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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part286

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 15:37:07 ID:vvHMA3hs
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part286(実質285)
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1291536826/
まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
     _       
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 18:51:36 ID:QK00Az1A
>>1 氏ね

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 20:31:51 ID:J74QVc4m
>>1
ネタないんでぬるぽ

4 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/18(土) 20:55:06 ID:UowhGtvI
どうも、SeeDの書き手です。
先週の愛称については正解者が居ましたね、宇宙刑事の相棒達からです。
真っ先にアニエスの愛称として「アニー」が思いつき、そこからシャイダーを経て宇宙刑事全作へ。
迂遠ですが、バード星人繋がりでラスボスさんへのリスペクトだったり。
楽しみに待ってます。
ともかく、他にいらっしゃらなければ21:00頃から投下開始致します。

5 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/18(土) 20:59:55 ID:UowhGtvI
mission19 精霊に愛されし者


 ガリア領内の外れの外れ、アーハンブラ城。ここから東には砂漠が広がっている。
「あの城か」
『なんかセントラ大陸の東の方を思い出すな』
 砂漠側、目視出来るギリギリの位置にラグナロクを下ろしたスコールは、ブリッジで拡大処理を施されたカメラの映像を目にした。今日ジャンクションしているのは、ゼルだ。
 CG補正されて城を見ることが出来るこちらと違い、向こうはラグナロクの紅も夕焼け空の赤と砂煙に沈んでいることだろう。
「そう」
 タバサ、もとい本名シャルロット・フュリス・オルレアンはスコールの言葉に頷き返した。映像の拡大など、驚異の技術についての驚きの台詞がないのは、あまり表に感情が出ない為か。
『なんか、ちょっと寂しいな。反応が薄いと……』
「揚陸戦だ。こちらの手駒は少ない。基本的にアルビオンの時と同じ手で行く」
 先程高々度から撮影した城周辺のマップをディスプレイに表示する。
「だが、救出目的の公爵夫人がどこにいるかは掴めていない。突っ込んだ先の部屋にいれば、重傷では済まない。最悪蘇生不可能な状態になってしまうことも考えられる。それでは意味がない。よって」
 と、城の外郭部分を指さす。
「周辺に威嚇砲撃を加えた後、このポイントに強行着陸。俺とアニエス、クライアントの三人で乗り込む」
「ラグナロクの防御は?ジョーカーは居ないだろう」
 現在、ジョーカーはシャルロットの使い魔である風韻竜シルフィードと共に、シャルロットの友人であり現在ガリアに亡命中のツェルプストー嬢の身柄確保の為リュティスで動いている。
 そちらが済めば、今度は国境付近へひとっ飛びで、オルレアン家の使用人達の保護に二人と一頭で当たることになるだろう。
「サイファー達に頼んである。今はあいつらにとっても、ラグナロクを失う訳にはいかないからな」
 そもそも、ガリア王族の依頼を受けた事についてサイファーとマチルダはあまり快く思っては居ないようだが、先立つものが必要なのが人の生きる業である。収入についてはサイファーとスコールを通じて依存している立場上、そう強くは出られないわけだ。
「多数の襲撃が予測されるが、状況的に救出目標発見までは動き回る事になるので覚悟しておいて欲しい」
「最悪、城一つを落とす覚悟か……」
 自然と導き出される解答に顔をしかめた。なんともまぁ無茶苦茶な話だ。ハルケギニアの常識から考えれば、鼻で笑い飛ばすのが普通だろう。
 もしこれが本当に城をおとすだけで良いのなら、実は物凄く簡単だ。ラグナロクの両腕に装備された152mm多銃身レーザーで砲撃を続ければ、物理的に城が壊滅する。
 今回のミッションの難易度を上げているのは、救出対象の存在と
「クライアントはジャンクションを行っていない。その身柄の安全には細心の注意を払うように」
 ひとえにクライアントの少女の存在だった。
 何しろ助けるべき女性の顔を知らないのだから、本人の希望も加味してシャルロットを任務に同道させるしかない。しかしそれは確実に二人の負担の増大に繋がる。
 かといって、これ以上スコール達の世界の魔法技術を広めればますます厄介なことになるのは間違い有るまい。シャルロットにジャンクションはさせられないのだ。


「任務開始は日没後。それまでは休憩だ」
 この場はそれで解散。シャルロットは了解の意で一つ頷いたあと、ブリッジの昇降口から下へと降りる。

6 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/18(土) 21:00:56 ID:UowhGtvI
 降りた先の通路でちらと右を見れば、門番よろしく金髪の男がキャビンへと続く扉の前で壁にもたれていた。自分は近づかないようにと言われている部屋だ。その理由は分からないが、一々それを詮索して無駄にこの身を危険に晒すこともないだろう。
 そのまま部屋を直進して、一つ扉をくぐったあと左へ曲がり道なりに階段を下っていく。その先の第一ハンガーに、ローブを目深に被った女性が居た。
 なるだけ顔を合わせないようにしたりしているが、彼女が元トリステイン魔法学院の学院長秘書であるロングビルであるということはすでに知っていた。
 何故か誰もロングビルとは呼ばないが、きっと自分がタバサと名乗っていたように彼女にも事情があるのだろう。それを無理に詮索しようという気も、やはりシャルロットには起きなかった。
 ハンガー無いに積載されている各物資を覗いている様子からして、食事の準備中なのだろうが、そのロングビルがハンガー内を通り過ぎようとしていたシャルロットに声をかけた。
「あんた、ガリアの王族なんだってね」
「……そう」
 ただ頷くだけでなく声を出したのは、ロングビルがこちらを向かないままに声をかけていたからだ。
「大体事情は聞いてるけど、このままガリア王まで殺すつもりかい」
「だとしたら……?」
「……いや、何でもない。気にしないどくれ」
 結局、一度としてロングビルが振り返ることなく会話は終わった。シャルロットも、続く言葉がないか待ったのは二秒ほどで、すぐに自分の部屋として割り当てられた第二ハンガーへ入った。
 毛布を敷き詰めただけの寝具を整え、その上に倒れるように横になる。そういえば、自分の使い魔と傭兵の男は上手くやっているだろうかと思いながら、スリーピング・クラウドを自分に使い、仮眠に入った。


 日没後。完全に夜のとばりに包まれたアーハンブラ城の周辺に、パッと光が生まれる。
 ラグナロクの砲撃によって、瞬間的に沸騰した地面が溶岩と化して光を放っているのだ。
 異変を察知して、城の警備兵が表に出てきた。だが、もちろん彼らが光の所に行ったとて、有るのは溶岩だけだ。そして次の瞬間、彼らの耳に今まで聞いたこともないような音が響いてきた。
 耳をつんざくような、とでも言うのか。形容しがたい、甲高くてて大きな音。
 その音の出所を探ろうと必死に周囲を見回すうち、一人が空を見上げた。続けて腕も上げて指さすのに釣られて、周りの者達も空を見上げる。
 暗い夜空の中、背景の星を自分の影で黒く塗りつぶしながら、その巨体が降りてくる。甲高い咆吼と共に、体の上半分で月明かりを反射して紅く染まっているのを見せつける。その姿は、夜目の利く者には竜としか映らなかった。
 全長100メイルを越える巨竜の出現に、アーハンブラ城の僅かな兵達は皆浮き足だった。
 逃げ出す者、無駄と思いつつ弓を射かける者、ひとまず上司の指示を仰ごうと城内に退却する者、それと正面からぶつかり合ってしまう城から出てくる者、巨竜が城を襲っているとだけ聞いてもはや逃げることも適わないと立ちつくす者。
 そんな混乱の最中だったから、その竜の腹が、ラグナロクのハッチが開いて人影が飛び出してきたことに気づくのも僅か数名だけだった。
「何!?くせも……」
斬、剛、取ッ
 ライオンハートが奔り、ビスマルクが唸り、ウィンドカッターが空を切る。
 自分たちに気づいた者を速やかに排除して、突入部隊の三人は速やかに城門へと駆ける。
「チッ、何だかおかしな事になってきやがったぜ」
 遅れて現れたのは、ロングコートの金髪。自分が降りたところでタラップを収納させ、ハイペリオンを持っていない左手を掲げる。
「G.F.召喚、リヴァイアサン、大海嘯」
 ライバルから借り受けたG.F.の一柱の力を解き放ち、辺り一帯を水浸しとする。様々なモノが水圧で押し流され、場の混乱にはますます拍車がかかったが、目的はそちらではない。
 呼び出された水は、すぐさま渇いた大地に吸われていき、その濡れた地面から巨体が持ち上がる。

7 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/18(土) 21:01:55 ID:UowhGtvI
 アーハンブラ城周辺の地質は、「土くれ」と証するには水分が圧倒的に不足していた。粘土質の細かい粒子ですらも、乾ききっておりただの砂だ。
 ここから「土くれ」のゴーレムを作ろうというのならば、無駄に精神力を消耗するだろう。故にまず、G.F.の力を利用して土地に湿り気を与えたのだ。
「ちょっと水気が多いかねぇ!?」
 そう唸るマチルダ・オブ・サウスゴーダが陣取っているのはラグナロクのキャビンだ。彼女の戦法は、直接戦場に立つ必要が無いものだ。ならばティファニアの側にいてやりたいのが素直な気持ちだ。
(すまないね、テファ。こんな所にしか、居場所を用意してあげられ無いだなんて)
 時折響いてくる振動に身を竦ませる妹を抱きしめながら、マチルダは自分の不甲斐なさに歯がみしていた。


 マチルダのゴーレムの腕が振り上げられ、槌代わりに城門へ叩き付けられる。
 ぽっかりと開いた穴へ向けて、三人で駆け入りつつ、阻もうとする敵兵を切り伏せていく。
 大広間に突入したところで、大混乱の守備隊の中、一際派手な衣装でマントを羽織ったメイジらしき姿が目にとまった。何かしらの事情を知る責任者だろうか。
「アニエス!奴の足を!」
 短いやりとりだが、すぐに意図を察した相棒が背中に回していたビスマルクを構えてすぐさま一射。大腿部が血を吹くのを見て取り、自分たちの迎撃に来た雑兵の方へと注意を向ける。
「尋問は任せる!」
 スコールは直線上で行く手を阻む連中を蹴散らし、一気に距離を詰め目標としたメイジの周辺で護衛についていた連中を切り伏せた。
 足をかばってへたり込んでいたメイジから自分に向けられる杖は手ごと蹴り飛ばして、ライオンハートの切っ先をの首筋に押しつけた。
「ここに女性が捕らえられているはずだ。どこにいる」
 銃撃、斬撃、風の唸りを背後に聞きながら、端的に訪ねる。
「お、おんな!?」
「オルレアン公爵夫人だ」
 つっとライオンハートが若干引かれ、赤い血が伝う。
「っか……!し、しらん!が……4階に昨日運ばれてきた女がいる……!」
「……良いだろう。アニエス!4階だ!ドロー ファイラ!」
 ライオンハートを首から離して援護がてら相棒に声をかけるとともに、先ほど蹴り飛ばした杖を踏んでへし折っておく。
「了解だ!サンダガ!先に行け!」
 疑似魔法で開いた突破口へクライアントを先に走らせ、その少女の後から自分も続く。
 階段手前まで来たところで、カッと背中に軽い衝撃が走った。一体何かと振り向いたアニエスの目に映るのは、床に落ちた数本の矢と信じられないものをみる目のボウガンを構えた守備兵達の目。
「? ああ」
 軽鎧も付けていない背中に手を回してみると、確かに一部服が切れていて、戻ってきた手には僅かに血が付いていた。どうやら背後から矢をいかけられたが、ジャンクションの防御力で軒並み掠り傷ですんだらしい。
「う、うわぁぁぁぁああああ!?」
「ば、化け物かこの女ぁっ!?」
 一本、また一本と矢が射られるが、正面からの、しかもろくに狙いも定められていない矢は今度は当たりもしない。
「……ファイラ!」
 目くらましと脅しの意味も含めて、中クラスの炎を炸裂させ、悲鳴と絶叫を背後に階段を駆け上る。
「化け物、かっ……!」
 小さく、吐き捨てるように呟きながら。


 戦力のほとんどが一階に集中していたのか、二階からはメイドや小間使い達を見かける程度で敵対する者はいなかった。三階までは。
 四階への階段を登りきったところで、スコールは足を止めた。
「? レオンハート」

8 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/18(土) 21:02:55 ID:UowhGtvI
 立ち止まった相棒に訝しげな声をかけつつ、アニエスはクライアントの少女と共に階段を登りきった。
「どうし……敵か」
 鍔広の帽子とロングコートで身を固めた男が一人。
「ああ、アニエス。あの耳……」
「!?まさか……」
 言われて見た帽子の影の下。最近よく一緒にいる少女と同様に尖っているように見て取れる。
「エルフ……か!」
 愕然とするアニエスの目の前で、エルフはじっとスコールを見つめたまま、口を開いた。
「お前が、シードか」
『え?SeeDって……えええ!?』
「……なぜ俺のことを知っている」
「ガリアの王、ジョゼフから聞いていた。額に傷のある男、蛮族としては桁外れの強さを持った男が来るはずだ、と」
 一瞬、スコールはシャルロットへ視線を移した。が、当の少女はふるふると無言のまま首を振ってみせる。
「罠、ではないのか……?」
 顔を険しくしながら、アニエスがシャルロットとスコールを見比べる。
「いや、そうだな。それはないだろう。もしガリア王が俺たちを攻撃するのだとしてもこんな七面倒なことはしない」
 わざわざこんな辺鄙なところへおびき寄せる意味が無いのだ。もし眼前のエルフを手駒にしているのなら、他の戦力共々、最初にシャルロット達と一緒にぶつけてくる方が余程効果的だ。
「それで……どうする」
「もちろん仕掛ける」
 ライオンハートを構え直す
「エルフの強さは聞いているが、実際に確かめた訳でもない。何より、SeeDとしての意地もある。任務をそうそう簡単に放棄するわけにはいかない」
「このまま立ち去るのならば追わぬつもりだったが、所詮蛮族は蛮族か。精霊の魔法を取り戻した者だと聞いたが、その力に酔ったか……?」
 帽子の下で、スコールを見る目に侮蔑の色が宿る。
『へっ!好き放題言ってくれてるぜ!』
「行くぞ……!」
 右足を一歩下げると共にライオンハートを振り上げ、一気に距離を詰める。
 聞いたとおりの力ならば、ジャンクションを行っている身とはいえ手を抜いて勝てる相手ではない。斬檄と同時にトリガーを引き絞ろうとライオンハートを叩き付け――
「っが――!」
『う、おおおおおお!?』
「は!?」
 ガンブレード特有の炸裂音と共に、スコールの体がはじき飛ばされて、階段の下の踊り場の壁に一度激突して、落ちた。
 ビスマルクを構えて、援護の銃撃を加えようとしていたアニエスは、脇をすっ飛んでいったスコールに一瞬対処しきれず、一拍おいて後ろへ頭を向ける。
「レオン!」
 呼ばれた方は、ゆっくりと四つん這いになりながら身を起こす。
「っに……が……」
『な、何だ何だぁっ!?何が起きたんだ!?』
「驚いたな。確かに蛮族としては、桁違いの力を持っているようだ」
 スッと目を細めてエルフが呟く。
「だがそれでも、この『反射(カウンター)』は破れまい。大地の……石の精霊の力を借りたものだ。今更に精霊を頼ろうとする蛮族たちでは、ここまで力を借りることなど出来はしない」
 その言葉に気負いはなく、ただ淡々と事実だけを述べる風だ。
『ん?精霊の……力?』
「ならば試すか!?」
『あ、アニエスさん!?駄目だって!』
 素早くビスマルクを構え、トリガーを引く。
業ッ
「か……ふ……」

9 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/18(土) 21:03:55 ID:UowhGtvI
 発射された徹甲弾は、『反射』によってすぐさま弾き返され、ジャンクションの防御も徹甲弾によって貫通。腹部にそれと解る穴を開け、アニエスは崩れ落ちる。
「……これが」
 自分をモノともしていなかったはずの二人が、今度はまともに戦わせてもらえていない状況にシャルロットは息をのむ。助勢しようかと先ほどは杖を構えていたが、攻撃する意味すら感じられない。
「アニエスっ!ケアルガ!」
 後方から駆けてきたスコールが手を向けると、アニエスの傷がふさがり、流血も収まる。
「!? なんと……成る程、ジョゼフが気を向けているだけの意味はある、か……。だが……!」
 謡うような声で何事か唱えつつ、スッとエルフが手を掲げると、壁に掛かった明かりの蝋燭から火が飛び出し、それがあっという間に直径が人の身長ほどもある劫火へと膨らむ。間髪おかず、火の塊がスコールの方へと飛んできた。
 元より対メイジ戦は想定されていて、ファイガで防御済みの炎はよける必要も無しとそのままに受けて、先ほど階段下の踊り場まで吹き飛ばされたダメージを回復させる。
「なに……!?」
 蛮族を焼き尽くすはずの炎が、どころか活力へと変わっていく様を見て、今度こそエルフは驚愕を隠せなかった。
「……俺たちの攻撃は通用しないが、それはあんたも同じらしいな」
 エルフの顔が険しいモノへと変わる。
 とはいえ、これではお互いに有効打を与えられない千日手だ。
「……スコール・レオンハート、アニエス、後退を。作戦を練り直す方が良い」
 僅かに顔をしかませながら、シャルロットが提案する。
「く……だが、お前の母親はどうする」
 痛みも治まった血まみれの腹からようやく手を離しながら、アニエスが尋ねる。
「エルフが居たのは想定外……ここで死んでは元も子もなくなる」
 シャルロットの言葉に、スコールは苦い顔をする。
「諜報役のジョーカーを欠いたのが完全に裏目に出ているか……!」
 今の自分の力はジャンクションでもはや限界にまで達している。これ以上のダメージとなれば、選択肢は二つだけだ。
『あのさ、スコール。さっきから気になってたんだけど……』
 だが、そのうちの一つであるG.F.サボテンダーは、言ってみれば乱舞技だ。『針ン千本』。無数の針を叩き付けるのだから、その一発一発は極小のダメージだ。それではカウンターを突破できまい。
『おい、スコール!スコールぅ!だからぁっ……!』
 ならば残るは……と、そこまで考えたとき、あることに気づく。
「……精霊の、力……?」
『っはぁ、ここまでがんばって、ようやく伝えられたのがこれだけかよ……』
 ゼルが気疲れを起こしていたが、もちろんスコールにはそこまで感じ取れない。
「……撤退の前に、試したいことがある」
 ライオンハートを下ろし、腕を掲げる。
「愚かな。魔法も同じ事。お前達の借りられる程度の力では、また自分を傷つけるのみ」
「借り物なら、か。G.F.召喚、ブラザーズ 兄弟仁義!」
 鐘の鳴る音が響き、エルフの立つ床の周囲に亀裂が走る。
「な……!?」
 彼が反応するより速く、階下から床が持ち上げられる。そこにいたのは、牛頭人体のG.F.ブラザーズの一柱、弟セクレトだ。
 持ち上げられた床ごとエルフは放り投げられる。天井も屋根もぶち破り、あわてて穴の開いた床の縁に近づいて空を見上げるアニエスの目に、掌よりも小さく見える床の切れ端が写った。
「さぁ仕上げだ!」
 兄ミノタウロスの合図で手を引っ込める二柱。
「今日は負けないぜ!じゃーんけーん……」
 穴の下で、じゃんけんが始まった。
『ぽん』
 小柄の兄ミノタウロスがチョキ、大柄の弟セクレトがグー。が、すぐにミノタウロスの残り三本の指が開かれる。
(あ、後出しした)
 特に注視していたわけでもないアニエスにもそれははっきりと見て取れたのだが、
「よぉし、行ってこぉぉぉぉぉい!」

10 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/18(土) 21:04:56 ID:UowhGtvI
「そりゃねぇぜ兄ちゃぁぁぁぁぁん!」
 涙と共に放り投げられたのは何故か弟のセクレトだった。
 投げられたセクレトは、放物線の頂点を経て落下を開始した床に激突した。もちろんその上に乗っているエルフもろとも。
「……嫌な兄だ」
 ミノタウロスをジト目で睨みながらアニエスが呟く。
「俺も常々そう思う」
「いつもかあれは!?」
 ぽつりと呟くスコールにきっちりツッコミは入れておく。
「だがレオンハート、今までの私たちの攻撃も奴には通用していなかった。今の攻撃に意味は……」
 そこで開いた天井から多くの破片と共に襤褸屑の様になったエルフが落っこちてきて、そのまま床の穴も通過。下の階に落着する。
「……有ったようだな。何をした」
「奴のあの防御は精霊の力を借りていたと言っていたのでな。それも大地の。ならばその大地の属性の化身とも言えるブラザーズの攻撃ならば防御を無視することも出来るのではないかと推測した」
『俺が考えたんだからなー!』
 確かにスコールが思いつけたのはゼルのお陰なのだが、それを察するのはかなり難しい。
「これでダメージが通らなければ本当に切り札を切らねばならないところだった」
 ライオンハートを抜き、穴から下の階へ飛び降りる。
「っご……お、お……あぁ……今のは……」
 瓦礫をかき分け、エルフが這い出してくる。
「均衡は崩れたぞ。あんたの防御を打ち破る術は、俺たちの側に存在する」
「馬鹿な……一体、何故精霊がお前の意志の側に立つ……」
(何故、と問われてもな……)
『理由はいろいろあるよな?』
 一口には言い表せない。
「経緯は様々だが、ブラザーズは実際に俺と仲間が正面から打ち破ることで俺たちの実力を認め、味方になってくれた奴だ」
 穴の上で、ミノタウロスと着地したセクレトが肯定の意で頷く。
「力ずく、ということか」
 忌々しげにエルフが呟く。が
「それだけではないな」
 そんな言葉と共にミノタウロスが階下へと飛び降りる。
「確かに、我々がこの男と共にあるのは我々が敗れたからだ。強きに従うは自然の摂理。だがそれ以上に、この男……面白い。
 グラシャラボラス等に至っては、この男と矛を交えてすら居ない、何か恩があるわけでもないのに共にあろうとする。それは、この男がそれだけ魅力的な人間なのだとは言えないか?」
「従っているのは、あくまでも、精霊たちの意志だと……?」
「そう、我々の、な」
 ミノタウロスの言葉を受けて、しばし無言のままにエルフが立ち上がる。そして
「精霊に愛されし者か……蛮族に、このような男が居たとはな……もう私はお前達の邪魔はせん。出来るものでもない。目当ての蛮族の女はあの階の奥の部屋にいるはずだ」
 それだけ言うと、傷ついた体を引きずりながら、スコールとミノタウロスの脇を通り過ぎていく。
「情報提供、感謝する。アニエス!クライアントと共に先へ!俺もすぐに合流する」
 ブラザーズを収納しつつ、穴から上の階に向けてスコールが叫ぶ。すぐに了解の返事と共に足音が遠ざかっていった。それを確認すると、立ち去ろうとするエルフに追いつく。
「少し待て」
「トドメを刺そうと言うのなら、全力で抵抗させてもらうぞ」
「そんな事はしない。聞きたいことがあるだけだ」
 軽く首を振って否を告げ、ライオンハートも鞘に収める。
「あんたはガリア王によって、ここに派遣されてきたというようなことを言っていた。あんたのように、ガリア王が動かせるエルフは多いのか?」
 スコールの問いかけにエルフは首を振る。
「いや、私もただ政治上の取引から彼に従っているに過ぎない。私以外には、居ない」

11 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/18(土) 21:05:56 ID:UowhGtvI
 そう答えるエルフの口調にはどこか苦々しげなところがあった。人とエルフの仲の険悪さから考えれば、彼が従っているのも嫌々か。その政治上の取引とやらのためだけのようだ。
「そうか……なら、このことを教えてくれた礼だ。ケアルガ……あんた自身でも治せるだろうが、俺からの気持ちだ。受け取ってくれ」
 ボロボロになっていた体を光が包み、傷が治っていくのを見て、エルフは驚きの顔を見せる。
「何故、私を治す?私は敵だぞ」
「あんたはもう俺たちの邪魔をしないといった。それなら別に傷を治しても良いだろう。こちらも時間以外特に消耗することもない」
「……蛮族はその大半が我々を憎んでいると思ったが……これは認識を改める必要があるな」
「ハルケギニアの人間なら、そうだろうが、俺は元々この土地の人間じゃない。あんたたちへの遺恨は無い」
 スコールの言葉を受けて、エルフはしばし考え込む。
「精霊に愛されし者が住む土地……か。いつか詳しく聞きたいものだな……」
 そんな言葉を吐いて、真正面からスコールに向く。
「蛮族……いや、傭兵のSeeD、スコール・レオンハートだったか」
 本名まで話していたかと、ガリア王に苛立ちを覚えつつ、顔には出さずに頷き返す。
「私はビダーシャル。ネフテスの一員で老評議会に属す者だ。君と出会えた運命に、感謝しよう」



今回はここまで。
G.F.の属性による防壁突破は、この話が始まったときから対エルフ戦で使おうと思っていたネタです。
土着の精霊でなくても、同属性の上位精霊ならその場の精霊を従わせることは出来るのではないか、と。

そしてまとめwikiのお絵かき掲示板でイラストを描いてくださった方、本当にありがとうございました!

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 21:06:51 ID:/uJbuCKs
乙!!

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 21:30:17 ID:cCxYrf1D
乙でした。

まあ、対「反射」はFFだと色々方法は有りますわな。
普通に思いつくのは自分にリフレク⇒自分に魔法⇒反射素通りがセオリーですが、こういう攻略法も面白いですね。

次回にも期待です。

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 22:09:41 ID:Uf9S0FMX
だがそろそろデルタアタックを誰か書いてくれんものか。

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 22:13:23 ID:8oWq0XJb
乙!

バニシュ→デスorデジョンも副作用で魔法防御がゼロになる応用技だけど
裏返せば他の魔法も属性問題抜きなら効き目抜群ってことなんでしょうね
即死が一番効果的だから他で試す必要なんて基本的にないけれど
[にはバニシュ無いし
Uには敵にウォールという技があるそうですが、詳細知らんのですよなぁ
召喚されたのが]Uキャラだったらもっとエゲつない攻撃もあるわけですが

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 22:29:07 ID:9gyQFSBH
SeeD乙
矢が刺さらないアニエスさん素敵

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 22:51:03 ID:TnJrx1dM
矢が刺さらないの
矢ーね

         by林家木久扇

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 23:29:36 ID:YA4cStO1
今日は一段と冷え込むな・・・

19 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:45:58 ID:u1HNbdaz
今年も窓際に置いたビールがキンキンに冷える季節がやってまいりました
初めての皆さんは初めまして、以前からいる皆さんは超お久しぶりです

特に問題なければ50分から1年ぶりの投下、はじめたいと思います

20 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/18(土) 23:47:07 ID:xtdgbaFy
ではその20〜30分後にでも。

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 23:47:42 ID:7PRcrL52

そっかメタルヒーローだったのか、ウインスペクター以降しか見てないからわからなかった
あの頃の特撮は神だった、ビーファイターの最終回とか最高に燃えたぜ

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 23:48:15 ID:ek+E+tmI
前スレ>>732良かったな

23 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:50:19 ID:u1HNbdaz
 
「頑張るのはいいが、死んだら赤点じゃすまないぜ優等生」
「さ、サボってた奴に言われたくないわよ!」

地面に下ろされ、ようやく我に返ったらしきルイズがまず発したのは恨み言。
その声は上ずり、威厳など微塵も感じられないのだが、おそらくそれが彼女が今張ることの出来る精一杯の虚勢なのだろう。

「そりゃ悪かった」

極めて適当に謝罪しつつ、暁はゆっくりとゴーレムのほうへと向き直る。
青空の下、その威容は夜の闇の中で見せたそれとは段違いの存在感を放ちながら暁たちを見下ろしている。
こんなものに立ち向かうなど馬鹿のすることだ。そんな声が心の奥底から聞こえた気がした。

「――サボった分働いてくるから、それで勘弁してくれ」

それでも暁はゆっくりと歩を進める。そしてその顔には――笑み。
心を占めるのは歓喜と期待。そこに不安や恐怖が介在する余地も、理由もない。
かつて病気とすら評された暁の性質はただ、眼前にそびえ立つ強大な存在との対決を望んでいた。
自分より先に挑んで窮地に陥っている馬鹿を救い出すという大義名分もある。今の暁に止まる理由などありはしない。

「さて、狼の腹ん中から屈強な赤ずきんを引っ張り出す作業でも始めますかね」

そして何より、確実でこそ無いが勝算もある。
途方もなく猟奇的な笑顔とともに――暁は身にまとう『神秘の鎧』を起動した。



その鎧の第一印象は、黒いレザーアーマー。
しかし胴体から腕の先まで上半身全体を覆い、所々に装甲の追加されたシルエットはフルプレートのようで。
それでいて抱きかかえられたときに感じた触感は、鎧の大部分が革や金属ではなく麻のような繊維で編まれていると主張していた。
故にルイズからみたそれは、鎧ではなく『鎧を模した厚手の服』であり――。

『まぁ私には、ただの変な服にしか見えませんでしたけど』

思い出されるのは、道中のキュルケの言葉。
ルイズは神秘の鎧の実物を目にしたことがなく、見た目の特徴なども知らない。
そしてキュルケの話す鎧の特徴もほとんどが頭の中でかみ合わず、ただ漠然と華美な金属鎧を想像していた。
だが――暁が身にまとう鎧を見た瞬間、何かがカチリとかみ合う音がした。神秘の鎧はきっとああいう形状なのだろう、と。

『その堅さはダイヤに勝り、軽さは布にも劣らない。さらには片手でミノタウロスと切り結べるほどの力を与える』

どこまでも胡散臭く、まるで現実味など感じられない伝承を持つ学院に伝わる秘宝。
そんな得体の知れない代物を着ているにもかかわらず、暁の背中からは余裕と自信が感じられる。
まるで神秘の鎧が何物かを知っており、これを着ればゴーレムにすら勝てると言わんばかりに。

――伝承は全て真実なのかもしれない。

そんな思いがルイズの脳裏をよぎる。
伝承が真実である保証はなく、暁が着ているそれが神秘の鎧かどうかすら定かではない。
それでも、心の中で徐々に期待が膨らんでいくのをルイズは確かに感じていた。

24 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:52:06 ID:u1HNbdaz
暁がその歩みを止めたのはゴーレムから数メートル。ゴーレムの間合いの中。
自らの間合いなどとは口が裂けても言えず、ただ一方的にゴーレムの攻撃を喰らうであろう距離。
ただ立っているだけで、何か冷たいものが背筋を駆け抜ける――そんな場所に、武器すら構えることなく暁は佇んでいる。

(やっぱりでけぇな)

蟻と象と評するのは大げさすぎるとしても、暁とゴーレムの間には『大きさ』という明確な差がある。
それは純粋な戦闘力の差であり、ボーはその差を乗り越えることが出来なかった。
ならば暁も乗り越えられないと考えるのが道理。
ゆっくりと拳を振り上げるゴーレムから感じる圧力もまた、強くそう主張している。

(ボーでダメなら俺でもダメだ――ってか?)

迫る拳はまるで岩石。
そう『たかが』岩石。

「あんまり舐めんなよ、デカブツ」

強い言葉とともに暁が地を蹴る。土の拳を潜り抜け、相手の懐へと。
恐怖を感じないわけではない。恐怖を感じない人間がいるとすれば、それはただの馬鹿だ。
暁にとって、そしてボーにとっては『この程度では逃げるに値しない』というだけの話である。

「喰らいな」

打ち出したのは淡く光る両の掌。ボーと変わらない、素手による一撃。
だが――その一撃がもたらした効果は、結果は、あまりにも異なっていた。

――ドクン。

ゴーレムの体が波打つ。

――ドクン。

そして一瞬の後、まるで砂袋を裂いたかのように、腹部の土が『決壊』した。

25 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:53:17 ID:u1HNbdaz
ボー・ブランシェは土でできた胃袋の中、外を目指して必死にもがいていた。
現在の状況は完全に生き埋めのそれである。息を止めるにしても限界というものがあり、その限界はそれほど遠くない。
このままだと窒息死――そんな結末は当然ながらお断りであったものの、身体は動かすことができない。

(おのれぇえええ!こんなところで死にはせんぞぉぉおおお!!)

とりあえず気合を入れるために心の中で叫ぶ。気合だけではどうにもならないのはわかりきっていたが、
ボーとしては何とか今現在の有り余る熱情を結果に結び付けたかった。
そして再び身体に力を入れようとしたとき、ボーは違和感に気付いた。
感じるのは、周囲の全てが流れているかのような不思議な感覚。
それはかつて宿命のライバル、御神苗優の姦計に見事に嵌り、雪崩に巻き込まれた時の感覚によく似ていた。

「な――」

そして実際に、ボーの周囲の土くれは彼の身体ごと流れていた。
流れはどこへ向かっているのか。そもそも何故流れているのかまるで理解できない。
だがその状況にボーは途方もない身の危険を感じていた。
急激な、そして予想外の状況の変化に混乱しながらもボーは必死に受身の体勢を模索する。
果たして、その行動に効果はあったのか――。
ボーの身体は数メートルの落下を経て、ものの見事に背中から地面に叩きつけられた。

「ゲフッ!」

肺が溜め込んだほぼ全ての空気を吐き出す。
そして吐いた分の酸素を取り戻そうとした肺が空気と同時に大量の砂埃を吸い込み、ボーは盛大に咳き込んだ。

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 23:53:54 ID:7PRcrL52
んげ!
失礼しました。お詫びに支援。待ってました。

27 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:54:00 ID:u1HNbdaz
「大丈夫かー?」

自分を気遣うようでその実どうでもよさそうな声をボーは聞いた。
それは彼にとっての相棒、暁巌の声。
瞬間、ボーの脳裏に浮かんだのは外に出たという実感でも、相棒に対する感謝の言葉でもなく――。

「殺す気か貴様ああああああああああああああ!!」

元凶は暁であるという理解と、彼に対する怒り。

「うるせーよ。つーか助けてやったんだからまず感謝の言葉を述べやがれ。そして下がってろ、邪魔」
「私のことを露ほども気にかけていなかった男に何を感謝しろというのだ!それに邪魔とは何だ!貴様まさか一人でこのデカブツと戦うつもりか!」
「そのつもりだが?」

暁がさも当然のように、『何故そんなことをわざわざ聞くのか』とでも言いたげに発した言葉。
それを聞いてようやくボーは気付く。暁が着込む『鎧』の存在に。

「チッ、やはり神秘の鎧とは筋肉服か」
「そうだったらしいぜ」

暁が背からデルフリンガーを引き抜く。
その眼はすでにボーではなく、徐々にではあるが腹部の損傷が回復していくゴーレムへと向けられている。

「……仕方あるまい、ここは貴様に譲ってやろう」
「譲らなくていいからどいてろよ」
「何ィ!?」

二人がそれぞれの後方へと飛び退る。
直後、その場所に巨大な拳が振り下ろされ、大地を揺らした。
ゴーレムのダメージはまだ回復しきっていない。それでも、戦闘力はほとんど衰えていない様子が伺える。

――そもそも自分ではゴーレムにさしたるダメージを与えることができない。

ボー自身、それくらいのことは理解している。
だからもう一度、拳が今度は自らに向け振り下ろされんとした瞬間、彼は再度後方へと跳んだ。

――だが、今の暁はおそらくゴーレムなど問題にしない。

その行動は、ボーなりの意思表示。
そして、それとほぼ同時に――

【おいおい、てめーの相手はこっちだぜ!】

やけに楽しそうな声とともに振るわれたデルフリンガーがゴーレムの腕にめり込み、そして斬り飛ばした。

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 23:54:11 ID:xtdgbaFy
支援

29 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:54:43 ID:u1HNbdaz
「ボー!大丈夫なの!?」

間近に着地したボーのもとへルイズは駆け寄る。

「ああ、特に問題はない。心配をかけたな」

そう言って笑うボーは体中いたるところが土にまみれていた。
本当に土の中から這い出してきたような、そんな汚れ方。
だがそれを払う様子もなく、ボーは前へと向き直る。
彼の視線の先では暁がサイズ差を完全に無視し、ゴーレムと互角の戦いを繰り広げている。

「ルイズ、神秘の鎧は『学院長の旧い友人の持ち物』だったのだな?」
「え?う、うん。そう聞いてるわ」

実際のところ、ルイズは神秘の鎧について詳しいことは知らない。
だが暁がゴーレムの腹部を抉ったのも、今現在ゴーレムと真正面から斬り結べているのも、おそらくは神秘の鎧の力を得てのことだろうという予想はついた。
そして、ゴーレムをまるで砂袋のように破壊した力。
あのような効力を発揮する魔法はルイズの知る限り『錬金』しか存在しないが、
トライアングルクラスのメイジが作り出したゴーレム――サイズから言って間違いない――に影響を与えるには、
それ以上のクラスのメイジである必要があるが、そもそも暁もボーも魔法は使えない。
そして暁やボーがいくら人間離れしているといっても、ゴーレムと正面から打ち合う力など持っていないはずだ。
持っていないからこそボーはあれほどに苦戦したのだから。

「一体なんなのよ、あの鎧」
「……あれはAMスーツといってな、我々の世界に存在した代物だ」
「は?」

ルイズにとっては答えなど期待していなかった、ただの呟き。
だが、その呟きにボーが返した答えはあまりにも明確だった。

――A(アーマード)M(マッスル)スーツ。

ハルケギニアとは違う世界、地球と呼ばれる場所には、オリハルコンという名を持つ希少金属が存在する。
古代文明の遺産――オーパーツの一つに数えられるそのレアメタルは、ある奇妙な性質を持っていた。
『他の金属と合金化することによりさまざまな特性を発揮する』という性質である。
例えばチタニウムと組み合わせれば最大でセラミックの三倍もの強度を誇る極めて硬質な金属へと変貌し、
ニッケルとの合金では人間の精神波に感応する特殊な形状記憶合金へと変化する――という具合に、だ。
そしてそんなオリハルコンの特性を最大限活用し生み出された装甲強化服が存在する。
オリハルコン合金の繊維で編み上げられた表層は刃や銃弾などあらゆる攻撃を受け止めることができ、
内蔵された人工筋肉は装着者の精神作用によって身体能力を普段の30倍近くまで増幅する。
アーカムという組織によって作り出された攻防一体、最強の戦闘服――それがAMスーツである。

キュルケから前もって説明を受けた時点で、ボーにも暁にも神秘の鎧はAMスーツだろうという予感があった。
だが実際目にすると当然のように浮かぶ『何故』という疑問。
確かに可能性がないわけではないが、ボーや暁とは別口で『それ』が世界を渡る確率など、考えるのも馬鹿らしいほどに低い。

(学院長とやらに問うてみる必要がありそうだな)

もしかすれば元の世界に戻る手がかりが見つかるかもしれない。そんな淡い期待を抱きながらボーはじっと戦況を見つめ続ける。
視線の先、舞い散る砂埃の中。サイズ差などまるで関係ないかのように暁がゴーレムのを圧倒していく。

30 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:55:29 ID:u1HNbdaz
その戦いは、どうしようもなく一方的だった。
ゴーレムの繰り出す攻撃は振り抜いた拳も、振り下ろした足も、その一切が暁を捉えられない。
もっとも、それだけならば特に問題にはならなかっただろう。
実際、暁以上に素早いボー・ブランシェの攻撃は結局、ゴーレムにとって脅威にはなりえなかった。
だが暁は違う。AMスーツの補助を受けながら振るうその剣は、本来絶対的な力の象徴であるはずの土の巨人に大きなダメージを与え続ける。
既に右腕が一度、左腕が二度、そして左足が一度斬り飛ばされている。
無論斬られた箇所はすぐに再生し、何事もなかったかのようにゴーレムは戦い続ける。
だが、それを操る者の精神は確実に磨耗していく。
『土くれ』のフーケの心を徐々に蝕むの感情の名は――『不安』と『焦り』。

(冗談じゃない)

自らの力には自信を持っているとはいえ、フーケは一般的な貴族ほど平民の力を過小評価しているわけではない。
ましてや平民というだけでボーと暁を雑魚と判断するなど愚の骨頂――とすら思っている。
しかしそれでもこの戦いは、苦戦こそすれ勝てる戦いだという思いが彼女にはあった。

『彼らには決定打がない』

その感覚は決して間違ってはいない。実際、暁もボーもゴーレムに対する切り札と呼べる何かは持ち合わせてはいなかった。
だが神秘の鎧――AMスーツの存在が、フーケの予想を完璧に覆す。
元々暁が持ち合わせている素早さに、ゴーレムを破壊しうる力が加わったのだ。
こうなれば手段を失うのはフーケのほう。
本来彼女が与える側であったはずの負の感情は徐々に、そして確実に彼女を追い詰めていく。

(一体何だってんだい、あの鎧は!)

彼女は神秘の鎧の正体を知らない。
『マジックアイテムではない』そう聞いていたし、実際に固定化以外の魔法は一切使用されていないのを確認している。
しかし今現在ゴーレムに真正面から挑んでいる暁の戦いぶりを、魔法と何も関連付けずに説明することなどフーケには不可能だった。

『この鎧はマジックアイテムでもなんでもない。だから君にとってはなんら価値のない代物さ!』

それは、どうしようもなく胡散臭い笑みを顔に浮かべたある男が彼女に言った言葉。
フーケにとってただの予感でしかなかったことが、確信へと変わる。
おそらく、いや間違いなくあの男は神秘の鎧の正体を知っていた。
そして、戦いの結末を予想し――笑っていた。
たどり着く一つの結論。認めたくないが、認めざるをえない事実。

「チッ、あたしじゃあいつに勝てないって――」

恨み言を最後まで吐き出すことなく、フーケは弾かれるように後ろを振り向いた。
誰かが近づいてくる――そんな気配を感じる。
この森にいる人物は、あまりにも限られていた。
そしてこの状況で彼女に近づいてくる人物など、敵以外にありえない。
何しろ、この森にフーケの味方など一人もいないのだから。

31 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:56:11 ID:u1HNbdaz
(まだ小屋にいるのかと思ってたんだがね。そう動いてたのか)

思い浮かぶのは小屋に入ったきり姿を現さなかかった二人の少女。
『彼女たちは一体どこで、何をしているのか』
本来ならば浮かぶはずの――浮かべなければならないはずの疑問。
そんな当たり前のことが、暁の戦いぶりにかき消され浮かばなかった。

「……あたしも随分とヤキが回ったもんだ」

自嘲の笑みを浮かべながらフーケは身を翻す。
相手が自分の位置を把握しているのかどうかはわからない。しかしここに留まっていては間違いなく見つかってしまうだろう。
普段であれば既に逃げに入っていてしかるべき状況だったが、生憎と今現在のフーケには逃げられない事情がある。
ゴーレムの操作にも気を配りながら追っ手を撒く――そんな無茶な選択をする程度には、だ。

(森の中だし撒けないこともないか――ッ!)

そんな期待に似た予測は、目の前に現れた少女によって微塵に砕かれることになる。

「ラナ・デル・ウインデ」

青髪の少女の言葉とともに目の前の空気が膨張し、歪む。
現象の正体は瞬時に魔法と判断できた。だが対処は――不可能だった。
圧縮された空気の塊が、フーケを後方へと吹き飛ばす。
わずか数瞬、数メイルの飛翔の後、彼女の背中は木に激突した。
鈍い衝撃とともに視界に走るノイズ。
そして――握力の弱まった手から、杖が滑り落ちる。

(しまっ――)

戦闘中に杖を手放したメイジに訪れる結末は一つ、敗北のみ。
故に手をのばす。負けたくない、という強い意志とともに。
だがのばした手が杖に触れるよりも早く、青髪の少女の杖がフーケの鼻先へと突きつけられた。

「あら、もう終わっちゃったの?」

別方向から、赤髪の少女が現れる。その顔にはつまらなそうな表情がわかりやすく浮かんでいた。
その言葉は、普段のフーケなら悔しいと感じたのかもしれない。

「ってミス・ロングビル?何をして――もしかして、あなたがフーケだったってオチですの?」

だが今の彼女が浮かべることができた感情は、諦めと自嘲の入り混じった苦笑のみだった。

「……酷いオチで悪かったね」

32 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:56:52 ID:u1HNbdaz
「お?」

右腕を大きく振り上げたゴーレムの動きがピタリと止まる。
その姿はまるで雄々しさをテーマとした巨大な像。もっとも、少々不細工ではあったが。

【どうやらうまくいったみてーだな】
「らしいな」

気の抜けたようなデルフリンガーの言葉に頷き、暁はゆっくりと構えを解いた。
視線の先、ゴーレムの右腕が地に落ちる。次いで左腕が崩れ落ち、左足が折れる。
そして、バランスを失った巨大な体躯はぼろぼろと土をこぼしながら後方へと傾いでいき――大きな地響きとともに倒れ、砕けた。
出来上がったのはただの土くれの山。

(やれやれ、なんか随分と久々に戦った気がするぜ)

久しぶりに事後の倦怠感を感じながら首をゴキリ、ゴキリと鳴らす。
最後に命を懸け戦ったのはこの世界に来る直前、そしてこの世界に来てから経過した時間は僅か数日。
その僅かな期間が暁にはこれまでにないほどに長く感じられた。
だがそれ故に、初めて体験した強力なメイジとの戦闘に暁の心は躍った。
元の世界ではさほど触れる機会のなかった魔法という名の暴力。
当たり前のように存在するそれの質がきわめて高い、しかもおそらく――まだまだ上の力を持つ者がいる。

(少しは感謝してやるかね?)

唐突に引きずり込まれた中世ヨーロッパ程度の文明しか持たないこの世界は、きっとつまらないだろうと思っていた。
しかし今は『楽しめそうだ』と思う。
だからこそ暁は自分をこの世界に引きずり込んだ張本人――ルイズに少しだけ感謝した。
心底『自分らしくない』と思い、苦笑しながらだったが。



ゴーレムはその身を崩壊させ、ただの土の山と成り果てていた。
そして場の空気は喧騒から静寂――本来の森の姿へと変化する。
ルイズは戦闘の空気など判別できない。判別できるほどそれに触れ慣れていないのだから、当然だ。
ただ、暁とボーから力が抜けたような気がして――戦闘は終わったのだ、と悟った。

「……終わったの?」

誰に問いかけたわけでもない言葉が、自然にルイズの口からこぼれる。

「おそらくはな」

傍らのボーから、答え。
それを理解した時、ルイズは大きく息を吐いた。
含まれる感情は、安堵。

――ようやく終わった。

平民が真正面からゴーレムに挑み、そしてそれに負けじと自らも戦う事を選んだ。
当然ながらルイズにそんな経験などあるはずがなく。
彼女を支えたのは『緊張』と『高揚』。
そしてそれらは吐息とともに身体からゆっくりと抜け落ちていき――支えを失った彼女は、その場にぺたんと尻餅をついた。

「疲れた……」

もう一度、言葉とともに大きく息を吐き出す。
疲労によるものか、身体は重く、足にはうまく力が入らない。
これはしばらく立てないな、とルイズは他人事のように思った。

33 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:57:35 ID:u1HNbdaz
「こっちも終わりましたわ……ってルイズ、その恰好どうしたの?」

背後の茂みが揺れ、同時にキュルケの声。
ゆっくりと振り返れば、不思議そうな顔をしたキュルケといつもと変わらないタバサ、
そして何故か落ち込んだ様子で二人に挟まれるミス・ロングビルの姿があった。

「大丈夫よ、ちょっと疲れただけ」

――キュルケの前でいつまでも地面に座っているわけにはいかない。
そんなちっぽけながらも大事な意地とともに脚に力を込める。
入らないかと思った力は思いのほかすんなりと膝へと伝わり、ルイズはゆっくりと立ち上がった。

「ていうかあんたたち、今までどこにいたの?」

キュルケとタバサは小屋へと入り、ミス・ロングビルは小屋の裏へと回ったはずだ。
なにもせずに逃げていた、隠れていたというのが考え難い面々だっただけに――何故三人揃って森の中から出てきたのかが、ルイズは気になった。

「フーケを捕まえに行ってたのよ」

なんのことはない、とばかりにキュルケが言い放つ。
その表情から連想できるのは『成功』。
しかしそれの表情に、ルイズは疑いのまなざしを向ける。

「……で、フーケはどこにいるのよ」

フーケらしき人物を三人は連れていない。
まさか捕まえたまま放置しているのか――と考えたところで、ルイズはあることに思い至る。
まるで二人がミス・ロングビルを連行しているように見えることに、だ。

「もしかして、秘書さんがフーケだったってオチか?」

ルイズの傍らに立った暁が、思いを代弁する。

「……酷いオチで、本当に悪かったね」

がっくりとうなだれたミス・ロングビルが、まるで呪詛のように言葉を吐き出した。

34 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:58:23 ID:u1HNbdaz
「本当に、ひどいオチね」
「だから悪かったって言ってんだろ!いい加減しつこいよ!」

ため息を吐いたルイズに、ミス・ロングビル――フーケが吼える。
彼女が語った事の流れはこうだ。

学院の宝物庫に押し入り神秘の鎧を盗み出したはいいが、それはフーケの目には変わった黒い服にしか映らなかった。
何か特殊な魔法でもかけられているかと思えば、何度調べても固定化しか感知できず、
これは偽物を掴まされたかと学院に戻れば、やはり盗み出したのは本物だったと判明する。
『もしかして討伐に向かう連中ならば使い方を知っているかもしれない』と考え至った彼女は、討伐隊に同行する事を選んだ。
そして討伐隊が学生三人と平民二人だったこともあり、ものの見事に油断していた彼女は暁の戦闘力に気を取られていた隙にキュルケとタバサに捕らえられた――らしい。

「でも正直私も、アカツキが囮になると言い出したときは正気を疑いましたわ」
「アンタそんなこと言っ――…言ったんでしょうね。言うでしょうね、アンタなら」

最初は驚きだった感情が、一瞬で呆れに変わる。
付き合いこそ短いが、ルイズとて暁の人となりをある程度は理解している。
だからこそその行動が意外だとは微塵も思わない。異常なのは確かだが。

「うまくいったんだからいいだろ」

恐怖など少しも感じていなかった、と言いたげなアカツキの顔。いつも通りの表情。

「で、秘書さんよ。本当にあんたがフーケなんだな?」

それがフーケのほうへ向き直った時、少しだけ真剣なものへと変わる。

「ああ、そうだよ。私が『土くれ』のフーケさ。なんだったらもう一回ゴーレム出して見せてやろうか?」

ミス・ロングビルと名乗っていた頃とはかけ離れた、乱暴な物言いでフーケが吐き捨てる。
その言葉を聞き「ふむ」とだけ呟いた暁の顔は、何か納得していないような――そんな複雑な感情が見て取れた。

「どうかしたの?」

ミス・ロングビルがフーケだったというのは驚いたが、それは本当なのだろうとルイズは思っている。
そうでなければ、森の中に隠れて不審な行動をする理由もない。
だが、見れば暁だけでなくボーも何かを思案するような表情を浮かべている。
彼らは一体何が気になっているのか――ルイズはそれが気になり、問いかける。

「……いや、なんでもない。フーケが捕まったんなら仕事は終わりだ、戻ろうぜ」

肩をすくめ、暁が苦笑する。
確かにフーケは捕まえ、神秘の鎧を取り戻した。少なくとも他の懸案などルイズには思い浮かばない。

「そうですわね。服も汚れましたし、早く帰って着替えたいですわ」

キュルケが同意し、タバサとボーもそれに頷く。
ルイズもそれに反対する理由など、持ち合わせていない。

「じゃ、帰りましょう」

こうして、ルイズたちにとっての最初の冒険は幕を閉じる。

35 :世界最強コンビハルケギニアに立つ:2010/12/18(土) 23:59:19 ID:u1HNbdaz
【助けには行かないんですかい?】

見物を終えその場を立ち去ろうとした男に、誰かが問いかける。
男の周囲には誰もおらず、また何の気配もない。

「助けに行きたいのはやまやまだが、私のように非力な人間では無理だな。ああ、とても残念だ」

右手で頭を掻きながら、男は懐から下げたナイフを見た。

【酷い人ですね。エルフだってもう少しマシな嘘を吐きますよ】
「褒め言葉として受け取っておくよ」

カタカタと、まるで笑うようにナイフが揺れる。
まるでそのナイフと会話を交わしていたかのように男はそちらに苦笑を向け――それから後ろを振り返った。

「元気そうで何よりだよ、暁君」

少女たちとともに森の入り口へと向かう暁に、男は言葉を投げる。
そして男もまた、森の中へと消えていった。







スランプで一年、間が空きました。
台詞回しがうまく出来ない、描写もうまくできない、ていうか言葉が浮かばない。
間が空くとホント駄目ですね。
今後うまいこと感覚を取り戻せれば、と思います。

では、また。
それとラスボスの人もお久しぶりですw

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 00:17:25 ID:1oya8/pU
まっとぃたよ激しく乙

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 00:17:31 ID:YLF+wH3A
おああ、乙です!
そしてラスボスの人、だと……? 
こりゃ全裸待機しか無いな

38 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:25:54 ID:zufTyCNR
ラスボスだった使い魔って知ってるかい?
昔、あのゼロスレで粋(?)に投下してたって言うぜ。
今もスレん中は荒れ放題(じゃないといいなあ)、ボヤボヤしてると毒吐きでバッサリだ!
どっちも……どっちも! どっちも、どっちも!


世界最強コンビの方、乙でした。
うーん、いいですなあ、真正面からの戦いってのは。
私の場合は作品の性格上、どうしてもこういうのは出来にくいですし。

それでは、他にご予約の方がいなければ00:35より第50話の投下を行います。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 00:26:30 ID:j/53DLQ6
>>35


40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 00:27:44 ID:F6pnsevC
最近、いろんな人達が復活してきてくれて非常に嬉しい

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 00:30:27 ID:mW1kRV4S
>>11
SeeDの人乙!前のリヴァイアサンとかもそうだったけど、仲間になった後のG.F.の反応が見られるのって地味にいいね
本編じゃセリフなかったが、兄弟仁義の掛け合いって実際こんなんなんだろうなぁw

42 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:35:00 ID:zufTyCNR
・前回までのあらすじ

アルビオンとの戦争に行かず、学院に残ることにしたルイズ
 ↓
魔法学院がメンヌヴィルに襲撃される
 ↓
何とか撃退は出来たけど、そのせいで学院は閉鎖することに
 ↓
ルイズ、ユーゼスと一緒にヴァリエールの実家に戻る(エレオノールは別行動でアカデミーに)
 ↓
ユーゼスとカトレア、ちょっときわどい会話をする
 ↓
カトレア吐血
 ↓
なんか気まずくなる
 ↓
ユーゼスはルイズにアドバイスしてもらいつつ、ご機嫌取りにアクセサリーを作ることに

43 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:37:00 ID:zufTyCNR
 ユーゼスは、空を飛ばされていた。
 飛ば『される』。
 受け身である。
「……………」
 飛ばされながら考える。
 なぜこうなったのだろう、と。
 初めは部屋に閉じこもるカトレアの機嫌を何とかするため、その相談相手を探していただけだった。
 エレオノールは屋敷にいない。
 ルイズには既に相談済み。
 ラ・ヴァリエール公爵とは、相談ごとを持ちかけられるほど親しくもなく。
 屋敷の他の使用人もよろしくはあるまい。
 ならば最後の手段、ということでラ・ヴァリエール公爵夫人ことカリーヌに対して、
『御息女にアクセサリーを贈ろうと思うのですが、何か良いものはないでしょうか?』
 と尋ねた結果、公爵夫人は何とも形容しがたい表情となり。
 その十数秒後、
『……なまっていないか見てあげますから、外に出なさい』
 と彼女に言われて。
 言われた通りに外に出たら、完全装備のカリーヌ・デジレが登場。
 そして『烈風』と呼ばれた伝説的なメイジの苛烈な攻撃に見舞われ、現在に至る。
「……………」
 ただ相談を持ちかけただけだったのに、公爵夫人の心中では一体どのような思考が働いたのだろう。
 まあ、以前に稽古をつけていた相手の、今の実力のほどを知りたいという気持ちは分からないでもないが。
「っ」
 ズシャアッ
 ユーゼスは着地と言うには少々不恰好なやり方で、空中から地面に『滑り込む』。
 そしてそのままゴロゴロと(もちろんカリーヌとは反対の方向に)回転し、落下の衝撃を可能な限り打ち消す。
 ルイズの夏期休暇中、数えるのも馬鹿らしいほどカリーヌにこうして吹き飛ばされた結果、身につけざるを得なかった落下に対する受け身のスキルであった。
 ちなみに白衣はあらかじめ脱いであるので、汚れを気にする必要はそんなにない。
「ほう」
 一方、ユーゼスを吹き飛ばした当のカリーヌは感心したような声を上げていた。
「誰が仕上げたか知りませんが、なかなか良くまとまっています。
 取りあえず及第点はあげておきましょう」
「…………!」
 しかし、そんなことを言いつつも攻撃の手は緩めない。
 容赦もない。
 と言うか、どう控えめに捉えても夏より攻撃の激しさが増していた。
 アニエスによる訓練とメンヌヴィルとの戦闘経験がなければ、さばき切れないほどの連続攻撃だ。
「もっとも、あなた程度の技量で『まとまり過ぎて』いても困りますが……」
「!」
 言い終わると、カリーヌはいきなり物凄いスピードでユーゼスへと接近する。
 おそらく『フライ』を使い、地を這うような超低空飛行を行っているのだろう。
 そしてそんな分析をしている間にも鉄仮面の女メイジはユーゼスに肉迫し、判別が出来ないほど小声かつ早口で何かのスペルを唱え……。
 ドゴッ!!
(『エア・ハンマー』……いや『ウィンド・ブレイク』か)
 ユーゼスは吹き飛ばされつつ、自分を吹き飛ばした魔法の正体に当たりをつける。
 ……吹き飛ばされた衝撃で、手に持っているオリハルコニウムの剣は手から離れつつあった。
 こうして考える余裕があるということはカリーヌもそれなりに手加減してくれてはいるのだろうが、それでも『烈風』の攻撃をマトモに受けているのだ。
 手に持った武器を放すなと言う方に無理がある。
 ついでに言うと、武器から手を離せばガンダールヴのルーンの効果もなくなる。
 そうすると肉体強化もなくなることになり、現在受けている最中のダメージの量も増大。
 また、最近は忘れがちだがユーゼス・ゴッツォの身体能力は決して高い方とは言えず、むしろ低い方であって。
 つまり肉体のダメージ許容量も低く、『ウィンド・ブレイク』をまともに受けでもしたら簡単に許容量はオーバーしてしまう。
 それがどういうことなのか、と言うと。
「…………っ」
 許容量を超えたダメージを受けたユーゼスは、意識を失うしかないのであった。

44 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:39:00 ID:zufTyCNR
「ぐぅ……っ、ぬ……」
 痛む身体を引きずりながら、ユーゼスはラ・ヴァリエールの屋敷の廊下を歩く。
 分かっていたことだが、やはりカリーヌは強かった。
 手も足も出ないと言うほどではないにせよ、戦闘能力にはかなりの差がある。
 ……ユーゼスとしても、自分がメンヌヴィル戦ほどのテンションを発揮することさえ出来れば、もう少し良い勝負になるとは思っている。
 しかし、あんなテンションなどそう頻繁に出せるものでもない。
 感情をコントロールするなど、並大抵の人間には不可能なのである。
 もっとも、相手をしているカリーヌとて何だかんだで手加減はしてくれているはずだった。
 殺傷能力の高い『ブレイド』や『エア・スピアー』、『ウィンド・カッター』などを使わなかったことからも、それはうかがえる。
 とは言え。
 『ガンダールヴ付きのユーゼス・ゴッツォ(テンション低め)』と『それなりに手加減したカリーヌ・デジレ』では、どうひいき目に見ても後者に分があるだろう。
 まあ、お互いが能力を十全に発揮した状態で戦ったら、結果は分からないが。
(……もっとも、私が能力を『本当の意味で十全に』発揮した場合、勝つどころかマトモな戦闘にすらならんだろうがな……)
 どうにも両極端な我が身を呪いつつ、ユーゼスは自室として用意された部屋にたどり着く。
 物置部屋を簡単に改修しただけあって壁にはホウキが立てかけてあったり、ベッドの端には雑巾がかけられていたりしているが、召喚された直後のようなワラ束の寝床よりはマシだ。
 それに、若い頃は独房に押し込められていたことを思えば大したこともない。
「うっ……」
 ドサリとベッドに倒れこむユーゼス。
 身体はこれでもかというほど痛めつけられてしまったが、しかし収穫が何もない訳ではなかった。
 カリーヌから『女性へ贈るアクセサリー』についての情報を聞き出すという目的自体は、達成していたのである。
「さて……」
 痛む身体をあえて意識から外し、公爵夫人より得られた情報を整理する。
 女性へと贈るアクセサリー。
 候補として挙げられるのは、次の通りだ。
 ブレスレット。
 アンクレット。
 指輪。
 髪飾り。
 ネックレス、またはペンダント。
 ピアス、またはイヤリング。
 ブローチ。
 この内、指輪はストレート過ぎるので、またアンクレットは少々意味がややこしくなるのでやめるべき。
 ただのネックレスよりは、アクセントの入ったペンダントの方が良い。
 また、店で購入するよりは手作りの方が望ましい。
「ふむ」
 『ストレート過ぎる』とか『アンクレットの意味』とかはよく分からないが、とにかく参考にはなる。
 ではこれらを踏まえた上で、自分はどのようなアクセサリーをカトレアに贈るべきなのか。

45 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:41:00 ID:zufTyCNR
「…………無難な路線でいくか」
 ユーゼスは心の中で髪飾りとピアス、イヤリングに×を付ける。
 すでにカトレアは髪飾りをつけているし、余計なものを上乗せするのは好ましくあるまい。
 それに耳飾りというのも、カトレアのイメージにはそぐわないような気がする。あくまで個人的な印象だが。
「あとは……」
 ブローチも少々、子供っぽいだろうか。
 ……少々偏見が入っている気がするが、『自分が贈るもの』だから構うまい。
「……………」
 とにかく、これで候補は二つに絞られた。
 ブレスレットとペンダント。
 ユーゼスはしばしの間、どちらにしようかと黙考し……。
「よし」
 カトレアに贈るものを決めると、次の段階へと入る。
 購入するか、作成するか。
 手作りの方が望ましいとは言うものの、ユーゼスは『錬金』の魔法は使えないし、金属加工の技術なども持ち合わせていない。
 ならばどこかで買うしかないのか……と考えるが、そこでふとあることを思い出した。
「オリハルコニウムが余っていたな」
 以前に剣を作ったとき、余ったオリハルコニウムを『後で使えるかも知れない』という理由で異空間に仕舞っておいたのだ。
 ……どうせこのままでは使い道もないだろうし、いっそのこと、ここで使うのも悪くはない。
 問題は加工方法だが、
「―――剣を作るのも、アクセサリーを作るのも大差はあるまい」
 この際、因果律を操作して作ってしまおう。
 その程度の芸当は造作もないことであるし、その行為が『世界』に対して多大な影響を及ぼすとも考えにくい。
「では……」
 ユーゼスはナノチップとして脳内に埋め込んである、クロスゲート・パラダイム・システムを起動する。
 そして『自分の空間』に仕舞ったままのオリハルコニウムのインゴッドを取り出し、目当てのアクセサリーへと加工を開始した。
 大き過ぎず、小さ過ぎず。
 デザインは……取りあえず派手過ぎず。
「……………」
 出来た。
 さて、あとはこれをカトレアに渡すだけだ。
 渡すだけなのだが……。
「…………どうやって渡す?」
 部屋に閉じこもってしまっているカトレアへの接触。
 この問題をクリアしないことには、プレゼントを渡すどころかマトモな話すら出来ないということに今更ながら気付いた。
「ええい……」
 思わずイラついた声をあげるユーゼス。
 そうして更に悩んだ末、彼は―――

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 00:42:37 ID:KBARWo/Q
支援するぜ。ヒャッハー!

47 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:43:00 ID:zufTyCNR
 一方、ユーゼス・ゴッツォを悩ませている女性、カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌは。
「…………ぅぅ」
 ベッドに伏しながら、激しく落ち込んでいた。
 理由はもちろん、先日の吐血である。
「うぅぅ……」
 吐血すること自体はカトレアにとって、別に珍しいことではない。
 慣れていると言ってもいいだろう。
 子供の頃など、夜に眠っている間に少し吐血して呼吸困難になりかけたほどだ。
 だが。
 この『口から血を吐く』という光景は……控えめに言っても、見苦しい。
 少なくとも自分にとってはそうだ。
 そんな見苦しい様を、意中の男性に見られてしまった。
 ……いや、見られただけならまだしも、その内情まで看破されてしまった。本心までは分かっていないようだったが。
 そんなことがあったので、カトレアの女心は深く傷付いてしまっていたのである。
「……………」
 ユーゼスは自分が血を吐く光景を見ようとも大して気にはしていない様子だったし、『気にするな』という旨の発言をしていた。
 おそらく、本当に気にしていないのだろう。
 しかし。
 たとえユーゼスが気にしていなくても、自分は物凄く気にしてしまうのだ。
 彼の前では、清く美しく……とまではいかないまでも、せめてあんな姿は見せたくなかった。
 そして、そんな自分の気持ちを理解してくれないユーゼスのことがちょっぴり恨めしく、でもそんなユーゼスだから惹かれたとも言えるわけで。
「はぅ……」
 今の自分の心境を上手く表現することは難しいのだが……何だろう、こう、例えば自分の心が一件の屋敷だったとするとだ。
 その屋敷の中核に近い部屋に、ある日突然、銀髪の男が住み着いてしまった。
 別にそれ自体は構わないし、他にも住人は色々いる。
 だけれども、ちょっと事情があって、その男には一時的にでも屋敷から出て行ってもらわなくてはならなくなった。
 屋敷の主であるところの自分は、何とかして銀髪の男を屋敷の外に出そうとするのだが……。
 これがもう、全然出て行ってくれない。
 いや、出て行かせる立場のはずの自分が、立ち退きを要請しきれないと言うか。
 むしろ自分は、この男を出て行かせる気なんて全くないのでは?
 そんな感じである。
「―――……ぅう」
 何だかさっきから『うう』とかしか言ってない気がするが、この部屋には自分しかいないので特に問題はない。
 いや、自分しかいないと言うのは間違いか。
 この部屋には自分の他に、たくさんの動物たちがいるのだ。
 そう、今も少し耳をすませば、彼らの息遣いや鳴き声が聞こえてくる。
 わんわん。
 にゃーにゃー。
 ぐるるんっ。
 ちちちっ、ぴぴぴぴっ。
 がうがう。
 うおっ!? くっ……ぬぅっ!!
「?」
 今、動物たちの声に混じって、誰かの声が聞こえたような。
 その声は今世界で一番聞きなくなくて、同時に世界で一番聞きたい声だったような。
「…………?」
 気になったので、その声のした方向に振り向いてみる。
 もしかしたら賊が侵入してきたのかも知れないので、手には杖を持っておくのも忘れない。
 そしてカトレアなりに警戒しつつ、おそるおそる振り向いてみれば……。
「このっ……ええい、やめろ、のしかかってくるな!」
 ユーゼス・ゴッツォが、カトレアの飼っている数々の動物たちとたわむれていた。
 ……もっとも見ようによっては、様々な種類の動物たちの群れに、一方的に襲撃されているようにも映ったが。

48 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:45:00 ID:zufTyCNR
「……………」
 呆然とするカトレア。
 目の前で展開されている光景と思考が追い付かない。
 取りあえずカトレアが思いついたことは、
(―――ユーゼスさんは、どうやってこの部屋に入ってきたのかしら?)
 こんなことだった。
 ……いくら今のカトレアが落ち込んでいるとは言え、扉を開けて部屋に入ってくる人間に気付かないほど注意力散漫ではない。
 と言うか、この部屋には鍵をかけていたはず。
 万一にでも侵入者が来た時のことを考慮した、『アンロック』も効かない特別製の鍵。
 そんな鍵がユーゼスに開けられるとは思えない。
 力づくで入ってきた形跡も見られないし、だとしたらどんな手段を使ってこの閉ざされた部屋に現れたというのか。
 壁の外側から内側までの距離も障害物も無視して、部屋の中にいきなり出現した―――とかいうのであれば話は別だけれど、そんなことはどんな系統の魔法でも不可能だ。
 ……いや、確か、ある地点とある地点とを結ぶマジックアイテムが存在すると聞いたことはあるような気がするが、少なくともこの部屋にそんなものは存在しない。
「―――――」
 だが、そんなことは些細な問題だ。
 ちっとも些細じゃない気もするが、とにかく一番重要なことはそれではない。
 ここで重要なのは……。
「……どうしてここにいるんですか、ユーゼスさん?」
 そう、これだ。
 『どうやって』よりも『どうして』。
 ここに、カトレアの部屋に彼が来た理由。
 それが知りたい。
「…………それを答えるのは構わんが、その前にこの動物たちを退かしてもらいないだろうか」
「あら」
 言われてあらためて気付いたが、ユーゼスは多くの動物たちにのしかかられている。
 これではマトモに話も出来まい。
 いつもはこの動物たちが昼寝をしている時間に診察をしているので、あまり意識することはなかったのだが。
「ほらほら。お客さまが来て嬉しいのは分かるけれど、あんまりじゃれつき過ぎちゃダメよ」
 カトレアにそう言われて、ユーゼスにまとわりついていた動物たちは次々に離れていく。
 後に残されたのは、少々身なりが乱れた銀髪の男だけだ。
「大丈夫ですか?」
「うむ。怪獣と格闘をしている時のウルトラマンの気持ちが少し分かった気がする」
「はい?」
 こんな風に、たまによく分からないことを言うのは彼の癖なのだろうか。
 まあ、それはそれとして。
「……さっきの私の質問に、答えてほしいんですけれど」
「分かった」
 ユーゼスは少々よろめきながら身体を起こすと、乱れた髪や白衣を手で軽く直し、カトレアの正面に立つ。
 そして。
「これだ」
 懐から銀色に光るブレスレットを取り出し、カトレアの前に差し出した。
(……きれい)
 そのブレスレットを見た、カトレアの素直な感想である。
 神秘的な印象すら受けるその輝き。
 そして、巧みさは感じられないものの丁寧さを感じさせるデザイン。
 外の世界を知らないカトレアにはよく分からないが、まともに買ったらそれなりの値段はするだろう。
 とは言うものの……。
「それがどうかしたんですか?」
 『このブレスレットが自分の部屋に来た理由だ』と言われても、いまいちピンとこない。
 ユーゼスの性格からして、買ったものを見せびらかしに来たというわけでもないだろう。
 一体何なのかしら……などと考えていると。
「……これをお前に渡しに来た」
「え?」
 ユーゼスの口から、とんでもない言葉が発せられた。
「こういうことは初めてなのでな。渡し方に何か間違いがあったらすまないのだが」
「……………」

49 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:47:00 ID:zufTyCNR
 何が何だか分からなくなる。
 自分に用事があるのだろう、とは思っていた。
 この部屋にいるのは、自分の他には動物たちだけ。
 ユーゼスが動物たちに用事があるわけはないから、カトレアに対して何らかの用事があるのは自明の理だ。
 けれど。
 だからって。
 いえ。
 ちょっと待って。
 これって。
 つまり。
 いわゆる。
 ―――その、殿方からの贈り物、というやつではなかろうか。
「…………え、ええ!?」
 たっぷり間をおいた後、驚くカトレア。
 どちらかと言うとおっとりしているカトレアの性格上、こうやって『声をあげてまで驚く』という行為はかなり珍しかった。
「それほど驚くほどのことか?」
「あ……い、いえ、ごめんなさい。その、ちょっと予想してなかったものですから」
「そういうものか」
 いくつかのパーツで構成されているブレスレットから、チャラ、と金属音が響く。
 そう言えば、ユーゼスの手はブレスレットをカトレアに差し出したままだ。
 いつまでもこのままにしてはおけない。
「…………っ」
 おずおずと自分も手を伸ばし、ブレスレットに触れようとするカトレア。
 ……何だか緊張する。
 そしてチラリとユーゼスの顔を見てみれば、やっぱり全然緊張していないように見えた。
(もう……)
 そんな彼の態度にやきもきしてくる。
 まあ、分かってはいるのだ。
 彼自身は、その……『そういう意図』を込めたのではない、ということくらいは。
 でも、父以外の男性からこうやってプレゼントを贈られるなんて、初めてだし。
 どうやったのかはよく分からないけれど、ユーゼスさんは『私のために』ここに来てくれたんだし。
 だから、ちょっと動揺とか逡巡とかがあったって、仕方がないのだ。
 と、そんな風にカトレアは自分自身に言いわけしていた。
「…………あら?」
 いや、ちょっと待って。
 さっきユーゼスさんは『こういうことは初めて』って言ってたわ。
 つまりこうやってプレゼントを渡したのは、私が最初。
 ……私が、初めて。
 誰よりも先に。
 ―――エレオノール姉さまよりも、先に。
 この私が。
 ユーゼスさんの、初めての―――
「…………む」
 そんなカトレアの内心の複雑な動きをユーゼスは曲解したらしく、差し出したブレスレットを取り下げ、
「気に入らなかったか? それなら別の」
「い、いいえ、とっても気に入りましたっ。ですから、ユーゼスさんの初めてのプレゼントはありがたく貰っておきますっ」
 ……ようとしたところでカトレアに慌てて引き止められ、少々強引に受け取りが完了する。
「うむ」
 ユーゼスはカトレアにしては積極的な行為に少々驚きつつ、受け渡しが済んだことに満足したようだった。

50 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:49:00 ID:zufTyCNR
「よいしょ、と」
 カトレアは早速ブレスレットを左手首に装着し、ユーゼスに見せるようにその手を軽く掲げる。
「ありがとうございます、ユーゼスさん。大事にしますね」
「ああ、そうしてくれれば私も作った甲斐がある」
「……え、これってユーゼスさんが自分で作ったんですか?」
「そうだ」
「まあ」
 てっきりトリスタニアあたりで買って来たとか、そうでなくてもどこかの職人に依頼したと思ったのに、意外な製造元である。
 しかし……そう考えると、何だかこのブレスレットがとても特別なものに思えてきた。
「ユーゼスさんの手作り、かぁ……」
「『手』で作ったわけではないがな」
 そんな呟きも耳には入らず、カトレアは左手首のブレスレットをチャラチャラといじったり、色んな角度から見たりする。
 その顔は夢中になっていると言うか、『にへらー』としていると言うか、うっとりと言うか、とにかくそんな感じに緩んでいた。
「うふふ……ユーゼスさんから、初めて……もらっちゃったぁ……」


 一方、カトレアを恍惚とさせた張本人であるユーゼス・ゴッツォはと言うと。
(ふぅむ……何気なく作ったものだと言うのに、あれほど機嫌がよくなるとは……)
 ラ・ヴァリエール家次女のこんな恍惚っぷりを見て。
(……成程。このようなプレゼントは、女性に喜ばれるものなのだな)
 余計な知恵をつけていたのであった。

51 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 00:50:59 ID:zufTyCNR
 ほへー、とギーシュは夜空を見上げる。
 そしてその数秒後、まるで暗幕を引いたかのような真っ暗な空に、色鮮やかな光の花が咲き乱れた。
 降臨祭を盛り上げるための一環として、花火が打ち上げられたのだ。
 ともすれば大砲の音を思わせる打ち上げ音ではあったが、そんな不吉なイメージは脳裏から排除している。
 せっかくの降臨祭なのだし、陰気な考えはやめておくべきだろう。
「おぉ……」
 ギーシュはトリステイン以外の国で降臨祭を迎えるのは初めてだったが、このアルビオンでの降臨祭もそう悪いものではなかった。
 いや、まあ、今が戦時中でなくて、兵隊が寝泊りするテントだの天幕だのが視界のあっちこっちに見えなければもっと良かったのだが、この際ぜいたくは言うまい。
 それに、どうせなら寂しいのよりは賑やかな方がいいし。
 『物凄い数の兵隊が駐屯している』という商売の匂いを嗅ぎつけてきた商人たちのおかげで、このシティオブサウスゴータ全体にも活気はかなりあるし。
 それでなくても年に一度のお祭り、降臨祭なのだ。
 盛り上がりもひとしお、というわけである。
「ほぅ……」
 煙のような白い息を吐いて、あたりを見渡すギーシュ。
 街にはチラチラと雪が降リ始めたため、夜空の花火と合わせて幻想的な光景を作り出している。
 そうでなくとも、この街は景観が白い。
 シティオブサウスゴータが語られる際には前置きとして必ずと言っていいほど『古都』という表現が使われるが、しかし街並み自体はそれほど古くもなかった。
 石造りの建築物には、特に傷や亀裂などは見当たらない。
 聞いた話では数千年前に『固定化』の魔法がかけられたそうだが……まあ、本当に数千年かどうかはこの際、どうでもいいことだ。
 とにかく今のこの街は、景観としてはほとんど最高と言っていい。
 最高の景観。
 お世辞でも何でもなく、素直にギーシュはそう思っていた。
 この戦争に行って記憶に残ったことは何だったと聞かれたら、五番目くらいまでには思い出せそうなほどに印象深い。
「……………」
 だと言うのに。
 この最高の景観を、たった一人で寂しく楽しまなければならないとは、一体どういうことなのだろうか。
 女の子を口説くには、最高のロケーションではないか。
「いや、軍曹あたりと男同士で過ごすよりはマシなような気はするけど……」
 ちなみに今、ギーシュは単独行動中であった。
 『降臨祭の期間』というのはある意味で自由に過ごせる期間みたいなものなので、ちょっと大隊を離れてギーシュなりに羽根を伸ばしているのだ。
 なお、大隊を挙げてのどんちゃん騒ぎは降臨祭の初日に済ませてある。
「でも、せっかくだったら……こう……女の子と一緒にさ。花火や雪を眺めながらさ。肩に手でも回してさ……」
 景色は綺麗。
 ムードは満点。
 周りは賑やかだけど、少し探せば二人きりになれる場所なんて、いくらでもありそう。
 ちょっとしたプレゼントを買う店なんて、それこそ売るほどある。
「くっ……」
 こんな絶好の機会を生かすことが出来ないとは、何とも口惜しい。
 くそう。
 貴族の女の子でも見かければすぐにでも声をかけるんだけど―――とも思うが、こんな戦場一歩手前の場所にそんな女の子がいるわけがない。
 平民の女の子を手当たり次第、なんて暴挙に及ぶほど落ちぶれてもいない。
 って言うか、数日後には死地に向かうような一行の中に『すぐに声をかけられるくらいの頻度』で『貴族の女の子』が見かけられる状態というのは、よく考えればかなりの大問題である。
 いくら何でも、我がトリステインはそこまで人材が枯渇してはいないはずだ。
 ユーゼスあたりだったら『戦力として使えるのならそうするべきだ』とか言いそうだし、実際いくつかの事件ではそうしていた(と言うかその場に女の子しかいなかった)が、トリステイン……いやハルケギニアの貴族は普通、そんな考えは持たない。

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 00:57:42 ID:JGjVfhh7
ふうん

53 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 01:00:05 ID:zufTyCNR
 だって戦争だ。
 ギーシュ自身もこの身で体験したから分かるが、アレは女の子が触れていいモノではない。
 少なくとも、自分の恋人であるモンモランシーには絶対に触れて欲しくない。
「……あ〜……、そういうわけか」
 自分たち学生士官を登用する際に『戦には反対』だという意見とは別に、『学生を使う』という件そのものに関して一部の貴族から猛反発があったらしいが、これはこういう心理が働いたのだろう。
 今なら分かる気がする。
 手塩にかけて育てた自分の子供が、それこそ子供扱いされるような年齢だと言うのに、殺し殺されが日常になっているような場所に行かされる。
 そりゃ嫌だ。
 貴族なんだから、お国の一大事とあらば身を粉にして滅私奉公する覚悟くらいはしているのだろうが……『まだ成人もしていない子供まで殺し合いに参加させろ』とか言われれば反発する者だって出てくるはず。
「って、あれ?」
 そこまで考えて、ギーシュはあることに思い至った。
 猛反発する一部の貴族。
 その『一部』とやらがどれくらいの規模を指すのかはよく分からないけれども、自分のようなぺーぺーの学生士官の耳にまで入ってくるような情報なのだから、少なくとも無視の出来る数ではないだろう。
 戦争反対派の貴族にしてもそうだ。
 多額の税金だか免除金だかを収めれば戦争参加は回避が出来るらしいが、悲しいかな大半の貴族はそんなに金持ちでもない。
 他でもないグラモン家がそうだし。
 そして学生士官については、一応『志願』という形を取ってはいるものの、実際にはほとんど徴兵に近い。
 内心や内情はともかく、自分のところの息子が戦に参加してないとなれば他の貴族から、そして何より王宮からどんな目で見られるのか予想はつく。
「……………」
 つまり学生士官の登用は……いや、このアルビオンとの戦そのものが、決して少なくない数のトリステイン貴族の反対を無理矢理に押し切って進めたという……。
「……嫌なことを考えてしまった」
 降臨祭の盛り上がりと反比例するかのように、ギーシュのテンションは下降気味になる。
 今の王宮と言うか、トリステインの後ろ暗い部分に触れてしまったような気分だ。
「って言うか、僕なんかがアレコレ考えたところで、どうにもならない問題なんだろうけど」
 ……それにしても、自分はこんなにアレコレ考えるようなヤツだっただろうか。
「いや……これはアレか、ユーゼスとか軍曹とかの影響だな」
 戦争直前までそれなりに親しくしていたユーゼスの影響で『考える』という行為そのものがクセとなり、戦争が始まって自分の副官になったニコラの影響で『それなりに客観的な思考』がクセになりつつある。
 こんな風に軽く自己分析が出来ること自体、その証拠だろう。
「何だかなぁ……」
 この変化は喜ぶべきなのかどうか。
 よく分からないが……しかしそれこそ、考えてもどうにもなるまい。
 そんなに劇的な変化ってわけでもないし。
 自分でも意識しなけりゃ分からない程度の変化だし。
「ま、いっか」
 ギーシュはアッサリと思考を切り替えて、夜空をいろどる打ち上げ花火と、降り続ける雪、そして白い街並みのコントラストを観賞する。
 その胸元では、先の戦いの功績を誇示するかのように首から下げられた勲章が、花火の光を反射して輝いていた。

54 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 01:02:00 ID:zufTyCNR
「飽きた」
 1500万人というハルケギニア最大の人口を誇る大国にして、魔法先進国でもあるガリア王国。
 その国の最高権力者であるジョゼフ一世は、自室の椅子に腰掛けながら呟いた。
「ふむ」
 そんなジョゼフの話相手であるブレイン卿は、大して関心もなさそうに応じる。
「飽きたと言うのは、アルビオンのことかの?」
「そうだよ。……俺としては今回の戦の勝敗についてはどうでもいいんだが、まさかここまで長引くとは思っていなかった。
 いいか、あのクロムウェルとかいう坊主をそそのかしてから、もうそろそろ三年になろうかというのだぞ? だと言うのに、いつまでもダラダラと無駄に小競り合いが続くばかり。そんなことをするくらいならパーッと散れと言うのだ、まったく」
「戦争とはそういうものじゃろうに」
「分かっておらんなぁ闇黒の叡智。ここで重要なのはな、何よりも『俺がつまらん』ということだ」
「……………」
 無表情かつ無感情、そして無機質にジョゼフを見るブレイン卿。
 そんな視線をまるで気にした風もなく、ガリア国王は老人の姿をした『別のモノ』に告げる。
「しかしだ。今回の脚本を書いた人間の一人としては、飽きたからと言ってハイそうですかと放っておくわけにもいかん。それは責任の放棄というものだからな」
「……………」
「ならば、幕引きはせいぜい派手に演出してやろうと思う。そこで……」
 バサリと地図を取り出し、机の上に広げるジョゼフ。
 その地図には、現在トリステイン・ゲルマニア連合軍が駐留しているサウスゴータ地方の地形や、古都シティオブサウスゴータの位置情報などが詳細に記載されていた。
 ジョゼフはその中の一点を指差し、少し弾んだ声でブレイン卿に指示を出す。
「お前があの傀儡を使って入手したという『アンドバリ』の指輪の雫を、この地点にあるという井戸に流し込んで欲しい」
「……効果範囲は?」
「シティオブサウスゴータのおおよそ三分の一くらいか。もっとも、事前に調べさせた水脈の規模や、井戸とシティの位置関係から割り出した俺の概算に過ぎんが」
「実際に与える影響は」
「ふぅむ、こればっかりは実際に試さんことにはな……まあ、話によるとあのクロムウェルの血がたっぷり入っているそうだから、少なくともアレの言いなりにはなるのではないか?」
「……………」
 ブレイン卿は感情の見えない顔のまま沈黙する。
 そしてきっかり10秒後、
「いいじゃろう。デブデダビデを使ってそのように仕向ける」
 ごくごく平淡な口調で、ジョゼフに指示に従うことを了承した。
「うむ」
 ジョゼフはそれに満足そうにうなずくと、そのままブレイン卿に向かって告げた。
「では、俺はこれから『作戦会議』をしなければならんのでな。悪いが外してくれるか」
「……一人で行うことを『会議』とは言わんじゃろう」
「お前とやり取りをしても味気ないんだよ、チェスでも何でも常に無難で『負けない』指し方をしおってからに。……最初の内は面白かったが、腹の探り合いやら考えの読み合いやらの“手ごたえの無さ”に気付くと、恐ろしくつまらん。一人でやった方がまだマシだ」
「そうか」
 召喚主の言葉について肯定も否定もせず、そのまま部屋を出て行く老人。
 ジョゼフはそれを見送るなどということはせず、すぐに部屋の奥、自分の遊興のためのスペースへと向かっていった。
「さあて」
 うむむむ、と首をひねって考え込むジョゼフ。
 目の前に広がるのは、ざっと10メイルはある巨大な箱庭である。
 よく観察してみれば、それがハルケギニアの地図をかたどった大規模な模型であると気付くだろう。
「……………」
 青みがかった髪と髭の美丈夫は、その箱庭の脇においてあった二個のサイコロをおもむろに手に取り……。
「陛下……、陛下!」
「ん?」
 そのまま適当に放り投げようとしたところで、止める。
 部屋を仕切る分厚いカーテンの向こうから、貴婦人の声が聞こえてきたのだ。
「お探しのものを見つけて参りましたわ!」
「おお!!」

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 01:04:31 ID:SoJBmdAY
>今回の脚本を書いた人間の一人としては、飽きたからと言ってハイそうですかと放っておくわけにもいかん。それは責任の放棄というものだからな

責任を取る政治家ってかっこいいですよねー(棒
支援

56 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 01:05:00 ID:zufTyCNR
 貴婦人の言葉を耳に入れた瞬間、ジョゼフは自分から分厚いカーテンを開き、部屋の入り口まで小走りに向かっていく。
 そこには貴族然とした美しい女性がニコニコと笑みを浮かべながら立っており、彼女はその手に持った20サントほどの箱をジョゼフに差し出した。
「モリエール夫人! モリエール夫人! あなたは私の最大の理解者だ!!」
「彼を陛下の軍勢に加えてくださいまし」
「うむ!」
 ガリア王はまるで子供のようにはしゃぎながら、モリエール夫人から受け取った箱を開けていく。
 そして箱の中身を確認すると、更に喜色を強くした。
「これは! これは前カーペー時代の重装魔法騎士ではないか! このような逸品を! あなたは素晴らしい人だ、モリエール夫人!!」
 二十サントほどの錫で出来た人形を持ち、眺めながら大喜びするジョゼフ。
 彼はひとしきり喜んだあと、上機嫌なままでモリエール夫人の手をとって先程まで自分がいた遊興のためのスペースへと彼女を案内した。
「さあさあ、これをご覧になって欲しい! 私の『世界(ハルケギニア)』だ!!」
「まあ! 綺麗な箱庭でございますこと! 素晴らしいわ!」
「国中の細工師を呼んで作らせたのだ! 完成までに一ヶ月もかかった!」
「今度は模型遊びでございますの? あの『お知り合い』との将棋遊びにもお飽きになられたのですか?」
 ジョゼフはブレイン卿のことを、対外的には『知り合い』ということで通していた。
 ……普通ならば、このようにして王に取り入った人間はまず間違いなく怪しまれるところである。
 だが、そうならない理由が二つほどあった。
 一つは、どうせ『無能王』のいつもの気まぐれだという見方が大半であること。
 そしてもう一つは、その老人本人が王の相手をする以外は、王宮内の見られても全く問題ない区画をウロウロするくらいで、本当に特に何もしないことである。
 その二つの理由でもって、ブレイン卿は基本的には放置されていた。
 なお、モリエール夫人も一時はジョゼフとブレイン卿の関係について『邪推』していた。
 そしてまさかと思いつつも内偵を放って監視をしたところ、本当にジョゼフとは適当な遊びをするか、何かよく分からない話をするかだけで、何だか妙な期待外れ感を味わったりもしている。
 ともあれモリエール夫人としては、あの老人は『どうでもいい人』に分類されているのだ。
 閑話休題。
「いやいや、これについては一人でやっている」
「まあ、また一人将棋に逆戻りですの? ……お尋ねしてよろしいかしら?」
「ん?」
「私、いつも不思議に思っておりましたの。どこが楽しいのかしらって」
「どうしてだね?」
「だって、敵の手まで指すことはありませんわ。敵の駒も味方の駒もご自分で動かして、何が楽しいのですか?」
「……悲しいことに、余の相手になるほどの指し手はどこにもおらぬのだ」
 苦笑するモリエール夫人。
 一方のジョゼフは、かつてたった一人だけいた『自分の相手になるほどの指し手』に思いを馳せる。
 ……だがそれを一瞬で打ち切ると、目の前の貴婦人に対して自説を披露し始めた。
「将棋と言うのは、突き詰めれば定石の応酬でな。ある一定のパターンをなぞることに終始してしまう。だが、余の考えたこの遊びは違うのだ!」
 ジョゼフは『自分が考えた遊び』について説明を始めた。
 曰く―――
 現実と同じような地形……丘、山、川、地形の起伏、都市や村、およびそこにある建築物までを可能な限り再現した箱庭を作り、その上で駒を動かす。
 駒については、槍兵、弓兵、銃兵、騎士、竜騎士、砲兵、砲亀兵、軍艦……と、実際の軍備を模したものを使う。
 駒の勝敗は、サイコロを振って決める。
 そのような不確定要素を使用することによって、結果に『揺らぎ』が生じる。
 すると、実際の戦を指揮しているような面白味が生まれる。
 ―――取りあえずの概要は、こんなところだ。

57 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 01:07:00 ID:zufTyCNR
「では私も、陛下の親衛隊に加えてくださいまし」
 ガリア王が語った『遊び』の面白さを理解しているのかいないのか、モリエール夫人がニコニコと微笑みながらそんなことを言ってくる。
 愛人のそんな要望に対して、王は快く受け入れた。
「喜んで。貴女を花壇騎士団の団長にしてあげよう。ほら、このように貴女は騎士だってちゃんと持っているんだから」
「まあ! 栄誉あるガリア花壇騎士にしてくださいますの? 私、みんなから妬まれてしまうわ!」
 モリエール夫人が持って来た騎士人形に口付けし、箱庭の上に置くジョゼフ。
 ……ちなみにこの時、ジョゼフは冗談などを一切抜きにして、本気でモリエール夫人を花壇騎士団の団長に任命することに決めていた。
「世界一美しい騎士団長の誕生に乾杯!!」
 そばにあったグラスを持ち、自分でワインを注いでモリエール夫人に手渡すジョゼフ。
 更に自分のグラスにもワインを注ぐと、それをモリエール夫人と同じタイミングで飲み始める。
「この箱庭遊びも、陛下がお一人で敵と味方を兼ねておられるのですか?」
「当然だよ」
 ワインをあおりながら、再びジョゼフは語った。
「言っただろう? このハルケギニアに、余ほどの指し手はおらぬと。自分で作戦を―――巧妙で緻密な作戦を立て、それをこうして自分で受ける。勝ち誇る己を、己の手で粉砕する。……言うならば、余はこの箱庭を舞台に芝居を演出する、劇作家と言ったところか」
「まあ、この箱庭は本当に精密でございますね」
 箱庭の至るところに立っている兵隊の人形を眺めながら、モリエール夫人が尋ねる。
「ここでどんなドラマが繰り広げられておりますの? 私に説明してくださいまし」
「うむ」
 ジョゼフは城壁に囲まれた都市を指差し、説明を始める。
「現在『青軍』がこの都市を占領したばかりだ。……そして、こちらの都市にこもった『赤軍』と睨み合っている。もっとも、今は降臨祭なので停戦しているがね」
 次に、大きな建物の模型が並んでいる都市を指差す。
「さてさて、ここからが面白い。『青軍』は勝利に酔っている! その隙にこちらの『赤軍』はとんでもない“切り札”を使い、逆転するのだ!!」
「では、この戦はこちらの……『赤軍』が勝ちますの?」
「それが……実は、最終的な勝敗は決めていなくてなあ」
 困ったような顔を見せるジョゼフ。
「逆転劇を拝見したら、この対局を終わらせることは決めているのだが、どっちを勝たせるかとなると……おお、そうだ!」
 ジョゼフはパッと華やいだ表情になると、モリエール夫人にサイコロを二つ手渡す。
「これは?」
「せっかくだ、モリエール夫人。この戦の勝敗は、あなたに決めてもらいたい」
「あら、責任重大ですこと!」
「なあに、そう難しいことではない。この二つのサイを振るだけだよ」
「そうですか? では……」
 笑みを浮かべたままで二個のサイコロを振るモリエール夫人。
 そうして出た目を見て、ジョゼフは大げさに声を上げた。
「おお、七か! 微妙な数字だ! さすが、余が目をつけた女性なだけはある!!」
「うふふ」
「ええと……この場合は……、……よし」

58 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 01:09:05 ID:zufTyCNR
 アゴに手を当てて考え込んだ後、ジョゼフは厚いカーテンの向こうに控えていた男(部屋の構造上、モリエール夫人が入って来る時には見えていなかった)を呼び出した。
 なお、男はこの国の大臣である。
 いつ命令を下しても構わぬよう、ジョゼフがここに控えさせていたのだ。
「大臣。詔勅である」
「はい」
「艦隊を召集しろ。アルビオンにいる『敵』を吹き飛ばせ。三日でカタを付けろ」
「御意」
 簡素なやり取り。
 それこそ『あの人形を手に入れて来い』だとか『箱庭の駒を動かせ』だとかいう気軽さで、ジョゼフは大臣に命じる。
 そして大臣は命令を聞くと、黙ったままで退出していった。
「へ……、陛下……」
 一連のやり取りを呆然と見ていたモリエール夫人は、ガタガタと身体を震わせ始めた。
 顔色は一気に青白く染まり、表情は恐怖にゆがみ、そして先程自分がサイコロを振った手を見つめている。
「ん? どうしたモリエール夫人、寒いのか?」
 ジョゼフは小姓を呼ぶための鈴を鳴らした。
 部屋の外に控えさせている小姓が、いそいそとジョゼフの前に駆け寄ってくる。
「小姓、暖炉に薪をくべてくれ。夫人が震えている」
 大臣にしたのと同じ調子で、ジョゼフは小姓に命じた。
「陛下……、おお、陛下……」
「どうしたモリエール夫人? 由緒あるガリア花壇騎士団の団長が、そのような臆病では困ってしまうぞ?」
 冗談めかした言い方をしつつ、ガリア王はまた別のことを考える。
 ―――ブレイン卿とのやり取りの中で、ジョゼフは自分をこう評していた。
 『今回の脚本を書いた人間の一人』。
 それはすなわち、ジョゼフとは別にこの戦争の筋書きを考えた人間がいる、ということでもある。
 ジョゼフにはそれが誰なのか、おおよその察しが付いていた。
 おそらくはあの異形の怪物―――アインストを操っている者。
 あの怪物が出現する時には、一定の法則のようなものがある。
 アルビオン軍が軍事行動を起こしている、または起こそうとする時……あるいはアルビオンの軍事拠点のすぐ近くを、狙ったようにして現れるのだ。
 散発的に各地に出現するのならばともかく、いくら何でも出現位置やタイミングが人為的と言うか、作為的過ぎる。
 何らかの『意思』が働いていると見て間違いないだろう。
 ブレイン卿、いやダークブレインはそれが何者なのか察しているようだが……。
(……それを早々に聞いてしまっても、つまらんしな)
 まあ、ああいう不確定要素があれば盛り上がるし、こっちとしても脚本の組み立てがいがある。
 それに何より、その方が面白い。
(さて、脚本は立てた。結末も決めた。あとはアインスト側の出方と……)
 ジョゼフは相変わらず震え続けるモリエール夫人の背中を撫でさすりながら、その顔に無邪気な笑顔を浮かべる。
(舞台上の『アドリブ』と、もしかしたら起こるかも知れん『ハプニング』に期待するとしようか)

59 :ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/12/19(日) 01:10:25 ID:zufTyCNR
 以上です。

 半年ぶりに投下する話がこんなんでいいのかしら。特にユーゼスパート。

 つーか、話を進めれば進めるほどにカトレアが原作のイメージから乖離していく気がします。
 ま、予定通りではあるんですけどね。

 ……次で七万戦まで行けるかなぁ。

 それでは、支援ありがとうございました。

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 01:19:24 ID:SoJBmdAY

王様のシャレにつきあったらいつのまにか秘密警察みたいな団体のトップにさせられたでござる

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 01:53:12 ID:PDacukah


>ある地点とある地点とを結ぶマジックアイテム
“どんぱうんぱ”ですね!

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 02:16:14 ID:YKbg/afS

どんな恋敵とも対等に戦えるユーゼスブレスレットをカトレアが入手したか

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 03:40:41 ID:mrNJSXCw
乙です

ユーゼスのことだ、どうせ女性にはプレゼントに限るとか覚えて、
そのうちエレオノールにもタバサとかにまで何気なく同じようなものを贈ってしまうのだろう
それが露見してエレオノールやカトレアが不機嫌になったり、自分だけ貰ってないとルイズが落ち込んだり

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 05:04:16 ID:xlKwfkjy
最強コンビの人もラスボスの人も乙

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 05:39:34 ID:Qz6sEcw3
版権作品が書かれてるのが多いか…
自分の文章力じゃ書けないし、誰かかいてくれる人がいたらお願いしたい所。

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 06:28:31 ID:UXo4rbeT
乙!!!!!
待ってたよ〜〜〜!!!!!!

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 06:29:54 ID:7z50TkjY
Seedもコンビも乙。この頃のFFって面白かったよなぁ。
でもって半年ぶりかぁ。ゴッツォさんお久でした。

まぁカトレアにゃ悪いが漏れはエレ姉派。
何故ってその方が面白そうだからw

あ、あくまでゴッツォの相方的な意味でね♪

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 07:26:37 ID:qxNT5xL3
ユーゼスの人乙です。
ユーゼスもげろ(褒め言葉)
そしてジョゼフKOEEEEEEE
何を言いたいかと言うとGJ!

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 07:38:25 ID:8a0hb4F5
何故だろ
正座させられながエレオノール、カトレアの二人に数時間説教されるユーゼスを幻視した

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 09:46:42 ID:KAYw+NMR
待ち続けた甲斐があった!
ラスボスの人乙!

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 10:04:22 ID:gk8FIFIn
ラスボス乙

話の展開で魔装機神を思い出したぜ

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 10:24:29 ID:tgukxHrb
ラスボス乙
今なお多数の平行世界が増えていくが
このユーゼスがジ・エーデルの平行異体と同じような結末を迎えんことを(怨)
もとい、迎えませんように(棒)
ギーシュは成長したなぁ
>>71
実はカトレアに双子の姉がいたとな

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 10:56:48 ID:jLrmQtf3
ゼロのチェリーな使い魔の第16話を11:00頃に投稿いたします。
よろしく。

74 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/19(日) 11:00:16 ID:jLrmQtf3
ルイズがフリオニールとワルドの決闘を知ったのは朝起きて朝食をとりに食堂へ行った時だった。
フリオニール、キュルケ、タバサの三人が同じテーブルを囲い食後のティータイムをしている。
この宿は宿泊客以外にもモーニングサービスをしているのだな、と考えるのも束の間、
「ち、ちょっとあんた達!ここで何しているのよ!」
眠気が一気に飛ぶほど驚いた。
「おはよう、ミス・ヴァリエール。あなたが使い魔を置いて行ってしまったから私達が
 送って差し上げたのよ」
キュルケはルイズの薄情さを非難するように冷たく言い放つ。フリオニールも同調するように
「置いて行くなんてひどいですよ、ルイズさん!」
「悪かったわよ!わたしだって散々スピード落とすようにお願いしたんだけど・・・」
ルイズに抗議するが予想に反して謝罪の言葉が出てきてしゅんとした態度をとっているので
それ以上追求しなかった。反省しているとは意外だな、と思いつつフリオニールは続けて
ワルドとの決闘のことをかいつまんで報告した。
「あ、あんた・・・ご主人様の相談なしに何て勝手なことを・・・ギーシュの時といい
 なんでそんなに血の気が多いわけ!?」
案の定、ルイズからお叱りを受けるフリオニール。
無事にラ・ロシェールに着いていたと思えばワルドのような手練と危険な勝負事をしていたとは!
無茶をする使い魔に呆れ果てるルイズにフリオニールは恐る恐る去就を伺った。

「俺負けちゃったんで使い魔クビになるんでしょうか・・・」
「クビになんてするわけないでしょ!」
「俺がいたら足を引っ張るってワルドさんが・・・」
「それを言うならわたしが一番足手まといだわ」

何故、ワルドはフリオニールを除け者にしようとするのだろうか。フリオニールが異世界の
人間であることをワルドにも説明した方が良いのだろうか。
逡巡するルイズに鞘から少しはみ出ていたデルフリンガーが話しかける。

「ようよう貴族の娘っ子よ。相棒は『ガンダールヴ』なんだろ?連れてってやれや」
「へっ?そうなの!?」
「なんでぇ、知らねぇのかよ!」
「そういえば昨日ワルド様、大事な話があるって言ってたわ。疲れてたから明日に
延ばしてもらったんだけど・・・」

もしや大事な話とはそのことなのか?とルイズが考えていると噂をすれば影でワルドがやってきた。

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 11:03:01 ID:tgukxHrb
クラウド、おらのクラウダをクラウダ支援

76 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/19(日) 11:03:25 ID:jLrmQtf3
ワルドはフリオニール達がいることを確認するとうんざりした顔をつくり
「君達、まだいたのかね」
ため息を吐いて毒づいた。しれっとした顔でその言葉を聞き流すフリオニール達を傍目に
ルイズはワルドの姿を見るや否や『ガンダールヴ』の件を聞き始めた。

「ねぇ、ワルド様。わたしの使い魔が『ガンダールヴ』だって本当?」
「ああ、間違いないだろう。と言っても伝説は誇張されたもののようだったがね」
「信じられないわ」
「ルイズ。君はメイジとして底知れぬ才能を秘めているのかもしれない」
「嘘だわ。わたしは魔法を使えないし・・・」
「爆発を起こせるじゃないか。通常、魔法に失敗すれば精神力を消耗するだけで何も
 起こらない。これひとつとっても君が只者じゃないってわかるものだ。きっと君は
始祖ブリミルのような偉大なメイジになるだろう」
「話が大きくなりすぎだわ・・・」

落ちこぼれである自身をここまで高く評価してくれることに戸惑いを隠せないルイズ。
いくら婚約者だからといって身内贔屓(?)にも程があるのではないか。
キュルケとタバサはフリオニールが本当に『ガンダールヴ』なのか疑問を感じていた。
彼の実力は異世界で戦闘の鍛錬を重ねてきた賜物であり伝説とは無関係なのではないか?
しかも、仮に彼が『ガンダールヴ』だとしたら自然とルイズも『虚無』の担い手となる。
魔法の実践はからっきしダメでコモン・マジックさえ使えないこのクラスメイトにそのような
評価を下すのは早計なのではないかと思ってしまうのだった。

一方、フリオニールはハルケギニアの伝説はどうでもよいとばかりに
「で、結局俺はアルビオンまで行けばいいんですか?」
「当然でしょ。しっかり護衛しなさい」
自身の身の振り方が気になって仕方なかったが、ルイズは素っ気無い口調で同行を命じた。
ワルドはルイズの決定に不満な様子で
「僕だけでは不安かい?ルイズ」
「そうじゃないわ。けど、こいつは傷を治したり意識不明を回復させたりもできるの。
ワルド様が思っているほど役立たずじゃないわよ」
「そうか・・・わかった。しかし、ひとつ提案がある。フリオ君はいざという時の治療役
として専念して欲しい。フリオ君の身も僕が守るから剣と盾はここへ置いて行きたまえ」
フリオニール同行を反対したが覆りそうもないので妥協案を出してきた。
ルイズはフリオニールの素手の強さを知っているのでワルドの案を受け入れようとするが
留守番を言いつけられたデルフリンガーだけが猛反対で騒ぐ。

「おいおい。この俺様を置いて行くなんてバカげてるぜ!」
「うるさいのがいなくなってむしろ好都合ね」
「何言ってやがる!相棒に自分の身を自分で守れねぇ状態で戦地へ行けってぇのかよ。
ヒゲの兄ちゃんの言うことなんざ聞くこたぁねぇぞ!」
「・・・仕方がないわね。フリオニール、盾だけ置いていきなさい」

77 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/19(日) 11:06:03 ID:jLrmQtf3
ルイズはやかましいインテリジェンスソードを早く大人しくさせたいのでワルド案の半分を
受け入れる形をとった。フリオニールはほっ、と胸を撫で下ろし
「よかったな、デルフ」
「当たりめぇよ!剣があるのに持たねぇで戦地に行くバカがどこにいるってんだ!」
相棒に祝福の言葉をかける。デルフリンガーはプロジェクトリーダーから晴れて同行の
命を受け一気にご機嫌になりワルドに悪態をついた。
一方、ワルドは軽く舌打ちし
「フリオ君。こうなった以上、君の身に何が起ころうと僕は手を貸さないのでそのつもり
でいるように。僕はあくまでもルイズの護衛役なのだから」
肝っ玉の小さいことを言い捨てると小うるさいデルフリンガーを無視するようにそそくさと
食堂を出て行った。

話し合いが終わりひとまず安堵するルイズは残ったキュルケとタバサを交互に見やり
「ところで、ふたりは何でここにいるの?授業は?」
不思議そうに質問した。タバサは先程からずっと読書をしているのでキュルケが代わりに
「アルビオンへ観光旅行よ。良いタイミングだから私達もルイズについて行こうかしら」
ルイズに返答した。パーティに加わる気満々だ。

「ダ、ダメよ!これは極秘の任務なんだから!」
「あら?あなたの使い魔が盗賊団に襲われているところを私達が助けてあげたのよ。
 ねっ、ダーリン」
「そうなんだ。キュルケとタバサには感謝しているよ」
「そんなことがあったの・・・悪かったわね、キュルケ、タバサ」
「味方は多い方が良いに決まっているものよ。あのワルド?さんはあんたと二人きりが
いいみたいだけど」
「か、勘違いしないでよね。婚約者といっても親同士が勝手に決めたことで・・・」
「あの人のこと嫌いなの?なら私がいただいちゃおうかしら」
「ツェルプストー!あなたって人は・・・」
「冗談よ冗談」
「ワルド様のこと、嫌いじゃないわ。だけど、まだ結婚とか全然考えてないし・・・」
「結婚は勢いも大事って言うわよ。それに高齢になってから結婚して出産するとなると
母体にかかるリスクはとても大きいんだから」
「まるでおせっかい焼きの親戚のおばさんみたいな言い様ね」
「うふふ。ダーリンを巡る恋のライバルが減ってよかっただけよ」
「こいつは只の使い魔!」

ラ・ロシェールの宿屋で賑やかな日常の光景に包まれるルイズ達であった。

78 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/19(日) 11:09:24 ID:jLrmQtf3
その日の夜

ルイズ達は船出の前夜祭を『女神の杵』の食堂でワインを嗜みながら過ごしていた。
フリオニールはいける口ではないのだがキュルケに勧められるがままにグラスを空けていた。
食べ物も胃に入れなきゃ酔いが酷くなるな、と先程から同じサラダばかり注文し食している
タバサを見て余程おいしいのだろうと思い同じものを注文した。
フリオニールは期待に胸を膨らませサラダを一口食べる。
「あう・・・俺、食べた、こんな苦いの、初めて」
想像を絶する苦さに思わず盟友ガイの口調になってしまうフリオニール。
タバサは黙々とサラダを食べながら
「はしばみ草」
と苦悶するフリオニールに一言だけ説明した。
口直しにワインをがぶ飲みする。はしばみ草の苦味と酔いのダブルパンチを喰らい気分の
悪くなったフリオニールは一同に詫びを入れて2階のルイズの部屋へ戻っていった。

フリオニールは部屋に入るなり床にごろ寝する。
掃き出し窓の外から見える月は一つ。普段は二つある月が一つしかない。
(月食?日食?何て呼べばいいんだ?)
ぼんやりと夜空を眺めているとドアを開く音が聞こえた。
やってきたのは「ご主人様」だった。心配で様子を見に来たようだがそんなことは
臆面にも出さない。
「ちょっとあんた、羽目外しすぎなのよ!」
「う〜、すんません」
「明日は船出なんだから二日酔いになんてならないでよね!」
「酔いはとにかくあのはしばみ草ってやつが・・・」
「何でまたはしばみ草を・・・」
「だってタバサが旨そうに食べてたから」
ルイズは頭を振りフリオニールのうっかりにため息を吐いた。思っていたより体調は
良さそうだとみて話題を代える。

「ねぇ、あんたはワルド様のことどう思ってる?」
「えっ?どうって・・・」
「やけにあんたを除け者にしようとするじゃない?まさか、あんたワルド様の気に障る
ような変なことをしたんじゃないでしょうね!?」
「まさか!」
「そう・・・あんたがもし『ガンダールヴ』なら武器を持っているほうが良いに決まっているのに
 何で置いていけ、なんて言ったのかしら・・・」
「俺の住む世界の魔法は武器防具を装備している状態で唱えると威力が落ちたり失敗する
ことがあるんです。だけどワルドさんがそんなこと知っているとは・・・」
「何なんだろう・・・」

二人は頼もしくはあるが腹の内が読めないワルドの顔を思い浮かべてその本心を探る。
フリオニールは答えが出てこないので諦めて再び窓の外に目を移すと見覚えのある物体が
そびえ立っているのを発見した。

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 11:10:49 ID:jLrmQtf3
ゼロのチェリーな使い魔第16話は以上です。

遅ればせながら>>1

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 11:46:56 ID:0OMZq/YG
ユーゼス乙
ヴァリエールキラーというか、もうVキラーザウルスだな。ユーゼスは知らんか。

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 12:02:41 ID:PDacukah
全ては夢。
そう、ユーゼスの引き篭もりがちだった人間時代(?)に培ったメンタルが作り出した、
刹那が見せるギャルゲ空間だったのです……


というオチ。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 12:55:02 ID:5Savo1tB
「楽園の魔女」のエイザードどん(最終巻で自分の世界に帰還途中)とか
「CCキャプターさくら」のクロウ・リード(二人に分かれた直後の記憶と力を引き継いだ方)
とかが来たらどうなるんだろうなんて妄想してみるけど
文才のない自分には書けないのであった……


83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 15:10:20 ID:nFDeXEJz
遅れながらもラスボスの人待ってましたぜ、乙!
安定の姉ルートw

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 15:48:53 ID:AYCyZ57I
フリオニール乙です。

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 17:20:00 ID:NOTMvthL
>>65>>82
何度でも言おう
文才が無いじゃない
やる気が無いんだ
やる気があれば練習という言葉を思いつく
頑張れ
超頑張れ
で、上手くなったら来てくれw

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 17:31:20 ID:MuRPkvCQ
要は

来るな

って言いたいんだろお前w

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 17:36:36 ID:Hl0kEt9k
世界最強コンビの人、乙
久々にいいオチだった。

ラスボスの人も乙
ユーゼスのことだからプレゼントのことエレ姉にしゃべって怒らせたりしかねないなあ
しかしそのブレスレット、なげたらカッターになったり爆発したりしないのか?

皆さん来てくれて、いい年越しになりそうだ

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 17:42:18 ID:Oj45bhhp
あの作品のキャラが遠坂凛に召喚されましたスレたてよう

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 17:51:33 ID:NOTMvthL
>>86
違うよ、全然違うよ
誰か書いて〜とか、文才が無いから・・・チラッがウザイとかじゃないよ

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 17:56:32 ID:cUe22qq0
>>88
マジレスするとFateのそっち方面スレは既にある。

>>89
避難所の練習スレに誘導すればいいじゃん。

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 18:01:34 ID:YLF+wH3A
あー、現在せっせと雑文を書いてるんだけどさ
やっぱ一巻ぶん位溜まってから投下したほうがいいのかね?

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 18:15:33 ID:xlKwfkjy
投下する配分とか自分の気の向くままにしたらいいと思うよ
ただ、ある程度区切りのいいところまで溜めるのがいいと思う
終盤書いてる途中に序盤に手を加えたりしやすいし

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 18:16:29 ID:xrFqBsYu
>>91
子曰く「自分で良いと思った時期が投下時」。
特に決まりは無い。自分で納得がいったら投下すればよかろうもん

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 18:16:56 ID:NOTMvthL
>>90
俺に言うくらいならお前がすればいいじゃん?

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 21:14:42 ID:Hl0kEt9k
この調子で氷竜や魔導書の人も帰ってきてくれないかなあ

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 22:49:40 ID:tgukxHrb
>魔道書
双子もね
出来れば獣も・・・

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 23:05:13 ID:/B5fHtDj
何故荒らす

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/19(日) 23:22:59 ID:wjKKLq0K
>>91
一番良いのは完結してからの投下。でなければ2、30万文字くらい書いてから投下すればいいと思うよ。

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 00:21:16 ID:kHoyqKfk
>>98
プロでも途中で逃げることが多々あるのに無茶言うなwww

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 00:26:43 ID:GQZipQ+0
完結とか出来る気がしない

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 00:28:09 ID:OBgB8N25
小ネタ書くよろし

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 00:30:10 ID:GQZipQ+0
>>101
長編連載中なんだ・・・

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 00:46:19 ID:p3onEyTp
ラスボス乙
ヴァリエール長女と次女対決あるのかねえ
ドロドロ好きな俺としては
「あんたなんか、彼の子供も産めない身体じゃない!」と
言ってはならない事を口走ってしまうエレオノールを妄想するぜ

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 01:00:39 ID:ZsVK7DYr
こう言ってしまってはなんだが原作及びこのスレに投下されてるSSの全ては
ぶっちゃけ才能なんかなくても本読んで書いてればその内書けるようになるレベルだよ
これくらいならやる気がないだけの話だ

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 01:43:30 ID:+xd02uzv
キッチリ完結しなくてもこの際いいから
ジャンプの打ち切り漫画のように適当でいいから完結してほしいわ
書きたいとこだけ書いた小ネタみたいにダイジェストでもいい

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 02:14:50 ID:TYc0gncS
別に週一で投稿しなきゃ行けない訳じゃないし
半年書き溜めてから来る人とかもいるんだから、そんなに気にしなくてもいいじゃんよ
数年休んでても俺は信じてるしね

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 04:42:08 ID:C8zxD10/
>>105
武士沢レシーブの年表思い出したわw

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 04:59:07 ID:rOMkBjnA
そろそろガンパレードの人が復活するといいなあ

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 08:13:51 ID:ZFzxw+Z0
ラスボスはルイズがクロスゲートパラダイムシステムを破壊するフラグが立ってた様な…

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 10:45:25 ID:q+wYPfIB
>>81
そんな最悪の打ち切りエンド見せられるくらいならエタられるほうがなんぼもましだわ

FFXから森に出てくるあのボスを召喚、ギーシュとマリコルヌが(以下省略

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 14:58:27 ID:qlbbKc4z
確実に小ネタになるが、「そんな装備で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」を召還

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 15:53:58 ID:XYLNNp4V
>「うむ。怪獣と格闘をしている時のウルトラマンの気持ちが少し分かった気がする」
>「はい?」

スカイドンと戦ってるときの初代や、キングジョーやクレージーゴンや恐竜戦車戦のセブン、ライブキングを相手にしてるタロウのようなものですね。
そういえばウーやプリズ魔は体重ゼロだそうだけどぜんぜんそんなふうには見えないよね。
1対100で無双をやったゼロや、ウルトラマンの概念をぶちこわすベリアルをユーゼスが知ったらどんな顔するかなあ。

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 18:07:58 ID:LQsOrIOH
>>110
ラムウ爺さんに雷を落とされるんですねわかります

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 18:52:14 ID:6/uijDv1
えっ、ワムゥ?

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 19:18:38 ID:XQax7XpU
撃つたびにパイロットにもダメージの大きい最終兵器?

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 20:30:36 ID:0CsaHi40
たちまち溢れる神秘の力?

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 20:40:38 ID:m3kdzl1l
夢工場ドキドキパニックのラスボス

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 20:55:08 ID:ypaPK8QA
>113
じじぃ「ダッチャッ!」

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 22:42:08 ID:gnRwPSa0
だしゃあ?
打撃マン?

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 23:12:20 ID:CJiklHxz
こんばんは。
ゼロのチェリーな使い魔第17話を23:20頃に投稿いたします。
よろしく。

121 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/20(月) 23:20:34 ID:CJiklHxz
フリオニールは急いで立ち上がり掃き出し窓を開けてベランダへ出ると
「フーケ!」
巨大ゴーレムの肩に座る人物の名を叫んだ。隣には白い仮面を被った男がいる。
「お久しぶりね」
フーケは憎き仇敵に再会したが今回は仲間もいるためか余裕の表情だ。
「なんであんたがここに!」
続いてベランダへ出てきたルイズは驚きの余り目を見開く。フーケは牢屋に繋がれている筈。
なぜラ・ロシェールにいるのか。前後不覚になるほどワインを飲んだ憶えはない。
フーケは二人が驚きを隠さないのを見て
「親切な人がいてね。あたしのような美人で優秀な人間は世の為人の為働かなくてはいけない
と言って牢屋から出してくれたのさ」
満足そうに笑い脱獄を手助けした人物がいることを明かした。フリオニールは拳を握り締め
「ここに俺達がいるって何でわかった!?」
「このフーケ様の情報網を見くびらないでもらいたいもんだね。さぁ、挨拶はこの辺にして
今夜は牢屋に入れられたお礼をたっぷりしないとね」
「勝手に自爆したんだろうが!」
「そうさ、あたしは『破壊の杖』に負けたんであってあんた達に負けたわけじゃないよ!」
フーケの目的を問いただそうとしたが、フーケはこれが答えだといわんばかりにゴーレムの
腕を勢いよく振り下ろした。
ルイズとフリオニールは間一髪でゴーレムの拳を避けるが岩でできたベランダの柵は粉々に
砕け散る。二人はフーケの襲撃を仲間に伝えるべく駆け足で1階へと降りていった。

食堂へたどり着くとそこもまた修羅場であった。
大勢の傭兵が宿の玄関から現れキュルケ、タバサ、ワルドの3人と戦闘を繰り広げていた。
3人のメイジはテーブルを盾代わりにし魔法で応戦するも敵は絶妙の間合いをとり魔法が
当たらない位置から矢を放っている。
フリオニールはアイスシールドで飛んでくる矢を防ぎながらルイズを庇うようにして何とか
キュルケ達の元へ到着しフーケ&ゴーレムと仮面の男が外にいることを伝えた。
「脱走とはやってくれるわね」
「復讐の鬼と化しているわ。すごい執念よ」
キュルケとルイズはかつての強敵の顔を思い浮かべて険しい表情をする。

122 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/20(月) 23:23:07 ID:CJiklHxz
「「土くれのフーケ」といえばアルビオンの元貴族だ。この傭兵もアルビオン貴族と関係の
ある者達なのだろうか。しかし、この前僕が奴を尋問したときは大人しく応じていたのだが・・・」
ワルドはフーケが反省するフリをして脱獄を図ったことに困惑している。
フーケにもう一泡吹かせようとキュルケ達は奮起し立ち上がって魔法を唱えるが傭兵に
届くことはなく、次の瞬間、待ってましたとばかりに矢が一斉に飛んでくる。
どうやら敵は魔法の空打ちをさせて精神力を消耗させてから止めを刺そうとしているのだろう。
「参ったね」
ワルドは辺りを見回しため息を吐く。他の貴族の客はカウンターの下に隠れてブルブルと
震えていて宿のマスターなど負傷者も出始めている。名うてのメイジであるワルドでも
多勢に無勢で持久戦に持ち込まれては堪らない。
フリオニールは見境なく奇襲に打って出てきたフーケと傭兵に怒り心頭のようですくっ、
と立ち上がり
「こんなことをして何の意味がある!?バカな真似は止めるんだ!」
傭兵達に怒声をぶつけるがお構いなしに矢の雨は降り注ぐ。ルイズにマントを引っ張られ
尻餅をついたフリオニールはかろうじて矢を避けることができた。
「バカはあんたでしょ!傭兵が話し合いに応じるわけないじゃない!」
熱血漢な使い魔に注意をするルイズ。フリオニールは「ご主人様」の忠告を無視して再び立ち上がり
「大人しく引き下がれ!さもないと命をとる!」
傭兵達に最後通告を出した。止まない矢の雨。フリオニールは素早くしゃがみ矢を避けると
「命を粗末にする帝国兵みたいな奴らに何を言っても無駄みたいだな。仕方ないけど・・・」
覚悟を決めてアイスシールドを床に置きゆっくりと立ち上がる。矢の大群が襲い掛かるが
タバサが『エア・シールド』の魔法で防いだ。フリオニールはタバサに礼を言うと即座に
『テレポ』の魔法の全体がけを傭兵達に向けて放った(ミンウの『テレポ』に憧れて熟練度を
3まで鍛えていた人の影響を受けやすいフリオニール)。
地面から水色の光線が無数湧き上がり傭兵達を直射した。
「そ、そんな!魔法が届かない距離にいる筈なのにっ!」
得体の知れない光線を浴びて身体がどうなるのか恐怖におののく傭兵達。
光線が止み視界が開けると先陣にいた二人の傭兵が忽然と姿を消していた。
「き、消えた!」
仲間二人が突然神隠し(?)にあい先陣の傭兵達は言葉を失う。

123 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/20(月) 23:26:14 ID:CJiklHxz
「俺の腕前じゃ二人しか消せないか。でも成功したから上出来かな」
フリオニールはまたしてもバクチに出たが、ハルケギニアに来てから魔法の成功率が高く
なっているので高い精神と熟練を要する『テレポ』もいけるのではと感じていた。
「消したのか!?何をしたのだ!」
テーブルに隠れている為『テレポ』を見ていないルイズ達。ワルドは驚きと恐怖の混ざった目を
しゃがんだフリオニールに向けて仲間を代表して問い詰めた。
「さぁ?俺の意見を受け入れて家にでも帰ったんじゃないかな?」
フリオニールは次元の狭間に飛ばしたという真実を隠しすっ呆けて返答した。本当のことを
言えばこの男は自身への警戒をさらに強くするだろう。
ワルドは苦虫を噛み潰したような表情をしたが、深呼吸をして冷静さを取り戻し
「・・・ここでの戦闘はフリオ君に任せよう。僕とルイズは一足先に桟橋へ向かう。
このような任務は半数が目的地にたどり着けば成功とされるのだからね」
またしてもフリオニール除外作戦を提案した。しかし、今回は状況が状況なだけに誰も
ワルドに異議を申すものはいない。
キュルケ、タバサが頷きフリオニールはワルドの思う壺になるのを一瞬躊躇ったが渋々承諾する。
「ではせいぜい派手に暴れて目立ってもらおう。その隙に僕らは裏口から出る」
ワルドは自身の案が可決するとルイズの手をとり立ち上がった。
矢が飛んでくるがタバサの『エア・シールド』で防御する。その隙にフリオニールが再び
姿を現すと先陣の傭兵達は悲鳴をあげて何名か外へ逃げ出す者が出てきた。
今がチャンスとルイズとワルドは厨房に向かって走り始めたが、途中ルイズは顔を仲間達へ振り向け
「あんた達!絶対に死んじゃだめなんだから!」
精一杯のエールを送った。それをしかと受け取ったフリオニール、キュルケ、タバサは
「MP尽きるまで!」
「当たり前でしょ!」
「楽勝」
リーダーの檄にはつらつと応じた。
そして、ルイズとワルドは厨房を通過し通用口にたどり着く。ワルドはドアに身を寄せ
外に人の気配がないことを感じ取るとドアを開け一路桟橋へ向かった。

124 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/20(月) 23:29:09 ID:CJiklHxz
フリオニールは統制を欠いた傭兵達に『テレポ』の全体がけを放ち二人の傭兵を消した。
「じ、冗談じゃねぇ!あいつをよく見ろ!杖を持ってねぇじゃねぇか!」
残された先陣の傭兵達は悪魔に出会ったような怯えた目つきでフリオニールを見ると
一目散で外へ逃げ出した。
外で待機している傭兵達は宿の中で何が起こっているかわからず
「何してんだ、てめえら!だらしねぇ!」
「バカ野郎!消されてぇならてめえらが行け!」
仲間に文句を言うが中から出てきた傭兵達は錯乱状態で終には内輪で揉み合いの喧嘩を始めた。
「今よ!」
キュルケは一気に玄関まで走り出すとルーンを詠唱し『ファイアー・ボール』の魔法を放った。
しまった!の叫び声と共に炎に包まれる傭兵達。
「これも」
タバサは油の入った鍋を『レビテーション』の魔法でキュルケの元へ持ってきた。
「新しいレシピの誕生ね」
キュルケはタバサに微笑み再び『ファイアー・ボール』を唱えるとタバサは油を傭兵の
一団に向けてばら撒いた。
瞬く間に炎は燃え広がり辺り一体は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。

「まったく、大騒ぎする程の炎じゃないっていうの」
ゴーレムの肩に座りながら様子見していたフーケは傭兵達の狼狽ぶりにため息を吐く。
「倒さずともよい。分散すればそれでよい」
白い仮面の男が無機質な口調でフーケに語る。
「結局あたしがやるしかないのかい」
フーケは大金を叩いてまで雇った傭兵が全く働かないことに苛立ったが(自身の財布から
支払ったわけではないにしても)、あの生意気なガキ共を自身の手で始末できるのだと気持ちを
切り替えてゴーレムを宿の玄関付近まで接近させるとその拳で玄関を殴りつけた。
キュルケとタバサはふわりとゴーレムの拳を避けてフリオニールと合流した。
壁の破片と埃が宙を舞う中、フリオニールは以前の対ゴーレム戦のように『スロウ』の
魔法で動きを封じようと提案したが、キュルケとタバサのリクエストにより『テレポ』を
使うことになった。
フリオニールは単体がけなので命中率も上がるだろうと楽観視し『テレポ』の魔法を唱えた。
例によって大量の水色の光線がゴーレムに直射する。
しかし、ゴーレムは姿を消さない。

(なるほど。「即死系」に耐性あり、と)

とフリオニールは心でメモして外で不気味に佇むゴーレムを睨みつけた。

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 23:29:58 ID:CJiklHxz
ゼロのチェリーな使い魔第17話は以上です。
失礼しました。

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 23:40:02 ID:Odzj1+11
乙ですー

ついにテレポの登場か。多用してるようだし熟練度も多少はアップするかな
ゴーレムは即死系に耐性ありか…そうなると偏在も耐性あるかもな
ワルド自身はただの人間だから耐性ないと思うけど

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 23:41:19 ID:Odzj1+11
そーいえばギーシュがいないようだし、おマチさんのゴーレムどうやって倒すかな

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 23:46:34 ID:Odzj1+11
ラッキーマンから相討ちマンを召喚
ギーシュごときと相討ちになったのであまり期待されていなかったが、
フーケのゴーレムにもワルドにも命がけで相討ちをとる「絶対負けない」使い魔であることが後に判明する
ガンダールヴのルーンで強化された能力をもってどんな相手にも確実に相討ちを決める

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/20(月) 23:49:00 ID:TYc0gncS

テレポ強いなー中々成功しないから全然使わなかったが

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 00:34:57 ID:U2Wg7Fiz
ワルドさんはテレポで次元のはざまに飛ばされてつきょじんとかから逃げ回っているうちに、
阿修羅のように腕が多くて武器をやたらと持った謎の亜人らしきものに出会う

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 02:18:41 ID:Aaga0oj3
ギルガメッシュって普段は人間の見た目してるんだろ?
次元の狭間だから常時ハッスルしてんのかな

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 02:21:07 ID:Aaga0oj3
ごめん、sage忘れてたわ

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 02:30:44 ID:ef5krBUz
>>130
鉄巨人のフロアから謎の亜人のフロアに移動したってことはギガフレアのアレ倒したってことか
まあ力溜めてる時だけにエアハンマーであとずっと隠れてればそのうち倒せそうだけど

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 02:51:07 ID:U2Wg7Fiz
>>133
いや既にバッツ達が倒した後
で死骸を横目に通り抜けたらバッツ達と別れた後引き返そうかどうしようか迷っている謎の亜人に出会う、と

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 04:42:29 ID:KP0e7huw
フリオニール乙です。
>>129
テレポはとりあえず3か4に上げておけばキャプテン狩りができる。

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 17:13:48 ID:G247V1I/
メテオそっちのけでチョコボの育成にやっきになってたのもいい思い出。
みだれうち×ナイツオブラウンド×バハムート零式でいつまでたってもエフェクトが終わらずリセットした。
あと、アルテマウェポンの名前負けした弱さのおかげで手加減して戦い続けた毎日。
 
FFには楽しい思い出をいっぱいもらいました。

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 20:17:36 ID:qBc2mYGx
フリ乙
当時小学生だった俺は
アンデッドに回復有効までは知っていたが
テレポ即死は知らなかった

そういやFC版カオスもデジョンで消せるらしいね

・・・若本巨人を従えるルイズ、アリかも

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 22:09:21 ID:AgMKsYC9


139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 22:10:19 ID:Si9SF42M
あの作品のキャラが聖杯戦争に参戦しました
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1240585178/

職人さん募集中

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 22:23:07 ID:gxTNJxSg
型月板行け

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 22:30:00 ID:5fmFK9ZR
使い魔のブレ・ド・ラン召喚
姿は読者の想像任せ

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 22:40:07 ID:izGAeG7w
月からみ
セーラームーンの中から召喚するなら誰がいいか?
蛍ちゃん一押し

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 22:46:43 ID:4NwaEmca
セーラームーンって実はめちゃくちゃ強いんだよな・・・

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 22:56:21 ID:Uop+KNz3
星とか太陽系を単独でどうにかしちゃうレベルだったよな確か

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 22:59:29 ID:qBc2mYGx
>>141
地球に降りたはずが行方不明のレプリカント?

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:15:16 ID:Q5QWj/s9
ゼロのチェリーな使い魔の第18話を23:25頃に投稿いたします。

『炎』のメイジならFF2の世界に来たら大活躍だろうなと思う今日この頃。

147 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/21(火) 23:24:11 ID:Q5QWj/s9
「な、何だっていうんだい!?今の光は!」
フーケは不発に終わった『テレポ』の魔法に慌てふためいている。ゴーレムの肩に座っているので
自身も巻き添えを食らったと勘違いしたのである。
体が五体満足で意識もはっきりしていることを確認するとふぅ、とため息を吐き
「只のハッタリかい!」
「いや。単に失敗しただけだ。先陣の傭兵は恐らくこの魔法の餌食になったのだろう。油断はするな」
宿の中にいるフリオニール達を罵倒したが、仮面の男が落ちついた口調でフーケを諭す。
「厄介なモンを召還したものだよ、あの小娘は」
「心配せずとも俺があの小僧を始末する。お前は残りの二人を片付けろ」
フーケと仮面の男は分担して敵を仕留める作戦に出ることにした。

一方、宿の中でフーケ退治の準備をするフリオニールは
「とりあえず二人には魔法をかけておくよ」
ゴーレム対策としてキュルケとタバサに『ブリンク』の魔法の単体がけを唱えた。
ギーシュとの決闘以降、時間を見つけては『ブリンク』の鍛錬をしていたので(ギーシュに
分身を見破られたのが悔しかったのだろうか)熟練度は3に上がっていた。
本体を含めて計4体になったキュルケとタバサ。
「ダ、ダーリン、この魔法は私達にも使用できるわけ?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
キュルケは『偏在』もどきを使えるようになり驚きながら
「ま、まさかこの分身も魔法を使えたりするの?」
「残念だけど敵の攻撃を分散させるだけの目くらましなんだ」
『ブリンク』の効果を再確認した。そして、自身にこの魔法をかけようとしないフリオニールに疑問を抱き
「ダーリンは自分にこの魔法を使わないの?」
「俺は大丈夫。デルフとアイスシールド装備で正攻法で戦うよ。あのデカ物、スピードは
 大したことないし命中率も低いから」
不安そうな目を向けたが、フリオニールはそれを払拭するように爽やかな笑顔で応えた
(本音は単に『ケアル』と『レイズ』用にMPを温存したいだけなのだが)。
「俺はフーケとゴーレムをやるからキュルケとタバサは仮面の男を頼む!」
フリオニールは床に落ちているアイスシールドを拾い上げて装備し二人に作戦を指示した。

148 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/21(火) 23:27:41 ID:Q5QWj/s9
「よっしゃ!今朝の鬱憤を晴らすときがきたぜ!」
「頼むよ、デルフ」
背中のデルフリンガーを抜刀し窓から外へ飛び出したフリオニール。
その後ろにキュルケ、タバサと続き分散してゴーレムの元へ接近する。
フリオニールがデルフリンガーを振り上げゴーレムの足に一太刀を入れようとした次の瞬間、

「貴様の相手はこの俺だ!」

仮面の男がひらりとゴーレムの左肩から飛び降り、素早くルーンを詠唱すると
「『ライトニング・クラウド』!」
男の周辺から稲妻が発生しフリオニールに打ち付けた。
間一髪アイスシールドでガードしたがこの盾は炎耐性の為、電撃は通過してしまう。
左腕に激痛と痺れが走り握力が弱まってしまったフリオニールは敢え無くアイスシールドを
手放してしまった。
仮面の男はすかさず『レビテーション』の魔法を使いアイスシールドを拾い上げ左手に
装備すると、自身を標的にして飛んできたキュルケの『ファイアー・ボール』を防いだ。
舌打ちして悔しがるキュルケを傍目にタバサが間髪入れず『ウィンディ・アイシクル』の
魔法を上空から放つがゴーレムの左腕が仮面の男を庇った。
ゴーレムの左腕が音を立てて崩れ去る間に仮面の男は風を操り優雅に地面に着地する。

フリオニールはデルフリンガーを一端地面に突き刺し
(あれは『サンダー』か!?)
フリーになった右手で酷い火傷を負った左腕に『ケアル』の魔法をあてがいながら敵の
魔法熟練度の高さに舌を巻いた。
「あの電撃をくらって意識があるなんて化け物か、こいつは!」
フーケは一心不乱にゴーレムの右足を上げて手負いのフリオニールを踏み潰そうとする。
ゴーレムの影に気付いたフリオニールは急いでデルフリンガーを抜き取ると迫り来る
足裏を突き刺した。ひび割れができるゴーレムの足裏。
隙ができたフリオニールを見てチャンス到来と仮面の男が急接近を試みるがタバサの
『エア・シールド』の魔法に阻まれた。
フリオニールは仮面の男が自身を執拗に狙ってくるので黙らせるべく痺れの残る左手を
男へ向けて差し出し『サイレス』の魔法を唱えた(熟練度2)。
仮面の男は眼前の『エア・シールド』を除けるべくタバサに『ライトニング・クラウド』を
放とうとするがルーンを詠唱する途中で言葉がつかえてしまった。
おかしいと思いつつ再びルーンの詠唱を試みるがどもってしまう。フリオニールの『サイレス』が一足早かった。

149 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/21(火) 23:30:37 ID:Q5QWj/s9
仮面の男はフリオニールの魔法にしてやられた、と舌打ちし
「俺は魔法を封じられた!いったん身を引く!先に例の酒場で待っている!」
男は身を翻し駆け足で戦場から身を引く。
フーケはキュルケの『ファイアー・ボール』をゴーレムの右腕でガードしながら
「ち、ちょっと!あたしはどうすればいいのさ!?」
「好きにしろ!」
困惑の表情を浮かべて仮面の男に抗議した。
キュルケとタバサはそうはさせまいと『ファイアー・ボール』と『ウィンディ・アイシクル』で
仮面の男を襲撃するが射程距離外だった為あえなく空打ちとなってしまい、まもなく仮面の男は
暗闇の中に消えていった。

(ああ、俺のアイスシールド・・・)

フリオニールはディストの洞窟探検以来愛用してきた盾をわけのわからない仮面の男に
持って行かれて泣き顔になった。いくらアルビオンへ持っていけないとはいえ見ず知らずの
人間にタダ、でプレゼントするほどお人よしではない。この借りは必ず返す、と固く誓い
眼前のゴーレムの足裏を勢い良く切り裂いた。
「へへ、どうだい相棒。俺っちの切れ味はよ」
「いいね。デルフは只のロングソードじゃないみたいだ」
「当たり前よ!」
フリオニールは相棒を掲げてその威力を称えた。とはいっても『ミスリルソード』クラスの
攻撃力だとは思うが。
いつの間にかゴーレムは左腕を再生し左右の拳でキュルケとタバサに襲い掛かるが『ブリンク』が
功を奏して攻撃が本体に全く当たらない。
フーケはヴァリエールの使い魔のみならずこの小娘二人も『偏在』のような分身をまとって
いることに激しい焦りを感じていた。
この男は何者なのか?一時期、魔法学院内で『先住魔法』と噂されていたこの魔法であるが
実はフリオニールという名の青年は『始祖ブリミル』の生まれ変わりなのではないか?
フーケはそんなことがあってたまるか、とその着想をかなぐり捨ててゴーレムの右足を
上げてフリオニールを踏み潰そうとした。
「その手には乗らないぞ!」
フリオニールは軽やかな身のこなしでそれを避けるとゴーレムの膝下を相棒でなで斬りにした。
ひびが入ると脆くも崩れ去るゴーレムの膝下。
そうこうしている間にもキュルケとタバサの魔法がフーケを狙い飛んでくる。
防戦一方となったことと仮面の男が戦線離脱したこともあり虚脱感が一気に全身を駆け巡るフーケ。
「どいつもこいつも・・・ふざけるんじゃねえぇぇぇ!」
フーケは生気を失くした目から一転、悪酔いした酔っ払いのような座った目つきで絶叫すると
逆ギレしてゴーレムの両腕をブンブンと振り回し始めた。
突然の絶叫に一瞬怯んだキュルケの本体に運悪くゴーレムの拳が直撃する。
勢い良く吹き飛ばされ宿の壁に背中を打ちつけると力なくずるずると地面に倒れた。

150 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/21(火) 23:33:20 ID:Q5QWj/s9
「キュルケ!」
フリオニールは急いで『ケアル』を唱えてキュルケの回復をするが起き上がる気配がない。
「『レイズ』!」
上空から天使が舞い降りてきてキュルケの頭を撫でた後、タバサが駆け足でキュルケの
元へ寄って抱き上げて介抱をした。
フリオニールは俯いてわなわなと震える。左手の紋章がまばゆい光を放つのをフリオニールは
その時初めて目にした。先程の痺れが和らいだが今はそんなことを考える暇はない。
振り下ろされたゴーレムの右拳をデルフリンガーで切りつけて落とし
「デルフ、休んでてくれ」
「って、お、おい!なにするだー」
相棒を鞘に納めると一呼吸置いて
「ギーシュといい人形使いは拳が相当好きみたいだな」
意味不明(?)なことを言い指の骨を鳴らして一心不乱にゴーレムに殴りかかった。
足元からだるま落としの要領で粉々になるゴーレム。紋章の影響なのか火事場のバカ力か
『ちから』のステータスがMAXの99になったフリオニールの両手素手(熟練度4)の
破壊力を味わったゴーレムはあっという間に頭部のみとなってしまった。

よろけながらも必死に地面に着地したフーケはフリオニールと対峙し
「あたしの負けよ。さぁ、好きにしな!」
降参宣言をしたが相手は無言だ。
「・・・なんで殺さないんだい?」
フリオニールは頭を振る。
「・・・一緒に帝国・・・レコン・キスタと戦おうだって!?あたしみたいなはぐれ者とかい?・・・」
フーケは思い悩み唸り声を上げる。
「いや・・・レコン・キスタはどうでもいいんだけど、もう悪さをしないって約束してくれ!」
フリオニールは激しくデ・ジャヴを感じていたがフーケが今度は心から反省していると
感じ取り許すことにした。
「ダーリンは甘いのよ」
タバサの肩につかまり重い足取りでフリオニールの元へやってきたキュルケはかすり声で反対した。
「キュルケ!無事でよかった・・・」
戦友の無事に安堵してほっとするフリオニールは思い出したように
「ところでフーケ、あの仮面の男は何者なんだ!っていうかアイスシールドを・・・」
フーケに未練がましく愛用の盾の行く末を問い質した。
「・・・言えるわけないじゃないか。あの男には一応恩があるんだ」
フーケはそっぽを向いて返答した。
「バカ!ダーリンだってあんたの命を救ったじゃない!」
キュルケは頑固なフーケに今にも飛び付きそうな勢いで食って掛かった。
「・・・どうしたらいいのかわからないのさ!こんな世界に生まれちまったせいでさ!」

フーケはそう言い捨てると駆け足でこの場を去っていった。

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:34:09 ID:Q5QWj/s9
ゼロのチェリーな使い魔の第18話は以上です。
失礼しました。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:37:13 ID:EttNzFuq
>>151
乙さんです。

ここの住人に勇気を貰って書いてみる。
しかし多分誰もネタが分からないんだろうなと思うと心配になってしまう。

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:45:58 ID:O2TQR5qZ
杞憂

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:48:51 ID:N+an6hPt
>>140
前々から思ってたんだが別に型月除外しなくてもよくね?
ここに合流させればいいじゃん

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:53:39 ID:wkvogyDW
乙乙

>>152
勇者カタストロフで盛り上がれるスレなめんな

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:53:45 ID:J97dyNfA
>>154
型月は隔離対象だからさ

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:54:23 ID:Mo6+jtH9
>154
型月がからむと狂的設定厨が荒らし同然に暴れまわってウザいから・・・と言うのが型月禁止の理由だったはず。

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:55:34 ID:HtjK0ZUJ
ちょっとしたことで信者が設定設定って喚き出して、延々と俺解釈の押し付け合い議論始めた挙句に罵り合うから駄目です。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:57:40 ID:wCQ2N8nw
……と、このように激しい拒否反応が起こるのも理由の一つです
つーか>>154よ、今回の件は全然別じゃね?

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:58:19 ID:HtjK0ZUJ
>>155
一昨日、愛蔵版買ったよ。
没になったけどズックとリプリィの娘が主役の次回作の話も持ち上がったんだなあれ。

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/21(火) 23:59:20 ID:N+an6hPt
昔はどうか知らんが今の型月ファンはそこまで民度の低い連中じゃねえぞ

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 00:01:43 ID:0dNEA78l
そもそも普通に空気読めるファンは厨とは呼ばれない
一部の民度低いのが型月厨と呼ばれるのだ

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 00:03:34 ID:H6+V62qo
一部のコアなファンも型月板にこもってるよ
むしろアンチのネガキャン工作

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 00:09:34 ID:uQWck/PV
スレイヤーズや恋姫無双のキャラがルイズに、などはもうここと合併してもいいと思うのだが

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 00:12:00 ID:Wt5Zai8M
というかそこら辺のはなんで立ったのかわからんスレなんだが・・・
特に荒れたり揉めたりした覚えはないんだが。

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 00:13:46 ID:SRztRbNb
合併云々は避難所の運営議論スレに持ち込んだほうがいいんでね?

>>160
それはちょっと見たかったなw
バザールとJBとゲイッツが召喚されるSS書いてたんだが、前のパソコンと一緒に消えてなくなったんだぜ・・・

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 00:21:21 ID:H6+V62qo
>>165
一部のアンチが押し通したんじゃねえかなぁ

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 00:24:55 ID:6NcLoDBk
乙ですー

さてフリオは既にルイズと同じ船に追い付くには手遅れっぽいが…
そうなると風竜で結婚式会場に直接乗り込みのパターンかな?
脱出する時にギーシュのモグラがいないんだよな…どうなるんだろう
愉しみにしてます

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 01:46:35 ID:o8GbT3us
クッキングパパとのクロスって書いて良いですか?

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 01:52:55 ID:NW5p2up/
>>155
閉鎖したサイトのゲームで盛り上がれるわけが(ry
そもそも知名度がなさすぐる

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 01:59:15 ID:BLDQM2Fx
>>169 いいと思う。 戦闘を抜きに考えれば実にほのぼのとしたものになるんじゃね?

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 03:37:20 ID:XUCAKTqY
主人公とかは召喚したら怒り狂いそうだけどなw

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 03:40:54 ID:jiTKS/Zz
>>170
安心なされよ。どんなマイナー作品でも1人か2人は食いつく奴がいる魔窟だぞここは。


174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 03:51:46 ID:6NcLoDBk
むしろ閉鎖したサイトのゲームなればこそ懐かしんでくれる人もいるのではあるまいか
さあ、投下するんだ

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 06:34:47 ID:8xqeiV0/
マイナーで皆知らないんだろうなっての自体が己の無知ゆえの思い上がりなんだよ

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 09:58:13 ID:uQWck/PV
>>166
ふーむ、確かに。
分離はともかく合併は前例がないからどうなるかわかりませんが、一応提案だけはしてきます。

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 10:44:11 ID:Qf26QIoK
>>170
大丈夫だ。
俺はこのスレで10年少し前に閉鎖した国産初オンラインゲーム、ロードオブモンスターズをモデルにしたPS版ロドモンに反応した者を見たことがあるからな
更にそれと同一の世界観でスクエニが運営放棄までしたオンラインゲーム“みんなdeクエスト(旧Maill de Quest)”に反応した者も見た

つまり…

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 11:51:53 ID:gxWGCs+8
ここの連中はどんなマイナーなものでも1人、2人は必ず知ってるやつがいるからな。
というか誰も知らないなんての、今まで見たことないんだが。

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 11:56:36 ID:yKk7hNXS
>>177

    ,ィ, (fー--─‐- 、、
.    ,イ/〃        ヾ= 、
   N {                \
  ト.l ヽ               l
 、ゝ丶         ,..ィ从    |
  \`.、_  __ ,. _彡'ノリ _,.ゝ、  |         ∧
   `ゝf‐ゞ゙ujヾ二r^ァuj< y=レヽ.     l\ /
.    |fjl、  ̄.リj^ヾ.)  ̄  ノ レ リ   __|  `  人
    ヾl.`ー- べ!゙‐ ` ー-‐'  ,ン   \   滅 類
      l    f,.ニニニヽ u /:|   _∠,   亡  は
       ト、  ヽ.__.丿  ,イ |     /   す
     _亅::ヽ、 ー   / i :ト、    ´ ̄| !!る
  -‐''「 F′::  `:ー '´  ,.'  フ >ー、   l/、  ,ヘ
    ト、ヾ;、..__     , '_,./ /l       ∨
   ヽl \\‐二ニ二三/ / /



180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 12:15:21 ID:XHJ5WRr1
SSを書く人は少しだけど雑談、感想、支援する人は沢山いるからな。
だからマイナー作品でも分かる人は分かる。
そう、例えば「ねこきっさから山岡大海を召喚」と言っても。

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 12:28:14 ID:sn1QFPJB
俺スルーされたことあるがw

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 12:34:44 ID:lvlSiRuA
それはお前のSSがつまらんかったからだよ

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 13:11:56 ID:keORKCO+
dies iraeから練炭を召喚

ジョゼフと超加速戦闘を繰り広げる・・・・かも?

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 14:07:21 ID:sR3nufJz
ハイグレ魔王を召喚
 
学院がどーなるかはご想像のとおりです

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 14:44:44 ID:cYVHoajx
>>179
なんでだよ

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 15:03:57 ID:JireTcqv
>>185
そんなこと、俺が知るか!

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 15:16:05 ID:jiTKS/Zz
>>180
「ゼロのルイズが死体を呼び出したぞー!」
と騒ぎになるわけですね、わかります。
まあ、動くしそれ以上の騒ぎになりそうだが。

等と話に乗ってみる。

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 15:37:07 ID:dFfAZaDg
>>186
そこは「俺だって……わからない事くらいある……」だべさ

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 15:42:04 ID:gxWGCs+8
>>188
おいおい、そう言っちゃうと、>>185もなんだってーー!!どういうことだキバヤシ!!にしないと。

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 15:58:15 ID:uQWck/PV
どんなマイナーでもわかる人はいるか、なら

ルイズが召喚したのは黄色い変な形の鉄のゴーレムだった。
手には刀を持っていて、背中にはなぜか”嘘”と書かれた旗を背負っている。
「なんやなんや!ここはどこやねん!」
説明…
「なるほど、まあここも美人が多いみたいやし、いいでえ」
「じゃあ契約」
「えーっ、どうせならあっちのボインのねーちゃんのほうがいいわ。じょーちゃんのそれはまるでまな板……」
プチッ
「死ねーっ!」
「あびょーっ!」

カンリュウサイは一機減った。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 16:55:38 ID:sR3nufJz
「死ねーっ!」はむしろ署長

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 17:20:26 ID:stwxEzZy
はい、というわけでね
>>176が避難所の運営スレにて下記のように提案しているので、なんかある人はご意見ご感想ををお寄せ下さい。


運営議論スレ http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1283476347/108n- よりコピペ
108 :名無しさん:2010/12/22(水) 10:11:50 ID:L5DTCfco
本スレで出た案件なのですが、
本スレとは別の○○のキャラがルイズに召喚されました、の姉妹スレのいくつかは別扱いにする必要が感じられないので本スレに合併してはいかがでしょうか?
具体的には、まだ書き込みの多いダイ大や型月などは別として、レスもSS投下もほとんどないスレイヤーズ、ソードワールド、恋姫無双です。
これらは幽霊スレと化していますので、あちらのほうでは本スレとの合併を、本スレのほうではそれらとの合併を宣言してはいかがでしょうか。
このまま個別に進めても利点はなく、隔離する理由もないので本スレの活性化にもつながると思います。

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 17:29:39 ID:sR3nufJz
賛成に一票

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 17:33:19 ID:rIldRBDU
わざわざ運営まで持って行ったのにここで言ってどうするw

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 17:48:05 ID:stwxEzZy
あっ、ごめん言葉が足りなかったかなw
>>192のURLがそうだから、運営で言ってあげてねw

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 19:45:55 ID:NW5p2up/
>>173 >>177
…凄い魔窟っていうレベルじゃねーぞこれ!
紅色のあの場所でって言う奴知ってる人はおらんかな。
できれば製作者を当ててくれる人を望んでみる。

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 21:40:58 ID:9KU2ktgR
そしてここからそれらのマイナー作品を知らなかった人がファンになるという図式が出来上がっているのです。


198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 21:54:40 ID:blNV+p65
最近続々と投下がきて、嬉しいばかり。

13日の虚無の曜日 第二話を10:57に投下しようと思います

199 :13日の虚無の曜日 第二話:2010/12/22(水) 21:57:07 ID:blNV+p65

見知らぬ土地に、ティファニアはいた。
燦々と太陽の光が森の木々に降り注ぎ、木々はその思し召しを余すことなく
すべての葉で受けていた。その葉を撫でるように一条の風が吹く。
人の手により整頓されて草一本生えていない道が木々の間を縫うように敷かれ
雑草はそれを避けるように、木々の根元や茂みの周りで静かに群生していた。
綺麗に管理され、新築と肩を並べられるほどの丸太小屋があちこちに並び、
大きい小屋の外壁には大小様々な小舟が立てかけられていた。

何故か湖が近くにあるのだと強く感じ、
そう意識した瞬間、子どもが発する喜びの声と
バシャバシャと水を跳ね散らす音が耳に入った。
それと同時にあちこちから音が聞こえ始めた。
森の近くからは楽器を鳴らす音が聞こえ、誰かが楽しげに歌い、
子どもたちの嬌声混じりの歌声が上がる。
しかしそれらの音や声は全てくぐもって聞こえ、
さらに体は鉛のように重くゆっくりとしか動けず、
不安もあってティファニアはただ立っていることしかできなかった。

しかし見聞きしたことは、どれも平穏そのものであり、
彼女の心を穏やかにするに十分なものだった。
いつしかティファニアは誘われるまま、声や音が聞こえる場所へと歩を進めた。
少しずつゆっくりと前進しながら、ついに一番大きい丸太小屋を過ぎて
空の色のように澄んだ湖が見え始めた頃。
通り過ぎた丸太小屋から誰かが出てくる音が、周りの音よりもはっきりと聞こえた。
 

200 :13日の虚無の曜日 第二話:2010/12/22(水) 21:58:33 ID:blNV+p65
「――ソン、母さんは少し忙しいから、お友達と遊んでらっしゃい」

優しく子どもを宥める女性がそこにいた。
短めの金髪で、疲れているのを子どもに気取られないように笑顔を浮かべるが、
その笑顔は儚げで、刺激すれば崩れてしまいそうな、
そんな雰囲気を持つ女性が、一人の子どもにしゃがんで話しかけていた。
子どもの顔を見ようとするが、後ろ姿からでは顔は見えない。
しかしその頭部は特徴的だった。毛が一切なく、痛ましいほどツルツルな
子どもの頭部には薄く汗が浮かび、太陽の光が反射していた。
いつの間にかティファニアは女性の言葉に耳を傾け始めた。

「何?苛められる?大丈夫よ。あなたは私の自慢の息子。
何も責められることなんてしてないのだから、苛められなんかしないわ。
え!苛められたらどうするのって?大丈夫、安心して。
そんな悪い子がいたら、母さんがやっつけてあげる!」

その女性は息子が他者と打ち解けられるように励ましているようだが、
息子は頑として母親から離れたくないようで、泣きながら啜り声を出した。
それを見た母親は息子を抱き寄せ、しっかりと抱き締めようとした。
そこへ「パメラさん!」と小屋から声が上がり、
母親は息子を抱こうとした腕を止め、小屋に向かって相槌を打った。
パメラと呼ばれた女性は、最後に強く息子を抱き締めながら、
「ジェイソン、がんばって!」と一声かけると、小屋へと姿を消した。


201 :13日の虚無の曜日 第二話:2010/12/22(水) 21:59:38 ID:blNV+p65
 
ジェイソンと呼ばれた少年は、ティファニアの方へ振り向いた。
ティファニアは思わず息を飲んだ。少年の顔は青白く、頭部全体が歪んでおり、
また両目も本来の形状、通常の位置とは異なり、
どんよりとした暗い目と、悲しみで震える色の薄い唇が、より少年を醜く見せた。
大粒の涙を目に溜めていたジェイソン少年は、ティファニアが見えないのか
横を通り過ぎると、森の方へと向かっていた。

少年の顔があまりにもショックだったため、
ティファニアは何も言えなかったが、自然とその姿を目で追っていた。
だがその無意識に気付き、愕然とした。
ティファニアはハーフエルフのため、耳がエルフと同じように先が尖っており、
それを見た者からは大抵、好奇と畏怖の目で見られた。
そして彼女はその視線を嫌った。しかし今、自分がジェイソンに向けていた
視線はまさにそれであり、自分の中の邪な部分を恥じた。
皮肉にもその邪が、彼女に通常の思考を取り戻させた。

一体ここはどこだろう?

自身の住むウエストウッド村周辺に、このような丸太小屋が林立する場所、
草が生えぬよう丁寧に慣らされた道は見たことがなかった。
木々や群生する雑草は一度も見たことがない種類であり、
またパメラやジェイソンの服装も、ティファニアは見たことがなかった。
何よりここは早朝に近く、自身は夜の森でサモン・サーヴァントを行っていたはず。
「化け物、化け物ー!」という言葉に、ティファニアの思考は中断された。

湖の埠頭の前に20人以上の子どもたちが現れ、
わんぱくそうな子どもたちは押し合いへしあい、遊んでいるようだ。
その口からあのような言葉が飛び出したということにティファニアは驚きを隠せない。
だが、子どもたちが何かの遊びに興じているように見えたのは間違いだった。
注視してみれば子どもたちは誰かを囲んで、その誰かを突き飛ばし合っているのだ。
その誰かとは、先ほど森へ向ったはずのジェイソンであり、
子どもたちは自分たちと同い年の少年を使って、残酷な遊びに夢中になっていた。

誰かが被せたのか。ジェイソンの醜さを隠すように、頭には麻袋があった。
ジェイソンはそれを脱ごうとしているのだが、無防備なところを突き飛ばされ、
体勢を崩さないように踏ん張るのだが、踏ん張った先でまた突き飛ばされる。
それを繰り返され、麻袋からはそれとわかるくらいの呻き声混じりの泣き声が聞こえた。
しかし子どもたちは手を休めずに、ジェイソンを突き飛ばし続け、
口々に「化け物」「ブサイク」「赤ん坊」「泣き虫」と罵った。
ティファニアはこの光景を見て、咄嗟にやめさせようと叫んだ。

しかし子どもたちの誰一人として、彼女の叫びに耳を傾けず、
ネコがネズミを嬲るように、少年を痛めつけ続けた。
少年が醜いという、ただそれだけの理由で。
子どもたちがやり過ぎたのか、それとも責め苦に耐えられなかったのか。
ジェイソンの体が、湖に吸い込まれるように沈んだ。


202 :13日の虚無の曜日 第二話:2010/12/22(水) 22:00:29 ID:blNV+p65
 
ティファニアは埠頭へと走った。鉛のように重い感覚は嘘のように消え、
それまで時間をかけなければ、まともに動けなかった身体が
まるで少年を助けようという心に呼応したかのように動く。
埠頭にたどり着くと、冷たい湖水に手を浸し、ジェイソンを引き上げようとする。
しかし手は水を掻くだけで、肝心の少年にはまるで届かない。
ティファニアは周りにいるはずの子どもたちに声をかけようと
口を開いたが、その口はすぐに閉じられた。

少年を集団で虐めていた子どもたちの姿が消えていた。
そして湖の周りの風景が一変していた。
埠頭への移動の内に変わったのか、
それとも彼女が湖で少年を助けようとする内に変わったのか。
さっきまで燦々と輝いていたはずの日の光がなく、
湖を囲うようにあった森の木々は、漆黒の闇に取って代わられた。
目の前で溺れていた筈の少年の姿も消えていた。
闇の先は何も見えず、ティファニアただ一人が、湖にいた。

ティファニアが呆気にとられる中、音もなく闇から何かが現れた。
それは一人の老女だった。顔には苦悩の皺が刻まれ、
目はどこを見るでもなく宙を彷徨い、
乱れた短い金髪がその姿を痛ましく見せた。
老女はティファニアの目の前で立ち止まり、何事か呟いた。

「今日はあの子の誕生日なの・・・・・・あんなに良い子だったのに!
ジェイソン、私の大事なかわいい息子!あの子は泳げなかったのよ!
なのに、監視員が情事に耽っていたせいで、あの子は死んだの!
ああ、私のジェイソン・・・・かわいそうなジェイソン・・・・」

ティファニアは愕然とした。目の前にいる老女はジェイソンを息子といったが、
彼女には息子を励ましていた女性と、この老女が同一人物だということに
思考が結びつかない。目の前の老女はそんなティファニアの動揺を気づいているのか、
今までにない鋭い目でティファニアを睨みつけた。

「・・・お前のせいだ。お前がジェイソンを見ていなかったからだ!
 お前のせいで、私のかわいいジェイソンは死んだのよ!」

老女の口から罵倒が飛び出し、ティファニアは思わず耳をふさいだ。
老女は奇声に近い罵詈雑言をティファニアに浴びせ、
彼女は無意識のうちに一言「ごめんなさい」と呟いた。
老女は彼女の言葉を聞いたのか、突然しゃべるのをやめた。
しかし老女は動きを止めたわけではなかった。
右手が徐々に下へと向かい、どこに隠していたのか、大きなナイフを掲げた。

「その女を殺して母さん。殺すんだ・・殺して・・・
殺して・・・・殺せ・・・・・殺せ・・・・・・殺すんだ!」



203 :13日の虚無の曜日 第二話:2010/12/22(水) 22:01:25 ID:blNV+p65
 
自分に向けられる老女の鋭い目に、ティファニアは今までにない恐怖を感じた。
そこに正常な人間の目はなく、獰猛な獣の、血に飢えた目が存在していた。
老女は狂気を宿した目で、ティファニアを射殺すように憎悪と殺意を向けた。
ティファニアは自身の最期を感じた。老女の右手が振り下ろされ、
自分の体を刃物が貫くのを恐れ、深く目を閉じた。
しかし、いつまでたっても痛みが訪れない。瞼を薄く開けてみると、
今にも襲いかかろうとしていたはずの老女が消えていた。

またしてもティファニアは一人になった。
彼女はこの異常な世界から抜け出そうと、とにかく湖から離れようとした。
埠頭から少し離れ、木々の代わりに現れた闇の前で逡巡する。
その逡巡の間、彼女の耳に水音が聞こえた。
何かが湖から現れ、埠頭に足をつける音が。
彼女は思わず振り向く。そこには溺れて消えたはずのジェイソンがいた。
ポタポタと水を体から垂らしながら、俯いた少年が顔を上げた。
醜い顔があるはずの場所に、白い仮面があった。
ティファニアはどこかでそれを見たことがあるような気がした。

ジェイソンが彼女の方へと歩いてきた。
最初は歩みが遅く、おぼつかない足でゆっくりと。
その後急激にしっかりと歩き始めると大股で歩き、
肩をいからせながら、着実に歩を進める。
その歩みの変化は、体にも現れた。
貧弱な足が木の根のように大きくなり、棒切れのような腕は太い丸太の様。
薄い胸板は成人の男性のそれのように厚くなった。

ティファニアの目の前に少年が来たとき。
そこにいたのは少年ではなく、成人した男性、ティファニアよりも大きな男の姿だった。
白い仮面から濁った眼が覗き、そこから一切の感情を読むことはできず、
だが非常に分かり易い、悪意に満ちたものが体中から放射されていた。
少年の母親がティファニアに向けていた、憎悪と殺意が
この男から、より強くティファニアに向けられていた。

そして彼女は全て思い出した。自身がサモン・サーヴァントで呼び出した、
目の前に迫る男の存在、そして自分が男に突き飛ばされ、気を失ったこと、
これは夢であり、同時にあの男の過去なのだと・・・・



204 :13日の虚無の曜日 第二話:2010/12/22(水) 22:02:27 ID:blNV+p65
*************************

ジェイソンは困惑していた。自身の置かれた状況と相反する感情のぶつかり合いに。
直立不動のまま、手に持った鉈を振り上げずにぶら下げ、
言い知れぬ感情に、戸惑っていた。
現在の複雑な状態になったのは、数分前に遡る。


ほんの少し長い睡眠を取ろうとベッドで寝ていたはずが、
突然胸に走った痛みにより起きてみれば、何故か自身を見つめる金髪の少女がいた。
条件反射で突き飛ばすと、少女はボールのように宙を飛び、
剥き出しの地面に背中から落ちた。
その光景を眺めながら、少女に襲われたと合点がいき、
ジェイソンは自身の状態を確認した。

胸の痛みは現れた時と同じように、忽然と消えていた。
元々ボロボロな衣服に異常はなく、服を引っ張って覗くと
夜闇ではっきりとは見えないが、左胸に入れ墨のようなものがあった。
猛烈な怒りがジェイソンの胸に宿った。
寝ている隙をつかれたこと、痛みを与えられたこと、
妙な印を書き込まれたことを含め、何より家から連れ出されたことに激怒した。
少女の生命を即座に断つことだけを考えて、ジェイソンは立ち上がった。

そこで初めて周りの風景が映り、困惑しながらも一切の感情を感じさせなかった
ホッケーマスクの内側の目に、さざ波程度の変化が現れる。
ジェイソンは自分が住居から引きずり出されただけだと思っていた。
かつてジェイソンの手から逃れた少女が、超能力を使ったのと同じだと。
だが彼の目の前に広がる光景は、その認識が誤りだと告げていた。
ジェイソンはクリスタルレイクとその周辺の森を活動範囲にしており、
連続殺人を犯し続けて約30年以上の彼にとって、活動範囲全てがホームグラウンドであり、
その全てを知り尽くしているといって過言はなかった。

しかし目の前の木々はジェイソンの知っている
クリスタルレイクの森の木々とは全く違っていた。
そして木々を照らし、闇を払う光を発する源、
幾年も殺戮の夜を共にしてきた「月」は数が増え、
通常とは異なる二条の光を放ち、ジェイソンの体を闇へ浮かび上がらせていた。
ジェイソンは二つの月をしばらく見上げていたが、興味がなくなったのか目を下げ、
足元に散乱している物を見ると、10秒ほどクマの人形に目がいき、
枕には一瞥もせず、落ちていた愛用の鉈を拾い上げた。
そして倒れた少女に向かって鉈を振り下ろそうとした。

しかし鉈が少女の柔肌を断ち割ることはなかった。
彼の中に残った良心が、殺意が込められた腕を鈍らせたのか。
だがジェイソンに慈悲の心はない。自分に出会ったもの全てに
情け容赦なく死を与えてきた。そんな彼にこれから殺そうとしている人間に
慈悲や哀れといった感情を向けることは決してなかった。
それ故に少女を殺害することに躊躇するわけがなかった。
だが、彼は目の前の少女を殺すことに初めて戸惑いを感じた。


そして現在に至る。彼は鉈を持った手を振り上げようとするが
意志に反して腕が上がることはない。ジェイソンは愕然とした。
何が目の前の少女を殺すことを躊躇わせているのか、彼には理解できなかったのだ。
彼はやり場のない怒りを、殺そうと思っても殺せない少女に向けた。
そこで、彼の耳朶に微かな声が聞こえた。


205 :13日の虚無の曜日 第二話:2010/12/22(水) 22:03:42 ID:blNV+p65
 
「―――そうな――ソン」

ジェイソンはその声が、目の前の気絶した少女の唇から発せられているとわかった。
殺意を漲らせていた数分前の彼だったら、この声に何も感じなかっただろう。
しかし殺意のなくなったジェイソンは興味本位に、その声に耳を傾けた。

「かわい―――――ソン」

ジェイソンは更に耳を傾けた。
ホッケーマスクに包まれた彼の頭は、必然的に少女の顔へ近づき、
その閉じたままの瞳を睨みつけたまま、耳をそばだてた。
突如として少女の目が見開き、ジェイソンの目と合った。
だがその視線は夢遊病のように揺らいでおり、
ジェイソン自体を見ているわけではないようだった。
そして今度ははっきりと言葉が聞こえた。

「かわいそうなジェイソン」

ジェイソンは驚愕した。自分の名を呼ばれたこともそうだが、
何より自分を「かわいそう」といった憐憫の籠った言葉が、
殺意と憎悪と怒りで満たされていた思考を、驚きでかき乱した。
そして彼の脳裏に母の記憶が蘇り、彼をより恐慌へと導いた。
彼はその記憶の母の姿を、目の前の少女へと重ねようとしていたのだ。
自分にとって絶対の存在だった母を、共通しているのは金髪だというだけで
髪の長さも、肌の色も、そして何より嫌に目につく長く尖った耳という
大きな違いがあるのに、彼はそれを考えるのをやめられなかった。
そしてジェイソンは殺人鬼として過ごした人生の中で、
一度も行ったことがないことをしようとした。
少女の視線から逃れようと、鬱蒼と生い茂る森の奥へと、足を進めた。
ジェイソンは無力な少女から逃げた。


206 :13日の虚無の曜日 第二話:2010/12/22(水) 22:05:49 ID:blNV+p65
13日の虚無の曜日 第二話は以上です。

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 22:07:21 ID:0b1sSYWP


208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 22:12:25 ID:XR/WO1TN
乙です
ジェイソンはこの村の守り神になるのか…?

ルイズの方に才人が来てたら、この場面見たらさぞかし驚くだろうな

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 23:00:23 ID:mVhC+Asc
乙。

かわいソンって何かのギャグかと思ってしまったのは俺だけでいい。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 23:34:53 ID:BlxFQy9l
ジェイソンかわいソン!

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 23:39:28 ID:Be4QiWIV
投稿乙です。このジェイソンは
パート7以降のジェイソンなんですね。


212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/22(水) 23:50:04 ID:BLDQM2Fx
ジェイ乙です。
まさかティファニアはジェイソンの女神になるのだろうか

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 00:51:06 ID:KBf1cuhT
ジェイソンさーーーーーん!!
ティファニアの彫像彫ってくれーーーーーー!!

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 02:26:05 ID:2AvHBir4
ゼロのしもべの作者どこ行っちまったんだよ!!
完結させてくれよマジで!!

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 03:20:16 ID:uafWATNJ
13日の金曜日は3位までしか見た事ないんだが、ジェイソンって普通に思考するんだな


216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 03:42:44 ID:/DWpchOl
>>215
自分に絡んできたチンピラ相手にフェイスオープンして退かす程度には物を考えてるからな。
ソースはジェイソンニューヨークへ行く。


217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 04:05:45 ID:9MKNbFhk
3位って何のランキングだろうと思ってしまったw


218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 08:26:02 ID:mh6kMolo
>213
その続きは○×スレで。

……愛用のチェーンソーでブリミルさえもバラバラに……

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 08:28:21 ID:/S47b2U+
神殺しの斧ですね、分かります

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 08:34:02 ID:NKdTNWWL
チェーンソーか…。
久しぶりに鮮血の使い魔でも読んでくるかな。

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 08:34:26 ID:npxrOtPy
ルイズがスケバンになるんですね

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 09:25:33 ID:5IiMeliy
じぇいそん君は雪山のペンションでバイト中です

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 09:40:34 ID:U1cGZ0yY
>>215
第四作目で、幼少時の自分そっくりにメイクした子供に対して攻撃を躊躇ったことがあるから
記憶力もそれなりにあるんじゃね?

>>216
あの場面では笑ったけど、同時に「お前そういうキャラじゃねーだろ!」と突っ込んだ覚えがあるw

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 09:58:18 ID:EzhQ8WLy
チェーンソーか
ガイガーン、起動ぉーっ!
でも読んでこようか

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 10:01:33 ID:rtrbmQsl
ジェイソンといえばチェーンソーというイメージが何故か定着してるけど
実際はあんまり使ってないんだよね。
ジェイソン定番の武器といえばどちらかというと
13日の虚無の曜日でも使っているようにでかい鉈。

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 11:59:47 ID:eX90GsTF
>>256
>>ジェイソンといえばチェーンソーというイメージが何故か定着してるけど
そのうち 一割ぐらいは、>213のチェーンソーアーティストのせいかも?

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 12:19:43 ID:0N9BhJ9B
実際は機械というと芝刈り機くらいしか使ってないらしいな

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 12:20:20 ID:mh6kMolo
>226
いや、さすがにそれは順番が逆w
チェーンソーというと13日の金曜日、というイメージがあるのでマスクをあれにしてみた。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 12:51:50 ID:2r9k8skg
>>222
幽体離脱体質で吸血鬼の奥さんなオーナーと一緒なんですね、分かります

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 12:56:47 ID:rSo0YALs
じぇいそんって、歳食ったら、どっかの執事になるんだろ?

……古マイナーすぎて、言った本人すら元ネタコミックの名前忘れたわ。

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 13:34:20 ID:h99+Kq2B
じぇ〜いそんさんじょぉ〜

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 13:37:33 ID:mh6kMolo
>227
芝刈り機……しば……シヴァ!

『ダブルクロス・リプレイ・ジパング』よりシヴァ勝家を召喚!
「田はいらぬ!」とハルケギニアインド化計画を遂行するのだ!

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 14:27:12 ID:FKTVrMm5
>>228
>いや、さすがにそれは順番が逆w
チェーンソーと聞くと、真っ先に思い出すのがジェイソンでなく、
かみですらバラバラにする最強武器を思い出す俺はどうしたら……

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 15:29:55 ID:/DWpchOl
>>223
ファンの間では評価低いらしいけど俺は好きだよ。
13金の人のジェイソンははたしてテファと触れ合う事でその狂気が癒されるのか。
無情の人のとは別の意味で結構楽しみにしてる。

>>230
ツインシグナルかよw またマニアックな……
いや、連載当時にガンガン見てた世代にはむしろ直撃のネタか。

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 16:24:11 ID:90KzGaUl
ジェイソンって名前と殺人鬼だってことは知ってるけど他はあんまり知らないなー
と思って調べてみたら、結構色々やってんのねこいつ
死んでも「そんなの有りか」みたいな理由で復活したりしてるし
宇宙にまで行ってたのは意外だったな

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 16:27:37 ID:zmoMIjNJ
ガチャピンも宇宙に行ったんだ
おかしなことは何も無い

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 16:28:45 ID:Y+xRFSEo
十三日の金曜の一作目がサスペンス映画というのは割りと知られていない
ジェイソンは出てこないし(いや、出てくるには出てくるが)

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 17:11:33 ID:EzhQ8WLy
「わしの誤診でな」
これ以上の蘇生理由を俺は知らない

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 17:28:26 ID:qzvuPUhC
>238
王大人「死亡確認」
これ程の誤認連発を知らない。むしろ生還フラグ。

240 :ゼロの怪盗 第五話代理:2010/12/23(木) 17:30:14 ID:mmMA/7WZ
避難所に代理依頼があったんで代理行くよー。
17:35頃より失礼します。

241 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 17:31:57 ID:xRFOGiQ1
こんばんは。
再就職したら五時半起床で一時間以上車運転する毎日になり時間が
なくなってます〜♪というのはさておき。
進路クリアなら17:35ごろより43話(過去編そのろく)を投下します。

242 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 17:33:00 ID:xRFOGiQ1
おっと。それでは私はその後にしますね。

243 :ゼロの怪盗 第五話代理:2010/12/23(木) 17:33:06 ID:mmMA/7WZ
あうち、投下予告とかぶさっちまった。 とっととミッション完了しますぜ。
代理ミッションスターツ
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翌日、ルイズが目覚めると、眠気眼の視界に見慣れぬ人影が入った。

「ひゃあ!?だ、誰!?」

思わず悲鳴混じりの声を上げる。
この部屋には今、ルイズしかいない筈である。
ルイズが何とも情けない顔で見ていると、人影がこちらに向かって軽く手を振ってきた。

「やあ」

その声を聞いて、ルイズの寝ぼけ気味だった頭が一気に覚醒する。
この空気よりも軽い返事は昨日必死の思いで呼び出した使い魔・海東大樹の声である。
散々自分を虚仮にした上に三度自分の前から姿を消したあの使い魔である。
思い出しただけでルイズに怒りが込み上げて来る。
そんなルイズを尻目に、海東は扉の方を指差した。

「いいのかい?授業、始まってるみたいだけど?」

「!?」

海東の言葉でルイズは自分の今の状況を把握し、急いで着替えを始めた。
この時のルイズは目の前の使い魔に自分の着替えをさせる。という発想すら浮かばないほど焦っていた。
自分でも驚く程のスピードで服を着替え終えると、そのまま部屋を飛び出して教室へと向かう。

「行ってらっしゃい」

海東の言葉を背に部屋から飛び出すと、猛ダッシュで教室へと駆け込む。
息を切らしながら教室へ入ると、既に授業は始まっていて、不名誉な注目を浴びる羽目になった。

「す、すみません……。遅刻しました。」

自分の席へと向かう最中、ルイズはあの使い魔にこの苛立ちをどう伝えてやろうかと算段していた。

「へー、これがこの世界の授業風景って奴かー」

「えっ?」

何処か馬鹿にした様な声を聞いてルイズが後ろを振り返ると、海東が壁にもたれ掛かりながらこちらを見ていた。
何時の間に……。とルイズが不思議がっていると、シュヴルーズがコホンと咳払いをした。

「ミス・ヴァリエール。授業中に余所見とは関心しませんねえ」

「!!も、申し訳ありません、ミス・シュヴルーズ」

「正直に謝るのは大変よろしいですが、それはそれ、これはこれです。罰として、ミス・ヴァリエールには皆の前で錬金の魔法を行ってもらいます」

シュヴルーズの言葉に教室中がざわめく。

「き、危険です。ミス・シュヴルーズ!」

キュルケが立ち上がって訴えるが、シュヴルーズはその進言を聞き入れずにルイズを教壇へと呼んだ。
ルイズもキュルケの横槍に思うところがあったのか、周りが止める声も聞かずに錬金を強行する。
その結果、教室内は未曽有の大爆発に巻き込まれた。

244 :ゼロの怪盗 第五話代理:2010/12/23(木) 17:34:19 ID:mmMA/7WZ
高みの見物で一部始終を見ていた海東はルイズの起こした爆発に興味をひかれる。

「楽しいねえ。どうやら退屈しないで済みそうだ」

海東は笑顔でそう言うと指鉄砲のポーズを決めてから教室を後にした。

1人、教室の片付けを言いつけられたルイズは黙々と机を運んでいる。
魔法を使ってはいけないと言われたが、使えないのだから意味がない。
使い魔にやらせようとしたが、爆発の前までこちらを見ていた使い魔は既にいなくなっていた。
自分以外誰もいない教室。
先の爆発でよりガランとなった室内はまるで世界の終わりにさえ見えた。

「ううっ、うう……!」

ルイズは怒りと悔しさと情けなさと寂しさでポタポタと涙を零していた。
何故自分ばかりこんな目に遭うのだろうか?
せめて使い魔くらいもっとマシな使い魔は呼べなかったのだろうか?
ドラゴンやグリフォンとは言わない。
犬や猫だっていい。
せめてこんな時に側にいてくれるような使い魔がルイズは欲しかった。
しかし、ルイズの使い魔はあの常に飄々とした自分を馬鹿にしているとしか思えない様な男なのだ。

「うぇえ〜ん」

誰もいない教室で1人、ルイズは声を上げて泣いていた。


一方その頃、海東は図書室へ来ていた。
ここトリステイン魔法学院の図書室は本来なら海東のような何処の出かも分からないような平民が易々と入れるような場所では無いが、海東はそんなの何処吹く風といった様子で本を読み漁っていた。

「ダメか。全く読めない」

手当たり次第に本を取っては、パラッと閲覧してすぐにポイッと投げ捨てる。
海東の後ろには何時の間にか本が堆く積まれていた。
この様子に周りの生徒たちは怒ったり、注意したりというよりもただ唖然としていたが、唯1人怒りの青い炎を燃やしている生徒がいた。
それは通称、図書室の主・タバサであった。

245 :ゼロの怪盗 第五話代理:2010/12/23(木) 17:35:13 ID:mmMA/7WZ
彼女はとても本が好きで、いつも本を持ち歩き、暇さえあれば読書を嗜んでいた。
そんな彼女にとって、海東の行為は死罪に値した。
タバサは図書室に入り海東の行為を目撃するなりエアハンマーで吹き飛ばしてやろうと考え海東に杖を向けた。
その瞬間、海東はタバサの方を見向きもせずにディエンドライバーを取り出して銃口を彼女へと向けた。

「物騒だなあ。図書室では静かにするのは常識だよ?」

そう言うと、海東は目をタバサに向けた。
タバサは戦慄する。
彼女はとある事情により、同年代の少年少女よりも実戦経験を積んでいる。
その百戦錬磨の勘が目の前の男は危険だと告げた。

「……本を投げ捨てないで」

冷や汗の中、辛うじて絞り出した言葉がそれであった。
最も何も知らない者から見れば、タバサは相変わらず無表情に見えたのだが。

「本は大事に扱わないとすぐに傷む……」

タバサは唾をごくりと飲み込む。
本が大好きなタバサにとって図書室で戦闘するのは避けたいことであったし、仮に目の前の男と戦闘になったとしても勝てる自信が無い。
図書室内に緊張が走る。
先に動いたのは海東だった。

「そうか。それは悪かったね。今後は気を付けるよ」

海東はタバサに向けたディエンドライバーを下ろすと、ニコリと笑った。そして、今手に取って開いていた本を閉じると元の場所に戻した。
タバサはホッと胸を撫で下ろす。
先程まで投げ捨てていた本を片付けないのはしゃくに障るが、やり合うよりはマシと判断した。
海東は海東で再びランダムに本を手に取りパラパラとめくっては元に戻すといった作業を繰り返す。
その中で1冊の本に目が止まった。

(……これは)

それは様々な印が載っている本であった。
今度は1ページ1ページ丁寧にめくっていくと、自分の左手に刻まれた印に良く似た印を見つけた。
解説文みたいなのも載っているが、やはり海東には読めない。
海東はタバサへ向き直った。

246 :ゼロの怪盗 第五話代理:2010/12/23(木) 17:36:58 ID:mmMA/7WZ
「……私はタバサ」

いきなり身に付けたものの名前で呼ばれたことにタバサはムッとして、自分の名前を主張する。

「そうか。じゃあメガネ君。この本に何が書いてあるか僕に教えたまえ」

「……………………」

タバサの言葉を完全に無視して海東は本をタバサに突き付ける。
心情的には海東に協力したくは無かったが、だからといって協力しなければ何をされるか分からない。
タバサは仕方無くそのページに書かれた文字を声に出して読んだ。

「ガンダールヴ……伝説の使い魔……全ての武器を使いこなし……人間離れした動きで敵を倒したという」

「ふーん。他には何か書いていないのかい?」

「それだけ」

タバサは無表情で答える。
何故、この男は伝説の使い魔など調べているのだろうと疑問も浮かんだが、今はこれ以上海東に関わり合いたく無かった。

「そうか……伝説……か」

(全ての武器を使いこなし、人間離れした動きをする、か。これはとんだお宝だったみたいだね)

海東は左手に刻まれた印を改めて見直す。

(取り敢えずこの印については分かった。後は本命のお宝だね)

この学院に眠る破壊の杖。
海東はそれを盗み出すことに本腰を入れることを決める。
破壊。
その言葉に海東はいたく惹かれていた。
それは彼が唯一仲間と認めたある男の代名詞でもあった。

「士……」

海東は誰に言うのでもなく呟くと、図書室を出て宝物庫のある場所へと足を向けるのであった。
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以上、ミッションコンプ
チャンネルはそのままで萌え萌えさんをお待ちください

247 :ゼロの怪盗 第五話代理:2010/12/23(木) 17:38:46 ID:mmMA/7WZ
うわ、コピペミス発覚。
>>245の尻に

「そこのメガネ君。ちょっといいかい?」

って台詞を忘れてたわ。すいません、作者様ご迷惑をおかけしました。

248 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 17:41:26 ID:xRFOGiQ1
代理乙です。
それでは少し時間を空けて、17:55ごろより投下開始します。

249 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 17:54:59 ID:xRFOGiQ1
それではいきます。


 西暦1944年10月20日。かつての敗北から捲土重来したアメリカ軍は
大挙してレイテ島への上陸を開始した。
 この日を予測した南方軍司令官寺内元帥は、秘密裏に満州から決戦兵器を
レイテ島に移動させ、山下大将隷下で決戦に備えさせていた。
鋼鉄の旋風が吹き荒れ、血を血で洗う激しい戦いが繰り広げられる。
この戦いで、大日本帝国陸軍はその南方軍戦力のほとんどをすり減らす
事態となった。
 二ヶ月にわたる戦いの末、アメリカ軍はレイテ島における日本軍の
組織的抵抗の終結を宣言することになる。だが、そのとき、帝国陸軍の
決戦兵器の姿はどこにも見当たらなかった。そう、その痕跡すらも――


 失われたはずの試製二脚歩行型超重戦車『キョウリュウ』は、今、
ハルケギニアの大地を猛進していた。胸部に搭載した原子力機関を包む
厚さ十センチの鉛の防御隔壁とそれを包む重コンクリートの格納容器は、
召喚されてから続く連日の攻撃により、その電気溶接に、そして構造体
そのものにヒビが入っている。
 戦車の砲塔すら一発鋳造できない大日本帝国の鋳造技術では、巨大な
隔壁を鋳造できなかった。そのため、分割して鋳造を行い溶接していたのだ。
また、放射能防御のための硼砂米飯を圧縮充填した遮蔽体(本来は中性子
遮蔽に優れる物質だが、開発時にはその認識はなかった)との間隙を伝う
『ストリーミング』現象によって漏れ出たガンマ線は、乗員たちに深刻な
影響を与えつつあった。



250 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 17:55:59 ID:xRFOGiQ1
「大佐殿。先程の通信、やはり友軍のものではないでしょうか?」
 操縦士が一段上に座る車長に尋ねる。この『キョウリュウ』は三人乗り。
大日本帝国陸軍の技術の粋を集め、原子力機関から隔離された頭部にある
操縦室の車長、操縦士、砲手の三人だけで運用できるようになっていた。
 操縦士の言葉を、車長は一笑に付す。
「謀略だ。海軍の鋼の乙女あかぎは、二年も前にミッドウェイの海の底だ。
それに、使ってきたのは開戦当時の帯域だぞ。いくら海軍でも、我々の
無線帯域を知らぬはずがない」
「ですが、友軍との連絡はつかない、ですね」
「うむ。レイテ島のジャングルに伏せていたはずが、大きな揺れを感じた
後で砂漠に移動していた。何らかの事態が発生していることは確かだ」
 車長はそう言ってカイゼル髭をなでる。事実、召喚直後にエルフが
この『キョウリュウ』を発見していたのだが、精霊の異常な叫びに危険を
感じ、近づかなかった。そのため、視界の狭い『キョウリュウ』に乗る
彼らは、その存在を確認できなかったのだ。
 彼らは疲弊していた。『キョウリュウ』の巨体は目立ち、彼らに安息を
与えることはなかった。連日連夜に及ぶ攻勢の中、寸暇を縫って休息を
取り、彼らは北西を目指していた。その理由は彼らにも分からない。
「大佐殿!後方に新たな敵機!また空飛ぶ竜に乗った連中です!」
 副潜望鏡で周囲を確認していた砲手が報告する。操縦士がハンドルを
切り、巨体はその大きさからは信じられない反応速度で反転した。
「来たか……性懲りもなく。主砲発射用意。今度も丸焼きにしてやれ!」
 車長が自分の潜望鏡で敵機――ガリア王国東薔薇花壇騎士団の竜騎士たち――を
確認する。車長の命令で砲手が引き金を引くと、口腔内に装備された
赤く着色された照射方向確認用探照灯が輝き、同時に大型熱線砲から
不可視のメーザーを照射する。暴力的な光の中、次々と竜騎士たちが
墜ちていく。首を振ることでメーザーを動かし、空に絵を描くかのような
美しさとは裏腹に、あたりは地獄と化していた。




251 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 17:57:03 ID:xRFOGiQ1
 武雄とルーリーを乗せた複座零戦は、準備が整い次第国境のクロステルマン
伯爵領にあるトリステイン王国軍国境防衛総本陣へ飛ぶ。出発に少し時間が
かかったのは、あかぎの提案でルーリーが庵に置いてあったとある秘薬の
原料を持ち出すのに時間がかかったためだ。
 それはトリステイン王国の西部、アングル地方で採れるシェルムという
海草を乾燥させて炙り焼きにした灰から抽出したエキスを固めたものだが、
水の秘薬が買えない平民が傷の治療に用いるくらいで、あまりその需要は
高くない。アングル地方でも海草そのものがスープの具材として使われる
ものの、独特の粘りのある食感から地元民以外で食する者は少ない。
食べる以外ではせいぜい現地の海女たちが海草を粉にして水に溶いた
ものを体に塗り、入浴するくらいだ。それをあかぎが持てるだけ総本陣に
持ち込むよう指示したのだ。
「……それにしても、こんなものが毒消しになるとは思っていなかったよ。
確かに水の秘薬を使う前にこれを酒に溶かしたものを塗ると傷の治りが
早いとは言うがね」
 後席に座るルーリーがあきれたように言う。武雄と違ってルーリーは
飛行服ではなく普段の淡い紺色のゆったりとした外套姿。杖は長すぎて
操縦席に持ち込めないので、秘薬の壺と一緒に箱詰めしてバラスト代わりに
座席の後ろの胴体に入れてあった。
「俺たちの国じゃアルコールに溶かしたものを『ヨーチン』って言ってな。
消毒薬として広く使われているのさ。
 それと同じものだとあかぎは知っていたようだがな。だから普段から
子供が怪我をしたときなんかに使ってただろ?買い込ませたのもあかぎだし」
「違いない。アイツの頭の良さにはアタシも感服するよ。
ところで、方向は間違いないのか?」
 心配そうに聞くルーリー。武雄は先の写真偵察時にあかぎが探知した
場所を目指して飛んでいる。視認していないので確証はないが、大丈夫
だろうと彼は思っていた。
「まぁ大丈夫だろう。あかぎがこっちだって言ったんだし」
「はぁ。まあいいがね。あんまり寄り道すると困るのはお前だぞ」
 あきれたようなルーリーの物言いに、武雄は苦笑する。途中で先行した
マンティコア隊を眼下に見たことで、二人は方向が間違っていなかったと
確信した。




252 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 17:58:21 ID:xRFOGiQ1
 トリステイン王国国王フィリップ三世は、ここクロステルマン伯爵領を
決戦の地と考えていた。ガリアとゲルマニアの強力な戦力をことごとく
退け、こちらに向かって邁進する敵をここで防げなければ、トリステインは
蹂躙されるしかない――王の決意は、臣下の隅々にまで染み渡っていた。
王がクロステルマン伯爵の居城、シャトー・クロステルマンではなく、
国境にほど近い湖の畔の丘の上に陣を構えていたのも、その意気込みの
表れだった。
 そこに、武雄とルーリーが謁見を申し出ていた。二人が途中で上空
警護中のギンヌメール伯爵と出会えたのは幸運だった。伯爵の計らいで、
武雄たちは速やかに王の前に進み出ることができたのだった。
 武雄とルーリーの説明を聞いて、王は美しく整えられた美髯をなでる。
年の頃は四十に迫るものの『英雄王』の誉れ高く鋭気にあふれるがっしりと
した体格の王は、王の天幕にしつらえられた簡易の玉座に侍るクロステルマン
伯爵に尋ねる。三百年前にガリアより割譲されたこの地を治める彼も
また、祖先のガリア人の風貌を残していた。
「……そちはどう思う?」
「彼らの言葉は信じるに足るかと。彼らは嘘をつくような人間では
ありません」
「確かにな。余が以前謁見を許したときにも、そう思った」
「はい。陛下。その彼らが、いや、あかぎ殿がそのように言ったとなれば、
これは大至急作戦の練り直しを行う必要があると愚考致します」
 広大な薬草園を経営し薬学に長けたクロステルマン伯爵家と、武雄たちは
ミジュアメの卸を通じて面識があった。ギルドと決裂したため販路を
失った時期に新しい秘薬に興味を示した先代のクロステルマン伯爵からの
接近があり、それを幸いとあかぎが伯爵家に仲買を依頼したためだ。
また子供好きなあかぎに伯爵の一人息子もよくなついており、その点からも
伯爵家から武雄たちは好意的に見られていた。
 クロステルマン伯爵の言葉を受けて、王はふむと一考する。
「敵が風下にいるうちに動きを止め、遠距離からの『錬金』で鉛に変えて
しまう、か。それほどまでにあの鉄の竜、いや『キョウリュウ』か、
あれは危険だと申すのだな?」
 王の問いかけに、武雄が面を上げる。
「はい。先に申し上げましたとおり、あかぎは、もうあれは制御不能
寸前だと言っていました。すでに放射能、これは目に見えずにおいもない
『毒』だとご理解いただければと思いますが、それが漏れ出ている状態です。
 先日自分たちがあれの姿を確認しに向かったときにも、あかぎは
できる限り近づかないよう自分に指示しました。そして、村に戻り次第
『竜の羽衣』がかぶった『毒』を洗い流させました。万が一、爆発でも
させてしまえば、風下にある土地はことごとく『毒』に侵され、
今後七十年は生き物が住めない土地になるということです」
「余はそなたらに出国許可証を出した覚えはないぞ、と言いたいところだが、
そのような理由であれば不問に処すことにしよう。どうせガリアにも
見つかってはおらぬのであろう?」
 王はそう言って笑みを浮かべる。三十年も我が王家を謀りおって、
と言う王の言葉は、武雄たちを責めるものではなかった。



253 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 17:59:33 ID:xRFOGiQ1
 武雄たちは、あかぎに言われたとおり、『キョウリュウ』が有人の
超重戦車であることを王に話さなかった。あかぎは乗員の命と乗員を
助けるための被害を秤にかけて、むごいようだが『キョウリュウ』を
暴走したガーゴイルと彼らに認識させ、汚染された乗員もろとも沈黙
させようとしていたのだった。

「それよりも……問題となるのは、攻撃に参加する将兵に配給する毒消しが
全く足りないことですな。ミス・エンタープライズが持参した木箱に
収められた壺だけでは、第二竜騎士大隊すらまかなえませぬ。
 まもなく合流予定の魔法衛士隊を優先させるとして……それにしても、
ただの化膿止めの秘薬にそんな効能があったとは、恥ずかしながら
私も初耳です」
「そちの倉にはないのか?」
 王の問いかけに、クロステルマン伯爵は首を振る。
「これは我が国西部のアングル地方からガリアにかけてのやや深い海で
採れる海草を原料とする秘薬にございます。陛下。多少なら備えておりますが、
もとより水の秘薬が買えない平民向けのものでございますれば……」
「それでも秘薬である以上は、それなりの財がなければ備えもできぬか。
 分かった。そちは今晩中に集められるだけの秘薬を集めよ。アルビオンからの
援軍にも渡さねばなるまい。遠見の兵からの報告では、『キョウリュウ』は
明日にも国境を越えるぞ」
「はっ」
 王の言葉に、クロステルマン伯爵は足早に天幕を辞した。残った武雄と
ルーリーに、王は話しかける。
「そなたらの働きにより、我が軍はいらぬ損耗を抑えることができそうだな。
褒美を取らそう。デピネイ!」
 王は小姓を呼び、二人に金貨が詰まった革袋を取らせる。
そこに、武雄が口を開く。
「では陛下。自分たちも明日の戦いには参加させていただきます」
「私も参加させていただきたく。土のトライアングルとして、『錬金』には
少々自信がございますれば」
「そうか。先程の話では、かの『キョウリュウ』はそなたの国の決戦
兵器だそうだな。それがどのようないきさつからかこの地に召喚され、
暴走して我が国を襲う。そこにそなたらが余に助力するというのは、
誠に奇妙な巡り合わせよ。
 しかし、何故このトリステインにそなたらが集った?
それにあの『キョウリュウ』が脇目もふらずにトリステインを目指すのは
何故だ?」
 王の疑問に、武雄は答えを持たなかった。




254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 17:59:45 ID:EzhQ8WLy
「支援しますか?」
「ヒスくん、君は馬鹿かね」

255 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 18:01:17 ID:xRFOGiQ1
「……それじゃあ、国王陛下は説得できたのね?」
『ああ。『キョウリュウ』は明日国境を越えるってことだ。
俺とルーリーはこのまま作戦に参加する。だが、本当にいいんだな?』
 夜の帳が降り始めたタルブの村の『竜の道』で、あかぎは武雄からの
通信を受け取った。
 あかぎの指示通り、『キョウリュウ』は暴走したガーゴイルとして
処分される。武雄はその心中を慮った。
「彼らを助けるために消える命の重さには変えられないわ。私たちは、
もう長くいすぎちゃったもの」
『そうか。そうだな。分かった。会敵予想時刻は明日のヒトヒトマルマル。
日食も近いから、あの子らにはよく言い聞かせておいてくれよな。
以上、通信終わり』
 そう言って、武雄は通信を切った。声が聞こえなくなってから、
あかぎは無言のまま天を仰ぐ。
どれくくらいそうしていただろうか。
やがて、あかぎは「ごめんなさい」とつぶやいて、村に戻っていった。


 通信が終わってから、武雄は素早く電源を落とした。発動機を回さずに
通信機を動かすため、蓄電池の充電分しか使えないから短時間で終わらせたのだ。
ちなみに、複座零戦の通信機はあかぎがアースの取り付け位置を変更したため、
空中でも問題なく使えるようになっている。白田技術大尉も同じことを
実行済みで、震電、そしてもとよりメーカー調整済みの連山ともに
機上無線は問題ないレベル。残る紫電改も白田技術大尉が今回の攻撃に
間に合うよう位置変更を行っていた。
 複座零戦から降りた武雄の前に、青を基調として金ボタンと金糸で
飾られたアルビオン空軍の士官服を着た二人の青年が現れる。二人は
複座零戦を物珍しげに見上げると、武雄に話しかけてくる。
「今のは、ひょっとしてどこか別の場所にいる人間と話していたのか?
この『竜の羽衣』といい、すごいものだな」
「あなたたちは……?」
 武雄の言葉に、二人はアルビオン式の敬礼で答える。
「アルビオン王立空軍巡洋艦イーストウッド所属、ガーネット小隊の
グレッグ・アーウィン少尉です。
こっちは相棒のコンロッド・マイヤー少尉」
 武雄はそれを聞いて、ああ、と思った。
アルビオンのジェームズ一世国王が派遣したという艦隊の旗艦だ。
それぞれ竜騎士一個小隊が搭載可能な同型の最新鋭巡洋艦三隻の艦隊を
送ってきたことから、アルビオンの本気が見えたと武雄は思っていた。
「大日本帝国海軍第一五一航空隊所属のタケオ・ササキ少尉です。
といっても、自分は魔法も使えませんし、今はトリステイン王国の
ご厄介になっているので、ただのタケオですな」
 武雄の帝国海軍式の答礼にグレッグは驚いた顔をする。
それを見る武雄に気づいた彼は、すぐに非礼を詫びた。


256 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 18:02:31 ID:xRFOGiQ1
「あ、失礼。それから、かしこまるのはやめにしましょう。
第一、俺たちよりあなたの方が先任だ」
「ともに空を翔けるもの同士、ということですかな?」
「そういうことで」
 微笑みかける武雄に、グレッグもさわやかに笑う。
いい青年だ、と武雄は思った。
「ところで、さっきの話なんだが……」
「グレッグ、いくらなんでももう少しわきまえろ」
 年齢は違えど同じ階級のためかいきなりなれなれしくなるグレッグを
窘めるコンロッド。しかし武雄はそれを気にすることなく言う。
「ああ、タルブの村にいる妻と話をね。明日の我々義勇軍の総指揮官なもので」
「あなたの奥方が?」
「ええ。アイツは俺よりも階級はずっと上でね。大日本帝国海軍聯合艦隊
司令長官の副官で、将官待遇だった。といっても、ここじゃそんなものに
価値なんてないと言い出したのも、アイツなんですがね」
 それを聞いて、二人は唖然とした。それを見て、武雄はさらに続ける。
「ははっ。明日参加する義勇軍の階級じゃ、俺はぺーぺーですよ。
何しろ中将と少将、それに将官待遇に中佐と技術大尉、俺が少尉で、
最後に一番腕っこきの飛曹長。
それに俺たちを支えてくれる土のトライアングルメイジもいる」
「……いったいどんな軍隊なんですか。それは」
 コンロッドが信じられないという顔をする。何しろ兵がいない。
最低でも下士官、それに尉官に佐官、極めつけに将官が三人もいる。
いびつと言うにもほどがある。そこに、武雄には聞き覚えのある声がした。
「友人と酌み交わそうと来てみれば、友邦からの客人まで。
今宵はいい酒が飲めそうだ」
 そう言ってワインのボトルを手に立つのは、ギンヌメール伯爵だった。



257 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 18:04:00 ID:xRFOGiQ1
「明日はスヴェルの夜。そして、三十年に一度の皆既日食。そんな日に
決戦というのも、また因果的なものを感じるな」
 ギンヌメール伯爵が、武雄にワインを注ぐ。タルブのワインは飲み飽きて
いるだろうと、シャトー・クロステルマンの薬草酒を伯爵は携えていた。
薬草酒というものの、飲み口は爽快で、薬という印象はない。グレッグと
コンロッドも複座零戦の翼の下でともに酌み交わしていた。
「日食か……」
「どうした、タケオ」
「あ、いや……。それよりも、あの『キョウリュウ』なんですが」
 武雄が口を開こうとするのを、ギンヌメール伯爵は「皆まで言うな」と
制する。
「私の前でかしこまるなと言っただろう?
 お前が言いたいことは分かっている。それよりも、明日はお前たちの
戦いぶりを存分に見せてもらうぞ。この私が模擬空戦で一勝もできないのだ。
私がお前に勝つまで死ぬなよ」
「伯爵が一度も勝てないって……この『竜の羽衣』はそんなにすごいのですか?」
 グレッグが驚いたように尋ねる。ギンヌメール伯爵は、その問いに
楽しそうに答えた。
「ああ。素晴らしいぞ。私の風竜よりも力強く、そして速い。
君たちも、明日は度肝を抜かれんようにな。何しろ、明日は私にも
見せたことのない『牙』をも見られるのだからな」
「『牙』……ですか?」
「ああ。マイヤー少尉。我が国の『アカデミー』の学者たちは気づかなかった
ようだが、私には分かる。
 タケオが、あかぎ殿が、今まで隠し続けた『牙』を、我らの存亡の刻に
使ってくれるのだ。君たちアルビオン派遣艦隊と我がトリステイン王国は、
その恩に報い、そして勝利するのだ」
 力強く語るギンヌメール伯爵。彼は軍人の勘で、複座零戦に搭載された
7.7mm機銃と20mm機関砲の威力を察知していた。
グレッグとコンロッドも驚きの視線を武雄と複座零戦に向ける。
「……そんなたいそうな代物じゃないですよ。
それよりも、あかぎが言ってました。極力一万より近づくな、と。
その内側は『キョウリュウ』の射程です。もしかすると、それでも安心
できないかもしれません」
「距離一万って……それじゃ敵は戦列艦の主砲以上の射程を持っているって
ことか?『イーストウッド』の新型砲でも……」
「おいグレッグ。それは軍機だぞ」
 コンロッドに窘められ、グレッグは口をつぐむ。ギンヌメール伯爵は、
それを見てにやりと笑う。


258 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 18:04:45 ID:xRFOGiQ1
「面白い。距離一万が敵の領域であるというのであらば、我らは恐れず
突撃しこの杖を叩き込むまで。
 だが、まさか酒に溶かして塗る秘薬をそのまま飲めと言われるとは
思わなかったがな。陛下に命じられて我が隊の常備品をすべて供出したが、
あれを飲む方が勇気がいるぞ」
 そう言って、ギンヌメール伯爵は笑った。魔法衛士隊に比べて予算の
余裕のない竜騎士大隊でも、特に第二大隊は戦闘糧食や戦地での医療体制での
独創性で知られていた。他の貴族が目を向けない平民向けの医薬品や
甘味品まで調達、利用するため、今回の解毒剤調達でも、クロステルマン
伯爵が確保に躍起になる一方で、ギンヌメール伯爵は大隊で備蓄していた
ものをすべて供出するべく、決戦に参加する各員の常備品を即時供出した
だけでなく快速の一個小隊を王都にある倉庫に取りに向かわせていたのである。
それでも国王フィリップ三世とトリステイン、アルビオンの将校全員を
まかなうに足りず、それ以外は事実上の見殺しとなることがすでに決定
されていた。
 そんな悲観的な事実があるにもかかわらず、ギンヌメール伯爵は杯を
月に掲げる。今回の解毒剤について、その効果を信じない者も多い。
この戦いに参加する魔法衛士隊でもグリフォン隊隊長のド・ワルド子爵は
まだしも、マンティコア隊隊長のド・マイヤール――カリンは懐疑的な
意見を出した。それでも、伯爵は武雄たちを信じていた。
「何にしても、決戦は明日だ。皆、全力を尽くそう」
 ギンヌメール伯爵の言葉に、その場の全員が力強く頷いた。


259 :萌え萌えゼロ大戦(略) ◆E4H.3ljCaE :2010/12/23(木) 18:08:16 ID:xRFOGiQ1
以上です。
この世界では崩壊前のダングルテールは牡蠣とかじめ焼きが風物詩に
なってしまいました。
なお、『キョウリュウ』の放射線防御は実際にむつが放射能漏れを起こしたときの
応急処置からです。
原子力機関車AH100の方式にしようかとも思ったのですが、こっちの方が
『らしい』ので。
……和紙装甲は最強だ!などと言うつもりはありませんが(謎

今回で戦闘の端緒を切ろうとも思ったのですが、長くなるので次回に。
再就職の影響で執筆時間が減りましたが、できるだけ早めにお目にかかれるよう
頑張ります。

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 18:22:34 ID:m/pIUmm5
ゼロと怪盗の人も、
萌え萌えゼロ大戦の人も乙です!

萌え萌えゼロ大戦、ここだけ読んでも結構面白いな…
今度Wikiで読んでみよう。


261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 19:11:20 ID:4cO48Ugv
投稿お疲れ様です。
かじめと聞くと、バンチで連載されていた漫画を思い出しますね


262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 23:44:15 ID:r6YhNVJq
萌え萌えの人投下乙でした。


263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/23(木) 23:51:31 ID:yl/QPfyp
こんばんは。
ゼロのチェリーな使い魔の第19話を22:55に投稿いたします。

ジェイソンかぁ・・・不死身とは思っていたけれどまさか宇宙にまで行っているとは。ガチャピンも。

264 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/23(木) 23:55:40 ID:yl/QPfyp
「結局逃がしちゃったわね」
キュルケは激闘が終焉を迎えると力が抜けてへなへなと座り込んでしまった。
フリオニールは労わるように『ケアル』の魔法を重ねがけしてキュルケの傷の手当てをする。
キュルケは全身からじわじわと活力が湧いてきてゴーレムの打撃による骨折と打撲が完治
したのを感じると
「やっぱりダーリンってステキね」
フリオニールに抱きついてお礼を述べた。豊満な胸がフリオニールの左腕に当たり先程の
電撃による痺れも吹っ飛んでしまった。
「お礼を言われる程のことじゃないさ。俺達戦友じゃないか」
フリオニールは格好をつけているが鼻の下は伸びている。
「スケベ」
タバサに突っ込まれるが、慌てて話題を変えようと
「ところでこの傭兵達はどうする?」
仲間に引火した炎を鎮火した後、半ば放心状態でメイジの戦闘を観戦していた傭兵達を
チラ見して一戦交えるか否か確認した。
「じ、冗談はよして下さいよ。俺達は金で雇われただけだし・・・なぁ?」
傭兵の一人が仲間に同意を求める。雇い主のメイジ二人をひとひねりして追い払ってしまった
眼前の3人を相手に命を賭けてまで戦うモチベーションはもはや無く、火傷を負った仲間を
引きずりながら傭兵達は『女神の杵』亭を後にした。
フリオニールはひと段落がついてほっとするのも束の間
「さぁ、ルイズさんのところへ行こう!」
遅れを取り戻すべく右腕を上げて気合を入れ直しキュルケ、タバサを伴って桟橋へと向かうのであった。

フリオニール達がフーケ&仮面の男と戦闘を繰り広げていた頃

ルイズとワルドは長い長い階段を懸命に駆け上がっていた。息を切らせるルイズだったが
ワルドは平然とした面持ちで階段を上がる。
二人はようやく頂上である丘の上に出ると四方八方に枝を伸ばした山のようにそびえ立つ
大樹の根元へ走っていった。
大樹の枝は実が生るように船をぶら下げている。どうやらこの大木が「桟橋」のようだ。
ワルドが先導して大樹の中へ入りお目当ての発着場を探す。ひとつの看板を発見すると
その先に通じる階段をルイズに指差し
「ここのようだね。さぁ、行こうか」
古ぼけた木製の階段をルイズの手を握りながらゆっくりと上がって行った。

265 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/23(木) 23:58:36 ID:yl/QPfyp
ルイズとワルドが階段を上りきるとその先には1本の枝が伸びていた。
そして、その枝に沿って一艘の船(FF2でいうところの「飛行船」のような乗り物)が
枝にぶら下がって停泊していた。
枝から甲板へタラップが架けられているので、それを頼りに二人は船上に到着し、甲板で
雑魚寝していた一人の船員を起こし船長を呼ぶように依頼した。
気持ちよく寝ていたところを叩き起こされて不機嫌な船員だったが、相手が貴族である
ことを確認すると急いで船長を呼びに行った。
寝ぼけ眼でやってきた初老の船長にワルドは身分を明かして王女の勅命であることを盾に
予定より早い出港を強引に促した。
船長は船の動力源である『風石』(『風』の魔力を蓄えた石)が最短距離分しかないのを理由に
アルビオンがラ・ロシェールにもっとも近づく朝まで待って欲しいと懇願したが、ワルドは
足りない動力分は自身の『風』魔法で補うことと言い値の運賃を支払うのを条件に再度出港を迫る。
予想外の条件を出されて恵比須顔になりニヤニヤ笑みを浮かべる船長を傍目にルイズは
(ワルド様、やっぱりあいつを置いていく気なのね)
自身の使い魔を除け者にするワルドの顔を曇った表情で見つめるのであった。

ラ・ロシェールを発ち、離れゆく町並みを眺めるルイズとワルド。

「この任務が終わったら僕と結婚しよう」
ワルドは突然の風に吹かれて夢中で何かを探すようにプロポーズをした。
ルイズは目を大きく見開きワルドを注視する。
「僕は魔法衛士隊の隊長で終わるつもりはない。いずれはこの国を、いやハルケギニアを
 動かすような貴族になりたいと思っているんだ」
ほんのりと淡い月光に包まれムードが高揚したワルドはついに夢まで語り出した。
邪魔者のフリオニールがいないのも良いスパイスだ。
「で、でも・・・」
プロポーズを受けどの様に返答すべきか逡巡するルイズ。段々とテンションのあがるワルドは
「君はもう16歳だ。自分のことは自分で決めるべきだ」
「わたしは・・・」
勢いに任せてルイズに決断を迫った。それでも戸惑いを隠さないルイズにワルドは一呼吸置いて
「君をずっとほったらかしだったことは謝るよ。いきなり現れて婚約者です、なんて
 押し売りみたいで気が引けるけど、僕には君が必要なんだよ」
真剣な表情を作り落ち着いた口調で求愛の言葉を贈った。
ルイズは幼少時の憧れの人物から熱烈なラブコールをもらい嬉しくないはずはなかった。
しかし、嬉しい気持ちがある反面、魚の小骨が喉に刺さったような違和感が心の片隅に
あるのを無視できなかった。
ルイズは心の中をひとつひとつ丁寧に整理し、深呼吸をしてワルドに正面から向き合うと
「ワルド様がわたしを必要としてくれるのは嬉しいわ。けど、わたしはまだ魔法の修行が
したいの。それにあいつのことも・・・・・・」
本音をぶつけた。

266 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/24(金) 00:00:55 ID:VzwhmfdU
『ゼロ』の二つ名を返上するまで修行を疎かにする気はない。それに、フリオニールの
ことも気になる。仮にワルドと結婚したらフリオニールをどうすればいいのか?
不仲であるのを知っていて新居に連れて行くわけにはいくまい。かといって暇を出そう
ものならキュルケやシエスタが待ってましたとばかりにアプローチをかけてくるだろう。
自身の使い魔が己以外の女性のものになるのだけはどうしても許せない。フリオニールに
対して恋愛感情があるわけではないが、よく仕えてくれて腕っ節が強い上に魔法を駆使
できる有能な使い魔をメイジの端くれとして手放す気は毛頭起きないのだった。

「フリオ君か・・・」
ワルドはラ・ロシェールに置いてきたバンダナ野郎の顔を渋い顔で思い浮かべる。
「そう。だから結婚は・・・」
さすがに新婚生活の風景の中に毛嫌いしている男がいるのを想像すれば躊躇するだろうと
ルイズは思った。しかし、返ってきた答えは
「わかった・・・それなら僕がフリオ君のお父さんになっていいかな?そうすればいい」
「へっ!?」
何を言っているのだろう、この男は?という冷めた目線でワルドを見つめるルイズだが
何故かここで押されては負けだと感じてしまった。相当な負けず嫌いだ。
「とにかく今はダメなの!」
ルイズは思わず大声を張り上げるとつかつかと客室へ向かっていった。
「僕は諦めないよ、ルイズ・・・」
鋭い目つきでルイズの後ろ姿を見つめるワルドであった。

一方、フリオニール達は

タバサの風竜に乗って桟橋へと到着した。
大木に船がぶら下がっている光景を目の当たりにしたフリオニールはあっと息を呑み

(船は船でも「飛行船」のことだったのか!)

ボッタクリ料金で旅人から金を巻き上げる元フィン王国白騎士団長のヒゲ面を思い出した。
思い出に浸る時間はないとばかりに風流を待機させ大急ぎで3人は大樹の中へ入ると、
フリオニールの隠れた特技である「聞き込み」で男女一組のカップルが「スカボロー」行きの
船が待機する階段を上っていくのを見た、という証言を入手した。
駆け足でその階段を上がり行き止まりまで行くと、1本の枝が伸びているだけであとは何もなかった。

267 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/24(金) 00:03:22 ID:yl/QPfyp
「くそっ!一足遅かったか!」
地団駄を踏んで悔しがるフリオニールにタバサが無表情で
「シルフィード」
と言った。何のことやらさっぱりわからないフリオニールにキュルケが
「あのドラゴンの名前よ、ダーリン」
風竜の名前がシルフィードであることを説明した。フリオニールはポン、と手を叩き
「その手があったか!竜騎士もびっくりだね」
戦友の心遣いに感謝した。歓喜するフリオニールにキュルケが水を差すように
「でもこの大空の中からあの二人の乗った船を捜すのは困難ね。アルビオンは戦中だし
軍艦がうようよ飛んでいると思うわ」
これから立ちはだかるであろう新たな試練を前に緊張した面持ちで呟いた。
「仕方が無いさ。先に「スカボロー」に行って待ち伏せすればびっくりするよ」
フリオニールはおどけるように言った。「ご主人様」のびっくりした顔が目に浮かぶ。
こうしてはいられないとフリオニールはいち早くシルフィードの元へ向かうのであった。


シルフィードが徹夜で飛行しフリオニール達は昼前には「スカボロー」に到着した。
途中アルビオン艦隊に見つかりそうになったがシルフィードの機転の効いた巧みな飛行の
おかげで無事「スカボロー」までたどり着いたのだった。
波止場に面したレストランで食事を済ませ休息をとりながらルイズとワルドの到着を待つ
フリオニール達。しかし、待てど暮らせど二人はやって来ない。
まさか船が拿捕されたのか?と嫌な予感が頭をよぎるフリオニールにフード付ローブを
まとった怪しげな男が揉み手をして近づいてきた。
「なにか困りごとでもおありですかな?」
一見メイジ風の衣装であるが杖を持っていない。恐らくメイジにあこがれている平民の類
だろうと見受けられた。
知り合い?とフリオニールは確認する目をキュルケとタバサに向ける。二人は首を横に振ると
キュルケは胡散臭そうな目でローブの男を一瞥した。昨夜白い仮面の男と死闘を繰り広げたばかりだ。
いきなり自分達の元へやってきて話しかけてくるのは警戒して余りある。この「スカボロー」も
いまやレコン・キスタの手に堕ち街中はきな臭い空気が蔓延している。
ローブの男は困惑する3人を当分に見てひひひっ、と甲高い声で笑うと
「私はこの周辺の地域には多少詳しいですし情報網もあります。人をお探しでしたら金貨
 20枚で承りますよ。ひっひっひっ」
右手を差し出して金銭を要求してくるのであった。

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 00:04:10 ID:VzwhmfdU
ゼロのチェリーな使い魔の第19話は以上です。
失礼しました。

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 00:49:16 ID:/WLTzMgz
フリオニール乙です。
ワルドェ……

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 01:40:28 ID:K3idmW3+
まとめに「キノの旅」からキノが召喚されて三日目にどっか行っちゃう小ネタがあったけど、
「学園キノ」の方なら問題なく長編になるはずがない絶対にサモエド仮面とか
サモエド仮面とかサモエド仮面とかがなぜか存在して何の脈絡もなく魔物が出てきて
物理法則を無視したポーチから重火器が滝のように溢れ出しカオスなカオスなカオスな展開にしていくんだ間違いない

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 02:49:30 ID:kpfEUybb
ANUBIS ZONE OF THE ENDERS からディンゴ・イーグリットを召喚
召喚されるもクリア前のを単独でだったのですぐ死ぬ

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 03:09:52 ID:TYohWZMo
アンパンマンからパントリオを召喚・・・
残機1の彼らはどこまでやれるのかっっ!?

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 05:21:24 ID:k5bufyvQ
>>272
マルトーさんがいるやん
アンやカレーがないから二人は代用品になるが食パンは自分で食パン作れるし

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 08:01:35 ID:tBxLxOux
勇気の花というものがあってですね

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 12:01:58 ID:hSuB6K02
それもストーリーのタネにできるのでは?
例えば新しい顔を作れなくて困ってるアンパンマンにタバサが
「勇気の花?そういえば、前にそんな名前の植物があると読んだことがある」
と、みんなで探しにいく話が作れる。

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 14:21:12 ID:ySxqnYQ0
要は作者のアイデアしだいってことだな
誰もが思いつく、誰でも書けるようなものよりも、普通誰も思いつかないし無理だと思うもののほうが意外性があっておもしろい

萌え萌えの人乙
たしか原子力航空機ってのも開発されたそうだけど、放射能まきちらすとんでもない代物だったとか
どっかの国が開発して処女飛行で爆弾仕掛けられた超音旅客機を思い出しますね

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 14:25:58 ID:hhxB8CMz
>276
その時、どこからともなく緑色の飛行機が!

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 16:41:20 ID:ySxqnYQ0
>>277
待て!最初に来るのは銀色のロケットだ

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 17:07:08 ID:hhxB8CMz
>278
何で釣れるんだ。いや、充分メジャーか。

ギーシュがジェットモールでモンモンが4号、キュルケは3号でタバサが2号……ルイズは1号と見せかけて6号だったり。

そして5号にはブリミルの9体のクローンがコールドスリープ。

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 17:10:22 ID:8H7llVO0
サンダーバード?

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 17:30:36 ID:s5Z1yg3S
するってェと丸い軍曹が使い魔って
こってすな? ゼロだけに。キリッ

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 18:28:18 ID:UBKEWUt6
ハルケギニアに土下座の概念はあったっけ?
あるならあの人を召喚して決闘や7万の軍を相手に土下座で退ける胸の熱くなる展開が

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 18:33:04 ID:gPViS9Ah
土下座自体アジアの文化じゃないの?
なら欧州的なハルケギニアではしないんじゃ

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 18:41:34 ID:UBKEWUt6
>>283
無理か
それを捻じ曲げるぐらいの誠意はありそうだが書き方次第かな

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 18:43:15 ID:5f++edGD
まあ、土下座と言う概念は無くとも這いつくばって頭を下げれば腰が低くは見えると思う。
無いならないで東方の文化「ド・ゲーザ」ということにでもすれば良いさ。
お茶らしきものがあるんだから土下座だってある。多分。

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 19:07:10 ID:bamyfqmb
>>281
丸い軍曹?
アクタ共和国の「哀れな軍曹」か。

287 :286:2010/12/24(金) 20:34:23 ID:bamyfqmb
おっと、「悲しい軍曹」だった。

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 20:39:50 ID:rJEUma/E
>>281
なんでテラホークスに変わってるんだ?

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 20:45:43 ID:hhxB8CMz
>288
いやぁ、クローン9体で釣れちゃって……て、だから何で釣られてるんだよwwww
やはり、>281がうまい事言うからか。

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 21:20:07 ID:bDlcrLrp
>>270
ティーと会う前のシズの方がいいんじゃねと思う。
シズは元々定住できる国を探していたからお供が犬1匹だった頃なら使い魔の役目もすんなり受け入れてくれそうだ。
又、刀を使うからデルフの出番も増やせ・・・いや、手持ちの刀があるから逆に出番そのものが無いかも。

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 21:22:47 ID:GUR7Y9Iy
デルフが不遇じゃなくて全く出ないSSってなにがある?
ガンダ以外のルーンが刻まれる系では結構あるのかな

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 22:15:47 ID:rr7imwLk
「か、厠です」

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 22:34:38 ID:3Tqeiwi5
>>290
手持ちの刀を陸の所に忘れてくるか、折っちゃえば?

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 22:54:12 ID:BdQsgNgr
バギーごとだったら予備の刀が売るほどあるけど
その身一つだったら一本折るだけでいけるな
折れるかどうかはともかく

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 22:54:57 ID:fgapy+WW
>>291
上条当麻召喚では幻想殺しで即死してたような

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 22:55:26 ID:SaVbMv3F
大剣じゃ扱いにくいとデルフを大磨上げ

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 22:59:02 ID:3Tqeiwi5
>>294
特別な能力なしだと耐久力に限界あるから余裕っしょ。
折れる可能性があるから、予備の刀を用意してるわけだし。

まあ、素人高校生(異能力持ち)が青銅製の剣でブロンズ像を6,7体切ってる時点で野暮なことは言ってるけれどね。

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 23:04:49 ID:+z1JQcLf
>>297
あれは若さに溢れてたから…
ほら、どこぞの元研究者でラスボスの朴念神とか泥仕合になってたし

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 23:13:39 ID:/WLTzMgz
>>291
イザベラメインならデルフなんぞ影も形もないよ。
気さくな王女とか。

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 23:55:43 ID:hSuB6K02
クリスマスか、
よし、サンタクロースVSなまはげを見てこよう!!

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/24(金) 23:56:26 ID:GUR7Y9Iy
>>299
イザベラ好きだけどメインのあんま読んでないなあ
元ネタしらんのもあるけどオススメある?

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 00:04:57 ID:VqTKc5xL
>>291
鮮血の使い魔にはなかった気がする

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 00:09:22 ID:R92aZFxm
最後の最後でチョロっと出てた

304 :無情の使い魔 5:2010/12/25(土) 00:21:39 ID:Jkr0E2Z6
遅いですが、何も無ければ三分後に投下します。

305 :無情の使い魔 5:2010/12/25(土) 00:25:11 ID:Jkr0E2Z6
<土くれのフーケ>

世間ではそう呼ばれ、トリステイン中の貴族達から恐れられているメイジの女盗賊は今夜も一仕事をするべく夜が更けるのを待っていた。
本日の標的は、以前から目を付けていたトリステイン魔法学院の宝物庫。
そこには様々なマジックアイテムなどが厳重に保管されているそうで、中でも彼女が目を付けていたのは破壊≠もたらすという数々のマジックアイテムである。
どういった破壊をもたらすのかはさすがに調査不足であったが、きっと高く売れると信じていた。その数は四つや五つではないと聞く。
とくに、破壊の杖≠ニ名付けられている代物に一番目を付けていた。
そのために、この学院の学院長の秘書『ロングビル』として潜り込み、綿密に宝物庫の調査も行った。
調査の結果、宝物庫の壁には強力な固定化の魔法がかけられているようで錬金の魔法で壁に穴を開ける訳にもいかない。
自分のゴーレムで壁を破壊するのも少し難しそうである。

さて、どうしたものか。
宝物庫がある本塔の壁に足をつけて歩きつつ、フーケは頭を悩ませた。
ここまで来ておいて、諦める訳にはいかない。かと言って、自分の力だけでこの壁を何とかするのも難しい。
「……何だい?」
腕を組んで思案していると、何やら下の方が騒がしくなる。
慌てて地上へと飛び降り、着地する寸前にレビテーションをかけて衝撃を殺す。
そして、植え込みへと身を隠した。
フーケの視界に入ってきたのは、学院の庭で争う二人の人影だった。
一人は生徒であるらしく、大きな杖の先から『ウインディ・アイシクル』を放っている。
(何だい、あいつ……)
もう一人の姿を見て、フーケはぞくりと戦慄を覚えた。
先日や今日の昼間、この学院の生徒達を次々と叩きのめした平民――『メイジ・キラー』の少年の姿がそこにあった。
彼が手にする大剣は、次々と無数の氷の矢を吸収している。


(速い……!)
初めは距離を取って様子を見ようかと考えたタバサだったが、10メイルは離れていたのにも関わらず桐山は一瞬にしてタバサの目の前まで迫ってきていた。
恐ろしく速い貫き手による突きが繰り出されるが、タバサは体を横に動かし、紙一重の差でかわした。
横髪の一部が削がれ、パラパラと舞い散る。
「エア・ハン――」
呪文を唱えようとした途端、桐山は一息つく間も無く逆手のままデルフリンガーを薙ぎ払ってきた。
その居合いのような一閃を咄嗟に上半身を逸らしてかわすが、服の脇腹の部分が切り裂かれる。
「エア・ハンマー」
後ろへ大きく跳びつつ改めて呪文を唱え、追撃しようと迫る桐山に向けて魔法を放つ。
空気の塊が桐山にぶつかり、人形のように宙へ吹き飛ばされる。しかし、桐山そのまま身を翻して受身を取り、低い体勢で着地をしていた。
桐山が顔を上げると、オールバックであった彼の前髪が額へと垂れている。
「ウィンディ・アイシクル」
再び呪文を唱えると、杖の先から次々と無数の氷の矢が放たれ、桐山へと突き進む。
低い姿勢のまま迫ってくる桐山は氷の矢を左右に目まぐるしく動きつつかわし、かわし切れない氷の矢は目にも止まらぬ速さの振りでデルフリンガーを操って叩き落していた。

306 :無情の使い魔 5:2010/12/25(土) 00:28:47 ID:Jkr0E2Z6
――いや、叩き落されたのではない。デルフリンガーに吸収されているようだった。

「――あ、そういやあ俺様こんな能力があったなぁ……って聞いてないよな」
全ての氷の矢を無力化し、その場で佇む桐山の手の中でデルフが呟くが、もちろん桐山の耳には入っていない。
「はぁ……。――ん?」
溜め息をつくデルフが、何かの違和感に気付いた。
自分を握っているこの相棒は――何かがおかしい。
普通、人間にあるはずの何かが足りない。
己を握る者の事は色々と分かってしまうデルフであるが、この相棒は『使い手』であるのにも関わらず何故かその力を発揮させていない。
その理由が、今分かった。
「――お前さん。……そうか、そういう事なのか」
人間である桐山の中に、本来あるはずのものが無い事にデルフは確信していた。
しかし、そんなデルフの同情のような呟きですら桐山は聞いてはいなかった。

迫ってきた桐山がデルフリンガーを一閃させた――
「ちょ!? うわああああっ!」
――と、思ったらいきなりそれを投げ捨て、もう片方の拳がタバサの腹に繰り出される。
まるで内臓を一撃で破裂させてしまい兼ねない程に鋭く、重い一撃だった。
「ぐっ」
低い呻き声を発するタバサ。腹に叩き込まれた拳が、抉るように捻じ込まれる。
「……エア……ハン、マー……」
苦しみながらも呪文を唱えたが、既にそこには桐山の姿はない。
空気の塊は虚空に放たれるのみだった。

(……後ろ……!)

背後を振り向いた途端、頬を叩かれたと同時に突然天地が逆転した。
瞬時に回りこんだ桐山がタバサの足を払ったからだった。
しかし、タバサもしっかり受身を取って着地をする。
そこに桐山が鋭いネリチャギを繰り出してきて、タバサは腹を押さえつつ彼から離れる。
その一撃はタバサの眼鏡を捉えて外され、ドガッと音を立てて地面を軽く抉った。

(強い……)

息を切らし、杖で自分の体を支えるタバサ。対して、桐山は息一つ乱してはおらず全くの無表情だ。

307 :無情の使い魔 5:2010/12/25(土) 00:31:57 ID:Jkr0E2Z6
『メイジ・キラー』である桐山の強さは間違いなく本物だった。
これまでにタバサは多くの敵と相まみえ、戦ってきた。そして、それらの戦いには必ず勝ってきた。
その戦いを経験する事により、自分は力をつけてきた。
なのに、目の前にいるこの『メイジ・キラー』は自分がこれまで戦ってきた相手とは次元が違う。
これまでに培ってきた力が、彼にはまるで通用しない。
恐るべき学習力で相手の戦闘力を無情に分析し、その裏をかく。そして、一度行った攻撃はもう通じなくなる。
メイジでもないのにどうやったら、あれだけの力を身に着けられるのか……タバサは桐山の超人的な戦闘力に惹かれていた。
杖を強く握り、体を支えるのをやめると無表情のままこちらを見つめ、微動だにしない桐山を見据えていた。
次に彼がどう動くか、全く先が読めない。

「おおーい! 相棒! 早く俺様を下ろしてくれえい!」
桐山に投げ捨てられたデルフは、学院本塔の壁に突き刺さっていた。
彼自身の力ではまるで身動きがとれないため桐山に呼びかけているのだが、本人の耳にはまるで届いていないようだった。
いや、届いていたとしても目もくれないかもしれない。


(……本当、化け物だね)
植え込みの中から二人の戦いを見ていたフーケは桐山の常人離れした戦闘力に息を呑んだ。
絶対にあんな『メイジ・キラー』とは相手をしたくない。
とてもではないが、自分がまともに戦って勝てそうな相手ではない。
ゴーレムを召喚すれば何とかなりそうではあるが、生身では勝負にならなさそうだ。
「……ちょっと、何をしてるの!」
突然、近くから女の声が聞こえてきた。
フーケはさらに息を殺し、現れた二人の人影を注視していた。


時はほんの少し遡り――
「あいにくね。あいつにはもう剣があるのよ!」
「でも、それって錆付いたボロい剣なんでしょう?」
学院の渡り廊下で、ルイズとキュルケが言い争っていた。
キュルケの腕には宝石が散りばめられた豪奢な大剣が抱えられている。
「ダーリンには、こっちの方が相応しいわ」
ぎゅっと剣を抱えている腕に力が入る。
「いいえ、キリヤマはそんなの見ても全然、興味なんか無かったわよ!」

308 :無情の使い魔 5:2010/12/25(土) 00:34:58 ID:Jkr0E2Z6
ほんの数分前、キュルケは桐山に自分が買ってきた剣をプレゼントするべくルイズの部屋に押しかけてきたのだが、その彼がおらず、探しているのである。
それをルイズは追いかけた。何しろ、キュルケが買ってきたというのは昼間、武器屋で見せられた美しい装飾の剣だったからだ。
桐山はそもそも、こんな剣に興味を抱く事はなかった。よって、プレゼントしようが無駄である。
「あら、ダーリンはあなたが買えないのを分かっていて無理して諦めてくれたのではないの?」
鼻で笑うキュルケに、ルイズの顔が紅潮する。
確かに、自分が持っていったお金ではあの剣が買えなかったのは事実だ。
しかし、そういう問題ではない。桐山はどの剣を手にしてもすぐに興味を失っていたのだ。
あのボロいインテリジェンスソードを買ったのは、その本人が自分を必死に売り込んできたから。恐らく気まぐれであれを選んだのだろう。
「そんな訳ないでしょう!」
「嫉妬はみっともないわよ。……とにかく、ダーリンにはこちらを使ってもらう事にするわ。さぁて、ダーリンはどこ……」
中庭へとやってくると、そこが何故か騒がしくなっている事に気付き、二人は顔を顰める。
慌てて現場に駆けていくと、二人の人影が距離を取ったまま睨み合っている。

「タバサ?」
キュルケが声を上げる。その内の一人は彼女の友人である少女、タバサだったからだ。
杖で自分の体を支え、腹を押さえ、そして眼鏡が外れている。見るからに満身創痍であった。
「……ちょっと、何をしてるの!」
ルイズの目に飛び込んできたのは、桐山が昼間に多くの生徒達から決闘を挑まれてきたのと同じく、タバサと対峙している姿だった。
桐山はルイズの叫びに目もくれず、満身創痍のタバサに歩み寄る。
「やめて、キリヤマ!」
ルイズが桐山に飛び掛り、その歩みを止めた。キュルケは剣を手放し、タバサの肩に手をやった。
「ちょっと、大丈夫?」
「平気。……邪魔しないで」
初めの一言は普段通りの返事であったが、その次の言葉には僅かな怒りが込められている。
「どうしたのよ、タバサ」
「これは私と……彼の決闘」
タバサがキュルケの手を払い、杖を構える。
桐山はルイズに飛び掛られたままその場で佇んだままだ。
「駄目よ! キリヤマ! 主人の命令よ! 今すぐやめなさい!」
一瞬、未だ自分から離れないルイズを一瞥した桐山はすぐにタバサへと視線を戻し、ククッと小首を傾げた。
何故、キリヤマがタバサと決闘しているかは分からない。
しかし、これ以上使い魔が誰かを、ましてや貴族を傷つけるなどという事はさせたくない。
たとえ相手から一方的に仕掛けられたとしてもだ。
……あんな凄惨なものは見たくない。

そんな時だった――

「な、何!?」
突然、轟音と共に大地が揺れだし、キュルケが戸惑う。

309 :無情の使い魔 5:2010/12/25(土) 00:38:13 ID:Jkr0E2Z6
タバサはその震動によって己の体を杖で支えきれず、膝をついてしまう。
ルイズが桐山から離れ、背後を振り向く。
「何よ? あれ――」
そこに突然現れたのは、30メイルはあろうかという巨体の土くれのゴーレムだった。
それもう、貴族の大きな屋敷ですら一撃で破壊できてしまいそうな程に巨大である。
轟音を立てつつ大地を踏みしめ、ゴーレムは学院本塔へと近づいていく。
そして、ゆっくりと腕を振りかぶるといきなり本塔の壁を殴りつけていた。
「あれは?」
桐山を除いて唖然としていたルイズ達であったが、ゴーレムの起こした行動、そしてその肩に窺える一人の人影。
夜空に浮かぶ、二つの巨大な満月による明かりで薄っすらと見えたのはフードを目深く被ったマント姿の女。
そして何より、土くれのゴーレム。これらから連想できるのは――

「もしかして、フーケ!?」
ルイズが声を上げ、杖を構える。キュルケもタバサの肩を抱いて立たせつつ杖を構えた。
ゴーレムの強烈な殴打が何度も何度も本塔に叩きつけられているが、未だ破壊はできないでいる。だが、それもいつまで持つか。
「……エア……ストーム」
魔法を放とうと気合を入れるルイズとキュルケよりも先に、タバサが辛そうにしつつも杖を構えて巨大な竜巻をゴーレムに放っていた。
しかし、ゴーレムに通じている様子はない。
「ファイアーボール!」
次にキュルケが巨大な火球を作り出し、ゴーレムへと直撃させた。
……が、これも駄目だ。
「ファイアーボール!」
続いてルイズも魔法を放とうとしたが、それで起きたのは毎度のように失敗の爆発がゴーレムの表面で起きた。
「ちょっと、何をやってるの! ゼロのルイズ!」
「うるさいわね! 次こそは……!」
キュルケの叱責が飛ぶ中、ルイズは再び『ファイアーボール』を放とうとするが、これまた失敗。
しかも、今度はゴーレムが叩きつけていた学院本塔の壁で発生してしまう。
「〜〜〜〜〜〜〜!!」
ルイズが悔しそうに唸り声を上げている内に、ゴーレムは本塔の壁を破壊してしまい、フーケはその腕を伝って内部へと侵入してしまった。
「……あれ? キリヤマは?」
辺りを見回すと、自分の使い魔の姿がいなくなっている事に気付いて戸惑った。
未だタバサやキュルケがゴーレムに魔法を放っている中、不意に『バンッ』という爆発音が聞こえてきた。


宝物庫へと侵入を果たしたフーケは目的の代物を探し、奥に安置された大きな木箱を二つ見つけた。

310 :無情の使い魔 5:2010/12/25(土) 00:40:55 ID:Jkr0E2Z6
それの片方を開けてみて、フーケは眉根を寄せる。
「何だい、これは……」
その中に入っていたのは、無数の奇妙な鉄の塊だった。
とても変わった形をしたそれらはフーケでも理解ができず、本当にこんなものが破壊≠もたらすのか疑問を抱く。
それにこれらの形状……よく見てみると、平民の間で用いられているあれにとても近かった。
もう一つの木箱には、さらに小さな箱がいくつも入っている。その中には無数のとても小さな筒が規則的に並べられている。
「……まあ、いいか」
さすがに全部を持っていく訳にもいかないので、どれを持っていくか品定めをする。
結果、三つの小さな杖状のマジックアイテムと筒状のマジックアイテムを持っていく事にした。
残りの物はどうやら全て平民が使っているあれのようであったため、売れなさそうだ。
その四つを抱え、急いで外へ出てゴーレムの腕を伝う。
と、その時、
「――うっ」
『バンッ』という短い爆音と共に自分の右肩に衝撃と熱さが込められた激痛が走る。
その不意打ちに等しい激痛でせっかく持ってきたお宝を落としそうになるが、何とか持ち堪える。
明らかに出血している右肩を押さえていると、再び『バンッ』『バンッ』という音が下から聞こえてくる。
今度はゴーレムの腕に粉塵が二つ散った。
しかし、フーケは構わずに走り、ゴーレムの肩へ戻ると急いでここを離れるよう指示を出した。
「……何だっていうんだい」
出血が止まらない傷口を押さえつつ、フーケは歯噛みしていた。


ゴーレムがフーケを肩に乗せると、学院の外壁を越えて外へと逃げていく。
それを見届ける事しかできなかったルイズ達であったが、今彼女達の視線はいつの間にかそこに姿を現した桐山へと向けられていた。
桐山の手には、小さな鉄の塊らしきものが握られている。それからは細く小さな煙が昇り、鼻にツンとくる火薬のような臭いが立ち込めていた。
すぅ、と桐山はそれを下ろした。
「な、何なのよ、それ」
ルイズが桐山に駆け寄り、彼に詰め寄る。
しかし、桐山はルイズへ視線を向ける事さえせず、今までどおりの雰囲気で一言だけ答える。
「銃だ」
(銃? 銃って、平民も使ってるあれの事?)
平民の間で流行っているという、鉛玉を飛ばす事ができるという火薬を用いた武器。それが銃だ。だが、所詮銃なんて魔法に比べればてんで脅威ではない。
一発こっきりの道具なんかで、何ができるというのだ。
……しかし、桐山が今使った代物は明らかに連続で撃っていた。
そんな銃がどこにあるのか。そして、何故そんな物を彼が持っているのだ。

いや、そんな事より今は――

「フーケ、逃げられちゃったわね……」
ルイズが悔しそうにする中、桐山はワルサーPPK背中腰のベルトへと挟み、その場を後にしていた。

(……あんな物を持っていたなんて)
立ち去っていく桐山の背中を見つめつつ、タバサは息を呑んだ。
もしかしたら先程の決闘、あのまま戦っていれば彼はあれを使ってきたかもしれない。
しかもあれだけ小さく、隠し持つ事もできそうな代物だ。僅かな隙を突いて、容赦なく撃ってきただろう。
それに自分はこれだけの傷を負っている。
……負けたも同然だった。

311 :無情の使い魔 5:2010/12/25(土) 00:43:19 ID:Jkr0E2Z6
以上、5話でした。



312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 00:54:18 ID:jmtNLH9+
刀語のSSってまだないのか

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 01:05:17 ID:nzQGHuXJ
知る限りはないな。
来年くらいに投下したいが、なかなか書けない。

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 01:17:45 ID:NmYW4TxF
>>312
召喚されても問題なさそうな人結構いるから面白そうだな。
往々にして武器使いだからガンダ補正も生きるし。
変体刀持ってる状態で召喚されるととがめと七花の刀集めに支障が出そうだがw

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 01:38:18 ID:Rwz6Qh/U
乙ですー

タバサには普通に勝ったか…まあそうだろうな
ワルサーPPKのような小型拳銃で最低30mは離れてるであろうゴーレムの上のフーケを撃つとは
流石桐山…といったところか

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 01:39:40 ID:Rwz6Qh/U
しかしおマチさん肩口に銃弾が食い込んじゃったから原作通り普通に出て行ったら正体バレバレになりそうな

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 01:43:57 ID:GSQJZIjy
無情の人乙です。
>>315
実際には数メートル位でないと当たらんらしいからね。
満州馬賊は100メートル単位の射程で拳銃当ててたそうだけど。

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 03:04:51 ID:jmXy8bgN
虚刀流にガンダのルーンは反応するのか?

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 03:14:37 ID:9yBfdma4
血統いや血刀だからどうなんだろう

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 03:43:21 ID:Gixd4/iv
キラーマシンとかはどうなるんだろう

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 06:16:27 ID:GUPZDfwV
ふと、よぎった

アンタ、誰?
俺は、童貞だ

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 07:15:22 ID:nZ+PRph+
鳳凰さまが虚刀流を研鑽された刀と仰っていたから構えれば光るはず

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 07:25:40 ID:Nf9WDPIw
無情の使い魔さん乙!毎回毎回おもしろいよー

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 07:44:08 ID:D1LwiQK9


虚無の悪魔はブレが無いな……
フーケもAC風に言うなら "騙して悪いが" で惨殺されそうだ……

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 08:50:36 ID:4M6aoLcr
>>317
満州馬賊の拳銃ってモーゼルのオートマチックとかだろ?
あれって殆どSMGだぜ

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 09:18:41 ID:8YHHX8OS
>>317
ハンドガンの目的と構造上100mってのはないわ
モーゼルで弾撒いてたってんならともかく

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 10:26:33 ID:Lnx3/gLH
>>326
植芝盛平の話かと思った

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 13:56:19 ID:hofvVBd8
モーゼルはライフル弾だから狙撃可能なわけだしな。
ハンドガンでならトカレフ、ソーコム、P46あたりの特殊弾の拳銃じゃないと
いや、それでもきびしいちゃそうなる。

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 14:32:14 ID:Rwz6Qh/U
モーゼルは銃口初速が430m/sと音速を優に超える高速弾で、
ストックをつけた場合は有効射程が200mを越える
100mも先の相手を撃つ場合ストックを使用したのではないかな

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 14:40:21 ID:RIxwhxiz
モーゼルってライフル弾だっけ。じゃ、SMGというよりPDWだな。
どっちにせよ、ワルサーPPKと一緒にしちゃいかん(笑

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 14:42:57 ID:Rwz6Qh/U
ワルサーPPKは有効射程は一応40mだが、実際問題40m先では弾が届くってだけでまともな狙いは付けられないだろうな
まあ三発撃って一発肩口にカス当たり、二発はゴーレムの腕に命中したわけだからそんなものか

P99のほうかイングラムで撃っていればおマチさんの命運も尽きていたかな

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 14:55:59 ID:GSQJZIjy
小日向白朗辺りはブローニング使ってたような。って、そろそろスレ違いだな。

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 15:24:25 ID:R92aZFxm
蟲師のギンコみたく体質的に一箇所に定住できないキャラが召喚されたSSってあったっけ?

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 16:09:41 ID:NmYW4TxF
一箇所に定住できないというのは思いつかないなあ。
召喚元の世界(ないしその世界の一定の地域)じゃないと生存できないってのはいたような気がするが。
こういう場合ルーン効果でどうにかなってる場合が多いけど。

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 17:16:18 ID:KqMiDQrJ
「わしゃあ、止まると死ぬんじゃあ」の人を召喚すればいいのか。

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 17:20:46 ID:p6NBBvRR
ルーン効果で体が治ったというやつなら最近のARMSの三人召喚のやつか
同じ方針で種死のエクステンデットの三人召喚とか誰かやってくれないかな

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 17:31:45 ID:Zsx/SPYB

銃tueeeeの現代チートだったはずが元素の兄弟tueeee展開になるのがゼロ魔
これからどうなるか期待してます

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 17:57:54 ID:nAoB1Yy5
>>336
ガンダム系は、MSの扱いが面倒くさすぎる
ところどころ出て来るポンコツを乗り継いで、とかだと何とかバランス取れるかも知れんが

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 18:20:00 ID:HBpWFZFX
ガンダム系に限らずロボット系(機械系)は整備補給の問題を抱えとるからのう
メンテフリーかつ無補給で活動可能で手頃なロボットってなかなか思いつかんな

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 18:26:40 ID:KqMiDQrJ
ガンダのルーンがあるなら、手作業で整備できるものは行けそうな気がする。

その辺りも込みで「あらゆる武器を扱う」と言うことにしておけば。
燃料補給は錬金一発で。


341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 18:32:05 ID:wQCP5D6+
なるほど「扱う」を整備も込みと拡大解釈してしまうわけか

しかし、ガンダム系なら機体が無くても強い奴が多いという・・・

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 18:37:31 ID:Sdwi5cxe
巨大ロボットじゃないが、攻殻機動隊からクゼ召喚とか考えたことがある
だんだん義体のガタがごまかせないレベルになっていくなかでなんとかルイズを導こうと頑張るみたいな

ええ、ゴーストステップの影響うけまくりですとも

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 18:39:22 ID:p6NBBvRR
アウル、ステラ、スティングも白兵戦能力は高いからそのへんは大丈夫なのでは
問題はブロックワードか、母に死、ハルケギニアでもよく聞くな

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 18:58:38 ID:kvRv4VqD
ガンダムとかロボット、というか機械全般に固定化をかけて正常に動くのが許せない

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 19:08:22 ID:wQCP5D6+
>>344
根掘り葉掘り的な怒り?

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 19:09:12 ID:CdzHqksC
>>344
ELS本体からの帰り道のせっちゃんなら
クアンタ自体ELSと融合してるっぽいからメンテナンスフリーなんだな

問題はメタルせっちゃんとクアンタの敵になれる様なのがハルケにいないって事だ。

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 19:09:44 ID:uB5VIr7q
お母様登場でテンパるルイズと、
お母様と聞いてパニックになるアウル……
難しいなぁ、話にするの

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 19:11:09 ID:wQCP5D6+
>>347
タバサの母ちゃんが正気に戻した後の感動の再会シーンが台無しになったりするんですね

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 19:17:19 ID:xiq0fn+u
メンテさえ何とかなればオーベルシュタイン召喚できるのに…

ゼロ魔連中と相性最悪であろう絶対零度の剃刀

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 19:24:45 ID:1ixUtXR6
そこでブレンパワードですよ!

オーガニック的ななにかが必要だと思うけど

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 20:14:39 ID:gioZjRMM
>>350
裸の女性陣が出まくるわけですね分かります

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 20:16:37 ID:QlkHjV6X
服代さえ工面してくれたら超者の皆さんを

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 20:20:21 ID:RNJeoZWl
>>340
メンテナンスフリーの機体ならデビル……もといアルティメットガンダムがいるじゃないか。
地球に降下する前ならまだ暴走してないから安全に運用できるしね。

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 20:21:02 ID:pYfxfHBP
デビルガンダムなら、メンテは問題ないな。

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 20:22:33 ID:RNJeoZWl
安価ミスった353は339あて。

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 20:37:50 ID:8YHHX8OS
>>340
メンテには機材や消耗品類ないと不可能だろ

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 20:55:29 ID:z7qVCjUH
メンテフリーとなると後は∀ガンダムか。

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 20:56:21 ID:Up/d9oQG
デビルガンダムに侵食されることで健康な体を手に入れたちぃ姉さま
それと引き換えに精神も犯されてしまう
ハルケギニア各地を襲う怪物となったちぃ姉さまを追う任務をアンアンから押し付けられたルイズ
姉を追う旅の途中でルイズは婚約者ワルドと再会する
だが、ワルドはちぃ姉さまを操って聖地奪還を目論む悪党だったのだ
東西南北中央メイジとなり、スーパーワルドになろうとするワルド
愛と怒りと悲しみの間でルイズが唱えた呪文とは?

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 21:01:21 ID:e0+Otap0
>>353
デビル化は師匠の台詞を信じるなら
搭載されたコンピューター自体の推論により導き出された当然の結果だというが・・・

同じような方向性でブライキングボス(OVA)を召喚すると・・・
悪魔のガンダムも鉄の悪魔もハルケの環境的にはその結論を導く必要はないんだが
はたして・・・

そしてエクステンデッドもあって思い出したが
某都市管理コンピューターの落とし子たちを召喚
破壊衝動の塊のパラノ
臆病で心優しい逃避願望のスパイダー
傍観者のニトロ
総元締めのアッシュ
元はひとつのこいつらならまとまって呼ばれるのも問題は無い
パラノとかすげぇ持て余すだろうけどね!
ただ最大の問題は・・・召喚されたらアッシュは電源無くてダウンするだろうなぁ

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 21:16:58 ID:e0kX0bQU
触手陵辱されるカトレアさん・・・ゴクリ

DG細胞が兵器扱いならサイトなら制御できるんじゃないか

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 21:18:59 ID:hk5R8fEi
補給と言えば、前にあったね、ARIELをSCEBAIごと呼び出す小ネタが。

あれ、読本片手に読み返すと色々浮かんできそうで。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 21:59:21 ID:LA9R1ITt
メンテナンスフリーの機体と言えば超機人もメンテナンスいらなそうだな。


363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 22:12:27 ID:ZivVaU6v
SINSのキャシャーンもメンテ要らず。
…と言うか死ねないし!

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 22:25:27 ID:44k3DRv1
必要な度に召喚する魔神とか魔導王も実質メンテフリーかな

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 22:31:25 ID:pPwhlxvH
ジェイアークなんかもメンテ要らないな
太陽光があれば修理もミサイル精製も勝手にやってくれる

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 22:35:57 ID:p6NBBvRR
スペースバトルシップ版のアナライザーを……

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 22:48:28 ID:MWdwqFY0
>>361
それ たぶん小ネタじゃなくて、オレが避難所の「構想は練れるけれど文才がない人のためのスレ」
にカキコんだやつ。
権利放棄でもなんでもするから、書けるようなら書いてください。(むしろ お願いします!)


368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 22:50:12 ID:e0+Otap0
>>363
修復するたびに苦痛だけどね

・・・そして>>364で魔神が出て思い出した
メンテナンスは必要だが、ハルケでもなんとかなりそうなイメージのある
エスカフローネとバァン、瞳もいたほうが面白いだろうね
こっちも終盤は苦痛、何せ生身で溶接される感覚

そういやすっかり忘れそうになるが、バァンはれっきとした王子様もとい王様だった

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 22:55:21 ID:hofvVBd8
巨神ゴーグなら何の問題も無いぞ。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:02:22 ID:hk5R8fEi
>367
エー。

……本編終了後、か……

371 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/25(土) 23:07:01 ID:7dtIRTcm
どうも、SeeDの書き手です。
ディシディアの方では「妖精さんいらねぇんじゃね?」なスコールの父親が露わになりつつありますが、ゴメン大統領。あと一回しか、しかもちょびっとしか出番の予定無いや。
今回はちょっとガリアを離れて、でもガリア編全体としては結構重要な回の予定です。
あと、原作では何も言われてないけどやっぱゲルマニアに訛りがあるのならこんな感じだろうなぁ、という妄想。
では、他にいらっしゃらなければ23:10からまいります。

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:08:10 ID:9gIq55OQ
>>365
エ、エコですねえ・・・

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:09:19 ID:9gIq55OQ
>>367
> 権利放棄でもなんでもするから、書けるようなら書いてください。(むしろ お願いします!)
「構想は練れるけれど文才がない人のためのスレ」ってそういうもんじゃねえの?

374 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/25(土) 23:09:55 ID:7dtIRTcm
mission20 相互利用


 ハーフエルフを匿う異端者の一団が居る、というのは単なる噂だった。
 だが、その噂がトリスタニアで蔓延するまでの時間は明らかに短く、そして噂がはびこるのと同時に、待ちかまえていたようにトリステインの先代女王、アンリエッタが起った。
 紅い竜を操る異端者達を駆逐すべし、と称え、自ら傭兵を雇い入れて一団を結成したのだ。


 ガリアの端っこで公爵夫人救出作戦を成功させて、僅かに一週間。セイレーンの『ちりょう』で夫人を治し、ジョーカーとも合流。そこでオルレアン公爵家縁の者たちと別れて、久しぶりにトリスタニア近辺へ戻ったところ、実に熱い出迎えが待ちかまえていた。
『ハーフエルフを出せ、異端者共!』
『お前達が匿っているのはわかっているぞ!』
 外部マイクが拾うのはそんな言葉ばかり。ブリッジからの視界でもラグナロクを取り巻く多くの傭兵の一部は見えた。異常を察知したスコールはすぐさま再度離陸。一度タルブ付近にまで落ち延びた。
 改めて、今度は陸路を駆使。ジョーカーに諜報を頼んだところ、現在のトリスタニアのにおけるスコール達の、正確にはラグナロクにいるティファニア達の状況が解ってきた。
 スコールを始めとして、サイファーとマチルダは皆渋い顔をしている。
「何故ばれたか、というのは意味のない疑問だな。現状に対してどう対処するのかということが、今のところ最重要課題だ」
 スコールが振り向きながら言う。
「あたしらをあいつ等に引き渡すっていうのも、選択肢の一つかい?」
 些か座った目でマチルダが尋ねる。
「出来れば選びたくない選択肢だし、サイファーがあんたに付く以上、そんなことをすれば最悪ラグナロクも破壊するような激戦が起こりかねない。選択肢としては下の下だ」
「なら、今度はあいつらを皆殺しにするか?」
 ハイペリオンを抜き、シャッと素振りを繰り返しつつサイファーがニヤリと笑う。
「得策とは言えないな。そんなことをすれば、あちらの責任者の地位から言って、一国を敵に回すことになりかねない」
「ならどうするんだ」
「シラを切ってみる。それで無理なら、もう逃げるしかないな」
「逃げるったって、どこに逃げるんだい。じきにあいつらは追ってくるよ!?」
「……本当にロバ・アル・カリイエか……全く別の大陸にでも行くしか無いだろう」
 渋面を作ってスコールが答える。
「ここで捕まりたくないのならな」
「ちっ……逃げるってのは大嫌いなんだがな。それならいっそ、本気であいつ等を皆殺しにした方が良いんじゃないのか!?」
 ハイペリオンの切っ先をチャッとスコールへ向けながらサイファーが言い放つ。
「後のことを考えろ、サイファー。ブリミル教徒を皆殺しにでもするしかなくなるぞ」
「ふん、ティファのためなら俺は何だってやってやるぜ?」
 その言葉はあながち出任せとも思えなかった。
「悪いが、それなら俺はまたあんたと戦う事になる」
「なに?」
「アニエスはブリミル教徒だ」
 キン、と空気が張りつめる。が、程なくそのマチルダが口を開く。
「……その当の本人はどこなんだい」
「一人にして欲しいと言っていた。……別件で一昨日から様子がおかしかったんだが、異端者呼ばわりされたのが相当に堪えたらしい」
「ちょっと……!大丈夫なんだろうね!?今のあいつならテファを差し出すんじゃないかい!?」
「アニエスも馬鹿じゃない。大丈夫だろう。それに保険もかけている」


 キャビンへ続く通路には、いつも彼が居る。
 ジョーカー。バラムガーデンCC団にあって、その実力の程は不明。カードマジシャンの異名を持つ男。

375 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/25(土) 23:10:56 ID:7dtIRTcm
「悪いんだけどさ、今はそっちに行かないでくれるかな。委員長から言われてるんだよね、あんたが来たら止めてくれって」
 いつものように、カードの束を手の間で玩びながらジョーカーが言う。
「どけ」
 剣呑な物言いで、目の据わったアニエスが唸る。
「嫌だね。そんなことをしたら委員長だけじゃなく風紀委員にまで叱られる。あいつ嫌いなんだよね、俺」
「あの娘を差し出す……!そうすれば!」
「異端者と呼ばれなくなる?本当にそうかな?」
 ニット帽の下の目が、鋭くアニエスを見る。
「……何が言いたい」
「何であの娘のことがばれたのかって事さ。ラグナロクに居るということを、知っている可能性があるのは誰だ?」
 ジョーカーの言葉に、心を落ち着かせじっと思考を始める。
「……あのシャルロットという娘か?」
「可能性がゼロじゃないけど、メリットがないし、そもそも今の彼女はこちらにけしかけさせている余裕なんて無いはずだ」
 オルレアン公爵所縁の者たちは、今現在ガリア国内に置いて対ジョゼフの下準備中である。ただ、状況は芳しくはないらしい。とてもこちらにちょっかいを出している余裕はないだろう。
「ならば誰だと言うんだ」
「そもそも、彼女たちをラグナロクに収容することになったのは何故だ?」
「それは、彼女たちの村が襲われて……そうか!」
 ハッとアニエスが目を見開く。
「襲っていたのはガリアの騎士達。ガリア王ジョゼフは俺たちのことも色々知ってる。それで、例の襲撃の時、ラグナロクが近くにあったことや、委員長や君がいたことを知らされていれば」
「……必然的に私たちが連れたことは推測できるか」
「そういうこと。ただ、こちらもメリットについては説明出来ないんだけど、まぁ、可能性としてありうるのはこっちだ」
 ジョーカーの補足にアニエスは首をひねる。
「だが、ここに必ずしもあの娘が居るとは限らないのではないか?今までだって、別の場所に移ろうとマチルダたちも思案していた」
「現在ここにいるかどうかは、さして問題じゃ無いのかも知れない。アニエス、もしここに彼女が居なかったからといって、その証拠に委員長が大人しくあいつらをラグナロクに入れると思うかい?」
 すぐさま、アニエスは首を振る。
「いや、それは無いだろうし、入れるべきではないな。だからか、実際にいるかは問題ではないのは」
「そう。そしてもし、大人しく差し出したところで、今度は今まで匿っていたという事実を指摘して、責めてくるだろうな」
「……八方塞がりか!」
 悔しげに、アニエスは唸る。
「正直、もうベストな手段どころかベターな手段もない、と俺は見てるけどね」
 出来るのは、戦うことか、逃げることか。いずれにしろ良い結果ではあるまい。
 と、そこでブリッジからエレベーターが降りてきた。そこに乗っている人影へ話しかける。
「委員長、方針は決まった?」
「脅しとはったりを組み合わせて、シラを切り通すが……厳しいかも知れん。それよりもアニエス、ラグナロクの離陸準備を」
「何かあったか」
「少数だが、人影がカメラに写った。ここもトリスタニアからそう離れてる訳じゃない。第二波の可能性がある」
「了解した」
「アニエス」
 タラップへ向かうスコールとサイファーを尻目に、鋭く、マチルダがアニエスを睨む。
「あんた、一人にして欲しいって言ってたらしいじゃないか。何でここにいる?」
「…………」
 僅かに押し黙るアニエスの後ろで、ジョーカーが声をかける。
「いやなに、復調したらしいから、今後の方針の相談をね」

376 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/25(土) 23:11:59 ID:7dtIRTcm
「……まぁ良いさ。テファに害を及ぼす気が無いならね」
 マチルダの言葉を背に受けつつ、アニエスはエレベーターでブリッジに上がった。


 タラップを下ろし、ゆっくりと一歩一歩、スコールとサイファーが降りていく。
「傭兵の、ヘル・レオハートですか?」
 待ちかまえていたように、声をかけてくる男たちが居た。結構なゲルマニア訛りだ。
 武装している者も何名か見受けられるが、敵意らしい敵意は見受けられない。
「ああ、俺がそうだ」
「お初にお目にかかります。私は、ゲルマニアにて要職に付かせて頂いている者で、オットーと言います」
「で、そのオットーさんが何のようなんだ?」
 無視されたのが腹立たしいのか、些かぶっきらぼうな物言いでサイファーが尋ねる。手数が欲しくて連れてきたが、やはり拙かったかとスコールは僅かに顔を歪ませる。
「相棒は女性だと聞いていましたが」
「ふん。いいか、良く聞け。俺は、ティファの騎士、サイファー・アルマシー様だ!」
 シャッとハイペリオンを抜き、大きく掲げる。
 それを見て、オットーの周りにいる者たちは剣や槍を構えるが、一人オットーはサイファーの方を注視した。
「ああ、ではあなたがアルビオンのモード大公の忘れ形見、ティファニア・モードの関係者でしたか」
 あっさりと本名が出てきた事に、スコールは目をむく。ティファニアの存在はともかく、その本名、氏素性まで知れているのか?
「……彼女に用がある、と?」
「ええ。どうでしょう、ヘル・アルマシー。私たちと取引をしませんか?」
 にんまりとした笑みを張り付かせたオットーがサイファーに向く。
「取引だと」
「現在のあなた方の状況は理解しています。トリステインでは落ち着けないでしょう。こちらが提供するのは、モード大公女の安息の地を得るための戦力。そしてこちらが欲しいのは、モード大公の忘れ形見であり、同時に『虚無』でもある彼女の『名』です」


 聞いてみる価値はありそうだと、改めてマチルダとアニエス、それにティファニア本人もラグナロクの外に出て、詳細な説明に耳を傾ける。
「現在、我々は危機的状況にあります。
 先の敗戦によって、我々の内部に置いて責任をとらせるための内部抗争が勃発しました。それらは、辛うじて収束を迎えつつあります」
「あんたの下で、か」
「ええ、実質は掌握できています。が、失われた戦力や人的損害が戻ってくる訳では有りません。
 緒戦で艦隊を失ったトリステインは兎も角、雪辱をはらさんとアルビオンにて勢力を取り戻そうとしている落ち延びた皇帝の一派が当面の驚異となりうるでしょう」
 アルビオンの名が出たところで、ぴくりとマチルダの眉が動く。
「……で?」
「幸いなことに、彼らはアルビオンに置いて全く人心掌握が出来ていません。いえ、彼らに限らず、トリステインもガリアも同様です。彼らなりにプライドも有るようで、地上の者になど従いたくないようです。そこで……」
 そっと掌を上に向けてティファニアを指さすオットー。
「私、ですか……?」
「旧アルビオン王家の血縁でもあるフロイライン・モードでしたら、人心掌握も容易いでしょう」
「馬鹿なことを言うんじゃないよ。テファは……」
「ハーフエルフです。ですが、虚無でもあります」
「先ほどから気になっていたんだが」
 そこでスコールが口を挟む。
「なんであんた達は、彼女の虚無のことを知っているんだ」
「蛇の道は蛇……というだけでは納得して頂けないでしょうね。
 現在、艦隊を失った我々が、辛うじて戦力的に均衡を保っていられるのは、ガリアから譲り受けたもののお陰です」
「ルナティック・パンドラ……人員もそのままゲルマニア行きか」

377 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/25(土) 23:12:57 ID:7dtIRTcm
「ええ。ドクトル・オダインから提供された情報は政局的にも有用な物ばかりでした。ドクトルは、あまり政治には興味が無いようでしたからね。対価を用意すれば、きちんと話してくれましたよ」
 オダインが嬉々として、配備された人員を自身の実験のために動員している様子が目に浮かび、スコールは軽く首を振った。
「ありがとう、続けてくれ」
「つい先頃、トリステインの女王も虚無という力の裏付けでもって、王位につきました。現王朝が健在であるにも関わらず、です。それだけ、虚無というものは人心を引きつける」
「……だが虚無でありながらハーフエルフでもある彼女は、ブリミル教の、少なくともその指導者層にとっては実に厄介な存在か」
「排除すべき存在であるはずの彼女が、同時に崇めなければならない存在でもあるわけですからね。今回抹殺されようとしているのも、そこが原因でしょう」
 スコールが挟んだ推測に乗って、オットーが引き継ぐ。
「だからこそ、我々としては彼女を旗印の一つとしたい。彼女は、いわばその存在そのものが反ブリミルだ」
「馬鹿な、それで人々が付いてくるものか!」
 憤りも露わに、アニエスが問う。熱心なブリミル教徒である彼女は、おかしな事にこの場では一番浮いた存在だ。
「来ますとも。人というものは、案外シンプルです。渇かず、餓えず、憤死することなく安寧した死を迎えられるのならば、その時々の指導者への不満など薄れるものです」
 さらりと、オットーは言ってのけた。
「あんた達も、大して懐事情が潤っているとは思えないが」
「軍事的にはそうです。しかし経済的には、まだ余裕がある。賄賂と汚職にまみれた貴族社会を放逐し、私は改めて流通全体を改変しつつあります。中間マージンを省き、なるべく純粋な利益を民と国に。
 我々の『革命』の最中、農村部の治安維持の依頼をあなた方が低価格で引き受けてくれていた事は、今でも感謝しています。でなければまずは、荒廃していたであろう生産の整備の方から着手しなければならなかった」
 オットーの言葉に、軽くアニエスは返す。
「別に貴様等のためにやったわけではない」
「結果に感謝しているだけですよ。
 ともかく、ゲルマニアの豊かな土壌でもって、アルビオンの人々をこちらに引き入れたいのです。そしてフロイラインには、そのトップに君臨して頂く」
「テファは御輿、実権を握るのはあんたって事かい。剛腹だね」
 睨み付けてマチルダが言う。
「いえ、実権に関しては、端からあなた方にお渡ししても結構です」
「なに?」
 予想外の言葉だ。
「反ブリミルの代名詞とも呼べるフロイライン・モードを掲げる貴方達はどのみち我々と同盟を組む以外に道はありませんから、統治実務をそちらでやってくれるというのでしたら、むしろ私としては手間が減って大助かりです」
「はっきりとものを言ってくれるねぇ」
「腹を割って話さねば、信じてもらえないと思いまして」
「……どうするよ」
 些か不機嫌そうな顔で、サイファーはオットーを見たままマチルダに尋ねる。
「俺としちゃこいつは気にいらねぇし、ティファを利用しようってのも腹が立つが、嘘を言ってないなら、こっちが向こうを利用してやることも十分出来そうだ」
「…………」
 判断しあぐねるマチルダに決め手を与えたのは、妹の言葉だった。
「私、行きます」
「テファ……」
「だって、このままじゃスコールさん達にも迷惑がかかってしまうし、いつまでたってもみんなと一緒には暮らせない。多少の不自由があったって、またみんなと一緒にいたいの」
「テファ、解ってるのかい?そうなればますます狙われやすくなるんだ。ひとっところに居るって、公言するんだから」
「大丈夫だわ。ウエストウッドに居たときだって、サイファーが守ってくれたんだもの」
 ね?と、尋ねてくるティファニアに、大仰にサイファーは頷いてみせる。
「当然だ。俺様はティファの騎士だぜ。どんな奴が来ようが、絶対に守りきってみせる」
「それに、姉さんはずっと話してくれたわ。私の家のこと、親のこと……。アルビオンの人が困っているのなら、モード家の娘として出来ることは無いのかしら?」

378 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/25(土) 23:14:00 ID:7dtIRTcm
「テファ……」
 何か懸命に訴えようとしている妹の顔にしばし見とれてから、マチルダは妹の前に膝を折った。
「ね、姉さん!?」
「太守、サウスゴータ家頭首、マチルダ。微力ながら、モード大公女様に一生お仕えしていくことを、改めてここに誓います」
 呆然としているティファニアを見ながら、ふぅ、とスコールは小さくため息をついた。あちらの方は、今後の方針を決めたらしい。
「そうと決まれば善は急げ、です。フロイライン、御出立の準備を」
 荷物を纏めるためにラグナロクへ戻る三名を見送って
「ヘル・レオンハート、いかがでしょう」
 オットーがスコールに話しかけてくる。
「あなたも、我々に参画してはくれませんか?今はまだ無理ですが……私たちが目指すのは、平等な人権を持つ社会。あなた方の故郷を手本とした社会なのです」
「……あんたが大統領にでもなるつもりか」
「ミンシュシュギでは、国を統べる者をそう呼ぶんでしたね。ええ、そのつもりです」
 大統領やら民主主義やらといった言葉を、オダインが教えるとは考えづらい。どうやら他に二人ほど、あちらに行った者がいるらしい。
「遠慮させてもらう。俺はじき、故郷に帰るからな」
「それは残念です。では、機会があれば雇わせて頂きたいのですが」
「あんたがメイジを滅ぼそうとでもしない限り、応じよう」
 満足げにオットーは頷き、次いでアニエスを見る。
「ではアニエスさんはどうですか?我々と共に……」
「遠慮させてもらう。
 私も貴族は好きではないが、お前達の行く末にはロマリアとの対決もあるだろう。……私はブリミル教徒なのだ」
「それは残念です。守護天使とも呼ばれている貴方をお招きできないとは」
「しゅ……守護天使だと!?」
 あまりに大仰な呼び方にアニエスは目をむいた。
「先ほども話したあなた方が助けてくれていた村々ですよ。子供達などにとっては、強く美しい貴方は憧れの対象です」
「モテるじゃないか」
 いつぞやのお返しのように、口元に笑みを浮かべてスコールが言う。
「……ふん、まぁな」
 やり込められてたまるか、とばかりに無理に笑みを作って返すと、スコールは口をへの字に曲げた。相棒だろうと二十歳も超えてないガキに舐められるわけにはいかない。
「かくいう私も貴女のファンでして。ハルケギニアの人間として初めて擬似魔法を使い、圧倒的な強さと異文明の連射が可能な銃を持つ……憧れますね」
「こいつか」
 後ろ腰にぶら下げたショットガンのグリップを軽く握る。
「銘はありますか?」
「ああ、ビスマルクという」
「ビスマルク……凛々しくて良い名ですね。
 今後、我々は平民も貴族と同じように家名を持つことにしようとしているんですが……私はその名を戴きましょうか」
 程なく戻ってきたティファニア達は、近くに迎えさせている馬車に向かわせ、オットーは別の馬に乗る。
「あんたが一緒には行かないのか?」
「先ほども言ったとおり、我々も苦しい立場でして。他にも折衝を済ませなければならない相手は多いのですよ。では」
 馬上で軽く頭を下げると、二騎の直援を従えて三騎の馬は去っていった。
「サイファー……時期的に、今度こそ最後の別れだろうな」
「ん……そうだな」
 数少ない手荷物を馬車に積み込みながら、サイファーが応じる。
「……餞別だ」
「何?」
「ハルケギニアで手に入れたG.F.だ。召喚、デルフリンガー」
 幻影の剣が宙に像を結ぶ。
『うお!俺ぇ!?』
「クセの強いG.F.だが有効性は高い筈だ」

379 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2010/12/25(土) 23:14:57 ID:7dtIRTcm
『ちょ、ちょっとま!』
「ふん、ありがたくいただいとくぜ」
 ガツンと打ち合わせた拳を通じて、デルフリンガーがサイファーに渡された。
 後にジャンクションした際、サイファーが持っていたG.F.ガンダールヴとデルフリンガーが融合しているのだが、それはもう、スコールの知らない事であった。



今回はここまで。
アニエスの得物がビスマルクになっていたのはこのオリキャラを出そうとしていたことも理由の一つだったり。オリキャラなのは丁度良いゼロ魔キャラが居なかったための非常措置だったのですが、既に反応に戦々恐々してます。
まぁ、「こちら側」での彼は平民代表どころか貴族で帝国の指導者ですけど、そうした違いはクロムウェルも同じ事なので。
アニエスの守護天使呼びは、タイトルの「Revenger」を通じてスーパーでロボットな大戦のヤンデレ女主人公のBGMから。というかもうこのアニエスって復讐者じゃないからタイトルに偽りありかも……。

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:31:57 ID:1ixUtXR6
>>358
某師匠は精神力でDG細胞を完全に制御してたよな
あんな真似できるのは後にも先にも師匠だけだろうけど

そしてSeed乙

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:33:52 ID:1LysIONP
乙!クリスマスに投下したSeeDの人に(SeeD式の)敬礼!

…ウェールズの事はルイズから聞いた筈なのに
まだスコールの命を狙ってんのかねぇアンアンは?
理解はできても納得はできないといったところか

オリキャラ?自分は全然気にしてないっス。節度を持ちつつも
好きなようにやればいいと思います。ラグナはデュオデシム参戦おめでと〜

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:37:35 ID:F2YDJe8A
>>380
某師匠はあのゲッター線が詫びを入れるレベルだからな

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:46:08 ID:kvRv4VqD
Seed乙
込み入ってきたね

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:47:45 ID:opDu1kdD
Seed氏乙

>>362
超機人は生体兵器だから繰主が餌やって五行器さえ可動してるなら自動修復してくれるよ
問題の餌がサイコドライバー以外だと生命力をガン吸いされるって問題が……

やはりここはアーフィM4竜機神、ゼフィリスをシャノン共々召喚してですね…

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:53:33 ID:QifNySBH
>>382
宇宙人だしな。黒歴史だが。

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/25(土) 23:59:09 ID:p6NBBvRR
地味に馬のほうもすごいがな

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 00:04:25 ID:7dtIRTcm
ときた版の4コマ風ちゃんなんか完全にドモンの上行ってたな

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 00:18:51 ID:AWvdNgId
>>360

あれだ、素っ裸で銀色ボディのカトレアが触手にまとわりつかれてると。















ふぅ…

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 00:58:12 ID:P3+xJZIw

アンアンよく傭兵雇う金があったな
なんかそのうち落ちぶれるフラグにしか見えない

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 01:54:34 ID:fBRHNJLJ
>>341
種でもバリー辺りならハルケで無双出来るしな
……つーかゼロ戦の機銃やタイガーの主砲程度じゃ良くて「掠り傷」な鋼の肉体を持つ超人をどうやったら殺せるんだろうか

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 04:06:36 ID:9sAUzu7S
この地上で最も多くの生命を奪った武器はなんだと思う? それは……"毒"だよ
って勇者を自称するイタいショタジジイが言ってた!

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 06:17:52 ID:kn8qwcWh
めだかボックスの球磨川が召喚されたらいろんな意味で面白そう

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 06:25:03 ID:xp1C2a7e
あいつはチートすぎるから駄目だ
喚ぶなら『普通の人間』でしかない善吉だな

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 09:44:58 ID:viB5klB5
『やだなあ』
『僕は普通の人間だよ?』
『魔法使いなんておかしな連中よりはずっとまともさ』

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 09:46:59 ID:rcgZPhkc
「てめえのどこが『普通の人間』だよ!」と総ツッコミされる姿が目に浮かぶぜ

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 09:50:15 ID:epOnh/M8
>>391
その発言には重みがあったな。人間の執念らしくて

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 09:55:32 ID:Q7zxoRpJ
>>380
某・富士原昌幸の同人誌で、ビッグファイヤーことバビル二世がDG細胞を完全制御して見せるシーンがががg

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 09:56:44 ID:7RHUU9WH
>>394
自分の死すらオートで嘘にできるチートとか言うレベルじゃない能力の癖によく言うぜ!

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 10:02:06 ID:JLyTRt2o
>>397
ご苦労だった、メーンコンピューター

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 10:07:17 ID:HWw3u7K1
まあもっといえば毒より飢餓のほうがずっと多くの人間殺してるんですけどね
食えなきゃどんな奴でも死ぬのは当然

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 10:35:40 ID:GZtsosRY
武器じゃないじゃん。

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 10:42:11 ID:jt0adygC
ひょ、兵糧攻めとか素敵やん? 感動するやん?

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 11:46:02 ID:nOrxmJsc
毒じゃなくて、病気の方が説得力あったと思う。

毒でそんなに死んでるか?

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 11:49:12 ID:+K7eJsI9
毒ガス兵器やガス室は結構な殺傷数だな

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 11:52:32 ID:dXww5Ey/
ゼロのチェリーな使い魔の第20話を12:00頃に投稿いたします。
よろしく。

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 11:52:42 ID:jMqcYyWj
コストで割ったときの殺傷数で考えないと不平等
毒が一番とは認められないね

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 11:54:45 ID:6J4E8JrJ
BC兵器じゃね?
「貧者の核爆弾」なんて呼ばれてた気がする

408 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/26(日) 11:58:20 ID:dXww5Ey/
フリオニール達が「スカボロー」の港でルイズとワルドを待ち伏せしていた頃

ルイズとワルドの乗った船がフリオニールの想像通り空賊の軍艦に拿捕されていた。
捕まえた船にトリステインの貴族が二名同乗していたので、賊はとりあえず軍艦の船蔵に
軟禁し、賊の一人がアルビオン行きの目的を問いただすときびすを返して蔵から出て行った。
空賊なんぞに屈服してたまるものか、と毅然とした態度を崩さないルイズにワルドが
「いいぞ、ルイズ。さすがは僕の花嫁だ」
すっと近づき肩を抱いて励ます。ポイントを稼ごうと躍起になっているようだ。
しばらくすると先程の賊が二人の元へやってきて
「お頭がお呼びだ」
船長室へと案内した。
狭い廊下を通り細い階段を上るとある一室の中へ入るよう促された。二人はドアを開けて
中を見渡すと豪華なディナーテーブルがあり、上座に派手な服を着飾り水晶の付いた杖を
握った男が鎮座しているのを確認した。恐らく元メイジの船長だろう。
「さぁ、名前を言え」
「大使としての扱いを要求するわ」
ルイズは恐怖に震えながらも空賊のお頭に一歩も引くことはなかった。
押し問答の末、このお頭こそがアルビオン王国の皇太子ウェールズ・テューダーその人で
あることが判明した。
ウェールズは賊に扮した変装を解き、拿捕は敵の補給路を絶つ為であることを弁明すると
「アルビオン王国へようこそ大使殿。君達を試すような真似をしてすまかった。外国に
 我々の味方がいるなど夢にも思わなかったのだよ」
歓迎の挨拶と無礼の謝罪をした。
ルイズとワルドは居住まいを正し自己紹介を済ますと、
「アンリエッタ姫殿下より密書を言付かって参りました」
ルイズは胸のポケットからアンリエッタの手紙を取り出した。
恭しくウェールズに近づき手紙を渡そうとしたルイズだったが
「あの・・・失礼ですが、本当に皇太子様ですか?」
躊躇いがちに伺った。するとウェールズはクスクスと笑い出し
「さっきまでの変装を見ていれば無理もない。僕はウェールズさ。何なら証拠をお見せしよう」
ルイズの指にはめられた指輪を見つめて言った。
この指輪はアンリエッタがルイズに手紙を託す際に困った時の旅の資金にでも、とプレゼントした
ものでルイズはこれから一体何が起こるのか好奇心に駆られた。
ウェールズは自身の薬指に光る指輪を外すとルイズの手をとりアンリエッタの指輪に
近づけた。二つの宝石は共鳴し合い虹色の光を放った。
「僕の指輪はアルビオン王家に伝わる『風のルビー』だ。君が嵌めているのはアンリエッタの
 『水のルビー』。そうだね?」
ルイズはコクリと頷く。ウェールズは微笑を浮かべ
「水と風は虹を作る。王家の間にかかる虹さ」
大使を労った。ルイズは改めて謝罪の言辞を述べ手紙をウェールズに手渡す。
ウェールズは大事そうに手紙を受け取り花押に接吻すると封を開け便箋を取り出した。
真剣な表情で手紙を読み耽るウェールズ。途中驚いたように目を見開いた瞬間があったが
最後の一行まで読み終えるとルイズとワルドを笑顔で見つめ
「了解した。しかし、姫より返して欲しいと頼まれた物は今手元にはない。ニューカッスルの
城にあるのだ。僕の宝物だからね。多少面倒だがお二人にはご足労願いたい」
ニューカッスルまで同行するように促した。

409 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/26(日) 12:00:43 ID:dXww5Ey/
ローブをまとった怪しい男と対面するフリオニール達。
「いいんじゃない?そのかわりガゼネタ掴ませたら承知しないわよ!」
キュルケは他に当てがあるわけではないので、ラ・ロシュールから出港した船に男女一組の
貴族が乗っていて昼頃にはこのスカボローに到着しているはずである旨をローブの男に
伝えると金貨10枚を支払った。
持ち逃げされたら困るから、という理由でフリオニールがローブの男に付き添うことになり
約束が違うとゴネるローブの男の袖を引っ張ってレストランから出て行った。

フリオニールはローブの男と共に波止場をはじめ裏通りのカジノなど人が集まる場所へ
出向いて聞き込み調査をしたが目ぼしい情報を得られなかった。
どういうことだ!と怒るフリオニールにローブの男はおずおずと
「お客さん、何かの勘違いではありませんかね」
「そんなことはない!ラ・ロシェールの発着場には船はなかったんだ!」
「でしたら賊に捕まったとしか・・・」
「やっぱりそうか!?くそっ!」
「・・・お客さん、これは噂なんですがね・・・」
ローブの男は顔を近づけると小さな声で
「王党派が空賊に化けて反乱軍の物資を横取りしているそうな」
「本当か!?」
「まぁ、あくまでも噂ですし実際に目撃したものはいませんがね」
「王党派はどこにいるんだ?」
「はぁ、ニューカッスル城に篭って最後の抵抗をしてますが」
フリオニールは「ご主人様」からアルビオン行き同行を言いつけられたが何の用事で出向いて
いるのかまでは判らない。
王党派が味方であるにせよ敵であるにせよニューカッスルへ行けば手がかりが得られる
かもしれない、と顎に手を当てて思考を巡らせていたが意を決して
「ニューカッスルまで案内してくれ!」
「しかし、あそこは今激戦区ですよ?」
「かまわん!」
「じゃあ、保険金としてあと金貨40枚を」
ローブの男は右手を差し出し甲高い笑い声を発するのであった。

410 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/26(日) 12:03:18 ID:dXww5Ey/
フリオニールはローブの男を伴って波止場のレストランへ戻り今後の対応を協議する。
行き違いになっては困るのでキュルケを留守番役とし、とりあえず様子見という形で
フリオニール、タバサ、ローブの男の3人が出向くことになった。
留守番に文句を言うキュルケを懸命に宥めている間にシルフィードが夕日を背にやってきた。
立派な風竜を目の当たりにしローブの男はゴクッと唾を飲むと
「いやぁ、立派なドラゴンですな。これなら明日未明にはニューカッスルに着くでしょう」
お世辞を言いつつ保険金の催促をした。
やってられない、とばかりにキュルケは憤然と財布から金貨10枚を抜き出すとローブの男に
乱暴な手つきで渡した。
ローブの男は提示した金額より低い額を渡されたので文句を言おうとしたが、このような
ドラゴンを飼い慣らしている連中はきっと只者ではないと考え直しひひひっ、と薄気味悪い
声を出して金貨を受け取った。

その日の夜

ルイズはニューカッスル城に無事到着しウェールズからある物を受け取ったことにより
この度のミッションの折り返し地点まで来た筈なのだが何故か物憂げな表情だった。
無理もなかった。アンリエッタより受けた密命は以前、アンリエッタがウェールズに送った
ラブレターを取り戻すことだったのだ。しかも内容は始祖ブリミルに誓った愛の告白が
刻まれている。始祖に誓う愛は婚姻の際の誓いである。アンリエッタがこれから嫁ごうと
するゲルマニアの皇室にその手紙が伝われば重婚の誹りを受けて婚約解消となってしまう。
そうなればゲルマニアとの同盟関係も破談しレコン・キスタへ小国トリステイン1国で
立ち向かわねばならなくなるだろう。
アンリエッタは王女としての責務を果たそうとしウェールズはそれを認め自ら身を引こう
としている。
深い絆で結ばれているのに引き裂かれる数奇な運命。アルビオン王家を窮地に追いやった
レコン・キスタと呼ばれる反乱軍に対する怒りがルイズの心にふつふつと湧いた。
しばらくして怒りが治まると自身の使い魔がハルケギニアへ来る前にそのような組織に
属していたことをふと思い出した。
(あいつ、何やってるのかしら!?)
ラ・ロシェールではぐれて以来顔を見せないフリオニールに対し不安と苛立ちを募らせる
ルイズの元へワルドがやってきた。
「さぁ、ルイズ。これからパーティだ」
「ええ」
ルイズは一言返事をするとワルドと共に大使を歓迎するパーティ会場へ足を運んだ。

411 :ゼロのチェリーな使い魔:2010/12/26(日) 12:06:35 ID:dXww5Ey/
宴も終わり宮廷内が静けさを取り戻した頃

ニューカッスル城近郊まで到着したフリオニール達はシルフィードでこれ以上進むと捕らえられて
尋問を受けることになるだろうと考え徒歩で森の中を抜けることにした。
しばらく歩き兵隊に見つかることなく辛くも城外までたどり着いたが、城は軍艦や大勢の
兵士に取り囲まれていて落城一歩手前の様相だ。
森の木陰に隠れながら本当にここにルイズがいるのだろうか?と半信半疑になるフリオニールに
ローブの男が
「着きましたぜ。さぁ、宝物庫目指して頑張りましょうや」
揉み手をして言った。この男の目的が火事場泥棒であることを理解したフリオニールと
タバサはジト目でローブの男を見る。
男はひひひっ、とバツの悪そうな笑いを発すると
「何なら私がこっそりと中の様子を偵察してきましょうか?」
城へ忍び込むと言い出した。どうする?とタバサにアイコンタクトをとるフリオニール。
「え〜と、桃色の髪の小柄な少女と羽帽子をかぶった口ひげの大男ですね」
ローブの男は再確認するようにぶつぶつ呟くと例によって右手を差し出した。
しかたがない、とフリオニールは背中のデルフリンガーを外して男に差し出す。
「これ、新金貨20枚で買ったんだ。本当はもっと値が張るらしい」
「あ、相棒!この俺っちを身売りするなんてひでぇじゃねぇか!」
「我慢してくれデルフ!あとでルイズさんに頼んで買い戻すから!」
「こんな怪しい奴に渡して大丈夫かよ・・・」
ローブの男は口元をニヤつかせてデルフリンガーを受け取ると
「私の記憶が確かならば通用口は向こうですな。では行ってきまっせ。もしお目当ての
人がいれば「外でお友達が待っている」と伝言しときますよ」
闇夜に消えるように静かに城壁に近づいて行った。

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 12:07:48 ID:dXww5Ey/
ゼロのチェリーな使い魔第20話は以上です。
失礼しました。

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 12:15:25 ID:g++HL/ic
シエンヌ

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 12:17:32 ID:o+M6aX5X
>>339
オートで整備してくれるロボットかー

整備とは違うけれど、クロノトリガーに出てくるロボット、
その名もずばり『ロボ』なんだけれど、本編で砂漠の植林運動をするために
200年ぐらい整備士なしでやってのけた上で、100年ぐらい機能停止してた状態で
再起動果たすぐらいだから、ルイズが老衰するぐらいは無整備でも大丈夫だべ。

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 12:23:27 ID:o+M6aX5X
>>412投下乙っす。

キュルケが踏んだり蹴ったりだ。

416 :手札0の使い魔:2010/12/26(日) 12:23:58 ID:xESJX7Jo
突然でアレですが投下

遊戯王5D’sより鬼柳京介を召還

417 :手札0の使い魔:2010/12/26(日) 12:41:52 ID:xESJX7Jo
ルイズが呼び出したのは、長い白髪でボロボロのコートを纏った平民だった。

そう、ただの平民だと思っていた。

「何よ、あれ・・・」
ルイズの眼に映ったのは次々と現れる幻獣たち。
そしてそれに命令し、率いている己の使い魔。
「インフェルニティ・ビースト、ゴーレムに攻撃!」
使い魔がそう命令すると、犬のようなモンスターが青銅で出来たゴーレムを
粉々に砕いた。
「インフェルニティ・デーモン、ゴーレムに攻撃。ヘルプレッシャー!」
続けて、物語に出てくるような悪魔の姿をしたモンスターが手を翳すと、ゴーレムの上から
腕が現れゴーレムを圧し潰した。
負けじとゴーレムが、動く気配のないローブを纏った骸骨を攻撃するが、逆に弾かれてバランスを崩してしまった。
間をおかず使い魔が命令し、屈強な亜人がよろけたゴーレムを砕いた。
これで全てのゴーレムは使い魔の召還したモンスターに砕かれてしまった。

「僕の、負けだ・・・」
尻餅をつき呆然と言う金髪の少年。
それを聞いた使い魔は腕に装着した何かを外し、腰に戻した。
使い魔は未だに腰を抜かしている少年に手を差し伸べる。
それを見た少年は目を丸くしたが、小さく笑って何か呟くと、しっかりとその手をとった。

「君の名前をまだ聞いていなかったね」
少年が使い魔に問う。
「俺の名は・・・鬼柳、京介だ」
使い魔ははっきりとそう答えた。

広場に歓声が響き渡った。


418 :手札0の使い魔:2010/12/26(日) 12:43:07 ID:xESJX7Jo
短いですが0話終了
来週にでも一話を投下します

419 :コノ身ハ平和ノ礎トナロウ:2010/12/26(日) 13:36:58 ID:WsliirOj
本日の二時頃に短編を一つ投下させていただきます。
自分はこれが初投下なので緊張でドキドキが止まらない。

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 13:37:48 ID:Ne3JfujG
作品投下時にsage忘れるとトラブルの元だぜ。

421 :コノ身ハ平和ノ礎トナロウ:2010/12/26(日) 13:54:46 ID:WsliirOj
>>420
もっ申し訳ない……あまりこの手のスレを利用したことが無いもので。

 それでは短編集「コノ身ハ平和ノ礎トナロウ」を投下します。


「コノ身ハ平和ノ礎トナロウ」

 浮遊大陸アルビオンの首都ロンディニム。その郊外にはかつて軍港と呼ばれたロサイスと言う港がある。
 この港が軍港では無くなった日から、港の中心に一つの銅像が建てられていた。
「ママ、あれなあに?」
 一人の子供が銅像を指差しながら母親に尋ねた。
「あれはね、皆を守ってくれた天使さまなのよ」
 母親は笑いながら子供に答えた。

 『彼』は、後に虚無のルイズと呼ばれる少女に召喚された。
 そして後世において彼は始祖ブリミルが遣わした天使と呼ばれ、平和の象徴とされた。


「でもてんしさまなのにはねがないよ?」
 その銅像は人では無く、丸っこい変な物体を象っていた。確かに、子供で無くてもこの奇妙なオブジェを見掛けたら首をかしげるだろう。
「そうね。不思議な姿をしているわね」

 『彼』は何とも形容し難い姿をしていて、全身は金属で作られていた。
 誰もが変人の作った彫刻だと判断したが、彼は自分の意思を持ち、不思議な足で自由に移動することもできた。


「ママ、てんしさまがけがしてるよ? なおしてあげないの?」
 銅像の天辺には大きな傷がついていた。そのせいで、ただでさえおかしな姿をしている銅像はより変なものに見えた。
「違うのよ。天使さまは怪我をしているんじゃなくてああいう姿をしているの」

 『彼』は全身の至るところに傷がついており、頭と思われる場所には亀裂すら走っていた。誰もが珍妙な粗大ゴミとしか思わなかった。
 しかし不思議なことに、『彼』の身体は今まで存在していなかった不思議な金属で作られており、誰も『彼』を傷つけることはできなかった。


「ママ、てんしさまよごれてるのにきれいにしちゃダメなの?」
 その銅像には幾つかの汚れがついていた。汚い と呼ぶほどのものでは無いがお世辞にも綺麗とは言えなかった。
「あれはね、天使さまがご主人さまを守った証なの。だから綺麗にしちゃダメなのよ」

 『彼』は争いごとを好まなかった。忌み嫌っていたと呼んでも良いだろう。
 その為、『彼』が誰かを傷つけることは無かった。いつも厄介事に首をつっこみたがる主を庇うだけで、決して反撃することは無かった。

「ママ、なんでてんしさまはここにいるの?」
「それはね、天使さまがこの街を守ってくれたからなのよ」



422 :コノ身ハ平和ノ礎トナロウ:2010/12/26(日) 14:01:56 ID:WsliirOj
 
 
 それまでに何があったのか。それを語ったところで事実が覆ることは無い。
 ならば事実だけを語ろう。
 ロサイスの港にアルビオンの軍勢七万騎が迫っていた。
 このような事態を想定していなかったトリスティン軍は混乱を極め、主力部隊をどうやって撤退させるかしか考えられなかった。
 そして出た結論は時間が足りないと言うことだった。このまま戦っては数の差が確実に負け、撤退するにも時間が足りず主力の大部分は犠牲となる。
 その為、首脳部は主力部隊の撤退が完了する時間――約一日分――を稼ぐため、ルイズ一人に七万の軍勢を足止めするように命じた。
 撤退も降服も負けることさえ許さず、たった一人の少女を生贄に捧げることにした。
 もちろん、通常ならば考えられないことだ。たった一人では足止めなどできる筈が無い。
 七万と言う大波に呑まれ、蹂躙され、何事も無かったかのようにアルビオン軍は進軍を続けるだけだ。
 しかし彼女の持つ魔法が、虚無と言う他を遥かに圧倒する力が、首脳部の言い訳に使われた。
 その命令を下されたルイズは無表情のまま時を過ごした。ただ、『彼』をどうやってこの街から逃がすかを考えていた。
 最初は知り合いのメイドに預けようとした。そうすればメイドが逃げる時間さえ稼げれば『彼』を救うことができる。
 数々の危機から自分を守ってくれた『彼』を、初めて守ることができる。そう、思った。
 しかし不運なことにメイドを見つけることができなかった。『彼』もロサイスの街に残してしまうことになった。
 次にルイズは『彼』に一つの命令を下した。トリスティンの友軍が戻ってくるまで身動き一つせず、変な形をした鉄塊でいろと命令した。
 どこかの土のメイジが気まぐれで作った鉄塊。そんなものを破壊するほどアルビオンの兵も酔狂では無いだろう。
 『彼』は確かにその命令を聞いた。ルイズは『彼』が助かることに安堵した途端に倒れ、眠ってしまった。
 数々の心労が、彼女を蝕んだのだろう。
 しかしルイズが目を覚ました時、それは彼女が死地へ赴く時であった。
 『彼』は初めて主の命を破り、ロサイスの街を抜けだした。

「なんだ、こりゃ」
 『彼』は主に代わり、ただ一人だけでアルビオン軍と対峙していた。
 アルビオンの斥候も変な鉄塊が本隊に接近していることに疑問を抱いたが、おかしなゴーレムかガーゴイルだと判断した。
 当然、そんな物の為に進軍を止める筈が無く、七万の大波が彼を呑み込もうとした。
 その時、彼はアルビオン軍の誰も聞いたことが無い、無機質な声を上げた。
「私ノ命ハ」
 アルビオン軍にとってガーゴイルは喋ったことなどどうでも良いことだった。
 そんなことより、ロサイスの街を蹂躙することの方が大事だった。
「平和ノタメノ礎トナロウ」

423 :コノ身ハ平和ノ礎トナロウ:2010/12/26(日) 14:02:58 ID:WsliirOj
 
 
 翌朝、目覚めたルイズは『彼』がどこにもいないことに気がついた。
 ルイズはアルビオン軍の存在を忘れ『彼』を探したが、街のどこにも『彼』の姿が無かった。
 そしてアルビオン軍のことを思い出した。街にいない『彼』と街に来ない軍の存在を結びつけたルイズは街を飛び出した。
 そこにあったのは夥しい数の肉片と血の海だった。
 この世の全ての命が奪われたような錯覚を覚えたルイズは、途中で何度も吐き気を催しながらも『彼』を探し続けた。
 そして頭上に太陽が昇り、血の臭いに何も感じ無くなったころ、ルイズはようやく『彼』を見つけることができた。
 『彼』の身体はバラバラになっていた。
 スクウェアスペルを食らっても傷一つ付かない筈の身体が、それでも七万もの数を防ぎきることができず、頭部だけを残して完全に壊されてしまっていた。
「…………なんでよ……」
 『彼』の頭部を見つけてから数分経ち、ルイズはその一言をようやく腹の底から絞りだすことができた。
 そしてその声に反応したのか、『彼』の顔面に小さな光が点った。
「私ノ、役、 メハ 終エマシ、 タ」
 『彼』の声は途切れ途切れになり、更に雑音まで混じっていた。とても声には聞こえない、耳触りな音だった。
 しかしルイズは彼の声を一語一句を違えること無く聞きとった。そして、彼との別れを理解した。
「何、言ってる のよ、 あん  たは、わたしの使い 魔、なのよ」
 ルイズは『彼』の頭部を胸に抱えながら叫んだ。『彼』との別れを否定するため、全身全霊を上げて。
 もはやそれは声では無かった。『彼』と同じ、雑音にしか聞こえないものだった。
「世界ハ平和、 モウ、誰モ キズツカナイ世界…」
 『彼』の声を聞きながらルイズは泣いていた。でも、声をあげることはしなかった。
 もうこれが最後だから、『彼』の最後の言葉を聞き逃さないため、必死に自分の声を抑えた。
「…… …ヨカッ」
 そして『彼』に点っていた最後の光が消えた。最後の言葉を言いきれずに。
 それからルイズは泣き続けた。声にならない叫びをあげながら。
 ようやく泣き止んだ頃には、日はすっかりと傾いていた。
「……帰りましょう」
 泣き止んだルイズは、『彼』の頭部を抱えながら呟いた。
 喉はすっかり枯れていたが、彼女を知る誰もが知らないような優しい声だった。
「あんたは、平和の英雄なんだから……」

 その後、ルイズは仲間たちと共に戦い、終にはハルケギニアに平和をもたらした。
 それからの世界は平和そのものだった。ロサイスに銅像が建てられ、平和の象徴と呼ばれている『彼』もきっと喜んでいるだろう。
 そして、見守り、支え続けているだろう。
 この世界の平和を、ずっと……遥か未来まで――



コズミックブレイク「平和のスクラップ」より、キャノンボールを召喚

424 :コノ身ハ平和ノ礎トナロウ:2010/12/26(日) 14:05:36 ID:WsliirOj
以上となります。短いながらもお付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに『彼』ことキャノンボールは一抱えほどの大きさの丸い戦車です。
腐っても現代よりも遥かに文明が進んだ世界の、特殊合金で作られているので装甲は極端に硬いと判断しました。

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 14:17:30 ID:vjGGf54x
最近買って感銘をうけた名作キングダムカムとのクロスとか無理かな?
スーパーマン、キャプテンマーベル、マゴッグ、バットマン辺りを召喚で

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 14:18:24 ID:ih8tNT4s
まあ県や槍ぐらいで破壊されてちゃ話にならなそうな気はしますね

>>407
BC兵器なんて殺した数知れてるよ
政治的にも後処理も限定するのも酷く面倒で、早々使えるもんじゃないからな

砲も含めた弾のほうがきっと圧倒的に多いはず
それまでの戦争とは桁違いの死者出るようになったしな

427 :ウルトラ5番目の使い魔  ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 14:41:33 ID:mA3M2U+x
皆さんこんにちは、年末に入りましてスレのほうもますます盛況で私もうれしく思っています。
では、ウルトラ5番目の使い魔、26話の投下準備できました。
今年も最後までさるに会わないために、10分おいて14:50より開始いたしますのでよろしくお願いします。

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 14:49:08 ID:f4HyAE2L
お久しぶりのウルトラ事前支援

429 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (1/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 14:51:48 ID:mA3M2U+x
 第26話
 群青の湖の悪魔と伝説
 
 液体大怪獣 コスモリキッド 登場!
 
 
 トリステインの西方、ガリア王国と国境を接する内陸部にハルケギニア最大の湖、ラグドリアン湖はある。
その規模は六百数平方キロメイルの広大さを誇り、その景観の美しさをもって人造物の追随を許さない。
 しかし、この湖は人間の所有物ではないことも知られている。水の精霊、湖底のはるか深くに住まうという、
人間よりもはるかに古い、ハルケギニアの先住民がその主なのである。
 彼らは一説には、数万年もの長い時を変わらずに存在し続け、誰も見たことのない深い湖の底に
独自の都市と王国を持っているという。誰も確かめようのない伝説ではあるが、彼らは確かに存在する。
 
 湖水はなみなみと澄んだ水をたたえ、画家がいたとしたら絵筆をとらずにはいられないことだろう。
数ヶ月前にその水の精霊によって水位を上昇させられ、沿岸部の住民が遠のいていたが、今では平常に
戻った湖水のほとりの道を旅人がいきかっている。
 だが、宝石のように美しい水の中に、人間の目を逃れて住まうものは果たして水の精霊だけなのだろうか……
 
 湖の湖畔……街道から外れて、藪の中の獣道を進んで出る静かな湖岸で一人の老人が釣り糸を垂れていた。
白髪で、しわに覆われた顔の枯れ木のような体つき。でも、若い頃は漁師をやっていたのか、体に刻まれた
幾筋もの傷跡や、筋肉のなごりが人生を物語るような、小さな老人がそこにいた。
 周りにはほかの釣り人の姿もなく、あるものといえば虫の羽音くらいの中で、老人は朝からずっと、
眠っているように釣竿を握っている。
 そんな老人の後ろに、いつの間に現れたのか一人の男が現れていた。
「もし、ご老人」
「なんじゃい」
 振り返らずに返事を返した老人に、その男は「釣れますか?」と何気なく質問した。返って来た答えは、
「さっぱりじゃ」と、そっけない。びくの中をのぞいて見ると、雑魚の一匹たりとて入ってはいなかった。
老人は不機嫌そうに釣竿を振ると、愚痴るようにつぶやいた。
「ここ最近は外道もろくにかからん。以前はこんなことはなかったんじゃがな。まったく、このあいだの
異常増水もやっとおさまってほっとしたところにまたこれじゃ、水の精霊さまは何を考えておられるんじゃのう」
 うんざりしたようにぼやくと、老人は沖合いを見つめた。今日はよく晴れていて対岸もうっすらと見渡せる。
ラグドリアン湖は水の精霊の居場所というだけでなく、ガリアとトリステインの国境の要所なので、両国の
取り決めによって対岸に一定以上大きな街や港の建造は禁止されている。そのおかげで、自然が保護されて
良好な漁場として両国の民の舌を潤しているが、今はまるで巨大な水溜りのように見える。
 老人は、何もかかっていない針を引き上げると、ため息をついてまた放った。小さな水音がして、
水面には浮きだけが顔を見せている。男は、しばらくその浮きをじっと見詰めていたが、やがて老人に
警告するように告げた。

430 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (2/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 14:53:12 ID:mA3M2U+x
「ご老人、今日はもう帰ったほうがいい」
「なんじゃ、まだ日は高いぞ。それにわしゃ、今日の晩飯を釣って帰ると孫と約束しとるんじゃ」
「いくら粘っても今日は釣れはしない。孫には早めに帰って謝るといい」
 無愛想に告げる男の言うことに、老人は当然のように拒否した。わしは五十年以上この湖に住んでいる、
若造が知ったような口を利くなと。しかし、男は語気を強めると、再度老人に警告した。 
「もう時間がない。急いで立ち去れ……命が惜しかったらな」
「なにを言うとるんじゃ、ここは昔からわしの専用の穴場じゃ、よそ者などに……」
 異変は、老人が抗議の言葉を終わる前に始まった。
 老人の前から五十メイルばかり離れた湖面が突然泡立ったかと思うと、巨大な水柱が立ち上りはじめた。
「わわっ! なんじゃ、なんじゃ!?」
「遅かったか」
 狼狽する老人と、憮然として見上げる男の前で水柱はどんどん高くなり、水しぶきが雨のように二人に
降り注ぐ。そして、その中から青い肌をした巨大な怪獣が姿を現した。全長はおよそ六〇メイル、
鼻先と頭の両側に巨大な角がついていて、そいつの作り出した影に二人は覆い隠された。
「ひええぇっ! たす、助けてくれぇ!」
 老人は釣り道具を放り出して逃げ出した。しかし、男のほうは身じろぎもせずに、湖水から上がって
自分たちへと向かってくる怪獣を見上げていた。
「現れたな……怪獣め」
 
 ことの始まりは、その数時間ほど前にさかのぼる……
 
 ハルケギニアの気候も秋から冬へと変わりゆくそんな夜明けの日、朝霜を踏みしめて、一人の男が湖畔に立っていた。
 背格好はトリステインでよく見る平民のものと変わりなく、道を歩いていても誰も気に止めることはないだろう。
しかし、彼はハルケギニアではまず見ることのできない黒い髪を持ち、さらに注意して見てみたら、彼の
洋服の左胸付近に、白い翼をあしらったエンブレムがあしらわれているのがわかるだろう。
 彼の名はセリザワ・カズヤ、またの名をウルトラマンヒカリという。
 
 二ヶ月前のヤプールとの決戦の後、エースと、彼と同化している才人とルイズたちを補佐するために
セリザワはこの世界に残った。それからしばらく、彼はこの世界のことを知るために、魔法学院の警備として
勤めてきた。だが、今は違った。
 トリステインの国土を歩いて回り、その場に怪異や異変が起きていないかを調べ、時には解決に手を貸す。
それは普段学院から自由に動くことのできない才人とルイズに代わって、ヤプールが復活するのなら、
その予兆を一刻を早くつかむため。
 そしてもう一つ、ウルトラマンヒカリにとって絶対に座視することのできない目的があった。
「ボガール……この世界のどこかに、貴様がいるのか……?」
 その忌まわしい名を口にするとき、セリザワ……ヒカリの脳裏にはある悲劇が蘇ってくる。
 かつて、奇跡の星と呼ばれ、ヒカリが守り抜こうと決めた星・アーブ。そのアーブを滅ぼした宇宙の悪魔
ボガール。メビウスと力を合わせて、仕留めたはずのボガールが蘇り、この世界に潜伏しているかもしれない。
あの悲劇をこの美しい星で繰り返させないために、ボガールを探し出して討伐する。それがヒカリの
もう一つの目的であった。

431 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (3/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 14:54:30 ID:mA3M2U+x
 セリザワの胸中には、ハルケギニアに来る前にゾフィーからのウルトラサインで伝えられた事実が
深く焼きついている。M78星雲のアニマル星を多量のレッサーボガールが襲い、それらを使役していた
のが間違いなくボガールであったということ。同時に、ボガールの背後にはヤプールがいるということも。
「何度蘇ろうとも、貴様の野望は俺が砕く。今度は、宇宙警備隊員として」
 彼はまだ、ウルトラマンジャスティスが月面上でボガールを撃破したことを知らない。
 
 そして今日、セリザワはこのラグドリアン湖へとやってきた。理由は、近隣の住民から最近この湖の
近辺で人間や家畜が行方不明になる事件が頻発していると聞きつけたからだ。むろん、それだけならば、
単なる失踪や誘拐事件と、よくあることですまされるかもしれない。だが先日、水の精霊のために水没していた
村の住人が、水が引いたために帰ってきて再建の準備をしていたところ、一夜にしてその数十人が
消えてしまったために、今では恐れをなして人々はめったに湖に近寄らなくなっていた。
「美しい湖だな……」
 湖畔に立ったセリザワは、朝日を受けて輝く湖を見て、思わずそうつぶやいた。ヒカリの故郷、光の国や
惑星アーブ、地球にも勝るとも劣らない神々しさを秘めた輝き……魔法であろうが科学であろうが、
数千年をかけて作られた大自然の造詣を再現することは不可能だろう。
 けれど、セリザワはこの美しい風景に大きく欠けているものがあることにも気づいていた。
 湖畔は静まり返り、水を飲む動物も水鳥の気配もない。湖水は鏡のように平坦で、魚一匹跳ねることもない。
 静かすぎる……異常なほどに、生き物の気配そのものが、これほどの湖だというのにほとんど感じられなかった。
 ラグドリアン湖は、無機質な絵画のような光に包まれて、セリザワの砂利を踏みつける足音のみが響いている。
 ふと、水際でセリザワは立ち止まった。同時に湖のほうを睨み、鋭い声で告げる。
「出て来い。私を見ているのは気づいている」
 すると、湖畔に立ったセリザワの前で、湖水が揺らめいてアメーバのように一部が浮き上がり始めた。
セリザワは右手に左手を添え、いつでもナイトブレスを展開できるように備える。水の塊はそのまま
浮上を続けると、湖水から二メートルほどの高さで止まってやがて不完全な人間の形をとった。それは、
湖の主である水の精霊が人間と会うときに、人の姿を模して現れる姿だった。
 水の精霊は、警戒するセリザワの前でぐにゃぐにゃと形を整えると、よく澄んだ声で彼に話しかけた。
「近頃は、わずかも月が交差する前にめずらしい客がよく来るものだ。光の戦士よ」
「私がわかるのか?」
 自分がウルトラマンであることを知っている。そして、その声に敵意がないことを悟ると、セリザワは手を下ろした。 
「水の流れが、我にとってはお前たちの目のようなものだ。特に、お前たちはとても強い息吹をその生命から
発している。以前やってきた、お前よりも若い二人もそうだった」
 水の精霊は、以前に才人とルイズがスコーピスと戦ったときのことを覚えていた。あのとき、湖の付近で
砂漠化を進めていたスコーピスをエースが倒さなかったら、ラグドリアン湖も枯れ果てていたかもしれない。
セリザワは、そのときのことを水の精霊から聞かされると、なるほどとうなずいた。
「そうか、あの二人がな……」
「かの者たちには、我は大いなる恩がある。彼らに似た気配を持つ者よ。何用にてやってきた?」
 そう尋ねる水の精霊に、セリザワは自分がラグドリアン湖にやってきた目的を話した。自分たちウルトラマンは
宇宙の平和を守るために戦っていること、この世界に世界を崩壊させかねない凶悪な敵が入り込んでいること、
そのため、最近この湖で頻発している行方不明事件を調べにやってきた。それはお前の仕業かとも尋ねると。
「それは我の関することではない。しかし、最近この湖に住み着き、荒らしているものがいる。そのものの
しわざであろう」
 セリザワの眉がぴくりと動いた。そして「心当たりがあるのか?」と尋ねると、水の精霊の姿が揺れ動き、
声が不快になった。
「ある夜、空から落ちてきた石よりそやつは現れた。世の理に従わぬ、我らとはまったく異種の生き物だった。
奴は我の住まう水底にまで巣食い、湖の生き物を次々と捕食していった。我も憂慮している」
「なるほど、湖の不気味すぎるくらいの静かさはそのせいか。生き物のバランスが崩れれば、湖の水も
やがて濁り始める」
 優秀な科学者でもあるヒカリは、一見平穏に見える湖の中で大変な事態が起きているのだと息を呑んだ。

432 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (4/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 14:55:16 ID:mA3M2U+x
 湖の生態系が崩れれば、大量発生や大量死亡による水質悪化が引き起こされ、それは一朝一夕には
回復することはできない。水と同質の水の精霊にとっては、まさに死活問題であろう。
「危険な兆候だな。しかし、そいつがお前にとって害になる存在だとわかっているのなら、なぜ排除
しようとしない? 聞けば、お前は水が触れた相手の心を奪うことも簡単にできるのではないか?」
「むろん試みた。だが、そいつはまるで我と同じように水と同化してしまうために、我の力も通じなかった」
 水の精霊の声に悔しさらしいものが混ざった。精霊にとって、水を扱ってうまくいかないことが
あるなどということは、この上ない屈辱なのだろう。
「光の戦士よ。そこで我はお前に頼みごとをしたい。その、我に徒なす侵入者を退治してほしい。そうすれば、
世界に散った我の一部を通して知った。世界の異変のことを教えよう」
「……いいだろう。俺としても見過ごすことのできない事態のようだ。それで、そいつのいる場所はわかるのか?」
 水の精霊は湖水の中へと沈んで消えた。しかし湖面には、まるでそこだけ石を投げ込み続けているような
波紋が残り、それが静かに動き始めた。
 ついてこいということか、水の精霊の意図を理解したセリザワの姿も湖畔から消えた。
 
 
 そしてその数時間後……セリザワは、水の精霊の示した”敵”と対面していた。
「ドキュメントZATに記録。液体大怪獣コスモリキッドか」
 手に持ったGUYSメモリーディスプレイに表示されたデータに目を通し、セリザワはぽつりとつぶやいた。
 全長五十八メートル、体重六万トン。
 ウルトラマンタロウが二番目に戦った怪獣で、名前にコスモとあるとおり宇宙怪獣の一種といわれる。
 その最大の特徴は、名前のリキッドに象徴されるとおり、自らの体を液体化させ、水と同化することが
できるというものだ。これによって、恐らくは隕石などに付着して星々を渡り歩いたり、小川や池など
水さえあればどんな場所にでも潜伏し、自由に実体化できるのだ。かつてもこれによって、とても怪獣が
隠れることのできないような浅い川に潜んだりしている。今回も水の精霊の力が通用しなかったのも、
この水と同化する能力ゆえであろう。
 さらに、こいつには忘れてはならない特徴がもう一つある。
 セリザワの忠告の意味をようやく理解し、老人は必死に走って逃げようとしていた。だが、それを
血の匂いをかぎつけた鮫のような目で見つけたコスモリキッドは、口を大きく開くと真っ赤な舌を
触手のように伸ばして、あっというまに老人をからめとってしまったのだ。
「わ、わ、ひぎゃぁぁっ!?」
 分厚いマットのような舌に巻き取られ、老人は悲鳴をあげながら引き戻されていった。その先には、
鋭い牙の生えた口が待ち構えている。それを目の当たりにして、老人は自分が行方不明になった
村の住人と同じことになったのを悟った。
 そう、コスモリキッドは肉食性の怪獣。かつての地球でも、確認されているだけで五人の人間が
こうやってコスモリキッドに捕食されている。
 老人は、危険だから行くのはよせと止めてくれた息子や嫁の言葉に従わなかったことを後悔した。
一番上の孫は自分を手伝って農作業をするようになり、来年早くには四番めの孫が生まれて、
今度は自分が名づけ親になるはずだったのに……こんなことならもっと……
 だが、老人が絶望し、足が宙に浮きかけた瞬間、カマイタチのような鋭い斬撃がコスモリキッドの舌を切り裂いた。
セリザワの持つ青い短剣、ナイトブレードの一撃である。深く切り裂かれた舌は力を失い、老人を
離してだらりと垂れ下がる。ウルトラマンヒカリと一体化したセリザワは、ボガールヒューマンと
渡り合えるほど超人的な身体能力を持ち、風のように素早く切り込んだのだ。

433 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (5/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 14:56:09 ID:mA3M2U+x
「逃げろ。決して振り向くな」
 助け出した老人に言い置くと、セリザワはすっとコスモリキッドを見上げた。老人は、何がなんだか
わからないままに必死になって走っていく。けれど、コスモリキッドの舌はもう老人を追いはしない。
獲物よりも、自分を傷つけたこしゃくなちびに腹を立てて、今度は捕らえるためではなく叩きつけるために
コスモリキッドは舌をセリザワに向かって振り下ろす。
「そうだ。お前の相手はこの俺だ」
 舌が当たる瞬間に、セリザワの姿は掻き消えて別の場所に移っていた。ウルトラマンの力を
使った超高速移動、人間の目からしたら瞬間移動したように見えるだろう。
 コスモリキッドは怒って、さらに舌を振り下ろしたり、踏み潰そうと執拗にセリザワを襲う。しかし、
セリザワはそのすべてをなんなくかわし、あの老人が安全な遠くまで逃げ延びたのを気配で
確かめると、コスモリキッドから離れた場所で足を止めた。
「怪獣よ。ここはお前のいるべき場所ではない」
 セリザワが右腕を胸の前に掲げると、手首にウルトラマンキングから託された神秘のアイテム、
ナイトブレスが出現する。そして、対となるナイトブレードを差し込むと同時に青い光があふれ出し、
光の渦の中で青いウルトラの戦士、ウルトラマンヒカリへと変身。巨大化してコスモリキッドの前に
立ちはだかった!
 
「セヤッ!」
 
 登場したヒカリは至近距離からのウルトラキックの一撃で戦いの幕を開けた。強烈なキックの威力に、
コスモリキッドの巨体が吹っ飛び、湖の中に大きな水柱をあげる。ヒカリは湖岸に着地して足元から
砂利を巻き上げて、湖へ向かって構えをとる。
 
 ウルトラ兄弟十一番目の戦士、ウルトラマンヒカリの戦いが始まった!
 
「トアッ!」
 湖の中から起き上がってきたコスモリキッドに、ヒカリの素早い回し蹴りが炸裂する。さらに、
よろめいたコスモリキッドのボディに向かい、かがみこんでの正拳突きによる連続攻撃。
巨大な太鼓を叩いたような轟音が鳴り、ひるんだコスモリキッドはいったん水中へと逃れようと
するが、そうはさせじとヒカリも湖に飛び込んで追いかける。
「逃がさん!」
 この周辺は遠浅になっているので、ヒカリとコスモリキッドは足首までを水につけて格闘戦に入った。
退路を塞ごうとするヒカリに、コスモリキッドも本気を出して襲い掛かってくる。角をふりかざし、
太い腕で殴りつけてくるのをいなし、得意の中段からのミドルキックで迎え撃つ。
 しかし、コスモリキッドは水と同化する能力があるので湖の中へ逃れられたらまずい。そのとき、
湖水を通じてヒカリに水の精霊が語りかけてきた。
「我の力で、彼奴が水に逃げ込むのを抑えていよう。しかし長くは持たない。いまのうちに倒すのだ」
「心得た!」
 水の精霊の援護のおかげで心置きなく戦える。ヒカリはジャンプすると、コスモリキッドの脳天に
ウルトラチョップを炸裂させ、その強烈な衝撃によって火花を散らせた。

434 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (6/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 14:57:05 ID:mA3M2U+x
 水の精霊はその戦いを見守りながら、悠久の時を積み重ねてきた記憶を蘇らせていた。
「すさまじい戦いよ……数えるのも愚かしいほどの時を重ねてきたが、歴史は繰り返すか。
光の戦士よ、今一度悪しき者たちから世界を守ってくれ」
 ウルトラマンと怪獣の激突によって湖の水は荒れ、湖畔は津波に襲われて木々がなぎ倒される。
 美しい湖の景観は見るかげなく破壊され、この湖を愛する者が見たら激しく嘆くだろう。しかし、
その美しい水の中に目に見えない毒が居座り続ける限り、湖はいずれ本当に死んでしまうに違いない。
自らも破壊の一端となることを苦く心のうちにとどめて、ヒカリはパンチ、キックを繰り出し、腕を掴んで
思い切り放り投げる。
 だが、ヒカリの攻撃のあいまを狙ってコスモリキッドも反撃に出る。怪力を活かしての突進攻撃に、
毒を持っているとも言われる鋭い爪での攻撃。体格で勝っているがゆえの利点を活かして、ヒカリを
追い立てようとする。
「さすが、タロウと渡り合っただけはあるな」
 ヒカリはコスモリキッドの戦歴を思い出して、あなどれない相手だと冷静に判断した。
 ウルトラマンタロウとコスモリキッドが戦ったのは都合二回。最初の一回はタロウに圧倒されて
逃げ出しているが、二度目は再生怪獣ライブキングとタッグを組んだとはいえ、ウルトラ兄弟最強と
言われているタロウを後一歩のところまで追い詰めている。
 けれど、強敵だとわかっていてもヒカリはひるまない。ハンターナイト・ツルギとしてボガールと
戦っていたころから、ウルトラマンヒカリとなって生まれ変わった後も、再生怪獣サラマンドラ、
宇宙大怪獣ベムスターといった強敵と戦って勝利してきている。その経験が自信となってヒカリを
支えていた。
「ムゥン!」
 ハイキックによる横合いからの攻撃を顔面に食らわせ、間髪要れずに逆方向からのキックを加える。
その攻撃で、コスモリキッドの左側の角がへし折れて水中へ吹っ飛び、自慢の角が折られたことで
奴はあたふたと手足を振り回して慌てた。
 戦闘テクニックの差でコスモリキッドを圧倒するヒカリ。対するコスモリキッドは、まるで雷をはじめて見る
子供のように右へ左へとうろたえて、手足を振り回すくらいの反撃しかできていない。
 なのに、湖水を通して戦いを見守っていた水の精霊は、次第に不自然さを感じ始めていた。
「どういうことだ……奴の力はまるで衰えていない。いや、むしろ攻めている彼のほうがどんどん力を失っていっている」
 そのことには、ヒカリも気づきはじめていた。攻撃は確実にヒットしているのにどうも手ごたえが妙だ。
そのとき、ヒカリはへし折ったはずの奴の角がいつの間にか元に戻っていることに気づいた。
「あれは……そうか! 奴は液体怪獣だった」
 そのことに気づいたとき、妙な手ごたえの理由もわかった。コスモリキッドは瞬時に自分を水に変える
ことができる特殊な細胞を持っている。地球に出撃した個体も、その特性によってZATのミサイル攻撃が
まったく通じなかった。殴っても衝撃はすべて吸収される。いわば水風船を殴っているようなものなのだ。
 また、メビウスたちが戦った憑依宇宙人サーペント星人も似た特性を持っていて、体組織のほとんどが
水であるために、メビウスの攻撃を受けても瞬時に再生して彼らを苦しめている。コスモリキッドにも
同じ能力が備わっていても不思議でもなんでもない。
「水に勝つためには、どうすれば……」
 ヒカリは、通常の攻撃では奴を倒せないと思った。サーペント星人はメビウスのメビュームブレードでも
すぐに再生するほどの体を持っていたが、塩化ナトリウムを含んだ金属火災用消火弾、つまり塩を
浴びせられて水分を失って倒されている。しかしここには塩はない。
 そして、かつて倒されたコスモリキッドは……そこまで考えたとき、コスモリキッドの口から舌が伸びて
ヒカリの体に絡み付いてきた。
「ヌワッ! やはり、弱った振りをしていたのか」
 能力に気を取られていたが、奴は意外に知能も高いようだ。体に巻きついた舌はゴムのように頑強で
引きちぎれない。コスモリキッドは、このときを待っていたかのように舌を引き戻してヒカリへと爪を向けてくる。

435 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (7/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 14:58:39 ID:mA3M2U+x
 危険だ! 力比べではヒカリでも勝てない。
 湖の中で思うように踏ん張りが効かない。綱引きの姿勢をとりながら、ずるずると引っ張られていく
ヒカリを、コスモリキッドは文字通り舌なめずりして待ち構えている。ヒカリはとっさにナイトブレスに
左手を当て、光の長剣を発生させた。
『ナイトビームブレード!』
 振り上げて舌を切り裂き、絡みついた舌を振りほどく。すると、水に落ちた舌はすぐに溶けてなくなってしまった。
「やはり、奴を相手にすることは水を相手にすることと同じか……」
 コスモリキッドは切られた舌を意にも介さずに、元気一杯に甲高い鳴き声をあげてくる。
 それなのに、ヒカリのエネルギーは減少する一方で、カラータイマーが赤く点滅を始めた。
 ウルトラマンは、地球のような惑星の大気中では急激にエネルギーを消耗する。残された時間は
もうわずかだ。
 ヒカリは、疲労して苦しくなっていく息の中で考えた。水に勝つ手段、いかにでも形を変える水を
いくら殴っても蹴っても結果は同じだ。ならば、高熱を浴びせて一瞬で蒸発させてしまえばどうだ!? 
ヒカリはエネルギーをナイトブレスに集中すると、十字に組んだ手から必殺の光線を放った!
 
『ナイトシュート!』
 
 青色の必殺光線が炸裂し、コスモリキッドの体で激しい爆発が引き起こる。
 だが、爆発が収まった後、コスモリキッドは胴体の突起物のいくつかが吹き飛んでいたものの、
なおも健在な姿をそこに置き続けていたのである。
「だめか……くそっ!」
 奴を蒸発させるには威力が足りなかった。方法としては悪くなく、ここの湖に住む水の精霊も、
体を炎であぶられたら蒸発して消滅してしまうと言われているとおり、理論上は間違っていなかったのだが、
コスモリキッドの耐久力がヒカリの光線のそれを上回っていた。残念だが、すでにエネルギーを
いちじるしく消耗していたこと、八十七万度の高熱を持つというゾフィーのM87光線が自分には
ないのが悔やまれる。
 カラータイマーの点滅が早くなり、もう光線を放つのは無理だ。それでも、コスモリキッドの突進を
ジャンプでかわしながら、ヒカリはなおもあきらめずに考えた。ほかの兄弟に比べたら戦闘能力は低く、
力の劣る自分にとって、それをおぎなう武器は科学者であることの知識と経験しかない。
 最初に現れたコスモリキッドはどうやって倒されたか。それは、タロウのウルトラフリーザーで全身を
凍結させられて、ZATの鉄球攻撃で体をバラバラにされたからだ。しかし、ヒカリには冷凍系の技はない。
ならばどうする? 奴を凍らせる。この温暖な場所で? 考えろ、考えろ。
 ヒカリは、コスモリキッドの爪をかわし、尻尾を避けながら必死に対処方法を練った。
 奴を溶かせるほどの塩はないし、海に連れて行っても海水と同化される危険性がある。
 ならば熱? だめだ、光線技を撃つ力は残ってないし、今ハルケギニアに噴火している火山はない。
 だとすれば、やはり低温……しかし、冷凍技はないし、極地に連れていこうにも遠すぎる。
 
 低温……遠くに行かず、光線を使わずに低温を作り出す方法……そんなものが……いや、待て!
 
「そうか……一つだけ方法がある!」
 可能性に思い至ったヒカリは、突進してくるコスモリキッドを、ジャンプして頭上を飛びこえた。
「ジュワッ!」
 空中で華麗に一回転し、コスモリキッドの後ろをとる。そのままヒカリは、奴が振り向く前に背中に
抱きつくと、脇腹をがっちりと抱え込んで固定し、空中高く飛び上がった。

436 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (8/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 14:59:32 ID:mA3M2U+x
「シュワッ!」
 コスモリキッドを抱えたまま、ヒカリはラグドリアン湖の上空へとどんどん上昇していく。ヒカリの飛行速度は
マッハ七、つまり音速の七倍の秒速二千三百八十メートルの猛速を発揮できるということだ。残念ながら、
エネルギーの消耗によって速度は格段に落ちているとはいえ、その速度はハルケギニアのいかなるものよりも速い。
あっという間に小さくなっていくヒカリと怪獣の姿を見上げながら、水の精霊は人間でいうなら呆然としている
かのようにつぶやいた。
「いったい……どうするつもりなのだ……?」
 それは、ヒカリにとっても一つの賭けだった。自分の力が尽きる前に上がりきれるか、またコスモリキッドの
体組織が思ったとおりになってくれかどうか、保障はない。
 しかし、高度一千、五千、七千と上がっていくにつれて効果は次第にあがってきた。暴れていたコスモリキッドの
体が霜を降った様に凍り始め、やがて動きが止まって彫像のようになっていく。
「効いて来たな。上空は、地上からの熱が届かないために気温は軽く零下を切る。そのまま凍り付いてしまえ!」
 ヒカリの作戦とはこれだった。たとえ地上が熱帯でも、高度を上げれば気温はみるみるうちに下がっていき、
高度一万を超えて成層圏と呼ばれる場所に到達すれば、そこは零下五十度を下回る極寒地獄と化す。
そんな場所では、水なんかあっという間に凍って当たり前なのだ。
 地上を離れること、高度一万一千メートル……もはや、地上に聳え立ついかなる大山脈の頂すら遠く及ばない
高さにいたったとき、ヒカリはコスモリキッドを離した。奴はすでに白く結晶化した姿で、完全に沈黙している。
液体は温度を下げれば固体に変わって動かなくなる。子供でも知っている単純な論理だが、コスモリキッドと
いえどもその法則から逃れることはできなかった。
 石のように落下していくコスモリキッドを見下ろし、ヒカリはもう一度ナイトビームブレードを引き出した。
 上段に構え、自由落下していくコスモリキッドをめがけて、自分も落下の速度を利用して一気に切りかかっていく。
「デャァァッ!」
 縦一閃の斬撃。青い閃光が閃き、ヒカリのシルエットがコスモリキッドと重なった刹那、彼はコスモリキッドよりも
高度にして五百メートルほど下の空中に静止していた。
 落下していくコスモリキッドを背にして、ヒカリはナイトビームブレードを、左手で鞘に収めるようにして消し去った。
その瞬間、コスモリキッドの頭部から股下までにかけて一列の亀裂が生じた。そして、亀裂はさらなる亀裂を呼び、
コスモリキッドの全身へ蜘蛛の巣を幾重にもかぶせたような微細な筋が侵食していく。
 最後は、いうなれば霧であった。全身の細胞の一つ一つにいたるまで、打ち砕かれたコスモリキッドの体は
爆発するでもなく、まるで空気中に溶けるように崩壊すると、白い霧となって風の中に舞い散っていった。
「ここまで粉砕すれば、もはや再生することはできまい」
 液体大怪獣コスモリキッドは、虚空に消えた。
 
 ウルトラマンヒカリの、勝利だ。
 
 コスモリキッドの最期を見届けたヒカリは、静かに地上を見回した。
 高度、およそ八千メートル……雲さえもはるか下で、この日は全国的に晴天だったらしく、ラグドリアン湖の
周辺をはてしなく見渡すことができた。
「美しい星だ。これほど美しい星は、宇宙でもそうはあるまい」
 地球を、かつての惑星アーブをヒカリは思い出した。無限にある星々の中でも、これほどまでに恵まれた
環境を有する星は一握りしか存在しない。まさに、宇宙に輝く一つの宝石といっていい。

437 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (9/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 15:00:01 ID:mA3M2U+x
 だが、それゆえにこの星も数々の侵略者たちの標的とされる運命から逃れることはできないだろう。
人の持つ者をうらやみ、力づくで手に入れようと企む凶悪宇宙人はごまんといる。ヒカリは、そんな奴らの
ためにこの星が荒らされ、平和に暮らしている人々の幸せが壊されてはいけないと強く思った。
「アーブの民よ、見ていてくれ。俺はもう二度と、俺の前で惑星アーブの悲劇を繰り返させはしない」
 決意を新たに、ヒカリは美しい緑の星へと帰っていく。
 ヤプール、ボガール、まだ見ぬ未知の敵……戦いは、まだまだ続くのだ。
 
 ラグドリアン湖に帰還し、セリザワの姿に戻ったヒカリは水の精霊と再び相対していた。
「よくやってくれた。これで、湖もまた平和に戻った。感謝するぞ、光の戦士よ」
「礼にはおよばない。俺は、俺のなすべきことをしただけだ」
 ヒカリも、宇宙警備隊員として、ゾフィーにスカウトされたときから宇宙の平和のために戦おうという覚悟は決めていた。
でも、感謝をされること自体は悪くはない。顔には出さなかったけれど、心の奥でセリザワは水の精霊の
感謝の言葉をしっかりと受け止めていた。
 精霊の言うには、怪獣のせいで減少していた湖の魚も時間が経てば元に戻れるという。そうなれば、
ラグドリアン湖の湖畔にはまた人が集まり、この湖は豊かな漁場に戻ることだろう。
 しかし、湖に平和を取り戻した今、ヒカリにはせねばならないことがあった。
「精霊よ。お前はこの地に人間が現れるよりも以前から存在したという。教えて欲しい、かつてこの星で
なにが起こったのか。そして今、世界になにが起こりつつあるのかを……」
「わかっている。約束だ……我の記憶すらすむ悠久の時をさかのぼった、人間たちの暦で言えば
六千年の昔、一度この世界は滅亡したのだ」
 水の精霊は淡々と、過去にこの星で起きた災厄を語った。それまで、この世界は今よりももっと
多くの生き物がそれぞれのバランスをとって生きている平和な世界だった。しかしあるとき、空は曇り、
地は裂けて、生き物たちは秩序を失って互いに殺しあう混沌とした世界となり、当時からこの場所に
存在していたラグドリアン湖も生物が死滅した死の湖となった。
「それほどの異変が……いったい何が原因で」
「わからぬ。我が知りえるのは、我と我のかけらがある場所だけに限られるからな。しかし、最初の
異変ははるかな東方よりやってきた。それまで見たこともない姿と、圧倒的な力を持つ者たちが
巨大なる異形の軍団を率いてこの地を蹂躙していった」
 それだけでは漠然としすぎていてなんの結論もくだせない。水の精霊はさらに続けた。
「今でも、エルフなど、その当時の伝承が残っている種族の間では、彼らのことをシャイターンの軍勢と
呼んでいるらしいが、その正体については謎のままだ。だが、彼らシャイターンもすぐに滅亡の道を
たどることになった……」
「なぜだ?」
「より強大な悪魔が現れたからだ……そして、お前たちとよく似たあの光の戦士も、そのときに現れた……」
 水の精霊の語る、それからの戦いの歴史はウルトラマンヒカリをしても驚愕せずにはいられなかった。
 かつてのエンペラ星人の侵攻にも匹敵する恐るべき侵略。それによって生まれた数多くの悲劇と、
歪められてしまった星の命……
「災厄が去って、この湖が元の姿を取り戻すだけでも、ゆうに月が六千回はめぐる歳月が必要であった。
東方には、いまだ災厄によって生まれた砂漠が広大な不毛の地をさらしていると聞く」
「その災厄が、再び起こりえると思うのか?」
 セリザワのその質問に、水の精霊は体をしばらくぐにゃぐにゃと歪めながら沈黙した。どうやらあれが
精霊が考えているときのしぐさらしい。やがて精霊は人の姿に戻ると、やや低めの声で言った。

438 :ウルトラ5番目の使い魔 26話 (10/10) ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 15:01:31 ID:mA3M2U+x
「わからぬ……起きてほしくはないというしかない。だが、我は人間たちが我の涙と呼ぶ体の破片を
通して世界のことを見ている。この世界に充満しつつある邪悪な気配は、もう無視できるものはない」
「邪悪な気配……ヤプールか?」
「ヤプール……お前たちの世界からの侵略者か、確かにその気配も日々強くなっている。しかし、
それとは別の邪悪な意思も感じるのだ」
「別の意思?」
「そうだ。かつてのシャイターンによく似た……いや、そのものと呼んでよい何かが育ちつつあるようだ。
今はまだ小さいが、濁った水のような意思を持つ何者かが……さらに悪いことには、それらのすぐそばに
以前我の手から奪われたアンドバリの指輪の気配がある。指輪に付着した、我のかけらが小さすぎて
それ以上のことはつかめないがな……」
 憂いげに告げる水の精霊の言葉を、セリザワは深く脳裏に刻み付けていった。アンドバリの指輪、
水を操り、人間の精神をも支配できる凶悪なアイテム、そんなものが邪悪な意思を持つ者たちの手に
いまだに存在しているのは無視できる問題ではない。
「わかった。もしもどこかで見つけたら、必ず取り返すと約束しよう」
「お前は信ずるに足る存在だ。期待しよう。だが、単なる者たちの時間は短い、恐らく近いうちに
なんらかの行動を起こすだろう。用心せよ」
「心得ておこう……有益な話を聞けた、ありがとう」
「礼を言うべきは我のほうだ。今日の恩を永久に心にとどめておくことを誓約しよう……さらばだ」
 水の精霊は、知っていることはすべて話し終わったと、湖の中へと去っていった。
 後には、平和を取り戻した湖が何事もなかったかのように、小さな波を岸に寄せている。
 セリザワは、ラグドリアン湖を一瞥するときびすを返した。
「ヤプールとは別の、邪悪な存在か……」
 ぽつりとつぶやいたセリザワは、憂慮すべき事実であり、同時にいつかは戦わなければならないかも
しれないと覚悟した。正体も目的も不明だが、少なくとも水の精霊からアンドバリの指輪を盗み出すといった
暴挙をおこなっている限り、じっとしている可能性は低いだろう。
 が、セリザワはまだこのことを才人たちには知らせるべきではないと考えていた。不確かな情報で
平穏な学院生活を送っている彼らを不安にさせたくはない。彼らはまだ若い、きたるべき戦いのときは
必ずやってくる、それまで無用な重荷を背負わせるべきではない。
「もうしばらく、探りを入れる必要があるようだな」
 独語しながら、セリザワはわずかな懐かしさを覚えていた。かつて、エンペラ星人が地球への侵攻を
もくろんだときも、ヒカリは地球で戦っているメビウスやGUYSのために宇宙で調査をおこなっていた。
あのときと、状況も場所も違うけれど、次世代をになうべき者たちのために働いているのは同じかと、
セリザワ、そしてヒカリは運命の偶然に苦笑した。
 
 その後、トリステインをぐるりと一周したセリザワは、ある虚無の曜日に学院に帰ってきた。
 そして、数人の生徒が危険な地下洞穴に入ろうとしているのを耳にし、洞窟内にテレポートして
彼らの窮地を救った。
 しかし、彼の活躍を知る者はいない。孤高に、自らを語ることはなくウルトラマンヒカリの戦いは続く。
 人々の自由と平和と、ささやかな幸福を守るために。
 
 
 続く

439 :ウルトラ5番目の使い魔 あとがき ◆213pT8BiCc :2010/12/26(日) 15:03:39 ID:mA3M2U+x
以上です。
今回は、ヒカリサーガ的な流れで書かせていただきました。
メビウス本編ではアグルと立ち位置がかぶるからか、中盤以降は影が薄くなっているヒカリですが、
外伝作品では打って変わり、特にゴーストリバースでは暗黒四天王を罠にかけると大活躍してくれています。
実際、そうして裏方に徹して他者を立てるしぶさが彼の魅力だと思うので、孤高のヒーローという形で
書いてみたのですがいかがだったでしょうか。
まあ、最後の上空で凍結させて倒すというのは、某イカ星人をオマージュしてみたのですが。
 
今年も一年、ありがとうございました。
毎週支援してくださった方、代理投下してくださった方、まとめに登録してくださった方、心から感謝しています。
休養したおかげで、これから先しばらくのプロットも練り上げることができました。楽しみにしてくださる方々を
がっかりさせないよう、それでいて自分も楽しみながら書いていきたいと思います。

それから、来年2日は帰郷していますので、最初の投下は9日になります。
 
では、皆さんよいお年を!

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 15:09:32 ID:f4HyAE2L
ウルトラおかえりなさい乙

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 15:20:48 ID:CV0qPbFe
この地上で最も多くの生命を奪った武器はなんだと思う? それは……"毒"だよ


   / ̄\
  |  ^o^ | < きが だと おもいます
   \_/
   _| |_
  |     |
         / ̄\
        |     | < それは ぶき では ありません
         \_/
         _| |_
        |     |

   / ̄\
  |  ^o^ | < びょうき だと おもいます
   \_/
   _| |_
  |     |
         / ̄\
        |     | < それは ぶき では ありません
         \_/
         _| |_
        |     |

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 15:45:56 ID:epOnh/M8
>>421
投下乙です! 
短編の良さを感じました。

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 15:57:36 ID:ih8tNT4s
毒も病気も意図しだいで武器だと思うけどねえ
疫病の元の動物の死骸を投石器で投げ込めば武器だろうし
包丁で刺せばそれも武器だろうし

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:16:34 ID:eik+96b4
さすがに病気を武器ってのはちょっと違和感があるなぁ

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:25:40 ID:WsliirOj
疫病を誘発させれば武器になる……か?
B兵器とかは武器になるかもしれんけど、少し無理がある。

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:26:49 ID:knab9kgA
本場のキムチは生物武器

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:28:19 ID:3DLpPnM3
フリオニールの人、ウルトラの人、乙です。
…デルフ売り払うキャラなんぞ初めて見たw

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:34:08 ID:eHjY5o7G
天然痘患者の使った毛布を現地人に渡して現地で大流行させるとか
病気も立派な武器になるぞ

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:46:40 ID:6aBZuLDI
>>この地上で最も多くの生命を奪った武器はなんだと思う? それは……"毒"だよ

この設問と答え自体が すごく出来の悪いクイズみたいなものだからなぁ。
有史以来 事故死等でなく 武器で殺された人間がどれだけいて、何が死亡原因となったかなんて統計はないし、
「武器」の定義も曖昧だから ほとんど意味がない。


450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:47:54 ID:knab9kgA
細菌兵器じゃん

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:49:35 ID:jMqcYyWj
病気を製造したのが人間なら武器と認める

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:52:56 ID:Ne3JfujG
ガウスの個人的見解で毒最高、最強!って言いたいだけだから、
まあ統計とか無粋な事を言ってやるな。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:53:52 ID:HHFd5f12
錆びた銅で切りつけて、それで緑青で死んだ場合は斬殺でなく毒殺になるしなぁ…


454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:53:54 ID:KM9zZyPv
あいつ毒とか好きそうだよねえ……

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:54:44 ID:eS9Du8ME
ウルトラ乙

エンペラ星人に比肩する悪魔か。
まさか・・・・・・。

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:56:33 ID:KM9zZyPv
登場してからの年月の差で毒が勝つのかな?w

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 16:56:38 ID:jMd8X2RR
史上最も多くの人間を殺した学者はダイナマイトを作ったノーベルでも原爆を作ったアインシュタインでもなく、進化論を唱えたダーウィン
って奴を思い出した

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:00:38 ID:KM9zZyPv
これまでで一番○○を搾り取られたキャラ
って奴を思い出した

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:03:32 ID:ih8tNT4s
>>456
おそらく歴史の長さ鑑みても銃器以降の殺害数は拮抗するぐらいに多いと思うよ
登場以前の戦争と比べて時間当たりの死亡率、損耗率比べ物にならんくらい高いるから
人口の差もあるしな

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:15:44 ID:aT/WVIHS
>>この地上で最も多くの生命を奪った武器はなんだと思う? それは……"毒"だよ

「人間の生命」とは言ってないんだから、毒の圧勝じゃなかろうか。

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:19:10 ID:jMqcYyWj
まあ数えたわけじゃないけど食材になる方が多いだろう多分
つまり漁船とかが最強の兵器

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:19:33 ID:KM9zZyPv
>>460
もしかして周りから残忍なる知将とか呼ばれてない?

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:20:29 ID:KM9zZyPv
まとめると、人間が最強の兵器と言う事でよろしおすか

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:39:21 ID:HHFd5f12
もうここまで来ると「時間」でいい気もするがな

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:39:52 ID:iRa8qdXx
ま、地球生命誕生以来、これだけ殺す為の手練手管を模索し編み出し続けた種族もおらんからな。

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:49:49 ID:o+M6aX5X
>>463
神様が世界中の生き物に問いかけました。

「最も多い願いをかなえよう」

人間達は争い、たくさん人が死にましたが、それらを乗り越えました。

「願いなんていらないとみんな願おう」



―――――そして世界中の生き物は、人間は全部消えてしまえと願いました。


……書き手になれんなこれじゃ。

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 17:53:03 ID:xIF0Ta9b
いつまでスレ違いな話を続けるつもりだ?

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 18:12:52 ID:o+M6aX5X
>>467
ならば、この兵器関連の流れから召喚妄想!

成恵の世界から星船召喚しようぜ誰でもいいから。


きっと7万人に対して説教かましてくれるにちがいないw

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 18:36:47 ID:7eF5++6Q
NG余裕

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 18:39:38 ID:SdAeVhSS
>>424
遅レスだが、タイトルからJAMの『未来への咆哮』の中の1フレーズを連想して、Muv-Luvオルタとのクロスだと思ったのは俺だけではないはずw

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 19:21:56 ID:JLyTRt2o
毒で大虐殺といえば

「触れただけで即死じゃあ!」を思い出したが
小ネタで呼ばれてたな

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 19:28:53 ID:7RHUU9WH
ウルトラの人乙です。今年も有難うございます&来年も宜しくお願いします。
俺もこのくらい更新速度を安定させたいものですが……
ともあれ、予約など無ければ10分後に瀟洒な使い魔11話を投下いたします。
お暇でしたら支援などお願いできれば。

473 :瀟洒な使い魔 第11話 1/11:2010/12/26(日) 19:38:29 ID:7RHUU9WH
最近のトリステイン魔法学院の朝は、三日に一度は一つの音が目覚まし時計となる。
どん、とも、どかん、とも、ちゅどん、とも、聞くものによって多様に表現される音が轟くのだ。
つまるところ爆音である。

その日の朝も、魔法学院の眠りを吹き飛ばす爆音が響き、ある部屋の窓枠が吹っ飛んだ。
トリステイン王家の庶子を祖とする公爵家の令嬢、ルイズの部屋だ。
吹き飛ぶ窓枠と窓ガラスに混じり、頭と腰に黒い翼を有した女の亜人が落ちてくる。小悪魔である。
彼女はくるりと空中で一回転すると、そのまま軽く羽ばたいて落下の勢いを殺して着地。
同時に軽く腕を上げると風が巻き起こり、落ちてくるガラス等を受け止め、一箇所にまとめて降ろす。
新体操の演技を終えた時のように小悪魔が余韻に浸っていると、横から声がかけられた。

「小悪魔、今日は何をやらかしたのよ」

微妙にすすけた小悪魔が横を見れば、そこにはスカートの短いメイド服を着た少女。
先述のルイズの使い魔にして小悪魔の同僚、十六夜咲夜の姿があった。
時はフリッグの舞踏会より一週間ほど経った後。若干の悶着こそあったが、
ハルケギニアに召喚された咲夜を追ってやってきた2人、小悪魔と美鈴は、すっかり学院に馴染んでいた。

「いやぁ、ルイズちゃんが寝ぼけてる隙にアダルティな下着に摩り替えようとしたらバレちゃいまして」

「あなたねぇ」

苦笑する咲夜にあははと笑いつつアメリカンに肩をすくめる小悪魔。
ルイズを起こして着替えさせるのが召喚されてよりの咲夜の日課であったが、
2人がやってきてからは当番制を導入、1日交代でルイズの世話を分担することとなった。
人当たりがよく世話好きな美鈴は問題なかったのだが、小悪魔は悪戯好きな性格もあり、
何かにつけてルイズに悪戯を仕掛けそのたびに爆発で吹き飛ばされている。
もっとも、朝食や授業に支障のないように計算した上での悪戯なので、
今のところルイズは遅刻や朝食抜きという事態に陥っていないのがタチが悪い。

「それじゃ、後は大体図書館いますから、何かあれば呼びに来てくださいねー。
 今日は例の日ですからお昼はいつものところで」

「図書館の人に迷惑かけるんじゃないわよー」

はーい、と返事を返して立ち去る小悪魔。
小悪魔は元々本の虫であるパチュリーの世話をしているだけあり、
本の管理能力に関してはずば抜けたものを持つ。
そのため、この一週間で図書館担当の教師ともすっかり仲良くなり、
司書として学院で働き始めた。彼女のお陰で本の整理が楽になったとはその教師の言である。

小悪魔を見送った後、咲夜が向かったのはかつてギーシュと決闘を行ったヴェストリの広場。
今、そこでは赤い髪の女性、美鈴が動きの緩い、踊りのような動作を繰り返している。
これは太極拳というものらしく、体操の一種であるらしい。
その側のベンチには1本の剣。咲夜の自称相棒、インテリジェンスソードのデルフリンガーだ。

「……何でデルフがここにあるの?」

「あ、咲夜さん。おはようございます!」

「お、相棒じゃねーの。いや、暇だからよ、美鈴に連れてきてもらったのよ。
 一昨日まで俺コルベール先生んとこに放置されてたしよー、
 あのオッサン研究してると話しかけても返事しねえし、人恋しくてなあ。
 相棒も最近はお見限りだしよぉ」

フーケとの一戦以来色々な事があったため、
デルフを回収するまでは都合一週間ほどの時間が経過していた。
確かにちょっと悪い事したなあ、と苦笑し、咲夜はデルフを背中に背負う。


474 :瀟洒な使い魔 第11話 2/11:2010/12/26(日) 19:41:55 ID:7RHUU9WH
「お、やっぱここだよ。俺っちの居場所はあんな煤けた小屋じゃねえ。
 相棒の背中にこそ俺の居場所はあるってもんだ」

「褒め言葉として受け取っておくわ。……ああ、美鈴。
 例の件、オールド・オスマンが本格的にお願いしたいそうよ」

「例の件……ああ、あれですか。了解です。
 ルーンのお陰である程度大人しいとはいえ、普通の人には危ないですからねえ」

例の件というのは、使い魔へのエサやりである。
獰猛な幻獣や獣でもルーンの効果である程度大人しくなるとはいえ、中には熊のような大型の獣も多々存在する。
下手をすればじゃれ付かれただけでも大怪我しかねないのだ。その点、美鈴ならば多少の事で怪我はしない。
達人とも言える格闘術の腕前と、妖怪としての純粋な肉体強度、身体能力。
弾幕を扱う術においては一線級とはいえないが、こと肉弾戦闘に置いてであれば有数の実力を持つのだ。
獣は気配に敏感な為、本能的に彼女に服従の体勢を取ってしまった者たちもいる。
人懐っこく気さくな性格からむしろ獣達に好かれる性質でもあり、美鈴ならば問題ないだろうと咲夜は考えた。
そして今日の予定についてあれこれと考えていると、美鈴がぽんと手を叩く。

「あ、そうだ咲夜さん。宿舎がそろそろ完成しそうですけど、咲夜さんはどうします?
 一応3部屋分居住スペースは取ってありますけど」

美鈴や小悪魔が学院に滞在するに当たって、まず考えられたのは住む場所である。
現在はルイズの部屋と咲夜の部屋に仮住まいしているが、いつまでもそうしているわけには行かない。
咲夜のように空き部屋を使うという案も挙がったが、そう余裕があるわけでもないので却下された。
同じような理由で平民用の宿舎も却下されたので、前例もあるので、とりあえず新しく建てる事にした。
許可の方は咲夜達が学園を去った後は倉庫とするということで比較的簡単に下り、
資金の方も多少ではあるが学院からの援助も受けられ、キュルケやタバサ、ルイズ等のお陰で都合が付いた。

後はあらかじめ引いておいた図面どおりに作り上げる。
建築においては土系統のトライアングルであるミス・シュヴルーズが協力を申し出てくれた。
恐らくフーケの一件の際、結局がオスマンの一声でうやむやになったとはいえ、
自分が当直をサボっていた日に事件が起こり、それが咲夜によって解決されたからだろう。
咲夜達にとってもトライアングルメイジの協力はありがたく、
彼女とマチルダという土のトライアングル2人を筆頭にキュルケやタバサ等メイジ数人、
それに美鈴や小悪魔という面子で作業は急ピッチで進められた。
その甲斐あって、今日の昼には完成しそうなのだと言う。

「……そうね、まあ私はこのままで良いわ。今の部屋に愛着もあるし」

「了解ですー。それじゃまあ、空いてる部屋は予定通り研究室ってことで。
 荷物搬入しときますね」

「そうして頂戴。それじゃ、私はそろそろ仕事に移るから。
 ルイズのフォローとかお願いね。何だかんだで私も忙しいし」


475 :瀟洒な使い魔 第11話 3/10:2010/12/26(日) 19:44:49 ID:7RHUU9WH
その後二言三言言葉を交わし、咲夜はその場を後にする。
ここ暫く怪我の療養と言う名目で休んでいたが、そろそろ仕事をしないと勘が鈍ってしまいそうだ。
そんな事を考えながら、咲夜は己の戦場へと向かう。




瀟洒な使い魔 第十一話『トリステイン紅茶館』




かくして、昼。『宿舎』の前に設えられたいくつかのテーブルには、数人の人影があった。
『宿舎』の住人となる美鈴と小悪魔、そしてその上司に当たる咲夜。
咲夜の(一応の)主人であるルイズと、そのクラスメイト、キュルケとタバサ。
火系統担当の教師コルベールと、学院長秘書ロングビルことマチルダ。
この『宿舎』の建築にも携わったミス・シュヴルーズは昼休み明けの授業の準備中である。
咲夜や美鈴は先程からテーブルの周囲を歩き回り、各人の前に置かれたグラスにワインを注いでいる。
美鈴は恐らくその性格上、咲夜は職業病と言うやつだろう、多分。
一通りの準備が終わると美鈴は席に着き、咲夜は立ったままグラスを持って高く掲げる。

「宿舎完成を祝して、僭越ながら私が音頭をとらせてもらうわね。乾杯!」

『乾杯!』

この場に一同が集まっていたのは、『宿舎』が完成したことを祝うためであった。
この『宿舎』、場所は学院の本塔を囲むように経つ『火』と『土』の塔の中間である。
ここには元々研究が近所迷惑だと寮を追い遣られたコルベールの小屋があり、
そこなら寄り付く人間も少ない為問題ないだろうと建設の許可が下りたのだ。
つまるところ、美鈴と小悪魔はコルベールの『お隣さん』と言う事になる。
この場にコルベールがいるのも、その縁で建設を手伝っていたりしたからなのだ。
彼自身、お隣さんができるというこの状況を喜んでいたのかもしれない。

「まあ、あれだね。女性ばかりの中、私だけ男だと言うのも悪い気分ではないのだが、
 なんとなく居た堪れない感じがするものだね」

「おうおうコルベールさんよ、俺っちを忘れてもらっちゃ困るな。
 一応俺も人格的には男なんだぜ? 剣だけど」

苦笑しつつグラスを傾けるコルベールに、宿舎の壁に立てかけられたデルフが言う。
それでも私達2人しかいないけどね、とコルベールが返せば、違いねえや、とデルフが呵呵と笑った。
咲夜が取りに来るまでの一週間ほど、彼らは同じ場所で暮らしていた。
デルフ曰く『研究してると返事しねえ』とはいえ、それなりに親交は深まっていたのだろう。
その様子を横目で見ながら、咲夜は横にいた小悪魔に語りかける。

「そういえば小悪魔、他の連中の捜索はどうなってるの? 何か聞いてる?」

「あー、一応大まかな所在は掴んではいるそうなんですが。肝心の白蓮さんだけまだ見つかんないそうです。
 どうにも向こうが魔法か何かでジャミングかけてるらしくて、ナズーリンさんの探知にも反応しないとか」

ナズーリンというのは白蓮を筆頭とした『命蓮寺』のメンバーの1人である。
鼠の妖怪で、幻想郷でも有数の探知能力を持つ。
そんな彼女でも見つからないという事は、白蓮に何かがあったのだろうか?

「まあ、死んでないことは確かだそうなんで今その辺の洗い出し急いでるらしいですよ?
 ま、どっちにしろ私らはしばらくここでのんびり待ってりゃ良いんじゃないですかね。
 せっかくこんな立派な建物も建てちゃったことですし」


476 :瀟洒な使い魔 第11話 4/10:2010/12/26(日) 19:47:51 ID:7RHUU9WH
「……まあ、それもそうね。お嬢様からルイズ見てろって言われてるし」

「ですねー。ああ、そうだ。こっちに来てる内の1人、どうもトリステイン国内にいるみたいです。
 ゲ、げるまにうむ……いやゲルマニアですか。そこんとことの国境付近に反応があったとか」

「……へぇ?」

ひくん、と咲夜の眉尻が跳ね上がる。思わぬところに同胞がいたからだ。
だが同時に懸念もある。幻想郷において多数を占める人外のものは、概ね人を襲う。
そうなっていた場合、自分達と合流させることは要らぬ騒動を産むのではないか。
そう聞くと、小悪魔は気楽にあははと笑った。

「ああ、その点は大丈夫です。いなくなったのはそういう危険あんまり無い人たちですから。
 まあ、一部火力的な意味で心配な人はいますが」

「誰が召喚されてるのよ」

えーとですね、と言い置いて、小悪魔は咲夜に耳打ちする。
それを聞いて、咲夜はなんとも微妙な表情になった。

「……確かに彼女なら人格的に問題はなさそうだけど手加減とかあんまりしなさそうねえ。
 まあ、そこいらの傭兵相手なら殺すまではしないでしょうけど」

「流石直でやりあった人は言う事違いますねぇ。まあ、そんな感じで」

「あ、咲夜さん咲夜さーん! ちょっとこれ見てくださいよ!」

そう咲夜と小悪魔が内緒話をしていると、横合いから美鈴が何かを抱えて持ってきた。
それは装飾が施された板で、要するに看板か何かのようである。
装飾されている面には『紅魔館』と流麗な筆跡で漢字が描かれていた。
咲夜の眉尻がさっきとが違った意味で跳ね上がる。

「美鈴、一つ聞くけどそれは?」

「ええ、いつまでも『宿舎』なんて味気ない名前じゃ何かと思いまして、
 不肖紅美鈴、看板を書かせていただきました! ほら、見てくださいこの達筆な字!」

「却下」

どすどすどす、ばきり。

「あ゛ー!?」

咲夜は冷徹に宣言すると、取り出したナイフで看板の『魔』の字を滅多刺しにした上、
そこから看板を真っ二つに叩き折った。その仕打ちに美鈴は悲鳴を上げる。

「な、ななな何するんですか咲夜さん! 作業の合間にコツコツ作り上げた傑作をー!」

目に涙を浮かべて咲夜に詰め寄る美鈴。だが、その剣幕は一瞬後に凍りつく事となった。
咲夜が笑っていたのだ。それはもう満面の笑みで。ただし目は笑っていない。

「美鈴、『紅魔館』の名をこの小屋に冠するという事は、
 つまるところ私やお嬢様への反逆ととってもいいのかしら?
 以外だったわ、案外野心を持つタイプだったのね、貴女」


477 :瀟洒な使い魔 第11話 5/10:2010/12/26(日) 19:51:55 ID:7RHUU9WH
しゃらん、と言う音と共に咲夜の手の中にナイフが現れる。
慌てて美鈴は下がろうとするが、それより咲夜が投擲する方が早かった。

「うわやめてすいませんマジ反省してますごめんなさーいっ!?」

『ガンダールヴ』の補正付きで投擲されたナイフは狙い過たず美鈴の額に突き刺さる。
そのまま美鈴は真っ二つになった看板と共にごろりと地面に転がり、
いつぞやの小悪魔のように暫くびくびくと痙攣していた。

「……私人間でよかったぁ……」

「……うわぁ」

「……南無参」

その様子を見て頬を引きつらせるキュルケと、容赦の無い一撃に引くルイズ。
全員が一歩引く中、唯一タバサだけは無表情で手をあわせ、異国式で美鈴の冥福を祈っていたという。





先刻の一件からちょっと後。
『紅魔館は流石に許可しないけど名前がないと確かに不便よね』との咲夜の言により、
『宿舎』は魔の字を変えて『紅茶館』と命名された。その紅茶舘の居間にて、
仕事があるということで一抜けたロングビルを除いた一同はパチュリーの授業を受ける事となった。
本来はルイズだけのはずだったが、メイジとして興味があるのかキュるケとタバサ、
加えてその場に居合わせたコルベールが同席していた。

《さて、ルイズ。約束どおりあなたに授業をしてあげるわ。
 ギャラリーも多いみたいだけど、まあ授業に付き合ってもらうことで授業料としましょうか》

「は、はいっ!」

人形が映し出すパチュリーの言葉に、緊張した面持ちで返すルイズ。
パチュリーの目は以前に見たような『研究者』のそれであり、
彼女なりに真剣に授業を行う気があるということなのだろう。

《まずは貴女の失敗魔法について話しましょうか。
 以前にも話したけれど、あなたの失敗魔法はメイジとしては異質。
 それに、小悪魔の話を聞く限りでは、火の魔法による爆発とも違うようね。
 ……ええと、そこの男の人。そちらの魔法での爆発について解説してくれるかしら》

その言葉にコルベールは立ち上がり、軽く会釈をする。
事前に『外見は少女だが年齢ははるかに上である』と言うことは使えてあるため、
少女だからと侮る事はしていないようだ。

「初めまして、ミス。《火》の系統を担当する教師、ジャン・コルベールと申します。
 この度は異国のメイジの講義に同席する事ができ、光栄の至り。
 それでは解説させて頂きますが、系統魔法における爆発は、最低2つの系統が使えるメイジ、
 ラインクラスになって初めて可能となる魔法であります」

火・土・水・風の4種の系統よりなる系統魔法。
その強さは、同属性、ないし異種属性を掛け合わせる事で威力や多様性が増す。
等級であるクラスもそれらを一度に幾つ掛けられるかによって4種に大別される。
ドット・ライン・トライアングル・スクウェア。同クラス間でも実力差はあるが、
ドットが1種のみ、そこから1つづつ増えてスクウェアが4つで最高のクラスとされる。


478 :瀟洒な使い魔 第11話 6/10:2010/12/26(日) 19:56:56 ID:7RHUU9WH
系統魔法による爆発は、火と土の系統を用いて起こす魔法である。
物質を変性させる魔法、『錬金』によって空気中の水蒸気などを気化した油に変え、火の魔法で着火する。
この2アクションを踏むことによって、系統魔法の爆発は起こされる。

「ですが、ミス・ヴァリエールはそれらの手順を踏まず爆発を起こします。
 しかもコモンスペルですら……私は常々、彼女は普通のメイジとは何か違うと考えておりました」

その答えにパチュリーは満足そうに頷き、目線を小悪魔に移す。

《そうね。ルイズの失敗魔法、いえ、爆発魔法と呼称しましょう。
 それは可燃性物質への着火による爆発的燃焼を起こすのではないわね。
 おそらく、ある一点から球状に熱と衝撃を撒き散らす。そんな性質の魔法なのでしょう。
 小悪魔、調査の結果を》

「はい。私が身をもって色々と調べた結果、威力に感情が起因していると考えます。
 興奮状態にある時や、起こっている時等は、通常時に比べて威力が高くなっています。
 狙いが定まらないのは頭に血が上っている為精神的な照準がぶれているのではないでしょうか。
 そのほかの性質もほぼパチュリー様の仰るとおりです。
 ある一点から球状にエネルギーを発生させ、破壊現象を起こす魔法。
 それがルイズちゃんの爆発魔法です」

いつものおちゃらけた様子とは打って変わり、すらすらと報告をする小悪魔。
自分をからかってそのたびに吹っ飛ばされていたのはそういう意図があったのか。
ルイズはこの亜人をちょっとだけ見直した。何故ちょっとなのかと言えば、
絶対に自分の魔法を調査するためだけにからかっていたのではないだろうからだ。

《上出来よ小悪魔。そこで次の問題として、なぜそういった魔法にしかならないのか。
 それはルイズ、恐らく貴女の体質に由来するものだわ》

「た、体質ですか?」

《そう。小悪魔に見てもらったところ、貴女はその身体に莫大な魔力を秘めているのよ。
 そうね、そこのキュルケやタバサを10とすると、軽く50か100は行くくらいの量。
 常人ならその魔力に耐えられずに身体に変調を来たすレベルの代物よ。
 貴女は、それほどの魔力を難なく受け入れるだけの器を持っているの。先天的にね。
 その器は勿論、通常のメイジとは作りも違うはずだわ。その出口の方式も》

例えるならば油のようなものである。
油は暖房器具に使うものと機械の燃料とし使うものではその性質も用途も大きく違う。
本来の用途とは違う方向に魔力を使おうとするから、成功することがない。
ルイズの爆発魔法は、恐らくはそんなものであろうとパチュリーは推測する。

《どう言う要因であなたの体がそういう体質になったのかについてはまだはっきりしないけど、
 少なくとも魔力が全く無いわけではないわ。
 ルイズ、貴女の思い描いていた方法ではないにせよ、
 炎《魔法》を燃やす《使う》為の燃料《魔力》ならある。
 ならば、それを効率よく燃やす方法《貴女だけの魔法》を構築すればいい話よ。
 そのための協力を惜しむ気は無いわ。だから、死ぬ気で頑張りなさい》

「は、はいっ!」

パチュリーの薫陶を受け、目を輝かせて元気よく返事をするルイズ。
―――こんなルイズ見たのは出会ってから初めてだったわ。
キュルケと咲夜は、後に宴会の席でそんな会話をしたと言う。





479 :瀟洒な使い魔 第11話 7/10:2010/12/26(日) 20:03:52 ID:7RHUU9WH
《さて、それでは本格的に授業に入りましょう。そうね、今日は最初だし、
 まず今までの小悪魔の授業のおさらいから始めましょうか》

そういうと、小悪魔が椅子に座っている面々に文字が描かれた紙と筆記用具を配る。
そこには、パチュリーの使う魔法についての大まかな事が描かれていた。

《私の使う魔法は属性魔法。
 日・月・火・水・木・金・土の7属性を扱う能力よ。
 そちらの系統魔法とは属性のカテゴライズの基準が違うから、
 水や火とはいえそちらと同じと言うわけではないけれど。
 例えば、そちらで言う風系統は《木》の属性に当たるの。
 そして―――》

パチュリーの講釈を時に頷き、時に驚きながら聞くハルケギニアのメイジたち。
そんな彼らを邪魔しないように咲夜は立ち上がると、
とりあえずお茶でも入れようと美鈴を引っ張って出来たばかりの台所へと向かった。





同時刻、トリステインより南東方向に遠くはなれた場所にある、
ハルケギニアの大半の人間が信仰しているブリミル教の本拠、ロマリア連合皇国。
始祖ブリミルの弟子の1人、聖フォルサテを祖王とする宗教都市ロマリアを盟主とする都市国家群。
その白い石壁の町並みの中に、魔法学院をそのまま大きくしたような6本の塔がある。
宗教国家ロマリアを象徴する建築物、ロマリア大聖堂。
魔法学院を建設する際のモデルともなった、現教皇・聖エイジス三十二世のおわす場所である。
その廊下を、一人の少年が歩いている。思わず立ち止まってしまうほどの美少年で、
その瞳は片方が赤、片方が青という、ハルケギニアでは不吉とされる『月目』と呼ばれる瞳だった。
だが少年はそれを気にした様子も無く自信に満ちた表情で廊下を進む。
時折すれ違うもの達が立ち止まってお辞儀をすれば、片手を上げて応える。
どうやらこの少年、それなりに高い地位にある人物のようだ。
やがて少年はある部屋の前で立ち止まると、厳かにノックをして中にいるであろう人物に声をかける。

「ジュリオです。入ってもよろしいですか?」

返答は無い。もう一度ノックして暫く待って見ても反応が無く、
ジュリオと名乗った少年はやれやれと肩をすくめるとその場を後にした。

その後ジュリオが向かったのは馬や幻獣等を繋いでおく厩舎だった。
いつもならば動物達がぎゃあぎゃあと喧しい場所のはずだが、今はとても静かだ。
世話を任されている修道士達に声をかけてから、ジュリオは裏手へと向かう。
そこには動物達の身体を動かさせるための広場のようになっているのだが、
今現在、そこには異様な光景が広がっていた。

成体になって久しいであろう巨大な風竜が中央に身体を丸めて鎮座し、
その周囲に種類も様々な動物や幻獣が寝転がっていた。
そして、風竜にもたれかかるようにして座り込み読書をしている少女が一人。
短めの紫色の髪に、衣服は薄い青の上着と白いスカート。
頭に付けたカチューシャからは紐のようなものが伸び、
胸元にある目をあしらった球体に繋がっている。
その上から申し訳程度に僧衣を羽織り、時折風竜を撫でながら動物達に向けて微笑む。
その様子を見てジュリオは苦笑し、動物達を踏まないように苦心しながら少女へと近づく。
それに気付いた周囲の動物達がジュリオに向けて威嚇をはじめ、
その唸り声で気付いたのか、少女が本から顔をあげてジュリオを見た。
憩いの時を邪魔されたからなのかその表情は少々不機嫌であったが、
それに構わずジュリオは大仰に一礼し、口を開く。


480 :瀟洒な使い魔 第11話 8/10:2010/12/26(日) 20:07:56 ID:7RHUU9WH
「やはりこちらにおられましたか、サトリ様。たまには部屋にいて欲しいものですけどね?
 一応侍女達もつけているのですから、何かお望みなら彼女達に申し付けて構いませんが」

「……人に囲まれるより、動物達に囲まれていた方が落ち着きます。
 貴方達とは違って、彼らはとても純粋ですから。望む事があるとするなら、そうですね。
 このひと時を邪魔しないで貰いたいのですが」

そう言うと、サトリと呼ばれた少女は再び本に視線を落とす。
すると横合いから黒猫が近寄ってきて、その膝の上に乗った。
ジュリオはこれは取り付く島もないな、と苦笑する。

「やれやれ、一応僕もあなたの部下なのですから、余りお側を離れないで貰いたいものです。
 貴女に何かあれば聖下が悲しまれますよ?」

「どうでしょう。貴女は部下と言うよりは『監視役』でしょう? そのつもりは無いとは言え、
 私が逃げ出そうとすれば殺せとでも言われているのではないですか。
 それに、ヴィットーリオが必要としているのは私ではない。私の右手でしょう」

そういうと、少女は右手を掲げる。そこにはルーンが刻まれており、僅かに光を帯びていた。
先程彼女が言ったヴィットーリオとは、フルネームをヴィットーリオ・セレヴァレと言う。
現教皇である聖エイジス三十二世の本名である。

「まあ、それもそうなんですけどね。次に『喚ぶ』方が、
 あなたほど大人しい方である保障はありませんし。
 面倒は出来るだけ省きたいというのが正味な所です。僕の場合はね」

悪びれも無くそう言うと、ジュリオはその場に座り込む。
少女は諦めたように溜息を付くと、ジュリオを無視するように読書を再開した。
その間も、ジュリオの視線は右手にあるルーンと、彼女の顔の間をゆっくりと行き来する。
彼は、そのルーンが意味するところを理解していた。
このルーンこそ咲夜が持つ『ガンダールヴ』同様始祖が従えた4人の使い魔がうちの1人。
神の右手、神の笛とも呼ばれる伝説の使い魔『ヴィンダールヴ』を示すルーンであり、
彼女が自分の主人であるヴィットーリオの使い魔であることを。

そして彼女の名こそ、美鈴達が探している幻想郷の住人の1人。
地上を追われた妖怪達が住まう場、地底にある館、『地霊殿』の主人。
心を読む力を持つ妖怪、『さとり』である、古明地さとりであった。






481 :瀟洒な使い魔 第11話 9/10:2010/12/26(日) 20:09:51 ID:7RHUU9WH
そしてその夜、魔法学院。
ルイズは寝る前に、今日学院とパチュリーの授業で学んだ事を復習していた。
常にトップクラスである彼女の座学の成績は、このような地道な復習により維持されているのだ。
特に、幻想郷の魔法はルイズでも魔法が使えるようになるかもしれない可能性がある。
いつもより熱が入るのも当然だろう。
そうして復習を終えていざ寝ようとしていたところ、窓が軽くノックされる。
そちらを見てみれば、そこには小悪魔がいた。一瞬スルーしようかと考えるが、
何かパチュリーよりの言伝があるのだろうかと結局は中に入れる。
よく見れば、その手にはなにやら本を持っていた。

「どーもー。ルイズちゃん、夜分遅くすいません。ちょっと用事がありまして」

「用事? ……その、手に持ってる本の事?」

ルイズのその問いに、小悪魔はこくりと頷く。

「ええ。私からのプレゼントです。良ければどうぞ」

そういって受け取るが、どう見ても普通の本にしか見えない。
本を開いてみるが、幻想郷でもハルケギニアの言葉でもない良く分からない文字が書かれていた。

「……何これ」

「本です」

「いやそれは見れば分かるわよ」

にこにこと茶目っ気たっぷりの笑顔でこちらのリアクションを見ている小悪魔。
ルイズのけして長いとはいえない堪忍袋が切れんとしたとき、ルイズは何か妙な感覚を覚えた。
手の中の本に、何かが吸われる感覚を覚えたのだ。思わず取り落としかけるが、なんとか持ち堪える。

「ななな、何よこれ、何か今変な感覚がしたんだけど」

ルイズのその言葉に、小悪魔の笑みが一層深くなる。
よく見ると頭の羽もぱたぱたと羽ばたいている。何となく嬉しそうだ。

「それですね、所謂マジックアイテムなんですよ。
 初歩的な魔法の書いてある魔導書です。
 暇潰し用と弾幕用に何冊か持ってきてたうちの1冊だったんですけどね。
 折角魔法を勉強してるんですから、プレゼントしちゃいます。
 人に何かを教えるとか、ほんと久しぶりで楽しくて。そのお礼ってのもありますけど。
 それがあれば魔法を使えるようになるシロモノですから、少しぐらいは役に立つはずですよ」

「本当!?」

ルイズは目を輝かせる。今まで『ゼロ』と呼ばれ、蔑まれてきた自分にも魔法が使えるようになる。
勿論そのために今日もパチュリーからの授業を受けていたのだが、
その可能性を眼に見える形で与えられたのだ。喜ぶなと言う方が無理である。

「喜んでもらえて何よりです。
 ただ、その為にはその中にある『秘密の鍵』を見つける事が必要でして、
 その為にはそれを書いた人間と同等の実力がないといけません。
 もっとも、これはそうレベルの高い魔導書ではないですから、
 ルイズちゃんならきちんと授業を受けて頑張ればそう遠くない未来に使える様になる筈ですよ」

「ふむふむ……分かったわ。……その、有難うね、小悪魔」


482 :瀟洒な使い魔 第11話 10/10:2010/12/26(日) 20:12:35 ID:7RHUU9WH
魔導書を胸に抱き、顔を赤くしてそっぽを向くルイズ。
その愛らしさに思わずぎゅっと抱きしめてしまう小悪魔であったが、
ふと何かに気付いたように身体を離す。

「あ、そうだルイズちゃん、パチュリー様から一つ伝えろって言われてた事があるんですよ」

「先生から? 何かまずかったかしら……あ、キュルケやタバサをつれてきたこと?」

「いや、そういうのではないです。今更言うのもアレな話なんですが、
 パチュリー様に魔法を教わってる事、一応ご両親に伝えておきなさいって。
 大っぴらに公表する必要は無いですけど、ご両親に言っておいた方は良いと私も思うんです」

しかし、それに返答はなかった。不思議に思ってルイズを見てみると、
ひどく怯えた表情で目を見開いていた。よく聞いてみれば、ぶつぶつと何かを呟いている。

「……むむむむりだわおとうさまやねえさまやちいねえさまはともかく、
 おかあさまにばれたらしばかれるとばされるころされる――――!
 あああおかあさまやめてやめてまほうはやめておかあさまそれだけはやめて、
 えあすとーむもやめてうああそれだけはかったーとるねーどだけはやめてくださいー!?」

がたがたと震え、うわ言の様に早口で呟き続けるルイズ。
言葉の最後の方は半ば金切り声のようになり、明らかに正気を失っている。
何かルイズの触れてはいけない部分に触れてしまったらしい。
言葉から推察するにルイズの母がかなり厳しい人らしいが、
それよりもルイズを落ち着かせるほうが先だ。

「落ち着いて! 落ち着いてルイズちゃん! 
 びーくーる! BE COOLですよルイズちゃん!」

余りにも酷いルイズの錯乱振りにいつに無く真剣な顔で必死にルイズの肩をがくがくと揺する。
だがしかし、ルイズの狂乱は一向に収まる事を知らない。

「やめてやめておかあさまやめてしにたくないしにたくないしにたくない……!」

「さ、咲夜さん! さくやさーん! 美鈴さん、めーりんさんでもいい!
 助けて、たた、たすけてめーりん! ああもうどうしろってんですかこれー!」

隣の部屋に咲夜を呼びに行こうにも、がっしりとルイズが服を掴んでいるので動けない。
結局、隣室の騒動を聞いて咲夜とキュルケが殴りこんでくるのがこれから5分後、
ルイズが咲夜によって気絶させられるのがそれから30分後、
悪夢にうなされるルイズが落ち着き、小悪魔が寝れるようになるまで、
さらに3時間の時が必要なのであった。因果応報である。

どっとはらい。

483 :瀟洒な使い魔 第11話 あとがき:2010/12/26(日) 20:16:42 ID:7RHUU9WH
以上、瀟洒な使い魔11話でした。投下前の名前記入忘れ、申し訳ない。
今年も残すところあと5日と迫りましたが、なんとかお届けできました。
次回は来月中にはなんとか。
それでは、スレの皆さん、今年も有難うございました。
来年も宜しくお願いします。それでは、また次回。

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 20:34:47 ID:fsjOgCeP


485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 20:37:23 ID:cmBKETa0
>>421
キャノボ召喚とか俺得すぎるww
原作マジ泣いた
でもあの世界人間いないから大きさよく分からないんだよなあいつら

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 20:44:23 ID:f4HyAE2L
>>483


ちょっとだけ脱字見つけた

>それじゃ、後は大体図書館いますから
図書館『に』いますから
だよな?

余計なお世話だったらスマソ

487 :コノ身ハ平和ノ礎トナロウ:2010/12/26(日) 21:36:47 ID:WsliirOj
>>485
ジアス系を人間サイズと仮定して書きました。
でももしキャノボで10m単位だったら激しくシュールな光景になりそうですね。

488 :瀟洒:2010/12/26(日) 21:47:11 ID:7RHUU9WH
>>486
ああ、そこは意図的に「に」を抜いてたんですが、
確かに見返してみるとちょっと気になるかも。収録時に修正しておきます。
ご報告有難うございました。

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 22:09:18 ID:GQ76eM5V
乙でしたー。教皇爆発しろ

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 22:31:56 ID:5T7CGMcJ
>>488

なんだか世界がごちゃごちゃしてきたなw

自分も二つ誤字を発見
>本来はルイズだけのはずだったが、メイジとして興味があるのか"キュるケ"とタバサ、
>事前に『外見は少女だが年齢ははるかに上である』と言うことは"使え"てあるため、

491 :sage:2010/12/26(日) 22:54:57 ID:klDQnDb6
>>466
つ週間ストーリーランド…

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 23:26:54 ID:Mf/pNCHa
瀟洒の人乙です。

ルイズ組は何だかんだで賑やかになって着ましたね。

教皇チームのウィンダーブルはやはりさとりんでしたか。
この2人原作ではかなりの腹芸キャラですが、それを一気に無効にされてさあ大変。
精々機嫌取りがんがれと言っときます。

最後誰だ〜。咲夜がじかに闘ってて、火力強しで手加減しないとると・・・みょん?

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/26(日) 23:32:42 ID:HHFd5f12
>>491
ああ、笑うセールスマンの話パクたアレか

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 00:20:44 ID:fap2TBAi
>>489
そうか。
使い魔ってことはさとりの唇は教皇に奪われたってことだよな。

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 00:35:29 ID:kdGs4Y1P
>>466
週間ストーリーランドでやってたな。懐かしい

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 11:22:09 ID:jwZt6Kfn
>>494
言わなきゃ俺気付かなかったのに・・・・

クソックソッ

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 11:39:27 ID:7VZecAi3
遅レスだがメンテフリーな兵器といえばゼノギアス

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 15:33:03 ID:QK+LKXZK
>>468>>470
星船と未来への咆哮で地球防衛軍3を連想した。
ガンダストーム1と烈風カリンが現地の武器で闘ったら
互いに有効打を決められず膠着状態になりそうだ。

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 15:55:57 ID:A+NTCC5F
>>498
ゼロ魔基準の武器じゃいくらストーム1でも……いくら弾薬が無限に湧いて来ても装填待ち時間が長すぎる

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 15:58:37 ID:aCtBQuFH
>>499
貴様はストーム1を舐めたッ!!!!!

あの人HPが9999までしか表示されないけど内部ではいくつまで上がるかまだ確認すらされて無いとかいう話が聞こえてくる

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 16:05:06 ID:h4xzT40D
烈さんがゲームをやっているだなんて・・・
そういやモンハンやってたか

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 18:10:55 ID:sa4OPUZV
メンテフリーな兵器?
 
究極超兵器フィンブルヴィンテルがあるじゃないか。
有史以前から北極の氷の下に閉じ込められていたが、即座に復活してノーチラスを一撃で撃沈した化け物。



まあ波動砲があれば一撃で沈むのはご愛嬌ということで。

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 19:35:26 ID:Lk1cigQW
波動砲…

究極にして不変、R-101 Grand Finale召喚
ファンの間で噂される性能でいえば多分メンテフリー

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 19:48:47 ID:mWk0AxK7
>>503
そいつがいるってことはハルケギニアがバイドでマッハなんだが

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 20:03:23 ID:LUH3qJ1Q
RTT2の提督は?(多分ベルメイトベルル)

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 20:30:59 ID:+a9gla+Y
>>468
鈴ちゃん呼んで、マインドコントロールパルスでアンドバリの指輪の洗脳を解除させよう。

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 21:01:36 ID:widtSJBQ
>>502
波動砲程度じゃ沈まないぞあいつ
そもそも制御できるか怪しい上に
主兵装が対消滅兵器だからハルキゲニア終了のお知らせなんだが

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 21:03:03 ID:61U7RQhu
脳散号。遊撃隊であるか。

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 21:39:07 ID:h/dh5hlr
脳集波で弾体加速装置を撃つ企業戦士ならメンテフリーじゃね

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 21:53:03 ID:+0Ax8jqy
>>507
ヴォルケンクラッツァークラスでも四国真っ二つだしねえ

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 22:46:25 ID:eqjT7uFo
波動砲一つとってもRな戦闘機か宇宙なヤマトか超兵器の群れを思い浮かべるかで趣味がわかるなw

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 22:55:09 ID:Tk28Za7q
ヤマト世代じゃなかった俺が始めて知った波動砲は
GB版魔界塔士Sa・Gaの3回こっきり波動砲
アレ確か四天王までは効くんだよな

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 23:04:31 ID:/QdKb+Gx
メンテフリー?
光があれば何度でもよみがえる黒い改造人間とかいいよね

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 23:13:30 ID:GKB7rkO0
>>513
この世に不思議なことなど何もないのだよ。

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 23:16:34 ID:kWDwIhqe
5割攻撃+スリップ

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 23:17:43 ID:HpjAD+lM
あいつの場合、既に持ってる能力か使いこなしてないだけの潜在能力を発揮してるだけだから
実は別に不思議なことを起こしてるわけじゃない

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 23:43:23 ID:QFi2tieB
>>507
超波動砲やイカスミ波動砲クラスだと超兵器もさよーならだけどな
見えない(つもり)戦艦に風石乗っけて念願の究極ステルスを達成させてあげますか?

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 23:50:03 ID:ZTNdm/EW
>>513
ゼロの使い魔原作のどんな状況でもキングストーンフラッシュとロボ&バイオで解決できそうな気がする

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 00:04:59 ID:7zy4hVPl
もうあいつ一人でいいんじゃないかな
のタグはダテじゃない

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 00:10:29 ID:1+iVgZM7
>>518
召喚の鏡→キングストーンフラッシュでかき消す、召喚されてもライドロンで帰れる
ハルケが悪の組織に侵略されていない限り無理だwwwww

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 00:11:18 ID:/RdCtrnB
一説によると後まだ一回以上変身を残していたとか・・・・

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 00:15:15 ID:sZLE7xQn
悪の組織、ゲロジョッカーに侵略されるハルケギニア

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 00:27:21 ID:aggSfwcE
>>504
ハルケギニアの星系がバイドに汚染されつつあるとか?
まあ間違いなく地球軍は何事もなかったかのように惑星ごと消滅させるだろうけど




524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 01:47:39 ID:nEkF6uyh
メンテフリーの機体と言えば、ロスユニの遺失戦艦もいけるんじゃないかな。
ソードブレイカーとか自己修復装置のおかげで何万年も放置されてたのに普通に動くし、動力も人間が乗ってればおkだし。

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 01:48:18 ID:9YIj5q59
とりあえずズバットがいればどうにでもなるような

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 02:12:08 ID:jMempHYQ
ゴルバットでもいいな

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 02:12:53 ID:1Bw34og8
>>524
アレは地面に埋まっても自己修復機能の応用で掘削マシン作っちゃうからな
しかし、ソードブレイカーごとケインが召喚されたら愉快な事になりそうだよな。
杖らしきもの(サイブレード)持ってるし、マントつけてるし、
ブレイドの魔法(サイブレード起動しただけ)使えるし。
問題はソードブレイカーが200Mクラスの大きさだという事か
目立ちすぎるってレベルじゃねえぞw
異国の貴族の個人所有ということでどうにかなりそうだが

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 02:44:04 ID:v5ubUb5F
>>517
PSP版だと波動砲が超弱体化+超兵器の強化でガチラスボスになってるよ
PS2版がぬるかったと感じた人にはマジお勧め

そういえばハルケギニアの船って飛行船が標準化してるけど普通の海上船は漁船くらいしか無いんだろうか
海の幸的な描写もほとんどないし

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 02:55:40 ID:FVqC7rHs
ガリア両用艦隊の事をお忘れか?
水空両用とわざわざ艦隊名に付ける拘りようを

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 03:17:14 ID:UBMhq9Mg
>>527
魔法っていや、あの世界ってスレイヤーズ世界にも名前が出てた魔王の内の一柱がいる異世界なんだよな。

531 :ゼロの賢王:2010/12/28(火) 05:31:16 ID:f6FplXqQ
お久し振りです。
OCNが規制されて暫く投下出来なかったのですが、規制が解除されたので
予約が無ければ投下したいと思います。

532 :ゼロの賢王 第10話:2010/12/28(火) 05:32:00 ID:f6FplXqQ
トリステイン魔法学院内にある宝物庫の外壁前。
ルイズがポロンと街へと出掛け、キュルケとタバサがそれを追い掛けていたその頃、
彼女はそこへ1人立っていた。

目の前の丈夫そうな壁を見つめながら、つい先日コルベールと交わした会話の内容を思い出す。


「・・・実は宝物庫の壁は物理攻撃に弱いんですよ。無論、並みの攻撃では破ることなど適いはしませんが」
「まあ、そうなんですか」
「・・・とは言ってもまあ、壁にひびでも入っていたら流石に話は別ですけどもね」
「ひび・・・ですか?」
「いくら固定化の魔法をかけてあるとは言っても、この宝物庫もかなり昔からありますし、
 その頃に出来たひびの一つくらいはあっても仕方ないでしょうな」
「なるほど」


コルベールは学院長からの信頼も厚く、また嘘のなかなかつけない男。
言っていることも恐らく大体は本当のことであろう。
何より長年破られることの無かった宝物庫である。
慢心、油断からセキュリティの感覚がマヒしていてもおかしくはない。
世間話から上手く宝物庫を破る方法を聞き出せて、彼女は思わずニヤリと笑っていた。

そして今日は虚無の曜日。
一般の教員は皆部屋に閉じこもり、宿直の教師も1人しかいない。
衛兵なんてものもいるにはいるが、あんなものはただのでく人形と変わらない。
何という警備体制だ。
これでは盗みに来てくれと言わんばかりである。
ならばお望み通り盗んでやろう。
彼女――――土くれのフーケはほくそ笑む。

フーケは宝物庫の壁に手を触れると、細くしなやかな指をその表面に這わせる。
土づくりのザラッとした感触。
凹凸こそあれ、ひびや割れ目などは無かった。

(これだけ古い壁、何処かに老朽化の跡がある筈!)

いくら強力な固定化の魔法とは言え、万能でも無敵でもない。
物理攻撃に弱いという弱点だってある。
ならば何処かに穴があってもおかしくはない。
その魔法を使った者もまた万能では無いのだから。

ガリッ

その感触を確かめた瞬間、フーケはまるで悪魔の様な笑みを浮かべた。
フーケの指先。
そこにはほんの僅かな、一目見ただけでは気付かない様なひびが入っていた。



ルイズたちが街から学院に戻る頃には、辺りは闇に支配され始めており薄暗くなっていた。
片道約4時間も掛かる遠出はポロンにも少なくない疲労を感じさせた。
部屋に戻って一息ついていると、施錠された筈の扉がいきなり開かれた。

533 :ゼロの賢王 第10話:2010/12/28(火) 05:32:57 ID:f6FplXqQ
見ると、扉の向こうにはキュルケが当たり前の様に立っている。
キュルケの姿を確認するなり、ルイズの表情が一変した。

「ちょっと、何してんのよツェルプストー!?勝手に人の部屋に入るんじゃないわよ!!
 人の部屋の鍵を無断で破るのは校則で禁止されてるって、アンタも知ってるでしょ!?」
「あーら、規則なんて破る為にあるのよ?それに仮にもメイジがロックも使わずに普通の鍵を掛けるなんて、
 入って下さいと言っている様なものだわ」
「だからといって、入っていいわけがないでしょうが!」
「そういうことはまともにロックが使える様になってから言うことね」
「うるさいうるさいうるさい!何よ!?正しいこと言ってる私が何でこんな負けたみたいな感じになってるのよ!?」

ポロンは2人の様子をうんざりしながら見つめていた。
ただでさえ、久々に遠出して疲れているのだ。
なるべく静かに過ごしたいとポロンは思っていた。

「・・・で、何か用か?」

ポロンが訊ねると、キュルケは何か企んでいる様な笑みを浮かべた。

「そうそう、ルイズになんか構っている時間は無かったんだわ。ねえ、ミスタ?実は貴方にプレゼントがあるの。受け取って下さらない?」
「プレゼントー?貰う義理は無いと思うんだが?」

ポロンが言い終わらない内にキュルケはそれを取り出した。

「ジャーン!貴方にこれを差し上げますわ」

キュルケが取り出したのは剣であった。
それも刀身以外を金で加工し、所々に煌びやかな宝石をあしらっていて、一目で高価なものだと分かる代物である。
ポロンは口をあんぐりと開けながらその剣を指差してキュルケに訊ねた。

「それ、見るからに高そうだけど、いくらしたんだよ?」
「なあに、ほんの2000エキューですわミスタ」
「2000エキュー?」

この世界の貨幣価値が分からず、イマイチピンと来ていないポロンとは対照的に、ルイズは目をカッと見開く。

「に、2000!?庭付き一戸建ての家が買える値段じゃない!」

それを聞いてポロンも目を見開いた。

「な、何ぃ!?そんな高価なもん理由もなく貰えるわけねーだろが!」
「別に私にとってははした金ですもの。貴方が少しでも私に気を向けて下さるなら、安い買い物ですわ」

キュルケは涼しい顔で答えた。

「それに理由なら」

キュルケはポロンの全身を舐め回す様に見つめた。
その視線に気が付いたルイズは再びキュルケを睨み付ける。

「人の使い魔に色目使ってんじゃないわよ!この色情魔!!」

534 :ゼロの賢王 第10話:2010/12/28(火) 05:34:00 ID:f6FplXqQ
「何ですって!?」

その後、2人はお互いに罵声の飛ばし合いを開始した。

(少しは静かにしてくれねえかなあ・・・)

ポロンは2人の間に割って入って飛び火を食らうのも億劫だったので心の中で呟きながらその状況を見守った。

「・・・大体、何よその剣!金とか宝石とか、アンタみたいに下品で嫌らしい!!」
「あら?平民の玩具しか買い与えられない様なみみっちい女が何言っても嫉妬にしか聞こえないわよ」
「なっ!?何で知ってんのよ!?」
「さあて、何でかしらねー?」

惚けるキュルケ。
ルイズはそのキュルケの態度も表情も何から何まで気に入らなかった。

「アレはポロンが買ってって言ったものなの!!頼まれればもっと高価なものだって買い与えてあげられたわ!!」
「貴女、何も分かってないのね・・・」
「何よ!?」
「彼、きっと遠慮したんだわ。貴女のその小さい胸みたいにお金だって無いんだって」
「!!胸は関係無いでしょ!!!!この売女!!!!」
「・・・さっきから聞いてりゃ人のことを色情魔だの売女だの、流石に言っていいことと悪いことがあるわよ?」
「何よ、やるの!?」
「やるわよ!!」

お互い、至近距離で睨み合う。
そして同時に叫んだ。

「「決闘よ!!」」


トリステイン魔法学院の中庭。
外は夜気で肌寒く感じられた。
そんな中、ルイズとキュルケがそれぞれ向かい合いお互いに火花を散らし合っている。

「・・・いい?先にあのロープに当てた方が勝ちよ?」

キュルケが勝負の方法を確認すると、ルイズもこくりと頷く。
2人は同時に的を見た。

「つーかさあ・・・」

ポロンの顔がひくひくと引きつる。

「何で俺が吊られているんだよ!?」

ポロンはまるでタロットの「吊された男」の様にロープで逆さ吊りの状態になっていた。
ロープの端をタバサの使い魔であるシルフィードが咥えている。

「お前も何でいるんだよ!?」
「・・・手伝い」

タバサはボソッとそう呟くと、キュルケとルイズの後ろにちょこんと座った。
「決闘だ!」と勇んで出て来たはいいが、貴族同士の決闘は禁止されているので直接闘うことは出来ない。
その為、こうした勝負方法が提案されたのであった。

「だからといって、俺が吊られる意味あるか?」
「雰囲気よ、雰囲気。それに当事者だし」

キュルケは元も子もないことを言った。

535 :ゼロの賢王 第10話:2010/12/28(火) 05:35:18 ID:f6FplXqQ
そして、杖を構える。

「じゃあ、私から行くわよ。ファイヤーボール!!」

キュルケの杖の先から拳大の炎が飛び出した。

(まるでメラみたいだな)

ポロンは自分に向かって来る炎を見ながらそう思った。
炎はポロンの足に結ばれたロープのすぐ横を通ると、そのまま夜空の彼方へと消えた。
それを見ると、ルイズは勝ち誇ったかの様にキュルケへ向き直る。

「あんなに自信満々だったのに外れたじゃない、ツェルプストー」

しかし、キュルケは表情一つ変えずに答えた。

「外したのよ。1発で決めたら面白くないじゃない?」

ルイズはキュルケのその言葉に憤慨するも、すぐに切り替えてポロンへと向き直った。
そして、杖を構える。

「行くわよ!ファイヤーボール!!」

しかし、杖の先から先程の様な炎は出なかった。
代わりにポロンのすぐ側の壁が爆発を起こす。
ポロンはさっと血の気が引いた。

「おい、俺を殺す気か!?」
「違うわよ!!ちょっと失敗しただけよ!!」

2人が言い合う中、キュルケはフフンと杖を構えた。

「これで私の勝ち・・・」

しかし、その杖の先から炎が出ることは無かった。

地響きの様な音が聞こえてくると、地面が突然揺れる。
キュルケは思わずバランスを崩して、地面に座り込んだ。
先程から他人事の様に対決の様子を見ていたタバサもこの事態に立ち上がって杖を構える。

「な、何よ!?」

ルイズは突然の事態で目に見えて狼狽し、辺りを忙しくなく見回していた。

「何だありゃ!?」

ポロンが叫ぶと、3人が同時にその方向へ目を向ける。
すると、そこには巨大な何かが立っていた。

「あれはゴーレム!?」
「何故ここに・・・!?」
「・・・あそこは宝物庫!」

タバサがゴーレムのいる場所を指摘するも、ここからではすぐに向かうことは出来ない。
ゴーレムはこちらの存在に気付いておらず、一心不乱に腕を動かしていた。
遠目からだと何かを殴りつけている様に見える。

536 :ゼロの賢王 第10話:2010/12/28(火) 05:37:37 ID:f6FplXqQ
暫くするとゴーレムは動きを止め、崩れ落ちる様に消えてしまった。
その後、まるで何も無かったかの様に辺りは静寂を取り戻す。

「何・・・だったの?」

ルイズが茫然とした状態で呟く。
キュルケも同様にその場に立ち尽くし、タバサはゴーレムの出現した辺りをずっと見ていた。

「・・・で、俺はまだこのままか?」
「きゅいきゅい」

いい加減、頭に血が上って来て目の前がクラクラとしてきたポロンがぽつりと呟くと、
それに呼応する様にシルフィードが鳴く。

ルイズとキュルケの勝負の行方は突如現れた謎のゴーレムにより決することは無くなってしまった。
こうしてポロンにとって初めての虚無の曜日は過ぎて行ったのであった。


翌日、宝物庫にはオスマン以下、教員たちが集まっていた。
事件のあらましを簡単に説明すると宝物庫に盗人が入ったのである。
盗人の正体は、世間にその名を轟かす土くれのフーケであった。
フーケは昨晩、夜も深まった頃に宝物庫の壁に大きな穴を開け、そこから侵入したらしい。

「はい、私たちは夜中にゴーレムが宝物庫に現れたのを見ました」

事件の目撃者として、ルイズ、キュルケ、タバサ、そしてポロンもその場に呼ばれていた。

「ふぅむ・・・。恐らくそのゴーレムの攻撃により宝物庫に穴が開いたのだと思われます」

宝物庫の惨状を渋い顔で見つめながらコルベールはオスマンに伝える。
オスマンもまた渋い顔で壁に描かれた文字を見つめている。

“破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ”

「やってくれたのう・・・」

オスマンはギリリと唇を噛みしめた。

「ところで、お前たち。何でそんな時間に外出してたんだ?」

1人の教師がルイズたちに訊ねる。
ルイズたちが何と言おうか迷っていると、オスマンが口を挟んだ。

「それは今は問題では無いよ、ミスタ・ギトー」
「しかし、オールド・オスマン・・・」
「そんなことよりも・・・」

オスマンはチラっと整列している教師たちを見た。

「コルベール君、昨日の宿直は誰だったかのう?」
「確かミス・シュヴルーズだったかと」

コルベールが答える。
名指しされたシュヴルーズは頭を下げた。

「す、すみません・・・このことは私の不手際です」
「・・・まあ、起きてしまったことは仕方が無い。ミス・シュヴルーズに対する処遇は後回しじゃ。
 今はフーケと盗まれた“破壊の杖”をどうにかせんとのう」

537 :ゼロの賢王 第10話:2010/12/28(火) 05:39:15 ID:f6FplXqQ
「どう、と言いますと?」
「ふぅむ、フーケを追おうにも、手掛かりが全く無いからのう」
「オールド・オスマン。フーケに関する手掛かりが見つかりました!」

その時、まるで計ったかの様なタイミングでロングビルが駆けつけた。
オスマンは目を丸くしてロングビルに訊ねる。

「それは本当かの?ミス・ロングビル」
「はい、フーケの居所が解りました」
「失礼ですがミス・ロングビル。その情報は何処から?」

コルベールが訝しげな目で訊ねると、ロングビルはそれを特に気にした様子も無く答えた。

「先程までオールド・オスマンの言いづけで土くれのフーケの調査をしていたところ、近在の農民から証言が取れました。
 その農民は今朝頃に黒ずくめのローブを着た怪しい男が近くの森の廃屋へ入っていくのを見たそうです」
「ほう・・・」
「素人意見で申し訳ありませんが、黒づくめの男が恐らくフーケで、廃屋は彼の隠れ家ではないかと・・・」
「すぐに王宮に報告するべきでしょうか?」

コルベールが訊ねると、オスマンは首を横に振った。

「残念じゃがそんな時間は無いよコルベール君。フーケも馬鹿ではない。隠れ家とは言っても、何時までもそこにいるわけがない。
 王宮に知らせとる間にフーケは逃げる算段を整えて、王宮が動き出す頃にはもう逃げてしまっているじゃろう」
「では、どうするので?」
「すぐに動けるのはわしらだけじゃ」

そう言うと、オスマンは教師たちへと向き直る。

「諸君、今から我々でフーケ捜索隊を編成する。我こそはと思う者は、杖を掲げよ!」

しかし、教師たちは誰も杖を掲げず、お互い顔を見合わせるだけだった。
フーケは彼らが破られることは無いとたかをくくっていた宝物庫の壁を破壊したのだ。
彼らにとってフーケの実力は悪い方に未知数であり、腰が引けていた。
その様子を見て、オスマンは軽い失望を感じる。

「・・・どうした?おらんのか?フーケを捕まえて、名を上げようと思う者はおらんのか!」

オスマンが一喝する。
すると、ルイズが杖を顔の前に掲げていた。
それを見たシュヴルーズが思わずルイズを止めた。

「ミス・ヴァリエール!あなたは生徒ではありませんか!ここは私たち教師に任せて・・・」
「誰も杖を掲げてないじゃないですか!」

ルイズが怒鳴り上げる。
それは正に事実で、シュヴルーズもそれ以上何も言えなかった。
すると、ポロンが口を開いた。

「俺がルイズを守ってやる。だから文句無いだろ?」
「ポロン・・・」
「いくら使い魔とは言っても、平民に何が出来ると言うんだ!?」

ギトーと呼ばれた教師が声を上げた。

「私は反対です、オールド・オスマン。生徒に行かせるなど・・・」
「では、君が行くかね?」

オスマンがそう訊ねるとギトーは思わず下を向く。

538 :ゼロの賢王 第10話:2010/12/28(火) 05:41:31 ID:f6FplXqQ
ポロンはギトーの肩を叩いた。

「・・・あんたが生徒を心配する気持ちは分かる。それに未知の敵と戦う怖さも、な」

かつてポロンも異魔神の力を目の当たりにした時、あまりの恐怖に戦意を失ったことがあった。
様々な強敵と戦いそれに打ち勝って来たポロンですら、いや、だからこそそれらを超えた圧倒的な強さに恐怖を覚えるのである。
ギトーもその他の教師たちもきっとそんなに弱いわけではないのであろう。
だからこそ、彼らの範疇外の強さを持つであろうフーケに対して尻込みしてしまうのである。
その気持ちがポロンには痛いほど理解出来ていた。

「根拠も何もねえが、俺を信じてはくれないか?」
「・・・くっ!!」

ギトーは震える拳を抑えると、ポロンの目を見た。

「・・・彼女を、ミス・ヴァリエールをよろしく頼む」

それだけ言うと、ギトーはポロンに背を向ける。
ポロンは何も言わず、その言葉にこくりと頷いた。
その様子を微笑ましい目で見ていたオスマンが再び声を上げた。

「他に、我こそはという者はおらぬのか?」

すると、今度はキュルケが杖を掲げた。
それを見て、タバサも同じ様に杖を掲げる。

「ミス・ツェルプストーにミス・タバサまで・・・」

コルベールはそう呟くと思わず頭を抱える。
キュルケはタバサの方を向いて声を掛けた。

「いいの?タバサ?」
「心配」

タバサが短くそう答えるとキュルケは感動した面持ちで彼女を見つめた。

「有難う・・・タバサ」

キュルケはタバサを抱き締めたい衝動に襲われたが、今はそんな状況でも無いので堪えた。
オスマンはルイズたちを見て「うむ」と言うと、教師たちに向かって言った。

「見てみい。彼らこそ貴族と呼ぶにふさわしいとは思わんかね?」
「しかし、何度も言うようですが1名を除いて彼らは生徒ですよ?何かあったらどうするんですか?」

コルベールが心配そうに言うと、オスマンは眉一つ動かさずに答えた。

「それならば心配はないよコルベール君。ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと聞いている」

オスマンの言葉に教師たちは驚いたようにタバサを見つめた。
キュルケも驚いて訊ねる。

「本当なの? タバサ」

タバサは無言で頷く。

「なあ、ルイズ。シュヴァリエって何だ?」

ポロンがルイズに訊ねると、ルイズは小声で答える。

539 :ゼロの賢王 第10話:2010/12/28(火) 05:42:29 ID:f6FplXqQ
「・・・シュヴァリエは王室から与えられる爵位よ。最下級のものだけど、私たちくらいの年齢で与えられるなんて驚きよ。
 それにシュヴァリエは他の爵位と違って、純粋な業績に対して与えられる爵位なの」
「要するに、あのタバサって子はそれだけ凄いってことか?」
「そうね」

ルイズは少し悔しそうな顔でタバサを見ていた。
ほぼ同年代のクラスメイトがそれだけのものを貰っているのだ。
タバサに対して、ルイズは軽く嫉妬心を抱いていた。

「オホン」と咳をしてからオスマンが話を続ける。

「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法もかなり強力と聞いている」

オスマンにそう言われると、キュルケは得意気に髪をかき上げる。
次にオスマンはルイズの方を向いた。

「ミス・ヴァリエールは数々の優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵家の息女で、将来有望なメイジと聞いておる。
 しかもその使い魔は平民でありながら魔法を操り、あのグラモン元帥の息子であるギーシュ・ド・グラモンと決闘して勝ったという噂じゃが」

その言葉に教師たちがざわついた。
それは、主にポロンが魔法を使ったということに対してであった。
先の決闘も詳しい事情を知っている教師はごく少数であり、ポロンはただの平民であるという認識が一般であったからだ。
先程ポロンにルイズのことを頼んだギトーも目を丸くするが、すぐに表情を崩した。

コルベールはオスマンに耳打ちする。

「オールド・オスマン。彼のガンダールヴの力、見究めるにはいい機会です」
「コルベール君、そのことは後で・・・」

オスマンがそう言うと、コルベールはこくりと頷いて1歩下がった。

「では、例の隠れ家までこちらで馬車を用意しよう。魔法は目的地に着くまで温存したまえ。
 それからミス・ロングビル、彼女たちを手伝ってくれ」
「了解です」

こうして4人はオスマンの用意した馬車に乗り込み、フーケの隠れ家と目される廃屋へと向かって行った。

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 05:45:31 ID:3enDyK1P
しえーん

541 :ゼロの賢王:2010/12/28(火) 06:00:55 ID:f6FplXqQ
バイバイさるさんに引っかかって終了宣言が遅れた・・・。
これで10話は終了です。

年末恒例のOCN規制だったので、来年の春くらいまでは無理かな?
と思っていましたが、意外と早く解除されたので良かったです。
とは言え、再規制の可能性は低くないので油断出来ませんが。
規制されるまでよろしくお願いします。

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 06:28:59 ID:rFx1AfsY
乙ですー

流石はポロンというべきか
教師達の気持ちも察するのね

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 09:56:45 ID:tTlZVFyl
>>530
全然関係ないよ! って最終巻のあとがきで言ってたじゃない

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 10:15:55 ID:rWbeLqc1
ポロンの人乙です

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 12:31:18 ID:/kIxNmzL
ポロン乙

よくある穴だらけな「あいつはフーケ」発言が上手い具合に改善されてて良作に見える

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 12:36:09 ID:Hzt9UDlE
乙!
ギトー先生ちょっといいとこ見てみたいー

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 12:39:20 ID:3Kk1Olyd
賢王乙

そういえばドラクエにはゴレムスというゴーレムがいたな

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 13:50:13 ID:1Bw34og8
賢王乙でした
いい大人だけあってちゃんと教師のフォローもするんだな……
ここは死線を潜り抜けた猛者だからこそのかっこよさだなあ。

>>547
日替わり使い魔でも出てたな。あれもフーケ戦で活躍してたっけ。

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 13:57:23 ID:4nFHMeB5
日替わりの人早く来ないかなー
俺あれが一番楽しみなんだ

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 14:03:26 ID:sZLE7xQn
マルモの人もまた来ないかなあ
ドラクエのクロスは名作ばっかりだ

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 17:51:50 ID:RrWiIqUe
作者さんへの燃料投下はここだと割りと早く流れちゃうけど
>>1にある避難所の『全力でSS職人を応援するスレ』ならここよりゆっくりだし
作者さんもチェックしてくれてるかもしれないしでオススメだぜっ!
まあ両方にやるのが最強だけどなっ!

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 17:53:27 ID:ExZ3xUa1
草波勝を召喚
その思想に共鳴してトリステイン版ワイルド7を作り上げるアンリエッタ

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 18:00:03 ID:RrWiIqUe
以下トリステイン版ワイルド7メンバー

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 18:22:54 ID:1Bw34og8
>>551
両方にやるのがベストなんだろうけど、
両方に同じ事書くわけにもいかんし、難しいところだなぁ。
俺はこっちには最新話(現スレに投下されてるもの)、
それ以前の話なら避難所、としている。
これはこっち、あれはあっちと使い分けるのも一つの手ではないかと。

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 18:36:38 ID:ExZ3xUa1
>>553
とりあえず
両国→メンヌヴィル

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 19:49:33 ID:JyUnDP7o
>>553
おユキは 二つ名からするとタバサだけど、ボディラインだとキュルケなんだよなぁ・・・

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 20:44:02 ID:UBMhq9Mg
夏にユキが降るんだよ。

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 20:45:59 ID:Kg2zU+jH
映画泥棒を召喚
ノーモア映画泥棒

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 20:48:04 ID:1urWGAuJ
>>557
それ思い出すと今でも泣きそうになるから禁止

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 21:15:13 ID:fw/+TpYc
>>558
通報した女性が、後で違法ダウンロードで逮捕されるアレか

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 21:20:49 ID:sZLE7xQn
>>558
ああ、ヤマト見に行ったときにあったな

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 21:21:15 ID:ZUhxGh3e
ワルド7に見えた

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 21:26:03 ID:iY22dXLl
ワルドマンやらワルドマンパワード、ワルドマン80とかいるんですね

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 21:47:31 ID:p/Bo+WfJ
>563
ワルドマン80の最終回は『あ!グリフォンもマンティコアも氷になった!』ではなく『思い出のワルド先生』ですね。

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/28(火) 22:02:16 ID:UBMhq9Mg
ワルドマンパワード。
魔法のスパーク 閃光のスピード
ハルケを愛した 無敵のメイジ
誰もが闇に怯えてる 誰もが夢をなくしてる
明日を掴むこの胸に 本当の魔法をくれないか
TAKE A CHANCE 力のかぎり 生きること
TAKE A DREAM どんなときでも 忘れない
ワルドマン ワルドマン ワルドマンパワード

閃光とか言いながら、とってもスローなアクションに定評のあるワルドマンパワード。

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 00:25:55 ID:VYFyP5Hb
ワルドマンキング
…なんかキングスライムみたいな響きだな

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 00:28:26 ID:nNKsOdxm
メタルワルド

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 00:32:20 ID:VhNqlRt6
昔、ワルドQというのがあってな。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 00:34:17 ID:vqHOg0l5
というかワイルド7の話題から、ワルド7、ワルドマンネタに派生するのはお約束になってきてるな。
前にワイルド7なったときも、尽くこのネタになったから。

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 01:07:53 ID:R1rbcU62
ワルド・ワルド・ウェスト
1860年代世界大戦終結直後のハルケギニア合衆国。
空軍第9騎兵連隊の騎兵大尉JJ・ワルドは、“流血将軍”として悪名高い
中央軍のギーシュ・ド・グラモンを一般市民の大量同時交際の廉で追っていた。
一方、連邦保安官のジャン・コルベールは、科学者連続誘拐の捜査を行っていた。
事件の裏で中央きっての科学者、エレオノール・チュウリャク・ヴァリエール博士が糸を引いている事が分かり、
二人はサイト大統領から合同捜査を行ない博士を逮捕するよう命じられる。

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 09:39:17 ID:oG3Ft+pe
閃光と言ったらザ・フラッシュよね。
ジョゼフの加速を真っ向から打ち破れるでそ。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 10:34:00 ID:rCxSCsDK
>>565
替え歌乙
パワードが遅いのはスローで巨大感を出すためなんだ
素早いパワードを見たかったら銀河伝説を見るべし

なんでマックスが負けたかまだわからん、超巨大化しろよ

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 10:36:28 ID:xBP+GL28
ザ・ワルド!時よ止まれ!

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 10:40:49 ID:vvLK6f/F
はい、消えたー

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 11:22:33 ID:GfvjHYhE
ワルドがそのうちサイボーグになったり、怪獣になったり、アンデッドになったり、巨大化したりしそうになってきたな……

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 11:44:25 ID:KBgQedfV
ワルドの通り名が閃光だけど実際には光ほど速くはないんだよな
詠唱している以上は音の速さでしかないし光の速さで動けるなら魔法を使わずパンチ撃てばいいわけだし

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 12:01:56 ID:rCxSCsDK
>>576
レーザービームのイチローにツッコミ入れてるようなもんだぞ

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 12:04:22 ID:6gpWgNBi
仮面ライダーネタはファイズ以外全部、未完結になってるね

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 12:34:59 ID:zDIUwoQR
>>577
いや、どっちかって言うと>>576は、
アニメやSF作品に対して、無下な突っ込みをする空想科学読本の柳田理科雄的な印象がある件w

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 13:24:09 ID:ZQGY7Fz8
ファイズか……指輪でよみがえったレコン・キスタ兵はみんなオルフェノクになっているんだろうな。

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 13:38:54 ID:VYFyP5Hb
>>580
それなんてパラダイスロスト

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 14:21:23 ID:4i3kjOyx
おと僕から瑞穂ちゃんを召喚。
女らしさという点において自分を圧倒する男、という存在相手にルイズのアイデンティティ崩壊の危機が迫るッ!!

そして錯乱状態に陥るルイズを見て落ち込む瑞穂ちゃんw
うん、ネタにしかならんなww

本来ルイズに惚れるべきキャラが次々と瑞穂ちゃんに惚れていき、2人して苦笑いを浮かべる展開が可能であればいいんだが、ルイズはそんなにモテないからこの展開は使えないし……

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 15:17:17 ID:fyJS0rEW
俺はワルドマンゼロ! ルイズの息子だ!

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 15:24:04 ID:cmSOi83e
ワルドアームズ(WALD ARMS)

────力が欲しいか

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 15:32:37 ID:jqGaR7tU
>584
力が欲しくば呉れてやる……


…………我も無いけど心配するな。

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 15:33:48 ID:nNKsOdxm
WARUDO 〜疾風伝〜


もう分身的な要素があればなんでもいい気がしてきた

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 16:22:08 ID:WPho68l5
ワ、ル、ド! ワルド! ワ!ル!ド!
ワルワルワルワルド!っで50体に分身


588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 16:43:42 ID:HWtscj1k
真・ワルド2
センコウスペシャル

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 17:16:29 ID:fyJS0rEW
《閃光虫》
効果モンスター
星2/地属性/昆虫族/攻1100/守 200
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、
自分のデッキから自分の「寄生虫パラサイド」を1枚取り出し、
デッキをシャッフルした後デッキの一番上に置く事ができる。

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 17:23:28 ID:HLwyQ0OU
そいつは穿孔w

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 17:36:51 ID:ntSOf3v/
線香のワルド

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 17:39:15 ID:VYFyP5Hb
閃光花火

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 18:00:19 ID:PNaTiLk5
ワルド大人気ですな

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 18:51:31 ID:02byKGHg
そのうちウォースターの一員になったり、
幽魔獣の一員になったり、
マトリンティスの一員になったり、
最終的には歴代最強の護星天使になったりするワルドが出てくるよ、きっと。

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 19:04:20 ID:8rA38Vvj
>>594
彗星のワルド、チュパカブラの悪ド、サイボーグのワルド、救星主のワラジラ
とか、そんな感じに名前が変わっていくのかw

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 19:05:19 ID:vD1TyJFH
だって投下こないから

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 19:20:28 ID:biPF8Xvs
閃光のアルティス
生身での戦いは描かれていないが
機神拳だよな、やっぱ
生身ならフォルカと同じような感じだと思っていいのだろうか

閃光の二つ名を持つキャラは他にも誰か居たはずだが
思い出せん
近いところでライトニングカウントでも呼ぶか
もしくはエクレール姉さん

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 19:23:18 ID:8rA38Vvj
>>597
>閃光の二つ名を持つキャラは他にも誰か居たはずだが
ブラックライトニング:アリオス・キルレインが真っ先に思い浮かんだ

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 19:28:56 ID:QsWerbEz
少し皆に尋ねたいことがあるんだけどいいだろうか。
ハルケギニアの精霊についてなんだけど、仮にスレイヤーズの魔術師が召喚された場合その魔術師が使う精霊魔術(精霊の力を借りて使う魔術)は先住魔法並の威力になるのだろうか。
それともスレイヤーズの世界と同じくらいの威力になるのだろうか。
ちなみに本来の火力はそこそこの難易度の火炎球で岩に焦げ目がつく程度(高位の魔術師なら鉄を溶かす威力)

それと、先住魔法の対象者が「本来なら精霊は敵対しない」と言う特殊な相手だった場合、先住魔法は効果はどうなるのだろうか。
使用者と対象者を比較してより精霊と関係が強い方が優先される と考えるのが妥当かな。

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 19:29:46 ID:biPF8Xvs
思い出した
コードギアスのマリアンヌだ
ママン属性ではあるが、あまりにアレな母親
・・・ワルドは弱くても常識的な思考と精神を持っていた母親を誇っていい

>>598
そちらは分からん・・・すまぬ

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 19:30:23 ID:MWMbzqrw
自分で適当に設定しろ

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 19:34:45 ID:biPF8Xvs
長門の情報操作も精霊に関する位置づけと設定した人もいるしね
精霊魔法といえば
アーク・ザ・ラッドからアークを召喚したら
彼の契約してきた精霊が有効なのかってー話にもなるわな
こっちでも同じだったらラグドリアンとか面白くなるかもしれん
アークだと大精霊の下に下級精霊が何種かいるみたいな設定だったっけ
そういやクラースさんが召喚した精霊はハルケだとファンタジア以外にビジュアルチェンジしてたなぁ

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 20:05:04 ID:uxR2kl/t
>>599
>>601の言うように自分で設定せえよ、と言ってしまえばそれまでなんだけど、
威力に関しては個人的にはそのままでもいいと思う。
スレイヤーズのリナの場合魔族がいない世界だから黒魔術仕えなくて弱体化しそうだが。
それでもハルケであれば一流以上の腕前っぽいけど。

精霊に関してはまあその意見でいいんじゃないかな。
原作でビダーシャル無双気味だったのも彼が上位の使い手だった上に準備がっつりしてたからだし。
精霊を使った魔法と言えばソードワールドが思い浮かぶけど、
あれもエルフは精霊魔法上手いとかそんな感じだったなあ。

ここまで言ってふと思ったけどこの辺の会話避難所の考察スレ向きかもしれんね。

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 20:13:25 ID:GphuNP7J
>>595
チュパカブラは輪ルド、サイボーグはワルDOの方がいいかと。


605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 20:40:51 ID:dlG9h649
>>597
光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 20:42:10 ID:rxb0AXe7
ワニ!瑠璃鶲!鰌!
ワ!ル!ド!ワルド!ワルド!

ルのつく生き物がいなさすぎ…

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 20:43:13 ID:dlG9h649
>>599>>603
どこ向きかっつったら↓じゃない?
スレイヤーズのキャラがルイズに召喚されました Part.2
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1266183425/

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 21:00:50 ID:uxR2kl/t
>>607
ああ、そんなとこあったのか。
ヘルシングとジョジョとここしか知らんかった。

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 22:10:29 ID:rCxSCsDK
E・H EROワルドマン

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 22:26:13 ID:XeoNuTKd
閃光とか聞くと何よりもまず獅子座のアイオリアさんが出てくる
あいつのライトニングプラズマって、実は光速越えてるんだぜ……

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 22:45:57 ID:vqHOg0l5
光速越え・・・・・・
つ秒速数光年のオーガンさん

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 22:48:55 ID:H4YSOBOl
光速エスパー?

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 22:50:14 ID:dlG9h649
>>608
検索すりゃ他にも出るぞw

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 22:52:11 ID:zDIUwoQR
ここまで閃光のハサウェイなし




あ、ありゃ作品名かww

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 23:33:31 ID:VYFyP5Hb
なんでかよくわからんが、ワルドは牧野絵が一番しっくりくる気がする今日この頃

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 23:35:18 ID:jqGaR7tU
>615
牧瀬に見えた。

使い魔純情伝 − ワルド子爵はDカップ

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/29(水) 23:40:24 ID:SZ5d/itF
ワルドは結局、アルビオン編におけるボス、当て馬・かませ犬の複合存在に過ぎなかったのだろうか。

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 00:12:52 ID:2Y8zNkVu
閃光、ねえ。
ACからだが、ジョシュア・オブライエンと推定アナトリアの傭兵。
呼んでどうするというツッコミは無しでおねがいします。

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 01:36:02 ID:psIIp6CC
鮮紅のワルド

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 02:33:44 ID:/nmwlecn
各巻よりセリフ抜粋・ワルド

1巻:出番なし
2巻「僕は敵じゃない。姫殿下より、きみたちに同行することを命じられてね。きみたちだけではやはり心もとないらしい。しかし、お忍びの任務であるゆえ、一部隊つけるわけにもいかぬ。そこで僕が指名されたってワケだ」
3巻「ありませぬ。しかし、わたしに乗りこなせぬ幻獣はハルケギニアには存在しないと存じます」
4巻「くそ! 俺は……、俺は無能なのか? また『聖地』が遠ざかったではないか……」
5巻:出番なし
6巻「まあ有能は有能らしい。期待しようじゃないか」
7巻:出番なし
8巻:出番なし
9巻:出番なし
10巻:出番なし
11巻:出番なし
12巻:出番なし
13巻:出番なし
14巻:出番なし
15巻:出番なし
16巻:出番なし
17巻:出番なし
18巻「わかるだろ、マチルダ。俺にとって、聖地に向かうことは義務なんだ。そこに何があるのか、それはどうだっていいんだ。母の最期の願いだ。俺は、聖地に行かなくちゃいけないんだ」
19巻「ガンダールヴ、懐かしい名前ですな」

621 :無情の使い魔 6:2010/12/30(木) 03:44:16 ID:We4++fMu
何も無ければ、三分後に投下します。

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 03:45:52 ID:wweLW7Pf
阻止! なんちゃって

623 :無情の使い魔 6:2010/12/30(木) 03:47:57 ID:We4++fMu
翌朝、学院中の教師達は大騒ぎになっていた。
何せ、世を騒がすメイジの怪盗にこの学院が狙われたのだ。しかも、大切に保管していた『破壊の杖』の他、いくつかのマジックアイテムまで盗まれてしまっていた。
しかもこちらを小馬鹿にしているのか『破壊のマジックアイテム、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』などとふざけた犯行声明まで残されている。
「当直の貴族は誰だったのだね!」
学院長室に集まった教師達の中、ギトーが喚く。
昨夜の当直はミス・シュヴルーズであったのだが、彼女はそれをサボって自室で寝ていたという。その事について他の教師達が追及するが、そこへやってきたオスマンが他の教師達もまともに当直などやってこなかったと言われてしまい、ぐうの音も出ない。
場を取り成した所でオスマンは咳払いをする。
「さて、犯行の現場を見ていたのは君達だね?」
コルベールの後ろに控えていたルイズ、キュルケ、タバサが前へと歩み出る。
ルイズと一緒に来ていた桐山は使い魔であるため数には入れられていないのだが、本人は気にするでもなく部屋の隅でデルフリンガーを鞘から抜いては戻す動作を繰り返していた。
(……本当、恐ろしい少年じゃのう)
桐山を見たオスマンは一瞬、ぶるりと震え上がるが改めて前に出てきた三人の顔を見回す。
その視線が、タバサへと据えられた。
彼女の顔には微かな傷はいくつか残っているのが窺える。
「その様子では、相当奮闘してくれていたのじゃろうな。礼を言うよ」

オスマンがタバサの顔の傷を見て感心したように頷く中、ルイズは脂汗を滲ませながら緊張していた。
まさか、彼女が手傷を負っているのは自分の使い魔の使い魔と決闘をしたのだからと言える訳がない。
「さて、では詳しく説明してくれたまえ」
再び三人の顔を見回してくるオスマンに、一瞬ごくりと息を呑んだルイズが進み出る。
そして、事の顛末を全て伝えた。
「それで?」
「追いかけてみたら、後には土しかありませんでした。肩に乗っていたローブを着たメイジもいなくなっていました」
ルイズからの報告にオスマンは立派な髭を撫でる。
「ふぅむ……後を追おうにも手掛かりが無し、か。……時に、ミス・ロングビルはどうしたのかね?」
「それが……朝から姿が見えませんで」
「この非常時に?」
そのように噂をしていた矢先、学院長室の扉が開けられるとそこにはミス・ロングビルの姿があった。

624 :無情の使い魔 6:2010/12/30(木) 03:51:07 ID:We4++fMu
が、妙に疲れた様子で元気がない。
「どこへ行っていたのですか! 一大事が起きているのですよ!」
「……申し訳、ありません。……朝から、急いで調査をしておりましたので」
「調査?」
ロングビルの話によると、彼女は今朝方起きてみたら学院が大騒ぎであり、騒ぎの場であった宝物庫にフーケのサインを見つけたため、すぐに外で調査をしていたのだという。
「仕事が早いのぅ。ミス・ロングビル」
うんうん、とオスマンが頷き、さらに続ける。
「しかし、大丈夫かね? 無理をしてはいかんよ」
「……ええ。大丈夫ですよ」
額に脂汗を滲ませ、息が少し荒いロングビルが笑顔を浮かべた。
そして、彼女は近隣の農民から情報収集を行い、近くの森の奥にある廃屋に黒ずくめのローブを纏った男が入っていくのを見たという。
「それはフーケです! 間違いありません!」
ロングビルの調査報告にルイズが声を上げる。
「そこは近いのかね?」
「はい。徒歩で半日、馬で四時間といったところでしょうか」
そこでコルベールが叫び、すぐ王宮に報告して衛士隊に頼んで兵を差し向けてはと提案してみたが、オスマンに一蹴された。
王室に知らせている間にフーケは逃げてしまうし、そもそも魔法学院の宝が盗まれたのは自分達の失態。その汚名を返上するためにも自分達の手で解決すべきだとの事だ。
「では、捜索隊を編成する。我と思う者は杖を掲げよ」
オスマンが有志を募るが、教師達は誰も杖を掲げない。困ったように顔を見回すだけである。
「ん? おらんのか? フーケを捕まえて名を上げようと思う貴族はおらんのか!」
その時、ルイズが俯きつつも杖をすっと掲げる。
「ミス・ヴァリエール! あなたは生徒ではありませんか! ここは教師に任せ……」
「誰も掲げないじゃないですか」
シュヴルーズが驚いたように叫ぶが、ルイズにそう言い放たれて黙ってしまう。
そこにキュルケも杖を掲げる。
「ツェルプストーまで……!」
「ヴァリエールには負けられませんわ」
と、不敵に笑む。
さらに今度はタバサまでもが僅かに震えた手で杖を掲げる。
「あんたはいいのよ。……それに、怪我をしてるんだから」
そんな三人を見て、オスマンは笑った。
「では、彼女達に頼むとしよう」
オスマンが納得したのを見て、シュヴルーズが反論するが「君が行くか?」と言われると体調が悪いなどと弱音を吐いて棄権する。

「彼女達は敵を見ている。その上、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと聞いているが?」

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 03:51:45 ID:fC67tbOY
支援

626 :無情の使い魔 6:2010/12/30(木) 03:53:30 ID:We4++fMu
「本当なの?」
教師達ももちろんだが、親友であるキュルケまでも驚いてタバサを見た。
本人は何も答えずその場に突っ立ったままだが、ちらりとその視線が視界の端っこに僅かに見える桐山へと向けられる。
いくらシュヴァリエの称号を持っているからと言って、あの『メイジ・キラー』の前ではそれも無に等しい。
彼は着いてくるのだろうか。
先程から、話に興味もなさげに同じ動作を繰り返したままなのだが。
できれば、来て欲しかった。
『メイジ・キラー』の彼が戦うのであれば、その中から彼の技術を見て盗む事もできるかもしれない。
今の自分には、彼の力が必要だ。

「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎魔法もかなり強力と聞いておる」
キュルケは得意げに髪をかきあげる。
そして、今度はルイズの番なのだが、これにはオスマンも困った。
……いや、一つだけ特筆すべき事があるのだが――
「その……ミス・ヴァリエールは数々の優秀なメイジを輩出した公爵家の息女で、その……うむ……なんだ……。将来有望なメイジときいておるが」
口篭った様子のオスマンにルイズは顔を僅かに紅潮させて肩を震わせる。それを見たキュルケがぷぷっと笑っていた。
「……それに」
オスマンの口調が重くなり、部屋の隅にいる桐山へ視線が向けられる。
「ああ……キリヤマ君と言ったかな?」
オスマンが声をかけると、桐山は鞘に収めたデルフリンガーを手にしたまま歩み出てくる。
教師達は彼が避けるように離れ、怖気づいていた。
「皆も知っておるだろうが、彼はあのグラモン元帥の息子であるギーシュ・ド・グラモンの他、多数のメイジと決闘して勝利しておる」
全員の視線が、オスマンと向かい合う桐山へと向けられる。
桐山はその視線にすら興味がないようで、じっとオスマンを見つめたままだ。
彼の冷たい瞳を見て、思わずオスマンは震え上がる。
『メイジ・キラー』である彼ならフーケに後れを取ることはない。教師達の誰もがそう思うと同時に、彼に対して恐怖と戦慄を抱く。

コルベールもまた、同じだった。
彼は人を殺める事すら一切の躊躇いを持たず、どんな罪悪感も抱かない少年なのだ。
下手をしたら、フーケを捕らえるどころか殺してしまうかもしれない。

「その捜索には、俺も行くのか?」
「ん? それは……君の主人も行くのだし」

627 :無情の使い魔 6:2010/12/30(木) 03:56:38 ID:We4++fMu
ちらりと桐山の視線が肩越しに背後にいるルイズへと向けられた。
じっと自分を睨むように見てくる桐山に、ルイズは思わず恐怖を抱きかけた。
もちろん、使い魔は連れて行くつもりだ。彼の実力ならばフーケを取り押さえるのも訳はないはずだ。
事前にやり過ぎないように指示を出しておけば、それなりに手は抜いてくれる、はず。
「ちょっと! どこへ行くの!」
桐山は突然、踵を返して退室しようとしていく。
それをルイズが呼び止めた。
立ち止まった桐山は一言。
「門の前で待っている」
それだけを言って、学院長室を後にしていた。
その後、ロングビルが案内役として同行する事が決まったが、彼女は桐山が同行すると決まって、ぶるりと震え上がっていた。
一つは恐怖に、もう一つは病気に。


フーケのアジトへ向かうのに、ルイズ達は荷馬車で行く事になった。
案内役のロングビルが御者を務め、手綱を握っている。
だが、学院にいた時から彼女は何やら気だるそうである。
「ミス・ロングビル。どうして御者を自分で? 手綱なんて付き人にやらせれば良いじゃないですか。……見た所、お体の調子も優れないようですけれど」
「大丈夫です。少し疲れているだけですから。……それに、わたくしは貴族の名を失くした者ですから、いいのですよ」
「あなたはオールド・オスマンの秘書なのでしょう?」
「オスマン氏は貴族や平民だといった事に拘らないお方ですよ」
キュルケはロングビルの話に興味があったものの、彼女の調子が優れないのにこれ以上聞くのも悪いと感じ、やめにする。
「ダーリン、その髪型も素敵ね」
キュルケが同じ荷馬車の上で座り、デルフリンガーを抱えたまま静かに沈黙している桐山に話しかける。
桐山は昨晩、タバサとの決闘で変わった――いや、以前の前髪を下ろした髪型に戻っていたのだが、それを戻してはいなかった。
しかし、髪型の変化は当人のイメージの変化にも繋がる。
実際、以前のオールバックだった桐山はかなり威圧感が発せられていたのだが、今はそれが大分軽減されていた。
が、キュルケにそう褒められても桐山は軽く俯いたまま反応しない。
「そういうクールなダーリンも素敵ねぇ……」
と、体をくねらせるキュルケは傍に置いていた豪奢な剣を取り出し、桐山に渡そうとする。
「ねぇ、ダーリン。そんなボロイ剣より、こっちを使ってみない?」
「……な! キリヤマ! 受け取る必要はないわ!」
叫ぶルイズを無視し、キュルケは桐山と話を続ける。

628 :無情の使い魔 6:2010/12/30(木) 04:00:05 ID:We4++fMu
「これ、かの有名なゲルマニアの錬金術師、シュペー卿が造った名剣だそうよ。そんな地味で貧相な剣より、ダーリンにはこういう立派な剣がふさわしいわよ」
「てやんでいっ! 誰が『地味』で『貧相』だ!」
突然、デルフが鞘から僅かに刀身を出してきて叫ぶと、キュルケが驚き仰け反っていた。
「……あら、その剣インテリジェンスソードだったの?」
「そうよ! こんな掘り出し物の剣なんてそんなのに比べたらどうって事ないわよ!」
「べらぼうめぇ! 驚いたか! そんな飾りだけの剣と、この俺様を一緒に――」
ルイズは得意げな顔をして叫び、デルフも同様に叫ぶ。しかし、
「静かにしてくれないか」
桐山が張り詰めた一言を発すると、ルイズもデルフもびくりと震え上がって黙り込む。
見ると、今まで俯いていた桐山が少し顔を上げてルイズを見つめていた。
別に彼は怒っている訳ではない。……怒っている訳ではないのだが、その感情が一切宿らない氷のような瞳で射抜かれ、ルイズは何とも言えない威圧感を感じて黙り込んでしまった。
「ごめんなさいねぇ、ダーリン。ヴァリエールはすぐ調子に乗るから」
また俯いてしまった桐山にキュルケが再び話しかけるが、もう彼は反応しなかった。
やはり、髪型が変わろうが彼は彼だったのだ。


馬車に揺られる事、数時間。フーケのアジトがあるという森の手前で一行は馬車を降りる。
ここからは深い森の中を歩いて進む事になる。
結局、キュルケから桐山は剣を受け取らなかったが、本人はそれでも諦めず「もしそれが壊れちゃったら使ってね」と言ってきた。
さらに「怖いわー」とわざとらしく言いながら桐山の腕に抱きついたりする。
ルイズとキュルケが言い合っている内に開けた場所へと出ていた。
そこにはロングビルの報告通り、小さな廃屋がぽつりと建っている。
あの中にフーケがいるのだろうか。
茂みに身を潜めつつ、ルイズ達は作戦を立てる。あの中に今いるのであれば奇襲を仕掛けるのが一番である。
そして、タバサが立てた作戦でまず偵察兼囮が廃屋の様子を探り、中にいれば外へおびきだす。そこに魔法――もしくは『メイジ・キラー』である桐山の手によってフーケを沈めるのだ。
「で、囮は誰がやるの?」
ルイズが尋ねると、タバサの視線が桐山へ向けられる。
彼は地面に座って作戦を立てている彼女らの輪に入らず、じっと廃屋を見つめていた。
「すばしっこいの」
「ちょっと、聞いてる! 偵察と囮はあんたがやるのよ!」
ルイズが桐山に向かって叫ぶが、反応はない――と、思ったら桐山は茂みから出るとつかつかと廃屋へ近づいていった。

629 :無情の使い魔 6:2010/12/30(木) 04:03:21 ID:We4++fMu
「わたくしは、辺りの偵察をしてきますね」
少し荒い息をしながら、ロングビルはふらふらと森の中へ消えた。

廃屋のすぐ傍までやってきた桐山は、内部を確認するより前にその隣に見えた小さな物置を開けていた。
埃が舞い、蜘蛛の巣が張っていたその中には鋤などの農具、粉末状の肥料や除草剤、殺虫剤の入った袋が置かれている。
桐山は改めて廃屋の中を確認した。――中には誰もいない。

桐山が振り向かぬまま、右手を掲げていた。そして、手首を前に振る。――来い、という事か。
ルイズ達は桐山の元へと走っていった。
「罠はないみたい」
ドアに向けて杖を振るタバサが呟く。
そしてドアを開け、中へと入る。ルイズは外で見張りをすると言って後ろに残った。
廃屋の中に入った三人は内部の調査を開始する。
埃でまみれた床には新しい足跡が残っている。やはり、フーケはここにいたようだ。
タバサがチェストを開け、その中に入っていた物を取り出す。
「見つけた」
「……あっけないわねー」
タバサが抱えていた物を見せつけ、キュルケはつまらなそうに溜め息を吐いた。
桐山はそれを見るとくくっと小首を傾げていた。
別段、破壊をもたらすマジックアイテムと聞いてもどうも思わなかったのだが、実際に眼で見て意外そうにしていた。
それらは全て、桐山の世界にあるはずのものだったのだから。
「きゃああああっ!」
その時、外で残っているいるルイズの悲鳴が響き渡った。
桐山以外の二人が振り向いた途端、廃屋の屋根が吹き飛んだ。
屋根が無くなったそこには、昨晩も見かけた巨大なゴーレムの姿があった。
「ゴ、ゴーレム!」
キュルケが叫び、タバサは真っ先に杖を振って呪文を唱える。
巨大な竜巻が放たれ、ゴーレムに叩きつけられるが、やはり昨晩同様効いていない。
「フレイム・ボール!」
キュルケも魔法を放ってみるものの、炎に包まれたゴーレムには全く通用していないようだ。
「退却」
タバサが呟くと、キュルケと一緒に一目散に逃げ出していた。
ようやく桐山がゴーレムを振り向き、じっと見つめているとそのゴーレムの表面で小さな爆発が弾ける。

ゴーレムの背後、20メイル程離れた所から魔法を放とうとしていたルイズだが、爆発しか起きないのを見て焦っていた。
(……フーケを捕まえれば、誰ももうあたしをゼロのルイズなんて呼ばない)
一心不乱に魔法を放とうとするルイズにゴーレムが気付いたのか、振り向きだしていた。
逃げ出したキュルケ達を追おうか、ルイズを先にやっつけるか迷っている様子だ。
(……わたしは貴族よ。魔法を使える者を、貴族と呼ぶんじゃない。敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ!)
大きさでは明らかに歯が立たないのは目に見えている。しかし、ルイズは後には引けなかった。
ここで逃げればゼロのルイズだから逃げたのだ、とバカにされるに決まっている。
逃げるなんて、自分のプライドが許せない。
ゴーレムはルイズを先に叩きのめそうと、巨大な足を持ち上げる。

630 :無情の使い魔 6:2010/12/30(木) 04:06:18 ID:We4++fMu
踏み潰されそうになる刹那、ルイズは目をつぶった。

そこにタバサの使い魔、シルフィードに乗っていた二人が空中から同時に魔法を放ち、ゴーレムの体勢を崩させていた。
「何やってるの! 早く逃げなさいよ!」
キュルケが地上にいるルイズに叫ぶが、
「いやよ!」
「あんたの魔法じゃそいつを倒すなんて無理よ!」
「やってみないと分からないじゃ――」
再び杖を構えようとすると、廃屋から飛び出してきた桐山がルイズの服を引っ張って森の中へと入っていった。
「何するのよ! すぐに戻りなさい! あいつはあたしが倒すわ!」
喚き立てるルイズだが、桐山はその場にルイズを置いて再び廃屋の方へと駆けて戻っていった。
「乗りなさい!」
そこにシルフィードが降下してくると、キュルケに促されたルイズはその上に乗せられる。

戻ってきた桐山はゴーレムの攻撃をかわしつつ、廃屋横の崩れかかった物置へと赴いた。
そこに残されていた三つの大きな袋を一辺に肩に担ぎ、ゴーレムの攻撃をかわしながらルイズ達の元へと走った。
「ちょっと、何する気よ。そんなの持ってきて」
ルイズは桐山が持ってきた袋を見て怪訝そうにするが、本人はそれには答えない。
代わりにタバサの方へ視線をやってこう言った。
「それを一つ俺に貸してくれ」
彼女が抱えている杖状の破壊のマジックアイテムを指して言うと、タバサはその内の一つを彼に渡した。
もう片方の肩に担いでいたデイパックにそれを入れる。
「そっか! そのマジックアイテムなら、あんなゴーレムくらい……」
「これを奴の上から一辺に撒き散らせ」
ルイズが歓声を上げる中、桐山は担いでいた袋を置いてゴーレムの方へ戻っていった。
「……何だか知らないけど、言う通りにした方がいいわね」
キュルケが唖然とする中、タバサがレビテーションの魔法で置いていったそれらを浮かばせてシルフィードの上へと乗せる。

桐山はタバサから受け取った破壊のマジックアイテム――否、彼の世界で言うM24型柄付攻撃型手榴弾・ポテトマッシャーをいつでも使えるように手にしたまま、ゴーレムの攻撃をかわし続けていた。
「おい相棒、そんな物で本当にあのゴーレムを倒せるのかよ?」
背負っていたデルフリンガーが怪訝そうに言うが、桐山は答えない。
すると、ゴーレムの上空から白、灰、黒という三色の粉が一辺に撒き散らされてきた。
もうもうとゴーレムを包み、霧のように立ち込める三色の粉。
桐山は手早く手榴弾からピンを外してゴーレムに投げつけると、全速力で森の中へと消えた。
僅かな間の後、森の中で凄まじい轟音が響き渡った。



※以上、6話でした。

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 04:22:47 ID:4Gh3Up4P
普通に面白い

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 04:28:36 ID:3WmRXtVc
乙。
良いぞ良いぞ。

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 04:58:53 ID:NdzNtDSI
乙でした
除草剤とか殺虫剤なんてあるのかよ!って一瞬思ったが
石灰とか鯨油の類かな?

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 06:24:20 ID:PLkb56QG
乙です。
粉塵爆発かよw桐山パネェw

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 07:24:29 ID:REThpUAj


こりゃさすがに死んだな・・・

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 11:14:05 ID:fC+oMRzy
おマチさんの人生終了のお知らせww

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 11:21:23 ID:pPFlL79B
銀狼思い出した

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 11:41:40 ID:DPkfK0ss
きーきーのひとみーにーなにがーうつーってるのかー

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 11:42:30 ID:DPkfK0ss
きみだった…つまらんレスした上に誤字とか恥ずかしい;

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 11:59:42 ID:fC67tbOY
おマチさんの体調不良は肩にくいこんだ弾丸に気付かずに傷口を水魔法で塞いじゃったせいとか?

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 15:27:40 ID:5tkcmM98
>>639
>>638は魔女の宅急便かと思っていた、というのは冗談w

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 15:33:00 ID:6h9DrYaS
相棒の人、帰ってきてくれないかなあ

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 16:49:11 ID:YpBqd/9+
ルイズと契約したことで、アポロガイストに変身する特殊能力を得た伊丹
でも何故か亀山とは互角

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 17:01:44 ID:uX80Fmip
ウルトラマンセロを召喚したらタイトルはゼロの使い魔で決まりだな
あれ?

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 18:24:59 ID:6h9DrYaS
ウルトラマン……セロ?

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 18:34:19 ID:BLGF2aBC
宮沢賢治だな。

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 20:09:58 ID:aqht+zVm
セロ弾きのギーシュ

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 20:12:17 ID:Wrd8sJuy
>643
しかも、平成ライダー的には亀山鶴丸。

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 21:15:22 ID:m7MPvB/0
>>644
ゼロ”の”じゃなく、ゼロ”が”使い魔だろ

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 21:17:51 ID:8u+MuY0E
>>642
戻ってきてほしい人ってあげたらオイラ止まんないよ?
とりあえず爆熱のひとが筆頭ね
あと女帝のひと
他にも・・・・・それから・・・・・あのひとも・・・・・あのひとだって・・・・


まあそれだけ沢山の人がエタってるってことなんだけどね

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 21:32:58 ID:kzzGyunn
虚無の闇…

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/30(木) 23:02:10 ID:REThpUAj
虚無から生まれし者・・・

ルイズが使い魔と一緒に廃屋に閉じ込められました

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 00:50:25 ID:2Xh4H18q
クロノトリガーやってたら
ED後ハルケギニアに召還されるロボを思いついた

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 00:53:06 ID:buNIsKzo
思いつきを形にできるかどうか
それで人生が分かれるんだ
SSだけの話じゃあ無いんだよ

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 00:59:55 ID:LXMeIszR
フリーゲームのキャラやカードワースのNPCを召喚 ってのは有りだろうか。

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 01:04:10 ID:ZGMwlOt5
こち亀の日暮さん召喚
召喚されてから一度も目覚めないままルイズは卒業を迎え
自分の恥でもある「起きない平民」を実家に連れて帰ることを良しとせず
ルイズは魔法学園の馬小屋の奥に日暮さんを押し込んで魔法学園を去った後
日暮さんが覚醒する

そして24時間の覚醒で窮地に立った、と言うかもうグダグダになっていたトリステインを救い
学園の食堂の飯を大量に食べたのち再び四年の眠りに就くけれど
ルイズはそんなことに気付かなかったのだった


なんて

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 01:26:52 ID:uEpy7fC8
>>598
ブラックライトニングで
ラグナロクのリロイ・シュバルツァー召喚と思いついた

なんか、召喚初日からキュルケとヤってそうだな…
あと、こいつにガンダ印は無意味

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 01:48:13 ID:DTNzCO30
>>657
懐かしいネタ持ってきたな、おいw

フェンリル辺り召喚したら大喜びかもね
ルイズとの絡み思いつかんけど

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 01:54:20 ID:rcCVfm8I
>>655
まずは書け、話はそれからだ
カードワース大好き!

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 02:20:05 ID:1DCJvDeI
>>659
カナン王召喚ですね。

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 02:26:01 ID:LXMeIszR
>>660
やっべ聖水一本でチート剣と鎧をくれる僕らのカナンをすっかり忘れてた。

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 02:38:23 ID:WdnebdwS
むしろまじかるカナンを(ry

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 03:13:59 ID:rcCVfm8I
レベル5技能カード:ウィンディ・アイシクル

複数の氷の矢を生み出し、敵全体を攻撃する。水と風を連携させたトライアングルスペル。
物理的魔法攻撃だが命中精度・威力とも信頼性が高く、コボルト程度の敵ならば確実に息の根を止めるであろう。
この魔法の行使には雪風のように強い精神力と、冷静沈着さが必要とされる。

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 04:44:53 ID:1px4Dd42
トライアングルだっけ?
タバ冒3巻でドットとか書かれてなかった?

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 06:41:15 ID:DPr0bhjr
>>664
タバ冒3巻ではドットスペルとか言われてるけど、
それ以前だと確かトライアングルスペルとか言われてた気もするので割といい加減。
というかそもそも水と風を合せて氷を作るんだろうから、
最低ラインじゃねーの? とたまに思う。どうなんだろうねその辺。
設定ウィキだと「風風水のトライアングルスペル」とあった。

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 09:43:12 ID:pjSMPWPw
「水」を「風」で冷やして凍らせ「風」の力で飛ばすと考えるならトライアングルかな

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 11:04:49 ID:pKTdPp4k
設定がワリと曖昧なのがゼロマの魅力よ!

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 11:07:25 ID:1OrG/i5V
ウィンディ・アイシクル自体は風と水が使えるドットメイジなら使えるスペル

ただし、風水より風水水と足してった方が強くなる為ドット〜スクウェアで威力が変動する

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 11:50:57 ID:iua0PBzS
ドットメイジなら風か水の単一でしか使えないんじゃないか
それとも風か水のどちらかが使えればできる魔法なのか?

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 11:58:14 ID:CgyWKXPz
>>669
>それとも風か水のどちらかが使えればできる魔法なのか?
だとすると初期のモンモンやマルコリでも使えるな

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 12:14:31 ID:blSNyb8j
錬金は土の魔法だけど系統問わずにドットでもできるんじゃなかったっけ
そこら辺の曖昧さ加減で何とかなるんじゃね

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 13:13:16 ID:FemActrh
【宣伝】現在『ゼロの使い魔のSSを語るスレ』にて本年度のssの大賞、新人賞、短編賞、ベストクロス賞を決める投票が開催中です。
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締め切りは本日21:00までです。
 
以下、何事もなかったようにお願いします。

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 15:47:02 ID:Hw+Z4OkA
もし東方不敗がシエスタの曽祖父だったら、タルブにはマスターガンダムが眠っているのかな。
東方先生没後に先生が精神力で抑えていた進化や増殖までこなしていたら、どんな機体になっているんだろうか。
やっぱり対魔法の能力とか追加されてるのかな。

増殖と言うか分裂して、葡萄やらワインを作ってたら面白いかもw
地球と違って環境は良いだろうから、友好的にやっていけるだろうしさw

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 16:02:35 ID:FCtcEAh+
>>673
>葡萄やらワインを作ってたら

お前のせいで農作業に精を出すマスターガンダム達が思い浮かんでしまったじゃないかどうしてくれるw

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 16:05:09 ID:kjmFwcF1
洗濯に精を出す、ブラックドールか。

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 16:37:09 ID:nU1GRS1H
>674
大丈夫、首に手拭い麦わら帽子で鍬を振るう横井画伯絵だ、問題ない。

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 17:18:05 ID:7UFrK6nY
憑依系ってご法度なんだよな
シャーマンキングとか電王とか

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 17:22:19 ID:1px4Dd42
そうでもない筈。原作で憑依系能力を備えていたキャラなら問題ないと思う。

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 17:27:11 ID:61erU1JK
>>677

それは本気で言っているのか?


本気で聞いていると仮定していうが、2次創作系で嫌われる「憑依系」ってのは、
作者とかが原作キャラに憑依して好き放題する最低SSの一種だぞ。

ネタだったら30スレぐらい遅い。

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 17:28:40 ID:wd181GZh
まぁ初めて憑依とか転生って見た時は、どういう意味かはわからんかったわ

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 17:29:26 ID:oQIR03av
例えばルイズがスタンドだのペルソナ能力に目覚めるだけなら問題無いのか。

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 17:30:21 ID:7UFrK6nY
>>678-679
あ、そういうこと

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 18:11:25 ID:wTJ2Anrt
>>681
それは違くね?
良いか悪いかは置いておいて、上で出てるとは違くね?

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 19:44:31 ID:KlghhZlK
>>681
それは魔改造系だな

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 19:54:59 ID:GwsyDoqR
>>655
フリーゲームはダメじゃない?
拡大解釈すればツクールかなんかで適当なのでっち上げてそこから引っ張ってくるとか出来ちゃうし
メジャーなのからとかでやるにしても線引き難しいし

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:01:33 ID:Y6fEyJPx
>>681>>683-684
たぶんオリキャラ化したらアウトだよな

ジョジョなら矢で貫かれてオリジナルスタンドが生まれたらアウトで、
ホワイトスネイクがDISC化した既存スタンドを得るならセーフとか?
ワンピースのボムボムの実を召喚したのは後者のパターンだよな。

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:06:44 ID:Y6fEyJPx
>>685
前にも同じような話があったような・・・
フリーゲームだったか同人だったと思うけど、その時も
「オリキャラ作り上げてそいつを引っ張ってきたらどうするか?」
ってのが挙げられてた気がする

オチは忘れたけど、メジャーな物の例として東方が挙げられてたな
さすがマスターアジア!

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:18:17 ID:jTz0lFA7
>>673
師匠がタルブにいたら、マスターガンダムはもらえないけどバリバリ健康体な師匠と風雲再起が格闘技を叩き込んでくれるんじゃね
空気綺麗だから生き生きしてそう

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:24:43 ID:sdy9q2w8
シエスタに因縁つけたギーシュが天驚拳で返り討ちされるのか

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:42:07 ID:kjmFwcF1
>>688
そうだよなあ。元の世界じゃ、他のシャッフルと同年代なのに1人だけあんなに老け込んじまってるんだもんな。

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:47:23 ID:CgyWKXPz
>他のシャッフルと同年代
マジ!?

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:49:01 ID:Y6fEyJPx
ちょっと待ってくれ、曽祖父だろ?
師匠もそうだけど風雲再起は長生き過ぎるだろw

>>689
そもそも魔法学院にシエスタ居なそうw
姫さまの親衛隊長でもやってるんじゃないか?

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:54:16 ID:kjmFwcF1
>>691
49歳。

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:54:25 ID:RN5MPfKt
ハルケギニア産ガンダムファイター作るとしたらどうなるかな?
ノーベルガンダム、ネーデルガンダムの例から基本なんでもあり。

トリステイン代表、レップウガンダム
アルビオン代表、レボリューションガンダム

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/31(金) 20:58:13 ID:SqjajMZd
>>692
俺は師匠以上に風雲再起が寿命で死ぬ絵が想像できないw

696 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 21:01:54 ID:SrOMZj+R
どうも今晩は。無重力の人です。
もう2010年もあと三時間ほどで終わってしまいますね。
とりあえず38話を投稿します。
何の支障もなければ、21時10分から始めたいと思います。
もし出来るのであれば、支援の方をよろしくおねがいします。

697 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 21:10:54 ID:SrOMZj+R

 
「貴方、霊夢を召喚するまではあまり他人と一緒にいたことが無かったでしょう?」
「――――――………え?」

予想もしていなかった紫の言葉に、ルイズは唖然とした表情を浮かべてしまう。
夜中に叩き起こされ、話があるからと言われていきなりそんな事を聞かれるのだから無理もない。
一方の紫は、そんなルイズとは対照的に落ち着いた表情で返事を待っていた。
そんな紫に気づいてか、とりあえずは何か言わなくてはとルイズは口を開く。
「な…なんでそんな事を聞くのよ?」
「別に?ただ貴方の顔を見てたらなんとなくそんな質問が頭をよぎっただけですわ」
ルイズの質問に紫はなんてこともないと言いたげな感じで返し、何故か意味もなくウインクをする。
一体どんな理由なのよ…とルイズは心の中で突っ込みつつ、頭の中でそうかもしれないと感じていた。

―――貴方、霊夢を召喚するまではあまり他人と一緒にいたことが無かったでしょう?

(仲は悪いけど構ってくれるヤツはいるし優しい家族もいるけど…本当はずっと孤独だったのかも…)



――魔法という魔法を一切使えない名家の末女が、名門中の名門であるトリステイン魔法学院にいる。

入学してしばらくした後その話が広まり、いつの間にか私は同級生達から虐められるようになった。
男子女子分け隔て無く、様々な理由を使って私を精神的に追いつめようとしてきた。
バケツの水を頭から被ったり髪を引っ張られたり、というのはまだ良かったがブラウスやマントに落書きされるのは辛いモノだ。
何せ洗濯を担当している給士達がそれを見つけると、汚れたブラウスやマントを着こなす私の姿を思い浮かべて含み笑いをするからである。
その瞬間を偶然目撃してしまった私は怒るよりも先に、これからの学院生活はどうなってしまうのかと思わず泣きそうになった。

上級生達も名家の末女であるが魔法の使えない私に興味が無いのか、声を掛けて来る者は少なかった。
声を掛けてきた者も、自然と私の傍から離れていった。
教師も遠くで見ているだけで、助けようともしなかった。
その所為か同級生達から受けるいじめも段々エスカレートしていき、遂にはあの二つ名を貰う羽目になった。

『ゼロ』

そう、ゼロである。何も持っていない、才能無き者を意味するその二つ名。
今まで何もしてこなかった上級生達はそれにウケたのか、以後私は「ゼロのルイズ」と呼ばれるようになった。
同級生達からそう呼ばれるのはまだ構わない。少なくともこちらの文句を遠慮無くぶつけることが出来る。
しかし顔も知らぬ先輩にそう呼ばれるのはかなり精神的に応えるモノがあった。
こちらを見下す高圧的な目線と、自分を見てほくそ笑んでいるかのような薄い笑顔。
流石の私も精神的に参ってしまい、一時期は酷い憔悴状態に陥っていたのを今でも酷く覚えている。
唯一の救いといえば、今まで何もしていなかった教師達の一部がそんな私を助けようとしてくれた事だ。
彼らの良心が無ければ、今頃自分はこの学院から自主的に出て行ったであろう。

思えば物心ついたときから、自分の傍にいつもいてくれる味方などいなかった。

魔法が使えないという事を知った私の両親は、その代わりにと様々な事を私に教えた。
一般知識や様々な魔法のこと、テーブルマナーから歩き方についてまで。
物心ついたばかりの私には厳しすぎてついてゆけず、厳しい母親に毎日のように叱られていた。
父親の方は私に優しかったが、その逆をゆく母親にいつも縮こまっていて私を助けてはくれなかった。
更に追い打ちを掛けるかのように、一番上の姉がいつもおちょくってきた。
屋敷に仕える給士たちも陰で私の事を言い合って笑い、私はそれからいつも逃げていた。
たった一人の、本当の味方とも言える二人目の姉はとても優しく、私の理想の人物であった。
しかし彼女はヴァリエール領の実家ではなくではなくその近くにあるフォンティーヌ領の屋敷に住んでいる所為か、滅多に会うことはなかった。
私がまだこの世に生を受ける前から、彼女はとても重い奇病を患っていた。
その為、魔法学院学院やお嫁にも行けず泣く泣く両親は療養も兼ねたフォンティーヌの屋敷に住まわせた。

698 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 21:15:01 ID:SrOMZj+R
 
私が生まれてからも何人もの医者が彼女を診たそうだが結局全てが無駄に終わり、その事でいつも私の両親は頭を抱えていた。
更にそんな事をしている内に姉の病気は酷くなり、一時は本当に死ぬかも知れないと主治医に言われたこともあった。
それでも姉はなんとか元気になり、今では主治医に死ぬかも知れないと言われるような事はなくなった。
だからといって病気が直ったというワケではないが、少なくとも屋敷の廊下や中庭を平気で歩けるようにはなった。
良く実家にも帰って来てくれたし、その時には私の話を聞いてくれたり同じベッドで寝てくれるのだ。
両親や厳しい方の姉も彼女の事を気遣っていたし、現に両親は私が十六になっても未だ彼女の病気をなんとかしようと頑張っている。


しかしある時、不幸にも私はこんな陰口を聞いてしまった。
「ルイズお嬢様は難儀だねぇ」
「あぁまったくだよ。上のお二人があんなに出来るというのに…」
「しかもそのお二人の内、次女様の方は重い奇病を患っているし」
「もしもルイズお嬢様がその病気を患っていたら、今頃どうなっていたのか…」
「おいお前、それは流石に不謹慎過ぎるぞ…?」

そんな話を聞く度に、私は自分の存在がどれ程のモノなのか悩んでいた。
もしかしたら、自分なんてこの家にいて欲しくない存在なのだろうか?
だとしたら、母親のスパルタ教育にも納得できた。
当時は、親の七光りであろうとも厳しい教育を受けていれば何処かの貴族と結婚することが出来る。
名家であろうとも、魔法があまりにも下手な貴族の子供達はみなそうしていた。
事実その頃のルイズも親同時が決めたのだが、大分年齢の離れた婚約者がいたのである(今はもういないが)。

(でも、魔法が全く使えない私が結婚なんて…出来るのだろうか?)
そんな事を思いながらも、物心ついたばかりの私はいつこの家を追い出されるのだろうかと内心ヒヤヒヤしていた。
だけど結局誰にも追い出されることなく、私は無事魔法学院へと入学することになった。
それが、さらなる苦しみになるとも知らずに。



「あらあら、そんなに苦しそうな顔して。…どうやら図星のようねぇ?」
楽しそうな紫の声にルイズはハッとした表情になり、勢いよく頭を横に振った。
どうやらあまり気持ちの良くない回想に浸っていたようで、顔も自然と強ばっていたようだ。
そんな自分を見て楽しそうな表情を浮かべる紫を見て、もしかして遊ばれているのではないか?とルイズは疑問に思った。
話があるとか借り物を返しに来たとかいうのはタダの建前で、本当は自分をおちょくりに来ただけなのかと。

(もし、それが本当だとするならば…)
そう、思った途端。
体の中に溜まっていたストレスや怒りがこみ上げて来るのを、ルイズはすぐさま感じ取った。
学院に入ってからはこの様な怒りをぶつける相手はある程度決まっていた。
自分をからかってくる生徒達やあの忌々しいツェルプストーに、使い魔として召喚してしまった霊夢と新しく居候となった魔理沙だけだ。
いつもならばすぐにこの怒りを解放し、それを言葉や体の動きに替えて目の前の相手に発散していただろう。
しかしルイズは、今目の前にいる妖怪相手に自らの怒りをさらけ出すことは良くないと感じていた。
それは直感や勘ではない――本能レベルでそう思ったのである。

――自分の感情をそのまま彼女にぶつけてしまうのは。何か良くないような気がする

自然と頭の中に浮かんできたその結論に、ルイズは恐怖した。
ルイズの中にある人間としての本能が、今目の前にいる妖怪に対して大きな恐れを抱いているのである。
彼女はすぐさま、この怒りの感情をどうにかしようとしたがそれを考える暇すら無い。
自然と母親譲りの鋭い目が細くなり、その瞳は僅かばかりの怒りを孕んでいる。
正に怒りという感情そのものが、人に乗り移ったかのようだ。
普通の人間ならばこれからすぐに起きるであろう事態に自分の運の無さを実感するであろう。

しかし不幸な事に、今目の前にいるのは人間ではない。
人間よりも大分厄介で、何を考えているのか全くわからない人の姿をした人外である。

699 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 21:20:02 ID:SrOMZj+R
 
「怖い目つきねぇ。そんなに怒りっぽいと折角の可愛い顔が台無しになりますわよ」
ルイズの顔を見ていた紫は、鬼の首を取ったかのような嬉しそうな顔でそう言った。
以前何処かで聞いたかのような紫の言葉にルイズは再度頭をブンブンと振ると、勢いよく席を立った。
人を小馬鹿にするかのような紫の物言い対してルイズは、本能よりも自分の感情を優先させることにしたのである。
「いい加減にしなさいよ!人をこんな夜中に起こして何をしたいのよ!?」
「別に何もしないわ。ただちょっと貴方と話し合いをして、今後のことを決めるだけよ?」
並みの人間なら怯んでしまうほどの雰囲気を放つルイズを前にして、紫は涼しい顔で返事をする。
そんな彼女にルイズは怒りのボルテージを益々上げる羽目になり、思わずテーブルを勢いよく叩いてしまう。

「今後の事って何よ!大体アンタは…」
「あなた、゛単純明快で神の如き゛力が欲しいんでしょう?」

テーブルから身を乗り出しつつ怒鳴り散らしていたルイズの罵声を、紫の言葉が遮った。
そのたった一言が怒り心頭であったルイズの頭の中に響き渡り、ピタリと体の動きを止めてしまう。
紫はルイズ体が止まったのを確認した紫はゆっくりとした動作で席を立ち、喋り始めた。

「霊夢や私のように、持っている者だけにしか使い方がわからない能力に憧れているのよね、貴方は?
 まぁあの娘が自分の能力の全てを把握しているとは思えないけど…持って生まれた才能のお陰で割とうまく使いこなしてるわ。
  貴方もそうよね?他者が崇拝と畏怖の念を持ち、仕組みは簡素でありつつ自分だけにしか扱えない…といった程度の力が欲しいのでしょう?」

喋りながらも紫はゆっくりと歩き出し、喋り終わる頃には丁度ルイズの背後に立っていた。
一方のルイズはというとテーブルから身を乗り出した形で硬直はしていたが、その顔にはもう怒気は宿ってはいない。
ただその代わり今の彼女の顔にはまるで暗い夜道で化けものと出くわしたかのような表情が浮かび始めている。
そんなルイズの事を知って知らずか紫は尚も喋ることをやめず、忙しく口を動かして言葉を出してゆく。

「まぁ何も持たず、誰からも蔑まれて生きてきた貴方と同じ年頃の子なら誰でもそういうのは考えるモノね。
  私は貴方よりも酷い教育環境にいる人間達を暇つぶしで五万と見てきたから貴方なんてずっとマシな方よ?
   でもそんな連中ほど力を持てば大抵は破滅するような人格破綻者ばかり…それを言えば貴方もそういう輩と同類かもね。プライドの有無関係なく」

段々とその言葉に棘が混ざりチクチクとゆっくり、しかし鋭い痛みを伴ってルイズの心に突き刺さる。
それでもルイズは背後に佇む一種の恐怖に負け、動くことは出来なかった。

「でも…ここの学院では貴方は結構な人格者だと私は思ってるわ。
 勤勉で規律を守り、尚かつ断固たる意思を持つ貴方は意外にも私も惹かれたのよ。
  まぁ魔法が使えなくとも、貴方は素晴らしい力を持ってるじゃない。そう…―――――」

そこまで言った時、ふと紫は喋るのを唐突にやめてしまった。
一体どうしたのかしら?と疑問に思う前にルイズの視界がグルリと回った。
そして突然の事に驚く暇もなく、背後にいた紫と目が合ってしまう。
彼女はまるで造り物と思えてしまうほどの均整のとれた顔に笑顔を浮かべていた。
何時か見た時とはどこかが違う、人を得体の知れない不安という名の海へと突き落とすほどの笑顔を…

「使いこなせればこの私を殺せる力を――貴方は持ってるのよ?」





「……あぅっ」
ふと自分の口から出たよくわからない言葉に、ルイズは瞼をゆっくりと開ける。
鳶色の瞳が自分の横で寝ている魔理沙を捉え、ルイズは自分のベッドで横になっているのだと気づいた。
ルイズは口をポカンとあけたままむっくりと上半身だけを起こし、テーブルの置いてある方へと視線を向ける。
さっきまで椅子に腰掛けて紫の話しを聞いていたというのに、そのような痕跡は何処にもない。
というよりも、最初から自分の夢だったとしか思えないほど誰かが使ったような痕跡は残っていなかった。
「夢…だったのかしら。なんだか記憶も曖昧だし…」
ルイズはまるでそう思いこもうとするかのように呟いた。

700 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 21:25:24 ID:SrOMZj+R
彼女の頭の中には確かに「紫に起こされて返す物と話があると言われた」ところの記憶はあったが、そこから先の記憶は全くなかった。
まるで数百ページもある分厚い小説の一ページだけを抜き取ったかのように、あまりにも不自然な空白となっている。
以前にも何処かでこんな体験をしたような。ルイズがそう不思議がっていた時…。

「よぉ。なんだか見ねぇ内に見慣れねぇのがいるじゃねぇか?」
「うひゃぁっ!?」

ふと自分の足下から聞こえてきた声に、ルイズは驚きのあまり飛び上がりそうになるのを堪えた。
そのかわり、結構な大声が口から出てしまったのだがそれで魔理沙が起きることはなかった。
ルイズは突然聞こえてきた声に動揺しつつも、慌てて自分の下半身を覆っているシーツをどけた。
シーツの下にあったのは、自分の足下に添えるように置かれた鞘に入れられた一振りの太刀であった。
何故か鞘から少し刀身を覗かせている状態であり、人が人ならちゃんと入れたくてうずうずしてしまうだろう。
その太刀を見てルイズは、この太刀とは以前何処かで合った覚えがあると気づき、その名前を口にした。
「デルフ…デルフリンガー…だっけ?」
「なんでハッキリ言わねぇんだよ。あぁそうだよ、インテリジェンスソードのデルフリンガー様だよ」
いかにもうろ覚えですといいたげなルイズの言い方に、太刀―――デルフリンガーは鎬の部分をカチカチ鳴らしながらやけくそ気味に言った。
普通の人間ならば剣が喋ったと言うだけで卒倒してしまうだろうがルイズは特に驚きもしない。
何故ならハルケギニアにはデルフのような意思を持つ剣―インテリジェンスソードが存在するからだ。
それにルイズ自身、デルフとは二回ほど出会っているため尚更であった。
最初の時はフーケの起こした事件で学院長室へと呼ばれた時。
二回目はコルベールの所へ赴いていた霊夢が持って帰ってきたとき…。
そこまで思い出してルイズは気が付いた。

「そういえばアンタ、今まで何処にいたのよ?今までずっと忘れてたわ」
「娘っ子。お前さん可愛い癖にひっでぇ事いうんだな」
ルイズの口から出た言葉に、デルフは素直な感想を述べた。

◆    ◆    ◆

ルイズはベッドでグッスリと眠っている魔理沙の横に座り、デルフからこれまでの話を聞いていた。
話を聞く限り、ルイズが霊夢と一緒に幻想郷へと言った直後、デルフも紫の手で幻想郷に持ち出されたらしいのだ。
まぁインテリジェンスソードの存在を知らないのなら、興味津々になるのも無理はないであろう。
それで霊夢達の知らないところで色々な事をされたらしい。
デルフ曰く「来る日も来る日もあちこち調べられたり質問攻めにあったりして大変だった」という。
あの隙間妖怪は質問癖でもあるのだろうか?ルイズはそんな疑問を頭の中で思い浮かべたが、すぐに消した。
そして今日、何故かは知らないがルイズに用事あるついでにこの世界へ戻ってきたそうだ。
「というワケで…俺は色々と調べ回されちまったんだよ」
「へぇ…じゃあユカリが言っていた借り物ってアンタのことだったのね」
彼女自身今まで何処に行っていたのか気にもしなかったが、紫が言っていた事の意味がわかり満足していた。
「自分に返ってくる物」に対して心当たりが全く無かったルイズは僅かばかりの不安を覚えていたのである。
「やれやれ…オレっちは長いこと生きてきたがあんな体験は初めてだったぜ、全く」
霊夢が持って帰ってきたこのインテリジェンスソード、元いた世界に戻れて良かったのか少しばかり機嫌が良さそうだ。
インテリジェンスソードの持つ意思は、本当に人間と思ってしまうほど精巧に作られている。
まぁ私も初めてだったけどね。とルイズは言おうとしたが、その前にある事に気が付いた。
今自分とデルフ、それに魔理沙が寝ているベッドから少し離れた所に来客用のソファーが置かれている。
普段はしまっているそのソファーで寝ている筈の霊夢が、今はいなかった。
もしかしたら一人で真夜中の散歩かしら?一瞬だけ思ったが、その考えをすぐに否定した。


701 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 21:29:53 ID:SrOMZj+R

霊夢がこの場に居ないと気づいた直後、ルイズの体を今まで感じたことのない緊張感が包んでいるのだ。
終わるまでは決して途切れることのない、窒息してしまうかのような。
(なんか良くわからないけど…嫌な予感がするわ。何だろうこの感じ…)
ルイズはその感じに不安を覚え、無意識のうちにベッドのシーツをギュッと握りしめた。
一方、霊夢がそこで寝ている事を全く知らないデルフは暢気そうな感じでルイズに尋ねる。
「どうした娘っ子?あの大きなソファに幽霊でも座ってんのか?」
「何言ってんのよアンタは?あのソファで寝てる筈のレイムがいないのよ。………ってアンタは知らないか」
「何だって?」
デルフの冗談めいた言葉に突っ込みつつ、ルイズは真剣な表情そう応えた。
それを聞いたデルフは驚いたのか、鎬の部分をチャカチャカと激しく鳴らした。
「娘っ子、お前さんがあまりにも怒りやすいから愛想尽かされたんじゃ…イテ!」
「そんなワケないじゃないの?むしろ愛想尽かしたいのはコッチの方よ」
言い終える前に、ルイズは鞘越しにデルフの刀身を思いっきり叩いた。



魔法学院の塔には、全て屋上が作られている。
ただ屋上といっても実際は階下に通じる階段へと続く穴がある以外、何もない。
あるのはそれほど高くない石塀が、屋上の円周をグルリと囲んでいるだけである。
そんな場所にたった一人、眼鏡を掛けたタバサがヒョッコリと穴から顔を出した。
最初に右手で持っていた杖を先に穴から出し、次に自身が穴から素早い身のこなしでもって出た。
容赦ない疾風が彼女の体を撫で、力を抜けばそれこそ紙のように飛んでいってしまうであろう。
しかし゛風゛系統の使い手であるタバサにとってこれぐらいの風など大したことなど無い。
その気になればこの風よりも更に強く、鋭い殺人的な突風を巻き起こすことも出来る。
だが今のタバサにとってはこの疾風よりも、眼下に広がる学院を見下ろすことが最優先事項であった。

やがて彼女の視線が学院の警備をする衛士の宿舎へと向いたとき、その動きがピタリと止んだ。
そこに何か違和感を感じたのであろうか、タバサは゛遠見゛の呪文を唱えた。
この呪文は゛風゛系統の魔法であり、その名の通り遠くの様子を見ることの出来る便利な魔法である。
正に鷹の目とも言える魔法を使い、タバサは宿舎の裏側部分へと視線を向ける。
彼女の目に広がっているのは、夜の闇よりも更に暗い粘ついたような闇であった。
まるで紙のこぼしたインクのようにジワジワと空気に溶け込み、広がってゆく。
そしてその近くに、タバサの探していた少女の姿もあった。

「みつけた」
タバサはそれだけ呟くと懐を漁り、そこから小さなモノクルを取り出した。
一見すれば新品同然とも思えるほど、綺麗にされている。
タバサは掛けていた眼鏡を外すとそのモノクルを掛けた。
後はジッと…何もせず、このモノクルを通して行われるであろう戦いを見通すだけ。

今の彼女のするべきことは、ただそれだけである。



トリステイン魔法学院
           衛士隊宿舎 裏庭

闇だけが支配するその場で、霊夢は自然の摂理から大きく外れた怪物と対峙していた。
人の体を基本として様々な昆虫の体の一部をつなぎ合わせたかのような姿をもつソイツは、体中の間接から黒い霧のようなものを出している。
それは段々と怪物の体を包みつつも、ゆっくりと周囲の空気混ざってその範囲を広げていく。
何が起こるのかはまだわからないものの、霊夢はそれが単なる目つぶし攻撃だと理解した。
(とりあえずはあの老人よりも、コイツをなんとかした方が良さそうね…)
先程まで仮面を付けた老貴族の゛幻影゛が佇んでいた場所を睨みつつ、霊夢は思った。
恐らく今朝方の事もあのナメクジの化けものや今目の前にいる虫の化け物も、あの老貴族がけしかけたに違いない。
ただ今は何処にいるかもわからない黒幕よりも、今は目の前にいるキメラを倒すことにした霊夢はすぐさま行動に移った。

702 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 21:37:20 ID:SrOMZj+R
霊夢は先程回収した数枚あるお札の内一枚を手に持つと軽く霊力を送り込み、勢いよく霧の中に向かって投げつける。
するとさっきはただ直進するだけであったお札が、まるで意志を持ったかのように軽いカーブを描いて霧の中へと入っていった。
彼女の十八番でもある追尾性能を持つお札は、霧の中にいるであろう目標に向かっていく。
(もしそこから出ないというなら、こっちから出してやるわ…)
お札が中に入ってから行き次ぐ暇もなく、あのキメラが奇声を上げつつ霊夢の方へと飛びかかってきた。
「ギィイィ!」
黒板を引っ掻いたような金切り声を上げ、キメラは左手の甲から生えている二本の爪を振り回した。
クワガタムシのアゴと酷似しているそれを、霊夢は素早く後ろに下がる事で回避する。

自分の攻撃を避けられ、キメラは目の前の相手に接近しようとするがそれよりもまず優先すべき驚異の方へ意識が向き、後ろを振り向く。
そう、霊夢の投げたお札がそれなりの速度で今まさにキメラの体に貼り付こうとしていた。
目の前の驚異に対して、先程の様に跳躍して避けるのには手遅れだとイナゴの頭で考えたのか、カパッとアゴが開いた。
開いた先にある口の奥から勢いよく緑色の液体が噴き出し、それはギリギリの距離にまで迫ってきたお札に付着した。
謎の液体がかかった瞬間音を立ててお札が溶け、跡形もなく消滅してしまう。
優先すべき驚異を排除した瞬間、背後から倒すべき目標が再度攻撃を仕掛けてきた。

「フッ…!」
投げたお札を溶かしたキメラの背後から、霊夢は退魔針を数本指の間に挟む。
自分に背中を見せているキメラの、霧を吹き出していた間接へと狙いを定めると勢いよく投げた。
先程のお札とは圧倒的に速度が違う数本の退魔針はストッ、と小さな音を立ててキメラの間接部に深く刺さった。
甲殻で覆われた他の部分とは違って内側の部分がむき出しになっている間接を攻撃され、キメラは悲鳴を上げる。
ついで勢いよく黒い霧を吹き出そうとするのだが、先程とは違い霧の出が悪くなってしまった。
恐らく霊夢の投げた針が、偶然にも霧の出る器官を塞いでしまったのであろう。
「まぁ、臭い物には蓋をしろってヤツよ。栓じゃなくて針だけど」
懐からお札を一枚取り出しつつ、霊夢は気怠そうな顔でそう言った。
霊夢の動きを見て攻撃してくると察知したのか、キメラは叫び声を上げると再び左手の爪を振り回して襲いかかってくる。
その動きは先程襲いかかってきた時とは比べようもなく素早く、回避しなければ致命傷は間違いないであろう。
「最初は手強いかと思ったけど、そうでもなかったわね」
霊夢はそんな相手に対しそれだけ言うと勢いよく地面を蹴り、襲いかかってくるキメラの方へと突っ込んで行った。



「 ギ ィ゛ ィ゛ ィ゛ ィ゛ ィ゛ ィ゛ ィ゛ ィ゛ ィ゛ ! ! 」
自分の方へと突っ込んでくる霊夢に対しキメラは叫び声を上げつつ足を止め、爪を振り上げた。
対して霊夢は目を細めると、目にもとまらぬ速さでキメラの懐へと潜り込んだ。
次の瞬間、キメラは振り上げていた左手の爪を自分の懐にいる霊夢の背中目がけて、振り下ろした。
だがそれよりも速く、霊夢の体が霧に包まれたかのように消失し、爪は空しく空気を切るだけに終わってしまう。
いきなり消えた相手にキメラは咄嗟に周囲を見回し、ふと自分の左腕に何かが貼り付いているのに気が付いた。
それは一枚の白い縦細長の紙であり、良くわからない記号や文字が書かれている。
最もキメラにはその意味などわかりはしないであろうが、本能的にそれが危険な物だと察知は出来た。

この紙を剥がそう――

本能がそう告げた瞬間、紙が発光しキメラの複眼を通した視界を焼き尽くした。
その光はやがて痛みを伴う爆発へと進化し、キメラの体を蝕んでゆく。
左腕、左足、そして体の左半分を凶暴な光が飲み込み…そして。

魔法学院の一角で、小さな光が灯った。
触れたモノがモノならば一瞬で蒸発されてしまう、霊力で出来た光が。



「…ふぅ」
お札の爆発に巻き込まれたキメラを少し離れた所から見ていた霊夢は安堵の溜め息をつく。
正直、彼女自身も割と危険な行為をしたもんだと改めて感じていた。

703 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 21:48:14 ID:SrOMZj+R

あの時ギリギリまで近づいてキメラの左腕にお札を貼った後、攻撃される前に瞬間移動で距離を取っていたのである。
一歩間違えればあのキメラの攻撃をモロに喰らっていただろうし、それで何が起こるか全くわからない。
そんな危険な事をしなくても、離れた所から弾幕を放てば倒せるという事も当然霊夢は考えていた。
しかしそれをすると低脳の化け物相手にお札を無駄にしてしまうし、何より面倒くさかったのである。
「こんな事になるなら、スペルカードはいらなかったわね」
霊夢はひとり呟きながらも、爆発の範囲が思ったよりも小さかった事に気が付いた。
しかし威力は大したものであり残ったのは右腕部分と頭部、それに良くわからない肉片だけであった。
特に頭部と右腕部分はピクピクと痙攣しており、それを見て霊夢は舌打ちした。
「全く、今日は散々ね。良くわからないヤツからこんな化け物をけしかけられるわこんな気持ちの悪いモノ見せられるわで…」
霊夢は愚痴を呟きつつ、ふと空を見上げた。
未だに双つの月は黒い雲によってかなり遮られており、月明かりは地上にまで入ってこない。
それでも陽が落ちたばかりの時よりかは大分マシになっており、うっすらとではあるが雲の合間から月がチラチラと見て取れる。
霊夢は雲の隙間から月を見ながら、今日起こった出来事を思い返していた。

(何でアイツはこんな奴等を私にけしかけてきたのかしら。 
 大して強くもないし…。どうせ襲うのなら正々堂々やってきなさ…―――――…ん?)

そんな時、霊夢はある事に気が付いた。
最初は単なる気のせいかと思ったものの、自分の周りが段々と暗くなっていくのに気が付いたのだ。
今夜は月明かりが無いという事もあって相当暗いが、それでも霊夢の目は誤魔化せなかった。
とりあえず目を擦ってみるが、それでも視界は一向に良くならない。
一体どうしたのかと霊夢が疑問に思った瞬間、ある事を思い出した。
「まさかあの化け物が出してた霧かしら…こんなに広がるなんて」
そんな時、追い打ちを掛けるかのように霊夢の体に更なる異変が襲ってくる。
「う…ケホ、ケホ…この臭い…何処かで嗅いだことのあるような…」
突如漂い始めた悪臭に霊夢は鼻を押さえながら、すぐ近くで転がっている肉片へと目をやる。
その先には霊夢の予想通り、キメラ゛だった゛肉片が音を立てて溶け始めている瞬間であった。
肉が焼けるような音と共に肉片から白い泡が出て、ゆっくりと全体を包み込んでゆく。
それに伴い悪臭も段々と酷くなり、流石の霊夢も思わず吐きそうになってしまう。
「うぐ…どうしてこういう連中って死んでも人に迷惑を掛けるのかしら…」
胃液がこみ上げるのをなんとか抑えつつ、もう少し離れようとキメラに背を向けて歩き出した。
どうせあんな状態になれば最後には溶けて無くなってしまうというのはわかっていた。
この視界を遮る黒い霧も不快な悪臭も、朝の風と共に空の向こうへと消えていってくれるだろうし。
何より、あんな肉片になってしまえば何も出来ないだろう。と霊夢はそう結論づけてキメラの死体に何の警戒もしなかった。

しかし、それが甘かった。

霊夢が背を向けた瞬間、ゆっくりと溶けてゆくキメラの頭にある複眼が赤く光った。
死体が発する光とはとても思えぬ程強く、絶好のチャンスと言わんばかりに輝いている。
キメラの死体に起きた異変に霊夢は気づかず、ルイズの部屋に戻ろうとしていた。
まさしく奇襲をするには絶好の機会であり、それを知ってかキメラの複眼がピカピカと点滅し始める。
最初の点滅こそは五秒ほどの間隔をあけていたが、段々とその間隔は早くなっていく。
しだいに点滅が激しくなってくると、痙攣しなくなっていた右腕部分が再び痙攣し始めたのだ。
その内サソリの尻尾と同じ形をした右腕はズリズリと地面を這う音をたてながら、動き始めた。
一見すれば蛇にも見えてしまう右腕の進む先にいるのは、倒した゛はず゛の相手に背を向けて歩いている霊夢。
地面を這う音は肉片の溶ける音にかき消され、霊夢の耳には全くと言っていいほど入ってこない。

最初こそは1メイルほどの距離が空いていたのだが、それがドンドン縮まっていく。
50サント、42サント、34サント、20サント…それでも霊夢は気づきもしない。
当の本人は「あ〜、疲れたわねホント…」とか呟きながら左手に持っていた御幣を背中に差していた。
今彼女の周囲にはキメラが放出した黒い霧が漂っており、後方よりも前方の方に意識を向けているのである。

――それ、仕留めるのなら今がチャンスだ!

704 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 22:02:01 ID:SrOMZj+R
まるでそう言っているかのように、複眼がある程度のテンポをとって点滅する。
霊夢にすり寄ってくる右腕はそれに応えるかのように、サソリの尻尾で言う先端部分から鋭い針が出てきた。
針の先からは紫色の液体が流れ、誰の目から見てもそれが毒だとすぐにわかるだろう。
霊夢は未だ、後ろから忍び寄ってくる死にかけの暗殺者に気づいてはいない。
そして霊夢との距離があと15サントという所で残った力を全て使い果たして飛び跳ねようとした。瞬間―――

「よっと」

死に体になろうとも尚迫り来る相手に振り返ろうともせず、
空になったジュースの瓶をそのまま後ろに投げ捨てるかのような動作で霊夢はお札を二枚、放った。
1枚目はすぐ傍にまで近づいていた右腕。そして二枚目は複眼を点滅させている頭部へと飛んでいき、そして…。
「その気味の悪い殺気ぐらいは、隠せるようにしときなさい」
まるで頭の悪い生徒を受け持つ教師のような感じで霊夢がそう呟き―――
二度目の小さな発光が、宿舎の一部を照らした。

――――― - - - - . . . .

終わった、戦いは終わった。
先程まで屋上にいたタバサは屋上へと通じる階段の出入り口で立ち止まると、モノクルを外した。
今この手の上にあるモノクルは全てを見つめていた。紅白の少女とあのキメラの戦いを。
後はこのモノクルを明日の朝やってくるであろう゛鳩゛に渡せば、今回の゛任務゛は終わるのだ。
タバサはモノクルを懐に入れて愛用している自分の眼鏡を掛けると、歩き出した。
もうすることは終わったのであるし、何より肌寒いこんなところに長居する理由もない。
明日も早いが、何よりこの前購入した本を読まなければいけないのだから。
そんな事を考えているタバサの足取りは軽くはなく、かといって重くもなかった。



その部屋の中は、様々なマジックアイテムや美術品で溢れかえっていた。
まるで倉庫を思わせるかのような乱雑とした部屋の真ん中で、一人の老貴族が椅子に腰掛けている。
髪は銀色に光り、鼻の下には小さく刈り込まれたひげがあった。
整ってはいるのだが、あまり覇気を感じさせない顔立ちであった。
それがかえってこの老人の印象を薄い物にしていた。
そんな老貴族の目の前には、台座の上に置かれた大きな水晶玉があった。
この水晶玉もまた部屋の中にある数多くあるマジックアイテムの内の一つだ。
水晶玉の直ぐ傍には小指サイズの空き瓶があり、底には中に入っていたであろう赤い液体がほんの少しだけ残っている。
このマジックアイテムは選んだ相手の体液か血液を用いて、その相手の視界に写るものをみる為に使われる。
といってもまだ未完成であり、尚も研究が続けられている代物ではあるものだ。
そんな代物をこの老貴族が持っているということは、彼がそれなりの地位を持っている事を証明している。

「ふぅむ…やはり我々の敵という判断をした方が良いかのぅ?」
まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのような部屋の中に、しわがれた老人の声が響いた。
口の中でもごもごと、言いにくそうに呟くその表情は何処か苦々しいものとなっている。
その理由は、ついさっきまでこの水晶玉に写っていた視界の主と、一人の少女の戦いを見たからである。
視界の主であったキメラを売っていた連中は、対メイジ戦を想定して造られたキメラだと言っていた。
その言葉は確かで人目の付かぬ山中で会おうとした内通者とスパイを数人、街中では夜中のホテルに忍び込んで内通者を一人始末している。
全ては祖国トリステインと、アルビオンのスパイとそれに媚びる国内の内通者達を滅ぼすためだ。
彼らを滅ぼさなければ、アルビオンと戦うどころか、自分たちが崇拝する王家が消滅してしまうのだ。
(麗しき姫殿下が立派になられるまで…我々が闇の中から手助けしなければいけないというのに…)
それをあの少女が…。老人は親の仇敵を見るかのような眼差しで少女の姿を思い出していた。

705 :ルイズと無重力巫女さん:2010/12/31(金) 22:07:20 ID:SrOMZj+R
まるでおとぎ話の中から出てきたかのように可憐な姿にはふさわしくない強さを、あの少女は持っていた。
寄生型を2匹、更に対メイジ用のキメラを2体を、何の労力も使わずに倒したあの未知の力はなんだというのか。
最初の一体は学院の傍で取引しようとした内通者を跡形も残さず始末し、スパイを消そうとしたところであの少女に邪魔され、倒された。
この事を知った老貴族は自分の゛仲間達゛を呼びつけ、この少女(最初はただ゛赤い服を着た人間と呼んでいた)は何者なのかと短い時間で議論したが結果は「アルビオンの放った刺客」というものであった。
最初も老貴族はその結論に疑問を感じたものの、自分たちの仕事を邪魔したのは事実であり大きな声を上げて否定することは無かった。
そして今夜中にでも、残った一体を用いておびき出し、ある程度の怪我を負わせてからお前は何者なのかと聞き出そうとしたのであるが。
結果、老貴族とその゛仲間たち゛の描いたスケジュールは、本筋を離れて大きく脱線してしまう形となった。
だが先程まで少女の戦いを見ていた老貴族の頭にはある疑問が浮かんでいた。

「あれは先住…いや、まさかあれが【虚無】というものなのか…」
追尾機能や当たれば即爆発するあの謎の紙や、キメラの体が吹き飛ぶ直前に姿がかき消えたこと。
今まで長いこと生きてきたが、あのような正体不明の力は見たことが無かった。
最初はエルフや一部の亜人達が使う先住魔法かと思ったが、伝説にある失われた系統ではないかと老貴族は思った。

老人の考えは惜しくも外れてはいるのだが、ただ一つわかったことがある。

(あの少女は良くわからない力を用いて、ガリアから購入したキメラを倒したということじゃ…)
幸い人に寄生するタイプの、ナメクジを素体とした気色の悪いキメラはまだ何匹かこちらの手元にある。
あれは人間に寄生してそのまま意思を乗っ取ってしまうモノであるが、それだけでは内通者とスパイを狩ることは出来ない。
今日一日で失ってしまったあの2匹がいてこそ、ここまで出来たのである。
しかしそれを失ってしまった今は、昨日までのような暗殺は出来ない。
(幸い財産には余分があるし…またガリアの方へ赴いて買いに行く必要があるのぅ)
「やれやれ…これでしばらくは阿呆共に好き放題やらせてしまうのかのぅ…?」
老貴族は心底疲れたかのような表情を浮かべつつ、その背中を椅子の柔らかいクッションへと沈み込ませる。
王宮のお墨付きがあるトリスタニアのブランド会社が作ったこの椅子は見た目よりも座り心地が遥かに良いのだ。
もう大抵の人ならベッドに潜っている時間であり、本当ならこの老貴族もベッドでゆっくりと休みたかった。

しかしこの老貴族には寝る前にまだまだしなければならないことがある。
それは、今後自分と゛仲間達゛のするスパイと内通者狩りに関することであった。
今回学院の方で起こした騒動は今のところ昨日起きたホテルの事件で浮き足立っている宮廷の連中に届きはしない。
仮に届いたとしても行動には移さないであろうし、移すならばある程度落ち着いた時だろう。
あのキメラは死ぬと証拠は残さないような死に方をするし、時間が経てば自分の゛仲間゛を通して有耶無耶にする事が出来る。
だからといって人間を使って暗殺を続けるのは危険であるし、王宮の方でも内通者やスパイに対して何らかの対策は練るだろう。
キメラを再度購入するにしても今すぐ゛売り手゛に会えるわけでもなく、ある程度の時間が必要だ。
(とりあえず、今後しばらくは内通者側の元締めを地道に探すということにしておくか…)
そこまで考えると老貴族は手元に置いてあった羽ペンを手に取ろうとした。その時…
老貴族の前方にあるドアからノックする音が二回、規則正しいリズムと共に聞こえてきた。

「ゴンドランド卿。今日提出された研究報告及びレポートの方、お持ち致しました」
ドアの向こうから聞こえてくる声を耳に入れ、ゴンドランド卿と呼ばれた老貴族は溜め息をついた。
(やれやれ…日付が変わる前にベッドへ潜れる日が戻ってくるのは…何時なんじゃろうか?)
心の中でそう呟き、机の右上端にはめ込まれた純銀製のネームプレートを、皺だらけの指で軽くなぞった。

そのプレートには自分の名前が刻まれており、その右上にはこのような言葉が刻まれている。

――トリステイン王国魔法研究所『アカデミー』
                 評議会会長兼最高責任者―――

この老貴族こそが、トリステインの知を司るゴンドランド卿であり…
同時に、この国の現状に嘆く同志である古参貴族達を率いて闇の中で動き出した゛灰色卿゛であった。

706 :無重力巫女の人:2010/12/31(金) 22:10:43 ID:SrOMZj+R
以上で、38話の投稿は終わりです。
この一年間、色々ありましたがペースを大きく崩さず作品を書けたと思っています。
来年は今よりももっと良いペースで作品を書けるようになりたいです。

では皆さん、よいお年を。ノシ

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 00:40:04 ID:b5Ytmn0f
投下間隔長すぎワロタ、避難所代理スレを活用してもっと早く投下してくれ

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 00:48:50 ID:RQYE0j7G
ツクール作品はサンプルゲームのキャラとかなら大丈夫じゃないかな
それはいわば公式なわけだし

カードワースは…ASK作品限定、とかじゃ流石に狭すぎるしなあ
見たい人は結構いそうだしなんとか…まあ避難所あたりで投下して反応を見るというのも一つか

それはそうと新年あけましておめでとうございます(礼)

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 00:56:56 ID:plk7IQcZ
適当なのでっち上げて云々するような阿呆の問題を除けば需要はあるんだろうけどなあ

商業進出したレミュオールとかは問題なさそうだけど、
そうでもない奴でも明らかに各所で取り上げられたような有名どころなら適当にツクってオリキャラを、的なのは無いんじゃないかな。

あと、フリゲの話するなら東方より洞窟物語辺りが例になると思う。東方はフリゲじゃないよ。

明けましておめでとう。

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 00:58:41 ID:OVvyBdqg
無重力巫女の人、乙
そしてあけましておめでとうございます
キメラといえばタイラントがやってきたのも正月ですね
今年もよい年でありますように

711 : 【中吉】 【323円】 :2011/01/01(土) 01:03:10 ID:4AqEPoL4
あけましておめでとうございます。

名前欄に!omikuji !dama

712 : 【ぴょん吉】 【248円】 :2011/01/01(土) 01:05:36 ID:zeFrHa6B
あけおめ
今年はいい感じで投下したい

713 : 【豚】 【1262円】 :2011/01/01(土) 01:06:41 ID:zeFrHa6B
ぴょん吉ってなんやねんw

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 01:20:42 ID:4AqEPoL4
>>713
泣いて笑って喧嘩する平面ガエルだろ

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 01:23:17 ID:zeFrHa6B
>>714
それは木に結んだほうがいいのかw

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 01:27:39 ID:1q5X1WAD
>>713
トラックに轢かれても平気な強運が保証される

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 01:28:44 ID:7dK6vGml
ei

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 01:42:17 ID:4AqEPoL4
>>715
布団とご飯と子分ができる運勢だから大事に持ってろw

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 01:46:14 ID:zeFrHa6B
>>716>>718
わかったwコピペして保管しとくw

720 : 【大吉】 【1463円】 株価【28】 :2011/01/01(土) 02:02:05 ID:1YhPr0Eg
更に!kabを追加!omikuji!dama!kabで株価も出るよ

>>717
メル欄じゃなくて名前欄な


721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 02:04:35 ID:1YhPr0Eg
忘れてた、あけましておめでとうございます。
今年も全盛期のマケレレ並の守備範囲でSSに雑談によろしくお願いします。

そして暫定一位のようだな!

722 :13日の虚無の曜日:2011/01/01(土) 02:45:45 ID:BiE277zL
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

去年最後の投下は逃しましたが、今年最初の投下は逃しません。
13日の虚無の曜日 第三話を3:15に投下をしたいと思います。

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 02:52:03 ID:1YhPr0Eg
支援したいけど眠い・・・
猿さんは毎時0分に解除されるので、猿りそうな量なら適当なところで跨ぐよう投下するとお得ですよ、何かが
あと夜中だから大丈夫だと思いますけど、あんまロングパスだと不味いっすよ

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 02:52:11 ID:y0Yjy5L4
しえん

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 02:52:54 ID:1YhPr0Eg
はやくね!?

726 :名無しさん@お腹いっぱい:2011/01/01(土) 02:58:32 ID:pxqfyTqG
無重力巫女の人、乙でした。
灰色卿は国の為、と言っているけどキメラの購入先や誤った情報を握らされている辺り、無能王に踊らされてるっぽい感じが。
後、最後のキメラの追撃を倒した戦闘スタイルはとてもクールでしたw

727 :13日の虚無の曜日:2011/01/01(土) 03:01:08 ID:BiE277zL
すみません、少し早めて3:10に投下します

728 :13日の虚無の曜日 第三話:2011/01/01(土) 03:10:18 ID:BiE277zL
 
ティファニアが意識を取り戻したとき、
自身が呼び出したはずの大男の姿は消えていた。
彼女は辺りを見回したが、後に残されていたのはごく普通の枕と
ボタンで出来た目が特徴的な、少し大きめのクマのぬいぐるみだけだった。
ぬいぐるみを持ち上げながら、ティファニアは逡巡する。

彼女は夢の中での出来事を真実だと確信していた。
夢の最後に現れた男は、優しい母を持ち、
子どもたちにその容姿から虐められていた少年ジェイソンであり、
自身が呼び出した使い魔であるに間違いないと。
そこに根拠はなく、ただの直感だが、件の夢には今まで感じたことがない
異様な雰囲気があり、それが真実性を与えていた。
逡巡する間、抱え込んでいた人形を見て、ふと思う。

もしかしたら、この人形は彼の物なのかもしれない。

成人の男性がクマのぬいぐるみを持っているのは、些か変わっているが
ジェイソンは母親の支えと、このぬいぐるみで虐めを耐えてきたのだと思えば、
彼がぬいぐるみを大切にする姿は想像するに難くない。
今、ジェイソンはとても心細いのかもしれないとティファニアは考えた。
母親から引き離され、頼りの綱はこの一品だけ。そして見知らぬ人物である自分により、
突然こんな場所に呼び出されたことに、酷く動揺しているのだ。

あの優しげだった母親が、あれほど狂的な姿で「息子が死んだ」といっていたのは、
自分がジェイソンを突然連れて行ってしまったことに
錯乱してしまったのだと、彼女は好意的に解釈した。
彼女は知る由もないが、残念ながらその解釈は外れが多かった。

当のジェイソンは卑劣な罠にかかり、寝込みを襲われたと思い込んでおり、
見知らぬ場所、母親の面影と重なるティファニアの存在に驚きはしたが、
と同時に、ティファニアに対して並々ならぬ殺意を抱いていること。
さらにジェイソンの母パメラは、何十年も昔に彼の目の前で殺されており、
心配していても天国(または地獄)から見守っているのであり、
そのため彼の身を心配して探しているだろうという考えは杞憂だった。

しかし間違っていない部分もあり、ジェイソンはそのクマの人形を大切にしていること、
子どもの頃、湖で溺れて死んだと思われ、母親も息子は死んだと思っていたが、
実際は人知れず生きており、その後の殺人者としての人生において本当に死が訪れ、
生命の基本法則から逸脱して、甦るようになったのだ。

そんなこととは露知らず、ティファニアはジェイソンに事情を説明し
大切なものであろうぬいぐるみを返すべく、ジェイソンを探しに行った。
月光が薄れ、夜明けが近く、太陽が今か今かと登ろうとしており、
空は黒一色から青空に徐々に変化しつつあった。


729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 03:11:19 ID:8bdioaKl
支援

730 :13日の虚無の曜日 第三話:2011/01/01(土) 03:12:14 ID:BiE277zL

*********************************************

ティファニアが森でジェイソンを探している頃、
そこから数十メイル先の木の下に、ジェイソンは頭を垂れて腰かけていた。
未だに自分が殺そうと思っても殺せない、母に似ていないのに、
似ているように感じる少女の存在、母以外からは罵倒でしか呼ばれたことのない
自分の名前を口にし、尚かつ憐れみの言葉を呟かれたことに戸惑っており、
やり場のない殺意はなりを潜めていた。しかし少女が自分に何をしたのか、
それとも何かをしようとしていたのか、それが気がかりで、
彼は自分が次にどう行動したらいいか悩んでいた。

ここまでの人生、ジェイソンはただひたすら人を殺すことに尽力してきたため、
手に持つ凶器で容易く解決する方法以外はわからず、
現在の状況を打破する方法は全く考えられなかった。
彼の人生は往々にして冒険といって差し支えなく、
鉈での頭部への滅多打ちから死を体験し、
その死も落雷からフランケンシュタインの怪物のごとく
息を吹き返したことで復活を体験し、
以後も新約聖書のキリストのごとく短期間で復活を遂げており、
その回数は聖書で書かれているようなありがたみを感じさせないほどである。

さらに彼は人間として希少な体験を幾つもしており、
落雷での復活は勿論、死んだ後に模倣犯(彼自身はこの事を知らない)が現れ、
生き返ってからは超能力を使う少女と激闘を繰り広げ、
初めてのニューヨークへ殺戮の旅をし、
警官隊の一斉射撃により原型を留めない肉塊にされても、
他者の肉体へ憑依して生き残り、異母兄妹の肉体を使って本来の肉体を
取り戻したこともあり、自身の姪により地獄の亡者に地獄へ引きずり込まれたこともあった。
また悪夢を操るとある殺人鬼に蘇生させられ、その殺人鬼の復活のダシに使われ、
最後は死闘を演じ、相打ちになったことがあるなど、その遍歴は様々である。

しかし一貫して殺戮の手を休めたことはない。
これは彼の頭が悪いという意味ではなく、被害者の先回りをして待ち伏せをする、
死体を配置して被害者の足止めや退路を塞ぐ、一切物音を立てないなど
むしろ殺人の手腕は知的なものが多く、ただその知性が他に回らないだけなのだ。

そのため現在ジェイソンが抱えている問題は、彼を今までにないほど追いつめていた。
肉体的ではなく、精神的に。問題は他にもあり、自分がいる場所が全く把握できないのだ。
ニューヨークでとある映画の広告に言い知れぬ感情が沸き起こったこともあったが、
クリスタルレイクにはない木々や植物に、月が二つ、耳の先が尖った少女の存在、
いつの間にか胸に刻まれていた紋様、今の状況はニューヨークの話を超えており、
今までにないカルチャーショックをジェイソンは受けていた。

だがしかし、その眼と表情は些かも変ずることはなく、
他者が見たら、彼がそんなショックや考え事をしているとは到底思えないだろう。
逆に、獲物を待ち伏せる獰猛な捕食者の姿としか目には映らない。
そんな状態が続き、いつしか朝陽が森の木々を照らし始めた。

ともかくジェイソンは早急にこの場を去り、何としてでもクリスタルレイクへ戻り、
そして少女のことは忘れようと決意を固め、立ち上がろうとした。

「ジェイソン!」

彼にとって一番聞きたくなかった声が聞こえ、本来はゆっくりとしか動かない体が
急速に後ろを向く。後ろには彼の悩みの対象である少女がいた。少女は悲しんでいた。



731 :13日の虚無の曜日 第三話:2011/01/01(土) 03:14:03 ID:BiE277zL

*********************************************

「ごめんなさい、ジェイソン!」

ティファニアはひたすら頭を下げながら、謝罪の言葉を口にした。
その長い金色の髪は乱れ、深緑の服には汚れがつき、息は絶え絶え。
だがそんなことは一切気にせず、自分が勝手にジェイソンを呼び出したこと、
突然に母親から、故郷から引き離してしまったことを謝り続けた。
そこには申し訳ないという感情だけではなく、悲しみが込められていた。

ティファニアは自分自身の境遇と、ジェイソンの境遇を顧みて
それを重ね、同情しているのではなかった。
彼女の心中は、自分の過去を悲劇と捉えていた自分がいた。
世の中には自分と同じ、それ以上の悲しい出来事に遭遇しているのに、
それを考えずに、自分だけ悲しみに暮れる無力な主人公を演じていたように感じ、
そんな自分が恥じていたのだ。夢の中でジェイソンの顔を奇異の目で見た時と同じように。

彼女はひたすら謝り続けているうちに、涙が溢れ、嗚咽が漏れた。
謝罪の言葉がくぐもり、相手に理解できなくなろうとも、言葉は紡がれた。
その言葉も聞こえなくなり、ただ涙と嗚咽が繰り返される。
悲嘆の少女は、手で涙を拭った。

「・・・・ごめんね。こんなに泣いちゃって。悲しくて、苦しくて、
な、泣きたい、のは、あなたの方なのに。ごめんね」

ティファニアはひとしきり泣くと、それをまた謝罪した。

「・・・・・でね、これを返そうと思って、あなたを探したの」

それを見たジェイソンは目に見えるほど、驚愕していた。
ティファニアばかりに注意がいき、他は何も見えていなかったため、
目の前に差し出された、ぬいぐるみが最初は何なのか、理解できなかったのだ。

「あなたがこれを大切にしていると思って、あなたのでしょう?」

先ほどから一切口を開かず(寡黙を通り越した沈黙が彼のアイデンティティの一つである)、
肯定も否定もしなかったジェイソンだが、このとき初めてティファニアに対して
意思表示として、ゆっくりと首を縦に振った。
ティファニアはその行動を見て、微笑を浮かべながら
クマのぬいぐるみをジェイソンに手渡した。

ジェイソンは左手で、クマのぬいぐるみを優しく掴みながら
脳裏で一つの決意を抱いた。右手には鉈が未だに握られており、
彼女から遁走する前と同じようにそれを振り上げ、振り下ろすようなことはせず、
鉈をゆっくりとベルトに差し込んで、左腰に下げた。
もしクリスタルレイクの殺人鬼の噂を知る人間がいれば、
この状況を見たら、何がしかの疑いの目を向けるだろう。
目の前に現れる人、全てを物言わぬ骸に変えてきた殺人鬼が、
獲物がいる前で凶器を納め、ぬいぐるみを抱え上げるなど、ありえないはずなのだ。

しかし現に、ジェイソン・ボーヒーズはそうしており、
さらにその胸中は常時とは全く違う、とても穏やかな気分に包まれていた。


732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 03:14:32 ID:1YhPr0Eg
支援

733 :13日の虚無の曜日 第三話:2011/01/01(土) 03:18:11 ID:BiE277zL

*********************************************

結果的にティファニアが使い魔になってほしいことを告げる前に、
ジェイソンはしばらくの間、この少女と共にいようと考えていた。
それは母に似ていることが気になったことでもあり、
何故そう思うのか、見極めようとしたのかもしれない。
しかし同時に、母と似た安らぎを与えてくれる、この優しい少女がいれば、
母の死で得た孤独感とは、別の何かを与えてくれるとも考えたのかもしれない。
彼は使い魔になる事を肯定し、ティファニアはその好意的で多大な気遣いに感謝を述べ、
ジェイソンを自宅へと案内し始めた。

ここでブレアーズタウンの住民たちが想像したことのない事態が展開されようとしていた。
伝説の、恐怖を持って語られ、不死身の殺人鬼が、ただ一人のか弱い少女に屈し、
ましてや片手にぬいぐるみ、もう片方で少女の手を取って、
陽光輝く森を闊歩している姿など、誰が想像できただろう。
そして、ここにいる一人の殺人鬼は、今までにないほどの使命感に燃えていた。
胸に固めた決意には、どんな手を使ってでも、彼女に害為す存在、一切を殺し、
何者からも守り通そうと、何年も前に朽ちた良心に誓った。

果たして二人に注ぐ太陽の光は、彼らを祝福しているのか、
それとも不浄を浄化せしめようとしているのか、それはまだわからない。



734 :13日の虚無の曜日 第三話:2011/01/01(土) 03:23:09 ID:BiE277zL
以上で本日の投下終了です。
支援してくれた方々、ありがとうございます。
そしてお疲れ様でした。

今年からは少しでも良いから話を去年よりも速めていこうと思います。
大変な遅筆申し訳ございません。

今年も良い年でありますように。

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 03:24:20 ID:1YhPr0Eg
乙です

736 : 【豚】 【162円】 株価【28】 :2011/01/01(土) 04:12:34 ID:CugQTAVZ
うhr

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 12:35:38 ID:I5uQrFF1
ジェイソンこええwさすがに宇宙に行ったエピソードは割愛かw

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 13:02:59 ID:OVvyBdqg
乙でした
ジェイソンってそんなにあっちこっち行ってたのか
不死身で殺戮を繰り返すあたりGMKゴジラの人間版みたいだな

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 13:24:59 ID:xR1Il8/c
乙です。
なんか泣けてきた。

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 14:14:49 ID:5fU2iugf
>>738
ゴジラとジェイソンと言われて、何故だかジェイソーン起動!!とか変なフレーズが浮かんだ。
何故と思ったが、ガイガンとノコ繋がりだったな。
ジェイソン言うほどチェーンソー使ってないけど、イメージは強いからなあ。

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 14:28:16 ID:/thPzFlR
乙!
これは救いの前兆なのかそれとも後の殺戮の前兆なのか、楽しみで成らないなあ。
あとさりげなくフレディVSジェイソンも混じってるのに噴いた。
よく見てらっしゃる……w

>>737
ジェイソンXはなぁ……w

742 : 【小吉】 【804円】 株価【28】 :2011/01/01(土) 16:09:30 ID:1D4uBcv8
乙です。ええ話や…。

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 16:30:28 ID:Mp0KN5mP
そもそもジェイソンって一度もチェーンソーを使ってないような
チェーンソーはレザーフェイスだし

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 16:38:27 ID:OVvyBdqg
星一徹のちゃぶ台返しや真田志郎の「こんなこともあろうかと」みたいに
一回限りしかやってないのにインパクトの強さからキャラの象徴にされてしまったんだな
ドリフのコントなんかじゃチェーンソーなんだが

あと初詣でゼロ魔のアニメ四期が始まるようお願いしてきた

745 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2011/01/01(土) 20:54:47 ID:hWwjfZv6
どうも、SeeDの書き手です。あけましておめでとうございます。
いよいよガリア編も本題に突入。まずは前哨戦です。
副題はFF[の有名なアナグラムから。同じく並び替えが出来ます。
他にいらっしゃらないようでしたら21:00頃から投下開始致します。

746 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2011/01/01(土) 20:59:56 ID:hWwjfZv6
mission21 FOROS LUSEC ZECOS VINOSEC


 サイファー達と別れてから三日後。
 トリスタニアをメインに動くのが難しくなっていたスコール達が、活動の拠点をガリアとゲルマニアの国境付近に定めた頃、見覚えのある風韻竜が近くに降り立った。
「驚いたな。こんなところに来れるのか、お前は」
 知らぬ仲でもない少女達を出迎えつつ、アニエスは素直に驚きを口にした。
「事情が事情」
「貴方達の力を借りないと、本当に危ないのよ」
 オルレアン公女とツェルプストー嬢はほとんど余裕の無さそうな様子で言った。
「私たちを、か……気は進まないがな」
 若干眉を顰めてアニエスが呟く。
 公爵夫人救出作戦だけで契約を終え、その後の反抗に加わらなかったのは、先のトリステインでの宮仕えを蹴ったときの理由の一つでもある、貴族達の利害対立に関わるのを避けるためだった。
 特に現在、噂を聞く限りオルレアン派は劣勢だ。そこで自分たちが行けば確かに挽回のための原動力にはなるだろうが、その後要らぬ妬みを買うのは目に見えている。
「貴方達を雇うのは私。その手柄は私自身に還元するものとして処理する。貴方達の働きについては、依頼料を対価として出す。もちろん、それ相応を」


 オルレアン派の差し当たっての脅威はガリア両用艦隊だった。空中戦力を竜騎士達のような騎士達しか保有していないオルレアン派にとっては、距離を保って砲撃を敢行してくる艦隊には手も足も出ないでいた。
 故に、ラグナロクを保有するスコール達を雇うことを決めたのだ。
「傭兵……大丈夫なのか?シャルロット様や公母殿下をお助けしたこと、今更疑う訳ではないが……エルフ相手とはいえ、一人に勝つのと艦隊を相手に戦うのとでは訳が違うぞ」
 そう不安げに尋ねてくるのは、オルレアンの側近であるカステルモールだ。
「問題ありません。ジョーカー、地上部隊は?」
 ラグナロク観測席についているジョーカーに確認をとる。
「既に大部分は後方に移ってるよ」
「公女殿下。マストを焼くくらいは構いませんね?」
 続いて、艦橋後方のゲスト席に腰掛けるオルレアンに確認をとる。
「人的被害を最小限に抑えることを念頭に置いてくれればいい」
 この戦いはガリアの内乱である。敵とはいえ、その勢力を削りすぎることはガリアそのものの危険にも繋がる。
「レオン、敵艦隊接近。こちらの有効射程距離まであと20秒だ」
 アニエスの言葉にカステルモールは内心驚きを隠せなかった。バイラテラル・フロッテは艦橋上部の「もにたー」はともかく、彼の目にはようやく映るようになったところだったのだ。
「了解。試射の後、マストを狙って任意での射撃を許可。操縦系の一部を預ける。ユーハブ」
 ラグナロクのレーザー機銃は前方へ向けて固定された状態にある。故に、精密に狙い撃とうとすれば、操縦系ごと動かさねばならない。
「アイハブ。テストシュート、ファイア!」
 甲高い音が連続して響き、空気中の微細な塵が燃えて発光することで、レーザーが発射されているのが見て取れる。
「自転速度、大気圧、データ取得終了。ターゲットインサイト、ファイア!」
 短射モードにして、艦隊先頭の一隻のメインマストを射抜く。超高温のレーザーによって火がつき、瞬く間にマスト全体に燃え広がる。
「続けて二次目標、ターゲットインサイト、ファイア!」
 第二射はその隣の艦。
 二隻が立て続けにメインマストを失い、風石による浮力を十分に得られなくなりゆっくりと降下していく。

747 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2011/01/01(土) 21:00:57 ID:hWwjfZv6
 艦隊の先頭が、訳も解らないうちに失われ、多少なりとも混乱が発生しているようだと思えるのは、シューティングサイトの為に最も望遠して操作しているアニエスが見える部分からの推測だ。
「敵の有効射程距離までは?」
「提供されたデータが正しければ、こっちから近づかない限り、あと5分はかかるね」
 スコールの質問にジョーカーが返す。
「アニエス、5分以内に全艦行動不能に追い込んでくれ。その上で移乗白兵戦をやる」
「任せろ」
 ふっと口元に笑みを浮かべてアニエスが返し、再びシューティングサイトを覗く。
「公女殿下には、その際に同行してもらい、艦隊司令の説得をやってほしい。俺たちだけでは無駄に犠牲が出る」
「解った」
 予期していたように、さしたる同様もないままにオルレアンは頷き返す。
「しゃ……シャルロット、様……」
 そんな主君に、カステルモールはそっと尋ねる。
「この者たち……放っておいてよろしいのですか!?この異形のフネ、いずれは我々の敵にも……!」
「その気があるなら、彼らはとっくにハルケギニアの覇者。このフネが確認されているのは一年近くも前」
 故に、気にする必要はない、とオルレアンはあっさり切って捨てる。
「しかし……!」
「第一、エルフに勝てる彼らを相手にしては、どうしようもない。もし敵になるなら、それは死を意味する。下手につつかない方が、安全」
 手出しをするだけ、無駄だ。
「逃げに入ったみたいだね。アニー、横向かれるとマストが狙いにくくなるからとっとと片づけよう」
「了解だ」
 ジョーカーの声に小気味良く返事をし、続けて三射。オルレアン達の目の前で、炎を上げて巨艦がまた、戦列を離れていった。


 三隻が墜ちたところで、流石に両用艦隊司令クラヴィルも気づいた。
 全くもって信じられないことだが、我々は前方のフネに攻撃を受けている。あんな豆粒のようにしか見えない距離でどのようにして攻撃をしているのかは解らないが、そうでなければ、内部工作でもないのにこうもマストが立て続けに燃えるなどあるものか。
 直ぐさま撤退を指示したものの、時既に遅く、ラグナロクの射程に十分踏み込んでしまっていた艦隊は、待避行動の最中にもなおマストを狙い撃ちにされ続け、それぞれがてんでバラバラな場所に不時着をし、あげくに旗艦へ移乗白兵戦を仕掛けられる事となった。
 傭兵二人と一人の騎士を護衛に付けたオルレアン公女が直接乗り込んできた時点で、クラヴィルは膝を折った。
「かの簒奪王の命の下、本艦隊の指揮権を預かっておりましたのは自分です。どうか、部下には寛大なご処置を」
「……今後は我々の指揮下に入ってもらう。艦隊の人員はそのままで」
「は。では、引き継ぎの手続きを」
「人員はそのままと言った。貴方も異動はしない」
 オルレアンの言葉に、クラヴィルは難色を示す。
「それは、しかし……」
「当方には艦隊を運用できる人材に乏しい。貴方を除けば、艦隊は宝の持ち腐れとなる」
「……は、謹んで、拝命いたします」
 こうして、開戦から一時間とたたずに、両用艦隊は丸ごとオルレアン派の人員に組み込まれた。何しろ、艦隊でも大半の者たちはジョゼフに従うのに懐疑的だったのだから、順応も早い。
 以前よりオルレアン派だった者たちの中には、あまりいい顔しないものがいたが、それでも空中戦力は魅力的だった。


「早速煙たがられ始めたかな」
 オルレアン陣営の外れ、着陸しているラグナロクのキャビンで、エアコンの涼しい空気の中で水筒から水を飲んでいるアニエスが窓から外を見つつ呟く。
「恐れられてる、という方が近いと思うけどね。シャルロットさんの部下なんか、昨日の戦闘中露骨に警戒してたよ」

748 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2011/01/01(土) 21:02:07 ID:hWwjfZv6
 しれっとジョーカーは言ってのける。何故かラグナロクに備え付けられていた挽き器とサイフォンで煎れたコーヒーを一口飲んでから、スコールに向く。
「委員長。もう良いんじゃない?戦争の行く末も決まりそうだしさ」
「いや、まだだ。まだジョゼフが残っている。……トリステインで、ゲルマニアの艦隊を消し飛ばした女王と同じ、虚無の王が」
 ジョゼフが居る限り、どれだけ数を揃えた戦力を持っていようと、安牌とはなるまい。
「……やけにこだわるな、お前も」
「約束が、あるからな。……俺があいつを倒すために雇われれば、その時は相手になると」
「いつの間にそんな約束を……」
「最初に会った時だ。正直、実現するとは思っていなかったんだがな」
 そう結びつつ、外を見たスコールは、改めて外を見直した。本陣の辺りが騒がしい。哨戒に出ていた竜騎士達の動きも活発だ。
「何かあったかな?」
「そのようだな……アニエス、出るぞ」
 いつものように、ジョーカーにラグナロクのガードは任せ、本陣の方へと走る。


「何が来たって!?」
「だから、でかいゴーレムだよ!」
「いや、ガーゴイルじゃないか、あれは」
「どっちにしろ、とにかくでかい人形さ!」
「あれが簒奪王の切り札だってのか!?」
「だろぅ?でなきゃまっすぐこっちに向かうものかよ」
「とにかく迎撃だ、迎撃の用意だ!」
「魔法が跳ね返されるゥ?」
「は!そのため、自分と共に哨戒にあたっていた騎士二名が、負傷しております!」
「何を作ったというのだ、あの無能王は!」
「ともかく、傭兵を中心とした部隊をすぐに編成するのだ!大砲と弓矢で……」
「大砲はともかく弓矢が効く相手か!」
「艦隊の方は?」
「マストの張り替えにまだ時間がかかっております!動けるのは、一割にも満たないかと……」
 道すがらに聞こえてくる言葉でも、おおよその事態は察せた。
「でかいゴーレムだかガーゴイルだかだと?しかも……話を聞く限りはエルフの『反射』か?」
「……あれじゃないのか」
 スッとスコールが、平原の向こうを指さす。
 そちらには霞がかった十名ほどの人影が見えるが、サイズ的に人では大きすぎる。
「……そうらしいな」
 ほぼ同時に周りの者たちもそれに気づき始め、騒々しさはなお大きくなっていく。
「大砲隊よォーイ!」
「大砲隊よォーイ!」
 騒がしさの中それでも命令が復唱されていく。スコールとアニエスは大砲隊から大きく離れたところへ駆け出す。
 程なく、大砲の射程に人形達が入った。
 轟音と共に砲弾が次々に撃ち出されていく。が、人形に到達する前に、見えない壁に阻まれて跳弾した大砲が、撃った大砲隊を襲っていた。
「やはり『反射』か」
「公女に指示を仰ぐぞ」
 現在のスコール達の立場はオルレアンの直属だ。身を守る以外の戦闘行為については結局直接指示を受けなければいけない。
 砲弾が反射し、やがてヒトガタ自身も突入し、次々にやられていく部隊を脇目に、本陣付近へ向かう。が、そこで本陣付近から飛び上がった竜がこちらに近づいてきた。
「傭兵部隊SeeD、迎撃を要請する」
「了解した」
 背に乗ったオルレアンの攻撃要請を受けて、スコール達は巨大な人形に向けて駆け出す。
「どうする!ブラザーズか!?」
「いや、一体一体が大きすぎるし……他に試してみたい手がある!もし俺がやられたときには回復を頼む!」

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 21:02:59 ID:ifbBXecn
支援!

750 :SeeD戦記・ハルケギニアlion heart with revenger:2011/01/01(土) 21:03:25 ID:hWwjfZv6
 走りながらフェニックスの尾を手渡して、スコールは巨大な人形――後にヨルムンガンドと呼ばれている事が判明した――とのバトルに突入した。
「G.F.召喚、ディアボロス 闇よりの使者」
 重く、鐘の音が鳴り響き、辺りの空が闇に包まれる。
 いずこからともなくコウモリが幾匹も群れ集まり、空中に巨大な黒い球を造った。
 そこから、まるで胎児が生まれるかのようにずるりと出てきたのは、まさにその名にふさわしい面構えのG.F.ディアボロス。
 自分の生まれてきた黒い球に手を突っ込むと、目一杯の力を込めてそれを引っ張り、ヨルムンガンドの一体に黒い球を投げつけた。ヨルムンガンドの足下を中心に地面に巨大な黒い半球が現れ、その表面に魔法陣が浮かび上がる。
 超重力に晒され、初めて『反射』が効果を発揮し始めるが、強い力で反発をすればするほど、その巨体には過負荷となる重力が加わっていく。やがてその過負荷に耐えきれず脚の一本が折れ始めると後はあっという間だった。
 折れた右脚を庇うために今度は左脚に負荷がかかり、程なく左も折れて両脚共が粉砕される。半ば膝で立つようになるとすぐさま今度は膝が、腿が、腰が、ディアボロスの超重力と『反射』に耐えきれず自壊する。
 必死に持ち直そうとした両腕もまた崩れ、挽き潰され、頭まで全てが砂となった。人間の重量の範疇であるビダーシャルにはおそらく効かないが、ヨルムンガンドの巨体であれば十二分な威力を発揮していた。
 それを見届けると、満足したかのようにディアボロスは空中でくるりと前方一回転し、無数のコウモリとなって飛び去っていった。
「やはり割合ダメージならば効くか!」
 それを見届けたスコールが、そばに転がっていた砲弾の鉄球を持ち上げてアニエスに向く。
「時空魔法生成、グラビデ!」
「ン……これがあのG.F.と同種の擬似魔法か」
「効きは悪い。ディアボロスで援護に行けるまで、関節を狙って破壊してくれ」
「わかった!」
 ぱっと二人は二手に分かれた。


「やはりこんなものか」
 二人と一柱に次々と破壊されていくヨルムンガンドを遠目で眺めつつ、ビダーシャルは面白くもなさそうに呟いた。
 ジョゼフから、オルレアン公爵夫人を奪われた代わりにと半ば無理矢理に建造を手伝わされたのだが、その際に彼らにやられるかも知れないということは、口が酸っぱくなるほどに言っていたのだ。
 ジョゼフはそれでも構わないと建造を推し進めさせたのだが……。
「……一体何がやりたかったのやら」
 理解しかねる。と僅かに首を振り、戦場を駆け回る者に目を向ける。
「ゆっくりとお前の話を聞きたいものだ」
 それだけ言うと、そっとビダーシャルはその場を去った。



今回はここまで。
ビダーシャルはこう言っていますが、実はもう会う予定は無かったり。
んで、次はいよいよ王都攻略へ突入します。

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 21:06:04 ID:ifbBXecn
乙!!

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 21:54:25 ID:Rgcm59eI

>「……一体何がやりたかったのやら」


753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 22:59:27 ID:1g4y6Leu
あけおめ乙

反射が重力魔法の前には仇となったか・・・
量産で数に物言わせてすらこうでは確かに「何がやりたかったのやら」だなw
まぁそれでこそジョゼフなんでしょうが

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 23:51:21 ID:2LFoZT6v
480kbを超えてるんで次スレを立ててきます。

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 23:55:52 ID:2LFoZT6v
次スレ立ちました。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part287
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1293893550/

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/01(土) 23:56:29 ID:tsvp6KIF
次のスレ行く前に一つ書いたので投稿します。
るいは智を呼ぶより、花城花鶏を召喚したものを書きました。

757 :呪いの使い魔:2011/01/01(土) 23:58:57 ID:tsvp6KIF
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。宇宙の果てのどこかにいる,私の僕よ我が導きに応えなさい!!」

ピンクブロンドの少女がそう言って杖を振り下ろすと同時に大爆発が巻き起こった。
周囲にいた者たちから怒号と悲鳴が彼女へ向けられる。
爆心地にはまだもうもうと煙が起こり、中の様子を伺うことが出来ない。

(お願い……!!成功して……!!)

少女は強く祈った。
やがて煙が徐々に晴れていくと、中の様子を僅かながら目で確認することが出来た。
そこには何かが倒れているのが見える。
少女の顔がパァーっと明るくなる。

「やった……私、成功したんだ……!」

しかし、 次の瞬間少女の顔に影が差した。
そこに居たのは、美しい銀色の長い髪の少女であったからだ。

「おい、ゼロのルイズが平民を召喚したぞ……!!」

何処かから聞こえた声。
その声を皮切りにルイズと呼ばれた少女を笑う声が辺りに響き渡った。
少女───ルイズは愕然として、その場に膝をついた。
その目には涙さえ浮かべている。

758 :呪いの使い魔:2011/01/01(土) 23:59:38 ID:tsvp6KIF
そんな彼女の肩を頭頂部の禿げた中年の男が優しく叩いた。

「さあ、ミス・ヴァリエール。コントラクト・サーヴァントを」
「…………」

ルイズは無言で頷くと、ふらふらと銀髪の少女の元へと歩み寄った。
もうどうにでもなれ、と言った心境である。
銀髪の少女の側に腰掛けると、銀髪の少女がピクリと動いた。
反射的にルイズは身を引く。

「ん……?」

銀髪の少女はゆっくりと体を起こすと右手で頭を押さえながら周囲を見回した。

「ここ……は……?」

銀髪の少女の目がルイズへと向けられる。

「?こより……?」
「……我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン」

ルイズは取り敢えず、コントラクト・サーヴァントの呪文を唱えた。

「この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ!」

呪文を唱え終わると、ルイズの唇が銀髪の少女の唇に触れられた。

(ああ、私のファーストキス……。でも、女同士だし、ノーカンよね)

ルイズがそんな風に思っていると、突如口の中に何かが侵入する。

(……ん?)

気が付くと、口の中に何かねちゃねちゃとしたものが押し入れられ、掻き回されていた。
それが相手の舌だと気が付いた時、ルイズの頭はパニックになっていた。

「!!ん〜〜〜〜!!!!!!」

ルイズは銀髪の少女を引き離そうとするが、銀髪の少女はルイズの頭をがっしりと掴んでいた。
思わず相手を蹴り飛ばす。

「ハァ……ハァ、な、何するのよアンタ!?」
「ん〜?キスしてきたのはそっちでしょ?」

銀髪の少女は悪びれないでそう言うと、舌をペロリと出した。

「あ、アンタ一体何なのよ!?」
「私?私は花城花鶏。由緒正しきズファロフ家と花城家の末裔よ」

759 :呪いの使い魔:2011/01/02(日) 00:00:20 ID:Hn+ZHLxu
最初なので、こんな感じで。
スレ汚しごめんなさい

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/02(日) 00:25:32 ID:7l5NChGh
18禁版に投稿すべきキャラだなw

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/02(日) 01:15:01 ID:y50Flnmj
そういやピンクブロンドってなんなんだろうね。これを聞くたびに、違和感が拭えん。
普通にピンクの髪でいいじゃんって思うよ。

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/02(日) 01:21:13 ID:Byz7G8ve
画像検索でもしてみろよ・・・

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/02(日) 01:27:34 ID:yhWEmmh8
SeeDの人乙
しっかしどのキャラも格好良くてホント最高ですな!

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/02(日) 02:34:40 ID:PFLIKc4U
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765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/02(日) 02:35:23 ID:PFLIKc4U
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766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/02(日) 02:36:12 ID:PFLIKc4U
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