角く薄っぺらい板が壁際にあるし、部屋の中央あたりに鎮座するのは囲炉裏ではなく平たい大きな板。
奥の方にはこれまた見たことのない器具が置かれた謎の空間。
タミのときもそうであったが、鬼子は目覚めた時代の文明の進歩に口をあんぐり開けるしかなった。

「えへへ、鬼子さん見たことない物ばっかで混乱してる?」

「う…うむぅ…。タミの時代の方がまだ見たことあるものがあったな。…そうじゃ華」

「ん?」

343 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 19:34:02 ID:wWFiynJU
鬼子には謎の空間、今ではキッチンと人が呼ぶ中へ華が入っていこうとするのを言葉で止めた。振り向いた華の肩に手を置いて、そっと摩る。

「いやな、私のことは呼び捨てで良いのじゃぞ?なんだか、こそばゆくてのう」

「うーん、でも鬼子さんは“さん”って感じだし…」

「もう少し近しい呼び名の方が良いな。これから、どれぐらいの時をお主と過ごすかはわからぬが…なんとなしに他人行儀な気がするんじゃ」

華は、そう言われてみるとそうかもしれない、と思い顎に手を当てて、うーん、と唸った。
頭の中に様々な呼び方を描くが、そのどれも微妙だ。

「……そうだなぁ。あ、じゃあ“鬼子ちゃん”って呼ぶことにする!」

「“ちゃん”!?…ま、まぁ華が良ければそれで良いが」

さん付けよりもっと違和感あるものに変わられてしまった気がする鬼子であったが、満足げな華の前では撤回することなど出来なかった。機嫌よく華はキッチンの奥へ消えていく。

「鬼子ちゃん、ソファーに座っててね」

奥からそう言われて鬼子はまたきょろきょろした。
華のいうソファーとはいったいどれのことだ、と必死に考えて、大きな板のような台のようなものの前にどっしりと置かれた革張りの塊に恐る恐る座った。

「鬼子ちゃん、正解!」

奥から盆を持って華が出てきた。盆の上にはコップが二つ乗せられている。

「やっぱり鬼子ちゃんにはお茶がいいかなって思ったんだけど…」

お茶っ葉切らしてて、と続けた華が鬼子の前に出したのはなんだかしゅわしゅわした液体が注がれたコップだった。
鬼子は華の顔を見、それからゆっくりコップを掴むとその液体をちょびっとだけ飲んだ。
舌の上で踊る、ピリッとした感覚とさわやかに甘い味。
次はもう少し多めに含み、飲み下す。初めて味わうソーダの、あまりに甘美な美味しさに鬼子は人知れず感動していた。

「…お、鬼子ちゃん?えと、美味しくなかった…?」

心配そうに見つめてくる華を思わずコップをもったまま抱きしめて、鬼子は残りのソーダも飲みきってしまった。

「華!なんじゃ!この!美味な!水は!」

「お、おおおお、落ちついて!」

華をホールドしたまま踊りだしそうな勢いの鬼子をどうにかこうにか宥めてから、そんなに美味しいならと冷蔵庫からペットボトルごとソーダを持ってきてまたコップに注いでやった。

「今の時代はこんなに美味なものがあるのじゃなー!このしゅわしゅわした感じがまた良いの」

上機嫌に杯を開ける鬼子はさながら、大酒呑みの鬼といったところか。まぁ飲んでいるのソーダなのだけど。

「それでね、鬼子ちゃん。聞きたいことがあるんだけど…」


344 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 19:35:37 ID:wWFiynJU
「なんじゃ?」

「これからどうやって、その“サイヤク”を見つけて止めるの?」

「ふーむ、それなんじゃが」

2Lペットボトルを脇に抱えて、鬼子は腕組した。

「災厄がどの程度で、どうこの土地に降りかかるかはわからんのじゃ。タミのときもそうじゃったが、普通に生活している中でその手掛かりを悪鬼共から探していくしかないかのう」

「悪鬼を探すの?」

「その点の手間は大丈夫じゃろう。悪鬼共は楔に引き寄せられる性質があるのでな、いちいち探さんでもそのうち我らの前に現れるんじゃ。さっきみたいにな」

「え、ちょっと待って!じゃあ、あたしが学校に言っている間も鬼子ちゃんがついてくるの?」

それは困る!とばかりに華は身を乗り出した。
ただでさえ、今、華はいじめっ子グループのリーダーである雨宮里香に目を付けられて大変だというのに、
言ってはなんだがこんな時代錯誤な服装でしかも角が生えている人間なんか登下校中ずっと一緒だとさらに悪目立ちしてしまうだろう。
先ほども、この家に帰ってくる途中、道行く人に奇異な目で見られていた鬼子だ。
さすがにそれは避けたい華だった。

「そうじゃよ?何か不味いことでもあるのかの?」

「う…鬼子ちゃん目立つし…、その、あたし、あんまり学校では目立ちたくないんだよ」

「じゃが、それでは華が無防備すぎる。…生憎私は人から見えなくなる術は持っておらんのでな…。角くらいなら消せるが、ふーむ」

「その服脱ぐことは?」

「すまないの、この着物は私の力で出来ておる。脱ぐことは出来ないんじゃ。着物の形ならいいんじゃが、他の服の形はどうにも慣れんでの。
短時間ならいいのじゃが、一日ずっと違う服の形に変えておると疲れてしまうんじゃ。…おぉ、そうかあの手があるぞ、華」

抱えていたペットボトルをテーブルに一旦戻して、鬼子は着物の合わせから一枚の和紙を取りだした。
そして自らの髪の毛を一本抜くとその和紙に包み、ふっ、と息を吹きかけた。
すると、その和紙は鬼子の手を離れ床に落ちてしまう。

「あっ」

「よいよい、まぁみておれ」

拾おうとした華を鬼子が制した。和紙は床に着くか着かないかの狭間、その身をくるりと翻して和紙全体がくるくると巻きこまれていってしまう。
小さな塊になったと思ったら、次の瞬間には勢い良く広がり一気にその体積を増やしていった。

「あわわっ」

華が驚いて身を引くと、ぽん、と軽い音を立てて和紙はいつの間にか華より小さい一人の少女に変わっていた。
だが、その少女には人にはないものがついておりその服装もまるでコスプレしているようだった。


345 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 19:37:23 ID:wWFiynJU

「久しいの、小日本(こひのもと)」

「鬼子様、御呼びですか」

さっとその場に膝まづいたその少女の頭を覆う小金色の長い髪から大きなもふもふした耳が二つ、突き出していた。先の方が黒いそれはまるで狐の耳。
巫女装束に身を包んでいるが、お尻のあたりからこれまたもっともふもふした狐の尻尾が外に出ていた。

「こ、これってぇ?」

「華、私の使い魔じゃ。これ、小日本、この方は新たな楔で名を中村華という。お主もちゃんと挨拶せい」

「華様、お初にお目にかかります。私(わたくし)は鬼子様に長年使える縁狐の小日本と申します」

「こ、こいの…もと?」

「違う、こひのもと、じゃ」

鬼子に指摘されるが、どうにも呼びにくい。小さくてもふもふな見た目の小日本は鬼子とはまた違うベクトルの可愛さがあふれていた。
床に膝まづいたままの小日本の元に、華はしゃがみこむと、間髪入れずそのふわふわな頭を撫で撫でした。

「か、可愛い…!あのね、小日本って呼びにくいから、こにぽんって呼んじゃ駄目かな…?」

「こに…?華様が望むのなら」

従順な性格なのだろう、小日本は華にわしわし撫でられても顔色一つ変えない。だが、その頬はうっすらと桃色に染まっていた。

「は、華様の方が私よりも大変可愛らしゅうございます」

「…へ?」

「ほほほ、小日本は華のことを気に入ったようじゃな。そうやって名をもらったことがない奴じゃ、顔には出ないが嬉しいのじゃろう」

小さな手でしがみついてくる小日本を抱っこして、そのまま華はソファーに移動した。

「して、華。その学校とやらに持っていける物で常に身につけていられる物はあるかの?」

「うーん、髪留め、とかかな」

「そうか、ほれ、小日本」

「はい、鬼子様」

華から離れて、少し広いスペースに移動すると小日本はその場で勢いよく飛び上がると空中でその身をくるんと丸めた。一瞬で小さくなる体。やがて軽い音を立てて落ちたのは、狐の飾りがついた可愛らしい髪留めだった。

「すごーい!こにぽん、髪留めになっちゃった!」

「よしよし、つけてやろう」

鬼子は髪留めになった小日本を拾い上げて、華の前髪を横に揃え、髪留めを指してやった。

「学校とやらや、他の私が直接ついていけない場所にいくときは小日本を連れていくがよい。危険が及べばすぐに私が駆け付けるが、その間は、小日本」

「はい」

「お主がちゃんと華を守るのだぞ」

「必ず、華様をお守り致します」

髪留めから小日本の声が聞こえてくる。華はそっと狐の飾りを撫でて、「お願いね」、とはにかみながら言った。

346 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 19:38:32 ID:wWFiynJU






温かな湯が全身の疲れをほぐしてくれる。
里香はほぅ、と息を吐いて体の力を抜いた。
今日はなんだかとても疲れた気がした。あのいけすかない中村華は無事に石を手に入れただろうか。
そこまで考えて、里香は自分は何をしているんだと湯船の中に口まで沈みこんだ。
あんな女の無事なんてどうでもいいじゃないか、むしろ幽霊にでも食べられてしまった方が自分にとって都合がいいじゃないか。

「はぁ…」

里香は、こんなことをしていても意味がないことはわかっていた。
去年の暮れにこの土地に越してきた、中村華。
彼女の境遇は里香に似ていた。
中村華の両親は離婚の調停中らしく、華は華自身の希望で母親についてきたらしい。
そして、里香もかつてそうだった。
里香の場合は父親であったが。
でも里香は悔しかった。華は母親に愛されているようなのに、自分は?
男にだらしない母親に嫌気がさして父親を選んだ里香であったが、結局、父親も家族を養うために仕事に忙しく里香のことをなかなか構ってくれない。
さして広いアパートではないが、いつも一人だととても広く感じ、そして寂しかった。
そんなとき出会ったのが華だった。
だが、華には里香が欲しくてもどうしても手に入れられないものをもっていたのである。

「…兄弟、ほしいな」

ちゃぽん、と水音が静かな風呂場に味気なく響く。
湯の中で伸ばしていた長い足を縮めて、里香は膨らみかけの胸を抱いて浴槽の中で体育座りになった。
華には歳の離れた兄がいたのだ。
似たような境遇なのに、なぜ?なぜあの子には私が欲しくてたまらないものをもっているんだろう。
一回だけ見たことがある華の兄は大学生らしく、華と同じ家に住んでいるわけではないみたいであったが。
里香はどうにも、あの頭を優しく撫でられて嬉しそうに、そしてちょっと恥ずかしそうに抗議していた華とその兄の光景が頭から離れなかった。
あの場所には、里香の知らない温かいものが溢れていたのだ。
またそれを思い出して、里香は憂鬱になる。
この寂しさと羨望が、華をいじめるきっかけになった。最初は里香だけが華に冷たい態度をとっていたのだが、それを面白がった周りの同級生たちがそれに乗ってきてしまったのだ。
もう、こうなったら後戻りなんか出来ない。毎日毎日、里香は湯船の中でどうやって華と仲直りするか考え、同時に明日はどんな風にいじめてやろうかと考えるのだった。

「…でよ」

いい加減、ゆだってしまう。そう思って立ち上がると、少しだけ立ちくらみを起こしてしまった。ふらつく体を湯船の縁に捕まって支えていると、どこからか、不思議な声が聞こえてきた。
それはとても甘美で、優しくて。でも、どこかおどろおどろしい。
だんだん混濁していく意識の中、その声はしだいに大きくなっていた。
駄目だ、そう思う気持ちは湧いた傍からあの声に塗りつぶされて行った。
本格的に支えられなくなった体はずるずると、また湯の中に沈められてしまう。
ぼんやりする視界の中、湯の中で揺らめく自分の影の中に無数の目を見た気がした。


347 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 19:39:32 ID:wWFiynJU





夜勤の母はまだ帰らない。
そんな朝はいつも一人きりの朝食なのだけれど、今日からはとても賑やかなのが嬉しい華だった。
人間とは違う次元の存在らしい鬼子と小日本だが、人と同じものを食べても問題ないようだ。
初めて食べたパンもいたく気にった様子の鬼子と、バターピーナッツが美味しくて仕方ない小日本はさっきから尻尾が知れず左右に揺れている。
文明の進歩を目の当たりにして毎回テンションの高い二人といると、いつも憂鬱な学校の時間が迫ってもさして苦痛ではなかった。
それに今日からは小日本が一緒にいてくれる。
どんなイジメがまっていようと頑張れる気がした。

「それじゃあ、行ってくるね」

「鬼子様、行ってまいります」

「うむ、勉学に励むのじゃぞ」

留守番を鬼子に頼み、二人は中村家から学校へ向かった。
日出町の学校は睨みあう双子山から直線を引き、ちょうど街の真ん中にある。小学校と中学校が隣り合わせにしてあるので、グランドがとりわけ広い。
赤山側の住宅地にある中村家から徒歩で学校を目指すと、だいたい20分くらい。
行きは下り坂が多いので比較的楽ではある。
この日出町に越してくる前はかなり都会に住んでいた華は最初、この道のりとそして6年生でもランドセルを使っている同級生に驚いたものだ。
華の通っていた小学校はこの年頃になるとほとんどランドセルを使う子供はいなかったのだが、ここら辺では勝手が違うのだろう。
年季の入ったランドセルを背負う同じ年頃の子どもの中、去年の誕生日に父にプレゼントされた大きい桜模様がプリントされた肩掛け鞄の華はちょっと浮いている。

「あ」

前方に固まっていた見覚えのある集団の一人が声を上げた。
雨宮里香が率いる女子いじめっ子グループである。
いつも酒屋さんの角を登校の待ち合わせ場所にしているこのグループは、イジメの対象である華を見つけると一目散に寄ってきて、ネチネチと言葉責めを始めるのだが…。
今日はなんだか様子がおかしいようだ。
華の存在は認めているものの、なぜか近づいてこない。
さっと視線をめぐらせてみると、どうやらリーダーである里香がいないようだった。
気まずそうにこちらに視線を寄越してくる少女たちであったが、結局いつものようなアクションを起こすわけでもなく、通り過ぎていく華を横眼で見つつまごまごしているだけだった。

『あれが昨日お話になっていたいじめっ子らですか?』

華が聞こえるギリギリの声量で話しかけてくる小日本。予想していた事態にならなかったので、拍子抜けしているのだろう。
華は小さく頷くと、ちょっとだけ振り返っていじめっ子グループを見た。
やはり追いかけてくる様子もなく、何事か話しこんでいるようだ。
まぁなんにしてもこちらに危害を加えてこなかったので、良しとしよう。
華はそう思い、足取り軽く学校をめざした。





348 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 19:40:36 ID:wWFiynJU




その日の授業、休み時間ともにびっくりするほど平穏だった。
いつもだったら女子らの無言の視線の暴力や休み時間となれば、華の悪口を堂々と垂れ流し、何もない放課後はすぐに捕まり無理難題を吹っ掛けられる。
しかし、今日はそれが全てなかったのである。
原因はやはり、休みだった雨宮里香なのだろうか。
そんなことを考えながら、華は園芸クラブで育てている花たちに水をやっていた。
クラブがある日はいじめっ子に捕まらないのが唯一の救いだ、と思っていたものだが、本当に今日はどうしたんだろう。
園芸クラブは同じクラスの女子が一人もいなく、そして華に嫌味をいう同級生は一人もいなかった。
それは園芸クラブのメンバーが三人しかいないせいもあるが。
その中の一人は完全な幽霊部員と化していて、実質は二人のみである。
傍らで花に水をやる少年が、ぼんやり考え事をしている華をみて、慌ててその手を止めさせた。

「ああ!中村さん!水、鉢植えから溢れてるよ!」

「ぇ…ぇあ!?ど、どーしようっ」

「と、とりあえず、余分な水を捨てないと…」

慌てて二人は重い鉢植えを一緒に傾けて、なみなみと注がれた水を地面に流した。少し土も流れてしまったようで、球根が顔を覗かせている。

「…あとで土増やしとかないとね」

「うぅ…、ごめんね。考え事してた」

「やっぱり…雨宮さんたちの事?」

控えめに聞いてきた園芸クラブの少年、小石徹はしゃがんだままため息をついている華の傍らに座り込み、困った顔をした。

「う…ん、今日は雨宮さん休みだったんだけど…なんかいつもみたいに城崎さんたちがいじめてこなかったから、なんでだろうと思って」

「え?雨宮さんなら、さっき学校で見たけどなぁ」

「へ…?」

「廊下を歩いてるのを見たよ。取り巻きの子たちも一緒だったみたいだけど…」

華はおかしいなぁ、とぼんやり考えていた。
今日は一日中、里香は休みだった。亜子たちは時折、誰もいない里香の席をきにしていたようだったがそれだけだった。
朝の出来事といい、なんだか今日はおかしいことだらけだ。
無意識に狐の髪留めに触れ、また思考の海に沈んでいく。

「まぁ今日はいじめられなかったんだし、良かったね!中村さん」

勤めて明るくそう言う徹は、今だ何事か考え込んでいる華をちらっと盗み見て、小さくため息をつくのだった。
仕方なく、徹は新しい土を取りに行こうと立ち上がったとき、遠くの方からこちらへ歩いてくる数人の人影を見た。
とても目が悪い徹は、眼鏡をしていてもその人物たちが何者かわからない。立ったままそうしていると、やがて華も気がついたらしく、徹の方へ顔を向けた。

「どうしたの?小石くん」

「や、誰かがこっちに来るみたいなんだけど…」

「…?」

華は徹の視線の先を辿ると、そこには見覚えのある集団がこちらを目指してやってくるのが見えた。
先頭を行くのは、雨宮里香。その後ろを必死に追いかけてくるのは城崎亜子ら、例の少女たちである。
亜子たちはひどく顔色の悪い里香を懸命に呼びとめようとしているらしいが、当の里香は視線すらぶれずに一直線に華を目指していた。


349 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 19:42:17 ID:wWFiynJU

「雨宮さん…?」

「え、中村さん逃げた方がいいんじゃ…」

「でも、なんか様子がおかしいみたい」

華はジョウロを傍らに置くと、立ち上がった。数歩前にでて、向かってくる里香と対峙する。

「雨宮さん、今日休んでたんじゃ?」

「……」

声を掛けても、青白い顔をした里香は射抜くような視線を華に向けたまま何も答えない。目の下には大きな隈さえも出来ていて、その体から醸し出される気配に不穏なものを感じる。

「り、里香ちゃん!風邪引いたって言ってたのに、なんで学校きたの?寝てなきゃだめだよぉ」

「…ぃ」

「里香ちゃん!」

亜子が里香の腕にしがみついて、その体を労わるように背中を摩る。他の少女たちも里香に触れようと手を伸ばしたとき、里香が初めてアクションを起こした。

「…ぅるさい!」

パァン、と寒空に乾いた音が響く。それは、鬼気迫る里香が亜子の頬を自由な方の手で叩いた音だった。
衝撃で体を離し、後方に尻もちをつく亜子。華はその光景がまるでスローモションのように感じられた。

「り…り、かちゃん…?」

「あんたらみんな、あたしの気持ち知らないクセに…。あたしは…あたしは…っ!」

充血した目からこぼれ落ちる大粒の滴。それが地面に落ちたとき、周りの空気がざわりと震えた。
息を吸うのも苦しくなるほどの禍々しい気配に、華はとっさに髪留めに触れた。

『華様、あの少女の影をご覧ください』

小日本の声に、華は顔を手で覆いながら苦しみ始めた里香の影を見た。そこには気持ち悪く蠢く、無数の目。それがやがて立体的な波を起こしながら、里香の影から出て行こうとしていた。

「ひぃ!な、なにあれ!」

取り巻きの少女の一人がそれに気が付き、悲鳴を上げる。
それを皮切りに、里香の後ろにいた少女たちは恐怖で動けない亜子をそのままにして皆、散り散りに逃げてしまった。亜子も逃げようと尻で後ずさるが、腰が抜けて立ち上がれないようであった。

「こ、こ、こ、こにぽん!あ、雨宮さんが!」

『あの少女の心の闇につけこんだ悪鬼が、彼女の心の起伏に反応して活性化しているのでしょう。ここでは他の方たちが危険です。ひとまず、走りましょう』

亜子同様、腰を抜かしていた徹を見て、華は髪留めに引っ張られる方向に走り出した。
ちらりと、里香を見るともはや里香の姿は黒いどろどろした無数の目玉の海に飲み込まれてしまっていた。
それは華が踵を返して走り出した半拍遅れて、華の後ろを追ってくる。
ぬちゃぬちゃと、気持ちの悪い音を出しながらも意外と俊敏な動きで華を完全にマークしていた。

「こにぽん!追ってくるよ!」

『建物の裏手なら人もいないでしょう。さぁ、早く』

350 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 19:43:37 ID:wWFiynJU
小日本の声に、普段あまり運動をしない華は息を荒げながら頷くしかなった。
後方の悪鬼は、華を捕まえようと躍起になっているようで時折、華めがけてドロドロした黒い液体を投げてくる。だが、何かに阻害されているような不自然な動きの後発射しているので、華にかかることはなかった。
酸素の足りない頭でなんとか校舎裏への最短ルートを辿った華は、到着したとたん、足を挫いて転んでしまった。

「ぁいたっ!」

「大丈夫ですか、華様」

いつ間にか髪留めから姿を元の幼女の姿に戻していた小日本は、華を守るようにして悪鬼と華の間に立つ。その手には大きな櫛と、その櫛に括られた紐の先にある大きな鈴が握られていた。

「人の弱い心に入り込む悪鬼め、この小日本、縁狐の名の下に断じて許すまじ」

しゃん、と高らかに鈴を鳴らす。すると、その音は人の感知出来ない音域を発して遠くにいる鬼子の耳に届くのだ。
もう片方の手に持った櫛を構えて、小日本は蠢く悪鬼に躍りかかる。

「デュフ、デュフフフフフフフフ!」

奇怪な笑い声を上げながら、無数の目玉から黒い液体をどぴゅどぴゅ発射する悪鬼。それは魚が腐ったような、吐き気を催す臭いがした。
小日本はそれをなんなく交わすと、悪鬼から伸ばされた先に目玉のついた触手を櫛で切り裂いていく。

「こにぽん!」

「華様、あの液体にかからないよう注意してください。あれは人の心を腐らせるものです、かかればあなた様も悪鬼の奴隷になってしまう」

小日本の俊敏な動きにも、悪鬼ななかなかどうして対応してくる。悪鬼の力の元になっている人間の心に闇が多ければ多いほど、悪鬼の力は強くなるのだ。悪鬼に心を捉われている時間が多くなるのも危険だ。
鬼子の力があれば、人間に取りついた悪鬼だけを浄化することは出来るが、心そのものが悪鬼になってしまうほど潜伏期間があるとその人間も浄化しなければならない。
雨宮里香の場合は、悪鬼に捉われてまだ間もない様子なのでその点の心配は皆無のようだ。
小日本はそれよりも、里香自身の体を心配していた。
悪鬼に囚われてここまで早く表面上に悪鬼が出てくるのは、依代になった人物の体調がかなり芳しくない場合がほとんどだ。
先ほどの里香の顔色は最悪だった。きっと病によって弱った心を悪鬼に支配されているのだろう。
伸びてくる腐敗臭漂う触手を叩っ切って、小日本は早く依り代になった少女を救出しなければ、と考えていた。

「こにぽん、危ない!」

「っな!」

思考に意識を取られていたとき、隙をついた触手が小日本の櫛を持つ方の腕に絡みついた。その触手は小日本の力で出来ている服を禍々しい力で溶かしていく。
焦った小日本が暴れようともがくが、攻撃手段を抑えられてしまったのでろくな抵抗も出来ずに次々と襲ってくる触手から逃れようがなかった。

351 :「鬼子と華と」の人:2010/11/03(水) 19:51:48 ID:TbVHdSK7
連続投稿規制にひっかかちゃいました^^;
続きはもうしばらくお待ちください〜
すみませぬ


352 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 19:53:04 ID:UYdQ2mR/
たまに支援した方がよさそうだねゴメス

353 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 20:00:48 ID:wWFiynJU
「う…っ」

小日本の神聖な力で出来ている服はみるみるうちにビリビリに破け、その触手は小日本の素肌にも触れた。

「あぅっ」

じゅ、と闇の力が小日本の玉の肌を焼いた。締め付けられるたびに肌が黒く焼かれ、全身から力が抜けて行ってしまう。

「デュフッ、デュフッフッフッフ!」

完全に優位に立ったと思ったのか、悪鬼は勝利の雄叫びのようないやらしい笑い声を上げ、ぶよぶよした体を震わせていた。何も出来ない悔しさで、華の視界は涙で曇る。
だが、正義は悪を許さないし、ヒーローと呼ばれる者は必ずといっていいほど遅れてやってくるものだ。

「小日本、眠っている間、腕が鈍ったのう」

その声が校舎裏に聞こえたとき、小日本を拘束していた触手が鋭利なもので全て断ち切られた。
触手の支えがなくなり、地面に叩きつけられそうになった小日本を誰かが優しくキャッチする。その人物は艶やかな黒髪が妖力で浮き上がり、普段は小さい二つの角が力の発現によって勇ましく空を突いていた。

「鬼子ちゃん!」

「鬼子様!」

着物の合わせから覗く美しい足、手に持った薙刀が陽の光を受けてギラリと輝く。鬼刈りの血が騒ぐ鬼子は黒い目から血のように紅い目になり、鬼子自身の力で形成されている着物の紅葉が、荒ぶる鬼子に呼応して周囲に美しく散り舞っていた。

「鬼子様…すみませぬ…」

しょんぼりと狐耳と尻尾を垂れさせる小日本、鬼子は「気にするでない」、とその頭を撫でてやった。

「華、すまんが小日本を頼んだぞ」

そう言って、弱った小日本を華に託すと、鬼子は斬られた触手を再生させた悪鬼へ走った。
しなる触手を掻い潜り、噴きかけられる悪鬼の汁を薙刀ではじき返す。

「鬼子様、依り代の少女は病で体が弱っております。早々に浄化を!」

「ふむ、あいわかった!」

気合の入った掛け声を上げて、鬼子は薙刀を前方でくるくると旋回させる。向かってきた触手を全て巻き込んで切り裂いてしまうと、悪鬼の懐に一瞬で入り込み、一閃。
薙刀の残像が悪鬼の上部を切り裂いた!

「デュハッ!!」

「この日本鬼子、鬼の血を継ぐ者として貴様の魂、刈り尽くす!」

悪あがきに伸びてきた触手をついでとばかりに薙ぎ払って、鬼子はそのまま薙刀を悪鬼の腹深くへ突き刺した。
とたん、舞いあがる鬼子の紅葉。一陣の風が鬼子と悪鬼を包み込んだ。

「萌え、散らせっ!」

354 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 20:01:52 ID:wWFiynJU
鬼子の一声でパッ、と散開し消えていく紅葉。その後には一片の悪鬼もなく、残されたのは鬼子と、その胸の中で苦しそうに息を荒げる里香のにだった。

「雨宮さん!?お、鬼子ちゃん、雨宮さんは大丈夫なの?」

小日本を抱きかかえたまま、華は二人のもとに駆け寄った。どうやら里香には意識はなく、眠っているようだ。

「悪鬼の浄化はすんだんじゃが、この娘、ひどい熱じゃ。早く布団に寝かしてやらねばの」

「じゃあうちに連れて行こう!鬼子ちゃん、雨宮さんをおんぶ出来る?」

「なぁに!こんなの朝飯前じゃ」









里香は夢を見ていた。
巨大な黒い塊。それには無数の目がついていて。
そのどれもが、里香を非難するような視線を投げかけてくる。

“お前のせいだ”

“お前が一番最初にいじめてたじゃないか”

“あいつがうらやましいばっかりに”

“なんの罪もない、中村華を”

“なんて奴だ”

最初は優しい言葉だけを、里香を擁護する言葉をくれたそれらは、今は里香を詰り追い込む言葉しかくれなかった。
反論しようとする里香だが、喉の奥がひどく痛み、声がうまく出ない。
それを良い事に、目たちは声なき声で里香をいじめてくる。
里香は聞きたくなくて、耳を塞ぎながらその場にしゃがみこんだ。
だが、あいつらの声は聞こえてくる。

もう、いやだ。助けて。あたしは、こんなの望んでなかった。
本当は、本当は。

「華と友達になりたかったんじゃろう?」

視界が一気に明るくなった。
あの黒い塊はいなくなっていた。そこにいたのは、紅葉の模様が美しい着物を着た女性。
黒髪がそよぐ風にたなびいて、飛んでくる紅葉と一緒に揺れる様はまるで映画か何かのよう。
その女性は、蹲る里香に手を差し伸べた。
白い、綺麗な手だ。
まごついていると、女性はいつの間にか里香のすぐ目の前まできて、遠慮している里香の手をそっと握ってくれる。
温かいけど、ひんやりした、不思議な手。

「いこう、雨宮里香。大丈夫じゃ、華はきっと許してくれる」

立ち上がり、一緒に歩き出す。
視界はどんどん眩しくなって、目も開けられないほどになっていった。
掴まれた手の感触を強く感じたとき、ふ、と心の奥の方で、何かが消えた気がした。


355 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 20:02:09 ID:UYdQ2mR/
---

356 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 20:03:15 ID:wWFiynJU



里香が目を覚ますと、そこは見慣れない場所だった。
額には濡れた布の感触。
それを手にとって起き上ると、里香はきょろきょろ周りを見渡す。
どう考えても、里香の部屋ではない。
どうやら客間のようで、里香が寝かせられていた布団以外は水差しとコップ、そして薬が置かれた盆以外は何もない、畳の部屋だ。
しばらくすると、離れたところから誰かの足音が近づいてくる。
とっさに里香は再び布団をかぶると、寝たふりをした。
襖が開けられる音のあとに、人間が二人、入ってくる気配。

「雨宮さん、まだ起きないみたいねぇ」

一人は大人の女性の声だ。だが、その後に聞こえた声を聞いて、里香は全身が心臓になった気分になる。

「薬効いてるもんね。あ、起きたらきっとお腹すいてるよね。おじやでも作っておこうか」

中村華。あれは確実に、華の声だ。
ということは、もう一人の声は華の母親の声ということか。
里香はバレないように布団の隙間から薄目をあけて二人を窺う。

「そうねぇ、鬼子ちゃんたちも食べるかしらね?じゃあ、お母さんちょっとお台所に行くから、雨宮さんのこと見ていてね」

「うん」

再び襖が開けられ、そして閉められる音がした。
その後に迎えるのは無音。
そのまま里香が固まっていると、華が近づいてくる気配がした。

「寝てる、よね…?」

華は一人ごちると、そっと里香の寝ている布団の上から手を置いて、話始めた。

「雨宮さん、あたし、怒ってないからね」

ドキン、と里香の心臓が跳ねる。

「いじめられたのは、確かにつらかったけど…でも、雨宮さんのこと知ろうとしなかったあたしも、悪いよね」

「さっき、うちに城崎さん…ううん、亜子ちゃんたちが来て、謝ってくれたんだ。そんで、そのとき聞いたんだ。その、今日の朝のこと」

朝、昨日の寒さと長風呂の影響でか、見事に風邪を引いた里香は心の中に巣食うもやもやと闘っていた。
熱の幻覚か、里香の心の闇をさらけ出すような声が聞こえ始めていたのもそのときだった。
いつも朝は一緒に待ち合わせ場所に行く亜子の訪問を受けた。

「おはよう!…って里香ちゃんどうしたの?風邪?」

「う、うん…そうみたい」

「そっかぁ。あ、でも安心して、中村の奴は私たちがしっかりいじめておくからさ」

357 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 20:04:11 ID:wWFiynJU
「……」

「里香ちゃん?」

里香の内心をまったく知らないために出た軽口なのだが、そのときの里香はすでに悪鬼よって支配されつつあった。普段は装える心が、今は心の奥にしまいこんでいた本音も表面に出てきてしまっていたのだ。

「あんたはいいよね…」

「え?」

「あんたは、どっちの親も兄弟もいる。愛されてる!でもあたしは…?あたしのお父さんは、あたしが風邪でも仕事の方が大事。どんなに熱があっても!どんなに苦しくても!あたしを置いてでていっちゃう…。
中村も仲間だと思ったのに、同じ境遇だと思っていたのに…あいつには私が欲しくても手に入れられないものをもってた!ズルイズルイズルイ!!」

「ちょ、ちょっと…里香ちゃん…?」

「亜子にはわかんないでしょうよ!だってあんたは愛されてるからね!他の子もそうよ!でも…あんたたちにはそんなこと言っても理解できないんでしょ?そうなんでしょう?だから、中村がきたときは嬉しかった。やっと、分かり合える仲間が出来た。そう、思ってたの、に……」

里香は勝手に、華に裏切られたという感情を持っていたのだ。同じ学年で、似たような境遇で、同じ寂しさを抱えていると思っていた。だが、それは違ったのだ。
一人で空回りして、一人で感情に振り回されて、思った以上に里香の精神は疲弊してしまっていた。
里香の吐露に驚いた亜子は唖然として里香を見つけている。

「亜子も、あの子たちも。いじめる相手は誰だってよかったんでしょ?ただ、ちょうどいいときにあたしが中村に突っかかってたから!どうなのよ!なんとかいってみなさいよ!」

「あ…ぅ…、そ、それは…」

「あたしが率先していじめてたのを面白がってただけのくせに、一人じゃ、中村のこといじめらんないくせに…」

「里香ちゃん…」

「もう、慣れ慣れしく呼ばないでっ!」

ばんっ、と勢い良く家のドアを閉めると、里香はそのまま自分のベッドにダイブした。
そして、眠りにつくまで泣いた。
里香はこんなに自分の本心を曝け出したことはなかった。心の闇の、一番醜い部分をだ。
後悔はあった。だが、やけにスッキリした気分になったことは覚えている。
何重にも着た嘘の自分が、そのとき、全て一つにまとまって本当の自分に溶けていく、そんな不思議な感覚だった。

「亜子ちゃんたち、雨宮さんにも謝りたいって言ってて…。う、うーん、もうちょっとうまく説明出来ないと…」

里香が朝の出来事を思い出していると、傍らでそんなつぶやきが聞こえた。
里香は人知れず、くす、と笑う。
なんとか里香を傷つけず、そして仲直り出来るように考えているらしい。本当は里香が一番悪いのに、この中村華という少女は優しい子なんだな、と少し心が温かくなった。
今までいじめていたのだ、本当なら華は近寄ってもほしくないんじゃないかと思う。
けど、それではやっぱり違う。
だって、だって本当は華と仲良くなりたかったんだもの。
これから、友達を、始められる…かな?

「なかむ…、華、ちゃん」

「っ!?お、おおおおお、お、起きてたのぉ!?」

ふいに起き上ると、華は顔を真っ赤っかにしてうろたえていた。あの一人言が相当恥ずかしいらしい。「どっから!?どっから起きてたの!」、としきりに聞いてくるさまが面白くて、里香は思わず声を立てて笑ってしまう。

「あははっ、たぶん、全部」

「えっ!ちょっ!えぇー!起きてたなら起きてよぉ」

358 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 20:05:06 ID:wWFiynJU
動揺しすぎて変な日本語になる華。赤いままの頬を両手で挟んでしきりにうめき声を上げていた。

「あのね、華ちゃん」

「え、あ、はい!」

「今までたくさん嫌なことして、本当にごめんなさい!」

掛け布団を押しのけて、里香は正座になると、深く頭を下げて謝った。こんなことで許してもらえると思っていなかったが、やはり謝るということが一番大事だと、里香は考える。

「あ…、……」

「こんなことで、許してもらえると思ってないけど…でも、って」

顔をあげると、半泣きの華がそこにいた。里香は慌てて起き上り、華の両手を掴む。

「ごめん、ごめんなさい!そんな、泣くほど辛かったなんて、あたし…っ!」

「違うの、大丈夫」

こぼれそうだった涙を瞬きで飛ばし、華はにっこり微笑んだ。

「あのね、里香ちゃん」

「はい!」

「許してほしかったら、あたしと…友達になってほしいな」

穏やかにそう言う華は恥ずかしそうに顔を伏した。小声で「あたし、まだちゃんとした女の子の友達、いなくて」、と呟く。
それを聞いた里香は嬉しくて、嬉しくて。
でもそれを全面に出すのはなんだか悔しい里香。
苦し紛れに、やはり里香も顔を赤くしながら、

「…い、いいわよ。そんくらい…」

「ほんとに?…えへへ、ありがとう」

素直にそう言う華に、負けている気がしないでもない、里香なのであった。


359 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 20:06:46 ID:wWFiynJU





「青春じゃな!」

襖の間から二人の様子をうかがっていた鬼子は、うんうん、と頷いてほっと胸をなでおろした。
さすがに悪鬼絡みとはいえ、首を突っ込みにくい話題なので、どうしたものかとハラハラしながら眺めていたのだが、万事うまくいって本当によかったと思う鬼子。
その横でハンカチを手に涙を拭う小日本もほっとしていた。
鬼子も小日本も、今は人外的な要素は全て隠しているらしく、はた目から見たら和装の美少女である。

「鬼子様、悪鬼も退治でき、しかも華様のイジメ問題も解決したのは本当によかったですね」

「そうじゃな、まぁ華はタミに似て芯が強く優しい子じゃから解決するのは道理であろうな」

豊かなバストの前で腕を組み、鬼子は得意げに言った。
小日本も同意らしく、そうですね、と嬉しそうにちょこっと出した尻尾を振っていた。

「鬼子ちゃんこにちゃん、どう?あの子たちうまくいったかしら」

背後から小さい声がした。
客間の二人を気遣って声を落としたのは、華の母親、中村清羽(なかむらきよは)。
短くした髪はやはり、華と同じように癖っ毛のようで毛先の方がぴょこんと跳ねている。付けたエプロンで濡れた手を拭いながら、そっと襖の隙間から中を覗きこんでいる。

「母上様、二人はもう大丈夫のようです」

「うむ、もう心配いらぬぞ。清羽」

「そう…本当によかったわぁ。まさかあの子がいじめにあっているなんて思わなかったけれど…」

「華は優しい子じゃからな、お主に心配をかけたくなかったんじゃろうて」

「そう、ねぇ…。でも親としては、もっと心配かけてほしいものなのよ」

「そういうもんかの?」

「ふふ…そういうものよ。あ、御夕飯出来たんだけど」

360 :鬼子と華と2:2010/11/03(水) 20:08:16 ID:wWFiynJU
清羽がそう言うと、鬼子はふんふんと鼻を引くつかせた。食欲をそそる、良い匂いが漂っている。

「よし、小日本!夕餉じゃ!」

「はい、鬼子様」

「うふふ、元気ねぇ。…二人とも襖開けてもいいかしら?」

清羽が声をかけると、客間の中からこれまた元気な声が聞こえた。
これからきっと、悪鬼たちは姑息な手段で鬼子を、華を追い込んでいくかもしれない。
けれどこの幸せな一時が、そしてこの芽生え始めの友情が二人を助ける日がくるだろう。
辛い戦いも、この幸せのために。
その日、中村家には楽しそうな笑い声が絶えなかったという。


ひとまずおわれぇ!


長々と拙い文章ですみませんでした。
誤字脱字など意味不明な表現があるかと思いますが、そこは温かい心でスルーしていただけると
幸いです。

蛇足ですが、地味に鬼子と小日本以外の登場人物は国名をもじった名前をつけています。
中村家はみんな、あの某国です。
他、里香などは雨宮里香→アメリカ 城崎亜子→ロシア などです。
まぁこうしている意味はないんですがw

それではスペースありがとうございました。
また続きを投下するときはよろしくお願いします!
あと、途中支援くださった方ありがとうございました。

361 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 20:09:34 ID:UYdQ2mR/
支援

362 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 20:10:14 ID:UYdQ2mR/
ってタイミングまちごたwww

乙でござる!

363 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 20:55:19 ID:vXFIGtqL
乙です!!
ついでにこちらも投下開始。2レスほど。めっちゃ短いyo

364 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 20:56:25 ID:vXFIGtqL


「どういうことなの……?」

黒髪ロングを風の流れに泳がせながら、日本鬼子はポツリと呟いた。

時は早朝。
日課の早朝トレーニングのため家の扉を開け、目の前の光景にそのまま絶句している。

日本鬼子が見ている光景は一言でいうと壮絶だった。



『乳の話をしようではないか』
『乳の話をしようではないか』
『とっておきの乳の話をしようではないか』



なぜか日本鬼子の家に住み着いているヒワイドリ。
昨日までは1羽しかいなかったはずの妖怪が、数百羽の規模で家の前の空間にひしめき合っていた。
白の中にある赤の存在が大量な蠢きあい、真白な雪の中に赤い血が点々としているような、うすら寒い光景が広がっていた。

しかも話している内容は普段と全く変わりがないため、おぞましさも数百倍。
日本鬼子はいつもの数百倍の速さで頬が熱を持つのを感じている。


「中々壮大なことになってマスナ」

その光景に固まってしまったままの日本鬼子に声を掛けられた。
声を掛けられふとその方向を見ると、そこには得体のしれない魚っぽい何かの生ものが一匹二本脚でたっていた。
日本鬼子はそのおぞましい何かに対し、特に嫌がる様子もなく問いかける。

「ヤイカガシ。これはどういうことなの?」
「ふむ。これを話すにはちと時間がかかりモウス」

二本鬼子にヤイカガシと呼ばれた生ものは得心顔で頷きつつ答える。
というかこの魚っぽい生ものの得心顔ってなんだろう、普通表情なんてわからないよね、と日本鬼子も思っているが、
いつの間にか見わけが付くようになってしまった日本鬼子だった。

ともかくそれ始めた思考を戻し、先を促すために日本鬼子は頷きを持って先を促す。

「昨日、ヒワイドリが一羽だと乳の話がしにくいと申していたので、なら増えればイインジャネと答えマスタ。
これはその結果かと」

365 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 20:57:47 ID:vXFIGtqL

話が終わった。これ話凄い短いよね。とか、もしかしてヒワイドリ分裂したの?
とか色々疑問が浮かぶ。
しかし、とりあえず日本鬼子は般若面からスラリと薙刀を持ち、峰の部分をヤイカガシに向けた。

「……どうされマシタ?」

日本鬼子にしか判別できないだろう、心底疑問符を浮かべた表情を浮かべ、ヤイカガシは日本鬼子の顔を足下から覗く。

「つまり直接的にヤイカガシのせいよね?」
「…………ハッ!!」

気付いた時には遅かった。


――閃光一閃


ゴルフスイングで強打されたヤイカガシは明後日の方向に跳んでいく。
ヤイカガシが見えなくなるまで日本鬼子は眺め、息を吐く。

「ま、30分で戻ってくるでしょう。それよりも……」

そこまでで一旦言葉を切り、見る。
と、同時にヒワイドリも一斉にこちらを見た。

――はっきり言って怖い。

「それであなたたちは――」

一応言葉を掛けようとするが、その試みはあっさり潰れる。
簡単な話だ。ヒワイドリが一斉に喋り始めたからだ。

『巨乳はよい。あの豊満な曲線と瑞々しい果実を思わせる柔らかさ、そして張り。
その中にうずもれれば、至福の時を味わえよう』
『貧乳はよい。体のラインに沿った隠れた神秘、それに秘められた若々しい生命の鼓動。
その息吹を感じ取ることで至高の頂きへと到達できよう』
『いや、全ての乳がよい。すべては命の神秘にして最高である』

思わず固まった日本鬼子に対し、ヒワイドリが一斉に小首を傾げた。
雪崩のように白の模様が右20度ほど傾く。

『しかして日本鬼子はどの程度であるか?』
『巨乳である。着物に隠れて、サラシまでまいているが、この心の目ではっきりと捕えているぞ』
『いや、貧乳である。むしろサラシの中にパッドを入れて巨乳を隠してます風にしているぞ』
『いやいや、巨、でも貧でもない。むしろ品乳であると表現するのが正しいだろう』
『ふむ。その意見は賛成だ……む、どうした日本鬼……子?』

366 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 21:00:15 ID:vXFIGtqL

日本鬼子の体がプルプルと震えだしたのを確認し、ヒワイドリは一斉に言葉を噤んだ。

――そして、一拍程の時の後

『では、我々はあちらで乳の話をする系の仕事があるのでこれで』

「萌え散りなさい!!!!!」

脱兎のごとく逃げ出すヒワイドリと中成した日本鬼子。
いつもの如く始まった追いかけっこが始まった


そしてその様子をのんびり見る瞳が二対あった。

「平和ですねー」
「そうデスネ」

ずずっと日本茶をのみながら、小日本と15分で戻ってきたヤイカガシは、ちょこんと隣に座りながらのんびり呟いた。



終わり

367 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 21:01:33 ID:vXFIGtqL

投下おわり
本スレでヒワイドリの絵を見て妄想した話を書き殴り


ちなみにその日にほぼ萌散らされたヒワイドリだが、数日後にはまた増えたらしい。

368 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 21:04:24 ID:wWFiynJU
>>367
乙です!
なんかわかんないけどヤイカガシに萌えた。なぜだ…。
キャラクターがみんなチビキャラで再生されたよ。

369 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 21:06:22 ID:riQLTuUZ


ヒワイドリに変わって俺が確認してこよう。…直揉みで

370 :妄想モエチリ:2010/11/03(水) 21:23:26 ID:klTyYmmf
ネタ被ったけど、思いつき投下

現代日本、妖怪なんて幻想世界の生き物
現実にいるなんて言ったら病院へ連れて行かれる
そんな世界で暮らす妖怪少女のお話・・・

女子「絶対あいつ、鬼子のことガン見してたって!マジでキモイよ!!」
鬼子「えーハードルの測定なんだからフォームチェックしてたとか・・・?」

女子はあの体育教師は絶対におかしいということを引き続き力説している
適当に相槌をしながら、前方曲がり角に派手な格好をしているくせに変な格好ではなく
カッコよく見えてしまう無駄にイケメンな男を見つけてしまう

鬼子「あ、今日の夕食の買い物するの忘れてた!女子ごめん先帰ってて!」

それなら今日は富士でセールをと言う言葉を置き去りに慌てて走り出す
今見かけた人物を追いかけて路地へ入る

背後に気配を感じると同時に胸に違和感を覚える
ムニュムニュ

卑猥鳥「この大きすぎもせず、小さすぎもせず、ベストなフィット感!やわらかさ!
    品のある乳、すなわち品乳!!」
鬼子「!!!!!!!!!」

この糞変態鳥!誰の乳を揉んでやがる死ね死ね死ね100回以上どつき回してぶっ殺してやる!
と口を開く直前まではそう言おうとしていた

鬼子「ぃや!」
卑猥鳥「ぅぅーん、いつもながら可愛い反応!」
卑猥鳥「今日のお仕事もってきたよー」

・・・数分後、路地に横たわるズダボロになった元イケメンを後にスーパーとは違う目的地へ向かう

(続く?)


371 :妄想モエチリ:2010/11/03(水) 21:58:35 ID:klTyYmmf
もう海近くなった川幅の広い河川敷

鬼子「ここ?なんだか妙に魚くさい・・・」
卑猥鳥「そうだよーここが本日のお仕事場所」
鬼子「あんた、どこから出てきたのよ」
卑猥鳥「全ての乳は平等であるってことさ」
鬼子「まったく意味分かんない」

ガサガサ
川側の草むらから魚に足の生えて目がギョロギョロした珍妙な生き物が現れる

鬼子「これね、今日は5時から見たい再放送もあるしチャッチャと萌え散りなさい!」
卑猥鳥「あっちょっ・・・」

パコーンッ
気持ちいい音と共に珍妙な生き物は空を舞った

卑猥鳥「話はちゃんと聞いてからじゃないとなぁ、大体この前だって同じようなことしてたよなぁ?」
鬼子「うるさいわね!あんたがちゃんと説明しないからでしょうが!」
卑猥鳥「俺はちゃんと言ったぞ、クライアントがここにいるって」
鬼子「嘘、絶対言ってない・・・」
卑猥鳥「それは俺をぶん殴るのに夢中で聞いていなかっただけだ」

ヤイカガシ「いいんですよ、誤解されるのは慣れてますから・・・」

二人は聞いていない
未だにギャーギャー言い合いを続けている

ヤイカガシ「あのあの、話を聞いてくださいよー」

372 :創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 22:29:47 ID:rqz99nKu
支援

373 :妄想モエチリ:2010/11/03(水) 22:47:14 ID:klTyYmmf
卑猥鳥「で、依頼ってのはよく釣りに来ていた男の子が最近こない
    様子を見てきてくれってそんだけ?」
卑猥鳥「そんなしょーもないことで呼んだの?乳の話なら付き合うが、そんなんじゃーなぁ」
ヤイカガシ「いやでも『影』が見えたんです、それからなんですよ
      こなくなっちゃったの・・・恩人ですし心配で・・・」
鬼子「その『影』にツノのようなものが見えたのは本当なんですか?」
ヤイカガシ「はい!だからもう心配で心配で」
鬼子「ちょっ近い近い(ぁうー臭いー)」
ヤイカガシ「あ・・・すいませんすいません」

鬼子「はぁー鬼かも知れないなら一応、調べないとだめかー」
鬼子「特徴とか分かりますか?」
ヤイカガシ「はい!お願いします!」

ヤイカガシの説明を熱心に聞く鬼子のそばで既に興味を失った卑猥鳥が本来の姿にもどり
いつもの会議を開催し始めた

卑猥鳥A「今日の鬼子はどうだった?」
卑猥鳥B「うむ、前回より5mmアップだ」
卑猥鳥C「なんと!成長期だな!」
卑猥鳥D「ううむ、将来的なところはどうだ?」
卑猥鳥E「もうしばらくしたらブラを1カップ上げるべきかも知れん」
卑猥鳥F「なんと!それでは(r」

ヤイカガシの話を一時中断し、鬼子にお空のお星様にされる卑猥鳥たち
そんな秋の夕暮れ


374 :妄想モエチリ:2010/11/04(木) 00:26:05 ID:nHm8ZMmV
卑猥鳥「ほら、あの子だろう?」
ヤイカガシ「そうです!よく見つけましたね!」
ヤイカガシ「・・・なんだか、ずいぶんやつれたような」
卑猥鳥「鳥ネットワークを甘く見てもらっては困る」

二人とも今は人間の姿だ
派手な服装の男と作務衣を着た純和風の男
異質な服装の男二人というだけでも目立つのに二人ともイケメンとくれば更に周囲の視線が集まる
本来の姿を知る鬼子は絶対に間違っていると強く思う

アリエナイアリエナイ

ヤイカガシ「どうしましたか?」
鬼子「!!!(真っ赤)」

ドガッ!
ヤイカガシ「ぶほっ」
卑猥鳥「不用意に鬼子に近づくからだ、意外と凶暴なんだよソイツは」
ヤイカガシ「いや・・むしろご褒美です」

不意に目の前10cm近くまでイケメンに近づかれたら誰だって戸惑う
そう誰だって誰だって・・・
本来の姿を思い出し、心を落ち着かせる


375 :妄想モエチリ:2010/11/04(木) 00:28:24 ID:nHm8ZMmV
続きはまた明日
さっくり纏めようと思ったが・・・むぅ

376 :創る名無しに見る名無し:2010/11/04(木) 00:30:30 ID:uRMU0UCY
>>375
まってます

377 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/04(木) 01:18:32 ID:K5OHn5Mo
「ふん、こりゃ銀だな。銀の銃弾」
鼻を鳴らして銃弾をカウンターの上に置く、行きつけの銃砲店のマスター。
「土産物屋なんかによく有るだろ? アレをもっと精巧にしたものだ」
キズミ(目に嵌める虫眼鏡)を外しながら吐き捨てる。
「何の為に?」
「魔除けだろ。見た事無いのか?」
白けたように聞き返す、初老の頑固親父。
「いえ、それは勿論有りますが……」
マネージャが出張から持ち帰った銃弾。武器検証の部署での検査結果(マネージャが深刻
な表情で検査を依頼したらしい)と、この店長の見立てが一致した。
因みに、その部署での非破壊検査では、内部にパウダー(火薬)が入った、恐ろしく良く
出来たレプリカである、という結論だったそうだ。
「これを撃ったらどうなりますかね?」
「は? これを使う? 実際に拳銃に入れてか?」
「はい」
自分は速攻で休暇に入る為、もし検査結果に問題が無ければ、俺に出張土産として渡して
欲しいと言われたそうだ。それはつまり、使えという事なのだろうか?
「弾はもちろん、薬莢まで銀のこの銃弾をか?」
「はいそうです」
大真面目に頷く。
「おい、ケン……今度のミッションは、バンパイアの掃討作戦か何かなのか?」
ある意味、凡百のバンパイアなどよりも、もっと厄介な相手なのだが。
「まあ、そんなところです」
「……いやまあ、真面目に答えるとだ、寸法的には問題無いだろうよ。.357SIGが使える
銃ならちゃんと薬室に入るし、ハンマーの衝撃にもパウダーの燃焼にも耐えるだろうさ」
「では、弾を発射出来ると?」
「ああ、多分可能だろう。しかしな、これは恐らく純銀だ。混ざりものの一切無い」
「普段俺たちが目にしてる銀は、ほぼ間違いなく何らかの混ざり物が有る」
「それは多くの場合、耐腐食性も含めた、強度アップの為だ」
「だから、ジャケットも無いこの純銀の弾を打ち出すと、ライフリングの溝で削れて弾道
が安定せんだろうし、なんせ軽いので威力も無い」
「そんなモノを使う必要性が全く分からん」
「…………」
一気に捲し立てられてしまった。
「いやまあ、そうなんですけどね。しかし何て言うか」
「?」
「夢が無い、というか萌えない」
「MOE? なんだそりゃ?」
「あー、新しいミッションのシークレットコードです」
無論、口から出まかせだ。
「……今から部屋に帰る前に、病院か教会に立ち寄ることを勧めるよ」
「そうですね。ありがとうマスター、また今度」

「問題は、これが“発射された後のモノ”という事なんだがな」
まるでワケがワカラナイ。
自室のPC机の上、電灯の明かりを受けてキラキラ輝く純銀の弾丸。
無論、病院にも教会にも立ち寄らず、真っ直ぐ帰ってきた。
職場で武器検証の担当者からこの銃弾を渡された後、気になってボスに問うてみると、
聞かされたのは10項目だ(詳細はプライベートに関わる事だからと前置きされて)。
整理する為に、PC上のメモ帳に列記してみる。

378 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/04(木) 01:19:20 ID:K5OHn5Mo

  @ トーキョーで電脳少女に出会った
  A ソードで攻撃されそうだったが、銃は持っていなかった
  B しかし銃で反撃した。命中したがダメージを与えられなかった
  C コニーの様な娘が欲しいと思った
  D 排出された薬莢は、使われていない銃弾だった
  E それは銀色に輝いていた
  F 自分はソードで四断されたが、まるきり無傷だった
  G 銃は電脳少女と共に消えた
  H 銃がガンロッカーに戻っている事は、先ほど確認した

「…………」
ま、まあ、Cはいわゆる情報伝達時のエラーって奴だろう。意味不明にも程が有る。とい
うか、気にしたら負けという奴だな。
そんな混乱する気分を変える為、リモコンでステレオを鳴らす。選曲はランダムで。
……うん、アカペラの曲か。こういうのも落ち着くな。
それで問題はABそれとHだろう。この流れの異様さには戦慄すら感じる。これではまる
で、マネージャの銃が瞬間移動したと言ってるも同然ではないか?
それと、BとDの流れも謎だ。
銃弾が丸々排出されたのなら、そもそも命中させ得るモノが無い筈なのに、命中はしたと
言っている(ダメージ云々は置くとして)。矛盾の塊だ。
「ふう……」
っと、そういえば項目は10有った筈だった。後一つは何だったか……
あ、そうそうこれだ。

  I 銃には、出張前には7発の銃弾が入ってたが、先程見たところ6発だった。

……7発の内の1発……それだけが思い通りに当たらない……
そこで、ステレオから流れている曲が『魔弾の射手』である事に気付いた。
「なんてベタな」
そう思うと、他の矛盾もどうでも良い事の様に思えてきた。
疲れてるんだろうな。早めに寝るか。
明日も仕事だし。
「…………」
はっ、いかん。自分で滅びの言葉を吐くとは。
こういう時は、思い切り現実逃避出来るサイトでも見て気分転換するに限る。
思い立ち、ブックマークを適当にクリックした。
立ち上がったのは、日本鬼子のまとめサイトだった。
「………………」
脳裏に、少し虚ろな目をして鬼子の事を熱く語るボスの顔が浮かぶ。
或る意味で現実に引き戻され、ブルーな気持ちが充満する。
もういい、PC落として寝よう。
このサイトも、代表絵が決まってこれから賑やかになっていくのだろう。多くのCGが
集まる事によって、真っ直ぐ上に展開して。
「ふう、クリック、ポ……ん?」
ブラウザを閉じようとしたところで、体が金縛りにあった様に痺れて動かなくなって
しまった。
「う、あうあう?」
意識が飛ぶ。というか二つに分かれた感じだ。
一つは無論この現実世界、そしてもう一つは鬼子まとめスレの世界だ。
なんだこれは!?

379 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/04(木) 01:21:07 ID:K5OHn5Mo
そこは二次元の世界。
右側では日本昔話の世界だが、左側では怪しげな超空間。
頭上は青空だが、よく見ると降る様な星空にも見える。
だが全般的には雨降りで、ところにより雪だが海水浴のシーズンでもあるらしい。
それらが、たどたどしく且つ真っ直ぐなアークの線とグラデの効いたベタ塗りで表現され
ている。
そんな所に佇む俺は、ただひたすらにリアルな造形。
場違いにも保土ヶ谷区。
「なんなんですか? 私どうしてここに連れて(ry」
そこへ、向こうから何やら鶏みたいなものが走ってくる。
『乳の話をしようじゃないか!』
近づくにつれ、それが人間大の大きさだと分かる。シュールだ。
「乳?」
眼前に到着した鶏のオバケに問いかける。
『乳の話をしようじゃないか!』
同じ事を繰り返し、俺の胸を口ばしでつつき始める。
「う、いてっ、痛いいたい!!」
スーツの胸の辺りが破け、肌が露出してしまった。
『うわ、オマエ男かよ。つまんねえ!』
失礼な鶏だな。
「ふざけるな!」
『あべしっ!』
鶏の腹に思い切り蹴りを入れる。恐らく鳩尾(いや鶏にそんなものが有るかどうか不明だ
が)にクリーンヒットした筈だ、この足応えは!
「どうだ、このくそニワトりゃああああっ!?」
腰の辺りに、おぞましい感覚が走った!
横を見ると、そこには半魚人が!!
いや、よく見ると人間な部分は足のみだから、精々3/4魚人か。
『下着……』
良く聞き取れない、意味不明な言葉を呟きながら、俺のズボンを舐めている。
舐めたところが溶かされ始め、とうとうズボンを落とされてしまった。
「なめるなっ!!」
『ぶぎゅる!』
全体重を乗せて、3/4魚人の頭上に肘を落とす。

そして、その2体と距離をとる。
どうする? このままでは体力の減少を狙われてやられる。一気に勝負を付けられるアイ
テムは無いか?
はっ、そうだ! 例の銃弾。確か日本でも、銀は魔を弾くものと認識されていた筈だ。
アレを使えば……
痺れている、現実世界の体を無理矢理動かそうとする。最初はビクともしなかったが、
徐々に動き始め、やっとモニターの下に置いてある例の弾丸を手にした。
すると、二次元世界内の俺の手にも、同じモノが。
「ふははははっ、見よ、バケモノども!」
弾丸を頭上にかざす。すると、お約束通りに溢れるほどの光を放つ。
「な、なんとおおおっ!?」
「下着……」
引き始めるバケモノたち。いける、これで俺の勝ちだろう。
「ふっ、PC上でソフトウェアエンジニア様に勝てるとでも――」
ペロリッ
「おもっ!?」
銃弾が3/4魚人に舐め取られてしまった!
『……銀の弾など無い』
こ、こんな足だけ人間に言われてしまうとはああああああああああっ!!

因みに、その後白けてしまったのでとっとと意識を現実に戻し、ちゃんとPCをシャット
ダウンしてから寝ました。

【酷いオチですが、以上です】大変済みませんでした。

380 :鎮守の神と鬼:2010/11/04(木) 12:27:24 ID:b3mM6psy
はじめますて。本スレに投下したのに肉付けしてみますた。

■(俺設定)キャラ説明
日本鬼子・・・小日本を護る少女の鬼
小日本・・・可愛い童女姿だが古い神様

------------------
【鬼風-キフウ-】

 海を越えて来た爆撃機が絶望を東の町へ降り注ぎ、灼熱地獄の中で人々は逃げ惑っていた。
 古くからある鎮守の森にも火の手が迫り、熱風が木々の葉をざわめかせる。
 町を見下ろす丘の高みで、着物を着た長髪の少女とおかっぱ頭の童女が紅蓮に染まる空と里を眺めていた。
「鬼子、ゆくのか」
 見た目の愛らしさとは想像出来ないほどの冷淡な表情で、童女は正面を見たまま隣の少女に話しかける。
「はい」
 『鬼子』と呼ばれる少女・日本鬼子は柔らかく微笑みながら童女の方を見た。
「ぬしが行かずとも、このいくさ、やがて終わろう」
「ちぃ姉ぇさまをお守りするのが、鬼子の役目ですから」
 日本鬼子から『ちぃ姉ぇさま』と呼ばれた小日本は、不機嫌そうに鼻を鳴らした。
「ふん、守られずともこれしきで滅したりせぬわ。鬼子、人など助けてやらずとも良いぞ。人ごときが海を結ぼうなど数千年早いのじゃ」
 激化して行くいくさを止めようと、人の心に住む悪い妖しを切り散らして来たが、全ては遅く止めさせることが出来なかった。
 神の名を利用した人間たちに小日本は怒り、『いっそわしが滅ぼしてやろうか』と口にするようになっていた。
 日本鬼子は少し首を傾げて、小日本を見つめる。
「でも、ちぃ姉ぇさまは人の子はお好きでしょ?」
「それは……それで別じゃ」
 指摘されて小日本が口を尖らせる。小日本は普段姿を消しているが、鎮守の森へ子供たちが遊びに来たときだけは姿を現し、一緒に混じって遊んでいた。
 昔は毎日のように遊びに来ていた子たちも、疎開で少しずついなくなり、森の奥に来るのは食料を探しに来る大人たちだけになった。
 祠(ほこら)の上に座り、足をぶらぶらさせながら来ない子たちを待っている小日本の姿を鬼子はよく見ていた。
 小日本がどう冷たく言い放とうが、どうしようもなく人を愛していることを日本鬼子は知っている。
「鬼子は、ちぃ姉ぇさまがお好きなものも守りたいのです」
「……勝手にしろ」
 否定も肯定もせず、小日本は出陣の許可を出す。普段は大人しいが一度言い出すと日本鬼子の意思は変えられない。
「ゆくのは構わんが、いくさが終わればやることは山積みじゃ、必ず、帰ってこい」
「はい、いって参ります」
 日本鬼子の角が光りながら伸びると、華奢な体がふわりと宙に浮いた。振袖と髪が風になびき、赤いもみじが日本鬼子の周りを舞う。
 突風が吹き去り、本成りの鬼と化した日本鬼子を赤い空へ連れ去った。
 舞い降るもみじの中、髪を揺らす小日本が空を見上げる。
 本成りになった日本鬼子でも、人の欲が作り出した大火には敵わないことを小日本も知っていた。
「わしとぬしは離れても同体じゃ、鬼子。戻ったらこの世を結び直そうぞ」

――遠くで連爆の音が響く。

 一番大きないくさはまもなく終わったが、日本鬼子の姿は鎮守の森に無く、祠(ほこら)の周りで遊ぶ子ども達の中に小日本の姿は無かった。

 神の住むその森は深く長く眠りにつく。
 身を分け与えた鬼が戻るその時まで。

381 :妄想モエチリ:2010/11/04(木) 21:39:12 ID:nHm8ZMmV

二人は目立つ上に鬱陶しいので取り合えず、追い返した
鬼子は男の子を観察し始めた
自販機のつり銭口を確認して回っているようだった
最初に見つけたのは商店街をうろうろしている所だった
自販機を巡りながら住宅地の方へ向かっている
服も良く見れば薄汚れている
ヤイカガシの話では釣りへは父親とよく来ていたと言う

今の男の子は両親がいるような子には見えない
まるで・・・鬼子はその考えを振り払う
現代日本ではそんな子はどこかで保護されるはずだ

すっかり日が落ちた
それなのに男の子は家へ帰る様子がない

人気のなくなった公園のベンチに座り込んでいる
座っている間に2度、水飲み場へ行った
喉が渇いたにしてもずいぶん長い間、水を飲んでいた

鬼子は意を決して男の子へ声をかけようと近づいた・・・


382 :妄想モエチリ:2010/11/04(木) 22:02:12 ID:nHm8ZMmV
鬼子「あの・・・」

ビクンッ
男の子「あっ!あの、大丈夫です!もう家に帰りますから!」

この反応で鬼子は確信する

鬼子「あー誤解しないで、私はそんなんじゃないから」
鬼子「第一そんな人に見えるかなー?」
男の子「・・・見えない」
鬼子「んふーそうでしょ?実はちょっと困ったことがあって君に助けてもらいたいの」
鬼子「この近くの商店街にね、新しくからあげ専門店が出来たらしいの」
鬼子「んで、そこのお店のとりからがすっごいおいしいらしいんだけど、場所が分からなくて・・・」
鬼子「君、場所しらないかな?」
男の子「知っているよ、行きたいの?」
鬼子「ぉーやった、んじゃ案内してくんないかな?お礼するからさー」
男の子「うん、いいよ」

鬼子は件のから揚げ屋の前でじーっとから揚げを買う客を見る男の子を思い出しながら
今日はちょっと遅くなっちゃったし、一品くらい手を抜いてもおっけーとか考えていた


383 :創る名無しに見る名無し:2010/11/04(木) 22:33:29 ID:y9Risl7A
短編投下します。いいですか?

384 :妄想モエチリ:2010/11/04(木) 22:33:31 ID:nHm8ZMmV
鬼子は男の子と一緒にから揚げ屋へ行き、ついでに富士スーパーへ寄って食材も追加した
買い物をしながら男の子の名前はA君、小学1年生でお父さんはコンピュータ関係の仕事をしていて
(なんかカタカナばっかりの言葉が出てきて鬼子は半分も理解出来なかった)
お母さんは専業主婦、世間話をしながら聞きだした

買い物に付き合ってくれたお礼に夕食をご馳走することも約束した

鬼子「やっぱり少し持つよ?」
A君「んっ大丈夫!」

買い物の荷物を持つと言って聞かなかったのだ
ちょっとヨタヨタ歩く姿に愛い奴、愛い奴と頭を撫でてみる

鬼子「さぁここが私の家」
A君「えっ・・ここ神社だよ?」
鬼子「母屋は裏手なんだ、こっちこっち」

ガラッ
鬼子「ただいまー」
A君「・・・おじゃまします」


385 :妄想モエチリ:2010/11/04(木) 22:36:35 ID:nHm8ZMmV
>>383
投下に許可なぞ、不要!
こっちは一晩たったら膨らんじゃって・・・どーしよーってな具合だ

386 :創る名無しに見る名無し:2010/11/04(木) 22:38:25 ID:y9Risl7A
おk、んじゃ、割り込みになるけどちょっくら投下する。
nHm8ZMmVさん、気に障ったなら謝る、すまん。

387 :日本鬼子散魔伝〜序章:萌え散らす鬼〜 作:書く人:2010/11/04(木) 22:39:58 ID:y9Risl7A
全てが曖昧な、非現実的な世界の中で、その赤い瞳だけがはっきりと、僕の目に焼き付いていた。



町のど真ん中にある城跡は、公園となっている。
春は花見、秋は紅葉狩りにと人々が訪れる――言い換えれば、それ以外の時は閑散とした場所だ。
そんな閑散とした場所であっても、これほどまでの怪異があれば、人目につき、通報の一つ二つがあるはずだ。
だが、それがない。
今は夕暮れ時。仕事帰りや学校帰りの人々が出歩く時間だ。
入場料もない町中の城跡公園は、そんな人々の通路であり、現に僕がここにいるのも、この公園を通り抜けるためだった。
なのに、人は僕だけだ。
他の人間が通りかかることも、野次馬が来る様子も、警察が飛んでくる気配もない。
まるで、この公園だけが世界から切り離されたかのような不自然。
そんな不自然な世界で、立った一人の人間である僕は、人にあらざる者達を目の当たりにしていた。

黄昏の光に照らされる、影、陰、カゲ…。
それらは、人に似た何か。
多くは二本の足で立ち、両の腕を肩からぶら下げている。
しかしながらその造形は、人とは明らかに異なっている。
例えばある者は手が異様に長く、ある者は胴体があり得ないくらい細く、ある者は包丁のような爪を持つ。
中ら半端に人に似た四肢をもつだけに、その異形は僕に生理的な拒絶感と不安感を与えた。
ただ奇妙なことに、その化け物どもの容姿は、はっきりと見ることが出来なかった。
まるでそいつらの体は、まるでドライアイスのように、妙な煙を立ち上らせていていた。
煙の大半は散らず、化け物を包むように纏わり付き、その輪郭をぼやけさせていた。
化け物の体から離れた煙も、風に溶け消えることもなく、公園全体を包み込むように広がり、目に映るほぼ全ての物の輪郭も滲ませている。
ひょっとしたら、この霧のせいで、誰も気づかず、また近寄らないのかもしれない。

腰を抜かせながら、混乱した頭の片隅で、なぜか冷静にそんなことを考える僕。
その冷静さは、きっと現実逃避だったのだろう。
なぜなら、その時僕の方へ、一際大柄な化け物が近づいてきていたからだ。
もしも本当に冷静ならば、余計なことなど考えず、這ってでも逃げていたはずだ。
僕はただ、目の前で起きていることについていけず、化け物が自分を叩きつぶそうと
握り拳を振り上げるのを眺めていただけだった。

そんな僕の呆然を消し飛ばす様に、彼女は現れた。

388 :日本鬼子散魔伝〜序章:萌え散らす鬼〜 作:書く人:2010/11/04(木) 22:42:48 ID:y9Risl7A
霧を裂く、赤。
続いて靡く、黒。
全てが白く霞む、非現実のなかで、その色彩は僕の目に焼きついた。

「萌え散れいっ!」

続いて知覚したのは、声。
少女の声だ。
若さ、あるいは幼ささえも感じる声は、その声音にミスマッチな程の、
大鐘の様な力強さが込められていた。
その声の余韻が消え去るより早く、断ち切りの音が続いた。
僕ににじり寄ってきていた、化け物の影が、袈裟掛けに真っ二つにされていた。
一瞬の停滞の後、その影は、響いた言葉通りの末路を迎える。

若葉だ。
春先の若木の枝のように、化け物の体から、緑色の若葉が、噴出するような勢いで生える。萌え上がる。
それもつかの間、若葉はその緑の濃さを増し、夏の樹に生えるような濃い緑となる。
そして、それすらも通過点として、変化は続く。
色を濃くした緑の葉は、やがて萎れ、色を暖色へと変えていく。黄や、赤や、茶色へと。
紅葉だ。
色づいた葉は、摂理に逆らうことなく、やがて散る去る。

瞬く間に巡ったで春夏秋。化け物は、言葉の通り萌え散った。

渦巻く風と舞う木の葉の中で、呆然と、僕は彼女の姿を見た。
角が生えた、少女だった。
艶やかに舞う黒絹の髪。
身につけたのは紅葉をあしらった紅い着物。
頭には恐ろしげな般若の面を斜に被り、手には、化け物を両断した得物であろう、大ぶりの槍――いや、薙刀が握られている。
そして何より目に留まったのは、まるで血を固めたかのような、深く赤い、その瞳。
化け物が垂れ流す霧に霞む逢魔ヶ時の中で、その紅瞳は、僕の目にしっかりと刻みつけられた。
死んでも忘れられないほどに、強く強く、刻みつけられた。


これが、僕と彼女―――日本鬼子との出会いだった。


【つづく?】

389 :創る名無しに見る名無し:2010/11/04(木) 22:44:08 ID:y9Risl7A
以上です。正直序章以降はあんまり考えてない。
時々イラスト等で見られる「萌え散れ!」という台詞を使わせてみたかったので書きました。
分かりにくい文章なので解説しますと
鬼子が妖魔を倒す⇒その特殊能力的な何かで妖魔を植物に変換⇒さらに加速成長させて紅葉に帰えて魔力を霊力に還元浄化
って感じです。
気が向いたら続きをかくかもです。

390 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる :2010/11/04(木) 22:53:36 ID:qrA5Erll
次々と、日本鬼子を応援する声が町中で上がり始めた。
私設ファンクラブを作る者、グッズを作る者が現れた。

そんな街の騒ぎとは関係なく、彼女は東北は秋田、青森の県境、白神山地にて厳しい修行を続けていた。
素手で岩を砕く。
倒れた木を持ち上げる。
谷間を飛び越える。
薄く雪化粧した山の急斜面を何度も登り降りする。
そして、上り詰めた山の頂上で絶叫した。
「胡錦濤ーーーーーッ!!!!! 温家宝ーーーーーッ!!!!!」
絶叫がやまびことなって木霊する。
「胡錦濤ーーーーーッ……温家宝ーーーーーッ……」
「胡錦濤ーーーーーッ!!!!! 温家宝ーーーーーッ!!!!!」

391 :妄想モエチリ:2010/11/04(木) 23:09:40 ID:nHm8ZMmV
「ねーちん、おっそーい、ハラペコだよー?」
うぉん!

奥から真っ白で大きな老犬に跨った少女が出てくる
ついこの間まではねーさまと呼んでくれていたのに、最近はねーちんだ
その元凶となった変態鳥を思い出し、また少しムカムカする

鬼子「ごめーん、ちょっと買い物で時間かかっちゃって」

A君「ぉぉぉぉぉぉお!すっげーでけー!!」
小日本「ふふん、いいでしょー?」
日本狗「うぉん!」
A君「俺も俺も!乗れるのか!?」

二人と1匹で盛り上がり始めたのでA君から荷物を受け取り台所へ向かう
夕食の準備が出来るまで任せよう・・・



392 :妄想モエチリ:2010/11/04(木) 23:25:58 ID:nHm8ZMmV

鬼子「んで、なんであんたまでいるのよ?」
卑猥鳥「労働には対価が必要だ、なんだったら乳で返すか?」
鬼子「それは絶対に嫌」
鬼子「ついでにそれはとりからなんだけど?」
卑猥鳥「ん?うまいぞ?」

そーですか

小日本「とっりから!とっりから!んふー」
A君「バクバクバクバク」
鬼子「ほらほら、小日本、お箸で刺して食べちゃ駄目でしょA君に笑われるよ?」
小日本「んゆ?うぬぬぬぬ」

小日本はA君を見習い箸でつまんで食べることに挑戦を始めた
相変わらず愛くるしい


393 :創る名無しに見る名無し:2010/11/04(木) 23:53:02 ID:uRMU0UCY
支援



394 :創る名無しに見る名無し:2010/11/05(金) 00:04:02 ID:lNeOgDbp
上手く、上げられたかどうか自信ないですが。

ttp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=91756

描けずに、書いて見ました・・・。

395 :GoGo! ひのもとさん1/2:2010/11/05(金) 00:56:01 ID:Yg8E1hUN
 11月某日。20世紀アニメをこよなく愛する人々で賑わうとある町のとある駅。その一角に一体の巨大ロボットが聳えていた。
 その白くて未来的なデザインの戦闘スーツの足下に、真っ赤な着物をまとった旅人が、三度笠のふちをくいっと持ち上げ、細く美しい目を限界まで見開いて立っていた。
 和と洋、未来と古代が合いまみえたような空気が漂い、道行く人々がその奇妙なコントラストに目をやっている。
 ――というより彼らが主に目をやっているのはその背中に背負われているいかめしい般若の面である。
 なにしろでかい、恐い。まさかあれで海を渡ってきたのではあるまいなという大きさである。駅前の雑踏でも目立って仕方がなかった。
 般若の面を背負った少女は、しばしそのモビルスーツを感極まった表情で見上げていた。しばらくして、彼女の桜エビのような唇からぽつりと呟きが漏れた。
「ああ、酒呑童子さま……」
 誤解を招きそうなのでもう一度いうが、彼女の前には等身大ガン〇ムが聳えていた。
 しかし、彼女の目はその頭の角と鬼のような巨躯に釘付けだったのだ。
 彼女にはそれがかつて日の本の国の鬼を従え、源氏に討ち滅ぼされたという伝説の鬼「酒呑童子」に見えたらしい。
 ふいに彼女は般若の面を背負ったまま、がばっと地にひれ伏した。お面がぱたりと路傍に伏せられた感じになって、人々は邪魔そうに通ってゆく。
「か、かような場所でお目にかかろうとは存じませんでっ、ああっ、酒呑童子さまどうか、どうかお怒りを静めて、その剣を収めてお聞きくださいっ!
 源氏に支配されたこの土地を捨ててはや四百年っ、鬼ヶ島の鬼族は、もはやかつての威容など失った有象無象どもばかりになっておりますっ。
 されば、不肖、この『日本鬼子(ひのもと・おにこ)』、本州にてお婿さん探し、もとい、有能な遺伝子、鬼の子孫を探して、ここまでやって参りました!
 しかし、かの源氏と互角の戦いをなさった酒呑童子さまがおられれば、鬼ヶ島もかつての力を取り戻したも同然! どうかどうか、わたくしと一緒に鬼ヶ島へ来てくださいませ!」
 真っ赤な瞳を潤ませて伝説の鬼を見上げる鬼子さん。
 しかし、懸命の訴えにも鋼鉄のモビルスーツは微動だにしなかった。握り締めたレーザー剣を収めようともしない。周囲を行く人々の視線がさらに冷たさを増しただけである。
「……お怒りは存じております」
 がっくりと肩を落とした鬼子さん、何を思ったか、とつぜんその肩からするりと着物をはだけた。
 サラシに包まれた柔らかな上半身のラインが11月の寒空にさらされた。般若の面を風除けにして、華奢な肩を抱いていた腕を少しずつ下ろしていく。

396 :GoGo! ひのもとさん2/2:2010/11/05(金) 00:57:15 ID:Yg8E1hUN
「わ、わたくし島を出るときに誓いましたの、ぜったいに素敵な肉食系の殿方を連れて帰って、友達に自慢してやろうと。酒呑童子さま、どうかわたくしの覚悟の強さ、しかとその目に焼き付け……ぐるあぁぁっ!」
 突然がばっと立ち上がった鬼子さんは、背中の般若の面を盾のように前に突き出し、薙刀の先端を今まさにモビルスーツに向かって一眼レフを構えていた青年の首に突き立てていた。
 20メートルくらいの距離を一気に駆け抜けてきた鬼子さんはぜーはーと肩で息をしながら言った。
「おいお前、いま何してた?」
「え……や……」
「何してたっつってんだよ」
「しゃ……しん……」
「それくらい知ってる、そいつは光学式写真機だろう?」
 黒髪をさらりとなびかせて、来る前に勉強してきたばかりの知識を不敵に披露する鬼子さん。
 般若の盾とその向こうの異様な殺気に、青年はしびれて「あうあう」とうなっていた。
「いいかっ、ここにおわす御方を、誰だと心得る?」
「ガ……ンダム」
 鬼子の目がさらに険しくなると、青年はビクッと肩を震わせた。
「あ、RX-78-2……操縦士、アムロ・レイ、き、機動戦士、ガンダムーっ!」
 びしっと片手を上げて声高に叫ぶ青年の痩躯を、鬼子の冷たい視線が上から下までじっくりとなぞっていった。
「狐憑きか……さっさと失せろ」
 総合的に触れてはいけない人と判断した鬼子さんは、薙刀と般若の盾を背中に収納すると、どこか遠くを見ているモビルスーツに向き直り、とつぜん顔を真っ赤にしてうつむいた。モビルスーツの強靭な太ももあたりを上目遣いに見つめている。
「しゅ、酒呑童子さま、その、ええと、お見苦しいところをお見せ致しまして申し訳ございませんでした……。
 わ、わたくし、怒ると少し感情的になるところがあると言いますか、でも、普段はぜんぜん、こんな風じゃなくて、引っ込み思案で人当たりがよくて、友達もわたくしの事をハートフル軍曹と呼んでいるくらいでして。
 でも、でもわたくし、好きな殿方を護る為でしたら、……あ、あ、あ、憧れの、人の為だったら……でゅらららぁぁっ!」
「っぎゃあーっ」
 再びモビルスーツを狙っていた一眼レフは、般若の面の頭突きを受けてひっくり返った。
「しつこい狐憑きだ、焼き殺したろうかいっ――はっ!」
 その瞬間、鬼子の表情が融解する。
「はっ、そ、それはっ……!」
 そのとき青年のジャケットがはだけて、プリントシャツの図柄が露わになっていた。
 そう、モビルスーツ――鬼子の頭の中では酒呑童子――の顔部分が大きくプリントされたシャツである。
 モノトーンのいかめしい鬼の双眸に見つめ返された瞬間、鬼子の胸が、きゅんとときめいた。
(ほ、欲しい! あのシャツ、超欲しい――!)
 彼女の胸の中で新しいなにかが弾けた。そう、なにかが。

397 :創る名無しに見る名無し:2010/11/05(金) 00:59:28 ID:C6sHM0M6
その赤い実は弾けちゃらめえwww
支援

398 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/05(金) 01:01:48 ID:Yg8E1hUN
公式設定を読まずに考えてみた。ごみーんに。

399 :創る名無しに見る名無し:2010/11/05(金) 01:18:44 ID:F3cxNpuR
設定厨なんでクドイっす。 

人里離れた深山幽谷に、ひっそりと存在する日本家屋がある。
紅葉の散りばめられた庭園に、齢を経た威容と来るものを拒まぬ気安さの同居した家で、よく手入れがされているようである。

見れば、軒先には女性の影が。
紅葉の柄の着物に、絹糸のような黒髪を流して立つ姿には見た者に佳人を思わせるが、奇異な点が二つ。
頭の横につけられた無骨な般若の面と―――頭よりチラリと延びる、二本の角である。

箒をたずさえ掃く姿は和風の装いと、その健康的で清楚な容姿により実に魅力的である。
だが、だからこそその異常には目が惹かれるだろう。

何の事はない、人里離れれば人外化生の巣窟というのが世の理。 
それは今も昔も変わりはせず、ただそれを人が見れるか見れないかというだけの話。

そのような場で立派な家屋を保持しているならば、それはやはり神か、天狗か、あるいは―――鬼か。
ならば角があるなら鬼であろう。 般若も元は嫉妬や恨みの篭る女性の鬼面。  
ここまで符号しているのであれば、鬼と見做すのに否はない。




「今月の目標、三十鬼か―――幾ら代表になってしまったとはいえ、毎日というのは些か多すぎる」


第三百九十二回、日本 鬼子(ひのもと おにこ)代表決定の儀において選ばれた為か溜息交じりのようである。
日本 鬼子代表決定の儀とは、平たく言えばなんとなく代表が代表を辞めたくなった時に、十一月一日を境として、全国の鬼娘を招聘して行われる首魁決めである。

首魁を決めるとはいえ、そこはやはり鬼の生業。 ただ決めるのは強さのみ。 
根は真面目だがそこまで熱意の無い当代の鬼子は、そりゃあ初めは適当に手を抜くか、あるいは誰かに負ければいいだろうと思っていた。
だが首魁決めは荒ぶる御魂を呼び起こす一対一の素手同士の戦い。  強靭で負けず嫌いな鬼たちには骨の十本や二十本程度は愛嬌扱いで、勝敗条件は殺しは御法度の気絶のみ。 
参った、なんてのは周りが興醒めするという理由と、あってもどうせ無駄なためそんなものは無い。
殴られれば闘争本能が掻き立てられ、頭の角は鬼の力を受けて天をつらぬき、美麗なかんばせは美しくも雄雄しい鬼へと変わる。

その結果、儀特有の熱気に当てられ、あれよあれよと勝ち進め、気付けば当代最強。 そして日本 鬼子の名を冠することになったのだ。


「酒を飲んで儀の熱気に当てられれば、誰も手加減など出来はしない、そして下手な小細工も意味を成さずに、運と力だけの純粋勝負―――してやられたか」


酒が好きで宴が好きな鬼には分かっていてもやめられない、止まれない。 併せて言えば、表に出さずとも鬼は自信家だ。 
自分には我慢が出来ない、などと考えて大規模な祭りを休むなど、禁酒を誓うぐらいには無理なこと。 

そんなもんだから、千年以上続くこの儀も毎年行われるのではなく、些事を面倒臭がる鬼が我慢できなくなる一年から四、五年を目処に行われる。
最も長かったのが……凡そ千年程前に、紅葉という名を持つ鬼が三十三年ほど首魁を務めたのが記録である。 
それから代々、首魁となったものはその名前に肖って、この紅葉に囲まれた家を使っているのである。 

400 :創る名無しに見る名無し:2010/11/05(金) 01:19:54 ID:F3cxNpuR
続きです。

さて、そんな彼女らが何をしているのかといえば、人の心に巣食う「鬼」退治である。 
勿論それだけではなく、他種族との縄張り争いや抗争の調停、あるいはそのまま第三勢力となることもあるが。 因みにその場合大抵勝つ。

鬼の「鬼」退治など異なことをと思うかもしれない。

だが退治されるのは彼女らではない。
何故なら人の心に巣食う鬼は無数にいる。 全ての人間の心の裡には、鬼がいるのだ。
人はその鬼と心の裡で無意識に争いながら生きているのだが―――人は何かの拍子に、醜悪な鬼になる。
姿が変わる者もいれば、姿の変わらぬまま、内面だけが変容した鬼もいる。

彼女らにしてみればふざけた話だ。 
力強く、豪放磊落。 殊更に人に敵対したい訳でもなく、そもそも性根を腐らせることを疎んじる彼女らとその鬼たちは余りに違う。
だのに弱くも面白く愚かな人の子らは、その鬼の所業を見て彼女らに敵対する。  

過去、それが故に彼女らの住まう島は落とされ、流れ着いてきただけの金銀財宝などどうでもいいが、味が随一だった酒蔵が壊されたのは彼女らをして涙を流させたのだ。

それから彼女らは鬼と化した人、鬼人を狩るようになった。 
狩るとはいえ殺すとは限らない。 たしかに殺さねばならぬ、肉体すらも変容した者もいるのだが。 
だがその必要の無い者ならば、彼女らの力を受けた得物を用いれば心の中の鬼を穿ち殴り捻り潰すことが出来る。
残念ながらその人間にも多大な衝撃が与えられるが、そこまで勘案してやる必要が無いというか、結局は自分の心なのだろうと容赦なんてものはない。  
正確には考えが鬼基準なだけで、これでも手加減はしているのだ。 強靭な上に、両手両足が複雑骨折しようとも酒飲んで寝れば明日には治るような我が身と比較した話ではあるが。 
安心して欲しい、あんまり死人は出ていない。


どうやら、日課の掃除を終わらせ、代々「日本 鬼子」受け継がれてきた薙刀を担いできているようだ。

「さて、では初めての稼業と行くか、小日本(こひのもと)」

「はい、鬼気の高まっている近辺に『繋げ』ておきました。 いつでも」


小日本(こひのもと)と呼ばれた着物の童女は言うや否や、袖から伸びた赤い糸を操り、虚空に赤い円を描いていく。 円内の虚空には、違う景色が朧気に。
赤い糸は距離無く想いも繋ぐ道しるべ。 サダメもエニシもミチすらも、端さえあれば何処であろうと距離は無し。 
人の世では想いは現世の距離も心の距離も、あればあるだけ遠ざかるも、化生の身には意味は無し。
よく見れば、小日本の着物の赤い糸の刺繍もスルスルと着物の上を動いている。 どうやら糸は虚空から出しているのではなく、着物を利用しているようである。


「よし、では行くか。 鬼の「鬼」退治、「日本鬼子」が首魁、紅姫改め日本鬼子。 芥どもは燃え散らす!」

「燃やしすぎないで下さいね、先代では文字通り火消しに苦労しましたので」

「彼奴らが下手に抗わねばな」

「……大丈夫です、代々の首魁のやり過ぎを補佐してきましたから」

心を繋ぐ小日本は、他者の心の影響を受けやすい。 つまり人の鬼気は毒なのだ。 
人の鬼は他の人をも鬼とする。 ならば、それを防ごうとするのも自明の理。 

今日も今日とて彼女らは、人の為などではなく己の為に、鬼退治をしているようです。


続けられない

401 :創る名無しに見る名無し:2010/11/05(金) 11:44:03 ID:vZKMg6wn
普段携帯しかなくて、2chへの書き込み方がわからなかったので、
ピクシブの小説にあげてみました。
URLの持ってき方もこれでいいのか・・・;;
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=91698
こういうところにURLとか無粋だったらすみません・・・

402 :創る名無しに見る名無し:2010/11/05(金) 20:05:18 ID:lNeOgDbp
前回あげた者ですが、
失敗していたようなので、再度チャレで。

http://www.pixiv.net/member.php?id=2534357

今度は成功すると良いんですが・・・。 すみません。

403 :創る名無しに見る名無し:2010/11/05(金) 20:35:42 ID:BuQwviO6
乙です

投下が続いてて続きが楽しみだ

404 :妄想モエチリ:2010/11/05(金) 22:02:31 ID:brvUqmn3

夕食のかたづけを終えて居間へ行くと
日本狗の腹に抱えられるように二人とも寝ていた
寝ている小日本のほっぺを思わずつんつんしてしまう

ぷにぷにだ
にへらっと笑みがこぼれるのが自分でも分かる

日本狗「せっかく寝かしつけたのに起きてしまうぞ」
鬼子「あら、おじいさまも一緒に寝てしまったのかと・・・」
鬼子「で、どうでしょうか?」
日本狗「確かに鬼の匂いがするのぉ、だがこの子ではない」

日本狗の言葉で寝ているA君を見る
ふとそこで二の腕にまるい火傷の跡を見つける

日本狗「なんじゃ、気づいておらんかったのか?」
日本狗「この子の体は火傷の跡だらけじゃ」
鬼子「!」
卑猥鳥「こりゃタバコの火だな・・・」
鬼子「・・・」
卑猥鳥「考えてもいなかったって顔をするな、十分予想されたことだろう?」

ビギッ
鬼子「・・・行くわよ」

「どこへ?」とおどけて答えようとした卑猥鳥は紅い視線に遮られて
その言葉を飲み込んだ



405 :妄想モエチリ:2010/11/05(金) 22:23:39 ID:brvUqmn3

住宅街、アパート
部屋に明かりは灯っていない

鬼子「ここね、留守じゃないの・・・」

当然、ドアに鍵が掛かっている
力に任せてこじ開けようと更に力を込める

卑猥鳥「おいおい、ぶっ壊す気かよ」
卑猥鳥「ちょっと俺に任せな」

卑猥鳥は手だけを器用に元の羽の形へ戻す
その羽を鍵穴に入れること数十秒
カチャリ

鬼子「呆れた、あんたそんなことも出来るの?」
卑猥鳥「調べ物に必要なスキルだから身につけたまでだ」

鬼子はその言葉に違和感を感じたが、今はそんな場合ではない
ドアを開け中へ入る


406 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる :2010/11/05(金) 22:33:28 ID:OTdmiXCh
上海に、奴は現れた。
既に、武装警察、人民解放軍の砲列が鬼子を向いている。
「撃てーっ!!」
砲列が一斉に火を噴いた。
爆煙と炎が舞い上がる。
爆煙の中から、全く無傷の鬼子が現れた。
「怯むな、撃て!!」
しかし、攻撃がされることはなかった。
周囲に血の雨が降った。
バラバラの死体が、あちこちに転がった。
恐れをなした兵士、武装警官が逃げ出した。
「敵前逃亡は死刑だぞ!!」
「うるさい!!」
喚き散らす上官を射殺して、クモの子を散らすかのごとく逃げた。
取り残されたのはわずかな武装警官だけだ。
「うわあああああああああああーっ!!」
恐怖の余り、武装警官は銃を乱射する。
その3秒後、首のない死体が地面に横たわっていた。



ネット上に、予想外の書き込みがなされた。
「加油! 日本鬼子!」
「打倒! 中国共産党!」
「武警38、軍38」
力で抑えこまれていた中国の市民が、政府に反旗を翻し始めた。
敵だったはずの、日本鬼子の尻馬に乗って。

407 :妄想モエチリ:2010/11/05(金) 23:04:37 ID:brvUqmn3
部屋の中はこれでもかというくらい散らかっており異臭が立ち込めていた
奥の部屋に通じる廊下にはゴミも衣類もあらゆるものが雑多に積み上げてある

卑猥鳥「うへぇくせぇ、マジかよ」

鬼子は卑猥鳥の声を無視し、奥へ
そこはダイニングキッチンだった
ゴミを掻き分けるように部屋の中へ入る

まずは冷蔵庫の中も確認する
からっぽだ、本当に何もない

キッチンへ向かう
調味料は砂糖と書かれたビンが洗ったようにからっぽになっていた
ガスは使えなかった、元栓が閉めてあるのだろう
見当たる場所に元栓はない

そこでひときわ異臭を放つそれを見つけ、絶句する
フナの死骸だ、それも食べたような跡がある

―――フナを食べたのだ、生で


鬼子「ぅえ゛・・え゛っ」

湧き上がる感情を抑えきれない、涙がどうしようもなく溢れ出す
買い物中に聞いた彼の言葉を思い出す

鬼子「お父さんとお母さんは好き?」
A君「うん、大好きだよ!」

笑顔でそう答えたのだ、即答で迷うことなく


408 :妄想モエチリ:2010/11/05(金) 23:30:21 ID:brvUqmn3

しばらく泣いていると段々落ち着いてきた
どうして?何故?
答えは見つからない

そばに割れた写真立てがあることに気づく
そこでは3人の親子が幸せそうに笑っていた

臭いがたまらなかったのだろう、元の姿となった卑猥鳥が部屋に入ってくる

卑猥鳥「貯まった新聞の量からいって、一週間は帰ってきてねーな」
卑猥鳥「虐待に育児放棄ってか?本当に人間って奴は度し難い」

ビキビキッビキッ…ビギンッ

大きな二本の角、紅の瞳、般若の面、紅葉柄の和服・・・・
―――そこに一匹の鬼が現れる

日本鬼子「案内せい」

刺すような紅い視線に卑猥鳥は思わず身震いする

卑猥鳥「対価が必要になるぞ?」
日本鬼子「構わぬ」
卑猥鳥「即答かよ、こりゃ本鬼モードだな・・・」



409 :創る名無しに見る名無し:2010/11/05(金) 23:43:40 ID:BuQwviO6
支援

410 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 00:04:01 ID:+XlEyGQR
住宅街を少し離れた鉄塔の上
そこで日本鬼子は知らせを待っていた

バササッ

卑猥鳥「母親を見つけた、他所の縄張(シマ)だ」
卑猥鳥「騒ぎを起こすと後々面倒だぜ?」

日本鬼子「構わぬと言った」

卑猥鳥「・・・新宿だ」
卑猥鳥「カラス共の話だ、大丈夫だろうよ」

―――秋の低い三日月の下、着物の裾から紅葉を散らし鬼が舞う


411 :GoGo! ひのもとさん1/2:2010/11/06(土) 01:21:46 ID:umHL+iB8
 前回までのあらすじ――酒呑童子を護るため、ガノタを般若の面(等身大)でぶっ飛ばした日本鬼子さん。ところが粗暴な胸の中で何かが弾けてさあ大変。

 鬼子さんの胸の中で、何かが弾けた。
 それは窮屈なサラシの戒めを突き破って豪快に暴れだした。
 否、もっと正確に言えばそれはサラシの中に押し込められていた二つの不埒な――。
「姐御ーっ! 危ないでヤンスーっ!」
 そのとき、何者かが鬼子さんの背中に抱きつき、暴れ狂う胸を必死に押さえつけた。
「ふにゅっ!?」
 目を丸くした鬼子さんは自分の胸元を見下ろして、まさに傍若無人に膨れ上がった一対の脂肪の塊が、一対の翼によって間一髪、ぎりぎり深夜放送が可能なレベルにまで隠されている様を目撃していた。
「姐御……おっぱいあるところ、あっしらはどこにでもお供つかまつりヤス」
 翼で乳をさすりながらそう言ったのは見るからにさもしい鳥である。
 鬼子の背中にはりついて、イヤミに笑って見えるクチバシを開閉して耳障りな声を放った。
「あっしの翼ではおっぱいを揉む事はできやせんが、せめて隠す事ぐらいの事はできやすぜ……!」
「ヒワイドリ……き、貴様……っ」
 余裕たっぷりに見えたヒワイドリは、汗をだらだらかいていた。
「ふふふ、どうしやした、いつもならこんな事をした日にはあっしは切り刻まれて鬼のごとくに踏まれている筈なんですがね?」
「ヒワイドリ、バッカだなお前」
 とつぜん背後の路面からクロアジっぽい魚が顔を出し、短いキバがにょっきり生え揃った口をぱくぱくさせていた。
 周囲に牛小屋と生ゴミを混ぜ合わせたような異臭が漂いはじめ、群集がざわめきながら彼らから彼らから距離をあけていった。ガンダムの前にぽっかりと空間が生まれた。
「乙女心がわかんねーやつだな。姐御はとうとうお前の猛烈なアタックに負けて、お前を受け入れようとしているんだぜ」
「なっ。し、失礼しやした姐御っ! そうでやしたか、ようやくあっしの抱き枕おっぱい付きになってくれるんでヤスね!」
「バッカだなお前、姐御はお前なんか眼中にねーよ図に乗るな」
「どっち!?」
 ヒワイドリとヤイカガシは、いつも二匹でつるんで鬼子に付きまとう所謂ストーカーであった。
 下品なおっぱいトークをしゃべらせたら八時間とまらないヒワイドリと、いつも想像を絶する悪臭を放つヤイカガシが現れると、どんないいムードの合コンも台無しにしてしまう合コンクラッシャーなのだった。
「さぁさ、遊んでないでいつもの姐御を見せてくだせぇいつものっ! あっしはもう準備万端ですぜ……あぎゃあいやあぁっ!?」
 はしゃいでいたヒワイドリの体が、得体の知れない炎に包まれた。

412 :GoGo! ひのもとさん2/2:2010/11/06(土) 01:22:27 ID:umHL+iB8
 なにか霊的なものを燃料にして、鬼子の白い肌からオーロラのごとく美しい火が噴きあがり、貧相だったヒワイドリが見る間に炎の羽根に彩られていった。
「バッカだなお前さっさと手を離せ死んじまうぞっ!」
「いや、だ、俺が、死んでも、この、手は、自主規制の、手、だけは、未来の、子供たちの、ため、に、守ら、ないと……!」
 もはや高熱で全身が炭のように黒くなり、異様な植物の蔓のようにねじ曲がってゆくヒワイドリ。
 このままではヒワイドリの体に自主規制が必要になってくるぞと思われた、そのとき。
 眼前が真っ白になるくらいの閃光が額を打って、ヒワ&ヤイは否応なく弾き飛ばされた。
「「うひゃぁぁぁっ!」」
 駅前は炎に包まれていた。
 群衆の見守る中で、鬼子を包んでいた炎はみるみる巨大に膨れていく。
 駅の人々が見上げ、ガンダムすら見上げるほどの高さに、日本鬼子の巨体があった。
 黒髪が流星群のようにきらめきながらユラユラ風になびき、不機嫌な顔でじろりと彼らを見下ろしていた。
 その表情の横に、あれほど巨大だった般若の面がぴったりと添えられている。
 他の衣服とは違って、どうやらこの面だけは大きさを自在に変えることは出来ないらしい。
「あ、姐御ぉぉっ!」
 暴れん坊の胸を隠しながらゆっくりと片足を持ち上げ、がたがた震えるヒワイドリの頭上にその影を重ねた。
「お願い、優しく、してぇっ!」
 懇願するヒワイドリを、巨大な下駄でずがんと踏みつぶした。
 つま先を中心に燃え広がった炎が、ヤイカガシの体に溜め込んであったメタンに引火し、大爆発を引き起こす。二匹は共に何かを叫びながら空の彼方に飛ばされていった。
「超気持ちいいーっ(キラーン)」
「おっぱいプルーンプルン!(キラーン)」
 ガノタ青年は一眼レフを胸に構えたまま、しっかりと目の前の一部始終を目撃していた。
 半分興奮しているような、半分恐怖に歪んだような顔つきだ。
 オーバードライブを放った直後、巨大な鬼子さんの身体は雲のように分散してしまい、ただの炎と化してしまった。
 そしてその足元に、はだけていた着物をびしっと元のように着こなした鬼子さんが元のように立っていた。
 番傘を開いて降ってくる灰を除けつつ、二本の角とひどく哀しげな表情を空に向けていた。
「また、つまらぬ男を、萌やしてしまったわ……」
 そう、こうして日本鬼子の華麗なる日々が幕開をけたのであった。

413 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/06(土) 01:24:45 ID:umHL+iB8
基本設定の二匹を加えてみた。
話し方も適当なのでごみーんに。

414 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 02:50:22 ID:SYzBWbuz
鬼子避難所住民だけれど良いのwww
ちっと本スレにも言ってるわ

415 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:03:04 ID:SYzBWbuz
絵師はモチーフが欲しいのよ。
小日本の募集が始まっているが、何かコラボ出来ない?
絵師もイメージが無いと絵が書けないんだけれど、本スレと交流ってないの?


416 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:05:11 ID:SYzBWbuz
空気読めなかったらゴメンね

417 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:06:55 ID:xb47gsg5
あるようでないようで。

お気に入りに入れ忘れてて、
リロっても新着レス表示無いから忘れてた馬鹿ならここに。

>>414
教えてくれてありがd

418 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:10:47 ID:SYzBWbuz
>>417
うーん、君たちの世界を絵にするって、俺は見てみたいだけなんだけれど嫌?
鬼子避難住民なんだけれど邪魔ならスルーで

419 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:20:22 ID:SYzBWbuz
今、小日本の募集を始めたけれど、絵師はモチーフが欲しい。
もっと言えばオマイラに絵師の想像を広げて欲しいんだ。
いや、避難所の住民だから資格は無いかもしれないから、避難所には絶対に来るなよ。オマイラは!

だけれど、オマイらと絵師のコオボは観たいなァ

420 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:23:40 ID:xb47gsg5
>>418
マンガ描けないお(´・ω・`)
誰か書いてくれたら嬉しいけど、
クレ厨にはなりたくないんだお。

自分はSSはSSで楽しむお。

421 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:25:43 ID:SYzBWbuz
>>420
>>自分はSSはSSで楽しむお。
勿論、それは大切だよ。
その世界を絵師が絵にしたら嫌?

422 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:31:03 ID:SYzBWbuz
>>420
それは絵師が君の世界を絵にするオ
でもそれって面白くない?

423 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:33:50 ID:SYzBWbuz
>420
クレ厨?ジャなくて絵師はモチーフが欲しいんです。
だから絵師は下さいです。

424 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:42:00 ID:r+YuxGKH
もっと鬼子の画像希望…
鬼子成分が足りないorz

425 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:45:25 ID:SYzBWbuz
>>424
ちょっとまてw
鬼子はpixivだけでも1000超えたお?
それ以上なら、本スレに。嫌なら俺が仲介するお

426 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:50:42 ID:SYzBWbuz
因みに成分は、うP?まとめwiki?君たちが使える鬼子を教えて欲しいです
使えなかったら、何が駄目かも教えて欲しいです。

427 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:51:13 ID:r+YuxGKH
まだまだ…足りません…
最低でもあと二桁は欲しいです!
目指せラムちゃん越え!


428 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 03:57:29 ID:SYzBWbuz
すまんが荒らし認定ならファー
創発板では色々と迷惑かけたけれど、本スレはSSも好きで、創発板では2つが残った。
でも、小日本の募集を始めたけれど、オマイラとのコラボとかだめ?ツーカ、交流がない
アラシに見えたら許してください。が、避難民としては、それがあるから頑張っている。
だから見てみたいんだ。

429 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 04:04:12 ID:SYzBWbuz
>>427
ちょっとまてwwwオマイラがSS書くのに10万絵がないと駄目?www
そんな世界があるの?wwwイヤ、マジに聞いています

430 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 04:11:02 ID:SYzBWbuz
サーセン、
何度も言っているけれど、アラシ任意ならファー。
でも創発板に残った2つのスレの交流が少ないってのは、避難所からみれば何で?面白しのにナァー
俺ってアラシ認定?

431 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 09:37:35 ID:+XlEyGQR
SS投下している一人としてこのスレを評価してもらっているのは素直にうれしい
自分のSSがネタとなって絵になるならうれしいに決まってる
が、絵師は聞かなくても気に入れば勝手に描いてくれると思うんだ

本スレも避難所もROMってはいるよー
見てなきゃこんなSS書けるはずもなくw
だからモチーフ?に関しては個人的には本スレとか応募絵師の邪魔にならんように服装とかの描写を避けた

そんなことより、自分のは卑猥鳥がカッコよくなってきたキガス
どうしてこうなった・・・シリアスモードだからだと自己弁護

432 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 11:13:13 ID:cplWXwE+
絵師の人がSSを気に入れば名指し(>> )で聞くなり、勝手に描くなりするんじゃなかろうか?
外の話で申し訳ないが、SS書いてた人たちは絵を貰って喜んでたように見えるから断られにくいと思ふ



433 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 11:27:06 ID:+XlEyGQR
新宿、雑居ビル内のバー

A母「だからぁ〜私は寂しいって言ってんのよ〜」
―そうだな、旦那が悪い
バーテン「そろそろ終電ですよ、お客さん大丈夫ですか?」

A母「終電?」
―帰ったらA君でまたストレス発散だ

A母「嫌・・・」
A母「帰るのは嫌・・・」
バーテン「まぁうちは朝までやってますけどね、お客さんほどほどにね」
バーテン「ずいぶん酔ってらっしゃいますよ」

―全部、旦那と子供が悪い、そうだろう?
A母「・・・」

ヒュガ!
ビル地下内のバーなのに風が吹き抜ける
A母「?」


434 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 12:13:55 ID:+XlEyGQR
雑居ビル屋上

囁鬼「痛え!いっってーーーー!!何しやがる!!!」

薙刀の刃に貫かれた小さな鬼が叫ぶ

日本鬼子「五月蝿い、質問に答えよ」
日本鬼子「何故、彼女に憑いている?」
囁鬼「テメエにカンケーねーだろーが!!離せ!離せよ!!」
日本鬼子「質問に答えよ」

囁鬼を貫いた刃に炎が灯る

囁鬼「ギャーーー!!」
日本鬼子「おまえは従鬼だな、主鬼はどこだ?」
日本鬼子「早く言わないと燃え尽きるぞ」
囁鬼「分かった、言う!言うから!止めてくれ!!」

刃の炎が消える

囁鬼「俺はあの女が邪魔だからしばらく家に帰すなって言われただけだ」
囁鬼「それ以上の理由なんてシラネェ!」
日本鬼子「主鬼は?」
囁鬼「言える訳ねーだろーが!」
囁鬼「てめーだって鬼じゃねーか!?同族になんてことしやがる!」
日本鬼子「私はこの面に誓って動く、同族なぞ知ったことではない」
日本鬼子「答えられないと言うのなら、仕方ない」
日本鬼子「燃え散るがいい」

ボッ
一瞬にして囁鬼は燃え尽き灰となって消える

卑猥鳥「さっさとやっちまって良かったのか?」
日本鬼子「従鬼は主鬼を契約により裏切れん、内容にもよるがな」
日本鬼子「あれ以上は時間の無駄だろう」



435 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 13:29:56 ID:+XlEyGQR
A母はカウンターに突っ伏していた
・・・もう何も考えたくない

―お父さんとお母さんは好き?
―うん、大好きだよ!

はっと顔を上げる
A君!
ぼんやりとしていた意識が次第にはっきりしてくる
夫に構ってもらえない憂さでA君につらく当たってしまったこと
A君につらく当たるのが嫌になって帰らなくなってしまったこと

携帯を見る
帰らなくなって一週間にもなる!
急に血の気が引く、自らの行っている行為に恐怖した
帰らなくてはっ

終電は既に終わっている
泥酔した体は思った以上に動かない、それでも彼女は重い体を引きずり店を出る
外へ出たところで躓いて転んでしまう
バックの中身が散乱する

のろのろと落ちたものを拾い、バックへしまっていると
少女が声をかけてきた

鬼子「大丈夫ですか?手伝います」
A母「ありがとう」

感謝の言葉を残し、彼女はまた歩き始める


436 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 15:14:44 ID:+XlEyGQR
卑猥鳥「さて、次はどうする?」
日本鬼子「次?まぁ次にいく所は決まった」

そう言って日本鬼子はA君と同じ苗字の名前が入った
名刺をひらひらさせた


都内、とあるメーカー本社(深夜)

A父「皆、すまない・・・10分ほど集まってくれ」

ディスプレイを見ながらカタカタをキーボードを打つ手を休め
のろのろと数人が集まる

A父「良い話と悪い話がある、どちらから聞く?」
SE1号「・・・悪い話から」
A父「大陸に任せていた制御系、うちのチームで作り直すことになった」
PG1号「またですか!」
PG2号「あー(目がうつろ)」
PG3号「明日の日曜くらいは帰れると思ってたのにな・・・いや、もう今日か・・・」
SE2号「訳を聞かせてください、既に大陸から納品されたゴミソースの修正を半分以上
     俺たちがやっているんですよ?」
A父「大陸で大陸制御系チームのテコ入れをやっていた同僚Bが入院した」
A父「これから話す良い話も絡むが結果、うちで引き取ることになったんだ」

SE1号「良い話ってのはなんです?」
A父「大陸にオフシェアするのは今回のプロジェクトで最後だ」
一同「おおーーー!!」

やったこれで開放されるなど、小さな歓声が上がる

A父「私と課長で作成していた報告書が幹部会で承認されたんだ」
A父「大陸に任せた分のほぼ全てを日本側で修正していて結果としてコストダウンどころか
   コストアップになっている点、なによりプロジェクトのライブラリを丸ごとコピーして
   大陸へ盗み帰っていた事実が効いた」
A父「PG3号はよく気づいたな」
PG3号「ええ、開発機の具合が悪いからWindowsの再インストールしたいってDVD持って行ったんで・・・
     OS再インストールすりゃドライブ使えなくしてあるセキュリティソフトも消えますからね」
A父「そんな訳で今からでも極力、大陸側には仕事を回さないことになった」
A父「これで最期だから、皆もう少し頑張って欲しい」

A父はそう言って頭を下げた


437 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 15:49:49 ID:+XlEyGQR

SE1号「割当てはどうします?」
A父「ああ、今から作るよ」
A父「すまないが、皆の進捗状況を纏めておいてくれないか?」
SE1号「分かりました」
SE1号「割り当て、また自分の分を一番多くなんて無茶な真似はやめて下さいよ?」
SE1号「主任、もう一ヶ月以上帰ってないんでしょう」
A父「・・・大丈夫だ」
―そうだ、お前が持ってきた仕事だ、やらなければならん

A父はそう言ってまたディスプレイへ向かう
割り当てを作り始める
ああ、ここはSE2号には少し重いか?
―そうだな、お前がやらないとまずそうだな

んーここはPG3号に任せるとしてSE1号の分担が多いか・・・
―お前が受け持ってやれ

設計書は同僚Bが大陸向に直していたものをサーバワークの中から見つけた
おーこれは助かる・・・あいつも分かってたんだな
しかし、ここまで書き込んでやらんと駄目とは・・・もうほとんどソースを
日本語化したようなもんじゃねーか

よし、これでいいか
もう1ヶ月か・・・今日はこれを作ったら一度帰るかな
―今日からやれば、1日早く終わるぞ

そうだな、A君はA母もいるし大丈夫か
―そうそう

ヒュガッ
―おおっと
―あぶねぇ誰だ?


438 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 17:57:11 ID:+XlEyGQR
鬼は今の攻撃を仕掛けてきた奴を追いかけビルの屋上へ床から生えるように現れる

ズズズ
魘鬼「俺様の邪魔をするやつは誰だ」
卑猥鳥「エンキか、ここいらじゃ珍しいな」

日本鬼子「私だ」
魘鬼「ふん、同族じゃねーか、何の用だ?」
日本鬼子「この面に従い、お前を滅する」
魘鬼「般若の面・・・か?」
魘鬼「裏切り者の清姫に縁あるものならば、致し方あるまい」

答えず、日本鬼子は薙刀を振るい躍り掛かる
上段からの袈裟斬り
ヒュッ

返して下段払い
ザシュッ

魘鬼の脛から黒い血が滴り落ちる
魘鬼「いてぇじゃねーか、よっ」
日本鬼子「!」

足元から気配を感じ、日本鬼子はその場を飛びのく
魘鬼「ほぅ・・感が良いな」

屋上の床からは黒い触手が無数に生えていた
日本鬼子「周りに変態が多くてな、自然こういうのには感が良くなる」

ため息混じりに彼女は答える
どうしてこう自分に関わるものには変態的なやつが多いのだろうか
まだ見ぬ運命とか宿命とかの神に会ったら絶対にブッ飛ばしてやる


439 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 18:36:56 ID:+XlEyGQR

日本鬼子と魘鬼の戦いは続く
魘鬼は触手で彼女を捕らえようと無数の触手を振るい、日本鬼子はその触手を
炎を宿した薙刀で振り払う
もう何本も断ち切った触手だが、一向に数は減らない
しばらくすると再生するからだ

卑猥鳥A「いやー白熱した戦いですなー」
卑猥鳥B「そろそろサービスシーンがあってもいいんじゃね?」
卑猥鳥C「そうですな、触手に縛られた乳とか?」
卑猥鳥D「王道ですな、王道が故に飽きられた感じもするが」
卑猥鳥E「王道こそ正道との言葉もある、由緒正しき萌えには賛同せねばなるまい」

日本鬼子「そこっ!馬鹿やってないで少しは手伝え!」

卑猥鳥A「無理」
卑猥鳥B「そうそう、我らは戦うようには出来ていない」
卑猥鳥C「まー逃げる役なら任せてよ」
卑猥鳥D「むしろ、そろそろ触手に捕まってもいいんじゃね?」
卑猥鳥E「うむ、もう捕まるべきだな」

日本鬼子「貴様ら、どっちの味方だ!」
卑猥鳥一同「「乳の味方です」」

イライラっとして一瞬の隙が出来る
魘鬼はその隙を見逃さなかった
日本鬼子はついに触手に捕まる

卑猥鳥一同「「キターーーー!エンキGJ!!!!!」」

魘鬼はドヤ顔になっている
日本鬼子はあとで絶対に変態鳥も滅してやると心に誓う



440 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 19:06:13 ID:bIVMmfpT
俺だけかは分からないけど、
絵師に自分のSSを書いてもらえりゃそりゃ嬉しいだろ

441 :GoGo! ひのもとさん1/3:2010/11/06(土) 22:18:54 ID:lZJ8cFAq
「い、いやだぁぁーっ! 売りたくないぃーっ!」
「姐御っ、イヤイヤなさっても詮ありやせん! ここはどうか、あっしらの為にもひと肌でポっカポカに温めてくだせぇっ!」
「バッカだなお前ちがうだろ、そこは『一肌ずつ脱いでいってください』だ」
「そうそれ! お前つくづく天才だなぁ、お願いしやす姐御っ!」
「ぬーげっ、ぬーげっ!」
 日本鬼子さんは平素の黒い目から涙をこぼし、かぶりを振っていやいやをした。
「皆さんひどいです、どうしてわたくしばかりを虐めるのですか? この不況の時代が悪いのでしょうか?」
「そこはそれ、このゲームの仕様です姐御っ、ここはどうしても売らなきゃなりませんぜっ!
 ……それとも、あっしらに売る物件を選ばせていただけヤスかっ!?」
「ただでさえ泣きそうなのにNPCのセリフを繰り返さないで頂けますことっ!?
 もういいですわこのヒト何も考えずに安い方から適当に売るんですものここは断固として『いいえ』ですわーっ」
 ぽちっ。
『……では選ばせて頂きます!
 出雲のそば屋!
 出雲のそば屋!
 出雲のそば屋!
 ……』
「あああああああ押し間違えたああああーっ!」
 正座したまま前のめりに叫ぶ日本鬼子さん。
 膝に抱えたコントローラをかちかち鳴らしているが、崩れてしまった独占はもはや元に戻りようもなかった。
『出雲のそば屋!
 ……以上の物件です!』
「うわーん、返してーっ! わたくしのわんこそばイベントを返してーっ!」
 鬼畜な桃太郎に向かって号泣する鬼子さんに向かって、ヒワイドリは平素でもいやらしく笑って見えるクチバシをかちかちならした。
「いいじゃないっすか減るもんじゃなし!」
 鰯の頭を持つヤイカガシはエラをかぽかぽ開閉させて笑った。
「決算が楽しみですなぁ、姐御!」
「あ、あのぅ……」
 四つ目のコントローラを握ったガノタ青年が、おずおずと発言した。
 鬼にも妖怪にも見えない、場違いにもほどがあるごく普通の若者であった。
「いや場違いとか言われても……そもそもここ、僕の部屋なんですけど? それなのになに? 何なんですかこの人たちは?」
 しかし、あんまり肩身が狭くて地の文にしか話しかける事ができないといった有り様である。

442 :GoGo! ひのもとさん2/3:2010/11/06(土) 22:20:45 ID:lZJ8cFAq
 ここが彼らの溜まり場になってしまった原因を、ガノタ青年はいまだによく把握できない。
 日本鬼子さん曰わく、
「先ほどあなたの内着を拝見させていただいた時から、ただ者ではないと確信しておりましたわ。
 この部屋に飾られた多数の酒呑童子さま(駅前の等身大ガンダムの事)のお写真、そして多種多様な魂のこもった鬼の人形。
 この異様な内装を見たとたんに、わたくしすべてが判りましたの」
 鬼子さんはフィギュアで溢れた棚から勝手に拝借した緑色と赤色の精巧なロボットを戦わせていた。
「かつて鬼族を二分する偉大なる合戦をなさった青鬼さまと赤鬼さまの形見が何よりの証拠……あなたは、ヒトの姿に身をやつしたわたくしと同じ鬼族なのだと」
 青年はごくりと喉を鳴らして、鬼子さんと膝を突き合わせて正座した。猫背が「?」のカーブを描く。
「あの……何を言っているのかまるで釈然としないんだけど僕のザクとシャア専用ザクを戦わせて思い出に浸らないでくれます?」
 鬼子さんは窓の外に目を向けた。
 そこからは駅前の等身大ガンダムが一望できる。
 金棒を片手に携えた精悍な立ち姿のロボットを、何故か頬を赤らめてうっとりと見つめていた。
「……千年経って今なおこうして日々、酒呑童子さまを御守りしておいでだとは。わたくし、感動に胸がいっぱいですわ」
「つまり、君は何なの? 君もガノタだから、この部屋が欲しくなったの?
 ダメダメ、僕はここに住むために職場から人間関係から人生のすべてを否定して同時に決定してきたんだもの。そう簡単に譲れる部屋じゃないんだよ」
「お願いしますっ!」
 いきなりガバッと土下座する鬼子さんから、ガノタ青年は片膝立ちになって遠のいた。

443 :GoGo! ひのもとさん3/3:2010/11/06(土) 22:26:02 ID:lZJ8cFAq
「みながわたくしに豆をぶつけてくる、あの忌まわしい節分の日だけでいいんです……年に三回、ここをわたくしども鬼族の共同避難所として共用させては頂けませんでしょうか?」
「節分って年に三回もあったんだ……」
「お願いしますっ、何でもお手伝いしますっ。お休みは週に二日ほど貰えたら結構ですからっ」
「ほぼ毎日居座るつもりなのかっ! そんなに節分が来たらいくら豆があっても足りないよっ!」
 青年は立ち上がって髪をかきむしった。
「あのねぇ見てわからないかなぁ、僕は歴代ガンダム一直線のオタクなのー。
 鬼の美少女と同居するなんてさ、高橋留美子的な展開なんか別に期待してないっていうかさ、まさに誰得? なんだけど?
 てかさ、君そもそも何者なわけ?」
 鬼子さんはうるっと目に涙を浮かべた。
「覚えて……おられないのですか? わたくしです、日本鬼子でございますよ?」
「や、な、なんだよその涙はっ。僕に失われた記憶はたくさんあっても君みたいにただ黙って座っているだけで紅葉を散らかすような子は知らないぞっ」
「無理もございません、あなたはまだ小さかった頃ですから……
 そう、あなたは源氏の支配下に置かれたこの日の国で、かつてわたくしども酒呑童子の一族と袂を解った鬼の一族。
 酒呑童子さまが安倍晴明との戦いに敗れたあともなお戦い続けた一の子分、茨木童子さまの末裔」
「あー、つまり? なんなの?」
「――つまり、あなたとわたくしは血の繋がった兄弟にあたるのですわ」
 ガノタ青年はあんぐりと口を開けた。なにやら心当たりがあったらしい。
「姉……さん? ま、まさか……」
 なんと、ガノタ青年には偶然にも生き別れの姉がいた!
 鬼子さんはゆっくりと頷いた。
「弟よ、よろしくお願いします」
「いえいえこちらこそ……」
 こうして日本鬼子さんと弟(?)との奇妙な共同生活が始まったのだった。

444 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/06(土) 22:29:33 ID:lZJ8cFAq
代表設定を読んで性格の設定を訂正してみた。
いままで全く無視して書いてたわごみーんに。

445 :創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 22:35:21 ID:lZJ8cFAq
おれっち読ませる展開が下手だから
モエチリさんの続きが個人的に楽しみです

446 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる :2010/11/06(土) 22:38:48 ID:Uvg9k6NV
当局は直ちに、反政府運動の弾圧に乗り出した。
ネットでの政府を批判する書き込みの削除、反政府運動を行った者、疑いのある者の逮捕……と、いつもの弾圧繰り返しのはずだった。
ところが、今度は勝手が違った。
街に出た若者たちが無届けでデモを起こし、
「打倒中国共産党!!」
「当做障碍的?候日本鬼子来!(邪魔をすると日本鬼子が来るぞ!)」
とシュプレヒコールを上げた。
武装警官は誰もがすくみ上がって動けない。
「どうした、撃たんかっ!!」
上官が怒鳴る。しかし、誰も発砲できない。
「日本鬼子来! 日本鬼子来!」
あの化け物に勝てる者はいない。
愛国ではない、日本鬼子に取り入って助かろうというゲスな感情。
狂気が周囲を支配した。
そして……
「あっ、貴様ら!!」
武装警官が、ひとり、またひとりと銃を持ったまま、デモ隊に加わって行った。
「当做障碍的?候日本鬼子来!!」
「打倒、中国共産党!!」
一緒に叫び始めた。
「貴様ら、裏切りは銃殺刑だぞ!!」
「じゃあ、日本鬼子に勝てるのかよ!! あんたやってみろよ!!」
「くっ……」
「人は裏切るもんだよ!! この国は、裏切らなくちゃ生きてけねえんだよ!!」
「こっ、後悔するぞ!!」
「あんたがな。どうせ、もう共産党はおしまいだ。あんたには人民裁判と死刑台が待ってるんだ」
「く、くそっ……貴様ら全員……殺してやる!!」
上官は機関銃を構えた。
「隊長は恐怖のあまり狂った。取り押さえろ」
副官が、平然と下声で命令する。部下たちがすかさず取り押さえた。
「き、貴様らまで……」
「はい、そこまで」
上官のこめかみに銃が突きつけられていた。
「日本鬼子来」
「日本鬼子来」
銃を突きつけた二人の武装警官が嘲笑を浮かべてつぶやく。
上官は降参し、がっくりとうなだれた。
「連行しろ」
虚脱状態のまま、上官は連行されていった。

447 :妄想モエチリ:2010/11/06(土) 22:39:21 ID:+XlEyGQR

触手は素早い動きであっという間に日本鬼子を縛り上げる

日本鬼子「くぁ!」

卑猥鳥A「おーはだけた着物に絶妙な位置で縛り上げたな」
卑猥鳥B「マニアだな・・・職人技だ」
卑猥鳥C「後手縛りの変形か、胸が強調されるように計算しているな」

日本鬼子「ほっっんと!貴様ら後で絶対、燃え散らす!!!」
羞恥に真っ赤になり、ちょっと涙目になりながら叫ぶ

魘鬼「くははははっ、残念だったなぁあんなのが味方とはな!」
魘鬼「さて、このまま絞め殺してやろうか」

ギチギチッ
日本鬼子「くっぅ・・・」

卑猥鳥E「せーの♪」
ゴズンッ

卑猥鳥Dを発射台に卑猥鳥Eの鋭いくちばしが魘鬼の背中にめり込む

魘鬼「ぐはっ!!!!!」
卑猥鳥A「でもそんなんじゃ、だーめ」
卑猥鳥B「もうそんなんじゃ、ほーら」
卑猥鳥C「お乳は進化するよ」
卑猥鳥D「もっと〜もっと〜」
 ※JASRAC申請済(嘘)

魘鬼「キ・サ・マ・らーーー!!」

魘鬼の注意が卑猥鳥たちに向かい、触手が緩む
スルリと日本鬼子は触手から逃れ、猛ダッシュで魘鬼へ肉薄する

魘鬼「しまっ!」
日本鬼子「燃え散れ!!!!変態!!!!!!」

ズバンッ
羞恥の怒りに任せた一撃は魘鬼を一刀両断する




448 :GoGo! ひのもとさん1/2:2010/11/07(日) 01:09:31 ID:MuEMRaYL
 冴え渡る空の下、日本鬼子さんは息を切らして長い長い石段を駆け登っていた。
 賽銭箱の鈴がガラゴロと地味な音を立てると、障子を透過して白髭の神さまがひょっこり顔をのぞかせた。
「神さま、どうかお願いします……」
 鬼子さんは柏手をぱんっ、ぱんっと二回打ち鳴らし、なにやら心を込めて祈っている。
 いったいどんな祈りの内容なのか、名の知れた神さまも年季の入った額を垂れて困った様子。
 祈り終わると、鬼子さんはくるりと背中を向け、袖からもみじを散らし、下駄をからころ鳴らして去っていく。

 これをかれこれ五十回は繰り返している。
 そんな古式ゆかしい鬼子さんの様子を、落ち葉の積もった境内の脇からひょっこり見守る二匹のストーカーがいた。

 どちらも激しく萌えているらしく、はぁはぁ息を荒げている。
 エロい鳥の方はニヤニヤと小悪魔的に笑い、揺れる胸しか見ていないし、
 エロい魚の方はいかにも辛そうで過呼吸に陥っているようにしか見えない。
「なぁ、ヒワイドリ。俺そろそろ水に入らないとヤバいんだけど?」
 ヤイカガシは心なしかやつれて、息も絶え絶えに言った。
「踏ん張れヤイカガシ、お百度参りだからもう折り返し地点だ、あと五十回は拝めるぜ」
「五十回もか、いくら好きなアニメでも五十回見たら萎えるわ」
「へっへーん、俺は揺れる乳がそこにあれば千回は平気で再生してる男だぜー」
「そう、たしかあれは今年の夏――くそう、お前のせいでエンドレス・エイトの悲劇を思い出したじゃないかーどうしてくれる」
 などと退屈極まりないじゃれあいをしていた。
 くそっ、パンツ分だ、足りないのはパンツ分なんだ……などとぶつぶつ呟くヤイカガシに、ヒワイドリは得意げな笑みを向ける。
「ちなみに姐御が一体なにをお祈りしているか、知ってるか?」

449 :GoGo! ひのもとさん2/2:2010/11/07(日) 01:11:21 ID:MuEMRaYL
「ん? そりゃ姐御が祈ることと言ったらいつも決まってるだろ。
 世界が平和になりますようにとかー、ひとりでもいいから友達が欲しいとかー、わんこそば食べたいとかー……」
 ヒワイドリはがっくりと肩を落とすと、はぁーあとため息。
 羽を人差し指に見立てて左右に振った。
「ちっ、ちちっちっ、おっぱーい♪」
「ウゼー、それこんど使ってもいい?」
「一回百円な。あのなぁヤイカガシ、ここは出雲大社。縁結びで有名な神社だぜ?」
 二人は大きな神社を見上げた。
 八百万の神さまの総本山である出雲大社は、鬼子の大好きな「わんこそば」で有名なだけではなく、縁結びの神さまとしても有名な場所だったのだ。
「そうか、なるほどつまり姐御は――」
 ――もっともっとおっぱいが大きくなって――
「――思う相手と結ばれいんだ。バッカだなお前、俺の発言に変な思念を挟みこむなよ、このスーパー・オッパイストめ」
「一回百円な。けど姐御が気になりそうな肉食系の男なんて結局いなかった気がするなぁ」
「バッカだなお前、お前の目はおっぱいか。
 あれだろ例の『酒呑童子さま』にお近づきになりたいんだよ。
 昨日も猛アタックして全然無視されてたからな」
「へーっ、だから必死なんだ……
 えっ、でもあれ……」
「だよな……」
「ガンダム……だよな」
「……それ以上言うなよ……」
 ふたたび鬼子さんがカラコロとやって来るのを、二匹は神妙な面持ちで見守っていた。
 その健気な様子に肩を震わせ、思わず涙さえ流しそうだ。
「姐御ぉ、寒そうでヤスけど、嬉しそうでヤス……」
「……それ以上言うなよ……バッカだな、お前……」
 相手は二次元の住民だったなんて、とても教えられる状況ではない。

450 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/07(日) 01:44:56 ID:MuEMRaYL
わんこそばは岩手県だった……orz
岩手県民の皆さん、すみませんでした。
出雲で有名なのは、そば、ですね。

モエチリさんGJです。

451 :妄想モエチリ:2010/11/07(日) 10:45:34 ID:VuVdTtKs
>>450
ありがとう
今日で一区切りつきそうです

452 :妄想モエチリ:2010/11/07(日) 10:51:50 ID:VuVdTtKs

「・・・くん・・・A父くん」
ハッとして目が覚める

課長「君もだいぶ疲れているようだね」
課長「皆、そのままでよいので手を休めて聞いて欲しい」

チームメンバーが座ったまま、課長の方へ向き直る

課長「大陸オフシェアの件、追加の制御系の件、A父くんから聞いていると思う」
課長「幹部会で承認されたことによって、スケジュールは全体的に見直しだ」
課長「今日を含め月火とこのチームは全員、休みとする」
課長「みんな、始発で帰りたまえ」

歓声が上がる

A父「課長、しかしそれでは!」
課長「君も休みなさい、これは業務命令だよ」

カサッ
これは紅葉の葉?なんでこんな所に・・・
紅葉の葉に添えられるように3人の家族が幸せそうに笑っている写真があった

課長「SE1号くんから聞いたよ、1ヶ月以上帰っていないそうじゃないか」
課長「君だって家族のために働いているのだろう?」
A父「・・・そうですね」
A父「でも、よかったんですか?勝手に休みにしてしまって」
課長「なに責任は私が取るよ、そのための課長だ」

妻と息子の顔をたまらなく見たくなってきた
―帰ろう、家へ



453 :創る名無しに見る名無し:2010/11/07(日) 11:34:38 ID:HCMHVMYZ
支援


454 :妄想モエチリ:2010/11/07(日) 12:21:22 ID:VuVdTtKs

日曜の朝 神社


鬼子「気をつけて帰ってね」
小日本「ばいばーい」
日本狗「うぉん」

A君「うん、朝ごはんもありがとう」
A君「ばいばーい」

A君は小走りに鳥居を抜けたあと、しばらく下を向いて佇んでいた
意を決したような顔でまた小走りに戻ってくる

A君「あの・・・」
鬼子「ん?」
A君「また、遊びに来てもいい?」
鬼子「もちろん!もう私たち友達でしょ?小日本も喜ぶわ」
小日本「またこいー」
小日本もピョンピョン跳ねながら答える

A君はパァっと笑顔になる
A君「んじゃまたくるね!」
A君「またねー!!」
小日本「またねー」

今度こそ、A君は鳥居の向こうへ消えていった
鬼子はA君が家族を取り戻すことが出来るよう・・・静かに祈った



455 :創る名無しに見る名無し:2010/11/07(日) 12:57:09 ID:ucgu3AW9
乙っす!
4日間、毎日楽しく読ませてもらいました。

456 :妄想モエチリ:2010/11/07(日) 13:13:36 ID:VuVdTtKs
>>455
ありっす
後はエピローグみたいな後日談をちょろっと投下します
次の話も考え始めたけど、間は空くかもです

457 :妄想モエチリ:2010/11/07(日) 15:59:48 ID:VuVdTtKs
――数日後

ガラッ
鬼子「ただいまー」
―鬼子、ちょっと社務所まで来るんじゃ

なんだろう?
鬼子は鞄を自室へ置くと神社の社務所へ向かう
社務所に入ると日本狗、小日本、卑猥鳥、それにヤイカガシが居た
全員、元の姿だ
自然に習い鬼子も元の姿に戻る
といってもちっちゃい角に着物姿になるだけだが・・・

日本狗「今なヤイカガシから報告と相談を受けていたんじゃ」
日本狗「で、結論をお前にも伝えねばならん」
日本狗「ヤイカガシ、もう一度ですまないがあの少年のことを伝えてやれ」
ヤイカガシ「はい、分かりました」

あの少年の親子が3人で河川敷に釣りにきたこと
両親に囲まれとても幸せそうだったこと
ヤイカガシはうれしそうに仔細に話した

日本鬼子「そう・・・よかった」
卑猥鳥「なんだぁ泣いてんのか?」
日本鬼子「うるさい、あんたは黙ってなさい」

日本狗「それとな、ヤイカガシを神社の池へ移住することを許した」
日本鬼子「えっ!」
日本狗「聞けば河川敷はもう我らが住むには難しい環境、本人も是非にもと言うのでな」

日本鬼子はまとわり憑くような嫌な視線とオーラを感じた
ヤイカガシだ

ブルッ
日本鬼子「おじいさま、それはっ!」
日本狗「ここの土地神であるワシが決めたことじゃ」

そう言われては黙るしかない

ヤイカガシ「でへ、よろしくお願いします〜」



458 :妄想モエチリ:2010/11/07(日) 16:08:15 ID:VuVdTtKs

卑猥鳥「そちらの話は終わったな」
卑猥鳥「鬼子、大切な話がある」
日本鬼子「なによ?」
卑猥鳥「成長期にスポーツブラは駄目だ、形が崩れる危険性がある」
日本鬼子「ちょっ!なんでしってんのよ!!」

そこで気づく、最近下着をしまった位置が時々変わっていることに
部屋には鍵もかけているし気のせいだと思っていた
が、あの時、卑猥鳥は簡単に部屋の鍵を開けていた

一瞬のうちに手に炎の宿った薙刀が現れる
日本鬼子「貴様かー!」

日本鬼子は必死に薙刀を振るうが、卑猥鳥はその素早い動きで
余裕で回避していく

卑猥鳥「ふっ当たらなければどうということはない」

ますます攻撃は激しくなった
ヒョイっと卑猥鳥が避けた先にヤイカガシがいた
かろうじて刃を当てることは逸らしたが、炎でヤイカガシがいい感じに焦げる

ヤイカガシ「おぉうふ!」
ビクンッビクンッ

日本鬼子「ご、ごめん!」
卑猥鳥「あーあーノーコーン〜」

貴様のせいだろ!と卑猥鳥を追いかけ社務所の外へ

小日本「ねーちん、喧嘩はめっだよー」
マグマグ
小日本はこんがりと焦げたヤイカガシにかぶりついている

ヤイカガシ「あっあっあっ」
日本狗「小日本、それは食べ物ではないぞ」
日本狗「ヤイカガシも嬉しそうにするでない」

日本狗はまた変なのが増えてしまったか、と嘆息する
さっきまではまともな奴だと思っていたのじゃが・・・まぁよいか

今日は秋晴れのよい日だった



―――――――――――――――とりあえず、了


459 :妄想モエチリ:2010/11/07(日) 16:25:20 ID:VuVdTtKs
とりあえず終わりです
最後まで読んでくれた人はありがとうノシ

460 :創る名無しに見る名無し:2010/11/07(日) 16:31:42 ID:ucgu3AW9
ディスプレイ前待機したの久しぶり。
面白かったです。

461 :GoGo! ひのもとさん1/2:2010/11/07(日) 16:55:58 ID:MuEMRaYL
 前回のあらすじ――静岡県のガンダムに恋して島根県でお百度参りをする鬼子さんの恋する桃太郎電鉄。

 鬼子さんは少しでも思いを込めようと、まぶたにきゅっと力をこめて祈っていた。
 ――神さま、お願いします。
 ――どうか、酒呑童子さま↓が
 http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1289093351/
 ――たった一度でもいいから、わたくしの事を見てくださいますようにっ!

 お百度参りも終盤、ついに九十九回目を迎えようとしていた。
 まさに鬼気迫る思いの鬼子さんが鈴をがらごろ打ち鳴らした、その時であった。
 ぶつっ――。
鬼子「あっ」
ヒガシ「「あっ」」
 ストーカーたちも思わず声をあげた衝撃。
 切れるはずのないぶっとい綱が切れ、賽銭箱の上に鈴が落ちてきた。
 ぐわららぁーん。

 神さま逃げた。

 鬼子さんは綱を握ったままぺたりと座り込んで、神さまが置いていったへしゃげた鈴をぼんやりと見ていた。
「あ……姐御……」
 くるりと振り向くと、そこにはテンションがいつもの十分の一くらいに下がったヒワイドリとヤイカガシがいた。
「二人とも、なんでここに居るの?」
「そりゃまぁ……あっしらは、おっぱいのある所……どこにでも、駆けつけヤス、から……はは……」
 自分のセリフのあまりの空々しさに胸がつぶれそうになるヒワイドリだった。
「……そんなに好きだったんでヤスね? 酒呑童子さまの事を……」
 ヤイカガシの不要な一言に、鬼子さんはぼっと顔を赤らめた。

462 :GoGo! ひのもとさん2/2:2010/11/07(日) 17:01:37 ID:MuEMRaYL
 じわっ、じわっと涙腺から温かい液体が染み出てきて、慌てて顔を隠す。
「ちっ……違いますっ、だって、違いますもの、どうせ叶いませんもの……わたくしなんか、どうせこれっぽっちも見向きもされませんから、だから、これは……ひっ、うくっ、そうじゃ、ないんです……えふぅ……」
 泣き虫の鬼子が泣きそうになるのはいつもの事だったが、このときばかりはどうにもならない無力感が彼らの心を束縛していた。
 ヒワイドリとヤイカガシは、なんか声かけろと互いに肘でつつきあっていた。
(ヤバいっ、姐御を泣かせてしまったっス!)
(お前が先に言えよ、もうこれ以上は限界だっ)
(うぁぁっ! は、般若の目が赤黒く光ってるっ!)
(早くっ! 姐御の暗黒面が暴走する前にっ!)
 促されて、ヤイカガシがぼそりと口を開いた。
「あ、姐御は、あの酒呑童子さまを見て、なにか変わった事にお気づきにならなかったでゲスか?」
 黒い瞳を瓶に落ちた碁石のようにゆらゆらさせて首を傾げる鬼子さん。
「変わった、事……?」
 ヒワイドリとヤイカガシは頷き交わし、交互に言った。
「ほら、例えば何かこう、全体的にカクカクしてるとか……」
「あるいはずっとあそこに立ってて全然動かないとか」
「あと、なんか違う人っぽい感じがするとか……」
「そうそう、例えば作り物っぽ……」
 彼らがついに核心に触れようとした瞬間。
 空から鈴を転がしたような声が降ってきた。
「まつでしゅーっ!」

463 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/07(日) 17:04:48 ID:MuEMRaYL
ゆるゆる書いてきます

>>459ノシ

464 :妄想モエチリ:2010/11/07(日) 23:47:58 ID:VuVdTtKs
1話目を読み返して直したいところがあって直したんだけど
流石にココに再投下する訳にはいかんのでpixivに修正版上げました

http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=94311
 ※絵は何もありません

新作思いついたらまたココに投下するよー

465 :創る名無しに見る名無し:2010/11/07(日) 23:48:28 ID:HCMHVMYZ
>>464
おkまってる

466 :GoGo! ひのもとさん1/2:2010/11/08(月) 00:41:15 ID:P9vbEzOy
 前回のおぱらい――いたいけなCカップ16年もののおっぱいが抱いていた脆く悲しい恋心を粉々に破壊し、かわりに固く冷たいガンプラを挟もうとした罪深き俺たちの前に現れたのは、そう、夢に出てきそうなくらいぺったんこな童女だった。――byヒワイドリ


「とうっ!」
 一同の頭上を黒い影がよぎっていった。
 彼らの前に、ずだんっ、と豪快な着地をしたそれは、まるでサモエドのような巨体の犬だ。
 両足がひっかいた地面から雪が飛び散り、犬の足跡が生まれていく。息は極寒の地にいるような白さだ。
 いや、それすらも主に忠実な僕の特徴にすぎない。最も注目すべきなのはその背に跨った一人の可憐な童女である。
 軽装ではあるが戦国武将を彷彿とさせる装束。
 まだ柔らかな頭髪をかっちりとポニーテールに結い上げ、くりくりした意志の強い目を剥き出しにしている。
 そしてその背には「小日本一」の旗印が風になびいていた!
「下郎ども、その女の子を離すでしゅ! 恋愛のじゆうを奪うような輩はみんな童貞認定でしゅ!」
 おもちゃみたいな日本刀を振りかざしてやあやあ叫ぶ小日本一。
 困惑する一同のなかで、鬼子さんはその童女を見て口をぱくぱくさせていた。
「まさか……あなたは小日本一(こひのもと・はじめ)!?」
 童女は、む? と眉をひそめた。
 が、その隙にポニーテールを引っ張り上げられ、空中でじたばたもがいた。
「ああーっ! やーっ!」
「なるほどこいつが小日本でヤスか」
 乳のない女の子にはまるで興味のないヒワイドリが乳を見るかのように興味しんしんだった。
「なーんか見るからに正義の桃太郎って感じっすね……」
「は、離せーっ……ひいいーっ」
「んふーふー♪」
 宙吊りになった小日本の足の裏をヤイカガシがペロペロと舐めていた。鬼子さんはたまらず声をあげた。
「お、おやめなさい、ヒワイドリ! ヤイカガシ! かわいそうですわ!」

467 :GoGo! ひのもとさん2/2:2010/11/08(月) 00:44:41 ID:P9vbEzOy
「ですが姐御! このデザイン、どう見たってうちら鬼族の敵でしょう! ひょっとすると神話の時代に鬼ヶ島に進攻してきた、あの桃太郎の末裔かも知れねえっす!」
「違いましゅ、うちは桃太郎一族なんかじゃありましぇん!」
 童女はきっぱりと言い張った。
「き、基本デザインがまだ決まってないから(待ってます!;汗)敢えて誰も手を出さないだろうというところに手を伸ばしてみたでしゅ!
 いざとなったらここからどんな女の子にでも変身してみせるでしゅ!」
「み、見上げた根性だぜ……」
 童女の大口上にたじろいだヒワイドリに、どこからともなく飛んできたキジが襲いかかった。
「ぐわっ、しまった、お約束のお供が……!」
 さらにサルがどこからともなく走ってきて、ヤイカガシともどもお空の彼方までぶっ飛ばされた。
「ぱよぇ〜ん!(キラーン)」
「チクショーメー!(総統閣下)」
 犬が背中の上でぽふんとキャッチして、小日本は無事に救出された。
 鬼子さんは飛んでいったストーカーたちと小日本のどちらに行こうか一瞬おろおろして、考えるまでもなく小日本のところへカラコロ駆け寄った。
「だ、大丈夫ですの? ……あっ」
 お供の動物たちに助けられ、顔をぐしぐしこすってしている小日本。ポニーテールがほどけて長い髪が顔におりている。
 そして、そこに隠されていたように現れたのは……。

 鬼子の手のひらにおさまりそうな、小さな角だった。

468 :創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 00:49:59 ID:P9vbEzOy
総髪って言葉があるのを忘れてた。

>>464
ふふふ、読ませていただきます……!

469 :創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 01:50:47 ID:NQIt5Z0u
GOGO鬼子さんオモシレー!GJ!

470 :創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 06:02:15 ID:9IFoex+t
触手絵描こうと思ったが着物で触手は難易度たけえw

471 :創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 07:22:04 ID:9IFoex+t
スレまちがったw

472 :創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 11:58:03 ID:ae/iCyN7
>>497金色のガッシュ思い出した


473 :鬼子と愉快な仲間たち〜シリアス姉妹喧嘩編〜:2010/11/08(月) 15:14:18 ID:9kqugk8m
日本には人の手の入っていない山が無数にある。
人とは多少違う存在の日本鬼子は居を構えているのは、そんな山々の一つだ。木々に囲まれた木造建築の粗末な家屋。いつもと変わらぬ風景。
いや、少し違うか。常に頭に着けている般若の面を少しずらし、木漏れ日の差し込む樹上に目をやった。じきに紅葉の季節が訪れる。
紅葉柄の着物を好んで着用している鬼子にとって、それは心から歓迎すべき変化であった。
日本は本当に良い国だと改めて思う。この国は紅葉に限らず、季節の変化が来る毎に、五感に心地良い刺激をもたらしてくれるから。
「ん?」
黒い屋根瓦の上には長身の男がいた。悠然と腰かけている。髪も衣服も白づくめ。その姿を見つけた途端、鬼子は猛烈な疲労感に見舞われた。
「何やってんのよ、卑猥鳥……」
鬼子はため息交じりに尋ねる。昼間から嫌な物を見てしまった。まあ夜見つけたら見つけたで、尚更嫌な気分になるのだが。
彼もまた鬼子と同じく人間ではない。一般的に妖怪と呼ばれる存在だった。
普段は二足歩行のニワトリの集合体のような外見なのに、今は珍しく人間の姿を取っている。
また夜這いだろうか。にしては日が高いが。
「客だ」
端正な顔をした卑猥鳥が、薄い唇を開けて言った。
なんであの形態の時は、二枚目を気取ろうとするのだろうと、常々思う。中身は名前通りの下品な奴なのに。
「客?」
そんなことが今まであっただろうか? 少なくとも記憶にある限りでは、ない。
卑猥鳥は無表情のまま答える。
「訂正する。君の妹君だ。この家を目指して近づいて来ている」
「妹……」
小日本か。自分と同じく、鬼を狩る使命を負った少女。
この国の鬼は全て滅ぼすと言って、この家を出て行った妹。会うのはいつ以来だろう。
「わざわざ教えに来るようなことなの?」
「一応な。ヤイカガシの旦那に聞いた話じゃ、俺を巡って口論になったって――」
台詞の途中で、鬼子は常に持ち歩いている薙刀を勢いよく投げつけた。加減はしていない。どうせ殺したって死ぬような連中ではないのだ。
が、風切り音を纏って飛んでいった鬼子の武器を、卑猥鳥は手であっさりと受け止めた。
「今度は本格的な喧嘩になるかもしれないぞ。見た目にそぐわず、大した激情家だからな。あの妹君も。また小言を言われるんじゃないか?」
足元に放られた薙刀と掴みながら、鬼子は苦々しく返す。
「あんたたちみたいな毒にも薬にもならない連中、退治する価値もないわよ」

474 :鬼子と愉快な仲間たち〜シリアス姉妹喧嘩編〜:2010/11/08(月) 15:15:50 ID:9kqugk8m
「あぁ、最近人里では流行っているらしいな。そういう愛情表現。たしか『つんでれ』だったか」
今度は直接屋根の上に飛び乗って卑猥鳥に接近すると、鬼子は薙刀の一撃を放った。冷ややかな笑みと共に、
男が無数の小さな鳥へと姿を変え、周囲に散って行く。
「そういうわけで、俺たちはしばらく隠れるでヤンス! 乳の話もできないのは残念だろうが、
寂しい時は俺たちの顔を思い描いてくれでヤンス!!」
「誰が描くか!」
虚空に怒鳴りつけ、鬼子は家に入る。
妹。小日本。
口論の末に別れた彼女が戻ってくる。彼女は恐らく詰るだろう。使命を忘れて、
狐狸妖怪たちと共に茫漠とした暮らしを送っている自分を。
――和解することができるのだろうか。
茶の葉を出しながら、鬼子は暗欝な想像が自分の思考を支配していくのを実感していた。

軽やかな鈴の音が、木々の揺れる音や動物たちの生活音に混じって届いてきた。
それは徐々に近づいている。ひどく緊張しながらも、鬼子は下駄を履いて玄関の板戸を開けた。
汚れ一つない小柄な少女が、目の前に立っていた。
「お久しぶりです。お姉様」
どこか妖しげな微笑を浮かべ、妹、小日本が頭を下げた。
「久しぶり……あ、どうぞ」
一拍置いて、鬼子は妹を囲炉裏のある土間に通す。どこまでも古めかしい家なのだ。
とりあえず茶の入った湯呑みを出し、囲炉裏を挟んで妹と向かい合う。
彼女はあまり変わっていないようだった。幼さの色濃い可憐な容姿に、肩の長さで切り揃えられたおかっぱ頭。
相変わらず、神社の宮司が着るような神道衣を着用している。
鬼子のように頭の角は生えていないので、一見すると人間と変わりない。だから山を問題なく下れるのだ。
「変わりはありませんか、お姉様」
先に口を開いたのは小日本だった。
「ええ。何の変化もないと言ってもいいくらい、変わりないわ」
「そうですか」
茶を啜り、正座を崩さぬまま小日本は嘆息する。
「頻繁に妖怪が出入りしているようですね。それに生臭い魚の匂いもこびりついています」
生臭い匂いは、ヤイカガシの放っているものだろう。
「そう? 慣れちゃったのかしら。私には判らなかったわ。ごめんなさいね小日本。
あの馬鹿たち、勝手に人の家に出入りする癖があるの。よく言っておくから――」

475 :鬼子と愉快な仲間たち〜シリアス姉妹喧嘩編〜:2010/11/08(月) 15:16:48 ID:9kqugk8m
「お姉様」
凛とした妹の声に、鬼子の弁解は遮られる。
「私が問題にしているのはそんなことではないのですよ。言わなくても判ってらっしゃるのでしょう」
小日本は続ける。
「今もこの家の周りをうろついている低俗な鳥共は、いつになったら駆除するのですか?」
「そのうちに、まとめて始末しようかと」
「先程も鳥の集合体と、お戯れになっていましたね。この山の麓で拝見しておりました。頭の角も伸びていないし、
瞳も赤くなっていなかったので、本気で始末する気があるようには見えなかったのですが」
彼女の能力は幅広い。あくまで物理法則に則った範囲で身体能力を発揮する鬼子と違い、小日本は透視や念力といった、
一種の神通力のような力を獲得しているためだ。
「ねえ、小日本」
自らの湯呑みに手を伸ばし、一口茶を飲んでから鬼子は言った。
「私は鬼よ。誰が見たって。何故狩らないの?」
「血を分けた姉ですもの。それにお姉様の心に邪念が宿っていないことは、私が一番良く理解しております」
彼女はどこまでも聖性に属しているのだ。だから自らの信念に迷いがない。
「例えば私の家の周りにいる卑猥鳥だって、狩る必要性がある程危険な存在には見えないんだけど」
返事がない。見ると小日本は、呆然とした表情を浮かべていた。
「お姉様。それは本気で仰っているのですか?」
「……ええ。腹の立つことだってあるし、鬱陶しいと感じることもしょっちゅうだけど、
私は彼らが近くにいるからって危機感を抱いたりしない。
はっきり言えば、楽しいとさえ感じる時だってある」
「……そうですか」
悲しげな声で小日本は呟いた。
「本当は、今日を境にお姉様とのわだかまりを解消しようと思っていたんです。――周りの雑魚を一掃して。でもそれも不可能なようですね」
見えない手が、鬼子の身体を正面から突き飛ばした。背中にぶつかった壁を易々と突き破り、
衝撃が訪れた次の瞬間には、屋外に放り出された。
「が、はっ……!」
地に横たわり、呼吸が出来ずに咳込んでいる鬼子に、声が投げられる。
「今日の仲直りは諦めます。とりあえず周りの悪鬼を狩ったら、御暇させていただきましょう」
先程と同じ体勢で湯呑みを傾けている妹が言った。

476 :鬼子と愉快な仲間たち〜シリアス姉妹喧嘩編〜:2010/11/08(月) 15:18:09 ID:9kqugk8m
「そんなこと、させないわ」
囲炉裏の横に置き去りにしていたはずの薙刀が、鬼子の前まで転がってくる。
「鬼子タン、使ってくれい!」
壁に開いた大穴の向こうを見る。鰯の頭に手足の生えたような小さな妖怪が、囲炉裏の前、小日本を背にして叫んでいた。
ヤイカガシ。あいつが部屋に侵入して、薙刀を寄こしたらしい。
「馬鹿! こんな時に出てこないで!」
「目障りですよ」
小日本の視線が、ヤイカガシを一撫でした。同時に純白の炎がヤイカガシを包みこみ、跡形もなく消し去る。
「はぁ。この家はのべつ幕なしにこんな連中が出入りするのですか? だとしたら私、気が狂ってしまいそうです」
言葉とは裏腹に、小日本は酷薄な笑みを作っている。
「あなたは……!」
視界が赤味を帯びていく。頭もひどく痛む。角が伸びているのだろう。
「あら、お怒りのようですね。たまには姉妹喧嘩もいいでしょう。雨降って地固まる、に期待します」
小日本の周囲の床板が次々と剥がれて宙に浮き、鬼子に殺到してくる。普段とは段違いに鋭敏になった感覚と、
ヤイカガシのくれた薙刀を頼りに、全ての木板を叩き落とす。
「平素からそのぐらいの意気込みで鬼を狩って欲しいものです」
妹の言葉を無視して、鬼子は屋根の上に跳躍した。中央に立つと、裂帛の気合と共に屋根を踏み砕く。
家屋全体が大きく軋み、屋根の弱い部分が何箇所か落ちていく。正面から向かっていっても勝ち目がない。
真下にいた小日本に、鬼子は両手で構えた薙刀を突き立てようとした。
が、軽やかな金属音と共に刃は弾かれた。見えない壁が、鬼子の攻撃は阻まれた。
「あまり暴れると、後で家を修繕する時に苦労しますよ?」
相変わらず正座をしていた彼女の声が終わるのと同時に、両肩に強烈な負荷が掛かり、次の瞬間には左右の肩の骨が折れていた。
声にならない悲鳴が洩れる。
「っ……!」
薙刀が掌からこぼれ落ちた。
「ところでお姉様。本気で私に勝てると思っていらしたの? 私の方が遥かに強いのに」
眼前で微笑む妹に、鬼子は前蹴りを放った。これも見えない壁にぶつかり、到達しない。
「はぁ……まあいいでしょう。今楽にして――」
「――俺の嫁に何してんだよ」
いつの間にか、としか言いようのない素早さで、白づくめの男が妹の背に縋りついていた。
「え……?」
「聞こえなかったか? 俺の嫁に何をしてるんだ」

477 :鬼子と愉快な仲間たち〜シリアス姉妹喧嘩編〜:2010/11/08(月) 15:20:07 ID:9kqugk8m
耳元で囁かれている妹の顔がみるみる青ざめていくのが、鬼子にははっきりと判った。
「卑猥、鳥……?」
鬼子の呟きに卑猥鳥が顔を上げる。
「何しに来たのよ、あんた……」
「未来の妹君に、挨拶しに来ただけだ」
身じろぎ一つ出来ない小日本を抱きすくめたまま、卑猥鳥が囁く。
「妹さん。さっきからやたら物騒なことを喚いているが、本気になった俺やヤイカガシにはまだ到底及ばない。
出直してこい。――あと、あまり鬼子を苛めないでくれないかな」
格が違う。気が抜けた途端に、意識が薄れていった。身体に受けた被害が大きすぎたのだ。数秒後に鬼子は倒れていた。

「きびきび動くでヤンス!」
布団の上で目を覚ますと、無数の卑猥鳥が家を直して回っていた。
「おー、鬼子タンが起きたぞ!」
そして死んだと思っていたヤイカガシが、ぴんぴんと自分の看病をしている。
「…………色々突っ込みたいことはあるけど、妹は……?」
「そのうちまた来るって言ってたでヤンス! 俺たちが追い払ったでヤンス!」
「ヤンス!」
「ヤンス!」
「ヤンス!」
無数の卑猥鳥自慢げに騒ぐ。
「いやあ、俺も死ぬかと思った。とにかく鬼子タンが無事で何よりだ!」
何であんたが無事なの、とヤイカガシに言いかけて、鬼子は再び布団に転がった。
「何か……ムキになってすごく損した気がする……」
その呟きを無視して、妖怪たちはいつも通りの騒々しさではしゃぎ回るのであった。

478 :創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 15:21:18 ID:9kqugk8m
終わり
俺はヤンデレの妹とか普段三枚目のイケメンとか好きなんだよ!!!!!!!!!


小日本ファンのみなさんすいませんでしたマジで

479 :創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 16:53:09 ID:1JFitZIL
>>478
乙!面白かった!
つーか、まさかのヒワイドリヤイカガシ最強説www

480 :創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 19:17:05 ID:H0cVWXBi
>>478
乙!  
ふわふわした小日本も嫌いじゃないがこういうのは大好きだ。 
あとヒワイドリでその発想は無かったw  魂からの叫び、何も間違っていない

481 :創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 21:28:11 ID:1HsHqYof

暇な絵師さん来てください!! お願いします。

海保の燃えキャラ作って売国奴も萌え萌えにしてやろうぜ!
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1289218961/

482 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/09(火) 01:06:39 ID:k5OSnzfW
 だいたい夜七時ごろ、窓の外に見えるガンダムがライトアップされてさらに迫力を増す時刻、湯のたまった浴槽からは絶え間なく湯気が昇って、お風呂場はまさに熱い盛りだった。
 鬼子さんは汗の入った目を腕でぬぐいながら、小日本の人形のような背中をごしごし洗っていた。
 天使のミルクに浸されていたような純正たまご肌だったが、決して楽な旅をしてきたのではなさそうに見える。
 腰まで伸びた黒髪には埃がたまり、あちこち皮膚がかたくなっていたりする。
「ずいぶん長い旅をしてらしたのですね?」
 鬼子が言うと、小日本は何やらむーんと唸っていた。
「五ヶ月くらいです」
「何がですか?」
「私が旅をしていた期間です」
「まあ、そんなに?」
「今回はまだ始まったばかりです」
「いつぐらいに終わるのですか?」
「わかりません。鬼を百匹退治するまで、お家には帰れないんです」
「どうしてですの?」
「……そういうお家なんです」
 室町時代から妖怪退治などを家業としているお家柄らしい。
 小日本の狭い肩にスポンジを乗せて、鬼子さんはむーんと考えこんだ。
 人の心に巣くう鬼を退治するのが得意な鬼子さんも、百匹はさすがに大変なノルマだ。
 きっと途中でお腹がすいて、ふらふらとわんこそばを食べに行ってしまうに違いない。
 わんこそばだったら百杯などあっという間なのだが、それでもだいぶ胃にもたれてくる数である。
 しかし酷い話である。どんなお家があれば、こんな見かけは十歳にも満たない子にわんこそば百杯食べるまで帰ってはならないなどという理不尽な修行をさせるだろうか。
 そもそもわんこそばは全く関係ないのだが、わんこそばが食べたくなってきた鬼子さんの思考回路はわんこそばが実効支配していてもはやどうにもならなかった。
 ぽよぽよしながら涎を垂らしていると、小日本はうつむいて、ぽつりと言った。
「ごめんなさい、空々しいの、わかってます……」
「うにゅー、お腹いっぱぁい、でももう一杯お願いしまぁす」
「わかってるんです、何も知らないいい子のふりしてるの、見えすいちゃってますよね? ……けど、どうでもいい事にしたくないんです」
「今度はつゆだくだくでお願……はっ。えっ? な、何が? 何ですの?」
「本当は私、あの家にいちゃいけなかったんです……」
「まぁ、急にそんな、どうして?」
 うろたえる鬼子さん。
 小日本は濡れた黒髪の間を触った。そこには骨のように白い角が尖っていた。
「だって、私、角が生えてるから……」
「わたくしも角が生えてますわよ? ほら」
「……聞いてます?」
 まるで話についていけてなかった鬼子さんは、さらにぺしんと膝をたたいた。
「それよりもさっき良いことを閃きましたの小日本、今日からわたくしの子分になりなさいっ」
「親身になって聞いてあげるという発想ができないのこの人!?」
「もうっ、なるの? ならないの? はっきりしなさいっ」
「展開はやっ!?」
 そして話はいつの間にか二人でわんこそばを食べにいく具体的な計画にうつっていた。この間、小日本はぽけーんとするしかない。
「そうですわねぇ、老舗といえばやっぱりやぶ屋か嘉司屋か、東屋も外せませんわねぇ。けど花巻あたりをうろつけば結構ちらほらと……」
 鬼子さんの鬼マイペースぶりに困惑する小日本だったが、あんまり楽しげにわんこそば食べ歩き計画を話すのに当てられて、次第に惚けるような表情になっていった。
「ねっ。わたくしと二人なら、そんな宿題なんてあっという間に片付いてしまいますから。ね」
 じつは鬼子の憧れの人、酒呑童子も、かつて人間から見放された茨木童子を拾って一の子分にしたとされている。
 鬼子は酒呑童子に自らを重ね合わせているのか、それとも単なる偶然の一致なのか。
 鬼子さんは小日本に向かって身を乗り出した。
「キレイな一本角……硬くて、まっすぐ。そういえば茨木童子もたしか一本角でしたわ」
 二本角の鬼子さんは、にこにこ笑って、小日本の角のてっぺんをつついていた。
 小日本は、次第にかぁっと顔を赤らめていった。何だか釈然としない顔で鬼子に背中を向けた。
 湯あたりしたように震えていた。
「……みんなは」
「みんな?」
「みんなと一緒じゃなきゃやだ……」
 鬼子さんは、小日本の背中をぎゅっと抱きしめた。
 なんだか可愛い妹が出来たみたいな夜だった。

483 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/09(火) 01:18:31 ID:k5OSnzfW
>>469>>472
うおう、コメントがついた。Σ(´ω`)超励みになる。ガッシュこんど読んでみよう。

>>478
禿同だ! 面白かった! 素材の扱いがすばらしかった!

484 :創る名無しに見る名無し:2010/11/09(火) 11:40:12 ID:JNJygHcE
早朝に肌寒さを感じることが多くなってきた今日この頃。
「う〜ん……」
私、日本鬼子は布団から体を起こし、大きく伸びをした。いい天気だ。外は明るいし、小鳥の囀りも聞こえる。
そろそろ掛け布団を増やそうかな、などと考えながら寝具を押し入れにしまっていく。
寝巻を脱ぐ前に、玄関や窓の戸締りを入念に確認した。神経質と思われる方もいるだろうか。しかし大目に見てほしい。
何しろ私には、ストーカーがついているのだ。自意識過剰、あるいは自慢と思われただろうか。だがこれは事実であり、私自身心底迷惑している。
「よしよし」
窓に閂(かんぬき)は掛かっているし、玄関の板戸にもつっかえ棒を噛ませてある。
今日は珍しく、邪悪な魚と鳥の妖怪の気配も感じない。これなら気分良く着替えられるというものだ。
お気に入りの紅葉柄の着物に袖を通し窓を開ける。山の清浄な空気が、粗末な家屋の中に流れ込んでくる。
そして日課である朝の散歩に出かけようと玄関の戸を開けた直後、私は異常な光景を目の当たりにした。
「……何なの、これは……?」
足の太い、白い小鳥の妖怪(自分ではヒワイドリと名乗っている)の群れが
家の前に無数に転がっていた。百体以上いそうなその気味の悪い生物たちは、みな満身創痍といった体だ。
元気のありそうな数体も、仲間同士で殴り合っている。
「おぉぉ、鬼子ぉ……」
一番手近にいたヒワイドリが、息も絶え絶えに私の名を呼ぶ。
「あんたら、人の家の前で何をやってるのよ」
「お前の乳を触らせてくれたらぁ、質問に答えてやろう……」
無言で家の中に戻り、壁の飾棚に掛けてある長刀を手にした私は、再び外に出る。
「お・し・え・て?」
長刀の切っ先をヒワイドリの鼻先に突きつけながら、再度懇願する。
「委細漏らさずお話します」
打って変わって真摯な口調となったヒワイドリが、これまでの経緯を語り始めた。

485 :創る名無しに見る名無し:2010/11/09(火) 11:41:28 ID:JNJygHcE
満月の美しい夜。
一人の男が鬼子の家を目指して歩いていた。白い長髪を好き放題に伸ばしているその美男子は、
何を隠そうヒワイドリである。群れて合体すると、そういう姿になるらしい。
――いい月だ。
頭上の銀盆を見上げ、ヒワイドリ(集合体)は薄く笑う。穏やかな月光は、まるで今宵結ばれる一組の男女を祝福するかのようだ。
獣道を登り、愛する女の眠る園を視界に収める。
息を殺し、足音を忍ばせながら、ヒワイドリは鬼子の家の戸に手を掛けた。
「……ん?」
開かない。この家に鍵などと上等な物はついていないはずだから、つっかえ棒でもしたのだろう。
「可愛い奴だ」
ヒワイドリ(集合体)は両手で扉の淵を持ち、何度か揺すった。簡単に戸は外れ、内と外を隔てる壁が取り払われる。
素晴らしきかな欠陥住宅。
規則的な寝息が聞こえる。愛しの君はまだ眠りから覚めていないらしい。出迎えがないのは寂しいが、
ことを為す上では非常に都合が良い。
奥の間に忍び込み、寝具の上に身を横たえる麗しき鬼を見つける。日本鬼子。
彼女のすぐそばで片膝を突き、ヒワイドリ(集合体)はその姿に見入った。
美しい。黒髪の間から伸びた、鬼の角でさえ愛しく思う。
長い睫毛に縁取られた瞼は、ぴたりと閉ざされている。起こそうか、と瞬時考える。
やはりガチでニャンニャンするからには、愛を語り合ってからにすべきではないか?
そう、以前国道沿いの側溝に打ち捨てられていた、不健全な男女交際のハウツー本にもそう記載されていた。
乳を揉むまでの道のりは、遠く険しいのだ。
とりあえずキスで起こしてみるというのはどうだろう。程良いサプライズ。ナイスアイディア。
善は急げと、ヒワイドリ(集合体)は鬼子に顔を近づける。
が、寝息がかかるほどの距離になって、集合意識の中に組み込まれていた誰かが発狂した。結束が乱れ、姿を保てなくなる。
(ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)
発狂した一体を含めた、ヒワイドリ全員の心の叫びだった。美男子の肉体は、無数の不細工鳥へと崩れ去り、ボタボタと鬼子の
体に落下する。
(おいwwwwwwwwwww)
(起きるってwwwwww)
(抜け駆けしようとした奴いんだろwマジで燃え散れよw)
(オワタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)
(笑ってる場合じゃねえwwwwwwwww)
(撤収だ馬鹿ども!!!!!!!!!11)
わらわらと分離したヒワイドリ数十体と、美青年の残骸が鬼子の家を後にする。
(侵入の痕跡がありありと……)
そうだ玄関の戸を直さねばと、ヒワイドリたちは四苦八苦して元の状態に戻す。
めでたく証拠隠滅を終えたところで、反省会が始まった。
「おい誰だよ、足並み乱したやつは?」
一体が周りの仲間を見て恫喝したのを皮切りに、あちこちで口論が巻き起こる。
「お前じゃねえのか?」
「んだゴルァやんのか。そういうお前こそ犯人じゃねえのかよ」
「うぜえな。大体みんな下心持って集結してんだろ。んな不毛な――んご!」
ついに一組のヒワイドリが、殴り合いを始めた。たちまち百体近いヒワイドリたちは抗争状態に陥っていく。
「しゃらくせえ! 鬼子は最後に立ってた奴の物! これでいいか!?」
「シンプルでいい!」
「おkだゴルァ!」

486 :創る名無しに見る名無し:2010/11/09(火) 11:43:17 ID:JNJygHcE
「己の肉体のみを使った俺たちの死闘は長く続きました。夜が更け、東の空が明るみ、
ついに太陽が顔を出し、今に至ったんです。……俺は疲れた。もう、寝る……」
そのヒワイドリが語り終える頃には、争いも収束していた。アッパーカットで最後のライバルを倒した
最後のヒワイドリが両手を高々と掲げ、雄叫びを上げる。
「ッシャアアアアアアア!」
そしてこちらを振り返った最強のヒワイドリと、目が合ってしまった。
「鬼子! 俺だ! 結婚してくれええ!」
私はぴしゃりと戸を閉め、つっかえ棒をした。
「な! 開かねえ!? クソ! こんなボロ屋、俺の力なら!」
ぱたぱたと軽い音が、戸を通して伝わってくる。体当たりでもしているのだろう。
一匹一匹なら、ニワトリにも負けそうなくらい弱っちいくせに。
「哀れな連中……」
私は呟かずにはいられなかった。欲望によって得た力は、欲望によって滅ぶということか。
「なんでだよ!? 鬼子おおぉぉ!!!!」
静けさに満ちた朝の山に、ヒワイドリの悲痛な叫びが響き渡った。




487 :創る名無しに見る名無し:2010/11/09(火) 13:05:55 ID:VUcf+x5y
>>486
乙です。

488 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/09(火) 16:04:42 ID:VUcf+x5y
「ルクセンブルクのサーバーを経由して、そこから漏れた、とか」
「日本の、公安当局の資料が」
「かなり重要な内容もあった模様」
「模様、どころか此方でもとっくに入手している」
「ふむ、当然だろうな」
「分析は?」
「太平洋軍司令部に丸投げだ」
「オアフ島がまた煩く言ってきそうだな」
「俺たちの仕事は情報の収集だ」
「中国漁船と日本の沿岸警備艇の接触事件は?」
「あのビデオの漏えいも先週だったな」
「あれは確信犯か、若しくは単なる愉快犯の仕業だろう」
「あんなものを重要視する意味が分からないな」
「あんなもの、とは、つまりそのビデオも?」
「9月の時点で入手済みだ。三隻から撮った延べ十時間分、全てな」
「無論、オフ・リージョンだ」
「しかし最近緩いな」
「ああ、それも日本を中心として」
「日本は昔から緩いだろう? 何を今更」
「先週は特に酷かった。まあそれで、うちらも大忙しだったわけだが」
「日本にいま何が?」
「それはネット上のシステム的な問題なのか?」
「さてな。ケンはどう見てる?」
「…………」
「おい、ケン!?」
(コールさん、ケネス・コールさんっ)
隣に座っている、情報システム局の女性に揺り起こされる。
「ふぇ、ふぁい?」
女性の顔を見る。若い。銀髪・緑眼の端正な顔立ちが困惑の色。
起こしておいてこちらを見るな、か? どういう事だ?
「どこ見てる、こっちだ、ケン」
ボスが会議机の向こうから怒鳴る。
マズい、週初のミーティングの途中だった。五十名ほどの局員たちの視線が集中してる!
所定のテーマが消化され、雑談に移ったところで気を抜いたのが拙かったか。
「お早う、ケン。まさか夕べは二人でお楽しみだったのか?」
出向元の、情報システム局の局長の嫌味に漏れる失笑。五十人分だ。
その中で隣席の女性が赤面し俯く。おいおい、それじゃまるで……
「そのような事実は存在しません」
「システム的な問題では無いと?」
「え……?」
(先週の騒動について尋ねられています)
隣の女性からフォロー。
「あ、えっと、私見ながら今週のAPECに向けてのセキュリティ改善の隙を突かれたと
考えます」
「広義に於いては、システム上の問題と言えなくも無いかと。無論日本の、ですが」
「なるほど。では先週の、中国からのサイバーテロ騒ぎは?」
情報システム局の局長、ズバリ国名を。流石に歯に衣を着せない。
「あれは、その」
ボスを見る。しかめ面を作った。黙ってろという事か。
「強烈なトラフィックでした。外部からの更なるアクセスすら弾くほどに」
「故に時間を稼げ、その間に対応するコードを作成・入力出来ました」

489 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/09(火) 16:06:13 ID:VUcf+x5y
「ほう、あの短時間でか」
局長の目が光る。
「何かスペシャルな出来事もあったんじゃないか?」
「い、いいえ、他には何も」
「まあ、そのくらいにしてやって下さい」
ボスの助け舟。
「それに、情報局の局内機密というものもありますので」
「ミスターアフレック、彼は元々、我が情報システム局の人間なのだが」
「彼の出向期間は30歳まで。あと22ヶ月残っている。問題無い」
情報局の局長。
つっけんどんな物言いに場が白け、ミーティングはそのまま解散となった。

ミーティングルームを出て廊下へ。
各々の仕事場へ向かうちょっとしたトラフィックの中で、先ほどの女性に声をかける。
「さっきはありがとう、ミス……」
「ユリア・イェンテと申します。今年度の新規採用で入局致しました」
「あ、私は」
って、もう知ってるのか。しかし何故?
「存じ上げております。うちの部署では有名ですよ。日本通であるとか、有能なソフト
ウェアエンジニアで仕事が速いとか」(He is quite a fast worker)
「女に手が早い、も追加だな!」(with women!)
システム局の局員が、通り過ぎざまに囃して行く。
「違いますよお〜」
局員を追おうと体の向きを変えるが、顔はこちらに再度向けて。
「また今度、コールさん」
「ケンで良いよ」
「じゃあ私もユリアと呼んで下さいね、ケン」
少し照れた顔で。そして今度こそ廊下の向こうへ歩き出していく。
「ユリア、仕事頑張れよ!」(Break a leg!)
俺も行くか、と体の向きを変えたところで、正面に人の体があった。
「寝てんじゃないぞ」
「うわ」
避けようとして不自然な足運びとなり、足首を捻ってコケそうになった。
「大丈夫か? そんなに夕べは激しかったのか?」
ボスだ。ベン・アフレック45歳。別名下ネタキング。俺の肩を掴んで支えてくれた。
同じ局の人間は数ヤード向こうに去りつつあり、傍からは、上司が部下に親父ギャグを注
入してる構図に見えるだろう。
「いいえ、そんな事は」
「夕べ泊まったのは、ホテルカリフォルニアなんだろ?」
「だから何をいきなり」
それは隠語で、スパイ活動の意味も有る。……まさかユリアがシステム局のスパイだと?
しかし、ボスは趣旨が伝わっていないのかと言う表情で、こう続けた。
「ああ、聞いたところによると、彼女の実家はラングレーだそうな」
今度はズバリだ。つまり彼女は某諜報機関からの回し者だと。
「……じゃあ下手に手を出すと、彼女の父親から撃たれそうですね」
「そういう事だ。とりあえず注意しておけ」(keep your eyes open)
こう言っては何だが驚いた。ボスも普通のジョークを使う事が有るのだと。
それは実に鮮烈な――

 そう、鮮烈な風景だった。
山深いところに在る廃村。その中の最奥の一軒。大きな屋敷。
三十数年使われていないと説明された其処は、しかし予想した廃墟とは全く違っていた。
それはあたかも、つい今しがたまで誰かが居た様な。
待てよ、これじゃまるで……

490 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/09(火) 16:07:48 ID:VUcf+x5y
 左に谷川、右に山の細い道を登る。自慢のワンボックス車の幅ギリギリだ。
舗装はもうだいぶ前に途切れた。今は轍すらない砂利道だ。
この山の手前の里、その一番山側の民家で確認したので間違い無い筈だが、それでも少し
不安になる。それほどに山深いところへ向かっている。もしこれで間違いだったら?
しかしそれは杞憂と分かった。上り道が下りに変わってすぐに、茅葺き屋根の数軒が木々
の間に見えたからだ。
 俺はハウスキーパーだ。
所謂ところのメイド長ではなく、主に別荘の保守や修繕などを行う、不動産屋の外注だ。
そして今回は、以前暮らしていた山里の家の確認を依頼されたのだ。
 停車し、渡されていた村の大雑把な手描きの地図を見る。
確かに此処だ。谷川や囲むようにある山、その他の家の数・配置などが一致する。
道は、その村に向かって緩やかに下っていた。
 嘗ては田畑だったであろう荒地を両脇に見つつ、最奥の大きな屋敷に到着。
車を降り、低い土塀で囲われた屋敷の門をくぐる。門に鍵は無かった。
広い庭を通り、玄関に辿り着く。表札を確認。古い板に墨書されたそれは、年月でかなり
滲み翳んでいたが、確かに依頼主のそれと同じ『緋ノ元』と読めた。
 巨大な家だ。この母屋だけでも幅20mは有る。大きな茅葺きの屋根は、高さが三階建
てのアパートに匹敵した。
左には二階建ての高さの蔵、右にも同じ高さの納屋が有り、さらにその右には風呂場らし
いものが見えた。
更に驚いたのは、此処には廃墟に有りがちな荒れた雰囲気が全く無い事だ。

 違和感の原因はすぐに分かった。
雨戸が無いのだ。黒光りする広い縁側と障子、それが少し開いた奥まで見えている。
「ごめんくださーい!」
障子の奥に向かって呼びかけてみる。
返事は沈黙。
三度同じ事を繰り返したが、結果は同じだった。ただ、お昼頃の穏やかな秋の日差しと、
空から鳶の呑気な鳴き声が聞こえた。
 ポケットからデジカメを取り出し、とりあえず周囲を撮影しておく。
塀や家の壁は殆ど傷んでおらず、庭の砂にはたった今付けられたかのような箒の後まで。
 意を決し、玄関を開けてみる。
ガラスが嵌められた木の引き戸は、或る意味予想通りに軽く開いた。
中は薄暗かった。
目が慣れてくると、玄関の内側は広い土間で、それをL字型に板の間が囲んでいた。
その奥にも八畳ほどの板の間が。
もう一度奥に向かって声をかけ、その板の間に上がってみた。
 そこには、床と同じ黒光りする板で出来た大きな水屋と大きな食卓、そして驚くべき事
に、その上に料理とご飯が盛られた幾つかの漆器が並べられていたのだ。
しかもそれらは湯気さえ立てていた。
「待てよ、これじゃまるで……」
 そう、これではまるでマヨヒガじゃないか。この21世紀に!
そして不意に気配を感じ、目線を上げた。
そこには黒い水屋と、その板面に背後の景色と赤い着物を着た少女の影が映っていた。
その少女の頭には、二本の小さなツノがあった……

(すみません、続かせて下さい)

491 :妄想モエチリ:2010/11/09(火) 22:29:42 ID:kLaVuG8q
平安時代、一人の姫がその行き過ぎた愛によって鬼となった
彼女は般若として人々から畏れられた
しかし、400年の後に彼女は一人の武士により真実の愛を知る

そして現代、妖怪なんて幻想世界の生き物
現実にいるなんて言ったら病院へ連れて行かれる
そんな世界で暮らす般若の面を持つ妖怪少女のお話・・・

♪〜♪♪〜

日本狗「ほぅ・・」
小日本「ねーちん、きれー」
ピョンピョン

日本鬼子「えへへ」
ヤイカガシ「ほら、よそ見しちゃ駄目ですよ」

日本鬼子と人の姿となったヤイカガシは社務所で神楽を舞っていた
♪〜シャン

小日本が大喜びで一生懸命拍手する

日本狗「見かけによらぬものだな」
ヤイカガシ「昔、人間に教えてもらったんですよ」
ヤイカガシ「なんだったら白拍子もいくつか知ってますよ」

日本鬼子「どうでしたか?おじいさま」
ほほを少し上気させた日本鬼子は訪ねる

日本狗「よく出来ていた、やはり血かのぉ」
ヤイカガシ「ええ、筋がよいですね」
日本鬼子は満面の笑みだ

日本鬼子「ねぇヤイカガシさっきのところなんだけど」
ヤイカガシ「ああ、それなら」

ヤイカガシは日本鬼子の後ろにまわり、右手に右手を重ね
腰に手をやり、手取足取り指導を始める

ガンッ
ヤイカガシ「をごっ!」
日本鬼子「ちょっと!卑猥鳥、邪魔しないでよ!」

卑猥鳥「けっ」
人の姿のまま卑猥鳥は日本鬼子に近づき、おもむろに胸を揉みしだく
日本鬼子「なっ!!」
ポンッと元の姿に戻り、脱兎のごとく逃げ出す
いつもの鬼ごっこが始まり、数分後にはこんがりと焼き鳥の匂いが神社に漂う


日本狗は本当に見かけによらぬものだと考えた
白拍子を人間に習ったということはそれだけ年経た妖怪であるということだ
ヤイカガシが大妖とはな・・・



492 :GoGo! ひのもとさん1/2:2010/11/09(火) 23:58:07 ID:k5OSnzfW
(前回の続き)
 鬼子と小日本がきゃっきゃうふふと戯れる駅前のアパートを、なにやら遠巻きに見つめる不審な人影があった。
 不思議と爽やかな長髪に誰もがうらやむ超絶美形。タオルを肩にかけてこれから銭湯に向かおうかという出で立ち。穏やかに風呂場の窓明かりを見つめる様は、さながら着流し姿のダビデ像であった。
 暗殺者のようでありながら、尚且つまるで殺気を感じさせない、プロ顔負けの気配をまとった彼の元に、もう一人の派手な服装のストーカー男が現れた。
「先に来ていたのか、ヤイカガシ」
 これまた少女コミックに出てきそうな超絶美形。白と赤のコントラストが鮮やかな髪の間からは、装いの軽薄さとは裏腹に鋭い眼差しが覗いていた。
 どこか虚しい表情を向けたヤイカガシ(美形)の低い声がせまい裏路地に響く。
「遅かったな、ヒワイドリ」
「前にも言ったはずだ、『酉(オレ)の刻は午後七時……』」
 ヒワイドリ(美形)は壁に両手をついて、足をネコ科の動物のように組んで髪を振り上げた。
「『イッツ・ゴールデンタイム』……だとな」
 口角を吊り上げるでもなく、表情を和らげてみせるヒワイドリ。
 石のような表情のヤイカガシ(美形)は、口元だけをかるく動かして「痴れ者が」となじった。
「あの話、考えてくれたのか?」
「お前との話なぞ、いちいち覚えていない」
「俺たち、そろそろ『向こう』に行っちまおうかって話だ」
「またその話か」
「ああ――」
 駅前のざわめきが高鳴り、どこか遠くでクラクションが鳴り響く。
「『エロパロ』へ」
 ヤイカガシとヒワイドリはふと空を振り仰いだ。
 彼らの見つめる先、アパートの風呂場からは、鬼子さんと小日本の騒ぎ声が聞こえてくる。
 ――やっ、こにぽんさん、そんな所つまんじゃダメですぅ。
 ――いいな〜お姉ちゃんの角ってすべすべ〜。
 ――いた、いたた、ひっ、引っ張らないでくださいぃ、さきっぽは危ないです〜。
 ヒワイドリはまったく無自覚のうちにそちらに手を差し伸べようとしていた。
 だが、何らかの防犯装置に触れたかのように青白い稲妻が広がり、パシッと指先を弾かれた。
 人智を超えた強力な結界である。ヒワイドリは左右の電柱に貼られた《全年齢板界》という呪札を恨めしげに見ていた。
「……という事だ」
 ヒワイドリが向けてくるまっすぐな瞳を、ヤイカガシは無言で拒絶していた。

493 :GoGo! ひのもとさん2/2:2010/11/10(水) 00:00:10 ID:/Yl25nl5
「考えてみれば、最初からいい加減な設定で始まったシリーズだ。等身大ガンダムを憧れの酒呑童子と間違えて、ガノタ青年の家に居候するなんて」
「健気ではないか」ヤイカガシは怒気をこめて反論した。「毎日、窓から双眼鏡でガンダムを覗いている彼女を見たか? そのとき、窓の桟で胸がむぎゅっと割れているのを、お前は見たのか?」
「だが、そこには、乳揺れがない」
 言葉にならない悲鳴のようなものを、相手の眼差しを通してヤイカガシは痛切に感じ取った。
 設定のいい加減さなど、最初の般若の面がすこし大きすぎたぐらいしか考えてなかったヤイカガシだったが、
「言われてみれば、つい最近まで我々が人間になれるという認識すらなかったな……」
「それだけじゃない。他のSSじゃ、俺は三枚目だがやるときはやる、一番人気の出る立ち回りだったはずだ……だが、このシリーズじゃ、ただのエロい鳥どまりだ。
 ……もう、キテんだよ、俺は。何もかも、どうでもよくなってしまうぐらいにはな……」
 イケメン顔で淡々と語るヒワイドリ、その言葉には内なる炎が垣間見えていた。
「それで年齢制限板界の力を借りようというのか?」ヤイカガシは、おこがましいと言いたげに唇を歪めた。「頭を冷やして考え直すんだ、向こうの世界は簡単そうに見えて実は相当な能力を要求してくる」
「それ以外にこの結界を突破する方法があるって言うのか? 入浴シーンに乱入して乳を揉むまでの、この絶望的な壁を、健全なエロの精神だけで乗り越えてゆく事ができるとでも? 俺には、お前がとても正気とは思えない!」
「信じるんだ」
 ヤイカガシの恫喝に、ヒワイドリは振り上げていた両手をゆっくりと下ろした。
「信じろ、これは、パンツではない。パンツだとしても、パンツという名の正義だと。だから、守る為に、私は盗む」
「正義……」
 思いもよらない名言に、ヒワイドリは頬をはたかれたような顔をしていた。
「守る為に……盗む……」
 口の中で繰り返すヒワイドリに、ヤイカガシは、うむ、とうなずいて、それから、異様な物音のする駅の方角に目を向けた。
 そこには、等身大ガンダムが立っていた。
 否、正確にはただの飾り物であったはずのガンダムが歩いている。路上の人々や車を蹴散らし、ビームサーベルを振り回して建物をなぎ払う。まさに鬼さながらに。
 あからさまな怪異。裏路地にたたずむ二人は、その様子をじっと見送っていた。
 そしてその怪異が、先ほどまで彼らの見つめていたガノタ青年のアパートにまで辿り着き、サーベルで壁を真っ二つに切り裂いたのだ。
「妙な『乳さわぎ』がするんだが」
「痴れ者が、それを言うなら『おっぱい祭りの匂いがする』だろう」
 ヒワイドリは、はじめて皮肉な笑みを漏らした。
「そうそれ、まったく、お前の慧眼には頭が下がるばかりだ」
 ヤイカガシの深遠な瞳は、どこか虚空を見つめていた。
「ヤイカガシ、いくでヤンスーっ!」
「うむ、これは、パンツという名の正義だ! うっひょぉーっ!」
 風呂場にいた鬼子と小日本の悲鳴が聞こえてくる。燃え上がるアパートに向かって、二人は鳥の群れと半魚人に変化しつつ、駆け出していった。

494 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/10(水) 00:13:09 ID:/Yl25nl5
いろんな書き手が現れて楽しくなってきたw

495 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/10(水) 00:40:34 ID:XGZTcvzO
>>490の続き

 反射的に振り向いてしまう。
どうしようもないと分かっていても、それでも体の反射は制御出来ない。
 振り向いた先には、案の定誰も居なかった。
別に珍しい事じゃない。よくある偏在的な既視感だ。
古い建物などの中に多く在る、古い記憶を呼び起こす為のキーワードになるもの。
それを連続的に見た場合、脳内でその時点とは全く関係ない記憶を本人の意思に関わらず
引き出してしまう、というもの。
俺は仕事柄、そういう状態に幾度となく陥ってきた。ある意味慣れっこだ。
だから、こんなもの反射の瞬間は怖くとも、落ち着けばどうと言う事はない。
それよりも、現状をどう判断するかだ。妖(あやかし)の類の仕業でないとするなら、こ
の家の中には誰かが居る。この電気も水道も村ごと止められている此処の中に。
 何を好き好んでこんな所へ?
まあ普通に考えれば、人目を避けたいからだろう。例えば仙人じみた世捨て人か、若しく
は逃亡中の犯罪者か――
「………!!」
 一瞬にして総毛立った。
何故今までその可能性に思い至らなかった? マヨヒガとかよりもよほど現実的なのに!
しかし、体は先ほどと違って急な動きをしようとしなかった。制限がかかった感じだ。
それは恐怖も有るが、それよりも(恐らくは見張っている)この料理を作った人間にそれ
と悟られない様にする為の方が、理由としては大きい。
それ故、今すぐ逃げ出したい気持ちを抑えつつ、仕事を行うフリをした。
ポケットからデジカメを出し、室内の撮影。
薄暗い室内を一瞬照らす、フラッシュの青白い輝き。
部屋を仕切る障子は全て開け放たれており、蔵側の方向の部屋まで撮影出来た。
「ふむ、こんなもんで良いか!」
「これで今日の仕事は終わりだな!」
「上には特に問題無かったと報告するかな!」
とワザとらしく大声で言って、玄関に向かう。
靴がキチンと出口に向かって揃えられていたが、気にしない事にした。
冷静さを演出する為、靴の紐を結びなおす。しかし、(トレッキングも想定していた為)
ごついズボンとブルゾンとが体の震えで擦れて鳴らす音までは抑え切れなかった。
(いかん、落ち着け俺。怖くない怖くない)
 結局のところ、怖いのは人間なのだ。
そしてそれは、座卓の上に乗っていた椀と箸の数から見て、最低でも三人は居る筈。
こちらは俺一人。
一気に飛び掛られたらひとたまりもない。
故に、気付いてない風を装いつつ、車に向かう事にした。自然体で。
軽すぎる引き戸を開けて出て締める。
秋のお昼の長閑な日差しが、一人分の影を作った。
門に行き、これまた軽い門扉を開けて出て閉じる。
(見逃してくれたのか)
愛車は目の前だ。
門の前、道がT字状になって少し広くなった所に止めてある。
転回するには少しスペースが足りない臭いが、まあなんとかなるだろ。最悪、スロットル
ターンで向きを変えれば良い。この砂利道ならノンスリと自慢のエンジンがその仕事をし
てくれるだろう。
 開錠し、運転席に乗り込む。ここからはもう急いでも良いだろう。
震える手でキーを差し込み、セルモータを回すべく捻った。

496 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/10(水) 00:41:42 ID:XGZTcvzO
しかし、うんともすんとも言わない。
ここからは急いでも良い、と思った手前、焦って何度も繰り返してみる。
が、結果は同じだった。
まさか、配線を切られた?
焦ってステアリングコラムの奥を覗き込む。単純な切り方なら、後部荷室に積んである
工具で修理可能だ。
(しかし、だからこそ此処までは見逃したのか?)
首を振って弱気をを打ち消す。
配線は、コラムの奥までは問題無かった。ではエンジン側か。
俺の車はいわゆるキャブオーバー型のワンボックスだ。それ故、エンジンは室内から見え
る。犯人もそうしたのかもしれない。
急いで助手席とセンターコンソールをはぐる。出て来た防音のマットもはぐる。
さて、配線は……

  エンジンが無かった。

「…………」
自慢の縦置きV型6気筒3.5Lコモンレールディーゼルターボエンジンが。
忽然とその姿を消していた。
「…………」
事実を受け入れるのに、たっぷり2分を要した。
「い、いやいや、暗いからよく見えないだけで、単に下に落ちてるだけかも」
「うん、よくあるよくある」
 ねーよ。
明るい独り言とは裏腹の、緩慢な動きで車外に出る。
車載のジャッキで前部を持ち上げ、馬をかます。
これで下が丸見えになるが……

  実はクラッチとミッションも無かった。

このショックからは約10秒ほどで立ち直れた。まあそうだろうな、と。
その方が、手数が少なく済む筈だから。
そして再びジャッキをかまし、馬を外して車体を下ろす。
尋常ではない。エンジン+クラッチ+ミッションで250Kgは下らない重さだ。
それを屋敷に居た十数分の間に降ろして(どうやって?)何処かに持ち去るなど!
此処は6月のサルトサーキットのピットか!?
「…………」
残念ながら、どこをどう見ても11月の日本の田舎県の廃村だった。
「どうすんだ……」
ここまでの道のりを思い出す。
少なくとも、徒歩では日が暮れるまでに里まで降りられる距離じゃない。
仮になんとか辿り着けたとしても、車と積んである機材一式は諦めなければならない。
しかし、では此処に留まるのか? エンジン一式を返して下さい、と叫びながら?
「……無理だわな」
 此処の住人の狙いは、恐らくはこの車と中に積んである機材なのだろう。
だから、命だけは助けてやるから大人しく山を降りろ、という事だろう。
気配や音すら感じさせずにエンジン一式を外して見せたのは、“その気になったら何時で
もヤレるぞ”という意思表示に違いない。
「仕方が無い、か」
 思えば自分のミスだ。三十数年使われていないと言われた屋敷が、実はそうでなかった
という事が分かった時点(門をくぐった瞬間に分かっていた)で車を放置した俺自身の。

497 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/10(水) 00:42:58 ID:XGZTcvzO
 とりあえず車内に戻り、リュックサックに水のペットボトルや懐中電灯などを入れ、
車外に持ち出す。帽子も被った。歩くしかあるまい。
歩き出す前に最後の確認。デジカメがちゃんと撮れているかの。
これがダメだったら、何をしに来たのか分からなくなるからな。
デジカメを再生モードにする。撮ったのは20枚ほどだ。まあ問題は無いだろう。
……と思ったが、室内のそれは全て真っ白だった。
「なぜ!?」
 ま、まあ露出のオートバランスが狂ってたのだろう。その証拠に庭でのものは問題無く
撮れてるし。
そう、確かに撮れていた。本来写っていてはいけないものと共に。
「オ、オカルト?」
その全ては、幼女だった。
鞠をつく着物の幼女、大きな鈴を抱えて微笑む巫女服の幼女、大きな打ち出の小槌を振り
回す突飛な服の幼女、単にレンズを珍しげに覗きこんでいる幼女、など。
それらが全てが別人にも見えるし、且つ同一人物である様にも見える。
しかも、オカルト写真に有りがちな不気味さやおどろおどろしさは一切無かった。
撮る時には見えなかった、という事を知らなければ、これは単なるほのぼの写真か、若し
くは二次元のキャラ設定画集だ。
「これは、参った」
車のフロントウィンドに向かって言う。
歩いて帰るにしても、これらの写真は取り直さねばならないだろう。
これも無ければ、自分は単に愛車を捨てに来ただけになってしまう。それも機材ごと。
それ故に。
「済みませんが、写真を取り直させて貰っても宜しいでしょうか?」
振り向いて言った。
果たして、そこには先ほどのツノ少女がいた。先ほどとは違う衣装で。
傍らに例の幼女を連れて。

(申し訳ありません、続きます)

498 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 00:56:39 ID:iebHna91
女「はぁ……」
小日本「その物憂げなため息、恋ですね!」
女「誰?」
小日本「あなたの恋の手助け、させてください!」
女「宗教の勧誘?」
小日本「私のことはこにぽんって呼んでくださいね!」
女「聞いてないね、どうやって助けてくれるの?」
小日本「まずあなたが想い人と結ばれたいと一心に願います」
女「うん」
小日本「私がその想いをのせた矢を放ちます」
女「それで?」
小日本「あなたの想いが強ければあなたとその人は結ばれるでしょう!」
女「ふーん」
小日本「信じてませんね」
女「そりゃまぁ」
小日本「まぁ騙されたと思って試してください」
女「ちなみに無料?」
小日本「無料です!」
女「じゃあいいかな」
小日本「ほんとですか! じゃあ早速、想ってください、願ってください!」
女「……どうぞ」
小日本「いきます…………萌え咲け!」
女「本当に矢が飛んでった……」
小日本「すごいでしょう!」
女「うん、なんかよくわかんないけど」
小日本「それでは私に出来るのはここまでです、よい恋を!」
女「行っちゃった…………なんだったんだろ」

小日本「ふぅ、今日もいい仕事ができました。あ、姉さま、ただいまもどりました」
鬼子「おかえりなさい。こにぽん、私なんだか調子悪いみたい、急に胸が苦しくなって……とても切ない感じなの」
小日本「………………」

何かが俺の頭に湧いた、正直反省してる。
でも続くかもしれない


499 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 03:30:42 ID:kdCcjeS7
いつも通りの日常… 
 
鳥達の喧騒とセクハラを鎮圧し、小日本と朝食を取る。 
 
街へ買出し、白菜が高かったのが気になるが水炊きには欠かせないので購入。 
 
帰り道に化生と遭遇、なんなく排除。 
 
いつも通りだった。 
 
この時までは………

500 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 03:39:53 ID:kdCcjeS7
ふと空を見た。 
 
別段意識はしてなかったのだ。 
 
なんとなく、そうなんとなくだった。 
 
高いビルからの景色が見たくなった。 
 
夕暮れ時である。さぞかし空のグラデーションが綺麗であろうと想像する。 
 
シャメでも撮って小日本に見せたら喜ぶだろうか。 
 
色んな事を思い巡らせ高いマンションの最上階へ登る。 
 
綺麗だった−天頂の朱から東に向かって闇色に色を変えていく。 
 
パシャっと一枚。 
 
よく撮れたと自画自賛。 
 
帰ろうと振り返る。 
 
それは気の緩みだったのかは分からない。 
 
先ほど滅したはずの化生が突っ込んできた。 
 


501 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 03:49:25 ID:kdCcjeS7
空中に投げ出される鬼子と化生。 
  
上体を捻り薙刀を力いっぱい化生の頭部に叩きつける。 
 
止めをちゃんと刺さなかった自分に苛立つが、この状況はどうするか。 
 
地面まで数十メートル、本成で耐えれるだろうか。 
 
しかし耐えた後この街はどうなるのだろうか。 
 
半狂乱の鬼が暴れ回る。 
 
この国を愛する者として、この国に疎まれるのはやはり納得いくものではない。 
 
だが地面は目前。 
 
「小日本、すまない」 
  
結局でた言葉は成長を見守れなかった幼い鬼への後悔からくる一片の謝罪だった。 
 
そして… 
 
一瞬の圧を感じ、鬼子の視界が黒くなった。 




502 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 04:06:27 ID:kdCcjeS7
黒い視界の果て 
 
悪い夢から飛び起きた様な感覚。 
 
一瞬前の出来事が脳裏に過ぎる。 
 
自分は死んだ。 
 
ここは天国だろうか? 
 
鬼の自分が天国…。考えた自分にクスっと笑ってしまう。 
 
死後に天国と地獄、どちらに行くのかは分からなかったが、どうやらそのどちらでもなかった様だ。 
 
天国にしろ地獄にしろこんな殺風景なマンションの一室な訳が無い。 
 
「お?新しい人だな」 
 
いつからいたのか分からない、今突然現れた様に思えた冴えない顔の男が一人。 
 
「始めまして」 
 
自分の様子を上から下から見ながら声をかけてくる。 
 
「…始めまして」 
 
男は別に危害を加えてくる様子は見られないが、緊迫した表情だけはわかった。 
 
「先にきてたのか」 
 
また違う男が現れていた。 
 
今度は間違いなく誰もいなかったはずだ。 
 
黒い玉の前に立つ冴えない男が軽く手を上げて答える。 
 
「新しい人か、俺は加藤。時間があるうちに命に関わる説明をしたいから先ず聞いてくれ」 
 
早い口調でまくし立てる男。 
 
命に関わる?自分はさっき死んだんじゃないのか? 
  
数々の疑問符が過ぎり、加藤と名乗る男の説明が始まる。 
 
 
-------------------------------鬼子がガンツに呼ばれたようです-------------------------------

続けない!
 
 
 
 
 

503 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 14:29:41 ID:rdxVQaQn
>>399,400 を書いた者です 
続けられないとか書いておきながら、気付けばつらつらと……;
前言をひるがえす事、お許しいただきたく

 小日本の糸で作った赤い円内の虚空を抜ければ、そこは街を見下ろす夕暮れの丘。 周囲に人気の無い場所であった。

「着いた、か。 小日本、鬼気を持つ人間はここらにいるのじゃな?」
「はい、この辺りに鬼気の残滓が漂っているようですので……おそらく、今も」

小日本は一度赴いた場所へと糸の端を残し、そこを我が身に『繋げ』ねば転移は使えない。 
長い年月の成果で大体の要所は押さえてあるが、 その特性上、細かい位置の調整などは出来ないのである。

「さて、取りあえずまずは腹を満たそうか。 腹が減っては戦が出来ぬというし」
「……お食事、取らなかったので?」
「昨日の最終戦での戦いで胃がやられておったからの、あまり食えなんだ。」
「その割には嬉しそうですが」
「なあに、鬼退治も毎日だと面倒じゃがな、その際に人里の飯をたらふく食せれば良いとも思うてな。 銭はあるのじゃろ?」  
「あるにはありますが、駄目です。 私の移動費ですので。  最近は交通機関でどこにでも行けるのは有り難いですが、その分銭が足らないのです」
「吝嗇なことを言うでない、最初の景気付けにじゃな、パーッと……」
「鬼の食事に合わせたら幾ら銭が飛ぶと思ってるんですか。  大体、先代も辞める時に似たようなことを言っていたので余分な銭は無いです」
「な、なんと……非道じゃ、非道すぎる」
「戯けたことはお一人で存分に……と言ってもいいですが、これでも代々の補佐を務めてますので。 では私についてきて下さい」

言うや否や、歩を進める小日本。 尤も、歩幅の差で鬼子にすぐさま追いつかれるのだが。
泣きそうな顔で、しかし小日本の歩調に併せて足を進める鬼子に苦笑しながら、道行く男性が憂いを帯びたように見える鬼子の横顔に見惚れるのを感知する小日本。
鬼気も含め色々と察知する、何かと感受性の高い特性をこの小日本は併せ持つので、見なくとも周囲の状況ぐらいは把握している。 

(さて、たしかここの辺りではあちらでしたね……大体、空腹かどうか、なんてことぐらい私が分からない筈無いじゃないですか。
 本当、単純なんですから)

だがだからこそ彼女らは愛おしい。 決して頭が悪いという意味では無いが、鬼の子らは単純明快で心地良い心を持っている。
他種族を愛する象徴とも言える小日本。  この小日本は縁結びの神と人から産まれたためか、『繋ぐ』力を発現している。
多種多様な恋の元に生まれ、あるいは日ノ本に生まれたモノらがさらに生んだという意味を込められたのが「小日本」の名の由来。
つまりは神、鬼、妖、人。  それぞれがそれぞれと結ばれた混血を「小日本」と総称して言われるのだ。 
とはいえ、彼女らはそうして生まれたからといって、別に無理にそれらの仲を取り持とうとは思わない。 それは当人らが心から望まねば仮初となり、意味が無いから。
しかし、誤解が故に争い憎むのは違うと彼女らは、異なる力により成長を阻害された矮躯を動かすのだ。 

「さあ、ここです。 こちらなら満足行くまで食べられます」

そうして着いたのは一軒の店。  
普通の店のようだが、唯一つ違うのはお品書きに書かれているとある一文。

『わんこそば 8分で300杯以上食べたら無料』

そんな小日本の懐には、「大食いグルメマップ〜食べ放題・大食いの店全国版〜」なる本が覗いていた。 


504 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 14:31:20 ID:rdxVQaQn
続きです

「な、七分経過……そこまで!
 400杯目……凄い、もしかして日本記録じゃないですか?」

女性店員の出したほうじ茶を啜りながら、満足そうに笑顔を振りまくのは日本鬼子。 だが正面からその顔を見ようとしても、うず高く積み上げられた椀に隠れて見ること能わず。
店にいた客はこぞって観客へと転じている中、鬼子の横で落ち着いた様子でそばを食べているのは小日本。 勿論、こちらは普通に頼んでいたものである。

人外が何の抵抗も無く受け入れられてることに疑念を持つ人もいるかもしれないが、そこはやはり人外の身。 
般若の面や鬼の角、そして小日本の服装などにも、彼女らが力を強く出さない限りは普通の人間の意識に留まらないのだ。 
神や妖怪が歴史に記されていた頃には人の認識がそれらを捉えていたのだが、人に忘れ去られた今では余程のことが無ければ露見しない。 
それが良かったのか悪かったのか、いまいち誰にも答えは出せない。 

「いや、馳走になった。 小日本も、丁度食べ終わったようじゃな?」
「はい、ごちそうさまです。 では店員さん、私の分のおあいそを……」 
「ああ、そういえば……いや、ここまで綺麗な人がうちのをここまで食べてくれたんだ、見物料としてお連れの子の分ぐらいはおまけさせてくれ」
「ですが……」
「アハハ、しっかりしたお嬢ちゃんだ。 いいからいいから、将来の美人さんにおじさんからプレゼントってことで済ましてくれ」
「ほれ、いくぞ小日本。 折角のご厚意、甘えねば悪かろう?」
(私の方が年上なので複雑なんです! ふう、こればかりは慣れませんね……)
「ではお言葉に甘えて。 有難う、御座います」
「どう致しまして、どうぞ今後とももご贔屓に」

店を後にする二人。 その姿は和の装いも併せて姉妹のようで、店にいる間に夜へと変じた町へ溶けるように消えていった。 
腹の膨れた日本鬼子は満足そうに、そして小日本も顔には出ないが雰囲気としては満足そうに。
鬼子らは自分たちの為。 だが小日本には多少、人を助けたい気持ちもあるのである。  人の善性もまた心地良いのだから。

505 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 14:32:56 ID:rdxVQaQn
「さて、では参りましょうか……大禍時(おうまがどき)を過ぎれば常夜の世界。 人の光が強くなろうとも、それは何時でも変わりません」
「だからこそ、より人の鬼気も分かりやすくなるのじゃったな」
「はい。 さて、それでは……」

懐から取り出すは糸が通された鈴。 端を掴んで空へ放れば、中空でピタリと止まり、リーーーーーーーン、と鈴特有の音が鳴動する。
人の身では聞けぬ音。 人の世では鳴らぬ音。 そしてその音が聞こえるは人外のみ。 

『繋ぐ』のに糸を用いるのは、それが最も強固だから。  媒体が何であれ、世界は何かで『繋が』っている。 最も強固なのが概念を併せ持った赤い糸なだけで。
その気になれば空気だろうと音だろうと指輪だろうと、何でも『繋が』ってはいるのだ。 
今の使い方はその応用。 己の力を鈴の音に乗せ、聞こえた者に一瞬のみ『繋ぐ』ことで位置を把握するのである。

「反応、あり。 捉えました! この“気”は……少し、急ぎましょう」

中空の鈴を手繰り寄せ、懐に入れながら答える。

「む?  もしや鬼人へと変じておるのか?」
「いえ、姿までは……ですが、気になることがありますので」
「そうか……では、ちと急ぐぞ。 案内は頼む」
「はい、あちらの方角に……」

ガシッ

「ゑ?」

方角を指差し、いざ歩を進めようとすればいつの間にか膝下に手をやられ、抱きかかえられていた。
俗に言う、お姫様だっこである。 重ねていうがお姫様だっこである。 因みに胸は当たっている。 
抱きかかえられた際にほのかに鬼子から香る匂いに気付き、しっかりと、それでいて痛くならないぐらいの適度な抱き加減に関心し、そんなあさっての方向に思考を預けたせいで反応が遅れる。 

「キャッ」

ダンッ! という音と共に地上から離れ、次いで家々の上を跳び跳ねる鬼子。 何せ山中では紆余曲折と進むよりも木々の先端を跳び続けた方が早い。 
今回も単純にそう判断しただけのこと。
小日本は『繋ぐ』から派生する数多の能力と引き換えとでも言うかのように、肉体的素養については外見相応(鬼基準なので実際には青年程度はある)と見て、抱きかかえるという選択を行っただけである。
人外の身ゆえ家々の屋根では足音も衝撃すらも発さずに跳んでいるのだが……実はこれ、迷うと直進する鬼が木々を粉砕するのは困ると、森の破壊を憂う天狗らからの技術供与であったりする。 
さらに余談ではあるが……唯でさえ強い鬼子らが身軽な機動力まで手に入れたせいで、敵対すると益々危険になったと方々から天狗は睨まれた。 
地上の全てを粉砕する破壊槌から、あらゆる方向から襲撃する砲弾達に姿を変えたせいで、知らず速さで撹乱しようとした鎌鼬らが逆に囲まれてボロ雑巾になったというのは恐怖として語られたほど。
自らが撒いた種とはいえ、何かあったらまずいとそのまま鬼子らと約定を結び、両者の間では現在、結構平穏な関係が築かれていたりする。  

「あとどれくらいじゃー? 小日本」
「まったく……あと少し、です。 あちらの集合住宅の上に、止まってください」
「よし、心得た」

言うや否や、音無く夜を翔けた鬼子は、やはり物音も立てずにアパートの上へと降り立った。
丁寧に降ろされた小日本も風で僅かに乱れた髪を直しながら姿勢を整える。 
鬼子に至ってはその必要すら無いようで、髪の末端に至るまで強靭なようである。

「丁度いいみたいですね、あの人間……です」

屋根の上から指差す先には、スーツ姿の男。 歳は二十歳を越えて少し経ったあたりか。 容姿は普通と言って差し支えない。
慣れた様子でアパートへ向かってきたようである。

「ふむ……? あの人間がか? 特に異常があるようには見えぬが」
「多分、私が感じた気が間違いで無ければ……そろそろ」

不意に、カチャカチャと音が鳴る。 大した音では無いが、どうやら先ほどの男が扉の前で鳴らしているようである。
暫く見ていると、扉が開いた。 鍵を使ったにしては時間がかかりすぎているようである。 

「もしや、鍵開け……か?」
「おそらくは」

506 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 14:34:15 ID:rdxVQaQn
男は機嫌が良かった。 そして期待で胸が破裂しそうだった。
人を愛し、愛されることのなんと素晴らしいことか。 最近はいつも、会社が終わるとそのまま恋人の家へと行く。 
必要なら寄り道ぐらいするが、大抵はそんなものは仕事の休憩時間に揃えてしまう。
この時間、彼女はいつも家にいないのだが、それでも少しでも長くあの二人だけの家にいたいのだ。 

最近、彼女は悪戯に鍵の隠し場所を変えてしまったようだが、それもまた可愛い。 
自分には見つからなかったが、それでも高校の時にピッキングに興味を持って練習していたのが役に立つなんて、自分はなんと頼れる男だろう。
郵便物が溜まり易い少々自堕落なところも、自分の手の出しようがあるようで愛おしい。
ゴミだけはちゃんと出しているみたいなので、弁えるところは弁えているのも好感を持てる。 ただ、ゴミの分別にはもうちょっと気をつけた方がいい。 
脱線して捨てた下着だって、他の男に取られるような事態になったら嫌だから、ちゃんと自分がお守りとして保管している。 全ては彼女への愛故に。

今日は、いい加減彼女と長い夜を楽しみたいと思って、色々と用意して鞄に詰め込んである。 大丈夫、明日は会社の有給を取ったのだ。 彼女のために。 
自分も流石に焦れてきたのだ。 お互いが愛し合ってることに変わりは無いが、ここで二人の残りのほんの僅かな距離を0にしよう。

部屋に入り、電気を付けないままで彼女を待つ。 
こんなことは初めてだ。 ドキドキしてワクワクする。 
右手に持ったモノのスイッチを押してみる。 バチバチした。 素敵だ。

ガチャリ/ドアを開けたようだ、興奮する。 そういえば鍵をかけ忘れたか、まあいい。 

そうだ、彼女の染めた茶色い髪が肩口にかかる姿を見て一目ぼれしたのだ。 
顔も服のセンスも声も体も体臭も部屋の匂いも知っていく内に全てが好きになった。
だからこんなに自分が彼女のことを好きで理解しているのだから、彼女が自分のことを好きなのなんて当たり前だ。 わざわざ確認する必要すらない。

部屋に来た/我慢、できない

「ふむ……小日本の言うた通り、鬼気に蝕まれておるのう、お主」

顔面、を捕まれ、た……? 彼女じゃない、誰だ!

507 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 14:36:49 ID:rdxVQaQn
暗い部屋の中には、スタンガンを持ったスーツ姿の男が日本鬼子に顔面を鷲掴みにされ、ぶらさげられている。 
女性の細腕に持ち上げられる姿は奇異に映るかもしれない。 男の咄嗟の判断で鬼子の腕にスタンガンを押し付けているようだがビクともしない。
よく見れば、部屋には可愛らしい人形や有名男性歌手のポスターなどが貼られており、少なくともこの部屋がこの男のものでは無いことだけは分かる。

「ククク、不埒よなあ。 この部屋の女子を襲ってどうする気じゃ? 
 いや、答えずともよい……主のような鬼気に蝕まれた輩はな、この降魔の刃で貫いてくれよう」

そう言いつつ、いつのまにか持っていた薙刀を左手に構える。 掴んでいる腕に更に力を込めたため、男の顔はミシリと嫌な音を立てる。
だがそうされていながらも、指の空いた隙間から覗いている男の眼は、餓えた犬のように開いて爛々としている。

「オンナ、俺の邪魔を、するつもりか! 許セねえ、許さネエ! 俺と彼女の関係を邪魔する奴を……許すモノカ!!」
「ふん、どうせ一方的な想いなのじゃろう。 お主の鬼気もここまで近づけば私でも分かる。 早々に散らしてやるのがお主の為でもあるじゃろう」
「チガ、う、俺、と彼女は、愛して……哀、してア、邪魔、だタニンが邪魔するな殺す殺すコロスコロス殺して殺してやあああああアアアアアアアアーーーー」

ビリビリと破かれる音が聞こえる。 顔面の表皮を鬼子のてのひらに残したまま後ろに下がる男がいる。 

「ぬお? 馬鹿な、鬼人と化したか!?」

見れば、その面は正に悪鬼。 表皮が破られた名残か、骨に筋肉を取り付けた様な醜悪な面となっている。
一回り大きくなった身に、額から延びる一本の角。 そして右腕はスタンガンと同化したのか、形の名残を残して伸びた指先からバチバチと電撃を鳴らしている。 
胴体を覆っていたスーツは肉体の変容に巻き込まれ襤褸になり、胸には鞄に入っていたのであろう、ナイフやテープ、ピッキングツールといったものが鬼に同化した禍々しい形状となって収められている。

508 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 14:38:13 ID:rdxVQaQn
先のスタンガンの電撃は、一重に妖の力の影響下に無かったために効果が無かった。 人外相手には相応の手段を持たねば効果は無い。
だが今はどうだ。 右手の鬼の手に蝕まれたスタンガンは、同化したことで鬼の気を併せ持つ電鬼となった。 今ならば鬼子といえどひとたまりもないだろう。
本能の部分でそれを理解しているのか、醜悪な面を笑いのように、怒ったように歪ませる元ストーカー。

「なんダ、コレは……力が溢レ、る。 マアいイ、ジャマする奴は……死ネ!」

濁った声で、濁った殺意で、その意を受けて鬼の肉体は突進を開始する。
右手には禍々しい電流が飽和して火花を散らし、左手には胸から引き抜いた鬼の肉が纏わり付いたナイフの両方を構え、眼前の邪魔者を必殺する意思を込めて!
その速度は鬼へと変じただけあって、人の身では決して出せぬ速度。 
人の目に止まらぬ速度で、部屋の中という僅かな間を一直線に、ただ殺す一念で疾駆し、両腕を鬼子へと向けて突き出す!

ドン! 

空気を突破する音が、響いた。 

「ヒャ、ハハハハハハハアア! ジャマ、する、奴はしんだ! サア、あとは彼女を喰ラう、だけ? ……アレ?」

瞬転。 ゴトリ、と鬼の両腕は落ちる。 

「グアアアアアアア!」
「無駄じゃよ、鬼に変じて事を為すなどできようものか。  何より、無理な変容を行うから腹が空いておるのだろ。 仮にも鬼の身、人一人の分で賄いきれるものか。
 鬼は人を攫い、人を喰らう。 ふん、迷惑な話じゃ。 わしらはそのようなことをせぬのに、主らの性(サガ)が止まらぬのじゃからな」

両腕を天に上げ絶叫する鬼。 しかし……血は、出ない。
単純に、手に持つ薙刀で突進に併せて両腕を切断されたまでのこと。 
たかが鬼に変じたばかりの弱小、日本鬼子の名を冠する身にすれば人と変わらぬ。 

「ヨクモ!」

胸に取り込まれた幾つもの道具が繋がり、そのまま延びて肉の槍として鬼子へ向かう。

「無駄なことを……どれ」

そんな隙だらけの鬼を目にも映らぬ速度で通り過ぎざまに、斬る。 
向かってくる肉の蔦も両足も、斬られたことを知覚されぬままに落とされた。

「あ、アアアアアアアアア」
「五月蠅いのう。 人には聞こえぬから良いが、こちらには聞こえるんじゃ、ちと黙らぬか」

ガシリ、と今度は強制的に五体不満足になった鬼を後頭部から掴む。 
幾ら鬼がもがこうともビクともせず、最早逃げることすら出来はしない。

「ゆ、許ひ、し、死にたく、ナイ……」
「ふむ、では訊くが……お主が逆の状況になったならなんと、答えた?」

ドス

答えは待たない。 
掴んだまま、背中から鬼の心臓を降魔の刃で穿ち貫く。 断末魔など発することすら許されない。
鬼はガクリ、と精も根も尽き果てたかのような、罪人が罪を悔いて顔を伏せたような姿勢になった。

鬼子の着物が風も無くはためく。 何故か、着物の模様の筈の紅葉はひらひらと部屋の中に浮かび上がる。
そのまま空中を漂う紅葉が鬼へと集まり、大きな身体を隠していく。 醜悪な姿も、面も。

「燃え散れ」

轟、と発生した焔が鬼を包みこむ。
物は燃えず、音もせず。  ただ鬼の鬼たる証を燃やし尽くすだけの焔。
そうして、鬼を覆う火はこれにて燃え尽きる。 はらはら、はらはらと。

509 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 14:39:10 ID:rdxVQaQn
「お疲れ様です」
「おお、小日本か。 終わったぞ。 いや、鬼に変ずる瞬間だったとはな、少し驚いてしもうたわ」
「日本鬼子の名を持つ貴女からすれば、別に危険は無いのでしょうけど」
「当然じゃろ。 で、こやつはどうしておくかの? 変じたばかり故、戻せはしたが」
「階段の下にでも置いておきましょう。 幸い、命に別状は無いよう……ちょっとありますね。 まあ最低限は治しておきますが」
「む? 手加減はした筈じゃが」
「両手両足の骨が折れてるのは別にいいとして、胸の部分がちょっと。 でもこの程度なら……ハッ!」

強かに殴りつける。 とはいえ、小日本の力は青年程度。 かなり痛いので気絶しているのにビクンビクンと痙攣している。
だがその衝撃に『繋ぐ』力が載っているので薄皮一枚しか無かった胸の穴も塞がったようである。  あ、泡噴いた。
ついでに、別に殴らなくてもこの程度の傷を『繋ぐ』ことは容易かったりする。




大学の部活が長引いて、少し遅くなってしまったようだ。
ところで最近、私はストーカーに狙われているようだ。 私の部屋に誰かが入った形跡があるし、郵便物が届いてなかったりするし。 
警察にいっても、自意識過剰と思われてるのかちゃんと話を聞いてくれない。 たしかに、私の部屋から物が無くなった訳じゃないけど。
でも明日、また警察に行こう。 部屋の前の植木鉢に鍵を隠すのを辞めたのに、部屋に誰かが入った跡があったのだ。 
今日はちゃんと寝る前にチェーンをかけて、ついでに鈴もつけよう。

「……あれ?」

誰か、階段の下で倒れてる? この男、たしか二年の時に部活で四年だった……誰だっけ? 暗くて近づき難い変な人だったはず。
あ、近くに鞄が転がってる。 ……え? なんで、捨てた筈の私の下着が、入ってる……の?

「――――――――――!!」





変わらず夜の、屋根の上。 二つの陰がそれを見ていた。

「一件落着、かのう」
「そうですね、おそらく二、三日は目を覚まさないでしょう。 
 鬼に変じるほどだったのですから、相当消耗している筈です」
「怒っておったな、お主」
「それは…… ええ、縁結びに所縁ある身としては、過去にもこういうことはありましたがやはり」
「帰るぞ小日本。 後は人の世で裁かれるじゃろ、鬼気も晴れてはこやつももう出来まいて」

鬼気があったとはいえ、人が為したことは変わり無く。 そもそも鬼気を含めて人なのだ。
己が為した罪業は、決して無くなるものではない。 これから男は数々の証拠によって罪を暴かれ、そして鬼気が払われたがゆえに反省し、償うだろう。 
しかし一連の行為は説得などではない。 強引に、無理やり人を変えるものだ。 
だが……為さねばそれが消えず償われぬ人の世なのだから、まことに因果なものである。

「ところで小日本は……好物はなんじゃ?」
「お結びです。 あの機能性、あの美味しさ、あの中身を知るまで分からない期待感、どれをとっても素晴らしいです」 
「では明日の朝は共に作ろうか、米は備蓄しておった筈じゃから、色々具材を買って帰ろうな」
「早速買いに行きましょう。 良いお店へとも既に『繋が』っていますので、いつでもいけます」
「は、早いのうお主……別に良いが。 よし、行くか」
「はい!」

510 :そういやヤイカガシって鬼除けだよね:2010/11/10(水) 14:59:31 ID:3TZkjs+j
一年で一番嫌いな行事、節分が行われるその日。
いつもと同じく特にすることもなかった日本鬼子が、ぼんやりと枯れた野山を散歩しに出て帰ってみると、家の空気は一変していた。
全身の肌を刺すような強烈な圧力は、山中にぽつりと建っている、見慣れた我が家の中から放たれている。
何だ、これは?
まるで呼吸をする度に、身体中の感覚が麻痺していくような――
小日本は無事なのだろうか。もしまだ建物の中にいるのなら、早く連れ出さなければならない。単なる直観だが、ここは危険だ。本当に。
などと鬼子が思っているうちに、当の妹が開けっぱなしの玄関の戸から飛び出してきた。
「お姉ちゃーん!」
和装の幼児が喜色満面で鬼子に駆け寄ってくる。
「おかえりー! そろそろ帰ってくると思ってたよ!」
鬼子と異なり小日本には角は生えていないが、異常に勘が鋭い。
「どうしたの、顔怖いよ?」
首を傾げている妹に、鬼子は尋ねる。
「小日本……何があったの?」
「へ?」
「家の中に、変なモノがいる気がするんだけど」
「そんなのいないよ。お客さんならいるけど」
てくてくと家の中に入ろうとする小日本に続くことを、鬼子は一瞬ためらった。
これだけの殺気を、妹に感知できないとは思えないのだが。 
妹にとっては危険な存在ではない、ということか?
「開けっ放しじゃ寒いし、早く入んなよー!」
戸口で手招きしている小日本が、いきなり屋内に声を投げる。
「え? うん。お姉ちゃんなら今あそこにいるよ」
やはり何者かがいるのだ。鬼子は反射的に、肌身離さず持ち歩いている長大な薙刀を構えていた。
わずかな間を置いて、暗い屋内から一人の若い男が現れる。その姿を鬼子はまじまじと観察した。
羽織袴。黒い長髪は柊を模した髪飾りで結い、背中に流している。腰に刀でも差していれば、大昔の侍そのものといった風情だろう。
切れ長の目は鋭く、目鼻立ちは素晴らしい程に整っていたが、冷酷な気性の持ち主だと容易に知れる、冷たい輝きを瞳に帯びていた。
「よく留守を守れたな」
優しげな言葉を小日本に掛け、その男は妹のおかっぱ頭をぽんぽんと叩いた。

511 :そういやヤイカガシって鬼除けだよね:2010/11/10(水) 15:00:45 ID:3TZkjs+j
>>510続き
「だーかーらー! 私はもう、自分のことくらい自分で出来るもん!」
「……違いない」
微苦笑を洩らしながら小日本の頭から手を離した男は、ゆらりと一歩踏み出して、鬼子と向かいあう。
「童。家の中に入っていろ。俺はあの女と話がある」
「だーかーら! 私は子供じゃなーい! ……え?」
頭から湯気を出しそうな勢いで地団駄を踏んでいた妹が、突如動きを止める。
「お姉ちゃんと話って……もしかしてお兄ちゃん、お姉ちゃんの彼氏?」
「違う」
こういう時、小日本は人の話を完全に無視する悪癖がある。
「ちょっとお姉ちゃん! こんなカッコイイ知り合いがいるなら、私にも紹介してよ! もっと早く知ってれば、
私がこのお兄ちゃんのハートをがっちり掴んでたのにー!」
「おい、女……妹にどういう教育を施しているんだ……?」
気の抜けた表情をした男に訊かれた鬼子は、しぶしぶ答える。
「私は何も教えてないわよ。それでもどっかから変な知識を刷り込まれてくるんだから、困った時代としか言えないわ」
「ちょっとー! 私を無視して語り合わないでよ!」
「判ったから中に入ってろ……」
「きゃー!」
軽く肩を押されただけで、小柄な妹は屋内に転がされる。
「お姉ちゃーん! 今度私にもきちんと紹介しなさいよー!」
すかさず戸を閉めた黒髪の男は、一息ついてから鬼子に向き直り、目尻を釣り上げた。
「……感心しないな。年端もいかない子供に、こんな山奥の家の留守を任せるとは」
「気分屋だから、あの子。一緒に散歩に行こうって誘っても、しょっちゅう断られるんだもの。
そのくせ一人の時にふらふら山を下りて行ったりするし」
「難しい年頃だな」
「他人事だと思って。こっちは苦労してるのに」
で、と鬼子は言葉を継ぐ。
「あなたは誰? どこから来たの?」
「さっきあの童に作られた、単なる鬼除けだ」
男の頭に乗っている、柊の髪飾りで鬼子は気付いた。
最前からの息苦しさも、それなら説明がつく。小日本がまるで平気なのに、自分だけがこの男に恐怖心を覚えた理由も。
「焼嗅……」
「まさかあんな子供が、ここまで強い呪力を込めるとは思ってなかったがな。無自覚でやったのだから、末恐ろしいとしか言いようがない」

512 :そういやヤイカガシって鬼除けだよね:2010/11/10(水) 15:02:25 ID:3TZkjs+j
>>511続き
顔の高さまで掲げた自分の手を見つめ、焼嗅が続ける。
「付け加えれば、ここまではっきりと形を為している鬼に出くわすとも思ってなかった」
「鬼っていうのは、私のことなんでしょうね」
「他に誰がいる」
流れるような動作で、焼嗅が動き出す。滑らかでいて、異常に素早い。
こちらの顔面目がけて無造作に突き出された腕を、薙刀の刃で打ち払う。
硬質な金属音が響く。同時に男の身体は軽々と吹き飛ばされたが、器用に空中で体勢を立て直し、
焼嗅は小日本のいる家屋の屋根に着地した。
「この馬鹿力が……」
弾かれた腕を軽く振りながら、焼嗅が毒づく。
「気にしてるんだから言わないでよ」
軽い口調を装いながら、鬼子は腕の痺れが引くのを待つ。あの男、かなり強い。
にしてもどういう構造だ。着物を纏っているだけの焼嗅の腕が、この薙刀と同等か、
それ以上の硬度を有しているということか?
軽やかな跳躍にした焼嗅が、鬼子の頭上に降ってきた。真横に跳躍して距離を取りながら、
勢いをつけた横薙ぎの一撃を、焼嗅の頭部に加えようとする。
薙刀の刃を、焼嗅は両腕を交差させることで防いでいた。が、打撃の勢いは全く殺せなかったようで、
彼の身体は遥か後方の雑木林の中に身体が吹き飛んでいった。
「なんか最近、ますます筋力がついてる気が……」
一見ほっそりとした腕を見つめ、鬼子は深呼吸する。あの男の放つ無臭の『匂い』が、
体力の消耗を数段速めている。長引くと不利だ。
「大した物だ」
がさがさと枝を揺らしながら、焼嗅が出てきた。頭や服に付いた枯れ草を払い落している。
男が一歩近づくたびに、頭がぼうっとするような気さえしてきた。
「もう止めにしない? わざわざ両手で守ったところを見る限り、あなた頭部の強度は大したことないんでしょう。
……次は確実に潰すわよ」
つまらなそうに焼嗅が返す。
「途中で狩りを止める理由も、お前に負ける可能性もない。……息が乱れているぞ、女。お前が弱り切るのをのんびり待っていたっていいんだ、俺は」
鰯頭の分際で、中々狡猾だ。妹の作った子供だましの玩具に殺されるなんて冗談ではない。
と――
「ちょっとー! 二人ともいつまでいちゃいちゃしてんのよー! それにどたばた激しすぎるんじゃない!?」
屋内で小日本の不満げな声が上がり、焼嗅が舌打ちする。
「そうも言ってられないか」
「あの子の目の前で私を滅ぼすのは気が引ける? 意外と優しいじゃない」

513 :創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 15:02:48 ID:rdxVQaQn
これで終わりです、が、すいません長すぎました(泣)
諸々含め、誠に申し訳ありません

514 :そういやヤイカガシって鬼除けだよね:2010/11/10(水) 15:04:25 ID:3TZkjs+j
>>512続き
無言で焼嗅が突進してきた。集中を高めて、鬼子は迎え撃つ構えを取る。狙うは頭部のみ。突きの一発で沈める。
焼嗅の手刀と、鬼子の渾身の刺突が一瞬ぶつかりあう。
直後には、鬼子の薙刀の刃が微塵に砕け散っていた。
「――柊の葉は、お前ら鬼の目を刺し貫く為にある」
だから突きの勝負に絶対の自信があると? などと問答している暇もなかった。既に間合いが詰まっている。
長大な薙刀でこの距離の相手は捌き切れない。
男の手刀が、鬼子の胸の中心に迫っていた。ぎりぎり身をよじるが、一番好きな紅葉柄の着物が無残に裂けた。
胸がはだけ、下に巻いていた白いさらしが露わになる。
次で終わる――
覚悟していた鬼子だが、追撃がない。見れば焼嗅は、さらしに覆われた胸を凝視していた。
「?」
ともかく薙刀の残骸を放り投げ鬼子は、焼嗅の頭部に強烈な拳を見舞った。
一撃でぐらついた焼嗅が、あっさり膝を突く。同時に身体の輪郭がぼやけ始めた。
「くっ……本当に馬鹿力だな、お前……」
「ちょっとあなた……何で顔を狙わなかったのよ?」
「顔を潰した死骸を見せるのは、さすがにあの童に悪い。それに、胴を狙った方が避けられる確率が低いと思った。
――下手にかすらせたのは大失敗だったが」
「何故か最後、動きが止まったみたいだけど」
「……妙な話だと思うだろうが、少し狼狽した。年頃の女の素肌なんて、見るもんじゃないな――」
言い終えた焼嗅の姿が綺麗に消え去り、後には大きく歪んだ鰯の頭と柊のくっついた飾り物だけが残された。
「殺し合いの最中に、何て呑気な奴……」
はだけた着物を気にせず、しばし呆然とする。そういえば、女として見られたことなんてこれまでの人生でなかった気がする。
しばらくして、小日本が出てきた。
「二人ともいい加減に――って、お姉ちゃん? お兄ちゃんがいないみたいだけど?」
「……あいつならもう帰ったわよ」
「えー!? さっき家に尋ねに来たばっかりなのに!?」
「あと小日本、節分行事を家でやるのはもうやめましょう……」
外に出てきょろきょろと黒髪の美男子を探す小日本にそう哀願し、焼嗅の飾り物を拾い上げた。
「……今年だけは、我慢してあげる」
そして鬼子は、壊れかけの焼嗅を玄関脇にそっと飾ってやった。

おわり
投下かぶっちゃった人ごめんなさい

515 :歌詞の人 ◆Bsr4iViSxg :2010/11/11(木) 00:02:02 ID:8ExYwRwg
鬼の子を 慕う心の さだめかな
我が身のほだし 解けむとするは

516 :歌詞の人 ◆Bsr4iViSxg :2010/11/11(木) 00:30:32 ID:8ExYwRwg
 日本鬼子、神奈川の西の果てにある真鶴(マナヅル)に訪れけるときに詠ふ歌。

  真鶴の 箱根空木(ウツギ)の 花移り 我が面(モテ)移ろふ ここ背見ゆれば

【マナヅルの首から顔への様子のように、真鶴町の近くにそびえる箱根山に生える箱根空木の花が白から紅へと色を変えるように、
私の頬も仄かに染まってゆくのです。この私のいとしいあなたたちに(み湯に入っているのを)見られると】

 ヒワイドリ、鬼子の入浴するを聞きて訪ねけり。鬼子声を上げるも、鳥いと静かなる心をし、我々に向けて詠ふ。

  胸あまた 数ならざるか 益荒男(マスラヲ)よ 繁き森より 無二なる巨樹を

【胸はなあ、たくさんあったって価値はねえ。
男子諸君、繁った森よりも、他に比べようのない、たった一つのきょny……巨樹の方がよっぽど価値があるのさ!】

 卑猥なる鳥、鬼子の薙刀の太う重きに喰われけれども、それ死にはあらず。されど鳥それ本望なり。
 海より、魚(ウオ)出でにけり。ヤイカガシと言ふなる魚なり。なまづに似る様より放つにほひ、やんごとなく、鬼子顔しかめぬ。
 鬼子の行い、いと理なれども、ヤイカガシはさ思わず。そして詠ひけり。

  なまめかし なのめならざる 珠の肌 定めて似合わん 生臭わが身

【上品で、格別美しい肌の鬼子たん。
なまめかしい……なま……そうさ、きっと響き的に似合うだろうなあ、生臭い僕に】

 鬼子、再び薙刀振るひけり。遠く飛び、ヒワイドリと同じ場所に着す。
 その脇に木生えたり。たわわに実る栗に、採らんとする小人なる女あり。童、名を小日本と言ふ。

  とげとげし 我摘み取りし 栗の鞠 いづれと遊ばん 鳥かなまづか

【トゲトゲしてる、わたしの摘み取った栗の実を、どっちに落として遊ぼうかな? ヒワイドリさんか……ヤイカガシさんか……】

 その後、真鶴に叫び声が轟き渡りけり。されども、日本は常にぞ平和なるかな。

517 :歌詞の人 ◆Bsr4iViSxg :2010/11/11(木) 00:31:52 ID:8ExYwRwg
戻ってきたよ記念に短い歌物語を投下。
鬼子たんは世界のお嫁さんです!

518 :GoGo! ひのもとさん1/2:2010/11/11(木) 00:50:01 ID:6g2Vg7cd
 前回のあらすじ――鬼子さんの入浴タイムにガンダムが襲来してきて俄かにおっぱい祭りの予感。急げ、僕らのヒワ&ガシ!

 火の手のあがるアパートを背景に、ガンダムの白い巨体が立ち尽くしていた。
 右手に握られた薄桃色のビームサーベルはアパートの壁面をなんの躊躇もなくえぐり、ちょうどガノタ青年の部屋を真上から両断していた。部屋の主の姿こそ見えないが、断面からは彼の積年のガンダムグッズがわんさとこぼれている。
 主はどこか、そんな事より気になる風呂場はその隣――壁一枚を隔てて、どうやら難を逃れた様子だった。
「んぉーっ、惜しいでヤンス!」
「いや、まだあの亀裂から風呂場のドアが見えているでゲス! 風呂場から出ようとする姉御に出くわすチャンスでゲス!」
「バスタオル一枚っ! それは萌えピンポイントでヤンス、けど今回はお前と絵師の皆さんにお任せして、ここはあっしがあのデカブツを食い止めるでヤンス! これ持ってけ!」
 そう言ってクチバシに挟んだデジカメをヤイカガシにぶんと投げ渡した。
 夜空に向かって垂直に飛んで行くヒワイドリに、どこからともなく現れた数千匹ものヒワイドリが群れ集ってゆく。
 口々に「ヤンスー」「ヤンスー」「ヤンスー」「ヤンスー」と騒々しかったヒワイドリたちは、巨大な鳥の集合体となって、眼下の動くガンダムに向かって急降下した。
 ガンダムが振り返った時にはもう遅い、ヒワイドリの集合体は真っ黒な体のシャドーガンダムに変化して、強烈なタックルでガンダムをビルとビルの狭間に押し倒した。
 真上からのしかかって、さらに手足がガムのようにまとわりつき、ガンダムをGホイホイさながらに路上に捕縛した。
「ヤイカガシ、はやく姉御を助けるでヤンス! 男を押し倒していられるのは十秒が限界でヤンス!」
「……このぉ」
 拡声器から発せられるような割れ声がガンダムから漏れてきて、ヒワイドリはくるっと目を向けた。
「……へぇ、こいつでやしたか」
「黒い……ガンダムだと? ガンダムは、僕ひとりで充分だっ!」

519 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 00:55:24 ID:/pFd0+b0
モチーフは銀○伝:ビッンフェルトへの返信作成中 by アッテンボロー
設定:鬼子ちゃんをデモに使おうとしている団体に対する抗議


第一案(皆様も突っ込み入れて)

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

貴協会がこのたび行なおうとしているデモ行進につきまして、日本鬼子をプラカードに
持ちいることを許可されたと知りましたので、一応の注意を喚起したいと思います。
ご存知のように日本鬼子は、中国人を萌え萌えにしよう!との動機から生み出された
キャラクターです。従いまして、そこに政治的なメッセージは含まれておりません。

我々はオタクとかキモイなど、いわれなき偏見や差別を受けることもありますが、殆の
絵師様や、動画製作者、フィギュア者などは、企画内容を正しく読み取って、平和な
日本鬼子を楽しく創作しております。
このことはpixivやうpローダ、youtube、ニコニコ動画など、ご確認を頂ければ一目瞭然
です。実は薙刀で中国旗を切り裂く、足で踏みつけるなど、描かれることを危惧して
いたのですが、そのような例は極めて稀で、皆様のご理解に感謝する気持ちで一杯です。
世界に向けて素晴らしい作品を紹介し、ひいては日本人の民度の高さを、発信出来た
のではないかと些か自負しております。

ここで理解に苦しむのは、貴協会が日本鬼子を我々の企画とは全く異なった意図で、
利用しようとしていることです。貴協会のご主張を理解しているわけではありませんが、
何らかの法的や歴史的事実を根拠にして、正統性を主張されているかと思います。
その主張の場に本来の使われ方ではない、日本鬼子をキャラクターとして掲げることは、
弾いては主張の正当性すら疑わせる結果となるのではと危惧しております。

分かりやすく例えるなら、「ショッカー」や「ギャラクター」のキャラクターをプラ
カードに掲げながら、平和活動のデモ行進をしたりすれば、どのような反応を受ける
かはご想像におまかせしますが、少なくとも我々からは同様の行為としか思えません。
たかがキャラクターかも知れませんが、かように与えるイメージは大切かと思います。
これは貴団体のためなので、今一度まとめwikiを御覧ください。

何れにしろ、著作権法の及ばない範囲につきましては、お願いをするしかありませんが、
どうか、ご再考を願えればと思います。


520 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 00:57:15 ID:/pFd0+b0
>>519
ユリアン・ミンツ:これは幾ら何でも下品でしょう・・・

521 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 00:58:43 ID:/pFd0+b0
>>520
オリビエ・ポプラン:下品以前に文学的才能に問題があるかと

522 :GoGo! ひのもとさん2/2:2010/11/11(木) 00:59:41 ID:6g2Vg7cd
 仰向けに捕縛されたガンダムの背中から、白い炎が噴射されて路面に薄く広がった。バーニアだかブースターだかがあるのだろう、その推力でガンダムはほんの一瞬、ビルほどの高さにまで浮き上がった。
「ぐっ、あっしの全眷族を集めた重さで浮くなんてありでヤスか……!?」
 だが、浮いたかと思ったガンダムは一軒ほど移動してすぐに急降下した。再び地面にガンダムを押し倒す格好になったヒワイドリ集合体。だが……
「……おっと、油断したねシャドーガンダム」
 その黒い胴体を、腹から背中まで、薄桃色のビームサーベルが貫通していた。
「ヒワイドリ!」
 いつの間にかアパートに潜り込んいたヤイカガシが、亀裂から声を張り上げていた。
「ヒワイドリ! 大変だ、脱衣場に姉御のパンツがないっ! ひょっとすると姉御は今日ノーパンなんじゃないか!?」
 ヤイカガシが役立たずなスネークをしている間も、ヒワイドリ集合体の傷口から、ばさばさと黒い鳥影が羽ばたいてゆく。ガンダムの胸元には累々と鳥の屍が積もっていった。
「……あんた、ただのガノタじゃなかったっすね?」
「やだなぁ、僕をただのガノタと一緒にしないでくださいよ」
 マスクの向こうでにやりと笑った気配がした。
「だって僕、ガンダム検定一級だよ?」
 ビームサーベルを真横に振り払って、ガンダムはヒワイドリ集合体の胴体を切り裂いた。
 ズュン……!
 全身を構成していたパーツがボロボロと剥がれ落ち、無数のヒワイドリになって散ってゆく。
「うーん、やっぱりあっしは戦闘むきじゃねぇでヤンス……」
「ばいばい、シャドーガンダムくん」
 まだ半分ほど残された体を、ガンダムの振り上げたビームサーベルが真上から切り裂いた。
 焼け焦げたような臭いが放たれ、ヤイカガシの絶叫が響き渡った。
「ヒワイドリーっ! 大変だヒワイドリーっ! こにぽんたんが……こにぽんたんが、あの幼児体型でちっぱいブラつけて寄せて上げているぞーっ!」
 すでに頭部全体が散っていたヒワイドリ集合体は、残された片腕でなんとか親指をたてて、綺麗に分散した。
「くくっ。くははは……僕のものだ。もうこれは僕の、僕のガンダムだ。誰にも渡さないぞ、僕の、くくははっ」

 しゅらん。

 そのとき、荒廃とした街のただ中に、軽やかな鈴の音が鳴り響いた。

 しゅらん。

 それは鈴を鳴らして歩いて来る。般若の面を身につけ、薙刀を携え、ガンダムの背後からしずしずと。

523 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:00:06 ID:/pFd0+b0
521>>
フレデリカ・グリーンヒル:もう少し上品にお願いできます?アッテンボロー提督

524 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:02:54 ID:/pFd0+b0
>>523
アッテンボロー:それでは五分後に上品な奴を投下します

525 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:04:40 ID:/pFd0+b0
>>524
ユリアン・ミンツ:あの人の上品って、大丈夫なんでしょうか?

526 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:05:44 ID:/pFd0+b0
>>525
アッテンボロー提督:それでは上品な第二案

第二案(皆様も突っ込み入れて)

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、貴協会がこのたび行なおうとしているデモ行進につきまして、日本鬼子をプラカード
に掲示する計画があることを知りました。我々は著作権法及ぶ範囲以外では、お願いするしか
ありませんが、是非とも再考をお願いしたい次第です。

我々の日本鬼子は「中国人を萌え萌えにする」為に生み出されたキャラクターで、其れ以外の
意味は持っておりません。念のためまとめwikiをご参照頂けたらと思います。
この活動の発端は、昨今の尖閣列島問題を単に発し、隣国どおしにも関わらず中国の若者が
多数デモに参加して、プラカードに日本鬼子の文字を掲げながらシュプレヒコールを叫び、
現地日本関係の物品を破壊するなど、過激な行動を見聞致したことです。
勿論、過去の戦争では経緯や事実は別にして、何らかの被害があったことは事実ですが、
戦後60年以上も経てば若者にとっては祖父母時代の話だと思います。その時のイメージを
持ったまま、現代の若者が顔を真赤にして「日本鬼子」を叫ぶのは、やはり異常であるとしか
思えません。

隣国関係はとかく殺伐としたものになりがちなのは、なにも日中関係だけではありません。
しかし謂れなき誤解や偏見が、今だに世界各地で悲惨な惨禍をもたらし、様々な努力にも関わ
らず根絶しないのは、人間社会の性であり受け入れなければならない事実でしょう。
我々が考えた日本鬼子は、中国人の若者が持っている陰惨なイメージを廃し、明るく可愛い
イメージへと変えてしまうことです。それにより、彼らの誤解や偏見を解くことが出来るかも
知れません。過激で不毛なデモが、平和で建設的なバレードとなるのです。
そのことを目的としている訳ではありませんが、隣国関係に画期的な変化をもたらすかも知れ
ません。

それに成功した暁には世界初の試みとして、(イグ)ノーベル平和賞も受賞も視野に入るで
しょう。因みに諸外国の同士からも、我々の取り組みに絶賛の声が上がっていることを、合わせて
お伝えします。
我々のすべき事ではありませんが、世界中の同志が同じような取り組みを行えば、全ての誤解や
偏見を解くことが出来るかもしれません。日本人は核兵器すらも萌化してしまい、核廃絶も可能
では?とすら言われています。

皆様にはこの画期的な、日本鬼子の企画と取り組みを正しく理解して頂きたく、切にお願いを
申し上げる次第です。


527 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/11(木) 01:06:10 ID:6g2Vg7cd
うぉう、大量投下、読み切れんw

>>519>>517
なんか面白そうだけど、ここはSSを書くスレだから本スレか避難所のどっちかで発言したほうがいいと思うよ!

528 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:07:01 ID:/pFd0+b0
>>526
ユリアン・ミンツ:コレはいくらなんでも過激過ぎませんか?

529 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:08:32 ID:/pFd0+b0
>>519
あれ?本スレで、SSに行けと言われて・・・
SS初めてなんです。

530 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:11:27 ID:/pFd0+b0
>>527
住民ですか?被りました?実はルール知らなくて、返信待ってまーす。

531 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/11(木) 01:12:06 ID:LKfCjDIc
>>497の続き

「君たちは何者なんだ?」
門の前に佇む少女と幼女に問いかける。
しかし彼女らは、戸惑う表情を見せるばかりだ。
「俺は山都 武士(やまとたけし)28歳、フリーのハウスキーパーだ」
名乗っても状況に変化は無い。
「趣味は機械弄りと絵を少々」
趣味の話題にも興味が無いご様子。
どうやら、ここから先は若い人だけで、ってな展開にはならないようだ。
そこで質問の向きを変えることにした。
「此処に人間は居るのか?」
こんな人里離れた山の中に、頭にツノのある和服少女と外見が万華鏡の様に変わる幼女。
どう見ても人間ではない。
しかし妖(あやかし)だとしても、こんなのは見たことも聞いた事も無いが。
その謎な少女が、おずおずと握手をするような姿勢で、俺の方に右手の手のひらを差し出
してきた。小首を傾げて。
「いや、俺は当然人間だが」
と言う事は、他に人間は居ないのか。やれやれ、ビビって損しちまった。
まあ、妖と相対してるってのもホントは充分怖い状況の筈なんだが。
しかし何故かこの二人には怖さを感じなかった。
「あー、では写真を撮らせてもらっても良いのかな?」
その問いかけで、やっとリアクションを貰えた。どうぞどうぞという振りを見せて、門の
中に入っていく二人。……扉を開けずに。
 軽い門扉を開けて、再度屋敷の中に入る。二人は納屋の前に立ってこちらを見ていた。
では、蔵の方から。
しかし、撮影を始めると、何故か幼女が眼前にやって来てフレーム内に入ろうとする。
「ちょ、屋敷の様子だけ撮りたいから」
言っても離れてくれない。諦めて被写体を母屋に変更する。
しかし今度は少女の方がやって来て邪魔を始めた。
「あの、ポーズも要らないから」
照れ臭そうにしなを作る。ちょっとカワイイかもしれないと思ったのは内緒だ。
「どういうつもりだ……?」
しなを作ってるんじゃなく、どうも納屋の方を指し示してる様だ。
 そっちを先に撮れってのか。
どういう理由があるのかは分からないが(だいいち、妖の行動原理なんて誰も知らないだ
ろ?)、とりあえず歯向かう理由も無いのでそちらに向かった。

532 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/11(木) 01:12:47 ID:LKfCjDIc
そして、扉の無い納屋の暗がり辺りにデジカメを向けたところで。
「これを知らせたかったのか」
 暗がりの中、農機具らしいものの間、その地べたに白い毛皮の塊があった。
近づいて確認。犬だ。それもかなり大きい。
秋田犬か。それでも破格の大きさだ。鼻先を自分の腹に突っ込む様にして丸くなってる。
一瞬、寝てるのか? と思ったが、違う。この生気の無さ。
「ごめんよ」
後ろ足を触ってみる。比喩でなく氷の様に冷たかった。死後三日ってところか。
やれやれ、気付いて良かった。こういうのは必要が無い限り撮るもんじゃない。
「…………?」
背後から問い掛ける様な気配。
「多分、納得して逝ったと思う」
 背中でそう答える。
普通、死の直前には呼吸を確保する為に、横倒しとかもっと楽な姿勢をとるはずだ。
それがこの如何にもただ寝てるだけってな姿勢。腹一杯食って満足ですみたいな表情。
きっと此処を死に場所と決めていたんだろう、この犬なりの理由によって。
「……! ……!!」
振り返ると、幼女が少女の胸の中で声も無く泣きじゃくっていた。
何か縁(えにし)でも有ったか。泣いてどうにかなるもんでもなかろうに。

 しかし、これは困った事になった。
犬は弔わなきゃならん。このまま骸を晒し続けるのは余りに哀れだ。
しかし、ここは廃村とは言え確か未だ私有地の筈。そこの庭を勝手に掘り起こして、この
大きな犬の死骸(恐らく100Kg前後)を埋めて良いわけも無い。
 車のサイドドアを開き、中から衛星電話とアンテナ一式を取り出す。
(仕事柄、ケータイの電波が届かない所に行く事が多い為、必須だったりする)
アンテナを車のルーフに置き、方向を調整。メリットを確認。
ダイヤルを開始。先ずは0081から。
…………
「はい、光彩不動産です」
「あ、毎度お世話になっております、キーパーの山都ですが」
「あん、タケちゃん? どうしたの元気ィー!?」
思わず受話器を離してしまう、社長の奥さんのキンキン声。
それを聞いて、少し浮世離れしていた気持ちが一気に戻った。
「ええ、元気っす。社長をお願いしたいんすが」
「あのおっさんは出張中よ、某国へ。先週言ったじゃない」
「え、そうでしたっけ? 困ったな」
「なに、どしたの? 何か困りごと?」
「ええ、今、緋ノ元様の件で田舎県に来てるんですが、そこでちょっと」
「火の元? そんな話あったっけ?」
「え?」
「確かタケちゃん、今週はオフだって言ってたじゃない」
何かずれて行く様な錯覚を覚えた。
「いや、確か社長から話を貰って、一昨日」
「だからね、おっさんは先週から海外出張中よ」
なんてこった、じゃあ俺は誰からこの話を受けたんだ?
「? もしもし? おーいタケちゃーん!?」

(恐縮ですが、続きとさせて頂きたく)

533 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/11(木) 01:13:42 ID:6g2Vg7cd
>>529(ぎゃーごめんなさい誤爆w)

534 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:14:53 ID:/pFd0+b0
>>533
良かった。一応、SS形式なんで、例の突っ込みヨロです。
(俺、安価間違えているし・・・専ブラ使えない環境なんだ。許して下さい)

535 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:19:05 ID:pRxHgPrD
>>533
まあそんなこともあるさ

さて、しがない名無しのSS書きが、鬼子の企画を見て、
いつの間にか書き出してた設定資料(の一部)を晒してみる。
ほんとに意識せずにメモ帳に書いてたよ……

味方側追加キャラクター

日本狗 
鬼子の式神。
生成時はデフォルメ白毛子犬モード。
中成時には銀狼モード。
本成時は大神モード。
雄か雌かは考え中。

倭猿
鬼子の式神。
生成時は黄色い毛の小猿モード。
中成時は金毛赤眼の中猿モード。
本成時は聖典大聖の大猿モード。
こいつは……雄かな。

敵側

基本設定の心の鬼から。
某一神教から 7つの大罪をモチーフに。(これでボスクラスが7体作れる)
仏教から 三悪の十悪業をモチーフにできるかな。(これで30つくれるな)
日本神道から 一霊四魂の曲霊をモチーフにできそう。(これで5体かな)

ここまで考えて我に返ってしまい、あまりの中二設定に死にたくなった。
好きに使ってくれて良いよ!!

536 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:20:55 ID:/pFd0+b0
>>528
オリビエ・ポプラン:要するに過激の程度の問題でしょうね。

537 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:22:23 ID:/pFd0+b0
>>536
ユリアンミンツ:程度問題でしょうかね?相手はアノXX協会ですよ。
頭から煙り出して怒りますって。

538 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:33:02 ID:e+I3Kfme
>>537
1レスに纏めて投下してくれ
SS初めてなら回りに倣ってやるのが無難だよ

>>535
大罪は考えたな
般若が嫉妬を表す面だから各罪に対する面、計7つの面のお話
世界中にある使えそうな面探しさてて頓挫しちまったがw

539 :歌詞の人 ◆Bsr4iViSxg :2010/11/11(木) 01:40:41 ID:8ExYwRwg
>>527
申し訳ございません。
SSということで、古文調の短編を書かせて頂いたつもりなのですが、どうやら板違いだったようですね……。

540 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 01:47:31 ID:e+I3Kfme
SSスレだけど文学視点からの想像披露会って感じで、あんま気にしなくていんでない
逆に鬼子で短歌とか俳句とか新スレ乱立されても困る訳ですしおすし

541 :歌詞の人 ◆Bsr4iViSxg :2010/11/11(木) 02:30:55 ID:8ExYwRwg
>>540
ええ、新スレ立てるのだけは絶対にしません。
普段でもまとめ人さん初めたくさんの人々に迷惑かけている身なのに、
これ以上負担は掛けさせたくない……。

もしかしたらまたの機会にこちらへ三文物語を投稿するかもしれませんので、
その時は宜しくお願いします。

  言葉あり 二の次に文字 それゆゑに 心と馳せて 言葉編まなん
(言葉があって、その次に文字がある。だから、心と馳せて言葉を紡ぎだしてほしいなあ)

542 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 07:31:41 ID:6g2Vg7cd
>>540さんがいいこと言った。
歌詞の人もごめんなさい、歌詞を作ってくださったのかと思ってました。
>>534
やっぱり本スレや避難所に書けってのは誤爆です。ここにもちょっと向かない。
やりたいことは理解できるけど銀英伝知らない人は理解できないだろうしなによりレスを食いまくるから、自分で専用スレを立ててテンプレートを作ってやった方がいいと思うよ。

543 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 08:26:46 ID:6g2Vg7cd
>>534話が前後してごめん、色々考えたけど>>538が一番正しい。
1レスにまとめてこのスレに投下した方が面白いと思うよ。

544 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 14:26:12 ID:8ExYwRwg
>>542
いえいえ、こちらも誤解を招く書きこみをしてしまいました。
そもそもこの名前がいけませんでしたね……。
しかしながら、「>>540さんがいいこと言った。 」と言ったあとで
「自分で専用スレを立てて」……と言うのは何となく矛盾ですが、
そうですね、確かにマナーを考えたら新スレの方がいいでしょうね。
(個人的には、形式を変えてこっちで書いて下さる方が賑わっていいと思うのですが)

545 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 20:36:55 ID:ovMX7KiI
>>514
>>513 です。 いや、こちらが邪魔をしてしまったようで、申し訳ありません。 

ついでに……以下、投下します 

546 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 20:40:05 ID:ovMX7KiI
「さて、久方ぶりの休みの日、なにをするかのう?」
「乳の話をしようじゃないか」
「腰の話をせねばなるまい」

何をするでもなく、日本家屋の廊下を歩く鬼子の前に、颯爽とうざったく台所と空から現れたのはストーカー×2。
乳の話をしたがるヒワイドリに、腰の話をすることに使命感を持っているヤイカガシ。
ヒワイドリは翼を、ヤイカガシは柊の腕を広げ、鬼子の道を遮るかのように。 対する鬼子の視線は絶対零度である。
「……酒を手土産に、先代の鬼子にでも会いに行くか」
くるり、と無視され残される二匹。 滅しても幾らでも沸いてくるが、実害は0なのでこうされている。 
「さて、乳の話ができないじゃないか」
「ふむ、腰の話が出来ぬというか」
向き合う二匹。 彼らは終生のライバルである。 乳と腰、永遠に同じく出来ぬ二つの優劣を競い、日夜争いを繰り広げているのである。
鬼子のそれに理想を見出したこいつらは、鬼子に付き纏っているのだ。
だがこの二匹、相性が悪い。
というよりも、鬼子との話を邪魔してくる(と思っている)片方を、大いに敵視しているのである。
「乳こそ真理! 母なる慈愛の象徴たる乳を差し置いて、男にもある腰など邪道じゃないか!」
翼を広げ威嚇するヒワイドリ。 
「腰こそ至高。  次代を担う生命の素の源泉を省みずして、たかが栄養補給の道具に現を抜かすか」 
柊の手を構え、誘い込む姿勢のヤイカガシ。

顔面は間が抜けているので分からないが、少なくとも二匹はマジである。 寧ろ二匹だけマジである。
「断じて否それこそ否! 大平原の小さな丘には風の吹く草原のような、天をつく巨塔には雄大なる深き森のような、乳には多種多様な魅力がある!」
「未熟。 浅薄甚だしき。 無節操な脂肪の塊を崇敬し、無きことを誤魔化すなぞ片腹痛い。 その点、腰は最上を求めるには肉付きの多すぎも少なすぎも許されぬ美術品。 比べることなどできようものか」 
「墓穴を掘ったかヤイカガシ! 理想通りのモノしか見えぬ貴様の死んだ魚の目では真理など解さぬと知れ!」
「妄言を吐くなヒワイドリ。 至高を求める道を進むことも出来ぬ貧弱な鳥頭に崇高な我が使命、測れると思うな」
このように、日毎に喧々諤々の議論を交わしているのである。
そして、毎回険悪へとなっていき……
「「………………」」
距離をとり、向き合う二人。

両翼を刃状にして前面に固定し、そのままヤイカガシに吶喊するヒワイドリ。
くるりと攻撃に合わせて回転し、その鋭い柊の手でヒワイドリの首を狙うヤイカガシ!

カカカッ!

「二百、六十三戦……」 「二百六十、三……引き分け」
「また、決着がつかないじゃ……ないか」
「未だ、我も未熟。 ……仕留められぬか」
「「ぐはっ」」

ダブルノックアウト。 

「本当、毎日なにしてるんでしょう、この二匹」

呆れ顔でそれを見ていたのは小日本である。 掃除道具に身を包んだその姿は、実に生活感溢れたものだ。
そして手元のチリトリには二匹の姿が。 羽が邪魔だわ生臭いわと邪魔なので、屋外に捨てるためである。

外に集めておいた落ち葉の上に、静かに二匹を寝かせる。 柔らかい自然の布団は心地良さそうだ。

「着火」
「「……熱っっっっぢい!!!!!」」
「二匹とも、家の中で羽を散らかしたり匂いをつけるのは駄目ですよ?」

ぬめった体と鳥の羽。 家を取り仕切る身としては面倒なことこの上ない。 
家の中に入るなと何度言っても聞かぬので、次第に過剰になっていく仕置きをされる二匹であった。 

547 :創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 00:18:27 ID:dItIVLgf
共感してくれてありがとね 
お互い他人同士、角もぶつかる時もあるけど妥協と協調と尊重でうまくやれるさ 
それは人間関係と自己見識の進化だと思う 
まぁ言いたいことは言う前提の話だけどね 
 


548 :創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 14:55:16 ID:WRG9Q26U
中国鬼男というヤツと恋愛させてくれよw

549 :創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 18:02:45 ID:2HS7siUo
>>546
最後焼かれたww
この二匹出てくるとノリがよくていいな
そしてちちしりふとももにかけてのラインこそ至高。異論は認める。

550 :妄想モエチリ:2010/11/12(金) 22:41:14 ID:AribCSXs
書き手が増えるのは良いことです
やっと追いついたけど、本スレ怖いw
細々と2話目>491の続き投下
===========================================

学校、五時限目・・・数学

食後の昼過ぎ、ただでさえ眠くなる時間帯に数学という時間割を考えた人間は
きっとサディストに違いない
さっぱりと頭に入らない公式を眺めるのを諦め、気晴らしに校庭を見る

校庭の隅を足の生えた魚が疾走している
その後ろには追走する猫

ガタッ
鬼子「なっ!」
数学教師「どうした?」
鬼子「あっ・・す、すいません、何でもないです」
数学教師「校庭を眺めるのもよいが、ココは期末に出すぞ」

ばれてた
教室が小さな笑いに包まれる、鬼子は小さくなって授業に集中することにした

女子「めずらしいじゃん、鬼子が注意されるなんてさ」
女子「外にいい男でもいた?」
授業後、女子が声をかけてくる

鬼子「そんなんあるわけないでしょー」
女子「まぁいいや、それよか今日、横浜行かない?」
そういってある中華店の点心デザート&スイーツ特集記事を見せてくる

校庭の隅でヤイカガシは猫にかじられながら走馬灯を見ていた
ヤイカガシ「し・・しま・・・ぱ・・・つ」
口から白濁液をよだれの様に垂らしながら不思議と幸せそうな声で・・・


551 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/12(金) 22:53:55 ID:9LHP/RvW
>>532の続き

「あ、失礼しました。それでお手数お掛けして恐縮なんですが」
「いやぁねえ、なに畏まってるのよ」
 村役場の電話番号を調べてもらった。
丁寧にお礼を言って電話を切る。最後まで不審がられた。
奥方とはいえ専務。取引先にこういう不信感を持たれてはいけないんだが。

「土地の所有者は法務局へお問い合わせ下さい。電話番号は――」
「お越し頂ければ登記簿謄本の閲覧は可能ですが、電話では出来ません」
 まあ、そうなるわな。
人の少ない村だから、ちょちょっと融通してくれるかとも思ったが。
「え、犬の死骸ですか。それなら保険所の方へ。電話番号は――」
「飼い犬の死亡届をご提出下さい。死骸の処理は役場の環境業務課へ。電話番号は――」
 またたらい回しかよ、とウンザリしつつ、村役場へ三度目の電話をかける。
「ダンボールに詰めて持ち込んで下さい」
「いや、大きさ的に無理っぽいんですが」
「ああ、困りましたね。因みに、猟師さんが山中で大きな猪をしとめた時は、その場で血
抜きをして、更に解体してから下ろすそうです」
「!! バラして持ってこいと?」
「猟師さんは、売れる部分しか下ろさないそうです」
「では、残りは?」
「つまり、そういう事です。近くに山があるのでしょう?」
「そういう事ですか。了解しましたが、真っ白い動物ってのは、あまり邪険な扱いをした
くないんですがね。しかも秋田犬っぽいし」
 忠犬ハチ公の。
「真っ白で大きな秋田犬、ですか……あっ」
 なんだ? 受話器が落ちたような?
「お電話代わりました。秋田犬ですか、一応国の天然記念物なんですがねえ」
「因みに、あきたけん、ではなく、あきたいぬ、が正しい読み方です」
 そうなのか? 知らなかった。
「いや、こちらも通りがかりみたいなものなんで」
上司っぽい感じだな。話が通りやすそうだと思い、簡単に経緯を説明する。
「ははぁ、そういう事ですか。ではとりあえず首輪をご確認下さい」
「首輪、ですか。確か無かった様ですが」
「え……」
 ? 電話の向こうが何やら色めき立ったような?
「それは確かですか? それに類する様なもの全て?」
「は、はい。首輪やその他人工物は何も無かったかと」
「そうですか……」
 なんだ、この緊迫感? 首輪が無い事の方がまるで重要だという様な?
「分かりました。では、そちらを何時頃にご出立のご予定でしょうか?」
 うわ、なんか急にバカ丁寧になったな。
「今ちょっと取り込み中なんで、それが片付けばすぐにでも。しかし何故?」
「え? ああ、それは当然、こちらがそちらへ向かう都合があるからです」
「途中の獣道で車が鉢合わせになったら、すれ違えないでしょう?」
 ああ、なるほど。よく考えてくれてるな。……って?
「それでは、引取りに来てくれると?」
「ええ勿論ですとも。なんせ天然記念物ですから」
「……死んでますが」
「ああ、それと」

552 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/12(金) 22:54:39 ID:9LHP/RvW
 ここで如何にも大切な事を言うぞ、という感じで溜めを作ってきた。
「その村にはですね、出るんですよ、とても怖い鬼がね」
 鬼? ……ああ、そう言えばあの少女も鬼か。まるで怖くなかったが。
「ですから、日が沈む前にそこから下りた方が良いですよ」
 いや、あんたの物言いの方がよほど怖い。
「出来るだけ努力はしてみますが、どうも泊まりになりそうです」
今、そう決めた。
「そうですか……とりあえず、忠告はしましたよ?」
念押しか。ご丁寧に痛み入る。
「確かに、承りました」
その後、謝辞を述べて電話を切った。電話機のバッテリー残量がギリギリだった。

 瓢箪から駒、か。
まさか犬に追っ手がかかっていたとは。何でも聞いてみるもんだな。
屋敷の裏門から納屋に戻る。妖二人はまだ犬の傍らに佇んでいた。
その二人の目が少し輝く。
「これで弔ってやってくれないか」
 裏山から採ってきた山花を犬の周りに置く。ツワブキやコスモス、さざんか、その他名
も知れない草花。かなりの量だ。
どうだ? と二人を見ると、服が巫女のそれに変わっていた。
「便利だなおい」
 そして、ブルゾンのポケットに挿していた榊(サカキ)を犬の前に置く様に促される。
そうだと思って多めに採ってきた。というか、生えてて良かった。
二人は犬の前に正座し、何やら祝詞のようなものを奏上し始めた。聞こえないが。
そして、その真剣な横顔の向こう、納屋の奥に鍬やツルハシが有るのが見えた。
錆びてるが、まだ充分使えそうだ。

 屋敷の裏門と山の間が、ちょっとした空き地になっており、その山側の端に幾つかの大
きな岩が置いてある。恐らく、農作業用の家畜をここに埋葬していたのだろう。
その横に深く穴を掘り、近くの谷川から適当な大きさの石を持ってきた。
これを墓石にしよう。
 納屋に戻る。
二人はまだ犬の傍に居たが、既に式は済んだようだ。
犬の前に座り、残しておいた最後の榊を、先が自分の方を向くようにして犬の前に置く。
「向きはこれで良かったか?」
少女がうなずく。
そして二礼二拍手一拝(一礼なのかもしれんが)を、忍び手(音を立てない)で行う。
それでこの場の空気が緩んだ様な気がした。一通り終わったようだ。
「さて、埋葬だな」
どうも役場の上司の言った事は胡散臭すぎた。その前の、担当者の言い分に従うのが良い
のだろう。……それは犬にとっても。
見回すと、納屋の奥に木の棒とムシロで出来た、担架の様なものがあった。
持ってきて犬の横に置く。
さて犬を乗せるか、と思ったところで、首の長い毛の奥に赤い紐があるのが見えた。
「なんだこれ?」
引っ張ると回り、首の下から銀色の何か大きなものが出て来た。
それは、銃弾を模した大きなペンダントだった。
先端がネジ式の蓋になっている。開けてみたところ、中からUSBメモリが出て来た。
(それは確かですか? それに類する様なもの全て?)
役場の上司の言葉を思い出す。
「なるほど、コレか……」

553 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/12(金) 22:55:30 ID:9LHP/RvW
犬の満足そうな顔を見る。
「オマエのご主人様は、これをオマエに託したんだな?」
無論、返事は無かった。

 犬を乗せた担架の様なものを引き摺り、裏の穴の前に着いた。マジ重かった。
「火葬にしてやれなくてスマンな」
犬を穴に入れようとしたところで、少女がそれを遮る。
「なんだ?」
何かまだやる事が残っていたのか? しかし彼女は、俺の予想とは違った行動をとった。
犬のペンダントを、紐を解いて取り去ったのだ。
そして、紐を抜き取り、それを宙に浮かせて火を点けた。
彼女らが現実の物に干渉するのを初めて見た。
燃えた灰は犬の体に降りかかった。なるほど、火葬の真似事なのか。
横を見ると、幼女が少女の着物の裾にしがみついていた。半透明になって。
それで彼女らの力の使い方が分かった様な気がした。
少女がペンダントを差し出してくる。口を一文字に結んで。
そういう風に集中していないと、物に干渉できないのだろう。
実は今も辛かったのかもしれない。ペンダントが手をすり抜ける。
「おっと」
すんでのところでキャッチ。
「俺に持っていろと?」
首肯。
こういうものは一緒に埋めるべきだと思っていたから、戸惑ってしまう。
が、まあこの程度のモノなら後で埋めても良いか、と思い直した。
「分かったよ」
緊張していた妖二人の表情が明るくなった。やはり女の子は笑顔でなければな。
 その後、犬を埋めてその上に石と山花を置いた。
夕やけに赤く染まる、名も知らない白い犬の墓。
安らかに眠ってくれ。
…………
……

 宵闇の中、蝋燭の明かりに浮かぶ縁側。
「やはりこういう事だったのか」
ノートPCの画面、差し込んだUSBメモリの中を表示している。
その総データ量は220GB余り。その中にフォルダが二つ。
一つは幾つかのテキストファイルが入っているもの、もう一つは220GB程のサイズで
名前とパスワードを入力しないと開けないもの。
「寝ちまったのは失敗だったな」
 あの後、持ってきていたコンビニのおにぎりを食った。それで疲れが出たのか、母屋の
縁側で寝てしまったのだ。妖二人は何やら騒いでいたようだったが。
その後、幼女が俺の首に何かを掛けようとしてる、そのくすぐったさで目覚めた。
何かと思えば、新たに赤い紐を付けた例のペンダントだった。
(なるほど、金属でなければ軽いものは持てるのか)
寝るのを諦め、ペンダントを首に掛けてみせる。
喜ぶ幼女。
世の中の、娘を持つ父親の気持ちが少し分かった様な気分になった。
そして妙な気分を振り払いつつ、車からノートPCを持ち出してきて今に至ると。
 少女は、門の外に出て何やら彼方を凝視している。
服装は、紅葉をあしらった赤い着物で安定しているようだ。
 幼女の方は、相変わらず外観がくるくる変わっていたが、気に入ったのか巫女服のアレ
ンジ的な感じのものが多かった。

554 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/12(金) 22:56:34 ID:9LHP/RvW
そして何が面白いのか、PCの画面を興味深そうに見つめて、偶に画面を切り替えると、
画面と俺の顔を交互に見比べては笑っている(声は聞こえないのだが)。
世の中の、娘を持つ父親(略) こうしては居られない。
車から持ってきていた衛星電話一式をセットする。バッテリーは、時間が経った事で僅か
ながら回復している。
(さて、これからどうする?)

 @ 幼女と戯れた後、寝る
 A 少女と戯れた後、寝る
 B 二人と戯れた後、寝る
 C メモリは見てないと言い張る事にして、寝る
 D メモリは明日来るであろう役場の人間に渡してお終いで良いじゃん、で寝る
 E 渡すが、今のうちに中身を見る
 F 渡すが、中身をHDDにコピーしておく
 G 渡すが、中身を他所にコピー転送しておく

 ……@〜Bは論外だな。多分に魅力的だが。
CDは、結局のところ、俺の車から持ち物から全て調べまくられて、更にPCは没収され
るだろう。おれが相手ならそうする。そうなると、骨折り損のくたびれ儲けになるので、
これもボツ。
Eは、名前やパスワードが不明なので無理。
いや、ヒントは探そうとしたんだ、テキストファイルの方を片っ端から開いて。
しかしそれらは、何か良く分からないプログラム用語の羅列が殆どだった。
(中に一つ、英文ながら明らかに詩と思われるものがあったが、全くの意味不明)
で、断念すべきだろう。
Fは、CDと同じ理由でボツ。だいいち俺のPCの空きスペースそんなに無い。
結局、最後の発案であるGがベストとの結論に至った。
それなら、身の安全の保証になるかも知れんしな。
だがしかし、220GBもの大容量をどうやって?
…………
 幼女は、衛星電話の電話機を玩んでいる。
「ほらほら、お兄ちゃんは今お仕事中ですからね、それ触っちゃダメですよ〜」
渋るかと思ったが、意外と素直にそれを止め、再びPCの画面凝視に戻った。
素直な良い子だ。
……今ちょっと違和感を感じたが、ま、それはさておき。
 誰かに相談するか。だが、誰に?
仕事絡みの人間はダメだ、迷惑がかかる。身内は以ての外。
そこで頼りになるのが学生時代の友人。その中から出来るだけソフト関係に有能で、且つ
お堅い仕事に就いていて、その上で日本から出来るだけ離れたところにいる奴、と。
 脳内検索の結果、そんな無茶な条件に合致する奴が一人だけ居た。

 ヒューウヒュルル ヒュルルルヒュウウウー……
ブツッ
「……well」
「ハ、ハロウ、ディスイズタケシ・ヤマトスピーキン、メイアイ……」
「タケ! マジか!? 久しぶりだな!」
「おおう、朝早くにスマンな、ケン!」

(汗顔の至りで、続く)

555 :【リレー小説】振り返れば日本鬼子がいる :2010/11/12(金) 22:56:50 ID:Ls0JEj41
北京、中南海。
中華人民共和国政府や中国共産党の本部や要人の官邸などがある、いわば中国の心臓だ。
さらに、政府高官の居住地でもある。
民間人が入れなかった中南海は、身動きができないほどの市民で溢れかえっていた。
「打倒! 中国共産党!」
「打倒! 小胡!」
「日本鬼子来! 日本鬼子来!」
人々の声が大音響となって響く。
政府高官は軍、警察に弾圧命令を出したが、天安門事件よりも大人数の前にはなすすべもない。
その天安門も、市民でごった返している。
毛沢東の肖像画が引きずり下ろされた時、歓声が上がった。
負けを悟り、市民側に寝返った軍人、武装警官も多くいる。
指揮系統は破綻し、同士討ちが相次いだ。
その時だった。
車が3台、ものすごいスピードで官邸から飛び出してきた。
人々を次々とはね飛ばし、車は走り去った。
主席を始め、政府高官が逃げ出したのだ。
「ヘリを用意しろ、国外へ脱出だ!」
怒鳴るように、主席は部下に携帯電話で命じた。
「だめです、空港はすでに閉鎖されています」
冷徹な部下の返事が返ってくる。
「いいから飛ばさせろ! これは命令だ!」
「無理です。もはやあなたに残された道は、処刑されるか、自害される以外ございません」
「き、貴様……」
「もうおしまいだ、あきらめるんだね。じゃあね」
部下に見捨てられた。
「ひとまず郊外へ行け! 急げ!」
「は、はい!」
運転手はあわててアクセルを踏んだ。

556 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/12(金) 23:56:10 ID:9LHP/RvW
本スレの空気を悪くしてるので、>>534の続き含め今後の投下は止めます。
今までのスレ汚し、誠に申し訳ございません。

これからも鬼子関連の、益々のご発展を陰ながらお祈りしております。

557 :創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 23:57:28 ID:xRZksyys
>>554
なにやらきなくさくなってまいりました……
それにしてもこの話の鬼子は謎めいてるなぁ

558 :国防省 ◆Oppai.FF16 :2010/11/12(金) 23:58:31 ID:9LHP/RvW
>>556のアンカーは>>554の間違いでした。
お詫びの上訂正申し上げます。重ね重ね済みません。

559 :創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 23:58:57 ID:xRZksyys
え、そうなの?
すまん、本スレ見てないから感想書いてしまった
個人的には最初から好きな話なので続いてほしいんだが……

560 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 00:06:02 ID:TyrBGvi1
2chではサイレントマジョリティ気取りが暴れるのは良くあること。
気にしない方がいいよ。

561 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 00:06:58 ID:PlvbC15j
>>556
あれが問題になったのは安価を利用する形で登場人物のセリフ付けてたからじゃない?
後はまあ、政治問題に使われたくないけど二次創作は許可したいっていう感情にこたえるために
規約だFAQだ何だで騒いでたり調べてたりしたから抗議文をSS形式にするには問題がありすぎたってのがあると思う
銀英伝?なにそれって人から見ればなんでこんな主張をSSスレで?って内容になるしね

仮に抗議文を真剣に考えたいなら避難所でね。

562 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 00:15:50 ID:qHK8B6Ql
本スレ読んできた
どうも変な人がいちゃもんつけてるようにしか思えないんだよね
気にしないほうがいいとオモ
そしてなにより個人的に続きがとても読みたい
こんないいところでおあずけなんてひどいぜジョニー

563 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 00:18:10 ID:IZZKfFHL
国防省の人の面白くて好きなのに(´・ω・`)
せめてキリのいいところまでは読みたいです先生

564 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 00:21:10 ID:jxcrowQK
運営気取りの本スレのいうこと真に受けなくていいだろ 
妄想を駄文ながら書き散らすのがSS書きだ 
 
>>558 
馴れ合いとかじゃなくてあんたの最初の投下で物語視点の発想に感銘を受けたんだ 
何か行動すれば少なからず批判もでる、逆に好感を持ってるやつもいる事を考えてくれ 


565 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 00:23:34 ID:9SzdjmJ7
俺なんか国防省氏の一風変わった日本鬼子の世界に惹かれて、このスレ読み始めたからなぁ
今は他の作品も好きだけどw
俺も続き読みたい

566 :GoGo! ひのもとさん1/2:2010/11/13(土) 01:18:16 ID:tmOcJW2o
 路傍に倒れていたヒワイドリは、等身大ガンダムの背後に突如現れた巨大鬼子さんを見上げてこうつぶやいた。
「なんだこれ、なんなんだ、このシリーズ……ことごとく、萌えピンポイント・アウトだっ!」
 お風呂場から出てきた鬼子さんの姿は黒髪の夜叉そのものであった。
 般若の面に寒々しい色合いの冬の着物、袖からはハラハラと雪が降り、向かい合わせの鶴がくしゅんとくしゃみをしている。
 夜叉モードである。バスタオル姿の鬼子さんと遭遇するイベントは夢と消え、代わりに舞台は殺伐とした戦場へと変貌した。
「いや、まだだっ、諦めるのは早いっ!」
 ヤイカガシが、風呂場のドアの前で声を荒げる。
「まだここに服があるっ、バスタオル姿のこにぽんが、いま、中にい……あぐあぁっ!?」
 ヤイカガシは背後から犬とか猿とかキジとかの動物たちに噛みつかれて非常に危険な状態に陥った。
「お姉ちゃんっ」
 お風呂場の窓から顔と鎖骨をのぞかせた小日本が、出ようにも出られずに、うう〜と唸っている。
「もうっ、はやくそのガンダム、やっつけちゃって!」
「貧……にゅ……イラ……ネ……」
 最期の言葉とともに、ヒワイドリがばたりと倒れて天に召される一方。
 等身大ガンダムは唸り声をあげてとつぜん駆け出し、鬼子さん目掛けてビームサーベルを振りかざした。
「うるぉおわあああぁぁぁっ!」
 薙刀の先端に青白い炎が灯り、逆三日月の目にぎらりと悽愴な光が宿った。
 鬼子さんの袖が白銀の起動を残して回転し、迫り来るガンダムの足下を貫くように薙刀を構えた。
「東屋や 凍える花に 椅子二つ……萌え散れっ!」
 等身大ガンダムの胴体が真下から切り裂かれ、夜空を絵巻物の龍のような火柱が飛んだ。
 等身大ガンダムは胴体に穴を開けたまま数歩進み、そこで立ち止まったまま微動だにしなかった。
 ガノタ青年はすでに操縦桿から手を放しているのだろう。
 鬼子さんは憤怒に満ちた般若の面の向こうから、憂いを帯びた声で話しかけた。
「……あなたの心には……鬼がいます。
 いえ……あなたは最初から鬼でしたわね? 私の弟ですもの」
「姉……さん……?」
 青年の声はうつろで、傷口からスパークがはじける音にも消えかかっていた。

567 :妄想モエチリ:2010/11/13(土) 01:18:52 ID:/wSt0vAM
>>556
読み手の人がいる限りは駄目ってことはないと思うのです
このスレに投下されたものは私も全部読んでいるのです
つまんないと思う人は完全スルーしてくれれば良いのですが、どうしても批判する人は出るでしょうし
言われなくても投下物の向上なんて何時だって目指しているんです、それが素人の俺でも
思いつきで投下始めたけど、一人でも面白いって言ってくれたときはすげーうれしかった
だから今、2話目を投下している

==========================================
APEC開催中で2万人の増員警官で溢れかえる横浜、とあるビジネスホテル


警官「馬鹿な真似はやめるんだ!そんなことをしたって何も解決しない!!」

両手両足を拘束された警官は学生時代の後輩へ向かって叫ぶ

海保隊員「すみません、先輩」
海保隊員「俺はもう我慢が出来ないっ」

ムグッ
海保隊員は警官の口を猿ぐつわで塞ぎ、ユニットバス内に拘束する

―そう、もうお前がやるしかない
―死んだ親友のため、映像を公開し逮捕された仲間のため、なにより日本のために
―全てを隠し、日本を貶め続ける奴らに思い知らさなければならない

海保隊員は怒りで視界が真っ赤になっていくことを自覚した
警官の服を着て、拳銃の残弾も確認する
警備予定位置も確認・・・絶好の位置だ

彼は親友の顔を思い出す
あいつだって死ぬ覚悟はあった、日本を守るという目的のためなら
だが、どんな権利があって彼の死を汚す?
―許されない
そう、そんなことは許されない

彼は暗い決意を胸にビジネスホテルを後にする


568 :GoGo! ひのもとさん2/2:2010/11/13(土) 01:23:04 ID:tmOcJW2o
 鬼子さんは薙刀をぎゅっと握りしめた。仮面の奥では恐らく歯を食いしばっているだろう呻くような声を漏らした。
「申し訳ございません、私、あなたの身にまとわりついていた鬼を退治するために、今までこのアパートに居候させて貰っていました……」
「なにそれ……」
 拡声器から聞こえてくる声には、怒気は感じられなかった。拍子抜けして、鼻で笑っているみたいだ。
「そんな……じゃあ、僕の姉って言うのは……」
「はい……私に生き別れの弟はいません。……本当は、妹です」
 お風呂場に隠れている小日本が小さく息を飲んだ。
 しかしそんな小さな変化には誰も目をくれない。等身大ガンダムは、消えかかった闘志を再燃させ、次第に息を荒くしていった。
「……ふざけるなっ、あんたたちが僕の部屋で好き勝手するから、あんたたちが僕の楽園に上がりこんで来たから、僕は、僕の部屋を……部屋……を……違うっ、僕のガンダムを守らなきゃならなかったんだ!」
 鬼子さんは困った風に首を傾げた。
「あなたのその愛情を、十分の一でも他の人たちには与えられないのですか?」
「こんな価値のない、腐った、現実のいったい誰に対して?」
 ガノタ青年が、はっと笑い声を漏らす。等身大ガンダムは心なしか肩を落としていた。
「やだね、一億分の一だって、もったいないよ……」

569 :GoGo! ひのもとさん:2010/11/13(土) 01:36:01 ID:tmOcJW2o
>>556
国防省さんのSSは読み応えがあるので、毎回楽しみにしています。
俺も欲しいくらいの文章スキルです。

>>567
ぁう……挟んじゃった、ごめんなさい。><

570 :妄想モエチリ:2010/11/13(土) 01:47:04 ID:/wSt0vAM
>>569
ガンダマーな俺は全然、気にしないのです
楽しく読んでるよ
今晩はこれで仕舞い、続きは明日〜

571 :妄想モエチリ:2010/11/13(土) 01:49:05 ID:/wSt0vAM
横浜、みなとみらい地区

女子「あっれー?絶対こっち近道だと思ったんだけどなぁ」
鬼子「明らかに中華街から遠のいている気がするよ」
女子「電車賃もったいないからって横浜から歩こうとするのが失敗だったかなぁ」
鬼子「はぁ・・・」
女子に道案内を全て任したことに後悔する
既に現在位置は不明、周りは空き地で寂れガードレールには落書きが一杯だった

女子「仕方ない、お金かかるから嫌だったけど携帯のGPSMAP使う」
鬼子「へぇそんなのあるの?」
女子「ふふーん」
カコカコっと女子は携帯を操作し始める
鬼子も興味をもって一緒に覗き込む

腰パン「道に迷ってんのか?」
鼻ピアス「なんなら俺たちが案内してやんよ?」
案内される先が不安で仕方のない二人組が声をかけてきた

鬼子「ありがとう、でももう道分かりましたから」
鬼子「行こう、女子」
女子「う・・うん」
明らかに怯えている女子の手を取り、その場を立ち去ろうとした
ガシッ
鼻ピアス「そんなこと言うなよ、どこだって案内してやるからよ」
女子「あっあの!困ります!」

あーやっぱきた
心の中で一人ならどーでもなるけど、今は女子いるしなーと思案する
思案しているのを何か勘違いして更に肩にまで手を回してきた

鼻ピアス「俺たち、こー見えて紳士だから大丈夫だって」
腰パン「そーそー」
そろそろ叩きのめしてやろうかと考えていた時、着物姿のイケメンが声をかけてきた

ヤイカガシ「あーいたいた、探しましたよ」
ヤイカガシ「さぁいきましょうか」

鬼子はのることにした
鬼子「あ、先生、どこいってたんですか?もー」
ヤイカガシ「いやーすいません」
鬼子「(女子、あいつは知り合いだから大丈夫)」
鬼子「行こう、女子」
女子「うん」
女子がなんだか目がハートになっている気がするが、気のせいだと信じたい
3人でその場を離れようとする

腰パン「ちょっと待てや!」
鼻ピアス「なにカッコつけてんだ、あぁ!?」
ゴンッ…ゴトリ
ヤイカガシ「ぐふっ」
女子「ああ!大丈夫ですか!?」

弱い!弱すぎるよ!せっかくカッコよく出てきたのに!ヤイカガシ〜!
鬼子は心の中で涙した

572 :ガッシュ劣化:2010/11/13(土) 08:57:37 ID:tmOcJW2o
>>556
ごめんなさい、二度目のレスです。
何が一番言いたかったかと言うと、国防省さんが頑張っている傍らでおちゃらけたネタ的な投下をして外部からの顰蹙をかっているのはたぶん冷静に考えてみても俺なのです。
読み返してみて自分でも「うわぁ落書き自重しる」とめまいを覚える事数度。このままでは軽い常駐荒らしです。

不評が出たから書くのを止めるのは違うと思います、読む読まないは読者が決めること、書き手の唯一の義務はただ完結させる事だけだとばっちゃが言ってた。
この完結させるのが一番きつくて、外部からのバッシングをくらうとかも試練のうちなのだとばっちゃはいまも俺の左心室あたりに正座して言っております、ニコニコしています。

今後の方針として文章力は徐々にあげていくしかないけど、推敲ならできますので、なるべくクオリティの高いものを投下して国防省さんの足を引っ張らないようにし、このスレのレベルアップに少しでも力添えさせていただきたいと思っています。

573 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 21:14:38 ID:tmOcJW2o
ちと遅いけど、貼っときます

833 創る名無しに見る名無し sage 2010/11/13(土) 15:52:49 ID:e+8hG1w2
    〃 A´`Aヽ
    Kiミ!|ノノ))))〉  ・避難所からのお知らせです【話し合いが始まりました】
   ノ ヘ.|l.゚ ヮ゚ノ|!_  ・避難所>>7-:「本スレとSSスレについて」

意見のある方は参加をお願いします!
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1289585558/7-

今のところこのSS専用スレは簡易SSアップローダ的な立場という事にしよう、という線で話が進んでいます。
鬼子プロジェクトのために検索してやってきた人が見やすい状態を保ちたいからSSは総合スレの方にリンクを貼ってね、という感じになるかと思われます。

今までにない使い方だなぁ、削除依頼が出なきゃいいけど(´ω`;)

574 :GoGo! ひのもとさん1/2:2010/11/14(日) 00:28:56 ID:gF452LZe
「あははははは、こっちこっちー」
 ヒワイドリ(イケメン)が内股走りで花畑を駆けていく。彼の後から大きな風呂敷包みを背負ったヤイカガシ(ハンサム)が息を切らして駆け寄ってゆく。
「ははははは、待てよこいつぅー」
 花畑のど真ん中で二人の影は重なった。ヤイカガシのごつい手がヒワイドリの肩に巻きつき、強引に押し倒した。
「うぐっ……ひんぐっ」
 どさっ
 花畑に埋もれたヒワイドリの周囲に、ヤイカガシの風呂敷包みから零れた色とりどりのパンティーが散らばっていた。
 ヤイカガシはヒワイドリに覆い被さったまま、彼の馬のような首筋に真剣な眼差しを注いでいた。
「俺ひとりに罪を被せるつもりか?」
 いつになく真剣なヤイカガシが、ヒワイドリのすっと尖った鼻梁をつついた。
「俺ひとりじゃ寂しいだろ」
「……そのまま一生牢屋から出てくるな」
 目を背けようとするヒワイドリの顎を、くいっと自分に向けさせるヤイカガシ。
「――その唇に穿かせるパンツが欲しいな。白い小さな紐パンだ」
 逃れようともがくものの、ヒワイドリの顔はますます紅潮し、唇は空気を求める鯉のように小さく開閉していた。
「……もうそんな話はよそう。乳の話をしようじゃないかっ」
「そうしたら君がその可憐な蕾を開くたびに、僕がパンツを脱がしてあげられるのに」
「もうそのネタ何度目だよっ! この変態悪臭魔除け! 息くさいっ!」
「ちょっと我慢してごらん。今日は尻の話がしたい気分なんだ」
「やっ、ヤイ、カガ……シ……やめて……ひっ! やだっ////」
「みさきぃー♪ めぐりのぉー♪→http://www.youtube.com/watch?v=t21jLhpwAc8&sns=em

575 :GoGo! ひのもとさん2/2:2010/11/14(日) 00:31:39 ID:gF452LZe
 ヤイカガシは二度と起きられないと思われたほどの深い眠りから目を覚ました。
「い……生きてた……! 死ぬかと思った!」
 不死身の彼が死ぬ訳はないのだが。
 黒歴史級の悪夢から現実に戻ってみると、そこはガンダムのプラモが散乱したアパートの一室だった。
 ヤイカガシはいつの間にかクッションと一緒にカーペットに寝そべっていた。
「ぐぅぅ、あの動物たちめ……」
 全身ずたぼろで、ヒイラギの右手がぷらんと折れている。見上げると夜空がのぞく壁の亀裂。気を失ったのは戦いの最中だったことを思い出す。
 アパートの外には火災が広がっており、その手前に半身が大破してうずくまった等身大ガンダムがいた。そしてその手前に鬼子さんの巨大な後ろ姿が見える。
 ああ、もう勝負あったのか、とヤイカガシは鼻白んだ。けっきょく彼の出る幕はなかったようだ。
 風呂場もいつの間にか空っぽで、小日本は動物たちとどこかに消えているし、もう特にすることもなく鬼子さんと等身大ガンダムのやりとりを眺めていた。
 ――しかし
 脇役に徹しながら不意に彼は思う。
 ――なんでアレは動いたんでゲスかね?
 ヤイカガシはもう一度ガンダムを見た。ただの巨大プラモであるが、物が動き出したこと自体には何の不思議も感じていなかった。
 むしろ彼自身もそんな妖怪の仲間に近い。乱暴な言い方をすれば、もともと鰯にヒイラギをくっつけただけの魔除けが妖怪化したのがヤイカガシなのだ。
 ――百年経って九十九神が降りたのとも違う。
 ――神通力? そこまで強い鬼を宿していたでゲスか?
 鰯の目を膨らませ、視力をぐーんと拡大するヤイカガシ。

 不信に思って見つめるヤイカガシの目は、ガンダムの首の後ろに貼られた小さなステッカーを見つけた。
 もっとよく見ようと目を光らせたとき、ヤイカガシの呼吸が止まった。
「あれは、まさか……!」
 魚の頭部からは、だらだらと油分がにじんでいる。
「まさか……怪器『大天狗の呪詛符』! こりゃいけねぇでゲス! 姉御ぉぉ!」
 日本鬼子さんに呼びかけると、彼女は遠くの山にいる人みたいにやや遅れて振り返った。その目はどうしたの?と問いたげに瞬いた。
「逃げてくだせぇ! 『日本狗』さまがすぐそこにいるでゲスよ!」

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